JP2000112160A - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体およびその製造方法

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JP2000112160A
JP2000112160A JP10283984A JP28398498A JP2000112160A JP 2000112160 A JP2000112160 A JP 2000112160A JP 10283984 A JP10283984 A JP 10283984A JP 28398498 A JP28398498 A JP 28398498A JP 2000112160 A JP2000112160 A JP 2000112160A
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zinc oxide
fine particles
zinc
oxide fine
electrophotographic photoreceptor
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Shinji Sato
新治 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化亜鉛微粒子を用いて、高感度、かつ、高
帯電性で、しかも耐久性に優れ、さらに低コストの電子
写真感光体を提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層を設けた電子写
真感光体において、前記感光層を酸化亜鉛微粒子と亜鉛
を含む溶液の混合物を前記導電性支持体上に加熱して形
成した膜とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
詳細には感光層が酸化亜鉛微粒子と亜鉛など無機材料か
らなる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化亜鉛微粉末を使用した感光体
は、特開平6−175380、特開平6−186788
号公報等に記載されているものが知られている。すなわ
ち酸化亜鉛は樹脂結着剤との分散系の塗工法により、普
通紙電子写真用感光体やエレクトロファックス紙等の安
価で、かつ、無毒な電子写真用感光体として、これまで
広く用いられてきた。この感光体は塗布方式で均一で大
面積に容易に製造でき、しかもフレキシブルシート(ア
ルミ板、PET、紙等)を基板として用いることができ
る。しかしながら、半導体微粉末と電気絶縁性バインダ
ーからなるため、本質的に2元系物質となり帯電性と感
度との両立が困難である。また、結着剤との混合系で構
成されるため、樹脂、すなわち結着剤中への粉体の分散
という構造から、繰り返し耐久性にも問題があった。
【0003】一方、酸化亜鉛(ZnO)単体により薄膜
を形成し、電子写真感光体とする場合、スパッタリング
による形成法では、酸化亜鉛は成長速度がきわめて遅
く、また支持体(ドラム)を一定温度に精度良く保持す
ることが難しいためコストの上昇を招いた(特開昭58
−156533、特開昭60−111253、特開昭6
0−118845号公報)。また著しい抵抗分布を有
し、均一、かつ、高抵抗で大面積の薄膜を形成すること
が極めて難しかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし酸化亜鉛(Zn
O)自体は優れた光導電体であり、その様々な状態、例
えば粉末状態においても光感度特性が確認されている。
さらに酸化亜鉛(ZnO)粉末は前述のように結着剤と
の分散系の感光体に使用されているため一定の品質のも
のを安価に入手することができる。
【0005】本発明はこのような背景に鑑みてなされた
もので、酸化亜鉛微粉末を用い、高感度で、かつ、高帯
電性で、しかも耐久性に優れ、さらに低コストの電子写
真感光体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、導電性支持体上に感光層を設けた電子写真感光体に
おいて、前記感光層が、酸化亜鉛微粒子と亜鉛を含む溶
液の混合物を前記導電性支持体上に加熱して形成した膜
であることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0007】第二に、上記第一に記載した電子写真感光
体において、上記酸化亜鉛微粒子に感光波長域を広げる
元素または抵抗率を上昇させる元素がドーピングされて
いることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0008】第三に、上記第一に記載した電子写真感光
体において、上記亜鉛を含む溶液中に感光波長域を広げ
る元素または抵抗率を上昇させる元素がドーピングされ
ていることを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0009】第四に、上記第一または第二に記載した電
子写真感光体において、上記酸化亜鉛微粒子として粒径
の異なる酸化亜鉛微粒子を混合して用いることを特徴と
する電子写真感光体が提供される。
【0010】第五に、導電性支持体上に水および/また
はアルコールに酢酸亜鉛または亜鉛アセチルアセトネー
トを溶解した溶液と酸化亜鉛微粒子の混合物を塗布し、
該塗布物を加熱して酸化亜鉛層を形成することを特徴と
する電子写真感光体の製造方法が提供される。
【0011】第六に、スプレー熱分解法を用いて予め酸
素雰囲気中で加熱した基板上に水および/またはアルコ
ールに酢酸亜鉛または亜鉛アセチルアセトネートを溶解
した溶液と酸化亜鉛微粒子の混合物を成膜して酸化亜鉛
層を形成するか、該酸化亜鉛層をさらに大気中で加熱す
ることを特徴とする電子写真感光体の製造方法が提供さ
れる。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。上述のよ
うに本発明の電子写真感光体は、感光層が、酸化亜鉛微
粒子と亜鉛を含む溶液の混合物を導電性支持体上に加熱
して形成した膜であることを特徴とする。この電子写真
感光体によれば酸化亜鉛微粒子と亜鉛を含む溶液を熱処
理して形成しているため、従来の樹脂分散系の場合と異
なり、プロセスの変化が小さく、また、環境雰囲気に余
り影響されず、さらに耐摩耗性が高いため、高帯電で、
かつ、高感度、さらに高耐久性の電子写真感光体を得る
ことができる。
【0013】また、本発明の電子写真感光体は、上記酸
化亜鉛微粒子として、感光波長域を広げる元素または抵
抗率を上昇させる元素をドーピングした酸化亜鉛微粒子
を用いてもよく、これによれば広い波長領域で高帯電
で、かつ、高感度の電子写真感光体を得ることができ
る。
【0014】また、本発明の電子写真感光体は、上記亜
鉛を含有する溶液中に感光波長域を広げる元素または抵
抗率を上昇させる元素がドーピングされているものを用
いてもよく、この場合も広い波長領域で高帯電で、か
つ、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
【0015】さらに、本発明の電子写真感光体は、上記
酸化亜鉛微粒子として、粒径の異なる酸化亜鉛微粒子を
混合して用いるものであり、これによれば、帯電電位が
高く、光減衰カーブが遅い、粒径の小さい酸化亜鉛微粒
子と、帯電電位が低く、光減衰カーブが速い、粒径の大
きな酸化亜鉛微粒子を混合することにより、高帯電で、
かつ、高感度の電子写真感光体を得ることができる。
【0016】
【実施例】以下本発明の電子写真感光体を実施例に基づ
いて詳細に説明する。 〔実施例1〕図1は本発明の電子写真感光体の構成を模
式的に示したものである。導電性基板1として長さ30
0mm、直径180mmのアルミニウム製円筒基板を用
いた。これに通常の有機溶剤による脱脂洗浄を行ない成
膜に供した。また、酸化亜鉛は電子写真用酸化亜鉛感光
体に一般に用いられているフランス法によって形成され
たものを使用した。ここで、フランス法によって形成さ
れた酸化亜鉛微粒子とは、電気精錬などで高純度化した
Znを加熱蒸発させ、空気中の酸素と反応させ形成した
ものである。まず、純水(HO)とメタノールを1:
3の重量比で混合した溶剤に、酢酸亜鉛(Zn(CH
COO))を混合し、亜鉛を含む溶液を作製した。次
に、該亜鉛を含む溶液中に上記酸化亜鉛微粒子を混合
し、適度の粘度となるまで溶剤を蒸発させスラリーとし
た。このスラリーを真空脱泡機で脱泡した後、アルミニ
ウム製円筒基板1に塗布し、ドクターブレード法により
膜厚50μmにシート形成した。次に、このシートを大
気中で400℃、4時間加熱し、酸化亜鉛層2を形成し
た。ここで酸化亜鉛層2は酸化亜鉛微粒子3と亜鉛を含
有する溶液から形成された領域4で形成されている。上
記により得られた電子写真感光体を複写機に装填し画像
評価試験を行った。該複写機は光源部分を改造し、波長
380nm、光量は30μW/cm、20μW/cm
、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコロト
ロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は二成分
現像剤を用いて磁気ブラシ法により現像した。また、感
光体の回転速度(線速度)は150mm/sとした。該
複写機により得られた画像はオリジナル原稿のパターン
を忠実に再現していた。本実施例ではフランス法による
ZnO微粒子を用いたが、これに限定するものではな
く、塩化亜鉛、硫化亜鉛などから溶液反応で作られる湿
式法によるZnO微粒子や、亜鉛鉱を直接加熱して作ら
れるアメリカ法によるZnO微粒子でも差し支えない。
また、本実施例では溶剤として純水とメタノールの混合
液を使用したが、これに限定するものではなく、アルコ
ール、エタノール、イソプロピルアルコールまたはこれ
らの混合物などの有機溶剤や純水などでもよい。また、
塗布手段としてドクターブレード法を用いたが、バーコ
ート法、ロールコート法でもよい。このように、本実施
例の電子写真感光体は、感光層を酸化亜鉛微粒子と亜鉛
を含有する溶液を熱処理して形成するもので、これまで
広く用いられてきた樹脂分散系の場合と異なり、プロセ
ス中の変化が小さく、また、環境雰囲気に余り影響され
ず、さらに、耐摩耗性が高いため、高帯電、高感度、高
耐久の電子写真感光体を得ることができる。
【0017】〔実施例2〕亜鉛を含む溶液の原料として
亜鉛アセチルアセトネート(Zn(CHCOCHCO
CH)を用いた以外は実施例1と同様の方法によ
り酸化亜鉛層2(図1参照)を形成した。本実施例によ
る電子写真感光体を複写機に装填し画像評価試験を行っ
た。該複写機は光源部分を改造し、波長380nm、光
量は30μW/cm、20μW/cm、光ビーム径
を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印
加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて
磁気ブラシ現像法により現像した。また、感光体の回転
速度(線速度)は150mm/sとした。得られた画像
はオリジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。こ
のように、本実施例の電子写真感光体は、感光層を酸化
亜鉛微粒子と亜鉛を含有する溶液を熱処理して形成する
もので、これまで広く用いられてきた樹脂分散系の場合
と異なり、プロセス中の変化が小さく、また、環境雰囲
気に余り影響されず、さらに、耐摩耗性が高いため、高
帯電、高感度、高耐久の電子写真感光体を得ることがで
きる。
【0018】〔実施例3〕酸化亜鉛微粒子としてLiを
ドープした酸化亜鉛微粒子を用いた以外は実施例1と同
様の方法により酸化亜鉛層2(図1参照)を形成した。
本実施例による電子写真感光体を複写機に装填し画像評
価試験を行った。該複写機は光源部分を改造し、波長3
80nm、光量は30μW/cm、20μW/c
、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコロ
トロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は2成
分現像剤を用い、磁気ブラシ現像法により現像した。ま
た、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sとし
た。Liのドープにより高抵抗化され、帯電電位が向上
した。得られた画像はオリジナル原稿のパターンを忠実
に再現していた。また、波長を480nmにし、同様の
評価を行った場合にもLiドープの増感作用により良好
な画像が得られた。このように本実施例の電子写真感光
体においては、Liのドープにより高抵抗化され、実施
例1の感光体に比べ、さらに高帯電で、高感度の電子写
真感光体を得ることができる。また、Liドープの増感
作用により、実施例1の感光体に比べ、さらに広い波長
領域で高帯電、高感度の電子写真感光体を得ることがで
きる。本実施例では抵抗率が高くなる元素としてLiを
用いたが、これに限定するものではなく、例えば、C
u、Ag、Na、K、Rb、Cs等でもよく、また、感
光波長域が広くなる、つまり増感作用を起こす元素とし
てLiでなく、Cu、Pd、Cd等でもかまわない。
【0019】〔実施例4〕亜鉛を含む溶液の原料に塩化
リチウム(LiCl)を添加した以外は、実施例1と同
様の方法により酸化亜鉛層2を形成した。本実施例によ
る電子写真感光体を複写機に装填し画像評価試験を行っ
た。該複写機は光源部分を改造し、波長380nm、光
量は30μW/cm2、20μW/cm2、光ビーム径
を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印
加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて
磁気ブラシ現像法により現像した。また、感光体の回転
速度(線速度)は150mm/sとした。Liのドープ
により高抵抗化され、帯電電位が向上した。得られた画
像はオリジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。
また、波長を480nmにして同様の評価を行った場合
にもLiドープの増感作用により良好な画像が得られ
た。このように本実施例の電子写真感光体においては、
Liのドープにより高抵抗化され、実施例1の感光体に
比べ、さらに高帯電で、かつ、高感度の電子写真感光体
を得ることができる。また、酸化亜鉛微粒子間が高抵抗
になるので、実施例3の感光体に比べ、さらに高帯電の
電子写真感光体を得ることができる。さらにまた、Li
のドープの増感作用により実施例1の感光体に比べ、さ
らに広い波長領域で高帯電、高感度の電子写真感光体を
得ることができる。本実施例では抵抗率が高くなる元素
としてLiを用いたが、これに限定するものではなく、
例えばCu、Ag、Na、K、Rb、Cs等でもよい。
また本実施例では,感光波長域が広くなる、すなわち増
感作用を起こす元素としてLiを用いた例を示したが、
これに限定するものではなく、例えばCu,Pd,Cd
等でもよい。
【0020】〔実施例5〕亜鉛を含む溶液の原料に塩化
リチウム(LiCl)を添加し、酸化亜鉛微粒子として
Liをドープした酸化亜鉛微粒子を用いた以外は実施例
1と同様の方法により酸化亜鉛層2(図1参照)を形成
した。本実施例による電子写真感光体を複写機に装填し
画像評価試験を行った。該複写機は光源部分を改造し、
波長380nm、光量は30μW/cm、20μW/
cm、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコ
ロトロン方式で、印加電圧を−6KVとした。現像は2
成分現像剤を用い磁気ブラシ現像法により現像した。ま
た、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sとし
た。Liのドープにより高抵抗化され、帯電電位が向上
した。得られた画像はオリジナル原稿のパターンを忠実
に再現していた。また、波長を480nmにして同様の
評価を行った場合にもLiドープの増感作用により良好
な画像が得られた。このように本実施例の電子写真感光
体においては、Liのドープにより高抵抗化され、実施
例1の感光体に比べ、さらに高帯電で、高感度の電子写
真感光体を得ることができる。また、Liドープの増感
作用により、実施例1の感光体に比べさらに広い波長領
域で高帯電で、高感度の電子写真感光体を得ることがで
きる。本実施例では抵抗率が高くなる元素としてLiを
用いた例を示したが、これに限定するものではなく、例
えばCu、Ag、Na、Rb、Cs等でもよい。また、
本実施例では,感光波長域が広くなる、すなわち増感作
用を起こす元素としてLiを用いた例を示したが、これ
に限定するものではなく、例えばCu、Pd、Cd等で
もよい。
【0021】〔実施例6〕酸化亜鉛微粒子として平均粒
径が0.5μmの微粒子と平均粒径が5μmの微粒子を
9:1の重量比に混合したものを用いた以外は実施例1
と同様の方法により感光体を作製した。本実施例による
電子写真感光体を複写機に装填し画像評価試験を行っ
た。該複写機は光源部分を改造し、波長380nm、光
量は30μW/cm、20μW/cm、光ビーム径
を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印
加電圧を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて
磁気ブラシ現像法により現像した。また、感光体の回転
速度(線速度)は150mm/sとした。平均粒径の異
なる微粒子を混合したことにより、単一の粒径の微粒子
を用いたものに比べ、光減衰スピードが改善された。得
られた画像はオリジナル原稿のパターンを忠実に再現し
ていた。このように本実施例の電子写真感光体は、帯電
電位が高く、光減衰カーブが遅い、粒径の小さい酸化亜
鉛微粒子と、帯電電位が低く、光減衰カーブが速い、粒
径の大きな酸化亜鉛微粒子を混合することにより、実施
例1の感光体に比べ、さらに高帯電で、高感度の電子写
真感光体を得ることができた。
【0022】〔実施例7〕実施例1と同様に、導電性支
持体として長さ300mm、直径180mmのアルミニ
ウム製円筒形基板1を用いた。これに通常の有機溶剤に
よる脱脂洗浄を行い、その後、成膜に供した。本実施例
においても実施例1と同様に、ZnO微粒子は電子写真
用ZnO感光体に一般に用いられているフランス法によ
って形成されたものを用いた。前記微粒子を、純水(H
O)とメタノールを1:3の重量比の溶剤中に混合し
た。この時、溶剤の量を実施例1に比べ200倍とし
た。洗浄したアルミニウム製円筒形基板をスプレー熱分
解法の成膜装置の基板ホルダーに支持し、酸素雰囲気中
で基板加熱を行い、基板温度の設定を400℃とし、基
板温度が安定した状態で、前記混合溶液を用いてスプレ
ー熱分解法により、酸化亜鉛層2を形成した。ただし、
スプレーによる基板温度の低下を防止するために,スプ
レーは間欠的に行った。膜厚は50μmとした。ここ
で、酸化亜鉛層は酸化亜鉛微粒子3と亜鉛を含有する溶
液から形成された領域4で形成されている(図1参
照)。本実施例による電子写真感光体を複写機に装填し
画像評価試験を行った。該複写機は光源部分を改造し、
波長380nm、光量は30μW/cm、20μW/
cm、光ビーム径を60μmとした。帯電方式はスコ
ロトロン方式で,印加電圧を−6KVとした。現象は2
成分現像剤を用いて磁気ブラシ現像法により現像した。
また、感光体の回転速度(線速度)は150mm/sと
した。得られた画像はオリジナル原稿のパターンを忠実
に再現していた。このように本実施例の電子写真感光体
は、加熱した基板に直接酸化亜鉛層を形成するものであ
り、本実施例によれば、実施例1に比べ工程数が減少し
低コストで電子写真感光体を生産することができる。
【0023】〔実施例8〕実施例1と同様に基板1とし
て長さ300mm、直径180mmのアルミニウム製円
筒形基板を用いた。これに通常の有機溶剤による脱脂洗
浄を行い、その後、成膜に供した。本実施例でも実施例
1と同様に、ZnO微粒子は電子写真用ZnO感光体に
一般に用いられているフランス法によって形成されたも
のを用いた。前記微粒子を、純水(HO)とメタノー
ルを1:3の重量比の溶剤中に混合した。この時、溶剤
の量を実施例1に比べ200倍とした。洗浄したアルミ
ニウム製円筒形基板をスプレー熱分解法の成膜装置の基
板ホルダーに支持し、酸素雰囲気中で基板加熱を行い基
板温度の設定を400℃とし、基板温度が安定した状態
で前記混合溶液を用いてスプレー熱分解法により、酸化
亜鉛層2を形成した。ただし、スプレーによる基板温度
の低下を防止するためにスプレーは間欠的に行った。膜
厚は50μmとした。次にこの酸化亜鉛層2を大気中で
400℃、3時間加熱した。ここで、酸化亜鉛層は酸化
亜鉛微粒子3と亜鉛を含有する溶液から形成された領域
4で形成されている(図1参照)。本実施例による電子
写真感光体を複写機に装填し画像評価試験を行った。該
複写機は光源部分を改造し、波長380nm、光量は3
0μW/cm、20μW/cm、光ビーム径を60
μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印加電圧
を−6KVとした。現像は2成分現像剤を用いて磁気ブ
ラシ現像法により現像した。また、感光体の回転速度
(線速度)は150mm/sとした。得られた画像はオ
リジナル原稿のパターンを忠実に再現していた。このよ
うに本実施例の電子写真感光体は、加熱した基板に直接
酸化亜鉛層を形成した後、さらに大気中で熱処理するも
のであり、大気中で熱処理することにより酸化が促進さ
れ、実施例7に比べ、さらに良好な電子写真特性を得る
ことができた。
【0024】
【発明の効果】以上のように、請求項1の電子写真感光
体は、感光層を酸化亜鉛微粒子と亜鉛を含む溶液の混合
物を導電性支持体上に加熱して形成した膜とするもので
あり、これによれば、従来広く用いられてきた樹脂分散
系の場合と異なり、プロセスの変化が小さく、また環境
雰囲気に余り影響されず、さらにまた、耐摩耗性も高い
ため、高帯電、かつ、高感度で、さらに高耐久の電子写
真感光体を得ることができる。
【0025】請求項2の電子写真感光体は、上記酸化亜
鉛微粒子に感光波長域が広くなる元素または抵抗率が高
くなる元素をドーピングして用いるものであり、これに
よれば広い波長域で高帯電、かつ、高感度の電子写真感
光体を得ることができる。
【0026】請求項3の電子写真感光体は、上記亜鉛を
含有する溶液に感光波長域が広くなる元素または抵抗率
が高くなる元素をドーピングして用いるものであり、こ
の場合も広い波長域で高帯電、かつ、高感度の電子写真
感光体を得ることができる。
【0027】請求項4の電子写真感光体は、上記酸化亜
鉛微粒子として平均粒径の異なる酸化亜鉛微粒子を混合
した酸化亜鉛微粒子を用いるものであり、これによれ
ば、帯電電位が高く、光減衰カーブが遅い、粒径の小さ
い酸化亜鉛微粒子と帯電電位が低く、光減衰カーブが速
い、粒径の大きい酸化亜鉛微粒子を混合することによ
り、高帯電、かつ、高感度の電子写真感光体を得ること
ができる。
【0028】請求項5および6の電子写真感光体の製造
方法は、酸化亜鉛微粒子と亜鉛を含む溶液の混合物をい
ずれも高温で加熱するものであり、これにより高帯電、
かつ、高感度で、しかも耐久性の優れた電子写真感光体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の一例を模式的に示す
断面図。
【符号の説明】
1 導電性支持体または基板 2 酸化亜鉛層または感光層 3 酸化亜鉛微粒子 4 亜鉛を含有する溶液から形成された領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を設けた電子写
    真感光体において、前記感光層が酸化亜鉛微粒子と亜鉛
    を含む溶液の混合物を前記導電性支持体上に加熱して形
    成した膜であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真感光体におい
    て、前記酸化亜鉛微粒子に感光波長域を広げる元素また
    は抵抗率を上昇させる元素がドーピングされていること
    を特徴とする電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電子写真感光体におい
    て、前記亜鉛を含む溶液中に感光波長域を広げる元素ま
    たは抵抗率を上昇させる元素がドーピングされているこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の電子写真感光体
    において、前記酸化亜鉛微粒子として粒径の異なる酸化
    亜鉛微粒子を混合して用いることを特徴とする電子写真
    感光体。
  5. 【請求項5】 導電性支持体上に水および/またはアル
    コールに酢酸亜鉛または亜鉛アセチルアセトネートを溶
    解した溶液と酸化亜鉛微粒子の混合物を塗布し、該塗布
    物を加熱して酸化亜鉛層を形成することを特徴とする電
    子写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 スプレー熱分解法を用いて予め酸素雰囲
    気中で加熱した基板上に水および/またはアルコールに
    酢酸亜鉛または亜鉛アセチルアセトネートを溶解した溶
    液と酸化亜鉛微粒子の混合物を成膜して酸化亜鉛層を形
    成するか、該酸化亜鉛層をさらに大気中で加熱すること
    を特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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