JP3895903B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、正極と負極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池に係り、特に、上記の正極における正極活物質に少なくとも6価の鉄を含む複合酸化物を用いると共に、アルミニウムを含む正極集電体を用いた場合において、充放電によりアルミニウムを含む正極集電体が溶出して、電池容量が低下するのを防止する点に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高出力,高エネルギー密度の新型電池の1つとして、非水電解質を用いて、リチウムの酸化,還元を利用した高起電力の非水電解質二次電池が利用されるようになった。
【0003】
ここで、このような非水電解質二次電池においては、一般に、その正極における正極活物質にLiCoO2 ,LiNiO2 ,LiMn2 O4 ,LiFeO2 等のリチウム含有遷移金属酸化物を用いると共に、正極における集電性を高めるためにアルミニウム箔等の正極集電体を用いており、また負極における負極活物質には、リチウム金属、リチウム合金、リチウムイオンの吸蔵・脱離が可能なカーボン系材料等を用いていた。
【0004】
そして、近年においては、上記のような非水電解質二次電池において、その電池容量をさらに高めるために様々な研究が行われ、PCT/IL98/00207等において、正極活物質に6価の鉄を含む鉄複合酸化物を用いた場合に、大きな電池容量が得られることが示されている。
【0005】
しかし、このように正極活物質に6価の鉄を含む鉄複合酸化物を用いた場合において、この非水電解質二次電池における正極集電体に上記のアルミニウム箔等のアルミニウムを含む正極集電体を使用して充放電を行ったところ、電池容量が低下するという問題が生じた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記のように正極活物質に6価の鉄を含む鉄複合酸化物を用いると共に、アルミニウム箔等のアルミニウムを含む正極集電体を使用した非水電解質二次電池において、この非水電解質二次電池を充放電させた場合に、電池容量が低下するのを防止することを課題とするものである。
【0007】
ここで、上記のような非水電解質二次電池を充放電させた場合に、その電池容量が低下する原因を本発明者が検討したところ、6価の鉄を含む鉄複合酸化物は不安定であるため、この複合酸化物によりアルミニウムを含む正極集電体が酸化されて溶出したためであると考えられ、この発明の非水電解質二次電池においては、アルミニウムを含む正極集電体が酸化されて溶出するのを防止するようにしたのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明においては、上記のような課題を解決するため、正極と負極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、上記の正極における正極活物質に少なくとも6価の鉄を含む複合酸化物を用いると共に、アルミニウムを含む正極集電体を用い、少なくとも溶媒に環状カーボネートを含むと共に溶質に含フッ素化合物の塩を含む非水電解質を用いるようにしたのである。
【0009】
ここで、この発明における非水電解質二次電池のように、溶媒に環状カーボネートを含むと共に溶質に含フッ素化合物の塩を含む非水電解質を用いると、この環状カーボネートと含フッ素化合物の塩とが、正極におけるアルミニウムを含む正極集電体の表面で分解されて、アルミニウムを含む正極集電体の表面に被膜が形成されるようになる。
【0010】
そして、このようにアルミニウムを含む正極集電体の表面に形成された被膜により、正極活物質に6価の鉄を含む複合酸化物を用いた場合においても、アルミニウムを含む正極集電体が酸化されて溶出するのが抑制され、非水電解質二次電池の保存特性が向上し、充放電を行った場合に、その電池容量が低下するのが防止される。
【0011】
ここで、正極における正極活物質は、上記のように6価の鉄を含む複合酸化物であればよいが、正極活物質にNa2 FeO4 やK2 FeO4 を用いた場合、充放電を行った際に上記の複合酸化物中からNaやKが溶出して、正極集電体の表面に形成された被膜に悪影響を及ぼすおそれがあるため、正極活物質としては、請求項2に示すように、一般式MFeO4 (式中、MはLi,Mg,Ca,Sr,Cu,Zn,Mn,Ni,Co,Sn,Ti,Nb,Mo,Al,Ga,Geからなるグループから選択される少なくとも一種の元素である。)で表される正極活物質を用いることが好ましい。特に、高容量の非水電解質二次電池を得るためには、上記の組成式における式量が小さいものを用いることが好ましく、上記の式中におけるMがLi,Mg,Al,Ca,Mn,Ni,Co,Tiからなるグループから選択される少なくとも一種の元素からなるものを用いることが好ましい。
【0012】
また、上記の非水電解質において、その溶媒に使用する環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の非水電解質二次電池における溶媒として一般に使用されている環状カーボネートを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、このような環状カーボネートに対して、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート等の非水電解質二次電池における溶媒として一般に使用されている他の溶媒を混合させて使用することもできる。
【0013】
また、上記の非水電解質において、その溶質に使用する含フッ素化合物の塩としては、例えば、LiPF6 、LiN(CF3 SO2 )2 、LiN(C2 F5 SO2 )2 、LiBF4 、LiCF3 SO3 、LiAsF6 等の非水電解質二次電池の溶質として一般に使用されている含フッ素化合物の塩を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、このような含フッ素化合物の塩と一緒に、LiClO4 等の非水電解質二次電池の溶質として一般に使用されている他の溶質を使用することもできる。
【0014】
ここで、上記の含フッ素化合物の塩として、請求項3に示すようにLiPF6 を用いると、アルミニウムを含む正極集電体の表面により安定した被膜が形成され、アルミニウムを含む正極集電体が酸化されて溶出するのが一層抑制されて、非水電解質二次電池の保存特性がさらに向上する。
【0015】
また、この発明における非水電解質二次電池において、その負極における負極活物質としては、従来より使用されている公知のものを用いることができ、例えば、金属リチウムやリチウム合金の他に、リチウムイオンの吸蔵,放出が可能な黒鉛,コークス,有機物焼成体等の炭素材料を用いることができる。ここで、負極活物質として、比表面積が大きく、非水電解質と反応性が高い黒鉛やコークス等の炭素材料を用いると、上記のような非水電解質と組み合わせることにより、この負極の表面にも被膜が形成されて、非水電解質二次電池における保存特性がさらに向上する。
【0016】
【実施例】
以下、この発明の実施例に係る非水電解質二次電池について具体的に説明すると共に、この実施例の非水電解質二次電池の場合、保存特性が改善されることを、比較例を挙げて明らかにする。なお、この発明における非水電解質二次電池は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0017】
(実施例1〜5)
実施例1〜5においては、下記のようにして作製した正極と非水電解液とを用いるようにした。
【0018】
[正極の作製]
正極を作製するにあたっては、NaOClとNaOHとの水溶液に、Fe(NO3 )2 ・9H2 Oの水溶液を加え、これを室温で攪拌して鉄イオンを酸化させ、その後、これに濃KOH水溶液を加えてK2 FeO4 を沈殿させ、この沈殿物を乾燥させて、正極活物質として用いるK2 FeO4 の粉末を得た。
【0019】
次に、このようにして得た正極活物質のK2 FeO4 粉末と、導電剤として用いる人造黒鉛粉末と、結着剤として用いるポリフッ化ビニリデンとが90:5:5の重量比になるようにし、K2 FeO4 粉末と、人造黒鉛粉末と、ポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合させてスラリーを調製し、このスラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体の片面にドクターブレード法により塗布した後、これを真空中において150℃で2時間乾燥させ、これを所定の大きさに切断して正極を作製した。
【0020】
[非水電解液の作製]
非水電解液を作製するにあたっては、溶媒に使用する環状カーボネートとしてエチレンカーボネート(EC)を用い、下記の表1に示すように、このエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを1:1の体積比で混合させた混合溶媒を使用するようにした。
【0021】
一方、非水電解液の溶質に使用する含フッ素化合物の塩として、下記の表1に示すように、実施例1においてはLiPF6 を、実施例2においてはLiBF4 を、実施例3においてはLiN(C2 F5 SO2 )2 を、実施例4においてはLiN(CF3 SO2 )2 を用い、また実施例5においては含フッ素化合物の塩であるLiPF6 にLiClO4 を1:1の重量比になるように加えたものを溶質として用いるようにした。
【0022】
そして、上記の溶質をそれぞれ上記の混合溶媒に1モル/リットルの濃度になるように溶解させて、各非水電解液を作製した。
【0023】
(実施例6〜10)
実施例6〜10においては、正極として、上記の実施例1〜5の場合と同じ、正極活物質にK2 FeO4 を使用した正極を用いるようにした。
【0024】
一方、非水電解液を作製するにあたっては、溶媒に使用する環状カーボネートとして、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とを用い、下記の表1に示すように、実施例6では上記のエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを1:1の体積比で混合させた混合溶媒を、実施例7ではエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを1:1の体積比で混合させた混合溶媒を、実施例8ではプロピレンカーボネート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)とを1:1の体積比で混合させた混合溶媒を、実施例9ではプロピレンカーボネート(PC)とジメチルカーボネート(DMC)とを1:1の体積比で混合させた混合溶媒を、実施例10ではエチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とジエチルカーボネート(DEC)とを1:1:2の体積比で混合させた混合溶媒を用いるようにした。
【0025】
そして、実施例6〜10においては、非水電解液の溶質に使用する含フッ素化合物の塩としてLiPF6 を用い、このLiPF6 を上記の各混合溶媒に1モル/リットルの濃度になるように溶解させて、各非水電解液を作製した。
【0026】
(比較例1〜3)
比較例1〜3においても、正極として、上記の実施例1〜5の場合と同じ、正極活物質にK2 FeO4 を使用した正極を用いるようにした。
【0027】
一方、非水電解液を作製するにあたり、下記の表1に示すように、比較例1においては、溶媒として、上記の実施例1と同じエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを1:1の体積比で混合させた環状カーボネートを含む混合溶媒を用いる一方、溶質には含フッ素化合物の塩ではないLiClO4 を用い、この溶質を上記の混合溶媒に1モル/リットルの濃度になるように溶解させて非水電解液を作製した。
【0028】
また、比較例2,3においては、溶質として、上記の実施例1と同じ含フッ素化合物の塩であるLiPF6 を用いる一方、溶媒には環状カーボネートでない溶媒を用いるようにし、下記の表1に示すように、比較例2においてはジエチルカーボネート(DEC)を、比較例3においてはジメチルカーボネート(DMC)を用い、これらの溶媒に上記の溶質を1モル/リットルの濃度になるように溶解させて各非水電解液を作製した。
【0029】
次に、前記のようにして作製したK2 FeO4 を正極活物質とする正極を、図1に示す試験セル10の作用極11に用いる一方、負極になる対極12及び参照極13とにはそれぞれ金属リチウムを用いるようにした。
【0030】
そして、非水電解液14に上記の実施例1〜10及び比較例1〜3において作製した非水電解液を用いた各試験セル10を、それぞれ25℃の温度で放電電流0.75mA/cm2 の定電流で放電終止電圧1.5V(vs.Li/Li+ )まで放電させた後、充電電流0.25mA/cm2 の定電流で充電終止電圧4.3V(vs.Li/Li+ )まで充電させ、その後、上記の場合と同様に、放電電流0.75mA/cm2 の定電流で放電終止電圧1.5V(vs.Li/Li+ )まで放電させ、この放電時における放電容量を、保存前の放電容量Q0 として求めた。
【0031】
次に、上記のようにして放電させた各試験セル10を充電電流0.25mA/cm2 の定電流で充電終止電圧4.3V(vs.Li/Li+ )まで充電させた後、これらを60℃で20日間保存し、その後、各試験セル10を室温まで冷却させ、この状態で、上記の場合と同様に、放電電流0.75mA/cm2 の定電流で放電終止電圧1.5V(vs.Li/Li+ )まで放電させ、この放電時における放電容量を、保存後の放電容量Q1 として求めた。
【0032】
そして、このようにして求めた保存前の放電容量Q0 と保存後の放電容量Q1 とから下記の式により容量残存率を求め、その結果を表1に合わせて示した。
容量残存率(%)=(Q1 /Q0 )×100
【0033】
【表1】
【0034】
この結果、正極活物質にK2 FeO4 を用いると共に、正極集電体にアルミニウム箔を用いた場合において、非水電解液に環状カーボネートを含まない溶媒や含フッ素化合物の塩を含まない溶質を用いた比較例1〜3のものにおいては、正極集電体のアルミニウム箔が溶解してしまい、充放電が行えない状態になっていた。
【0035】
これに対して、非水電解液に環状カーボネートを含む溶媒と含フッ素化合物の塩を含む溶質とを用いた実施例1〜10のものにおいては、正極集電体のアルミニウム箔が溶解するのが抑制されて、容量残存率が高くなり、保存後においても十分な放電容量が得られ、特に、LiPF6 を含む溶質を用いた実施例1,5〜10のものにおいては、容量残存率がさらに高くなっていた。
【0036】
(実施例11〜20)
実施例11〜20においては、正極を作製するにあたり、上記の実施例1〜5の場合と同様にしてK2 FeO4 を得た後、このK2 FeO4 を溶解させた水溶液にNi(CH3 COO)2 の水溶液を加えてNiFeO4 を沈殿させ、この沈殿物を水洗し乾燥させて、正極活物質として用いるNiFeO4 の粉末得た。
【0037】
そして、このようにして得た正極活物質のNiFeO4 粉末を用いる以外は、上記の実施例1〜5の場合と同様にし、正極活物質のNiFeO4 粉末と、導電剤として用いる人造黒鉛粉末と、結着剤として用いるポリフッ化ビニリデンとが90:5:5の重量比になるようにして、NiFeO4 粉末と、人造黒鉛粉末と、ポリフッ化ビニリデンを溶解させたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合してスラリーを調製し、このスラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体の片面にドクターブレード法により塗布した後、これを真空中において150℃で2時間乾燥させ、これを所定の大きさに切断して正極を作製した。
【0038】
一方、非水電解液としては、下記の表2に示すように、実施例11では実施例1と同じ非水電解液を、実施例12では実施例2と同じ非水電解液を、実施例13では実施例3と同じ非水電解液を、実施例14では実施例4と同じ非水電解液を、実施例15では実施例5と同じ非水電解液を、実施例16では実施例6と同じ非水電解液を、実施例17では実施例7と同じ非水電解液を、実施例18では実施例8と同じ非水電解液を、実施例19では実施例9と同じ非水電解液を、実施例20では実施例10と同じ非水電解液を用いるようにした。
【0039】
(比較例4〜6)
比較例4〜6においては、正極として、上記の実施例11〜20場合と同じように、NiFeO4 を正極活物質に使用した正極を用いるようにした。
【0040】
一方、非水電解液としては、下記の表2に示すように、比較例4では比較例1と同じ非水電解液を、比較例5では比較例2と同じ非水電解液を、比較例6では比較例3と同じ非水電解液を用いるようにした。
【0041】
そして、上記のようにして作製したNiFeO4 を正極活物質とする正極を、図1に示す試験セル10の作用極11に用い、負極になる対極12と参照極13とにそれぞれ金属リチウムを用いると共に、非水電解液14に上記の実施例11〜20及び比較例4〜6の各非水電解液を用いた各試験セル10を使用し、前記の実施例1〜10及び比較例1〜3の場合と同様にして、保存前の放電容量Q0 と保存後の放電容量Q1 とを測定すると共に前記の式により容量残存率を求め、その結果を下記の表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】
この結果、正極活物質にNiFeO4 を用いると共に、正極集電体にアルミニウム箔を用いた場合において、非水電解液に環状カーボネートを含まない溶媒や含フッ素化合物の塩を含まない溶質を用いた比較例4〜6においては、前記の比較例1〜3の場合と同様に、正極集電体のアルミニウム箔が溶解してしまい、充放電が行えない状態になっていた。
【0044】
これに対して、非水電解液に環状カーボネートを含む溶媒と含フッ素化合物の塩を含む溶質を用いた実施例11〜20のものにおいては、前記の実施例1〜10と同様に、正極集電体のアルミニウム箔が溶解するのが抑制されて、保存後においても十分な放電容量が得られ、特に、LiPF6 を含む溶質を用いた実施例11,15〜20のものにおいては、保存後における放電容量がさらに高くなっていた。
【0045】
また、実施例11〜20のものと、前記の実施例1〜10のものとを比較すると、正極における正極活物質にNiFeO4 を用いた実施例11〜20の方が、保存後における放電容量がさらに高くなっていた。
【0046】
なお、実施例11〜20のものにおいては、正極活物質にNiFeO4 を用いた場合を示しただけであるが、前記の組成式MFeO4 において、そのMがLi,Mg,Ca,Sr,Cu,Zn,Mn,Co,Sn,Ti,Nb,Mo,Al,Ga,Geから選択される元素からなる6価の鉄を含む複合酸化物を用いた場合においても、上記のNiFeO4 の場合と同様の効果が得られる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明における非水電解質二次電池においては、正極における正極活物質に少なくとも6価の鉄を含む複合酸化物を用いると共に、アルミニウムを含む正極集電体を用いた場合において、少なくとも溶媒に環状カーボネートを含むと共に溶質に含フッ素化合物の塩を含む非水電解質を用いるようにしたため、アルミニウムを含む正極集電体の表面に被膜が形成されるようになり、この被膜によって上記の正極集電体が正極活物質に用いた6価の鉄を含む複合酸化物により酸化されて溶出するのが抑制されるようになった。
【0048】
この結果、この発明によると、大きな電池容量を有すると共に十分な保存特性を有する非水電解質二次電池が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例及び比較例において作製した電極及び非水電解液の特性を調べるのに用いた試験セルの概略説明図である。
【符号の説明】
10 試験セル
11 作用極(正極)
12 対極(負極)
13 参照極
14 非水電解液(非水電解質)
Claims (3)
- 正極と負極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、上記の正極における正極活物質に少なくとも6価の鉄を含む複合酸化物を用いると共に、アルミニウムを含む正極集電体を用い、少なくとも溶媒に環状カーボネートを含むと共に溶質に含フッ素化合物の塩を含む非水電解質を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池において、上記の正極における正極活物質として、一般式MFeO4 (式中、MはLi,Mg,Ca,Sr,Cu,Zn,Mn,Ni,Co,Sn,Ti,Nb,Mo,Al,Ga,Geからなるグループから選択される少なくとも一種の元素である。)で表される正極活物質を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
- 請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池おいて、上記の非水電解質における含フッ素化合物の塩としてLiPF6 を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
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