JP3894065B2 - 自動車内装品表皮の熱成形方法 - Google Patents

自動車内装品表皮の熱成形方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品に使用する表皮の熱成形方法に関する。
【0002】
以下、本明細書においては、主としてエアバッグ用蓋体部付きのインストルメントパネル(以下「インパネ」と記す。)の表皮(レリーフレス/インビジブル仕様)を例に採り説明するが、その他、サイドドア、ピラー、フロント・バックシート用エアバッグ用蓋体部の表皮等にも適応が可能である。
【0003】
【背景技術】
自動車においては、昨今、エアバッグ装置が標準装備されるようになってきている。図1に示すようなインパネ12における、エアバッグ装置Mの組み付け部位(図1の2−2線部位)におけるエアバッグ蓋体部14の構成として、例えば図2に示すような構成のものがあった。
【0004】
すなわち、外側から表皮16/発泡層(クッション層)18/基体20を備え、基体蓋体部22は、裏面側に左・右ヒンジ溝24、26及び基体テアライン部(溝)28を備えた構成であり、テアライン溝28及びヒンジ溝24、26で区画されている。基体蓋体部(通常、軟質プラスチック製)22と基体本体部(通常、硬質プラスチック製)23とは射出成形により融着一体化されており、基体蓋体部22は、該ヒンジ溝24、26をヒンジ中心として、上部へ回動可能な構成とされている。また表皮16は、エアバッグ蓋体部14を含めたインパネ全体の表皮として射出成形により融着一体形成されており、レリーフラインが表面に形成されていた。
【0005】
通常、エアバッグ本体30は、エアバッグ装置Mが作動して自動車内装品に形成されたエアバッグ用蓋体部テアラインTを破断することにより車室内乗員側へ開いて膨出する。
【0006】
上記インパネ12におけるテアラインTの破断は、下記の如く起こる。まず、エアバッグ本体30の膨張により、基体蓋体部22が内部(下部)から押圧される。この際、基体蓋体部22に形成された基体テアライン溝28に応力が集中して、基体テアライン溝28形成部位が破断後、クッション層18においては基体テアライン溝28底部との距離が最短の部位(最小断面部位)に応力が集中して、縦方向に亀裂が表皮テアライン部(レリーフライン)32の先端部位に向かって伝播する。そして、該亀裂伝播が表皮16の表皮テアライン部(レリーフライン)32近くまで達すると、該表皮テアライン部32は、表皮16の他の部位に比べて脆弱であるため、テアライン部32が迅速に破断される。即ち、テアライン部Tでの表皮16の破断性(破断速度)を充分に確保できる。
【0007】
近年、意匠性向上の見地からエアバッグ用蓋体部付き自動車内装品(特にインパネのエアバッグ蓋体部(リッド部)14のレリーフラインレス化、いわゆるインパネ一体エアバッグ蓋体部のインビジブル化の要請が強くなりつつある。
【0008】
このため、表皮を備えたエアバッグ用蓋体部付き自動車内装品において、エアバッグ本体展開時に該表皮が所定の位置、すなわちテアライン部位で破断するよう、該表皮裏面からレーザー加工等を施して、表皮のテアライン部位に開裂線(スリット)を形成する技術が知られている。(特開2000−280847等公報参照)。
【0009】
しかし、上記レーザー加工は設備投資費用、ランニングコスト等が高く、製品のコストアップにつながるという問題点を有していた。
【0010】
【発明の開示】
本発明の目的は、上記にかんがみて、エアバッグ用蓋体部付き自動車内装品の表皮を熱成形(真空成形)するに際し、製品のコストアップを抑え、かつテアライン部(破断予定部)で確実に破断させることのできる表皮の熱成形方法を提供することにある。
【0011】
本発明者らは、上記にかんがみて、自動車内装品表皮の意匠性及びコスト性の双方の確保をするために、相対的に低コストで成形可能な熱成形に着目して、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の自動車内装品表皮の熱成形方法に想到した。
【0012】
エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品における表皮の熱成形方法であって、該熱成形に際して前記蓋体部の表皮テアライン部を同時的に形成する方法において、前記熱成形は、雄・雌両型を用いたプレス成形により予備賦形した後、型締めと同時的に真空成形により最終賦形をする方法であり、前記真空成形を雌型で行うとともに、前記真空成形の真空吸引時に、前記雄型に埋設されたテアライン形成刃体を、該テアライン形成刃体の設けられた近接センサの検出信号により前記表皮テアライン部の残肉厚を判断し、突出・後退させることにより表皮素材裏面に前記表皮テアライン部を形成することを特徴とする。
【0013】
プレス成形により予備賦形後、表面側賦形面(雌型賦形面)に真空引きで表皮素材を密着させて賦形するため、真空成形のみで賦形する肉厚バラツキ及び表面側(意匠賦形面)再現性の悪さを解決できる。
【0014】
そして、雌型で真空成形(真空吸引)するため、雄型で真空成形する場合に比して、成形完了後の離型性(型離れ)が良好で成形生産性が向上する。
【0015】
特に、自動車内装品表皮は薄いため(せいぜい2mm以下、通常、0.5〜1.0mm)、破断予定溝部(破断予定脆弱部)が形成された状態では離型が困難であると、離型時に表皮が破断するおそれがある。
【0016】
そして、表皮素材がまだ熱変形可能な温度である真空成形時(真空吸引時)にテアライン形成刃体を突出させて表皮テアライン部を形成するため、押圧力が小さくてすみ、たとえ、一時的に表面側に表皮テアライン部形成隆起が形成されたとしても、真空吸引により平準化(平滑化)されて、表皮テアライン部加工跡が形成されることはない。
【0017】
上記構成において、テアライン形成刃体の刃部(溝形成刃部または溝賦形突部)の温度(先端温度)を、表皮素材の裏面側熱軟化温度より高い温度とすることができる。自動車内装品表皮は、前述の通り薄いため、小さな押圧力でテアラインの形成が可能である。特に、表皮素材がオレフィン系やアミド系などの結晶性の高い材料にあっては、材料の結晶化温度より高い温度とすることで破断特性の優れたテアラインを形成することができる。
【0018】
また、テアライン形成刃体の刃部(溝形成刃部または溝賦形突部)の温度(先端温度)を、表皮素材の裏面側熱軟化温度より高く、かつ、表皮素材の裏面側溶融温度以下とすることが望ましい。溶融温度より高い温度で溝部を形成しようとすると、溝部では表皮表面温度が溶融温度より高くなり、テアライン形成刃体の後退により溝部内部の表面が引張られ、溝部の形状が崩れる場合があるため、十分な冷却時間が必要になる。
【0019】
更に、テアライン形成刃体の刃部(溝形成刃部または溝賦形突部)の温度(先端温度)を、表皮素材の裏面側溶融温度より高い温度とすることもできる。破断予定溝部の底部が湾曲形状(滑らか)となり、破断予定溝部が表面(意匠面)側の意匠性に悪影響を与えず、溝も全体にわたり均等な深さで形成される。即ち、真空吸引時に表皮テアライン部(溝)形成を行うため表皮素材は逃げ易い。テアライン形成刃部(溝賦形突部)で熱塑性変形により溝部を形成しようとすると、特に、自動車内装品表皮が、比較的厚い場合には、侵入度にバラツキが発生して溝深さにバラツキが発生しやすいとともに、意匠面側に溝部に沿った隆起部が形成され易い。また、溝幅のほとんどないスリット(剪断溝)を溝形成刃で形成すると、上記同様刃の切れ具合で溝深さに差が発生しやすい。溝深さのバラツキは、破断予定溝部における破断特性にバラツキを発生させやすい。
【0020】
上記構成の自動車内装品の成形方法には、例えば、下記構成の熱成形用金型を使用する。
【0021】
エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品における表皮を熱成形する際に使用し、該熱成形に際して前記蓋体部の表皮テアライン部を同時的に形成する方法に使用する熱成形用金型において、真空成形を行う雌型と、該雌型と協働してプレス成形を行う雄型とを備え、該雄型が、該雄型の賦形面から突出・後退可能に前記テアライン形成刃体を備え、該テアライン形成刃体に設けられ、前記表皮テアライン部の残肉厚を調節する近接センサを備えていることを特徴とする。
【0022】
そして、表皮テアライン部(破断予定溝部)を熱変形加工溝とする場合は、テアライン形成刃体が前記表皮の熱軟化温度より高く刃部を局部加熱可能な加熱手段を備えているものとする。
【0023】
また、表皮テアライン部(破断予定溝部)を熱変形加工溝とする場合は、テアライン形成刃体が前記表皮の熱軟化温度より高く、かつ、前記表皮の溶融温度以上に刃部を局部加熱可能な加熱手段を備えていることが望ましい。
【0024】
更に、表皮テアライン部(破断予定溝部)を熱変形加工溝とする場合は、テアライン形成刃体が前記表皮の溶融温度より高く刃部を局部加熱可能な加熱手段を備えているものとすることができる。
【0029】
【発明を実施するための最良の形態】
次に、本発明の第一実施形態について、エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品として、前述同様、図1〜2に示すようなインパネ12を例に採り説明をする。
【0030】
そして、インパネ12における表皮16は、レリーフラインレス、いわゆる蓋体部(リッド部)インビジブルタイプに使用するものであって、表皮裏面に表皮テアライン部(溝)が形成されている(図2(B)参照)。
【0031】
このとき、表皮テアライン部(溝)33の深さhは、表皮肉厚tを0.7mmとしたとき、h=0.2〜0.5mmとする。hが小さすぎると、破断迅速性(エアバッグ展開性能)を確保し難く、hが大きすぎると、表皮テアライン部33の加工跡が意匠面(表面)に顕現し易い。即ち、テアライン溝が表面に透けて見えるおそれがある。
【0032】
そして、上記表皮は表皮素材を熱成形して調製する。
【0033】
ここで、表皮素材(ワーク)は、オレフィン系、エステル系、アミド系、スチレン系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマー(TPE)材料を用いてカレンダー加工や押し出し成形により製造したシート材を適宜寸法に裁断して調製する。上記TPEのうち、ポリオレフィン系のものが、硬さの選択範囲が広くて望ましい。
【0034】
そして、熱成形は、図3に示す如く、雄・雌両型34、36を用いたプレス成形により予備賦形した後、型締めと同時的に真空成形により最終賦形をする方法により行う。
【0035】
ここで、雌型36には、その意匠(表面)賦形面には、真空吸引孔38が多数形成されている。雌型36で真空賦形(真空成形)、特に意匠面賦形をするためである。雌型で真空賦形するため、真空賦形された表皮素材(熱成形品)の雌型36からの離型が容易となる。また、真空賦形により意匠面賦形するため、意匠面の再現性が良好となる。なお、真空吸引孔38が大きい場合は、真空吸引孔跡が表皮表面(意匠面)に形成されるおそれがあるため、通常、雌型賦形面36aはエンボス加工面(しぼ付け加工面)とする。
【0036】
また、これらの真空吸引細孔38の孔径は1〜10μmであり、孔ピッチは、5〜15mm、望ましくは10mm前後とする。ここで、孔径が大きすぎると、表皮意匠面に吸引孔跡が出易く(特に表皮意匠面を、エンボス面としない場合)、逆に孔径が小さ過ぎると吸引抵抗が大きくて微細な賦形面の再生が困難となる。孔ピッチが小さ過ぎると、金型の加工工数に嵩み、逆に孔ピッチが大きすぎると吸引賦形力を充分に得難く、孔径が小さ過ぎる場合と同様、微細な賦形面の再生が困難となる。
【0037】
そして、雄型34には、テアライン形成刃体(テアライン形成突条)40が突出・後退可能に付設(埋設)されている。具体的には、下記の如くである。
【0038】
具体的には、テアライン形成刃体40は、図4に示す如く、変形H字形の突条(刃部)42を備えた板状体で、刃体保持ブロック体44に結合されて雄型(プラグ型)34に形成された筒状凹部46に摺動可能に保持されている。
【0039】
ここで刃部は、通常、連続体42(図5A)、不連続体42A(図5B)又は連続体42B/不連続体43混成(図5C)とする。このときの刃部42、42A、42Bの刃先角度は、通常、7〜30°の範囲で適宜選定する。また、不連続状とするときは、a:b=5:0.5〜0.5:0.5とする。なお、図5Cに示す不連続体43は、φ1mm前後の針体を連続的に並べて形成したものである。また、テアライン形成刃体40には、4個の近接センサ48が埋設されて、エアシリンダ45で刃体保持ブロック44を介して前進したとき前進して表皮テアライン部(溝)33が深くなりすぎないようになっている。即ち、近接センサ48は、その検知信号をエアシリンダ45の駆動部(図示しないエアポンプ)に入力するようになっている。また、近接センサ48は、刃部42の上限位置を段階的に即ち、表皮テアライン部33における残肉厚が,0.3、0.4、0.5mmの三段階に調節可能とされている。
【0040】
そして、刃体保持ブロック44は、エアシリンダ45と結合されて、テアライン形成刃体40の刃部42を雄型34の押圧面(賦形面)34aから突出・後退可能とされている。
【0041】
また、刃体保持ブロック44には、表面側に温度センサ50が取付けられるとともに、その内側に、電熱ヒータ(シーズドヒータ)52が埋設されている。
温度センサ50は、刃部42の温度を測定してその検知信号を、電熱ヒータ52に入力するようになっている。ここで、刃部42の温度は、表皮素材の裏面側溶融温度より若干に高くなるように電熱ヒータ52で局部加熱できるようになっている。
【0042】
例えば表皮素材がTPO系の場合、溶融温度を170℃としたとき、それより若干(10〜20℃)程度高い180〜200℃とする。
【0043】
次に、上記構成の雄・雌両型を使用しての表皮の熱成形する方法について説明をする。
【0044】
まず、表皮素材である略矩形のシート材Sを矩形チャック(クランプ)54で四方(全周)から挟んで(クランプして)、熱変形可能な温度160℃前後にシート材ヒータ56で加熱する。
【0045】
続いて、クランプ54で挟んだまま雌型36の直下に移動させ、続いて、雌型36を下降させると同時に、雄型34も上昇させる。このときの下降・上昇速度は、1000〜3000mm/minとする。
【0046】
そして、型締め直前(通常、1〜2秒前)となった時点で、即ち予備賦形させた時点で、真空吸引を開始すると同時に、電熱ヒータ52を通電して刃部42を局部加熱させて180〜230℃とするとともに、エアシリンダ45を駆動させてブロック体44を前進させる。
【0047】
すると、表皮素材Sが雌型36の賦形面(意匠型面)36aに真空密着して良好に意匠型面が再現される。このときの真空吸引時間は10〜60秒(型締め完了後8〜59秒)、望ましくは10〜15秒(型締め完了後8〜14秒)、刃部突出時間(テアライン形成時間)は0.5〜7秒、望ましくは0.5〜1秒とする。
【0048】
このとき、そして真空引き後、約20〜30秒の冷却時間(放置時間)をおいて、加熱成形を完了する。即ち、型閉じ完了後、約30〜45秒で型開きとなる。
【0049】
こうして熱成形をした表皮は、離型した後、トリミングを行ってインパネ用表皮とする。
【0050】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態の自動車内装品表皮も第一実施形態と同様に、図1〜2に示す如くエアバッグ飛び出しのための蓋体部14を備えたインパネであり、レリーフラインレス、いわゆる蓋体部(リッド部)インビジブルタイプで、表皮裏面に表皮テアライン部が形成されているものである。
【0051】
そして、この第二実施形態における表皮も、図3に示す、雄・雌型34、36を用いたプレス成形により予備成形した後、型締めと同時的に真空成形により最終賦形をする方法で熱成形される。
【0052】
第二実施形態において、特徴的な点は、雄型(プラグ型)34に形成された筒状凹部46に摺動可能に保持されている刃体保持ブロック体44に付設(埋設)されているテアライン形成刃体を、第一実施形態と同様に、刃体保持ブロック44に埋設された電熱ヒータ(シーズドヒータ)52により加熱し、温度センサ50による検知信号を電熱ヒータ52に入力することにより温調されるが、電熱ヒータにより、加熱される温度は、表皮素材の裏面側熱軟化温度より高ければよく、さらに、表皮素材の裏面側熱軟化温度より高く、かつ、表皮素材の裏面側溶融温度以下とすることが望ましい。
【0053】
例えば,表皮素材がTPO系の場合、軟化温度を110℃、溶融温度を170℃
としたとき、軟化温度より若干高く、溶融温度より低い130〜170℃とする。
【0054】
第二実施形態では、上記電熱ヒータ52の加熱温度以外は、第一実施形態と同様である。
【0055】
次に、上記第一実施形態及び第二実施形態の表皮を用いてのインパネの成形方法を説明する。
【0056】
上記第一実施形態及び第二実施形態で形成された表皮は、従来の表皮と同様、自動車内装品用の表皮として使用できる。
【0057】
例えば、PPC(カーボン充填ポリプロピレン)、PPG(ガラス繊維充填ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)/ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン三元共重合体)、PC(ポリカーボネート)、ASG(ガラス繊維充填アリル)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン三元共重合体)、PPE(ポリフェニレンエーテル)等のプラスチック材、アルミ、鋼板などの素材からなるインパネ基体20、及びウレタン、PPF、PPビーズ発泡などの素材からなる発泡層(クッション層)18とともに組み合わされてインパネ12として使用できる(図2参照)。
【0058】
インパネ12は、慣用の方法により、例えば、下記の如く製造する。
【0059】
まず、前記の如く製造した表皮16(厚み約0.7mm)を、発泡層射出成形用金型の雌型にセットし、予め射出成形しておいたインパネ基体20を同じく雌型にセットし、型閉じした後、発泡層材料を射出成形して、図2に示すような、基本的に基体20、発泡層18及び表皮16からなるインパネ12を成形する。なお、雄型としては、基体20の成形用金型における雄型を、基体20を離型せずに兼ねてもよい。
【0060】
上記インパネ12は、エアバッグ装置Mを組み付け、実車に装着して使用をする。
【0061】
エアバッグ装置Mは、基本的には、バッグ本体30と、該バッグ本体30に膨張ガスを流入させるインフレータ60と、それらの部材を一体化させるバッグケース62とからなる。バッグケース62は、インフレ―タ60を保持し、バッグ本体30内に膨張ガス流入をガイドするディフューザ缶64が一体化されている。
【0062】
そして、バッグケース62の前・後壁62a、62bに、基体20の裏面に形成された前・後取付け壁21A、21Bを挿入係合させて、エアバッグアセンブリとし、図示しないブラケットを介して車体(実車)に装着する。
【0063】
そして、車体に所定値以上の衝撃荷重が作用すると、バッグ蓋体部14のテアラインTが下記の如く破断して、蓋体部が開いてエアバッグが迅速に膨張展開する。
【0064】
まず、バッグ本体30が、膨張することにより基体20を裏側(下面)から押圧する。この体、基体20におけるV字形切り欠きにより形成された基体テアライン溝28に応力が集中して、基体テアライン溝28形成部位が破断した後、発泡層18においては基体テアライン溝28と表皮テアライン部33とを結ぶ線(最短に距離)に応力が集中して、表皮テアライン部33に向かう亀裂伝播が発生する。この亀裂伝播が表皮テアライン部33に達成すると、該表皮テアライン部部33は、表皮16における他の部位に比して脆弱であるため応力が集中して、表皮16の伸びが本来の破断伸びに達するはるか前に表皮16が破断する(引き裂かれる)。したがって、表皮16が伸びて、バッグ蓋体部の完全な展開状態が遅延するようなことがなく、バッグ展開特性が確保できる。即ち、バッグドア部インビジブルタイプのインパネにおける表皮を、レザー等の特別な後処理(後加工)によりしなくても製造できる。
【0065】
なお、これらの実施形態は次のように変更して具体化することも可能である。
▲1▼電熱ヒータ52を、雌型36の真空吸引の開始前に通電し、予め所定温度まで所定温度まで加熱しておくことで、成形時間を短縮することが可能となる。
▲2▼約20〜30秒の冷却時間(放置時間)中においても、真空吸引を続行することで、より意匠型面が良好に再現することができる。
【0066】
なお、本発明の発明性に影響を与えるものではないが、真空成形と同時的に表皮テアライン部を形成する技術が、特開平4−126222号、特開平9−2189号、特開2000−159047等の刊行物に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する蓋体部付きインストルメントパネルを示す全体斜視図
【図2】図1における2−2線概略断面図
【図3】本発明における表皮の製造方法を示す概略工程図
【図4】図3における雄型(プラグ)の概略斜視図
【図5】図4におけるテアライン形成刃体の各態様を示す斜視図
【符号の説明】
12 インストルメントパネル(インパネ)
16 インパネ表皮
18 インパネ発泡層
22 基体蓋体部
28 基体テアライン溝
33 表皮テアライン部
34 表皮熱成形用雄型(プラグ:下型)
36 表皮熱成形用雌型(上型)
38 雌型の真空吸引孔
40 テアライン形成刃体
42 テアライン形成刃部(テアライン形成突条)
52 シート材(表皮素材)ヒータ
T エアバッグ蓋体部テアライン
M エアバッグ装置

Claims (8)

  1. エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品における表皮の熱成形方法であって、
    該熱成形に際して前記蓋体部の表皮テアライン部を同時的に形成する方法において、
    前記熱成形は、雄・雌両型を用いたプレス成形により予備賦形した後、型締めと同時的に真空成形により最終賦形をする方法であって、
    前記真空成形を雌型で行うとともに、前記真空成形の真空吸引時に、前記雄型に付設されたテアライン形成刃体を、該テアライン形成刃体の設けられた近接センサの検出信号により前記表皮テアライン部の残肉厚を判断し、突出・後退させることにより表皮素材裏面に前記表皮テアライン部を形成することを特徴とする自動車内装品表皮の熱成形方法。
  2. 前記テアライン形成刃体の先端温度を、前記表皮素材の裏面側熱軟化温度より高いものとすることを特徴とする請求項1記載の自動車内装品表皮の熱成形方法。
  3. 前記テアライン形成刃体の先端温度を、前記表皮素材の裏面側熱軟化温度より高く、かつ、裏面側溶融温度以下とすることを特徴とする請求項1記載の自動車内装品表皮の熱成形方法。
  4. 前記テアライン形成刃体の先端温度を、前記表皮素材の裏面側溶融温度より高いものとすることを特徴とする請求項1記載の自動車内装品表皮の熱成形方法。
  5. エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品における表皮を熱成形する際に使用し、該熱成形に際して前記蓋体部の表皮テアライン部を同時的に形成する方法に使用する熱成形用金型において、
    真空成形を行う雌型と、該雌型と協働してプレス成形を行う雄型とを備え、
    該雄型が、該雄型の賦形面から突出・後退可能に前記テアライン形成刃体を備え、該テアライン形成刃体に設けられ、前記表皮テアライン部の残肉厚を調節する近接センサを備えていることを特徴とする自動車内装品表皮の熱成形用金型。
  6. 前記テアライン形成刃体が前記表皮の熱軟化温度より高く刃部を局部加熱可能な加熱手段を備えていることを特徴とする請求項5記載の自動車内装品表皮の熱成形用金型。
  7. 前記テアライン形成刃体が前記表皮の熱軟化温度より高く、かつ、溶融温度以下に刃部を局部加熱可能な加熱手段を備えていることを特徴とする請求項5記載の自動車内装品表皮の熱成形用金型。
  8. 前記テアライン形成刃体が前記表皮の溶融温度より高く刃部を局部加熱可能な加熱手段を備えていることを特徴とする請求項5記載の自動車内装品表皮の熱成形用金型。
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