JP3895072B2 - 電子写真感光体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高感度で、帯電性が高く、光感度の低下がほとんど起こらず、機械的強度に優れ、かつ安価な電子写真用感光体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
従来、電子写真感光体の感光層として、セレン合金系、アモルファスシリコン系、酸化亜鉛−樹脂分散系、硫化カドミウム−樹脂分散系等の無機光導電性物質を主成分とする感光層と、電荷移動錯体からなる有機光導電性物質を主成分とする感光層が広く用いられてきた。
【0003】
無機系材料を用いた感光体において、セレン合金系では原材料の毒性、アモルファスシリコン系では成膜速度が遅いことによるコスト、酸化亜鉛−樹脂分散系あるいはカドミウム−樹脂分散系では樹脂すなわち結着剤中への粉体の分散という構造から繰り返し耐久性の問題点をそれぞれ有する。
【0004】
一方、有機系材料を用いた感光体においては、光感度、耐久性及び環境に対する安定性等に問題点を有するが、毒性、コスト、材料設計の自由度等の点において無機系材料に比べ利点も有する為、盛んに開発が行われている。
【0005】
ところが、有機物質からなる電子写真用感光体においては、その耐久性は無機物質からなる電子写真用感光体(a−Si等)と比較していまだ十分な特性を満足するものは得られておらず、更なる高耐久性が要求されている。
【0006】
無機系材料を用いた感光体の中で、酸化亜鉛感光体は酸化亜鉛粉体と結着剤との分散系の塗布工法により、普通紙複写用感光体やエレクトロファックス紙等の安価かつ無毒な画像記録用材料として用いられてきている(特開平6−75438号公報、特開平6−175380号公報、特開平6−186788号公報、特開平7−20661号公報)。
【0007】
酸化亜鉛感光体は、結着剤との混合系で構成されるため、樹脂すなわち結着剤中への粉体の分散という構造から繰り返し耐久性において問題点を有する。しかし酸化亜鉛自体は優れた光導電体であり、その粉末状態においても光感度特性が確認されている。
【0008】
酸化亜鉛単体により薄膜を形成し、電子写真感光体とする場合、スパッタリングによる形成法では、酸化亜鉛は成長速度がきわめて遅く、また支持体(ドラム)を一定温度に精度良く保持するのが難しいため、コストの上昇を招く(特開昭58−156533号公報、特開昭60−111253号公報、特開昭60−118845号公報)。また、この場合、著しい抵抗分布を有し、均一で且つ高抵抗な大面積の薄膜を形成することが極めて困難であった。
【0009】
一方、酸化亜鉛粉末は前記のように結着剤との分散系の感光体に使用されているため、一定の品質のものを安価に入手する事ができる。
【0010】
無機系光導電材料としては、酸化亜鉛の他にシリコン(Si)がある。Si粉末原料を用いたプラズマ溶射法によるシリコン膜の形成が報告されている(特開平6−104466号公報、特開平6−248454号公報)。
【0011】
しかし、シリコンを溶融した場合、シリコンは非常に活性であるため、酸化シリコンを形成してしまう。酸化シリコンを形成しないようにするためには減圧状態又は雰囲気制御状態で行う必要があり、高価な真空装置を必要としてしまいコストがかさんでしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高感度で、帯電性が高く、光感度の低下がほとんど起こらず、機械的強度に優れ、かつ安価な電子写真用感光体及びその製造方法を提供することをその目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明によれば、導電支持体と感光層とを有する電子写真感光体の製造方法において、前記感光層を、酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子を主原料とするプラズマ溶射法を用いて形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記において、プラズマ溶射に用いるプラズマガスとして酸素を含む気体を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記において、前記酸化亜鉛粒子の周辺のみを溶融することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記において、前記感光層を、プラズマ溶射後に研磨処理することを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記において、前記酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子に感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素を含む不純物がドーピングしたものを用いることを特徴とする電子写真用感光体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記において、プラズマ溶射に用いるプラズマガス中に、酸化亜鉛中に取り込まれると感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素を含むガスが含まれたものを用いることを特徴とする電子写真用感光体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記において、粒径の異なる酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子が混合されているものを用いることを特徴とする電子写真用感光体の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、導電支持体と感光層とを有する電子写真感光体において、前記感光層は、酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子を主原料とするプラズマ溶射法を用いて形成されたものであることを特徴とする電子写真用感光体が提供される。
【0014】
請求項1の電子写真感光体の製造方法においては、酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子を主原料とするプラズマ溶射法を用いて酸化亜鉛単体を形成しているので、これまで広く用いられてきている樹脂分散系による場合と異なり、プロセス中の変化が小さく、また環境雰囲気にあまり影響されず、また、耐摩耗性も高いため、高帯電、高感度、高耐久の電子写真感光体を得ることができる。
また、プラズマを用いて溶融しているので、加熱による粒子どうしの焼結よりも低温で形成することができる。
請求項2の電子写真感光体の製造方法においては、プラズマ溶射に用いるプラズマガスとして酸素を含む気体を用いているので、酸化亜鉛粒子を用いたときには溶融時の酸化亜鉛の酸素抜けを抑制することができ、また亜鉛粒子を用いたときには酸化を促進するので高帯電、高感度、高耐久の電子写真感光体を得ることができる。
請求項3の電子写真感光体の製造方法においては、前記酸化亜鉛粒子の周辺のみを溶融することにより、さらに低温で形成することができる。
また、周辺のみを溶融し粒子を結合するので、粒子の組成を大きく変化させずに形成することができる。
請求項4の電子写真感光体の製造方法においては、プラズマ溶射後に研磨処理されたことにより、印刷版の印刷品質を向上し、鮮明な印刷物を得ることができる。
請求項5の電子写真感光体においては、前記酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子に感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素がドーピングされていることにより、広い波長領域で高帯電、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
請求項6の電子写真感光体においては、プラズマ溶射に用いるプラズマガス中に、酸化亜鉛中に取り込まれると感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素を含むガスが含まれていることにより、広い波長領域で高帯電、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
請求項7の電子写真感光体においては、酸化亜鉛を用いたときのは帯電電位が高く光減衰カーブが遅い粒径の小さい粒子と、帯電電位が低く光減衰カーブが速い粒径の大きな粒子を混合することにより、高帯電、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
亜鉛粒子を用いたときには成膜後に、帯電電位が高く光減衰カーブが遅い粒径の小さい粒子と、帯電電位が低く光減衰カーブが速い粒径の大きな粒子が形成されるので、高帯電高感度の電子写真感光体を得ることができる。
請求項8の電子写真感光体の製造方法においては、酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子を主原料とするプラズマ溶射法を用いて酸化亜鉛単体を形成しているので、これまで広く用いられてきている樹脂分散系の場合と異なり、プロセス中の変化が小さく、また環境雰囲気にあまり影響されず、また、耐摩耗性も高いため、高帯電、高感度、高耐久の電子写真感光体を得ることができる。
また、プラズマを用いて溶融しているので、加熱による微粒子どうしの焼結よりも低温で形成することができる。
本発明による電子写真感光体は、従来に比べ、高感度で、帯電性が高く、光感度の低下がほとんど起こらず、機械的強度に優れ、かつ安価に製作することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0016】
実施例1
図1は本発明による電子写真感光体の製造方法の第1の工程例を示す説明図である。導電性基板として長さ300mm、直径180mmのアルミニウム製円筒形基板(1)を用いた。これに通常の有機溶剤による脱脂洗浄後を行い、その後、成膜に供した。
本実施例では、酸化亜鉛微粒子は電子写真用酸化亜鉛感光体に一般に用いられている、フランス法によって形成されたものを用いた。ここで、フランス法によって形成された微粒子とは、電気精錬などで高純度化したZnを加熱蒸発させ、空気中の酸素と反応させ形成したものである。
また、高温プラズマ発生部を持つプラズマ溶射部(2)と、それに対向する基板ホルダー(図示せず)を持つ装置を用いた。雰囲気は大気開放とした。この装置の基板ホルダーは円筒形基板を支持することができ、内部にヒーターを持ち加熱できるようになっている。本実施例では150(℃)に設定した。また、円筒全面に成膜するため自転するようにしてある。本実施例では20(rpm)で回転するように設定した。プラズマ発生部と円筒形基板管の距離は30(cm)とした。
次に、プラズマ発生部内ヘアルゴンガスを導入しプラズマ点火を行った。そして、前記円筒形基板を基板ホルダー内に設けたヒーターにより加熱した。次に図2に示すように、酸化亜鉛原料の導入口より酸化亜鉛粒子を導入し、高温プラズマ中で溶融させ、前記円筒形基板上へ供給し酸化亜鉛層(3)を成膜した。RFプラズマ投入電力、アルゴンガス流量を制御し、5分間で100(μm)の感光層を成膜した。なお、用いた酸化亜鉛粒子の粒径は5(μm)である。
【0017】
本実施例による電子写真感光体を複写機に装填し、画像評価試験を行った。光源部分を改造し、波長380nm、光量は30μW/cm2、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて、磁気ブラシ現像法を用いた。 また、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sとした。得られた画像は、オリジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。
【0018】
このように本実施例の電子写真感光体においては、酸化亜鉛粒子を主原料とするプラズマ溶射法を用いて酸化亜鉛単体を形成しているので、これまで広く用いられてきている樹脂分散系の場合と異なり、プロセス中の変化が小さく、また環境雰囲気にあまり影響されず、また、耐摩耗性も高いため、高帯電、高感度、高耐久の電子写真感光体を得ることができる。
また、プラズマを用いて溶融しているので、加熱による粒子どうしの焼結よりも低温で形成することができる。
本実施例では、フランス法による酸化亜鉛微粒子を用いたが、これに限定するものではなく、塩化亜鉛、硫化亜鉛などから溶液反応で作られる湿式法による酸化亜鉛微粒子や、亜鉛鉱を直接加熱して作られるアメリカ法による酸化亜鉛微粒子でもかまわない。また、これらに限定するものでもない。
本実施例の説明図では各粒子が粒子の形状を保つように図示されているが、これに限定するものではない。各粒子どうしがまとまって大きな粒子になったり、均一な膜状になってもかまわない。
【0019】
実施例2
別の実施例を実施例1と同様に、図1、図2を用いて以下に説明する。
プラズマ溶射に用いるプラズマガスとして酸素を含む気体を用いるとした以外は、実施例1と同様の方法により酸化亜鉛層を形成した。本実施例による電子写真感光体を複写機に装填し、画像評価試験を行った。光源部分を改造し、波長380nm、光量は30μW/cm2、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて、磁気ブラシ現像法を用いた。また、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sとした。得られた画像は、オリジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。
【0020】
このように本実施例の電子写真感光体においては、プラズマ溶射に用いるプラズマガスとして酸素を含む気体を用いることにより、溶融時の酸化亜鉛の酸素抜けを抑制することができ、高帯電、高感度、高耐久の電子写真感光体を得ることができる。
本実施例の説明図では各粒子が粒子の形状を保つように図示されているが、これに限定するものではない。各粒子どうしがまとまって大きな粒子になったり、均一な膜状になってもかまわない。
【0021】
実施例3
さらに別の実施例を実施例1と同様に、図1、図3を用いて以下に説明する。
プラズマ溶射の主原料として亜鉛粒子を用いるとした以外は、実施例1と同様の方法により酸化亜鉛層を形成した。本実施例による電子写真感光体を複写機に装填し、画像評価試験を行った。光源部分を改造し、波長380nm、光量は30μW/cm2、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて、磁気ブラシ現像法を用いた。また、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sとした。得られた画像は、オリジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。
【0022】
このように本実施例の電子写真感光体においては、プラズマ溶射に用いるプラズマガスとして酸素を含む気体を用いることにより、亜鉛粒子の酸化を促進するので高帯電、高感度、高耐久の電子写真感光体を得ることができる。
本実施例の説明図では各粒子が粒子の形状を保つように図示されているが、これに限定するものではない。各粒子どうしがまとまって大きな粒子になったり、均一な膜状になってもかまわない。
【0023】
実施例4
さらに別の実施例を図1、図4を用いて以下に説明する。
酸化亜鉛粒子の周辺のみを溶融する条件で溶射する以外は、実施例1と同様の方法により酸化亜鉛層を形成した。本実施例による電子写真感光体を複写機に装填し、画像評価試験を行った。光源部分を改造し、波長380nm、光量は30μW/cm2、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて、磁気ブラシ現像法を用いた。また、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sとした。得られた画像は、オリジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。
【0024】
このように本実施例の電子写真感光体においては、酸化亜鉛粒子の周辺のみを溶融することにより実施例1の感光体に比べさらに低温で形成することができる。また、周辺のみを溶融し粒子を結合するので、粒子の組成を大きく変化させずに形成することができる。
【0025】
実施例5
さらに別の実施例を図1、図5を用いて以下に説明する。
プラズマ溶射後に研磨処理を行う以外は、実施例1と同様の方法により酸化亜鉛層を形成した。本実施例による電子写真感光体を複写機に装填し、画像評価試験を行った。光源部分を改造し、波長380nm、光量は30μW/cm2、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて、磁気ブラシ現像法を用いた。また、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sとした。得られた画像は、オリジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。
【0026】
このように本実施例の電子写真感光体においては、プラズマ溶射後に研磨処理されたことにより、感光体表面の平滑性が向上し、印刷版の印刷品質を向上し、鮮明な印刷物を得ることができる。
本実施例の説明図では各粒子が粒子の形状を保つように図示されているが、これに限定するものではない。各粒子どうしがまとまって大きな粒子になったり、均一な膜状になってもかまわない。
【0027】
実施例6
別の実施例を実施例1と同様に、図1、図2を用いて以下に説明する。
酸化亜鉛粒子に感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素がドーピングされていること以外は、実施例1と同様の方法により酸化亜鉛層を形成した。ここでドーピングする元素としてLiを用いた。光源部分を改造し、波長380から430nm、光量は30μW/cm2、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて、磁気ブラシ現像法を用いた。また、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sとした。得られた画像は、波長380から430nmのいずれの波長でもオリジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。
【0028】
このように本実施例の電子写真感光体においては、酸化亜鉛粒子に感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素がドーピングされていることにより、広い波長領域で高帯電、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
本実施例では抵抗率が高くなる元素としてLiを用いた例を示したが、これに限定するものではなく、例えばCu、Ag、Na、K、Rb、Cs等でもかまわない。また、これらに限定するものでもない。
本実施例では、感光波長域が広くなるつまり増感作用を起こす元素としてLiを用いた例を示したが、これに限定するものではなく、例えばCu、Pd、Cd等でもかまわない。また、これらに限定するものでもない。
本実施例の説明図では各粒子が粒子の形状を保つように図示されているが、これに限定するものではない。各粒子どうしがまとまって大きな粒子になったり、均一な膜状になってもかまわない。
【0029】
実施例7
さらに別の実施例を実施例1と同様に、図1、図2を用いて以下に説明する。
酸化亜鉛中に取り込まれると感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素を含むガスにより、酸化亜鉛粒子に感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素がドーピングされていること以外は、実施例1と同様の方法により酸化亜鉛層を形成した。ここでドーピングする元素としてLiを用いた。光源部分を改造し、波長380から430nm、光量は30μW/cm2、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて、磁気ブラシ現像法を用いた。また、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sとした。得られた画像は、波長380から430nmのいずれの波長でもオリジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。
【0030】
このように本実施例の電子写真感光体においては、酸化亜鉛粒子に感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素がドーピングされていることにより、広い波長領域で高帯電、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
本実施例では抵抗率が高くなる元素としてLiを用いた例を示したが、これに限定するものではなく、例えばCu、Ag、Na、K、Rb、Cs等でもかまわない。また、これらに限定するものでもない。
本実施例では、感光波長域が広くなるつまり増感作用を起こす元素としてLiを用いた例を示したが、これに限定するものではなく、例えばCu、Pd、Cd等でもかまわない。また、これらに限定するものでもない。
本実施例の説明図では各粒子が粒子の形状を保つように図示されているが、これに限定するものではない。各粒子どうしがまとまって大きな粒子になったり、均一な膜状になってもかまわない。
【0031】
実施例8
さらに別の実施例を図1、図6を用いて以下に説明する。
酸化亜鉛粒子が粒径の異なる酸化亜鉛粒子が混合されていること以外は、実施例1と同様の方法により酸化亜鉛層を形成した。ここで酸化亜鉛粒子として平均粒径が10μmの粒子と、2μmの粒子を9:1の質量比に混合したものを用いた。本実施例による電子写真感光体を複写機に装填し、画像評価試験を行った。光源部分を改造し、波長380nm、光量は30μW/cm2、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて、磁気ブラシ現像法を用いた。また、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sとした。得られた画像は、オリジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。
【0032】
このように本実施例の電子写真感光体においては、帯電電位が高く、光減衰カーブが遅い粒径の小さい酸化亜鉛粒子と、帯電電位が低く、光減衰カーブが速い粒径の大きな酸化亜鉛粒子を混合することにより、高帯電高感度の電子写真感光体を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1の電子写真感光体の製造方法においては、酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子を主原料とするプラズマ溶射法を用いて酸化亜鉛単体を形成しているので、これまで広く用いられてきている樹脂分散系による場合と異なり、プロセス中の変化が小さく、また環境雰囲気にあまり影響されず、また、耐摩耗性も高いため、高帯電、高感度、高耐久の電子写真感光体を得ることができる。
また、プラズマを用いて溶融しているので、加熱による粒子どうしの焼結よりも低温で形成することができる。
請求項2の電子写真感光体の製造方法においては、プラズマ溶射に用いるプラズマガスとして酸素を含む気体を用いているので、酸化亜鉛粒子を用いたときには溶融時の酸化亜鉛の酸素抜けを抑制することができ、また亜鉛粒子を用いたときには酸化を促進するので高帯電、高感度、高耐久の電子写真感光体を得ることができる。
請求項3の電子写真感光体の製造方法においては、前記酸化亜鉛粒子の周辺のみを溶融することにより、さらに低温で形成することができる。
また、周辺のみを溶融し粒子を結合するので、粒子の組成を大きく変化させずに形成することができる。
請求項4の電子写真感光体の製造方法においては、プラズマ溶射後に研磨処理されたことにより、印刷版の印刷品質を向上し、鮮明な印刷物を得ることができる。
請求項5の電子写真感光体においては、前記酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子に感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素がドーピングされていることにより、広い波長領域で高帯電、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
請求項6の電子写真感光体においては、プラズマ溶射に用いるプラズマガス中に、酸化亜鉛中に取り込まれると感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素を含むガスが含まれていることにより、広い波長領域で高帯電、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
請求項7の電子写真感光体においては、酸化亜鉛を用いたときには帯電電位が高く光減衰カーブが遅い粒径の小さい粒子と、帯電電位が低く光減衰カーブが速い粒径の大きな粒子を混合することにより、高帯電、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
亜鉛粒子を用いたときには成膜後に、帯電電位が高く光減衰カーブが遅い粒径の小さい粒子と、帯電電位が低く光減衰カーブが速い粒径の大きな粒子が形成されるので、高帯電、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
請求項8の電子写真感光体の製造方法においては、酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子を主原料とするプラズマ溶射法を用いて酸化亜鉛単体を形成しているので、これまで広く用いられてきている樹脂分散系の場合と異なり、プロセス中の変化が小さく、また環境雰囲気にあまり影響されず、また、耐摩耗性も高いため、高帯電、高感度、高耐久の電子写真感光体を得ることができる。
また、プラズマを用いて溶融しているので、加熱による微粒子どうしの焼結よりも低温で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子写真感光体の製造方法の第1の工程例を示す説明図である。
【図2】酸化亜鉛層の形成される様子を示す図である。
【図3】酸化亜鉛層の形成される様子を示す図である。
【図4】酸化亜鉛層の形成される様子を示す図である。
【図5】酸化亜鉛層の形成される様子を示す図である。
【図6】酸化亜鉛層の形成される様子を示す図である。
【符号の説明】
アルミニウム製円筒形基板
プラズマ溶射部
(3) 酸化亜鉛層

Claims (8)

  1. 導電支持体と感光層とを有する電子写真感光体の製造方法において、前記感光層を、酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子を主原料とするプラズマ溶射法を用いて形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. プラズマ溶射に用いるプラズマガスとして酸素を含む気体を用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記酸化亜鉛粒子の周辺のみを溶融することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記感光層を、プラズマ溶射後に研磨処理することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子に感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素を含む不純物がドーピングしたものを用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用感光体の製造方法。
  6. プラズマ溶射に用いるプラズマガス中に、酸化亜鉛中に取り込まれると感光波長域が広くなる元素又は抵抗率が高くなる元素を含むガスが含まれたものを用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用感光体の製造方法。
  7. 粒径の異なる酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子が混合されているものを用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用感光体の製造方法。
  8. 導電支持体と感光層とを有する電子写真感光体において、前記感光層は、酸化亜鉛粒子又は亜鉛粒子を主原料とするプラズマ溶射法を用いて形成されたものであることを特徴とする電子写真用感光体。
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