JP3571801B2 - 画像解析装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、画像解析装置に関するものであり、さらに詳細には、画像上に設定された関心領域内に含まれる画像を構成する画素の濃度などを算出する画像解析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この試料を、高感度X線フィルムなどの放射線フィルムに一定時間重ね合わせることによって、放射線フィルムを感光させ或いは露光し、放射線フィルムの感光された部位に基づき、試料中の放射性標識物質の位置情報を得るようにしたオートラジオグラフィ検出方法や、蛋白質、核酸配列などの固定された高分子を、化学発光物質と接触して、化学発光を生じさせる標識物質により、選択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された高分子と、化学発光物質とを接触させて、化学発光物質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の化学発光を検出することによって、遺伝子情報などの高分子に関する情報を得るようにした化学発光検出方法、金属あるいは非金属試料などに電子線を照射し、試料の回折像あるいは透過像などを検出して、元素分析、試料の組成解析、試料の構造解析などをおこなったり、生物体組織に電子線を照射して、生物体組織の画像を検出する電子顕微鏡による検出方法、放射線を試料に照射し、得られた放射線回折像を検出して、試料の構造解析などをおこなう放射線回折画像検出方法などが知られている。
【0003】
これらの方法は、従来、検出材料として、写真フイルムを用い、写真フイルム上に、放射線画像、化学発光画像、電子顕微鏡画像、放射線回折画像などを記録し、目視によって、可視画像を検出することによって、おこなわれていたが、検出材料として、写真フイルムを用いる場合には、オートラジオグラフィ検出方法や放射線回折画像検出方法にあっては、放射線フイルムの感度が低く、画像記録に多大な時間を要するという問題があり、また、化学発光検出方法にあっては、微弱な化学発光を確実に検出するために、γ値の高い高感度フイルムを用いる必要があるが、γ値の高い高感度フイルムを用いるときは、確実に、特性曲線の直線部を用いて、露光することが困難であって、露光ミスが多く、露光条件を変えて、繰り返し、露光する必要があるという問題があり、さらには、電子顕微鏡による検出方法にあっては、電子顕微鏡用の写真フイルムは、特性曲線の直線部が少ないため、露光条件の選択が難しく、露光ミスにより、繰り返し、露光をしなければならないという問題があり、また、いずれの方法にあっても、現像処理という化学的処理が必要不可欠であって、操作が煩雑であるという問題を有している。
【0004】
そこで、従来の写真フイルムに代えて、放射線、可視光、電子線などが照射されると、そのエネルギーを吸収して、蓄積し、その後に、特定の波長域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線、可視光、電子線などのエネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有する輝尽性蛍光体を、放射線、可視光、電子線などの検出材料として用い、輝尽性蛍光体から発せられた輝尽光を、光電的に検出して、ディジタル信号に変換し、得られた画像データに所定の画像処理を施した後に、画像を、CRT画面などの表示手段あるいは写真フイルム上に再生するようにしたオートラジオグラフィ検出方法、化学発光検出方法、電子顕微鏡による検出方法、放射線回折画像検出方法が提案されている(たとえば、特公平1−60784号公報、特公平1−60782号公報、特公平4−3952号公報、米国特許第5,028,793号、英国特許出願公開GB第2,246,197A、特開昭61−51738号公報、特開昭61−93538号公報、特開昭59−15843号公報など)。
この輝尽性蛍光体を用いた検出方法によれば、現像処理という化学的処理が不必要であるだけでなく、オートラジオグラフィ検出方法や放射線回折画像検出方法にあっては、露光時間を大幅に短縮することができ、化学発光検出方法や電子顕微鏡による検出方法にあっては、露光ミスが少なく、容易に、露光をおこなうことができるという利点があり、さらには、ディジタル信号に変換された後に、画像が再生されるので、画像データに、信号処理を施すことによって、所望のように、画像を再生し、あるいは、コンピュータによる定量解析が可能になり、好ましい。
【0005】
このような蓄積性蛍光体シートを利用して、画像データを生成し、生成された画像データに基づいて、画像を再生するオートラジオグラフィ検出方法、化学発光検出方法、電子顕微鏡による検出方法、放射線回折画像検出方法のための画像形成/解析装置としては、画像中の所望の領域間の比較をするために、画像データの所望の領域を関心領域として画定し、蓄積性蛍光体シートからの発光量を、画像データの関心領域に含まれる画像を構成する画素の濃度として数値化して、その総和を求めて、定量処理をし、さらに、複数の関心領域をグループ化して、グループに属する関心領域の各々の濃度の比などを算出して、定量解析が可能なように構成されていることが望ましい。
たとえば、薬物代謝研究の分野において、しばしば用いられている薄層クロマトグラフィー(TLC:Thin Layer Chromatography)においては、実験動物に標識物質で標識した薬物を投与し、その薬物が体内で変化した場合の成分を分析するため、薬物投与後、所定時間経過毎に、実験動物の特定の部位より採取した尿、血液、組織などの試料に所定の処理を施し、それを、ガラス板の上にシリカゲルの粉を塗布したTLCプレート上の所定の位置に、等間隔で、滴下し、これを展開溶媒に浸して、クロマトグラフィー展開して、TLCプレート上に、試料中の成分ごとに分離されたスポットを形成しているが、このように生成されたTLCプレートを転写した蓄積性蛍光体シートから得られた画像データから、前記TLCプレート上のあるスポットに対応する領域を関心領域として画定し、さらに、複数の所定の領域をグループ化し、各領域の濃度を数値化して、グループに属する各領域の濃度の比を調べることがしばしば必要となる。
【0006】
このような定量処理および定量解析をするために、通常、画像形成/解析装置は、関心領域を画定するために用いられる円、矩形、折れ線で囲まれた図形の座標データなど図形データを記憶する図形データ記憶手段を、画像データを記憶する画像データ記憶手段とは別個に備えている。図11は、従来の図形データ記憶手段の構成を示す機能ブロック図である。図11に示されるように、図形データ記憶手段200は、図形データベース201と、定量データベース202とを記憶している。図形データベース201は、図形の番号を示す図形ナンバーデータ203、円、矩形などの図形種を示す図形種データ204および図形の配置された画像上の位置を示す座標データ205を有している。また、定量データベース202は、図形により画定された領域内に含まれる画像データの濃度を示すデータ206、図形の面積を示す面積データ207および該図形が属するグループを示すグループデータ208を有している。
操作者が、マウス(図示せず)などを用いて、表示手段(図示せず)の画面上に図形を描くと、図形データベース201内に、図形ナンバーデータ203、図形種データ204、座標データ205からなる図形データ210が記憶される。また、マウスなどの所定の操作によって、図形の面積が算出されて、面積データ207が定量データベース202に記憶され、図形に画定された領域内に含まれる画像データの信号レベルに対応する濃度データ206が算出されて、定量データベース202に記憶される。さらに、マウスなどの所定の操作により、図形の属するグループを示すグループデータ208が定量データベース202に記憶される。
【0007】
さらに、より正確に、濃度データを算出することができるように、蓄積性蛍光体シートを露光する際に、宇宙線或いは地中に含まれる放射線により、若しくは、たとえば、クロマトグラフィー展開するためのTLCプレートが有する固有の放射線により、ほぼ均一に、蓄積性蛍光体シート上に生じるノイズ成分であるバックグラウンドに対応するデータを、濃度データから取り除く必要がある。したがって、画像形成/解析装置は、表示手段に表示された画像上のその濃度がゼロであるべき領域に図形を描いて、これをバックグラウンド図形として、この図形の濃度から、基準バックグラウンド値、すなわち、単位面積当たりの濃度を算出し、この基準バックグラウンド値に基づいて、より正確な濃度データを算出できるように構成されている。このため、定量データベース202は、さらに、バックグラウンド図形として生成された図形の番号を示すバックグラウンドナンバーデータ209を有している。
このように構成された図形データ210は、画像データ記憶手段に記憶された画像データと合成されて、CRTなどの表示手段に出力され、この合成されたデータが、表示手段の画面上に表示される。また、濃度データ206およびグループデータ208に基づいて、ある特定のグループに属する図形により画定された領域に含まれる画像を構成する画素の濃度、バックグラウンド濃度を取り除いたより正確な濃度、或いは、あるグループに属する図形の濃度の比などが、CRTの画面上に表示される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の画像形成/解析装置にあっては、表示手段の画面に表示された図形が属することのできるグループは一つのみであり、そのため、以下のような問題があった。
たとえば、前述したように、TLCプレート上に、同時に複数の物質を滴下して、クロマトグラフィー展開して得られた画像を、蓄積性蛍光体シートに記録して、画像データを得、TLCプレート上のスポットが形成されている位置に対応する領域を関心領域として画定し、さらに、複数の領域をグループ化する場合に、一つの物質についての画像パターンに含まれる複数のスポットに対応する領域を複数の図形により一つのグループを形成した場合には、これらの領域は、他の物質の画像パターンに含まれるスポットに対応する領域と、同じグループに属するようにすることができない。
したがって、たとえば、実験動物に薬物を投与して、所定時間ごとに、その特定の部位から採取した組織を採取し、クロマトグラフィー展開する場合、ある時に採取した組織の成分間の量比と、異なった時に採取された組織の成分間の量比とを、同時に求めることができず、また、複数の実験動物に薬物を投与した場合に、一つの実験動物から採取した組織の成分間の量比と、異なった実験動物から採取した同一の成分の量比とを、同時に求めることができず、その結果、関心領域として画定された図形に含まれる画像の分析を円滑に行なうことができないという問題点があった。
【0009】
オートラジオグラフィ画像や、化学発光画像、電子顕微鏡画像、放射線回折画像などを、一旦、写真フイルムに記録し、記録された画像を光電的に読み取り、ディジタル信号化し、得られた画像信号に、所望の信号処理を施すことにより、可視画像として、CRT画面などの表示手段や、写真フイルム上に再生する場合にも、同様な問題が生ずる。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、関心領域により画定された図形に含まれる画像を、円滑に、定量処理および定量解析することができる画像解析装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【発明の構成】
本発明の目的は、画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データから選択され、所定の処理の施された画像データに基づき、画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示されるべき複数の図形に対応する図形データを記憶する図形データ記憶手段と、前記図形により画定された関心領域にそれぞれ含まれる画像に対応する画像データに、定量処理を施し、定量データを生成する定量処理手段と、前記定量処理手段により生成された定量データを記憶する定量データ記憶手段とを備えた画像解析装置であって、前記図形と該図形が属するグループの関係を示すグループデータを記憶するグループデータ記憶手段と、前記グループデータ記憶手段に記憶されたグループデータおよび前記定量データ記憶手段に記憶された定量データに基づいて、前記グループごとに、定量データの比を含む表データを生成する表データ生成手段とを備え、前記表示手段が、前記表データに基づいた表を表示するように構成されている画像解析装置によって解決される。
【0012】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記図形データ記憶手段が、前記関心領域を画定する図形に対して付与された図形ナンバーデータおよび図形の位置を示す座標データを記憶するように構成され、前記グループデータ記憶手段が、前記各グループに属する図形ナンバーデータを記憶するように構成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記表データ生成手段が、前記グループごとに、表データを生成し、前記表示手段が、前記図形ナンバーデータごとに、データが表示されるように、前記表データに基づいて、表を表示するように構成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記定量処理手段により得られた定量データが、前記図形により画定された関心領域に含まれる画像の画素の濃度を示す濃度データおよび前記図形の面積を示す面積データを含んでいる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記画像データが、蓄積性蛍光体シートを用いて生成されている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記画像データが、オートラジオグラフィ画像データ、放射線回折画像データ、電子顕微鏡画像データおよび化学発光画像データよりなる群から選ばれる画像データにより構成されている。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、オートラジオグラフィ画像データ、放射線回折画像データまたは電子顕微鏡画像データが、試料から発せられる放射線または電子線を、輝尽性蛍光体に蓄積、吸収させ、しかる後に、前記輝尽性蛍光体に、電磁波を照射して、該輝尽性蛍光体から発せられた光を光電変換することにより得られている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、化学発光画像データが、試料から発せられる可視光を、輝尽性蛍光体に蓄積、吸収させ、しかる後に、前記輝尽性蛍光体に、電磁波を照射して、該輝尽性蛍光体から発せられた光を光電変換することにより得られている。
本発明において、オートラジオグラフィ画像、放射線回折画像または電子顕微鏡画像を生成するために使用することのできる輝尽性蛍光体としては、放射線または電子線のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している放射線または電子線のエネルギーを光の形で放出可能なものであればよく、とくに限定されるものではないが、可視光波長域の光によって励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえば、特開昭55−12145号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体(Ba1−x,2+ )FX:yA(ここに、M2+はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、He、Nd、YbおよびErからなる群より選ばれる少なくとも一種の3価金属元素、xは0≦x≦0.6、yは0≦y≦0.2である。)、特開平2−276997号公報に開示されたアルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体SrFX:Z(ここに、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、ZはEuまたはCeである。)、特開昭59−56479号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体BaFX・xNaX’:aEu2+(ここに、XおよびX’はいずれも、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、xは0<x≦2、aは0<a≦0.2である。)、特開昭58−69281号公報に開示されたセリウム付活三価金属オキシハロゲン物系蛍光体であるMOX:xCe(ここに、MはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、XはBrおよびIのうちの一方あるいは双方、xは、0<x<0.1である。)、特開昭60−101179号公報および同60−90288号公報に開示されたセリウム付活希土類オキシハロゲン物系蛍光体であるLnOX:xCe(ここに、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、xは、0<x≦0.1である。)および特開昭59−75200号公報に開示されたユーロピウム付活複合ハロゲン物系蛍光体MIIFX・aMX’・bM’II ’’ ・cMIII ’’’ ・xA:yEu2+(ここに、MIIはBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、MはLi、Na、K、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属元素、M’ IIはBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属元素、MIII はAl、Ga、InおよびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属元素、Aは少なくとも一種の金属酸化物、XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン、X’、X’’およびX’’’ はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、aは、0≦a≦2、bは、0≦b≦10−2、cは、0≦c≦10−2で、かつ、a+b+c≧10−2であり、xは、0<x≦0.5で、yは、0<y≦0.2である。)が、好ましく使用し得る。
【0014】
本発明において、化学発光画像を生成するために、使用することのできる輝尽性蛍光体としては、可視光波長域の光のエネルギーを蓄積可能で、電磁波によって励起され、蓄積している可視光波長域の光のエネルギーを光の形で放出可能なものであればよく、とくに限定されるものではないが、可視光波長域の光によって励起可能であるものが好ましい。具体的には、たとえば、特開平4−232864号公報に開示された金属ハロリン酸塩系蛍光体、希土類元素付活蛍光体、アルミン酸塩系蛍光体、珪酸塩系蛍光体、フッ化物系蛍光体が、好ましく使用し得る。
【0015】
【発明の作用】
本発明によれば、グループデータ記憶手段が、図形が所属すべきグループのそれぞれに属する図形を示すデータを記憶するため、画像の関心領域を取り囲むための図形が、同時に複数のグループに属することが可能となり、また、操作者は、ある図形が複数のグループに属する場合であっても、それぞれのグループ内における該図形により画定された領域の濃度比を知ることができる。
また、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、グループデータ記憶手段が、図形に対して付与された図形ナンバーを、グループごとに記憶するように構成されているため、簡単な構成で、図形が同時に複数のグループに属することを実現することができる。
さらに、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、操作者は、ある図形が複数のグループに属する場合であっても、その図形が属する複数のグループを容易に知ることができる。
【0016】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて、本発明にかかる好ましい実施例につき詳細に説明を加える。
図1は、本発明の実施例にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置のための画像データを生成する画像読み取り装置の一例を示す略斜視図である。
図1において、蓄積性蛍光体シート1には、試料(図示せず)に含まれる放射性標識物質の位置情報が、放射線エネルギーの形で、蓄積されている。ここに、放射性標識物質の位置情報とは、試料中における放射性標識物質もしくはその集合体の位置を中心とした各種の情報、たとえば、試料中に存在する放射性標識物質の集合体の存在位置と形状、その位置における放射性標識物質の濃度、分布などからなる情報の一つもしくは任意の組み合わせとして得られる各種の情報を意味するものである。
本実施例においては、成分の異なる複数の種類の薬物を、複数の実験動物に投与し、所定時間経過後に、その尿を採取して、これをTLCプレート上に、クロマトグラフィー展開して得られた蛋白質の画像が、蓄積性蛍光体シート1に蓄積記録されている。
【0017】
こうして試料中の放射性標識物質の位置情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート1を、レーザ光2により、走査して、励起し、輝尽光を発生させる。
レーザ光2は、レーザ光源3により発生され、フィルタ4を通過することにより、レーザ光2による励起によって蓄積性蛍光体シート1から発生する輝尽光の波長領域に対応する波長領域の部分がカットされる。次いで、レーザ光2は、ビーム・エクスパンダ5により、そのビーム径が正確に調整され、ガルバノミラー等の光偏向器6に入射する。光偏向器6によって偏向されたレーザ光2は、fθレンズ7を介して、平面反射鏡8により反射され、蓄積性蛍光体シート1上に、一次元的に入射する。fθレンズ7は、蓄積性蛍光体シート1上を、レーザ光2により走査するときに、つねに、均一のビーム速度で、走査がなされることを保証するものである。
このようなレーザ光2による走査と同期して、蓄積性蛍光体シート1は、図1において、矢印Aの方向に移動され、その全面が、レーザ光2によって走査されるようになっている。
蓄積性蛍光体シート1は、レーザ光2が照射されると、蓄積記録していた放射線エネルギーに比例する光量の輝尽光を発光し、発光した輝尽光は、導光性シート9に入射する。
【0018】
導光性シート9は、その受光端部が直線状をなし、蓄積性蛍光体シート1上の走査線に対向するように近接して配置され、また、その射出端部は、円環状をなし、フォトマルチプライアなどの光電変換型の光検出器10の受光面に接続されている。この導光性シート9は、アクリル系合成樹脂などの透明な熱可塑性樹脂シートを加工して作られており、受光端部から入射した光が、その内面で、全反射を繰り返しながら、射出端部を経て、光検出器10の受光面に伝達されるように、その形状が定められている。
したがって、レーザ光2の照射に応じて、蓄積性蛍光体シート1から発光した輝尽光は、導光性シート9に入射し、その内部で、全反射を繰り返しながら、射出端部を経て、光検出器10によって受光される。
光検出器10の受光面には、蓄積性蛍光体シート1から発光される輝尽光の波長領域の光のみを透過し、レーザ光2の波長領域の光をカットするフィルタが貼着されており、光検出器10は、蓄積性蛍光体シート1から発光された輝尽光のみを光電的に検出するように構成されている。
光検出器10によって光電的に検出された輝尽光は、電気信号に変換され、所定の増幅率を有する増幅器11によって、所定のレベルの電気信号に増幅された後、A/D変換器12に入力される。電気信号は、A/D変換器12において、信号変動幅に適したスケールファクタで、ディジタル信号に変換され、ラインバッファ13に入力される。ラインバッファ13は、走査線1列分の画像データを一時的に記憶するものであり、以上のようにして、走査線1列分の画像データが記憶されると、そのデータを、ラインバッファ13の容量よりもより大きな容量を有する送信バッファ14に出力し、送信バッファ14は、所定の容量の画像データが記憶されると、画像データを、オートラジオグラフィ画像解析装置に出力するように構成されている。
【0019】
図2は、本発明の実施例にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置および画像読み取り装置のブロックダイアグラムである。
図2において、オートラジオグラフィ画像解析装置30は、蓄積性蛍光体シート1に蓄積記録され、画像読み取り装置20により読み取られて、ディジタル信号に変換された試料に含まれる放射性標識物質の位置情報を含む画像データを受理し、画像データに、たとえば、濃度、色調、コントラストなどが適正で、観察解析特性に優れた可視画像を再生し得るように信号処理を施すとともに、画像データの一部分に所望の領域を画定し、該領域内の濃度などを算出する信号処理手段40と、画像読み取り装置20から信号処理手段40に入力された画像データを一時的に記憶するとともに、信号処理後の画像データを記憶する画像データ記憶手段50と、試料に含まれる放射性標識物質の位置情報を含む画像データを画像として再生するCRT60とを備えている。
画像読み取り装置20の送信バッファ14に、一時的に記憶された画像データは、オートラジオグラフィ画像解析装置30の信号処理手段40の受信バッファ41に入力されて、一時的に記憶され、受信バッファ41内に、所定量の画像データが記憶されると、記憶された画像データが、画像データ記憶手段50の画像データ一時記憶部51に出力され、記憶される。このようにして、画像読み取り装置20の送信バッファ14から、信号処理手段40の受信バッファ41に送られ、一時的に記憶された画像データは、さらに、受信バッファ41から、画像データ記憶手段50の画像データ一時記憶部51に記憶される。こうして、蓄積性蛍光体シート1の全面を、レーザ光2によって走査して得られた画像データが、画像データ記憶手段50の画像データ一時記憶部51に記憶されると、信号処理手段40の制御部42は、画像データ一時記憶部51から所定の画像データを読み出し、画像データ記憶部52に記憶する。
【0020】
図3は、本実施例にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置30の画像形成/解析部43およびその周辺回路を詳細に示したブロック図である。図3に示されるように、画像形成/解析部43は、操作者が入力装置(図示せず)を操作することにより、画像データ記憶部52から読みだされた画像データに所定の処理を施し、CRT60に表示すべき画像の表示画像データを生成する表示画像データ生成部102と、CRT60の画面上に表示される画像の関心領域を取り囲むための円、矩形、折れ線に囲まれた図形などの図形データを生成し、これを図形データ記憶部106に出力する図形データ生成部104と、図形データを記憶する図形データ記憶部106と、図形データ記憶部106に記憶された図形データと、表示画像データ生成部102により生成された表示画像データを比較して、CRT60の画面上に表示される図形に含まれる画像の濃度などを示す定量データを生成する定量処理部108と、定量処理部108により生成された定量データを記憶する定量データ記憶部110と、前記図形データ記憶部106に記憶された図形データから、CRT60に表示すべき図形の表示図形データを生成する表示図形データ生成部112と、表示画像データと表示図形データとを合成する画像合成部114と、操作者が入力装置(図示せず)を操作することにより、図形が属すべきグループを示すグループデータをグループデータ記憶部118に記憶するグループデータ管理部116と、図形が属すべきグループを示すグループデータを記憶するグループデータ記憶部118と、後述する基準バックグラウンド値を生成するために選択された図形を示すデータを記憶するバックグラウンドデータ管理部120と、定量データ記憶部110、グループデータ記憶部118およびバックグラウンドデータ管理部120に記憶されたデータに基づいて、表データを生成する表データ生成部122と、画像合成部114により生成された合成画像データおよび表データ生成部122により生成された表データを、一時的に記憶し、これをCRT60に出力するウィンドウメモリ124とを備えている。
【0021】
表示画像データ生成部102は、操作者が入力装置を操作することにより、画像データ記憶部52から選択されて読みだされた画像データを、操作者が入力した所定の拡大率に基づいて、拡大或いは縮小された表示画像データを生成する。また、操作者が、CRT60の画面上に表示された画像の関心領域を取り囲むために、マウス(図示せず)を操作して、メモリ(図示せず)に予め記憶された、図形データの形状を選択し、選択された形状の図形をCRT60の画面上に配置することによって、図形データが生成され、これが図形データ記憶部106に記憶される。
図形データ記憶部106は、図形データベース130を記憶しており、図形データベース130には、操作者により選択された形状を有し、所望の位置に配置された各種図形の図形データを、図形ごとに記憶されている。図形データ生成部104は、操作者がCRT60の画面上に、所定の図形を配置すると、その図形に図形ナンバーを与え、その図形の図形種を示す図形種データおよびその図形の画像データ記憶部52に記憶された画像データ上の位置を示す座標データを、図形データベース130の与えられた図形ナンバーに対応する領域に記憶する。図4(a)は、図形データ生成部104により、図形データベース130に記憶された図形データ132の内容を例示する図面である。前述したように、図形データ132は、それぞれ、少なくとも、図形の種類を示す図形種データ、図形の基準点の位置を示す座標データを備えている。本実施例においては、図形種には、たとえば、円、矩形、折れ線により囲まれた図形などが含まれる。また、図形の基準点の座標データは、画像データ記憶部52に記憶された画像データ上に存在する場合の図形の外接矩形の左上の座標(x,y)を示している。
【0022】
図形データ記憶部106に記憶された図形データ132は、表示図形データ生成部112に読みだされ、所定の処理を施された後に、画像合成部114に出力されて、表示画像データと合成され、この合成されたデータが、ウィンドウメモリ124を介してCRT60に出力される。
定量データ記憶部110は、定量データベース140を記憶しており、定量データベース140には、図4(b)に示されるように、図形ごとに、CRT60の画面上に配置された図形に含まれる画像を構成する画素の濃度に対応するPSL値データ144および図形の面積を示す面積データ146からなる定量データ142が記憶されている。ここに、PSL値データ144は、図形により囲まれた画像領域に対応する蓄積性蛍光体シート1の領域が受けた放射線の積算値を示すものである。
後述するように、操作者が、入力装置(図示せず)を操作して、所定の図形を指定し、図形に含まれる領域を定量処理する旨を指示すると、定量処理部108が、図形データベース130から、所定の図形データ132を読みだし、また、表示画像データ生成部102から、該図形データに対応する図形に含まれる画像データの領域を読みだし、図形の面積および図形に含まれる画像を構成する画素の濃度を算出し、これらを定量データとして、定量データベース140内の所定の領域、すなわち、図形データベース130から読みだされた図形データ130の図形ナンバーに対応する領域に記憶する。
【0023】
入力装置を操作して、グループ管理部116を起動することにより、グループデータ記憶部118には、グループデータベース150が生成される。図5は、グループデータベース150の内容を示すブロック図である。図5に示されるように、グループデータベース150には、グループごとに、複数のデータベース151−1ないし151−3が生成される。各データベース151−1ないし151−3は、そのグループに属する図形のナンバーと、その図形に含まれる画像を構成する画素の濃度を算出する際に用いられるバックグラウンドのナンバー、すなわち、バックグラウンドナンバーを記憶している。このバックグラウンドナンバーについては、後述する。
このように構成されたオートラジオグラフィ画像解析装置30は、以下のようにして、画像を解析する。
まず、操作者は、マウス(図示せず)を操作することにより、画像データ記憶部52から所定の画像データが読み出し、表示画像データ生成部102により、操作者によって選択された所定の拡大率に基づき、拡大或いは縮小された表示画像データが生成される。この表示画像データは、画像合成部114およびウィンドウメモリ124を介して、CRT60の画面600に表示される。図6には、CRT60の画面に表示された画像の例が示されている。本実施例では、成分の異なる4種の薬物を、4体の実験動物に投与し、所定時間経過後に、その尿を採取して、これをTLCプレート上にクロマトグラフィー展開して得られた蛋白質の画像を蓄積性蛍光体シート1に記録し、画像読み取り装置20により、画像データが生成されている。したがって、CRT60の画面600には、4体の実験動物についての画像パターン601、602、603および604が、4列に表示されている。操作者が、マウスを操作して、CRT60の画面600上の所望の領域に、所望の図形を描くことにより、図形データ記憶部106の図形データベース130に、図形データ132が記憶される。たとえば、図6に示されるように、図形611ないし図形616を、画面600に表示すると、図形データ生成部104は、表示された順に、図形に図形ナンバーを付与するとともに、図4(a)に示されるように、各図形の図形種データおよび座標データを、図形データベース130の図形ナンバーに対応する所定の領域に記憶する。次いで、操作者が、マウスを操作して、描かれた各図形内に含まれる画像を構成する画素の濃度を算出する旨を指示すると、定量処理部108は、図形データベース130から、各図形611ないし616の図形データ132を読みだし、さらに、表示画像データ生成部102から、表示画像データを読みだし、図形データ132に対応する図形に含まれる画像に対応する画像データの領域を決定し、図形に含まれる画像を構成する画素の濃度を算出するとともに、図形の面積を算出する。このようにして生成された画素の濃度および図形の面積は、図4(b)に示されるように、PSL値データ144および面積データ146からなる定量データ142として、定量データべース140に記憶される。
【0024】
次いで、操作者は入力装置(図示せず)を操作して、グループ管理部116を起動すると、CRT60の画面上に描かれた図形が属するグループごとにグループデータベースが生成される。たとえば、図6に示される図形611、612および613が、グループAに属するように、操作者が操作した場合には、図5に示されるように、グループAに関するデータベース151−1が生成され、データベース151−1の領域152−1に、グループAに属する図形ナンバー1、2および3が記憶される。なお、このときには、バックグラウンドナンバーは、まだ指示されていないため、各図形611ないし613の図形ナンバーに対応してバックグラウンドナンバーを記憶する領域153−1には、何も記憶されていない。
さらに、操作者は入力装置を操作して、バックグラウンドデータ管理部120を起動し、描かれた図形611ないし616の中から、基準バックグラウンド値を算出するためのバックグラウンド図形(以下「BG図形」という。)を選択する。
図7は、バックグラウンドデータ管理部120の構成を示す機能ブロック図である。図7に示されるように、バックグラウンドデータ管理部120は、バックグラウンドテーブル生成部160と、バックグラウンドテーブル162とを備えている。バックグラウンドテーブル162は、バックグラウンドナンバー毎に、バックグラウンドナンバーに属する図形の図形ナンバーを記憶するように構成されている。ここに、バックグラウンドとは、蓄積性蛍光体シート1を露光する際に、宇宙線或いは地中に含まれる放射線などにより、ほぼ均一に、蓄積性蛍光体シート1上に生じるノイズ成分をいう。このような蓄積性蛍光体シート1に基づき生成された画像データに対して、定量処理をする際には、このノイズ成分を取り除いて、図形に含まれる画像を構成する画素の濃度を調べる必要がある。本実施例においては、このため、スポットの形成されていない画像部分から適当な領域を図形を用いて画定し、この図形をBG図形として、この図形内のPSL値をBG図形の面積で割った値を基準バックグラウンド値としている。すなわち、基準バックグラウンド値は、単位面積あたりのノイズ成分により生じた放射線量を示している。
【0025】
また、あるバックグラウンドナンバーに属する図形が複数である場合には、これら複数の図形のPSL値の和を、これらの図形の面積の和で割った値、すなわち、平均値が、基準バックグラウンド値となる。
たとえば、図6に示される図形614と図形615とを、BG図形として選択し、これらをバックグラウンドナンバー“1”に属する図形にする旨の指示が、操作者により与えられた場合には、バックグラウンドデータ管理部120のバックグラウンドテーブル生成部162が、バックグラウンドテーブル162の所定の領域162−1に、図形614、615に対応する図形データの図形ナンバーである“4”および“5”を記憶する。同様に、図形616をBG図形として選択し、これにバックグラウンドナンバー“2”に属する図形にする旨の指示が、操作者により与えられた場合には、バックグラウンドテーブル生成部162が、バックグラウンドテーブル162の所定の領域162−2に、図形616に対応する図形データの図形ナンバーである“6”を記憶する。
このような操作により、BG図形が設定されると、表データ生成部122は、バックグラウンドデータ管理部120のバックグラウンドテーブル162内のデータおよび定量データ記憶部110の定量データベース140内のデータを読みだし、PSL値および図形の面積から、あるバックグラウンドナンバーに対応する基準バックグラウンド値を算出し、基準バックグラウンド値を含む表に対応する表データを生成し、これをウィンドウメモリ124の所定の領域に展開する。ウィンドウメモリ124は、所定のタイミングで、展開された表データを、CRT60に出力する。したがって、たとえば、図6に示される図形614と図形615とを、BG図形として選択し、これらをバックグラウンドナンバー1に属する図形にする旨の指示が、操作者から与えられた場合には、図8に示されるような画像が、CRT60の画面に表示される。画面800の下部801の領域802ないし805には、それぞれ、BG図形として選択された図形614、615の図形ナンバー“4”、“5”、それぞれのPSL値、面積および単位面積あたりのPSL値が表示され、その一方、上部801の領域807ないし810には、それぞれ、バックグラウンドナンバー、図形614、615のPSL値の合計、面積の合計およびPSL値の合計を面積の合計で割った値、すなわち、基準バックグラウンド値が表示される。
【0026】
その後、定量処理を開始する際、操作者は、入力装置を操作して、定量処理すべき図形および定量処理に用いる基準バックグラウンド値を有するバックグラウンドナンバーを選択する。その結果、グループ管理部116は、グループデータベース150の所定のデータベース151−1ないし151−3のバックグラウンドナンバーを記憶する領域153−1ないし153−3に、所定のバックグラウンドナンバーを記憶する。たとえば、定量処理をする際に、グループAに属する図形611、612は、図形614、615に基づく基準バックグラウンド値を使用し、図形613には、図形616に基づく基準バックグラウンド値を使用する旨の指示が操作者により与えられた場合には、データベース151−1の領域152−1に記憶された図形ナンバー1および2に対しては、バックグラウンドナンバー1が付与され、図形ナンバー3に対しては、バックグラウンドナンバー2が付与され、図5に示されるように、領域153−1にバックグラウンドナンバーが記憶される。
このようにして、各図形に所望のバックグラウンドナンバーが付与され、各データベース151−1ないし151−3の領域153−1ないし153−3に、バックグラウンドナンバーが記憶される。
【0027】
表データ生成部122は、バックグラウンドデータ管理部120のバックグラウンドテーブル162のデータおよび定量データ記憶部110の定量データベース140のデータを読みだし、PSL値および図形の面積から、あるバックグラウンドナンバーに対応する基準バックグラウンド値を算出し、さらに、図形の面積と図形に付与されたバックグラウンドナンバーに対応する基準バックグラウンド値との積を算出し、図形のPSL値と、算出された積との差分値、すなわち、補正されたPSL値を算出して、これらの値を用いて、表データを生成し、これを、ウィンドウメモリ124の所定の領域に展開する。ウィンドウメモリ124は、所定のタイミングで、展開された表データを、CRT60に出力する。たとえば、図形611、612には、図形614、615に基づく基準バックグラウンド値を使用し、図形613には、図形616に基づく基準バックグラウンド値を使用する旨の指示が操作者により与えられた場合には、図9に示されるような画像が、CRT60の画面900に表示される。すなわち、画面900の部分901の領域902ないし909には、それぞれ、図形611、612、613の図形ナンバー、PSL値、面積、単位面積あたりのPSL値、付与されたバックグラウンドナンバー、基準バックグラウンド値と図形の面積との積、PSL値と積との差分値すなわち補正されたPSL値、および、単位面積当たりの補正されたPSL値が表示される。
【0028】
さらに、表データ生成部122は、操作者の指示にしたがって、定量解析を行うことができるように構成されている。すなわち、あるグループに属する図形のPSL値の合計値に対するこのグループに属する各図形のPSL値もしくは補正されたPSL値の割合、または、あるグループに属するある図形の単位面積当たりのPSL値もしくは単位面積あたりの補正されたPSL値に対するこのグループに属する他の各図形の単位面積当たりのPSL値或いは単位面積あたりの補正されたPSL値の割合などを算出し、これをウィンドウメモリ124を介して、CRT60の画面に表示することができる。
上述したように、入力装置を操作することによって、図10に示されるように、CRT60の画面に表示された画像パターン601ないし604の中から、図形611ないし624により関心領域を画定して、図形データを生成し、図形614および615をバックグラウンドナンバー“1”、図形616をバックグラウンドナンバー“2”、図形619をバックグラウンドナンバー“3”、図形623、624をバックグラウンドナンバー“4”に属するBG図形として選択して、図7に示されるようなバックグラウンドテーブル162を生成することができる。さらに、図5に示されるように、図形611、612および613をグループAに属する図形、図形617、618をグループBに属する図形、図形611、617、620をグループCに属する図形として、グループデータベース150のデータベース151−1ないし151−3を生成することができる。
【0029】
図5の例においては、グループAには、図形611、612および613が所属している。これは、同一の実験動物から採取した尿をクロマトグラフィー展開することによって得られた画像パターン601の各成分をグループ化するためである。これに対して、グループCには、図形611、617および620が所属している。これは、クロマトグラフィー展開された成分のうち、同一成分を示すスポットをグループ化するためである。このように、本実施例によれば、一つの図形が複数のグループに属することができるため、たとえば、同一の実験動物から採取した組織に含まれる各成分の比を算出し、同時に、複数の実験動物から採取した組織に含まれる同一の成分の比を算出することが可能となる。
さらに、本実施例によれば、各グループに属する各図形に対して、独立して、バックグラウンドナンバーを与えることができる。たとえば、図7に示されるように、グループAに属する図形611および612には、バックグラウンドナンバー1を、グループAに属する図形613およびグループAおよびCに属する図形611には、バックグラウンドナンバー2を、また、グループBに属する図形617には、バックグラウンドナンバー3を、グループCに属する図形620には、バックグラウンドナンバー5を与えることができる。したがって、各グループ内で、グループとは独立して、各図形に、所望の基準バックグラウンド値を与えることができ、より正確に、PSL値を算出することが可能となる。
【0030】
本発明は、以上の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることがいうまでもない。
たとえば、前記実施例においては、蛋白質の薄層クロマトグラフィ(TLC)により生成された画像を解析しているが、本発明は、かかるオートラジオグラフィに限定されることなく、たとえば、サザン・ブロッティング法によるハイブリタイゼーション法を利用した遺伝子のオートラジオグラフィ画像、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうオートラジオグラフィ画像、マウスなどの実験動物における投与物質の代謝、吸収、排泄の経路、状態などを研究するためのオートラジオグラフィ画像などのオートラジオグラフィ画像を解析する場合はもとより、サザン・ブロット・ハイブリダイゼーション法を用いた遺伝子の化学発光画像、蛋白質の薄層クロマトグラフィによって生成された化学発光画像、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって、蛋白質の分離、同定、あるいは、分子量、特性の評価などをおこなうための化学発光画像などの化学発光法を利用した化学発光画像を解析する場合にも、電子顕微鏡を用いて生成された金属あるいは非金属試料の電子線透過画像や電子線回折画像、生物体組織などの電子顕微鏡画像、さらには、金属あるいは非金属試料などの放射線回折画像を解析する場合にも、広く適用することができる。
【0031】
また、前記実施例においては、バックグラウンドテーブル162は、バックグラウンドナンバーごとに、バックグラウンドナンバーに属するBG図形の図形ナンバーを記憶するように構成され、表データ生成部122が、基準バックグラウンド値などを算出するように構成されているが、バックグラウンドテーブル162が、バックグラウンドナンバーごとの基準バックグラウンド値を記憶するように構成してもよい。
さらに、前記実施例においては、定量データベース140は、PSL値および面積を示すデータを記憶するように構成されているが、単位面積当たりのPSL値あるいは単位面積当たりの補正されたPSL値を記憶するように構成してもよい。
また、前記実施例においては、蓄積性蛍光体シート1を用いて、試料中の放射性標識物質の位置情報を電気信号に変換して得た画像データを、CRT60の画面上に、可視画像として表示しているが、蓄積性蛍光体シート1に代えて、写真フィルムを用いて、一旦、可視画像を形成し、この可視画像を光電的に読み取り、電気信号に変換した画像データに対して、同様の処理をおこなうことも可能である。
【0032】
さらに、本明細書において、手段とは、必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアによって実現される場合も包含する。また、一つの手段の機能が二以上の物理的手段により実現されても、二以上の手段の機能が一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、関心領域により画定された図形に含まれる画像を、円滑に、定量処理および定量解析することができる画像解析装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置のための画像データを生成する画像読み取り装置の一例を示す略斜視図である。
【図2】本発明の実施例にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置および画像読み取り装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施例にかかるオートラジオグラフィ画像解析装置の画像形成/解析部およびその周辺回路を詳細に示したブロック図である。
【図4】図4(a)は、図形データ生成部により、図形データベースに記憶された図形データを示す図であり、図4(b)は、定量データベースに記憶されたデータを示す図である。
【図5】グループデータベースの構成を示すブロック図である。
【図6】CRT上に表示された中間調画像を示す写真である。
【図7】バックグラウンドデータ管理部の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】CRTの画面に表示された画像の例を示す図である。
【図9】CRTの画面に表示された画像の例を示す図である。
【図10】CRT上に表示された中間調画像を示す写真である。
【図11】従来の図形データ記憶手段の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 蓄積性蛍光体シート
2 レーザ光
3 レーザ光源
4 フィルタ
5 ビーム・エクスパンダ
6 光偏向器
7 fθレンズ
8 平面反射鏡
9 導光性シート
10 光検出器
11 増幅器
12 A/D変換器
13 ラインバッファ
20 画像読み取り装置
30 オートラジオグラフィ画像解析装置
40 信号処理手段
41 ラインバッファ
42 制御部
43 画像形成/解析部
50 画像データ記憶手段
51 画像データ一時記憶部
52 画像データ記憶部
60 CRT
102 表示画像データ生成部
104 図形データ生成部
106 図形データ記憶部
108 定量処理部
110 定量データ記憶部
112 表示図形データ生成部
114 画像合成部
116 グループ管理部
118 グループデータ記憶部
120 バックグラウンドデータ管理部
122 表データ生成部
124 ウィンドウメモリ
130 図形データベース
140 定量データベース
150 グループデータベース

Claims (8)

  1. 画像データを記憶する画像データ記憶手段と、前記画像データ記憶手段に記憶された画像データから選択され、所定の処理の施された画像データに基づき、画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示されるべき複数の図形に対応する図形データを記憶する図形データ記憶手段と、前記図形により画定された関心領域にそれぞれ含まれる画像に対応する画像データに、定量処理を施し、定量データを生成する定量処理手段と、前記定量処理手段により生成された定量データを記憶する定量データ記憶手段とを備えた画像解析装置であって、
    前記図形と該図形が属するグループの関係を示すグループデータを記憶するグループデータ記憶手段と、
    前記グループデータ記憶手段に記憶されたグループデータおよび前記定量データ記憶手段に記憶された定量データに基づいて、前記グループごとに、定量データの比を含む表データを生成する表データ生成手段とを備え、
    前記表示手段が、前記表データに基づいた表を表示するように構成されている、
    ことを特徴とする画像解析装置。
  2. 前記図形データ記憶手段が、前記関心領域を画定する図形に対して付与された図形ナンバーデータおよび図形の位置を示す座標データを記憶するように構成され、前記グループデータ記憶手段が、前記各グループに属する図形ナンバーデータを記憶するように構成されている、
    請求項1に記載の画像解析装置。
  3. 前記表データ生成手段が、前記グループごとに、表データを生成し、前記表示手段が、前記図形ナンバーデータごとに、データが表示されるように、前記表データに基づいて、表を表示するように構成されている、
    請求項2に記載の画像解析装置。
  4. 前記定量処理手段により得られた定量データが、前記図形により画定された前記関心領域に含まれる画像の画素の濃度を示す濃度データおよび前記図形の面積を示す面積データを含む、
    請求項1に記載の画像解析装置。
  5. 前記画像データが、蓄積性蛍光体シートを用いて生成されたものである、
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像データが、オートラジオグラフィ画像データ、放射線回折画像データ、電子顕微鏡画像データおよび化学発光画像データよりなる群から選ばれる画像データによって構成されている、
    請求項1ないし5に記載の画像解析装置。
  7. 前記オートラジオグラフィ画像データ、前記放射線回折画像データまたは前記電子顕微鏡画像データが、試料から発せられる放射線または電子線を、輝尽性蛍光体に蓄積、吸収させ、しかる後に、前記輝尽性蛍光体に、電磁波を照射して、該輝尽性蛍光体から発せられた光を光電変換することにより生成されている、
    請求項6に記載の画像解析装置。
  8. 化学発光画像データが、試料から発せられる可視光を、輝尽性蛍光体に蓄積、吸収させ、しかる後に、前記輝尽性蛍光体に、電磁波を照射して、該輝尽性蛍光体から発せられた光を光電変換することにより生成されている、
    請求項6に記載の画像解析装置。
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