JP2003040068A - 自動車内装品表皮 - Google Patents

自動車内装品表皮

Info

Publication number
JP2003040068A
JP2003040068A JP2001228476A JP2001228476A JP2003040068A JP 2003040068 A JP2003040068 A JP 2003040068A JP 2001228476 A JP2001228476 A JP 2001228476A JP 2001228476 A JP2001228476 A JP 2001228476A JP 2003040068 A JP2003040068 A JP 2003040068A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
skin
skin material
automobile interior
porous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001228476A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuhiro Ueno
樹広 上野
Akiyoshi Nagano
昭義 永野
Kazumichi Shigeno
一道 重野
Kenichi Furuta
剣一 古田
Yukihiko Horiba
幸彦 堀場
Hiroaki Shichida
裕章 七田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP2001228476A priority Critical patent/JP2003040068A/ja
Publication of JP2003040068A publication Critical patent/JP2003040068A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】エアバッグ用蓋体部付き自動車内装品のコスト
アップを抑え、かつ、表皮を迅速に破断させることので
きる自動車内装品表皮素材を提供すること。 【解決手段】エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備え
た自動車内装品における表皮素材。表皮素材の裏面側が
非貫通の多孔面(パンチング面)とする。具体的には、
表皮素材Sが、表面側に位置するソリッド層34と、ソ
リッド層34の裏面側に位置する貫通多孔層(パンチン
グシート層)36とからなる二層構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアバッグ用蓋体
部付き自動車内装品の表皮素材に関する。
【0002】以下、本明細書においては、主としてエア
バッグ用蓋体部付きのインストルメントパネル(以下
「インパネ」と記す。)の表皮(レリーフレス/インビ
ジブル仕様)を例に採り説明するが、その他、サイドド
ア、ピラー、フロント・バックシート用エアバッグ用蓋
体部の表皮等にも適応が可能である。
【0003】
【背景技術】自動車においては、昨今、エアバッグ装置
が標準装備されるようになってきている。図1に示すよ
うなインパネ12における、エアバッグ装置Mの組み付
け部位(図1の2−2線部位)におけるエアバッグ蓋体
部14の構成として、例えば図2に示すような構成のも
のがあった。
【0004】すなわち、外側から表皮16/発泡層(ク
ッション層)18/基体20を備え、基体蓋体部22
は、裏面側に左・右ヒンジ溝24、26及び基体テアラ
イン部(溝)28を備えた構成であり、テアライン溝2
8及びヒンジ溝24、26で区画されている。基体蓋体
部(通常、軟質プラスチック製)22と基体本体部(通
常、硬質プラスチック製)23とは射出成形により融着
一体化されており、基体蓋体部22は、該ヒンジ溝2
4、26をヒンジ中心として、上部へ回動可能な構成と
されている。また表皮16は、エアバッグ蓋体部14を
含めたインパネ全体の表皮として射出成形により融着一
体形成されており、溝等で形成されたレリーフライン部
32が表面に形成されていた。
【0005】通常、エアバッグ本体30は、エアバッグ
装置Mが作動して自動車内装品に形成されたエアバッグ
用蓋体部テアラインTを破断することにより車室内乗員
側へ開いて膨出する。
【0006】上記インパネ12におけるテアラインTの
破断は、下記の如く起こる。
【0007】まず、エアバッグ本体30の膨張により、
基体蓋体部22が内部(下部)から押圧される。この
際、基体蓋体部22に形成された基体テアライン溝28
に応力が集中して、基体テアライン溝28形成部位が破
断後、表皮16の脆弱部位であるレリーフライン部32
に応力が集中するため、亀裂は基体テアライン溝28の
底部から表皮テアライン部(レリーフライン部)32を
結ぶ線(両者の最短距離)に沿って伝播する。そして、
該亀裂伝播が表皮16の表皮テアライン部(レリーフラ
イン部)32近くまで達すると、該表皮テアライン部3
2は、表皮16の他の部位に比べて脆弱であるため、表
皮テアライン部32が迅速に破断される。即ち、テアラ
イン部Tでの表皮16の破断性(破断速度)を充分に確
保できる。
【0008】近年、意匠性向上の見地からエアバッグ用
蓋体部付き自動車内装品(特にインパネ)のエアバッグ
蓋体部(リッド部)14のレリーフラインレス化、いわ
ゆるインパネ一体エアバッグカバーにおけるリッドイン
ビジブル仕様の要請が強くなりつつある。
【0009】このため、表皮を備えたエアバッグ用蓋体
部付き自動車内装品において、エアバッグ本体展開時に
該表皮が所定の位置、すなわちテアライン部位で破断す
るよう、該表皮裏面からレーザー加工等を施して、表皮
のテアライン部位に開裂線(スリット)を形成する技術
が知られている。(特開2000−280847等公報
参照)。
【0010】しかし、上記レーザー加工等は、テアライ
ン部位に沿って正確に所定深さのスリットを形成しなけ
ればならず、さらに、レーザー加工は設備投資費用、ラ
ンニングコスト等が高く、製品のコストアップにつなが
るという問題点を有していた。
【0011】
【発明の開示】本発明の目的は、上記にかんがみて、エ
アバッグ用蓋体部付き自動車内装品のコストアップを抑
え、かつ、表皮を迅速に破断させることのできる自動車
内装品表皮素材を提供することにある。
【0012】本発明者らは、上記にかんがみて、自動車
内装品表皮の意匠性及びコスト性の双方の確保をするた
めに、相対的に低コストで成形可能な熱成形(真空成
形)できる表皮素材に着目して、鋭意開発に努力をした
結果、表皮の脆弱部は表皮素材の裏面全面に多孔面部を
形成しても表皮が迅速に略蓋部テアラインに対応する表
皮テアラインに沿って引き裂かれる(破断する)ことを
見出して、下記構成の自動車内装品表皮素材に想到し
た。
【0013】エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備え
た自動車内装品における表皮素材であって、該表皮の裏
面側が非貫通の多孔面(パンチング面)部とされている
ことを特徴とする。
【0014】当該構成としても、エアバッグ作動時に、
基体テアライン部に対応して表皮(表皮テアライン部)
が引き裂かれる。このため、表皮裏面の孔あけ加工を特
別にテアライン形状に沿ったものとする必要がなく、し
かも、孔あけ加工は表面側非貫通とするので、リッドイ
ンビジブル仕様への対応が容易となる。
【0015】上記構成において、表皮が表面に位置する
ソリッド層と、該ソリッド層の裏面側に位置する貫通多
孔層とを備えた積層構造とすることが、単層シートに裏
面側から孔明けする場合に比して、孔深さの精度を確保
し易い。
【0016】上記各構成において、積層構造を、ソリッ
ド層と多孔シート層との二層構成とし、貫通多孔層の肉
厚がソリッド層の肉厚より厚くすることが、表皮のエア
バッグ作動時の破断特性(引き裂き迅速性)を確保しや
すくなる。
【0017】また、上記構成において、多孔面の孔径:
0.5〜2.0mm、孔ピッチ:1〜5mmとすること
が、表皮のエアバッグ作動時における破断特性(引き裂
き迅速性)をさらに確保しやすくなる。
【0018】そして、上記各構成の表皮素材を使用して
製造した自動車内装品の構成は、下記の如くになる。
【0019】エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備え
た自動車内装品において、前記蓋体部を区画する基体テ
アライン部(破断予定脆弱線部)が形成された内装品基
体と、前記各構成の表皮素材から熱成形により形成され
た表皮素材とを有することを特徴とする。
【0020】より具体的には、内装品基体と前記表皮と
の間に発泡層(クッション層)が介在している構成の自
動車内装品となる。
【0021】また、上記表皮素材の製造方法は、カレン
ダ加工直後にパンチングして調製した多孔シートを、同
一又は同種材料で別にカレンダ加工したソリッドシート
と熱融着させて製造することが望ましい。カレンダ加工
を使用することにより安価に製造できるとともに、厚み
バラツキも小さくできる。
【0022】
【発明を実施するための最良の形態】次に、本発明の一
実施形態について、エアバッグ飛び出しのための蓋体部
を備えた自動車内装品として、前述同様、図1〜2に示
すようなインパネを例に採り説明をする。
【0023】即ち、本実施形態の表皮素材は、レリーフ
ラインレス、即ち、エアバッグカバー(エアバッグ蓋体
部)一体化のインパネにおいて、リッドインビジブル仕
様のタイプの表皮に使用するものである(図2参照)。
【0024】表皮素材Sの構成は、図3に示すような構
成となる。
【0025】即ち、表皮素材Sの裏面側が非貫通の多孔
面(パンチング面)部とされている、即ち、表面側に位
置するソリッド層34と、該ソリッド層34の裏面側に
位置する貫通多孔層(パンチングシート層)36とから
なる二層の積層構造である。なお、ソリッド層34と貫
通多孔層36とは、通常、ソリッド層34と貫通多孔層
36とは、同一ないし同種材料を使用して熱融着体とす
る。
【0026】このようにソリッド層34と貫通多孔層3
6との積層構造とすることにより、単層シートに裏面側
から孔明けする場合に比して、孔深さの精度を確保し易
い。
【0027】ここで、貫通多孔層36の肉厚はソリッド
層34の肉厚より薄くてもよいが、通常、貫通多孔層3
6の方を厚く形成する。表皮のテアラインに沿う破断特
性(引き裂き迅速性)を確保しやすくするためである。
具体的には、表皮全体肉厚tを0.7mmとしたとき、
貫通多孔層36の厚さ(孔深さ)は、0.4〜0.6m
m(望ましくは0.5mm前後)とする。即ち、ソリッ
ド層34の厚さは、0.3〜0.1mm(望ましくは
0.2mm前後)とする。貫通多孔層36の厚さが薄す
ぎると、引き裂き迅速性(エアバッグ展開性能)を確保
し難く、逆に貫通多孔層36の厚さが厚すぎると、相対
的にソリッド層34の厚さが薄くなり、貫通多孔層36
の孔跡が意匠面(表面)に顕現し、即ち、多孔模様が表
面に透けて見えるおそれがある。
【0028】また、上記構成において、多孔面の孔径
φ:0.5〜2mm(望ましくは0.5〜1.5m
m)、孔ピッチp1又はp2:1〜5mm(望ましくは
1〜3mm)とする。孔径φが小さすぎると、引き裂き
迅速性(エアバッグ展開性能)を確保し難く、逆に大き
すぎると、真空成形時等に表皮素材が均等に伸ばされな
いおそれがある。
【0029】また、孔ピッチp1又はp2が小さ過ぎる
と、真空成形時に引張られて表皮素材が破れるおそれが
あり、逆に大きすぎると、引き裂き迅速性(エアバッグ
展開性能)を確保し難くなる。
【0030】なお、孔ピッチp1、p2は縦・横とも同
じでもよいが縦・横に差を設けてもよい。即ち、蓋部回
動先端側(通常、縦方向、カレンダ加工の場合は幅方
向)が優先的に引き裂かれ易いように、ピッチを短く、
蓋部回動線と平行な方向を、ピッチを長くすることも可
能である。即ちテアラインTをH字形とする場合、H字
の両縦棒方向のピッチp1を長く、横棒方向のピッチp
2を短くすることが望ましい(図4参照)。
【0031】なお、貫通多孔層36の裏側に伸びが小さ
く(伸び200%以下、望ましくは150%以下)かつ
破断強度も余り大きくない特性の熱可塑性プラスチック
からなる極薄い(0.1mm以下、望ましくは0.05
mm)バリア層を形成したり、同様特性の熱可塑性プラ
スチックからなる塗膜層または保護層をソリッド層34
の意匠面に同様に形成してもよい。
【0032】そして、上記表皮素材(ワーク)Sは、オ
レフィン系、エステル系、アミド系、スチレン系、ウレ
タン系等の伸び(EB)150%(望ましくは200
%)以上熱可塑性エラストマー(TPE)材料を用いて
カレンダー加工や押し出し成形により製造する。上記T
PEのうち、ポリオレフィン系のものが、硬度(柔らか
さ)の選択範囲が広くて望ましい。
【0033】ここで、表皮素材の製造は、カレンダ加工
直後にパンチングして調製した多孔シート(パンチング
シート)36を、同一材料又は相互に熱融着可能な同種
材料で別にカレンダ加工したソリッドシート34と熱融
着させて製造することが望ましい。孔空け(パンチン
グ)は、カレンダ加工直後の柔らかい内に多数本を並列
させたフォーク状の針を貫通させるだけなので、多孔シ
ートを容易に製造できる。また、表皮素材の合計肉厚精
度を確保し易い。
【0034】即ち、カレンダ加工の場合、その精度は肉
厚が薄くなるほど、肉厚に対する精度比率が小さくなる
ためである。例えば,0.9ミリの場合±0.05m
m,0.45mmの場合±0.01mmである。
【0035】そして、熱成形は、通常の雄型のみによる
真空成形でもよいが、図5に示す如く、雄・雌両型3
8、40を用いたプレス成形により予備賦形した後、型
締めと同時的に真空成形により最終賦形をする方法によ
り行うことが望ましい。
【0036】ここで、雌型40には、その意匠(表面)
賦形面には、真空吸引孔42が多数形成されている。雌
型40で真空賦形(真空成形)、特に意匠面賦形をする
ためである。雌型で真空賦形するため、真空賦形された
表皮素材(熱成形品)の雌型40からの離型が容易とな
る。また、真空賦形により意匠面賦形するため、意匠面
の再現性が良好となる。なお、真空吸引孔42が大きい
場合は、真空吸引孔跡が表皮表面(意匠面)に形成され
るおそれがあるため、通常、雌型賦形面40aはエンボ
ス加工面(しぼ付け加工面)とする。
【0037】また、これらの真空吸引細孔42の孔径は
1〜10μmであり、孔ピッチは、5〜15mm、望ま
しくは10mm前後とする。ここで、孔径が大きすぎる
と、表皮意匠面に吸引孔跡が出易く(特に表皮意匠面
を、エンボス面としない場合)、逆に孔径が小さ過ぎる
と吸引抵抗が大きくて微細な賦形面の再生が困難とな
る。孔ピッチが小さ過ぎると、金型の加工工数に嵩み、
逆に孔ピッチが大きすぎると吸引賦形力を充分に得難
く、孔径が小さ過ぎる場合と同様、微細な賦形面の再生
が困難となる。
【0038】次に、上記構成の雄・雌両型を使用しての
表皮の熱成形する方法について説明をする。
【0039】まず、所定大きさに裁断した表皮素材Sを
矩形チャック(クランプ)44で四方(全周)から挟ん
で(クランプして)、熱変形可能な温度160℃前後に
シート材ヒータ46で加熱する。
【0040】続いて、クランプ44で挟んだまま雌型4
0の直下に移動させ、続いて、雌型40を下降させると
同時に、雄型38も上昇させる。このときの下降・上昇
速度は、1000〜3000mm/minとする。
【0041】そして、型締め直前(通常、1〜2秒前)
となった時点で、即ち予備賦形させた時点で、真空吸引
を開始する。すると、表皮素材Sが雌型40の賦形面
(意匠型面)40aに真空密着して良好に意匠型面が再
現される。このときの真空吸引時間は10〜15s(型
締め完了後8〜14s)とする。
【0042】そして真空引き後、約20〜30秒の冷却
時間(放置時間)をおいて、熱成形を完了する。即ち、
型閉じ完了後、約30〜45秒で型開きとなる。
【0043】こうして熱成形をした表皮は、離型した
後、トリミングを行ってインパネ用表皮とする。
【0044】次に、上記表皮を用いてのインパネの成形
方法を説明する。
【0045】上記の如く製造したインパネ表皮は、従来
の表皮と同様、インパネ(自動車内装品)の表皮として
使用できる。
【0046】例えば、PPC(カーボン充填ポリプロピ
レン)、PPG(ガラス繊維充填ポリプロピレン)、P
C(ポリカーボネート)/ABS(アクリロニトリル・
ブタジエン・スチレン三元共重合体)、PC(ポリカー
ボネート)、ASG(ガラス繊維充填アリル)、ABS
(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン三元共重合
体)、PPE(ポリフェニレンエーテル)等のプラスチ
ック材、アルミ、鋼板などの素材からなるインパネ基体
20、及びウレタン、PPF、PPビーズ発泡などの素
材からなる発泡層(クッション層)18とともに組み合
わされてインパネ12として使用できる(図2参照)。
【0047】インパネ12は、慣用の方法により、例え
ば、下記の如く製造する。
【0048】まず、前記の如く製造した表皮16(厚み
約0.7mm)を、発泡層射出成形用金型の雌型にセット
し、予め射出成形しておいたインパネ基体20を同じく
雌型にセットし、型閉じした後、発泡層材料を射出成形
して、図2に示すような、基本的に基体20、発泡層1
8及び表皮16からなるインパネ12を成形する。な
お、雄型としては、基体20の成形用金型における雄型
を、基体20を離型せずに兼ねてもよい。
【0049】上記インパネ12は、エアバッグ装置Mを
組み付け、実車に装着して使用をする。
【0050】エアバッグ装置Mは、基本的には、バッグ
本体30と、該バッグ本体30に膨張ガスを流入させる
インフレータ50と、それらの部材を一体化させるバッ
グケース52とからなる。バッグケース52は、インフ
レ―タ50を保持し、バッグ本体30内に膨張ガス流入
をガイドするディフューザ缶54が一体化されている。
【0051】そして、バッグケース52の前・後壁52
a、52bに、基体20の裏面に形成された前・後取付
け壁21A、21Bを挿入係合させて、エアバッグアセ
ンブリとし、図示しないブラケットを介して車体(実
車)に装着する。
【0052】そして、車体に所定値以上の衝撃荷重が作
用すると、バッグ蓋体部14のテアラインTが下記の如
く破断して、蓋体部が開いてエアバッグが迅速に膨張展
開する。
【0053】まず、バッグ本体30が、膨張することに
より基体20を裏側(下面)から押圧する。この体、基
体20におけるV字形切り欠きにより形成された基体テ
アライン溝28に応力が集中して、基体テアライン溝2
8形成部位が破断した後、発泡層18においては基体テ
アライン溝28と最短距離にある表皮貫通多孔層36に
おける孔群37、37の内、最短距離にある穴列37、
…とを結ぶ直線上に沿う亀裂伝播が発生する。この亀裂
伝播が表皮貫通多孔層36の孔群に達すると、該表皮テ
アライン部33は、表皮16における他の部位に比して
脆弱であるため応力が集中して、表皮16の伸びが本来
の破断伸びに達するはるか前に表皮16が迅速に破断す
る(引き裂かれる)。したがって、表皮16が伸びて、
バッグ蓋体部の完全な展開状態が遅延するようなことが
なく、バッグ展開特性が充分に確保できる。即ち、バッ
グドア部インビジブルタイプのインパネにおける表皮
を、レザー加工等により特別な後処理(後加工)により
しなくても製造できる。
【0054】なお、本発明の発明性に影響を与えるもの
ではないが、表皮に孔を空けて表皮テアライン部を形成
する技術が、実開昭51−1932号、特開平9−86
321号等の刊行物に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する蓋体部付きインストルメント
パネルを示す全体斜視図
【図2】図1における2−2線概略断面図
【図3】本発明における表皮素材の一構成を示す部分断
面図
【図4】図3における表皮素材におけるテアライン部と
の関係を示す部分平面図
【図5】表皮素材を用いて表皮を熱成形する方法を示す
概略工程図
【符号の説明】
12 インストルメントパネル(インパネ) 16 インパネ表皮 18 インパネ発泡層 22 基体蓋体部 28 基体テアライン溝 33 表皮テアライン部 34 ソリッド層 36 貫通多孔層(パンチングシート層) 37 貫通多孔層における孔 38 表皮熱成形用雄型(プラグ:下型) 40 表皮熱成形用雌型(上型) T エアバッグ蓋体部テアライン M エアバッグ装置 S 表皮素材
フロントページの続き (72)発明者 重野 一道 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 古田 剣一 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 堀場 幸彦 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 七田 裕章 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 3D044 BA07 BA11 BA14 BB01 BC03 BC13 3D054 AA14 BB09 BB10 FF17 FF18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備
    えた自動車内装品における表皮素材であって、 該表皮素材の裏面側が非貫通の多孔面(パンチング面)
    とされていることを特徴とする自動車内装品表皮素材。
  2. 【請求項2】 前記表皮素材が、表面側に位置するソリ
    ッド層と、該ソリッド層の裏面側に位置する貫通多孔層
    (パンチングシート層)とを備えた積層構造であること
    を特徴とする請求項1記載の自動車内装品表皮素材。
  3. 【請求項3】 前記積層構造が、ソリッド層と多孔シー
    ト層との二層構成であり、貫通多孔層の肉厚がソリッド
    層の肉厚より厚いことを特徴とする請求項2記載の自動
    車内装品表皮素材。
  4. 【請求項4】 前記多孔面の孔径:0.5〜2.0m
    m、孔ピッチ:1〜5mmであることを特徴とする請求
    項3記載の自動車内装品表皮素材。
  5. 【請求項5】 エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備
    えた自動車内装品において、 前記蓋体部を区画する基体テアライン部(破断予定脆弱
    線部)が形成された内装品基体と、請求項1、2、3、
    4又は5記載の表皮素材から熱成形により形成された表
    皮とを有することを特徴とする自動車内装品。
  6. 【請求項6】 前記内装品基体と前記記表皮との間に発
    泡層(クッション層)が介在していることを特徴とする
    請求項5記載の自動車内装品。
  7. 【請求項7】 カレンダ加工直後にパンチングして調製
    した多孔シートを、同一又は同種材料で別にカレンダ加
    工したソリッドシートと熱融着させて製造することを特
    徴とする自動車内装品表皮素材の製造方法。
JP2001228476A 2001-07-27 2001-07-27 自動車内装品表皮 Withdrawn JP2003040068A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001228476A JP2003040068A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 自動車内装品表皮

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001228476A JP2003040068A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 自動車内装品表皮

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003040068A true JP2003040068A (ja) 2003-02-13

Family

ID=19060981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001228476A Withdrawn JP2003040068A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 自動車内装品表皮

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003040068A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019031933A1 (ko) * 2017-08-11 2019-02-14 (주)엘지하우시스 차량용 에어백 하우징 및 이의 제조방법
WO2022113513A1 (ja) * 2020-11-30 2022-06-02 豊田合成株式会社 インストルメントパネル

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019031933A1 (ko) * 2017-08-11 2019-02-14 (주)엘지하우시스 차량용 에어백 하우징 및 이의 제조방법
KR20190017434A (ko) * 2017-08-11 2019-02-20 (주)엘지하우시스 차량용 에어백 하우징 및 이의 제조방법
KR102201865B1 (ko) 2017-08-11 2021-01-11 (주)엘지하우시스 차량용 에어백 하우징 및 이의 제조방법
WO2022113513A1 (ja) * 2020-11-30 2022-06-02 豊田合成株式会社 インストルメントパネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5989479A (en) Method for manufacturing an air bag cover
JP3728778B2 (ja) エアバッグカバー
US6440514B1 (en) Instrument panel and method for producing the same
JPH071499A (ja) 一体的カバー層を有する成形製品と成形製品を製造する方法
JP5726946B2 (ja) エアバッグカバー用の熱可塑性フィルム
WO2009141863A1 (ja) 自動車のエアバッグドア及びその製造方法
JP4230008B2 (ja) エアバッグドア部を有する車両内装部品の製造方法
JP3894065B2 (ja) 自動車内装品表皮の熱成形方法
JP2003040068A (ja) 自動車内装品表皮
JP3385815B2 (ja) エアバッグドアを備えたインストルメントパネル
JP2000264159A (ja) エアバッグカバーの製造方法
JP2000016216A (ja) インストルメントパネルの製造方法
JP4062025B2 (ja) 自動車内装品表皮の真空吸引熱加工法
JP2010120566A (ja) 自動車のエアバッグドア及びその製造方法
JP2000159047A (ja) エアバッグドア用開裂予定部を有する表皮の製造方法
JP2000071926A (ja) エアバッグ装置用内装部材の製造方法
JP2008024303A (ja) 自動車のエアバッグドア及びその製造方法
JP4046190B2 (ja) 自動車のエアバッグドア及びその製造方法
JP3304693B2 (ja) エアバッグカバーの製造方法
JP4575746B2 (ja) エアバッグドアおよびその成形方法
JP3364662B2 (ja) エアバッグ装置のカバー体
JP2000238602A (ja) エアバッグ装置用リッドの製造方法
JP3254973B2 (ja) エアバッグカバー
JP2004114738A (ja) 自動車用内装材及びその製造方法
JPH1086702A (ja) エアバッグドア部を一体に有するインストルメントパネル及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081007