JPH09212625A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH09212625A
JPH09212625A JP8016328A JP1632896A JPH09212625A JP H09212625 A JPH09212625 A JP H09212625A JP 8016328 A JP8016328 A JP 8016328A JP 1632896 A JP1632896 A JP 1632896A JP H09212625 A JPH09212625 A JP H09212625A
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JP
Japan
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image
image data
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JP8016328A
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English (en)
Inventor
Takashi Kaneko
孝史 金子
Masashi Hakamata
正志 袴田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、画像データを構成する各画素の有
するデータ値が、そのデータ値が表す物理量と比例関係
にない画像データに基づき、所望のように、画像を再生
するとともに、画像中の所望の画像領域の定量解析をす
ることができるように、画像データを処理することので
きる画像処理装置を提供することをその課題とする。 【解決手段】 本発明によれば、この課題は、対数変換
器12により対数変換処理を受け、各画素の有するデー
タ値が、そのデータ値が表す物理量と比例関係にない画
像データに画像処理を施す画像処理装置において、対数
変換器により実行された対数変換処理とは逆の変換処理
を画像データに施す逆変換手段204と、逆変換手段に
より逆変換処理を受けた画像データを定量的に処理する
演算処理手段206と、演算処理手段により定量的な処
理を受けた画像データに対数変換器と同じ対数変換処理
を施す変換手段208を備えた画像処理装置によって解
決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像処理装置に関する
ものであり、さらに詳細には、画像データを構成する各
画素の有するデータ値が、そのデータ値が表す物理量と
比例関係にない画像データに基づいて、所望のように、
画像を再生するとともに、画像中の所望の画像領域の定
量解析をすることができるように、画像データを処理す
ることのできる画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像を光電的に読み取って、画像データ
を生成し、生成された画像データに基づいて、画像を再
生し、画像中の所望の画像領域の定量解析をおこなうこ
とができるように構成された画像生成解析システムが知
られている。たとえば、放射性標識を付与した物質を、
生物体に投与した後、その生物体あるいはその生物体の
組織の一部を試料とし、この試料を、高感度X線フィル
ムなどの放射線フィルムに一定時間重ね合わせることに
よって、放射線フィルムを感光させ、あるいは、露光
し、放射線フィルムの感光された部位に基づいて、試料
中の放射性標識物質の位置情報を得るようにしたオート
ラジオグラフィ検出方法や、蛋白質、核酸配列などの固
定された高分子を、化学発光物質と接触すると、化学発
光を生じさせる標識物質により、選択的に標識し、標識
物質によって選択的に標識された高分子と化学発光物質
とを接触させて、化学発光物質と標識物質との接触によ
って生ずる可視光波長域の化学発光を検出することによ
って、遺伝子情報などの高分子に関する情報を得るよう
にした化学発光検出方法、金属あるいは非金属試料など
に電子線を照射し、試料の回折像あるいは透過像などを
検出して、元素分析、試料の組成解析、試料の構造解析
などをおこなったり、生物体組織に電子線を照射して、
生物体組織の画像を検出する電子顕微鏡による検出方
法、放射線を試料に照射し、得られた放射線回折像を検
出して、試料の構造解析などをおこなう放射線回折画像
検出方法などが、その例である。
【0003】これらの方法は、従来、検出材料として、
写真フイルムを用い、写真フイルム上に、放射線画像、
化学発光画像、電子顕微鏡画像、放射線回折画像などを
記録し、目視によって、可視画像を検出することによっ
て、おこなわれていたが、検出材料として、写真フイル
ムを用いる場合には、オートラジオグラフィ検出方法や
放射線回折画像検出方法にあっては、放射線フイルムの
感度が低く、画像記録に多大な時間を要するという問題
があり、また、化学発光検出方法にあっては、微弱な化
学発光を確実に検出するために、γ値の高い高感度フイ
ルムを用いる必要があるが、γ値の高い高感度フイルム
を用いるときは、確実に、特性曲線の直線部を用いて、
露光することが困難であって、露光ミスが多く、露光条
件を変えて、繰り返し、露光する必要があるという問題
があり、さらには、電子顕微鏡による検出方法にあって
は、電子顕微鏡用の写真フイルムは、特性曲線の直線部
が少ないため、露光条件の選択が難しく、露光ミスによ
り、繰り返し、露光をしなければならないという問題が
あり、また、いずれの方法にあっても、現像処理という
化学的処理が必要不可欠であって、操作が煩雑であり、
さらには、定量解析が困難であるという問題を有してい
る。
【0004】そこで、従来の写真フイルムに代えて、放
射線、可視光、電子線などが照射されると、そのエネル
ギーを吸収して、蓄積し、その後に、特定の波長域の電
磁波を用いて励起すると、照射された放射線、可視光、
電子線などのエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発
する特性を有する輝尽性蛍光体を、放射線、可視光、電
子線などの検出材料として用い、輝尽性蛍光体から発せ
られた輝尽光を、光電的に検出して、ディジタル信号に
変換し、得られた画像データに所定の画像処理を施した
後に、画像を、CRT画面などの表示手段あるいは写真
フイルム上に再生し、必要に応じて、画像中の所望の画
像領域の定量解析を実行できるようにしたオートラジオ
グラフィ検出方法、化学発光検出方法、電子顕微鏡によ
る検出方法、放射線回折画像検出方法が提案されている
(たとえば、特公平1−60784号公報、特公平1−
60782号公報、特公平4−3952号公報、米国特
許第5,028,793号、英国特許出願公開GB第
2,246,197A、特開昭61−51738号公
報、特開昭61−93538号公報、特開昭59−15
843号公報など)。この輝尽性蛍光体を用いた検出方
法によれば、現像処理という化学的処理が不必要である
だけでなく、オートラジオグラフィ検出方法や放射線回
折画像検出方法にあっては、露光時間を大幅に短縮する
ことができ、化学発光検出方法や電子顕微鏡による検出
方法にあっては、露光ミスが少なく、容易に、露光をお
こなうことができるという利点があり、さらには、ディ
ジタル信号に変換された後に、画像が再生されるので、
画像データに、データ処理を施すことによって、所望の
ように、画像を再生し、あるいは、コンピュータによる
定量解析が可能になり、好ましい。
【0005】このように、蓄積性蛍光体シートを用い
て、電気信号に変換された画像データは、4桁ないし5
桁のきわめて広いダイナミックレンジを有しており、画
像データをそのまま、記憶するためには、膨大な容量の
メモリを必要とし、経済的ではない。そこで、蓄積性蛍
光体シートを用いて、電気信号に変換された画像データ
に、対数圧縮処理や平方根圧縮処理などの圧縮処理を施
し、画像データを圧縮して、メモリに記憶するようにし
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして、圧縮処理を受けた画像データを構成する各画
素の有するデータ値は、そのデータ値が表す物理量、す
なわち、蓄積性蛍光体シートの発光量と比例関係にはな
く、したがって、画像データに基づき、再生された画像
中の所望の画像領域の定量解析をおこなうことはできな
いという問題があった。さらに、所定の画素サイズ、た
とえば、50μmで生成された画像データを、100μ
mの画素サイズを有する画像データに変換した後に、画
像として再生するため、隣接する4つの画素の有するデ
ータ値を加算平均して、1つの画素に割り当てる加算平
均処理を画像データに施す場合があるが、各画素の有す
るデータ値が、そのデータ値が表す物理量、すなわち、
蓄積性蛍光体シートの発光量と比例関係にはないため、
4つの画素の有するデータ値を加算平均して得られたデ
ータ値は、4つの画素の有するデータを代表するもので
はなくなり、したがって、所望のように、画素サイズの
異なる画像を再生することができなくなり、また、表示
手段上に表示された画像を回転させるために、画像デー
タを処理する場合には、回転する画像を構成する各画素
のデータ値を変換することが必要となるが、ただ単に、
アフィン変換を施して、各画素の有するデータ値を変換
させるときには、各画素の有するデータ値が、そのデー
タ値が表す物理量、すなわち、蓄積性蛍光体シートの発
光量と比例関係にはないため、回転された画像の各画素
は、もとの画像データの対応する画素の有するデータ値
とは異なるデータ値を有することになり、所望のよう
に、画像の回転をすることができないという問題を有し
ていた。
【0007】このことは、オートラジオグラフィ画像
や、化学発光画像、電子顕微鏡画像、放射線回折画像な
どを、一旦、写真フイルムに記録し、記録された画像を
光電的に読み取り、ディジタル信号化し、メモリに記憶
し、必要に応じて、画像データに所望のデータ処理を施
すことによって、可視画像として、CRT画面などの表
示手段に再生する場合にも、同様に問題になる。したが
って、本発明は、画像データを構成する各画素の有する
データ値が、そのデータ値が表す物理量と比例関係にな
い画像データに基づき、所望のように、画像を再生する
とともに、画像中の所望の画像領域の定量解析をするこ
とができるように、画像データを処理することのできる
画像処理装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【発明の構成】本発明のかかる目的は、データ変換手段
によりデータ変換処理を受け、各画素の有するデータ値
が、そのデータ値が表す物理量と比例関係にない画像デ
ータに画像処理を施す画像処理装置であって、前記デー
タ変換手段により実行されたデータ変換処理とは逆の変
換処理を画像データに施す逆変換手段と、前記逆変換手
段により逆変換処理を受けた画像データを定量的に処理
するデータ処理手段と、前記データ処理手段により定量
的な処理を受けた画像データに前記データ変換手段と同
じデータ変換処理を施す変換手段を備えた画像処理装置
によって達成される。本発明によれば、容量の小さいメ
モリを用いて、画像データを記憶することを可能にする
ため、データ変換手段によりデータ変換処理を受け、そ
の結果、各画素の有するデータ値が、そのデータ値が表
す物理量と比例関係にない画像データに基づき、きわめ
て容易に定量的な処理を実行することが可能になる。本
発明の好ましい実施態様においては、前記データ処理手
段が、前記逆変換手段により逆変換処理を受けた画像デ
ータの複数の画素のデータ値を加算平均して、1つの画
素に割り当て可能に構成されている。
【0009】本発明の好ましい実施態様によれば、ある
画素サイズで、画像を読み取って得た画像データに基づ
いて、任意の画素サイズで、画像を再生することが可能
になる。本発明のさらに好ましい実施態様においては、
前記データ処理手段が、前記逆変換手段により逆変換処
理を受けた画像データにアフィン変換を実行可能に構成
されている。本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、画像を、所望のように、回転させて、表示すること
が可能になる。本発明のさらに好ましい実施態様におい
ては、前記データ処理手段が、前記逆変換手段により逆
変換処理を受けた画像データに基づき、画素の有するデ
ータ値を積算可能に構成されている。本発明のさらに好
ましい実施態様によれば、画像データの各画素の有する
データ値が、そのデータ値が表す物理量と比例関係にな
いにもかかわらず、正確に、定量解析を実行することが
可能になる。本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記画像データが、蓄積性蛍光体シートを用いて生
成されている。
【0010】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、ダイナミックレンジがきわめて広い蓄積性蛍光体シ
ートを用いて生成された画像データを容量の小さいメモ
リに記憶することを可能とするとともに、きわめて容易
に定量的な処理を実行することが可能になる。本発明の
さらに好ましい実施態様においては、前記画像データ
が、オートラジオグラフィ画像データ、放射線回折画像
データ、電子顕微鏡画像データおよび化学発光画像デー
タよりなる群から選ばれる画像データにより構成されて
いる。本発明のさらに好ましい実施態様においては、オ
ートラジオグラフィ画像データ、放射線回折画像データ
または電子顕微鏡画像データが、試料から発せられる放
射線または電子線を、輝尽性蛍光体に蓄積、吸収させ、
しかる後に、前記輝尽性蛍光体に、電磁波を照射して、
該輝尽性蛍光体から発せられた光を光電変換することに
より得られている。本発明のさらに好ましい実施態様に
おいては、化学発光画像が、試料から発せられる可視光
を、輝尽性蛍光体に蓄積、吸収させ、しかる後に、前記
輝尽性蛍光体に、電磁波を照射して、該輝尽性蛍光体か
ら発せられた光を光電変換することにより得られてい
る。
【0011】本発明において、オートラジオグラフィ画
像、放射線回折画像または電子顕微鏡画像を生成するた
めに使用することのできる輝尽性蛍光体としては、放射
線または電子線のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によ
って励起され、蓄積している放射線または電子線のエネ
ルギーを光の形で放出可能なものであればよく、とくに
限定されるものではないが、可視光波長域の光によって
励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえ
ば、特開昭55−12145号公報に開示されたアルカ
リ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(Ba
1-x,2+ x )FX:yA(ここに、M2+はMg、Ca、
Sr、ZnおよびCdからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属元素、XはCl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、
AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、N
d、YbおよびErからなる群より選ばれる少なくとも
一種の3価金属元素、xは0≦x≦0.6、yは0≦y
≦0.2である。)、特開平2−276997号公報に
開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体
SrFX:Z(ここに、XはCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、ZはEu
またはCeである。)、特開昭59−56479号公報
に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体
BaFX・xNaX’:aEu2+(ここに、Xおよび
X’はいずれも、Cl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦
2、aは0<a≦0.2である。)、特開昭58−69
281号公報に開示されたセリウム付活三価金属オキシ
ハロゲン物系蛍光体であるMOX:xCe(ここに、M
はPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、
Er、Tm、YbおよびBiからなる群より選ばれる少
なくとも一種の三価金属元素、XはBrおよびIのうち
の一方あるいは双方、xは、0<x<0.1であ
る。)、特開昭60−101179号公報および同60
−90288号公報に開示されたセリウム付活希土類オ
キシハロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe(ここ
に、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選
ばれる少なくとも一種の希土類元素、XはCl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ン、xは、0<x≦0.1である。)および特開昭59
−75200号公報に開示されたユーロピウム付活複合
ハロゲン物系蛍光体MIIFX・aMI X’・bM'II
'' 2 ・cMIII ''' 3 ・xA:yEu2+(ここに、M
IIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少な
くとも一種のアルカリ土類金属元素、MI はLi、N
a、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ金属元素、M’IIはBeおよびMg
からなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属元
素、MIII はAl、Ga、InおよびTlからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、Aは少なく
とも一種の金属酸化物、XはCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、X’、X
''およびX''' はF、Cl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは、0
≦a≦2、bは、0≦b≦10-2、cは、0≦c≦10
-2で、かつ、a+b+c≧10-2であり、xは、0<x
≦0.5で、yは、0<y≦0.2である。)が、好ま
しく使用し得る。
【0012】本発明において、化学発光画像を生成する
ために、使用することのできる輝尽性蛍光体としては、
可視光波長域の光のエネルギーを蓄積可能で、電磁波に
よって励起され、蓄積している可視光波長域の光のエネ
ルギーを光の形で放出可能なものであればよく、とくに
限定されるものではないが、可視光波長域の光によって
励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえ
ば、特開平4−232864号公報に開示された金属ハ
ロリン酸塩系蛍光体、希土類元素付活蛍光体、アルミン
酸塩系蛍光体、珪酸塩系蛍光体、フッ化物系蛍光体が、
好ましく使用し得る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明にかかる好ましい実施態様につき、詳細に説明を加え
る。図1は、本発明の実施態様にかかるオートラジオグ
ラフィ画像処理装置のための画像データを生成する画像
読み取り装置の一例を示す略斜視図である。図1におい
て、蓄積性蛍光体シート1には、試料(図示せず)に含
まれる放射性標識物質の位置情報が、放射線エネルギー
の形で、蓄積されている。本実施態様においては、サザ
ン・ブロット・ハイブリタイゼーション法を利用した遺
伝子中の放射性標識物質の位置情報が、蓄積性蛍光体シ
ート1に蓄積記録されている。ここに、位置情報とは、
試料中における放射性標識物質もしくはその集合体の位
置を中心とした各種の情報、たとえば、試料中に存在す
る放射性標識物質の集合体の存在位置と形状、その位置
における放射性標識物質の濃度、分布などからなる情報
の一つもしくは任意の組み合わせとして得られる各種の
情報を意味するものである。
【0014】試料中の放射性標識物質の位置情報は、た
とえば、次のようにして、蓄積性蛍光体シート1に蓄積
記録されている。すなわち、まず、目的とする遺伝子か
らなるDNA断片を含む複数のDNA断片を、ゲル支持
媒体上で、電気泳動をおこなうことにより、分離展開
し、アルカリ処理により変性(denaturation) して、一
本鎖のDNAとする。次いで、公知のサザン・ブロッテ
ィング法により、このゲル支持媒体とニトロセルロース
フィルタなどの転写支持体とを重ね合わせ、転写支持体
上に、変性DNA断片の少なくとも一部を転写して、加
温処理により、固定する。次いで、目的とする遺伝子の
DNAと相補的なDNAあるいはRNAを放射性標識す
るなどの方法により調製したプローブと転写支持体上の
変性DNA断片とを、加温処理により、ハイブリタイズ
させ、二本鎖のDNAの形成(re−naturation) または
DNA・RNA結合体の形成をおこなう。このとき、転
写支持体上の変性DNA断片は固定されているので、プ
ローブDNAまたはプローブRNAと相補的なDNA断
片のみが、ハイブリタイズして、放射性標識プローブを
捕獲する。しかる後に、適当な溶液で、ハイブリッドを
形成しなかったプローブを洗い流すことにより、転写支
持体上では、目的遺伝子を有するDNA断片のみが、放
射性標識が付与されたDNAまたはRNAとハイブリッ
ドを形成し、放射性標識が付与される。こうして、得ら
れた転写支持体と、蓄積性蛍光体シート1とを一定時間
重ね合わせて、露光操作をおこなうことにより、転写支
持体上の放射性標識物質から放出される放射線の少なく
とも一部が、蓄積性蛍光体シート1に吸収され、試料中
の放射性標識物質の位置情報が、蓄積性蛍光体シート1
に蓄積記録される。
【0015】こうして、試料中の放射性標識物質の位置
情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート1を、レーザ
光2により、走査して、励起し、輝尽光を発生させる。
レーザ光2は、レーザ光源3により発生され、フィルタ
4を通過することにより、レーザ光2による励起によっ
て蓄積性蛍光体シート1から発生する輝尽光の波長領域
に対応する波長領域の部分がカットされる。次いで、レ
ーザ光2は、ビーム・エクスパンダ5により、そのビー
ム径が正確に調整され、ガルバノミラー等の光偏向器6
に入射する。光偏向器6によって偏向されたレーザ光2
は、fθレンズ7を介して、平面反射鏡8により反射さ
れ、蓄積性蛍光体シート1上に、一次元的に入射する。
fθレンズ7は、蓄積性蛍光体シート1上を、レーザ光
2により走査するときに、つねに、均一のビーム速度
で、走査がなされることを保証するものである。このよ
うなレーザ光2による走査と同期して、蓄積性蛍光体シ
ート1は、図1において、矢印Aの方向に移動され、そ
の全面が、レーザ光2によって走査されるようになって
いる。蓄積性蛍光体シート1は、レーザ光2が照射され
ると、蓄積記録していた放射線エネルギーに比例する光
量の輝尽光を発光し、発光した輝尽光は、導光性シート
9に入射する。
【0016】導光性シート9は、その受光端部が直線状
をなし、蓄積性蛍光体シート1上の走査線に対向するよ
うに近接して配置され、また、その射出端部は、円環状
をなし、フォトマルチプライアなどの光電変換型の光検
出器10の受光面に接続されている。この導光性シート
9は、アクリル系合成樹脂などの透明な熱可塑性樹脂シ
ートを加工して作られており、受光端部から入射した光
が、その内面で、全反射を繰り返しながら、射出端部を
経て、光検出器10の受光面に伝達されるように、その
形状が定められている。したがって、レーザ光2の照射
に応じて、蓄積性蛍光体シート1から発光した輝尽光
は、導光性シート9に入射し、その内部で、全反射を繰
り返しながら、射出端部を経て、光検出器10によって
受光される。光検出器10の受光面には、蓄積性蛍光体
シート1から発光される輝尽光の波長領域の光のみを透
過し、レーザ光2の波長領域の光をカットするフィルタ
が貼着されており、光検出器10は、蓄積性蛍光体シー
ト1から発光された輝尽光のみを光電的に検出するよう
に構成されている。光検出器10によって光電的に検出
された輝尽光は、電気信号に変換され、所定の増幅率を
有する増幅器11によって、所定のレベルの電気信号に
増幅された後、対数変換器12に入力される。対数変換
器12に入力された電気信号は、そのダイナミックレン
ジが、対数圧縮されて、A/D変換器13に入力され
る。A/D変換器13に入力された電気信号は、信号変
動幅に適したスケールファクタで、ディジタル信号に変
換され、画像データが生成されて、ラインバッファ14
に入力される。ラインバッファ14は、走査線1列分の
画像データを一時的に記憶するものであり、以上のよう
にして、走査線1列分の画像データが記憶されると、そ
のデータを、ラインバッファ14の容量よりも大きな容
量を有する送信バッファ15に出力し、送信バッファ1
5は、所定の容量の画像データが記憶されると、画像デ
ータを、オートラジオグラフィ画像処理装置に出力する
ように構成されている。ここに、対数変換器12によ
り、電気信号を対数圧縮するのは、蓄積性蛍光体シート
を用いて電気信号に変換された画像データは、4桁ない
し5桁のきわめて広いダイナミックレンジを有してお
り、画像データをそのまま、記憶するためには、膨大な
容量のメモリを必要とし、また、写真の分野において、
使用される特性曲線は、縦軸が濃度で、横軸が光量の対
数値であるため、画像データに基づいて、画像を再生し
たとき、写真に近い階調の画像が得られるからである。
【0017】図2は、本発明の実施態様にかかる画像処
理装置を含むオートラジオグラフィ画像形成装置および
画像読み取り装置のブロックダイアグラムである。図2
において、オートラジオグラフィ画像形成装置30は、
蓄積性蛍光体シート1に蓄積記録され、画像読み取り装
置20により読み取られて、ディジタル信号に変換され
た試料に含まれる放射性標識物質の位置情報を含む画像
データを受け、濃度、色調、コントラストなどが適正
で、観察解析特性に優れた可視画像を再生するととも
に、画像データの定量処理が可能なように、画像処理を
施す画像処理装置60と、画像読み取り装置20から画
像処理装置60に入力され、画像処理が施された画像デ
ータを記憶する画像データ記憶手段40と、試料に含ま
れる放射性標識物質の位置情報を含む画像データを画像
として再生するCRT50を備えている。画像読み取り
装置20の送信バッファ15に、一時的に記憶された画
像データは、オートラジオグラフィ画像形成装置30の
画像処理装置60の受信バッファ62に入力されて、一
時的に記憶され、受信バッファ62内に、所定量の画像
データが記憶されると、記憶された画像データが、画像
データ記憶手段40の画像データ一時記憶部41に出力
され、記憶される。このようにして、画像読み取り装置
20の送信バッファ14から、画像処理装置60の受信
バッファ62に送られ、一時的に記憶された画像データ
は、さらに、受信バッファ62から、画像データ記憶手
段40の画像データ一時記憶部41に記憶される。こう
して、蓄積性蛍光体シート1の全面を、レーザ光2によ
って走査して得られた画像データが、画像データ記憶手
段40の画像データ一時記憶部41に記憶されると、画
像処理装置60のデータ処理部64は、画像データ一時
記憶部41から画像データを読み出し、画像処理装置6
0の一時メモリ66に記憶して、必要な画像処理を施し
た後、このような画像データのみを、画像データ記憶手
段40の画像データ記憶部42に記憶させ、しかる後
に、画像データ一時記憶部41に記憶された画像データ
を消去する。
【0018】画像データ記憶手段40の画像データ記憶
部42に記憶された画像データは、操作者が、画像を観
察解析するために、データ処理部64によって、読み出
されて、CRT50の画面上に表示されるようになって
いる。図3は、画像処理装置60のブロックダイアグラ
ムである。図3において、画像処理装置60は、画像読
み取り装置20の送信バッファ14から画像データを受
け取る受信バッファ62と、画像処理を実行するデータ
処理部64と、画像データを一時的に記憶する一時メモ
リ66を備えている。一時メモリ66は、画像データ
を、二次元的に展開して、一時的に記憶するように構成
されている。画像処理装置60は、さらに、一時メモリ
66に一時的に記憶された画像データの中から、画像デ
ータの一部を選択する画像データ選択部68と、画像デ
ータ選択部68により選択された画像データを拡大ある
いは縮小する画像データ拡大/縮小部70と、画像デー
タ拡大/縮小部70により拡大あるいは縮小された画像
データを、二次元的に展開して、一時的に記憶する拡大
/縮小画像データ記憶部72と、CRT50の画面上に
表示すべき種々の図形データを記憶する図形データ記憶
部74と、図形データ記憶部74に記憶された図形デー
タの中から、所定の図形データを選択し、CRT50の
画面上に表示される位置およびサイズを設定する図形デ
ータ設定部76、拡大/縮小画像データ記憶部72に一
時的に記憶された画像データと、図形データ設定部76
により選択され、CRT50の画面上に表示すべき図形
データとを合成するデータ合成部78と、データ合成部
78によって合成された画像データおよび図形データ
を、二次元的に展開して、一時的に記憶する合成データ
記憶部82と、合成データ記憶部82に一時的に記憶さ
れた画像データおよび図形データの中から、所定のデー
タ領域を選択するデータ領域選択部80と、データ領域
選択部80により選択された画像データおよび図形デー
タのデータ領域を、二次元的に展開して、一時的に記憶
するウインドメモリ84と、ウインドメモリ84に二次
元的に展開されて、一時的に記憶された画像データに対
応する一時メモリ66に二次元的に展開されて、一時的
に記憶された画像データに、データ処理を施す画像デー
タ演算部86と、ウインドメモリ84に、二次元的に展
開されて、一時的に記憶された画像データおよび図形デ
ータに基づいて、CRT50の画面上に、画像を生成す
る画像表示部88を備えている。
【0019】画像データ選択部68には、選択画像デー
タ決定手段90からの画像データ選択信号が入力され、
画像データ拡大/縮小部70には、画像データ倍率決定
手段92からの拡大/縮小信号が入力されている。さら
に、図形データ設定部76には、図形データ表示手段9
4からの図形データ表示信号が入力され、データ合成部
78には、どの図形データを選択し、どのように、画像
データと図形データを合成して、CRT50の画面上に
表示するかを決定するデータ合成指示手段96からのデ
ータ合成信号が入力されている。また、データ領域選択
部80には、データ領域指定手段98からのデータ領域
指定信号が入力され、画像データ演算部86には、画像
データ演算指示手段100からの演算信号が入力されて
いる。さらに、画像表示部88には、画像表示指示手段
102からの画像表示指示信号が入力されている。本実
施態様においては、選択画像データ決定手段90、画像
データ倍率決定手段92、図形データ表示手段94、デ
ータ合成指示手段96、データ領域指定手段98、画像
データ演算指示手段100および画像表示指示手段10
2は、マウス(図示せず)またはキーボード(図示せ
ず)によって操作可能に構成されている。
【0020】以上のように構成されたオートラジオグラ
フィ画像形成装置30は、以下のようにして、画像デー
タ記憶手段40に記憶された画像データおよび図形デー
タ記憶部74に記憶された図形データに基づいて、画像
および図形を、CRT50の画面上に形成する。まず、
画像データ記憶部42に記憶された画像データが、一時
メモリ66に、二次元的に展開されて、記憶される。次
いで、選択画像データ決定手段90が操作されて、一時
メモリ66に二次元的に展開されて、記憶された画像デ
ータの一部が選択され、画像データ選択部68に、二次
元的に展開されて、記憶される。その後、画像データ選
択部68に二次元的に展開されて、記憶された画像デー
タは、拡大も縮小もされることなく、拡大/縮小画像デ
ータ記憶部72に、二次元的に展開されて、記憶され、
さらに、図形データが合成されることなく、合成データ
記憶部82に、二次元的に展開されて、記憶される。合
成データ記憶部82に二次元的に展開されて、記憶され
た画像データは、ウインドメモリ84に、二次元的に展
開されて、記憶され、画像表示指示手段102が操作さ
れることによって、ウインドメモリ84に、二次元的に
展開されて、記憶された画像データに基づいて、CRT
50の画面上に、画像が生成される。
【0021】操作者は、CRT50の画面上に表示され
た画像を観察し、必要に応じて、画像データ倍率決定手
段92が操作して、画像データ拡大/縮小部70によ
り、画像データ選択部68に二次元的に展開されて、記
憶された画像データを拡大あるいは縮小し、、拡大/縮
小画像データ記憶部72に、二次元的に展開して、記憶
させる。次いで、拡大/縮小画像データ記憶部72に二
次元的に展開されて、記憶された画像データは、データ
合成部78により読み出され、合成データ記憶部82
に、二次元的に展開されて、記憶される。その後、操作
者が、データ領域指定手段98を操作して、合成データ
記憶部82に二次元的に展開されて、記憶された画像デ
ータの一部の領域を指定すると、指定された画像データ
が、ウインドメモリ84に送られて、二次元的に展開さ
れて、記憶される。画像表示指示手段102が操作され
ると、画像表示部88によって、ウインドメモリ84に
二次元的に展開されて、記憶された画像データおよび図
形データに基づき、CRT50の画面上に、画像が生成
される。図4は、こうして、CRT50の画面上に表示
されたサザン・ブロット・ハイブリタイゼーション法を
利用した遺伝子中の放射性標識物質のオートラジオグラ
フィ画像を示している。
【0022】図4に示されるように、サザン・ブロット
・ハイブリタイゼーション法を利用した遺伝子中の放射
性標識物質のオートラジオグラフィ画像は、複数のレー
ンを有し、各レーン内には、一次元的に分布された複数
のスポット画像領域が形成されている。かかるオートラ
ジオグラフィ検出法においては、しばしば、画像の解析
のため、矩形などの図形を生成して、特定のスポット画
像領域を、関心領域として、画定し、その領域内の濃度
の積算値を求めるなどの定量解析がおこなわれる。そこ
で、操作者は、CRT50の画面上に表示された濃度を
求めるスポット画像領域を、関心領域として画定するた
めに使用する図形を、マウス(図示せず)を用いて、C
RT50の画面上に描くことにより選択する。以下、図
形として、矩形を選択した場合につき、説明を加える。
操作者が、マウスを用いて、CRT50の画面上に、矩
形を描くことにより、図形データ表示手段94が操作さ
れ、マウスの操作に応じた図形データ表示信号が、図形
データ設定部76に入力され、図形データ設定部76に
より、矩形に対応する図形データが、図形データ記憶部
74から読み出され、画像データ中における矩形に対応
する図形データの座標値が記憶される。
【0023】次いで、データ合成指示手段96が操作さ
れると、図形データ設定部76に記憶された図形データ
は、その座標値とともに、データ合成部78に読み出さ
れ、拡大/縮小画像データ記憶部72に二次元的に展開
されて、記憶された画像データと合成されて、合成デー
タ記憶部82に、二次元的に展開されて、記憶され、ウ
インドメモリ84を経て、CRT50の画面上に、画像
とともに、矩形として表示される。合成データ記憶部8
2に、二次元的に展開されて、記憶された画像データお
よび図形データの座標値は、画像データ演算部86に出
力される。図5は、こうして、画像とともに矩形が表示
され、定量解析がなされる関心領域が画定されたCRT
50の画面を示すものである。こうして、矩形によって
画定された関心領域内の濃度の積算値を求めるなどの定
量解析をする場合には、画像表示指示手段102ととも
に、画像データ演算指示手段100が操作される。その
結果、画像データ演算部86は、合成データ記憶部82
から入力された画像データおよび図形データの座標値に
したがって、CRT50の画面上に、矩形によって画定
された関心領域に対応する画像データを、一時メモリ6
6から読み出す。この画像データは、ウインドメモリ8
4に二次元的に展開されて、一時的に記憶された画像デ
ータに対応するものである。
【0024】図6は、画像データ演算部86のブロック
ダイアグラムである。図6に示されるように、画像デー
タ演算部86は、合成データ記憶部82から入力された
画像データおよび図形データの座標値を記憶するデータ
記憶部200と、データ記憶部200に記憶された画像
データおよび図形データの座標値に基づき、一時メモリ
66に二次元的に展開されて、記憶された画像データを
読み出す画像データ読み出し部202と、画像データの
各画素の有するデータ値を逆対数変換する逆変換部20
4と、逆変換部204により、逆変換された各画素のデ
ータ値に基づき、画像データ演算指示手段100から入
力された画像データ演算信号にしたがって、画像データ
に所定の演算を施す演算処理部206と、演算処理部2
06により、データ処理が施された画像データを対数変
換する対数変換部208とを備えている。画像データ演
算部86により、一時メモリ66から読み出された画像
データの各画素のデータ値は、対数変換器12により、
対数圧縮処理を受けているため、蓄積性蛍光体シート1
から発せられた光の光量と比例した値を有していない。
したがって、画像データ演算部86に入力された画像デ
ータの各画素のデータ値にしたがって、矩形により画定
された関心領域につき、定量処理を実行しても、関心領
域内の濃度の積算値を求めることはできない。
【0025】また、たとえば、50μmの画素サイズを
有する画像データが生成されていた場合に、画素サイズ
を、100μmに変換した上で、画像をCRT50の画
面上に再生する場合には、隣接する4つの画素のデータ
値を加算平均して、1つの画素のデータ値として割り当
てることが、しばしば、おこなわれるが、画像データ演
算部86に入力された画像データの各画素のデータ値
は、蓄積性蛍光体シート1から発せられた光の光量と比
例した値を有していないため、そのまま、加算平均し
て、1つの画素にデータ値を割り当てるときには、割り
当てられたデータ値もまた、その画素が本来有すべきデ
ータ値とはならない。さらに、試料を、蓄積性蛍光体シ
ート1に密着する際、その向きが正しくなかった場合な
どは、CRT50の画面上に表示される画像が所望の位
置から回転していることがあり、そのようなときには、
画像を回転して、CRT50の画面上に再生するため、
画像データにアフィン変換が施される。しかしながら、
画像データ演算部86に入力された画像データの各画素
のデータ値は、蓄積性蛍光体シート1から発せられた光
の光量と比例した値を有していないため、そのまま、ア
フィン変換を施すと、各画素に割り当てられるデータ値
は、その画素が本来有していたデータ値を対数変換した
データとも異なってしまい、各画素を正しい濃度で、C
RT50の画面上に再生することができなくなる。そこ
で、本実施態様においては、データ記憶部200に記憶
された画像データおよび図形データの座標値に基づき、
画像データ読み出し部202により、一時メモリ66か
ら読み出された画像データは、逆変換部204に入力さ
れ、逆変換部204によって、画像データのすべての画
素の有するデータ値が、対数変換器12により対数圧縮
を受ける前の値に逆変換された後、演算処理部206に
入力される。
【0026】演算処理部206は、逆変換部204から
入力された各画素のデータ値に基づき、画像データ演算
指示手段100から入力された画像データ演算信号にし
たがって、所定のデータ処理、たとえば、関心領域内の
すべての画素の有するデータ値の積算し、あるいは、隣
接する4つの画素の有するデータ値を加算平均して、1
つの画素に割り当てる処理、あるいは、アフィン変換処
理などのデータ処理を実行する。演算処理部206は、
画像データ演算指示手段100から定量処理を実行すべ
き旨の指示信号が入力されていたときは、データ処理後
の定量データを、ウインドメモリ84に出力して、CR
T50に表示させる。これに対して、画像データ演算指
示手段100から画素サイズの変更あるいは画像回転す
べき旨の指示信号が入力されていたときは、演算処理部
206は、データ処理後の画像データを、変換部208
に出力する。変換部208は、演算処理部206から入
力された画像データの各画素の有するデータ値を対数変
換して、一時メモリ66に出力する。ここに、再び、対
数変換しているのは、写真の分野において、使用される
特性曲線は、縦軸が濃度で、横軸が光量の対数値である
ため、画像データに基づき、CRT50の画面上に、画
像を再生したとき、写真に近い階調の画像が得られるか
らである。
【0027】画像データ演算部86によりデータ処理が
施され、一時メモリ66に出力された画像データは、前
述のようにして、CRT50の画面上に表示される。本
実施態様によれば、4桁ないし5桁のダイナミックレン
ジを有する画像データを、容量の小さいメモリに記憶さ
せて、所望の画像処理を施し、画像を再生することを可
能とするため、画像データが対数圧縮処理されて、画像
データ記憶部41に記憶しており、その結果、画像デー
タの各画素の有するデータ値は、蓄積性蛍光体シート1
から発せられた光の光量と比例関係にないにもかかわら
ず、逆変換部200によって、逆対数変換が施された後
に、濃度の積算値を求め、あるいは、画素の有するデー
タ値の加算平均処理が施され、あるいは、アフィン変換
が施されているから、正しく濃度の積算値を求めること
ができ、あるいは、画素サイズを変えて、画像の読み取
りをすることなく、画像データ記憶部42に記憶された
画像データに基づき、所望のように、画素サイズを変更
することが可能になり、あるいは、画像を所望のように
回転することができる。さらには、画素サイズを変更
し、あるいは、画像データにアフィン変換を施した後、
変換部204により、再度、画像データに対数変換を施
し、CRT50の画面上に、画像を再生しているから、
操作者は写真と同じような感覚で、画像を観察すること
が可能になる。
【0028】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることがいうまでもない。たとえば、前
記実施態様においては、サザン・ブロット・ハイブリタ
イゼーション法を利用した遺伝子の位置情報を、蓄積性
蛍光体シート1に蓄積記録させ、これを光電的に読み出
して、所定の画像処理を施し、CRT50の画面上に表
示し、必要に応じて、定量解析や画素サイズの変更、画
像データの回転などをおこなう場合につき、説明を加え
たが、本発明は、かかるオートラジオグラフィに限定さ
れることなく、画像データの各画素の有するデータ値
が、そのデータ値が表す物理量と比例関係にない画像デ
ータを定量解析する必要があれば、たとえば、蛋白質の
薄層クロマトグラフィ(TLC)により生成されたオー
トラジオグラフィ画像、ポリアクリルアミドゲル電気泳
動法によって、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子
量、特性の評価などをおこなうオートラジオグラフィ画
像、実験用マウスのにおける投与物質の代謝、吸収、排
泄の経路、状態などを研究するためのオートラジオグラ
フィ画像などの他のオートラジオグラフィ画像はもとよ
り、サザン・ブロット・ハイブリダイゼーション法を用
いた遺伝子の化学発光画像、蛋白質の薄層クロマトグラ
フィによって生成された化学発光画像、ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法により、蛋白質の分離、同定、ある
いは、分子量、特性の評価などをおこなうための化学発
光画像などの化学発光法を利用した化学発光画像や、電
子顕微鏡を用いて生成された金属あるいは非金属試料の
電子線透過画像や電子線回折画像、生物体組織などの電
子顕微鏡画像、さらには、金属あるいは非金属試料など
の放射線回折画像などにも、広く適用することができ
る。
【0029】さらに、前記実施態様においては、対数変
換器12により、蓄積性蛍光体シート1から発せられる
輝尽光を光電的に読み取って得た電気信号を対数圧縮し
ており、したがって、画像データ演算部86は、画像デ
ータに対して逆対数変換を実行する逆変換部204およ
び再び、画像データに対数変換を施す変換部208を備
えているが、対数変換器12に代えて、画像データに平
方根変換を施す平方根変換器を設け、逆変換部204が
逆平方根変換を実行し、変換部208が平方根変換を実
行するようにしてもよい。また、前記実施態様において
は、蓄積性蛍光体シート1を用いて、試料中の放射性標
識物質の位置情報を電気信号に変換して得た画像データ
を、CRT50の画面上に、可視画像として表示してい
るが、蓄積性蛍光体シート1に代えて、写真フィルムを
用いて、一旦、可視画像を形成し、この可視画像を光電
的に読み取って、電気信号に変換した画像データに対し
て、同様の処理をおこなうことも可能である。さらに、
本発明において、手段とは、必ずしも物理的手段を意味
するものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアによ
って実現される場合も包含する。また、一つの手段の機
能が二以上の物理的手段により実現されても、二以上の
手段の機能が一つの物理的手段により実現されてもよ
い。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、画像データを構成する
各画素の有するデータ値が、そのデータ値が表す物理量
と比例関係にない画像データに基づき、所望のように、
画像を再生するとともに、画像中の所望の画像領域の定
量解析をすることができるように、画像データを処理す
ることのできる画像処理装置を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施態様にかかる画像処理装
置を含むオートラジオグラフィ画像処理装置のための画
像データを生成する画像読み取り装置の一例を示す略斜
視図である。
【図2】図2は、本発明の実施態様にかかる画像処理装
置を含むオートラジオグラフィ画像形成装置および画像
読み取り装置のブロックダイアグラムである。
【図3】図3は、画像処理装置のブロックダイアグラム
である。
【図4】図4は、CRTの画面上に表示されたサザン・
ブロット・ハイブリタイゼーション法を利用した遺伝子
中の放射性標識物質のオートラジオグラフィ画像を示す
中間調画像である。
【図5】図5は、図4の画像に、矩形が合成され、関心
領域が画定された中間調画像である。
【図6】図6は、画像データ演算部のブロックダイアグ
ラムである。
【符号の説明】
1 蓄積性蛍光体シート 2 レーザ光 3 レーザ光源 4 フィルタ 5 ビーム・エクスパンダ 6 光偏向器 7 fθレンズ 8 平面反射鏡 9 導光性シート 10 光検出器 11 増幅器 12 対数変換器 13 A/D変換器 14 ラインバッファ 15 送信バッファ 20 画像読み取り装置 30 オートラジオグラフィ画像形成装置 40 画像データ記憶手段 41 画像データ一時記憶部 42 画像データ記憶部 50 CRT 60 画像処理装置 62 受信バッファ 64 データ処理部 66 一時メモリ 68 画像データ選択部 70 画像データ拡大/縮小部 72 拡大/縮小画像データ記憶部 74 図形データ記憶部 76 図形データ設定部 78 データ合成部 80 データ領域選択部 82 合成データ記憶部 84 ウインドメモリ 86 画像データ演算部 88 画像表示部 90 選択画像データ決定手段 92 画像データ倍率決定手段 94 図形データ表示手段 96 データ合成指示手段 98 データ領域指定手段 100 画像データ演算指示手段 102 画像表示指示手段 200 データ記憶部 202 画像データ読み出し部 204 逆変換部 206 演算処理部 208 変換部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データ変換手段によりデータ変換処理を
    受け、各画素の有するデータ値が、そのデータ値が表す
    物理量と比例関係にない画像データに画像処理を施す画
    像処理装置において、前記データ変換手段により実行さ
    れたデータ変換処理とは逆の変換処理を画像データに施
    す逆変換手段と、前記逆変換手段により逆変換処理を受
    けた画像データを定量的に処理するデータ処理手段と、
    前記データ処理手段により定量的な処理を受けた画像デ
    ータに前記データ変換手段と同じデータ変換処理を施す
    変換手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記データ処理手段が、前記逆変換手段
    により逆変換処理を受けた画像データの複数の画素のデ
    ータ値を加算平均して、1つの画素に割り当て可能に構
    成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記データ処理手段が、前記逆変換手段
    により逆変換処理を受けた画像データにアフィン変換を
    実行可能に構成されたことを特徴とする請求項1または
    2に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記データ処理手段が、前記逆変換手段
    により逆変換処理を受けた画像データに基づき、画素の
    有するデータ値を積算可能に構成されたことを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記画像データが、蓄積性蛍光体シート
    を用いて生成されたものであることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 前記画像データが、オートラジオグラフ
    ィ画像データ、放射線回折画像データ、電子顕微鏡画像
    データおよび化学発光画像データよりなる群から選ばれ
    る画像データにより構成されたことを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記オートラジオグラフィ画像データ、
    前記放射線回折画像データまたは前記電子顕微鏡画像デ
    ータが、試料から発せられる放射線または電子線を、輝
    尽性蛍光体に蓄積、吸収させ、しかる後に、前記輝尽性
    蛍光体に、電磁波を照射して、前記輝尽性蛍光体から発
    せられた光を光電変換することにより生成されたことを
    特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記化学発光画像が、試料から発せられ
    る可視光を、輝尽性蛍光体に蓄積、吸収させ、しかる後
    に、前記輝尽性蛍光体に、電磁波を照射して、前記輝尽
    性蛍光体から発せられた光を光電変換することにより生
    成されたことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006508460A (ja) * 2002-11-29 2006-03-09 ユーイーエイ エンタープライゼズ リミテッド 画像信号処理方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006508460A (ja) * 2002-11-29 2006-03-09 ユーイーエイ エンタープライゼズ リミテッド 画像信号処理方法

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