JP2001133998A - 電子写真感光体および該電子写真感光体の作成方法 - Google Patents

電子写真感光体および該電子写真感光体の作成方法

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JP2001133998A
JP2001133998A JP31480899A JP31480899A JP2001133998A JP 2001133998 A JP2001133998 A JP 2001133998A JP 31480899 A JP31480899 A JP 31480899A JP 31480899 A JP31480899 A JP 31480899A JP 2001133998 A JP2001133998 A JP 2001133998A
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Akihiro Fuse
晃広 布施
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無公害材料を用いて、低コストで、高感度で
あり、さらに、耐久性に優れた電子写真感光体および該
電子写真感光体の作成方法の提供。 【解決手段】 導電性基板101上に少なくとも感光層
および表面保護層104を積層してなる電子写真感光体
において、前記感光層が、光導電性を示す無機酸化物か
らなる電荷輸送領域102中に、電荷発生領域として機
能するシリコンを主成分とする微粒子103が分散され
た構造で構成されていることを特徴とする電子写真感光
体および該電子写真感光体の作成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真プロセスを
利用した複写機や、プリンタにおいて使用される電子写
真感光体に関するものである。さらに詳しくは、低コス
トで、かつ高帯電、高感度である新規機能分離型電子写
真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感光層を構成する主成分として、酸化亜
鉛および微粒子を含む水素化アモルファスシリコン(以
下a−Si:Hと表記)を用いた電子写真感光体に関す
る従来技術としては、以下に示すものがある。 (1)特開昭60−118845号 電荷発生層に含まれる酸化亜鉛がスパッタリング法で形
成された結晶性酸化亜鉛薄膜であり、更にこの結晶性酸
化亜鉛薄膜に色素増感剤付着層を設ける構成で電子写真
感光体を得る技術。 (2)特開昭62−170966号 導電性基板上にプラズマCVD法によりa−Si:Hを
形成し、ついで、スパッタリング法等により酸化亜鉛を
代表とするII−VI族化合物半導体を形成し電子写真感光
体を得る技術。 (3)特開昭55−166647号 電気絶縁性のバインダ中にa−Si:H微粒子を分散さ
せて形成したものを感光層とする電子写真感光体。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記a−Si:Hを含
む電荷発生層と、酸化亜鉛を含む電荷輸送層を積層する
構成の機能分離型電子写真感光体に関するものである
が、その形成方法に全て真空プロセスを用いているため
に、スループットが低く、且つ製造コストも高価に成ら
ざるを得ないと言う問題がある。また、近年、電子写真
感光体を利用する電子写真技術の応用製品は、複写機の
みならず、FAXやプリンターなどといった周辺機器に
積極的に展開されている。そこで用いられている電子写
真感光体のほとんどは、「OPC」と呼ばれる有機光半
導体材料を用いたものである。OPCは無公害で、低コ
ストで製造することができ且つ、十分な光感度を有する
ために、現在使用されている電子写真感光体のほとんど
を占めるようになってきている。しかしながら、OPC
はその構成材料が有機材料であるために、耐久性に問題
があり、ある程度の使用枚数で新しいものに交換しなけ
ればならない運命にある。この問題は、電子写真技術の
応用製品が従来の複写機中心から、プリンター中心へと
変化する市場の要求に対して、非常に重要な問題となっ
てきている。
【0004】これらの問題を解決するための技術とし
て、電子写真感光体を構成する材料として、有機材料に
比較して耐久性に優れた無機材料を利用する種々の提案
がなされており、特に以下に述べる2つの材料が注目さ
れている。その一つは、無害で且つ、光導電性を有する
無機酸化物である酸化亜鉛である。この材料はかつて、
エレクトロファクス用の感光紙や、樹脂に分散形成した
電子写真感光体として広く用いられた。しかし、この種
の電子写真感光体は、光感度が十分でなかったことに加
え、樹脂に分散した構造であったために、耐久性の面で
満足する特性が得られなかったという問題を抱えてい
た。前記問題に対し、樹脂に分散する構造ではなく、膜
構造として形成した無機材料からなる電子写真感光体を
提供しようとして提案された技術が、特開昭60−11
8845号である。この技術は、電荷発生層に含まれる
酸化亜鉛がスパッタリング法で形成された結晶性酸化亜
鉛薄膜であり、更にこの結晶性酸化亜鉛薄膜に色素増感
剤付着層を設ける構成で電子写真感光体を得ることを特
徴としている。この技術によれば、確かに、機械的強度
の優れた無機材料を中心とした構造を取り得ることによ
り、耐久性の向上は見込めるものの、その製造方法とし
てスパッタリング法を用いているために、高価な製造装
置が必要となるばかりでなく、スループットが低く低コ
スト化が困難な技術であるという問題がある。
【0005】もう一つの注目されている材料は、a−S
i:Hである。a−Si:Hは、高い光感度を有し、ま
た高硬度であることから高耐久性が期待でき、さらに近
年は特に無公害性という特性に注目され、電子写真感光
体としての利用が積極的に検討されている。特に、高
速、高精細の画像出力機器として、電子写真技術を用い
たページプリンタが多用されており、とりわけ小型化、
高品質化を実現するために、光源に半導体レーザーを用
いた方式が主流となっているが、ここで、a−Si:H
感光体は波長領域が600〜700nmにおいても光感
度を有するために、前述のページプリンタ等への搭載を
目的として、積極的に実用化のための検討が行われ、一
部商品化がなされ市場での地位を確立しつつある。しか
しながら、一般にa−Si:Hは従来のセレン系感光体
やOPC感光体に比べて、比誘電率が11〜12と大き
い材料であるため、帯電能力が低いという問題があっ
た。そのため、現在の電子写真プロセスにおいては、現
像時にコントラスト比を十分高くとるためには、膜厚を
厚くする必要があった。しかし、膜厚を厚くすることで
帯電電位は十分な値が得られるものの、その反面、十分
な光感度が得られないという新たな問題も発生した。ま
たさらに、膜厚を厚くすることにより、製造プロセスに
おけるスループットが大きく低下すると共に、製造コス
トの上昇を招くという問題も同時に発生した。
【0006】前記の問題点を解決する技術として、先に
述べた酸化亜鉛との積層による機能分離型電子写真感光
体も提案されている。その代表的なものが特開昭62−
170966号である。この技術は、導電性基板上にプ
ラズマCVD法によりa−Si:Hを形成し、ついで、
スパッタリング法等により酸化亜鉛を形成し電子写真感
光体を得る技術である。この技術によれば、a−Si:
Hよりも比誘電率が小さい酸化亜鉛(比誘電率=8程
度)を用いることにより、感光層を全て、a−Si:H
で形成するよりも、薄い膜厚の感光層で十分機能する電
子写真感光体が得られる可能性は確かにある。しかしな
がら、その形成法として、a−Si:Hを作製するため
にプラズマCVD、酸化亜鉛を形成するためにスパッタ
リング法という、異なる種類の真空プロセスを必要と
し、製造装置に高額な投資が必要なことと、プロセスの
複雑さから、コストは非現実的なものとならざるを得な
いという問題がある。
【0007】一方、本発明で提案するようなシリコン系
微粒子を利用して電子写真感光体を作製する技術として
は、特開昭55−166647号がある。この技術は、
電気絶縁性のバインダ中にa−Si:H微粒子を分散さ
せて形成したものを感光層とする電子写真感光体を得よ
うとするものである。この技術は、構造材としてバイン
ダを利用しているために、機械的強度で劣る有機材料か
らなる電子写真感光体となってしまい、耐久性の面で大
きな問題がある。本発明は、以上述べたような問題を解
決すべくなされたものであり、無公害材料を用いて、低
コストで、高感度であり、さらに、耐久性に優れた電子
写真感光体および該電子写真感光体の作成方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、前記課
題を解決するために以下の技術手段を提供することにあ
る。すなわち、本発明の第1は、導電性基板上に少なく
とも感光層および表面保護層を積層してなる電子写真感
光体において、前記感光層が、光導電性を示す無機酸化
物からなる電荷輸送領域中に、電荷発生領域として機能
するシリコンを主成分とする微粒子が分散された構造で
構成されていることを特徴とする電子写真感光体を提供
することにある。本発明の第2は、光導電性を示す無機
酸化物が酸化亜鉛、酸化チタンおよび酸化スズよりなる
群から選ばれた少なくとも一種のものである前記1の電
子写真感光体を提供することにある。本発明の第3は、
シリコンを主成分とする微粒子が、結晶シリコンからな
る微粒子であることを特徴とする前記1〜2のいずれか
の電子写真感光体を提供することにある。本発明の第4
は、シリコンを主成分とする微粒子が、水素を含むアモ
ルファスシリコンからなる微粒子であることを特徴とす
る前記1〜2のいずれかの電子写真感光体を提供するこ
とにある。本発明の第5は、感光層中におけるシリコン
を主成分とする微粒子の分布状態が、表面保護層側に、
より高濃度に分布していることを特徴とする前記1〜4
のいずれかの電子写真感光体を提供することにある。本
発明の第6は、表面保護層側に、より高濃度に分布して
いるシリコンを主成分とする微粒子の分布状態が、導電
性基板に向かってほぼ連続的にその濃度が低下している
ように分布していることを特徴とする前記5の電子写真
感光体を提供することにある。本発明の第7は、感光層
が亜鉛を含む溶液とシリコンを主成分とする微粒子を含
む溶液とを原料とする、スプレー熱分解法により形成さ
れたことを特徴とする前記1〜6のいずれかの電子写真
感光体を提供することにある。本発明の第8は、表面保
護層がアモルファス窒化シリコン(a−SiN:H)お
よび/またはアモルファス炭化シリコン(a−SiC:
H)であることを特徴とする前記1〜7のいずれかの電
子写真感光体を提供することにある。本発明の第9は、
感光層が亜鉛、スズおよびチタンよりなる群から選ばれ
た少なくとも一種を含む溶液と、シリコンを主成分とす
る微粒子とを含む溶液を原料とする、スプレー熱分解法
によって製造することを特徴とする前記1〜8のいずれ
かの電子写真感光体の作成方法に関する。
【0009】実施態様 以下、本発明の構成、及び動作について図に基づいて説
明する。本発明の電子写真感光体の基本的な構成を示す
断面の模式図を図1に示す。導電性基板101上に、酸
化亜鉛からなる電荷輸送領域102、シリコンを主成分
とする微粒子103、最表層に表面保護層104を形成
して構成されている。図1は、酸化亜鉛からなる感光層
中にシリコンを主成分とする微粒子103がほぼ均一に
分散している様子を示したものであるが、本発明の電子
写真感光体においては、シリコンを主成分とする微粒子
103がほぼ均一に分散していることが通常好ましい
が、必ずしも均一に分散する必要はない。図2に示すよ
うに表面保護層204に近い領域でより高濃度に分布
し、導電性基板201に近くなるにつれて、その濃度が
低くなるような分布状態でも良い。また、その濃度分布
曲線は急峻な変化を有するものではなく、緩やかな連続
的変化を有するものの方が、後述するように特性上好ま
しいと言える。当然、結果的に導電性基板201付近
で、シリコンを主成分とする微粒子203の濃度が実質
的に「ゼロ」になっても、本発明の効果は十分に得られ
るものである。これらの様子を模式的に示したものが図
2である。
【0010】これらの模式図から判断できるように、本
発明による電子写真感光体は、電荷発生領域がシリコン
を主成分とする微粒子で、電荷輸送領域が酸化亜鉛から
なる感光層という新規な構成の機能分離型電子写真感光
体である。従来の機能分離型電子写真感光体は一般に、
電荷発生層と電荷輸送層を積層することによって構成す
るものがほとんどであったが、このような構造の場合で
はいわゆるアバランシェ効果を利用したような高感度電
子写真感光体を得るものではなかった。アバランシェ効
果を利用した光電流増倍現象を利用して高感度電子写真
感光体を得ようとする提案もなされたが、そのほとんど
は、光学的バンドギャップなどの特性が異なる各層を数
層から数十層積層するというものであり、この方法で
は、各層の厚さや、組成を制御することが非常に困難
で、また、作成プロセスが非常に複雑になるという問題
を抱えていた。そのためにこのアイデアを実際に利用し
た電子写真感光体の実現には至っていない。このような
構造は光センサ等のように薄膜で機能するものに対して
はメリットのある作成法と言えるが、基本的に、ある程
度の膜厚を必要とする電子写真感光体には適さないもの
であった。このことが電子写真感光体の分野においては
実現に至っていない理由である。しかし、本発明によれ
ば、機能分離の構造を積層構造ではなく、微粒子とその
粒間材によって構成することを特徴としているので、成
膜と同時にその構造を作り込むことが可能となり、アバ
ランシェ効果を利用した光電流増倍現象を利用できる構
造が、制御性に優れ、且つ簡単な製造プロセスによって
得られるという効果が期待できるものである。
【0011】本発明の電子写真感光体を作成する方法と
しては、特に感光層が亜鉛、スズおよびチタンよりなる
群から選ばれた少なくとも一種を含む溶液と、シリコン
を主成分とする微粒子とを含む溶液を原料とする、スプ
レー熱分解法を採用することが好ましい。前記形成法に
よれば、非常に単純なプロセスであるために、低コスト
で、大面積に成膜できるというメリットを最大限に生か
すことができる。従って、大面積で、比較的厚膜が必要
な電子写真感光体の形成法には最適な方法である。ただ
し、本発明の電子写真感光体を作成する方法は、前記ス
プレー熱分解法に限定されるものではなく、他の製造法
も採用することができる。
【0012】次に本発明の電子写真感光体の動作につい
て説明する。図3は本発明による電子写真感光体を用い
て行った一連の電子写真プロセスを模式的に示したもの
である。図から判るように、負帯電プロセスを想定して
いる。図3(a)は帯電直後の様子を示している。コロ
ナチャージャーなどの帯電手段によって表面に負の電荷
305が帯電し、導電性基板301側には反対極性の正
の電荷306が誘起された様子を示している。このよう
な状態の電子写真感光体に露光プロセスにより光を照射
すると、電荷発生領域であるシリコンを主成分とする微
粒子303において、光入射によって発生した光キャリ
ア307のうち、電子は伝導帯を移動し導電性基板に到
達し、正孔は電子写真感光体表面にある負の電荷を中和
する〔図3(b)〕。このようにして潜像が形成され
る。その様子を示したのが図3(c)である。
【0013】本発明の電子写真感光体の動作について更
に詳細に説明すれば、光源として可視光を用いると、そ
の光エネルギーはシリコンを主成分とする微粒子によっ
て吸収され、そこで光キャリアを発生させるが、シリコ
ンを主成分とする微粒子の吸収係数や、光学的バンドギ
ャップからいって、表面から数μmの深さのところで、
入射した光のほとんどが吸収される。言い換えれば、表
面から数μmの深さのところで光キャリアが発生する。
発生した光キャリアに注目すると、正孔は電子写真感光
体表面に向かって走行し表面の負電荷を中和するが、そ
の時の走行距離がわずか数μmで済むために、潜像の
「ぼけ」等を生じさせることなく書き込み光源による入
射光に忠実な潜像を形成することができる。一方、電子
の方は、正孔に比べれば長い距離を走行する必要がある
が、酸化亜鉛はn型半導体であるために、全く問題なく
走行し、導電性基板にまで容易に到達することができ
る。
【0014】更に、本発明によって得られる大きな効果
の一つである、アバランシェ効果を利用した光電流増倍
現象について図4〜5を用いて説明する。先に述べた光
キャリアの走行をバンドギャップの面から考えてみる。
図4は光導電性を示す無機酸化物401、例えば酸化亜
鉛からなる膜中に、シリコンを主成分とする微粒子40
2が分散している様子を、拡大して示したものである。
一般に、光導電性を示す無機酸化物401の光学的バン
ドギャップ501は大きく、酸化亜鉛や酸化チタン約
3.2eV、酸化スズでは約4eVであり、シリコンを
主成分とする微粒子402はa−Si:Hを例に取れば
そのバンドギャップ502は1.7〜1.8eVであ
る。従って、このときのA−A’断面図におけるバンド
ギャップモデルを模式的に書くと、図5のようになる。
このバンドギャップモデルから判断できるように、電
子、正孔共に障壁を越えて走行する必要があるが、通常
の電子写真プロセスで使用されるような高電界の条件で
はトンネリング現象が起きることも十分に予想され、そ
のたびに、原子をイオン化させて、新たなキャリアを生
成させ、それが連続的に起きるために、いわゆるアバラ
ンシェ効果を利用した光電流増倍現象が起きる。それに
よって、非常に高感度な電子写真感光体の実現が可能と
なるわけである。
【0015】また、本発明によれば、感光層、及び表面
保護層を形成するのは全て、無機材料であるという特徴
があるために、機械的強度に優れ、一般に用いられてい
るOPCに比べて、遥かに耐久性に優れた電子写真感光
体を得ることができる。また、セレンや、硫化カドミウ
ムといった、従来の無機電子写真感光体と異なり、有害
物質を一切含まないために、取り扱いが容易で、環境に
優しい電子写真感光体を得ることができる。
【0016】次に本発明における構成で、最表面に構成
している表面保護層について説明する。酸化亜鉛やa−
Si:Hは耐環境性という面では、十分な特性を有して
いるとは言えず、電子写真プロセスにおいては避けるこ
とのできない、オゾン、湿度、及びコロナ放電などに対
して、非常に敏感に影響を受けるものである。このよう
な影響を受けると、帯電電位の低下を招き、結果的に画
像のボケや画像が出なくなると言った大きな問題が発生
する。これらの問題は、酸化亜鉛やa−Si:Hが持つ
親水性という特性のために大気中の水分を容易に吸着
し、特にa−Si:Hにおいては、Si−H結合が切断
され、Si−O結合が形成されるということが大きな原
因の一つであると考えられている。従って、酸化亜鉛や
a−Si:Hからなる感光層を最表面とするような層構
成においては、何らかの表面保護層を形成してこれらの
問題を解決することが一般的に検討されている。
【0017】そこで本発明の電子写真感光体において
は、酸化亜鉛やa−Si:Hに比べて遥かに、耐水性、
耐環境性に優れたアモルファス窒化シリコン(a−Si
N:H)やアモルファス炭化シリコン(a−SiC:
H)で表面保護層を形成することを特徴としている。こ
の表面保護層を形成する構成を採用することにより、初
期に得られる電子写真特性が経時的に劣化することな
く、長期間に亘って維持できる。すなわち、耐久性、耐
環境性に優れた電子写真感光体を得ることが出来る。
【0018】
【実施例】本発明の構成、動作について更に実施例に基
づいて詳細に以下に説明する。
【0019】実施例1 図6を用いて本実施例を説明する。本実施例はスプレー
パイロリシス法を用いて、負帯電用の電子写真感光体を
作成する実施例である。最初に原料について説明する。
酸化亜鉛膜を作成するための原料は硝酸亜鉛溶液(0.
2mol/l)を用いた。また、酸化亜鉛膜中に分散さ
せるa−Si:H微粒子は、モノシランを原料とした、
一般的なプラズマCVD法で得られる粉体状の生成物
を、水を含まない有機溶媒に懸濁させて作成した溶液
(5vol./l)を用いた。本実施例では、一般的な
RFプラズマCVD法で得られるa−Si:H微粒子を
用いたが、これ以外にも、水素を反応ガスとした反応性
スパッタリング法等によるa−Si:H微粒子等を同様
に用いることもできる。これらの原料を噴霧するための
スプレーガン601は、キャリアガスとして使用する窒
素(N)ガスの供給源(ガスボンベ)、流量コントロ
ール部、ストップバルブ(いずれも図示せず)とを備え
たもので構成し、このスプレーガン601に対峙して、
アセトン、IPAによる有機洗浄を施した円筒状導電性
基板602を外部回転導入部603に連結した支持台に
保持した。この支持台の内部にはヒーターが内蔵されて
おり、円筒状導電性基板602を加熱できると共に温度
をモニターできるようになっている。円筒状の導電性基
板602としてアルミニウム製の外径80mm、長さ3
40mmのものを用いて支持台に保持し、内蔵されたヒ
ーターによって加熱を行い、基板温度が200℃になる
ように制御した。10rpmの回転速度で回転するよう
に外部回転導入部603によって自転運動を行った。
【0020】(1)感光層の成膜 円筒状の導電性基板602から、30cm離れたところ
にスプレーガン601を固定し、以下の条件で感光層の
成膜を行った。 原料及びガス流量 硝酸亜鉛溶液(0.2mol/l) :200sccm a−Si:H微粒子懸濁液(5vol./l) :100sccm 窒素 :3SLM 円筒状の導電性基板602の温度を一定に保持するため
に、間欠的に噴霧を行い、30秒噴霧し、30秒休止す
るいわゆるデューティー比50%のサイクルで噴霧を行
った。この条件で、35分間成膜を行って、感光層を形
成した。上記の条件を噴霧当初から最後まで一定にして
行い、酸化亜鉛膜中にa−Si:H微粒子がほぼ均一に
分散するように設計を行った。事前の実験により、この
条件では膜厚40μmのアモルファスシリコン感光層が
得られ、且つ、a−Si:H微粒子の分布状態もほぼ均
一であることを確認している。
【0021】(2)表面保護層の成膜 感光層の成膜工程に続いて、公知の手法であるRFプラ
ズマCVD法を用いて、a−SiN:Hからなる表面保
護層の成膜を行った。このときの条件を以下に示す。 SiH :100sccm H :200sccm N :80sccm 圧力 :1.0Torr RF電力 :600W 導電性基板の温度 :250℃ この条件で、7分間成膜を行って、感光層を形成した。
事前の実験により、この条件では膜厚2μmのa−Si
N:H表面保護層が得られることを確認している。 (3)画像評価 このようにして作成した電子写真感光体を半導体レーザ
ープリンターに装填し画像評価試験を行った。光源の波
長は740nm、光量は30μW/cm、光ビーム径
を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、印
加電圧を−6KVとした。この条件で−850Vの帯電
電位が得られた。また、現像は2成分現像剤を用いて、
磁気ブラシ現像法を用いた。また、感光体の回転速度
(線速度)は150mm/sとした。得られた画像は、
オリジナル原稿として用いた600dpi相当の白黒の
ドットのパターンを忠実に再現していた。また、光量を
10μW/cmとした条件においてもコントラスト比
の高い良好な画像が得られた。このことから非常に高感
度の電子写真感光体が得られていることを確認した。さ
らに耐久性を評価するために10万枚の連続印刷を行
い、10万枚目の画像を詳細に評価したところ、初期の
画像となんら変わること無く、画像流れ、カブリといっ
た異常画像のない高精細な画像が得られた。
【0022】実施例2 本実施例は、実施例1における電荷発生物質をa−S
i:H微粒子に変更した場合の実施例であるのでそれ以
外は基本的に実施例1と同様の内容である。従って酸化
亜鉛膜を作成するための原料は硝酸亜鉛溶液(0.2m
ol/l)である。酸化亜鉛膜中に分散させるa−S
i:H微粒子は、モノシランを原料とした、一般的なプ
ラズマCVD法で得られる粉体状の生成物を、トルエン
に懸濁させて作成した溶液(5g/l)を用いた。本実
施例では、一般的なRFプラズマCVD法で得られるa
−Si:H微粒子を用いたが、これ以外にも、水素を反
応ガスとした反応性スパッタリング法等によるa−S
i:H微粒子等を同様に用いることもできる。これらの
原料を噴霧するためのスプレーガン601は、キャリア
ガスとして使用する窒素(N)ガスの供給源(ガスボ
ンベ)、流量コントロール部、ストップバルブ(いずれ
も図示せず)、とを備えたもので構成し、このスプレー
ガン601に対峙して、アセトン、IPAによる有機洗
浄を施した円筒状導電性基板602を外部回転導入部6
03に連結した支持台に保持した。この支持台の内部に
はヒーターが内蔵されており、円筒状導電性基板602
を加熱できると共に温度をモニターできるようになって
いる。円筒状の導電性基板602も実施例1と同じもの
を同様に洗浄し成膜に供した。
【0023】(1)感光層の成膜 円筒状の導電性基板602から、30cm離れたところ
にスプレーガン601を固定し、以下の条件で感光層の
成膜を行った。 原料及びガス流量 硝酸亜鉛溶液(0.2mol/l) :200sccm a−Si:H微粒子懸濁液(5g/l) :100sccm 窒素 :3SLM 円筒状の導電性基板602の温度を一定に保持するため
に、間欠的に噴霧を行い、30秒噴霧し、30秒休止す
るいわゆるデューティー比50%のサイクルで噴霧を行
った。この条件で、35分間成膜を行って、感光層を形
成した。上記の条件を噴霧当初から最後まで一定にして
行い、酸化亜鉛膜中にa−Si:H微粒子がほぼ均一に
分散するように設計を行った。事前の実験により、この
条件では膜厚40μmの酸化亜鉛を主成分とした感光層
が得られ、且つ、a−Si:H微粒子の分布状態もほぼ
均一であることを確認している。 (2)表面保護層の成膜 感光層の成膜工程に続いて、公知の手法であるRFプラ
ズマCVD法を用いて、a−SiN:Hからなる表面保
護層の成膜を行った。このときの条件を以下に示す。 SiH :100sccm H :200sccm N :80sccm 圧力 :1.0Torr RF電力 :600W 導電性基板の温度 :250℃ この条件で、20分間成膜を行って感光層を形成した。
事前の実験により、この条件では膜厚2μmのa−Si
N:H表面保護層が得られることを確認している。
【0024】(3)画像評価 このようにして作成した電子写真感光体を半導体レーザ
ープリンターに装填し、画像評価試験を行った。光源の
波長は740nm、光量は30μW/cm、光ビーム
径を60μmとした。帯電方式はスコロトロン方式で、
印加電圧を−6KVとした。この条件で−850Vの帯
電電位が得られた。また、現像は2成分現像剤を用い
て、磁気ブラシ現像法を用いた。また、感光体の回転速
度(線速度)は150mm/sとした。得られた画像
は、オリジナル原稿として用いた600dpi相当の白
黒のドットのパターンを忠実に再現していた。また、光
量を10μW/cmとした条件においてもコントラス
ト比の高い良好な画像が得られた。このことから非常に
高感度の電子写真感光体が得られていることを確認し
た。さらに耐久性を評価するために、10万枚の連続印
刷を行い、10万枚目の画像を詳細に評価したところ、
初期の画像となんら変わること無く、画像流れ、カブリ
といった異常画像のない、高精細な画像が得られた。
【0025】実施例3 本実施例は、ほぼ実施例1と同様であるが、酸化亜鉛膜
中におけるa−Si:H微粒子の分布状態を制御し、表
面保護層側に、より高濃度に分布するように設計した実
施例である。従って、装置の基本的な構成や基本的な作
成プロセスは実施例1と同じである。ただ、a−Si:
H微粒子を懸濁させた溶液の噴霧量を時間とともに変化
させることが大きな特徴である。具体的なプロセスを以
下に示す。 (1)感光層の形成 第1ステップ 原料及びガス流量 硝酸亜鉛溶液(0.2mol/l) :200sccm a−Si:H微粒子懸濁液(5vol./l) : 0sccm 窒素 : 3SLM 時間 :30秒噴霧し、30秒休止するいわゆる デューティー比50%のサイクルで10分間 第2ステップ 原料及びガス流量 硝酸亜鉛溶液(0.2mol/l) :200sccm a−Si:H微粒子懸濁液(5vol./l) : 50sccm 窒素 : 3SLM 時間 :30秒噴霧し、30秒休止するいわゆる デューティー比50%のサイクルで10分間 第3ステップ 原料及びガス流量 硝酸亜鉛溶液(0.2mol/l) :200sccm a−Si:H微粒子懸濁液(5vol./l) : 75sccm 窒素 : 3SLM 時間 :30秒噴霧し、30秒休止するいわゆる デューティー比50%のサイクルで10分間 第4ステップ 原料及びガス流量 硝酸亜鉛溶液(0.2mol/l) :200sccm a−Si:H微粒子懸濁液(5vol./l) :100sccm 窒素 : 3SLM 時間 :30秒噴霧し、30秒休止するいわゆる デューティー比50%のサイクルで10分間 この条件で成膜を行って、感光層を形成した。得られた
感光層の膜厚は38μmであった。また、上記の条件で
感光層を形成することにより、感光層中のa−Si:H
微粒子の分布状態はほぼ階段状に変化し、導電性基板側
では濃度は「ゼロ」で、表面保護層に近づくにつれてa
−Si:H微粒子の濃度は増加している様子を、断面観
察の結果により確認している。
【0026】(2)表面保護層の成膜 実施例1と同様に、RFプラズマCVD法を用いてa−
SiN:Hからなる表面保護層を形成した。 (3)画像評価 このようにして作成した電子写真感光体を実施例1と同
様の条件で画像評価試験を行った結果、得られた画像
は、オリジナル原稿として用いた600dpi相当の白
黒のドットのパターンを忠実に再現していた。また、光
量を20μW/cmとし、オリジナル原稿として12
00dpi相当の白黒のドットのパターンを用いた画像
試験の結果、ほぼ、オリジナル原稿を忠実に再現してい
たことにより、光キャリアの広がりによる潜像の「ボ
ケ」を防止する狙いの構造が、設計通り機能しているこ
とを確認できた。
【0027】実施例4 本実施例は、ほぼ実施例3と同様であるが、a−Si
C:Hからなる表面保護層を形成した点が異なる。以下
に詳細な内容を示す。 (1)感光層の形成 感光層の形成は実施例3と同様のプロセスを用いた。つ
まり、感光層中のa−Si:H微粒子の分布状態はほぼ
階段状に変化しているように設計したものである。 (2)表面保護層の成膜 感光層の成膜工程に続いて、公知の手法であるRFプラ
ズマCVD法を用いて、a−SiC:Hからなる表面保
護層の成膜を行った。このときの条件を以下に示す。 SiH :100sccm H :200sccm CH :100sccm 圧力 :1.0Torr RF電力 :600W 導電性基板の温度 :250℃ この条件で、5分間成膜を行って、感光層を形成した。
事前の実験により、この条件では膜厚2μmのa−Si
C:H表面保護層が得られることを確認している。 (3)画像評価 このようにして作成した電子写真感光体を実施例2と同
様の条件で画像評価試験を行った結果、得られた画像
は、オリジナル原稿として用いた600dpi相当の白
黒のドットのパターンを忠実に再現していた。また、光
量を20μW/cmとし、オリジナル原稿として12
00dpi相当の白黒のドットのパターンを用いた画像
試験の結果、ほぼ、オリジナル原稿を忠実に再現してい
たことにより、光キャリアの広がりによる潜像の「ボ
ケ」を防止する狙いの構造が、設計通り機能しているこ
とを確認できた。
【0028】実施例5 本実施例は、 電荷輸送領域:酸化チタンが主成分 電荷発生領域:結晶シリコン微粒子 表面保護層 :a−SiC:H という構成の電子写真感光体についての説明である。以
下に詳細な内容を示す。 (1)感光層の形成 原料及びガス流量 チタニルテトラエトキシド :200sccm 結晶シリコン微粒子懸濁液(5g/l) :100sccm 窒素 :3SLM 用いた原料を上記のごとく変更した以外は、用いた導電
性基板や形成プロセスは実施例1と同様である。 (2)表面保護層の成膜 感光層の成膜工程に続いて、公知の手法であるRFプラ
ズマCVD法を用いて、a−SiC:Hからなる表面保
護層の成膜を行った。このときの条件を以下に示す。 SiH :100sccm H :200sccm CH :100sccm 圧力 :1.0Torr RF電力 :600W 導電性基板の温度 :250℃ この条件で、23分間成膜を行って、感光層を形成し
た。事前の実験により、この条件では膜厚2μmのa−
SiC:H表面保護層が得られることを確認している。
【0029】(3)画像評価 このようにして作成した電子写真感光体を実施例2と同
様の条件で画像評価試験を行った結果、得られた画像
は、オリジナル原稿として用いた600dpi相当の白
黒のドットのパターンを忠実に再現していた。また、光
量を20μW/cmとし、オリジナル原稿として12
00dpi相当の白黒のドットのパターンを用いた画像
試験の結果、ほぼ、オリジナル原稿を忠実に再現してい
たことにより、光キャリアの広がりによる潜像の「ボ
ケ」を防止する狙いの構造が、設計通り機能しているこ
とを確認できた。
【0030】実施例6 本実施例は、 電荷輸送領域:酸化スズが主成分 電荷発生領域:a−Si:H微粒子 表面保護層 :a−SiC:H という構成の電子写真感光体についての説明である。以
下に詳細な内容を示す。 (1)感光層の形成 原料及びガス流量 酸化スズ水溶液(0.2mol/l) :200sccm a−Si:H微粒子懸濁液(5g/l) :100sccm 窒素 :3SLM 用いた原料を上記のごとく変更した以外は、導電性基板
や形成プロセスは実施例1と同様である。 (2)表面保護層の成膜 実施例4と同様の形成法で表面保護層として2μmのa
−SiC:Hを形成した。 (3)画像評価 このようにして作成した電子写真感光体を実施例2と同
様の条件で画像評価試験を行った結果、得られた画像
は、オリジナル原稿として用いた600dpi相当の白
黒のドットのパターンを忠実に再現していた。また、光
量を20μW/cmとし、オリジナル原稿として12
00dpi相当の白黒のドットのパターンを用いた画像
試験の結果、ほぼ、オリジナル原稿を忠実に再現してい
たことにより、光キャリアの広がりによる潜像の「ボ
ケ」を防止する狙いの構造が、設計通り機能しているこ
とを確認できた。
【0031】
【効果】1.請求項1 電荷発生領域をシリコンを主成分とする微粒子、及び電
荷輸送領域を光導電性を示す無機酸化物により形成して
いるので、高耐久で高帯電、高感度の電子写真感光体を
得ることが出来る。 2.請求項2 取り扱いが容易で、無公害の材料を用いているので低コ
ストで環境に優しい電子写真感光体を得ることが出来
る。 3.請求項3〜4 可視光全般に置いて高感度を有する電子写真感光体を容
易に得ることが出来る。 4.請求項5 発生した光キャリアが表面電荷を中和するのに走行する
距離が短くて済むために、潜像の「ぼけ」がなく、高精
細、高画質を実現することのできる電子写真感光体を得
ることができる。 5.請求項6 構造的、電気的な不連続性がなく優れた電子写真感光体
特性を有する電子写真感光体を得ることができる。 6.請求項7 高帯電、高感度の電子写真感光体を低コストで得ること
が出来る。 7.請求項8 表面保護層がアモルファス窒化シリコン(a−SiN:
H)および/またはアモルファス炭化シリコン(a−S
iC:H)で形成されているために、初期に得られる電
子写真特性が経時的に劣化することなく、長期間に亘っ
て維持できる。すなわち、耐久性、耐環境性に優れた電
子写真感光体を得ることが出来る。 8.請求項9 高帯電、高感度の電子写真感光体を低コストで得ること
が出来る電子写真感光体の作成方法を提供することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の基本的な構成を示す
断面の模式図である。
【図2】シリコンを主成分とする微粒子が濃度分布を有
して存在する本発明の電子写真感光体の基本的な構成を
示す断面の模式図である。
【図3】本発明による電子写真感光体を用いて行った一
連の電子写真プロセスを模式的に示した図である。 (a)帯電直後の様子を示す図である。 (b)露光直後の様子を示す図である。 (c)潜像形成後の様子を示す図である。
【図4】光導電性を示す無機酸化物からなる膜中に、シ
リコンを主成分とする微粒子が分散している様子を示す
図である。
【図5】バンドギャップA−A’断面図である。
【図6】実施例1の電子写真感光体の製造法を示す図で
ある。
【符号の説明】
101 導電性基板 102 電荷輸送領域 103 シリコンを主成分とする微粒子 104 表面保護層 201 導電性基板 202 電荷輸送領域 203 シリコンを主成分とする微粒子 204 表面保護層 301 導電性基板 302 電荷輸送領域 303 シリコンを主成分とする微粒子 304 表面保護層 305 負の電荷 306 正の電荷 307 光入射によって発生した光キャリア 401 無機酸化物からなる膜 402 シリコンを主成分とする微粒子 501 無機酸化物の光学的バンドギャップ 502 a−Si:Hのバンドギャップ 601 スプレーガン 602 IPAによる有機洗浄を施した円筒状導電性基
板 603 外部回転導入部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/08 317 G03G 5/08 317 360 360

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板上に少なくとも感光層および
    表面保護層を積層してなる電子写真感光体において、前
    記感光層が、光導電性を示す無機酸化物からなる電荷輸
    送領域中に、電荷発生領域として機能するシリコンを主
    成分とする微粒子が分散された構造で構成されているこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 光導電性を示す無機酸化物が酸化亜鉛、
    酸化チタンおよび酸化スズよりなる群から選ばれた少な
    くとも一種のものである請求項1記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 シリコンを主成分とする微粒子が、結晶
    シリコンからなる微粒子であることを特徴とする請求項
    1〜2のいずれかの項に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 シリコンを主成分とする微粒子が、水素
    を含むアモルファスシリコンからなる微粒子であること
    を特徴とする請求項1〜2のいずれかの項に記載の電子
    写真感光体。
  5. 【請求項5】 感光層中のシリコンを主成分とする微粒
    子の分布状態が、表面保護層側に、より高濃度に分布さ
    れていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項
    に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 表面保護層側に、より高濃度に分布して
    いるシリコンを主成分とする微粒子の分布状態が、導電
    性基板に向かってほぼ連続的にその濃度が低下している
    ように分布していることを特徴とする請求項5記載の電
    子写真感光体。
  7. 【請求項7】 感光層が亜鉛、スズおよびチタンよりな
    る群から選ばれた少なくとも一種を含む溶液とシリコン
    を主成分とする微粒子を含む溶液とを原料として、スプ
    レー熱分解法により形成されたことを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかの項に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 表面保護層がアモルファス窒化シリコン
    (a−SiN:H)および/またはアモルファス炭化シ
    リコン(a−SiC:H)であることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれかの項に記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 感光層が亜鉛、スズおよびチタンよりな
    る群から選ばれた少なくとも一種を含む溶液と、シリコ
    ンを主成分とする微粒子とを含む溶液を原料とする、ス
    プレー熱分解法によって製造することを特徴とする請求
    項1〜8のいずれかの項に記載の電子写真感光体の作成
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017138458A (ja) * 2016-02-03 2017-08-10 コニカミノルタ株式会社 電子写真感光体および画像形成装置

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JP2017138458A (ja) * 2016-02-03 2017-08-10 コニカミノルタ株式会社 電子写真感光体および画像形成装置

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