JP2004114738A - 自動車用内装材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材に形成された開裂予定溝より表皮層を確実に破断することができ、しかも見栄えもよい自動車用内装材を提供する。
【解決手段】エアバッグ装置2を覆う内装材本体1を、硬質樹脂により成形された基材1aと、基材1aの表面を被覆する表皮層1bとから構成し、かつ基材1aの内面に、エアバッグの膨張時破断する開裂予定溝3を形成した自動車用内装材であって、表皮層1bに、開裂予定溝3に沿って複数の孔4を形成すると共に、基材1aを硬質樹脂により成形する際、孔4内に硬質樹脂の一部を流入させたもので、表皮層1bの表面に表出する孔4の開口部4aを孔4内に侵入した樹脂が塞ぐため、開裂予定溝3に沿って複数の孔4を形成しても表皮層1bの表面に表出する孔4が目立たなくなり、これによって内装材の見栄えが向上する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアバッグ装置を覆う自動車用内装材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車が衝突した際に発生する衝撃より乗員を保護するエアバッグ装置は、通常外から見えないように、車室内を覆う内装材の内側に設置されている。
【0003】
このためエアバッグの膨張方向に位置する内装材の内面には、エアバッグが膨張した際破断して、エアバッグの膨張展開を妨げないようにするテアラインと呼ばれる開裂予定溝が形成されているが、装飾効果を高めるため表面を軟質な樹脂シートよりなる表皮層で被覆された内装材の場合は、表皮層が開裂予定線の破断を妨げる等の問題がある。
【0004】
かかる問題を改善するため、例えば特許文献1乃至3において、表皮層に多数の小孔を設けることにより、表皮層が開裂予定線の破断を妨げないようにした内装材が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
実開昭51−1932号公報(第3図乃至第5図)
【特許文献2】
特開平9−86321号公報(第(4)頁、図1、図2)
【特許文献3】
特開2000−16216号公報(第(3)頁−第(6)頁)
【0006】
特許文献1に記載の内装材(エアバッグカバー)は、単一樹脂により形成された内装材に、破断線に沿って通孔または袋孔をミシン目状に形成したもので、エアバッグが膨張した際、通孔または袋孔より内装材が破断されるように構成されている。
【0007】
また特許文献2に記載の内装材(エアバッグカバー)は、熱可塑性樹脂よりなる内装材に、破断線に沿って多数の孔を断続的に設けると共に、加熱処理によって孔の開口部内面に凸部を形成したもので、凸部によって孔の開口部が目立たなくなるため、意匠性が向上する等の効果を有している。
【0008】
さらに特許文献3に記載の内装材(インストルメントパネル)は、基材の表面を被覆するスキン層の全面に多数の孔が整然と形成されていて、基材が開裂予定部より破断する際、開裂予定部の近傍にある孔からスキン層が破断されるように構成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし特許文献1に記載の内装材の場合、内装材の表面に多数の孔が破断線に沿って表出するため、見栄えが悪い上、単一樹脂よりなる内装材の場合、通常軟質樹脂により形成されているため、内装材に形成された小孔が変形して不揃いに見えるため、外観もよくない等の問題がある。
【0010】
また特許文献2に記載の内装材の場合、内装材に多数の孔を形成した後、加熱処理により多数の孔の開口部に凸部を形成する作業を行うため、作業に多くの工数を要して作業能率が悪い上、内装材を高温に加熱した際、内装材の表面に色ムラが発生したり、孔の開口縁部が熱でダレることにより、開口部が不揃いになって見栄えが悪くなる等の問題がある。
【0011】
一方特許文献3に記載の内装材は、スキン層の全面に多数の孔が形成されていて、基材の開裂予定部が破断した際、開裂予定部近傍の孔からスキン層が破断する構成のため、特に切断しにくい材料でスキン層を形成した場合、スキン層が所望形状に破断されないことがあり、信頼性に欠ける等の問題がある。
【0012】
またスキン層全面に形成された孔が装飾効果を画一化するため、内装材に高級感が得られない等の問題もある。
【0013】
本発明はかかる従来の問題を改善するためになされたもので、基材に形成された開裂予定溝より表皮層を確実に破断することができ、しかも見栄えもよい自動車用内装材及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の自動車用内装材は、エアバッグ装置を覆う内装材本体を、硬質樹脂により成形された基材と、基材の表面を被覆する表皮層とから構成し、かつ基材の内面に、エアバッグの膨張時破断する開裂予定溝を形成した自動車用内装材であって、表皮層に、開裂予定溝に沿って複数の孔を形成すると共に、基材を硬質樹脂により成形する際、孔内に硬質樹脂の一部を流入させたものである。
【0015】
前記構成により、自動車が衝突した際の衝撃でエアバッグが膨張し、開裂予定溝より基材が破断されると、開裂予定溝に沿って形成された複数の孔より表皮層が破断されるため、エアバッグの膨張展開が瞬時に行えると共に、表皮層に破断しにくい素材を使用した場合でも、開裂予定溝に沿って形成された複数の孔より表皮層を確実に破断することができるため、表皮層に使用できる素材の自由度が増し、これによって高級感に富んだ内装材が容易に得られるようになる。
【0016】
前記目的を達成するため本発明の自動車用内装材は、孔を表皮層の表裏面に貫通する通孔により形成したものである。
【0017】
前記構成により、表皮層の表面に表出する孔の開口部を孔内に侵入した樹脂が塞ぐため、開裂予定溝に沿って複数の孔を形成しても表皮層の表面に表出する孔が目立たなくなり、これによって内装材の見栄えが向上すると共に、孔内に侵入した樹脂が孔の変形を防止するため、内装材の経時的な外観形状を安定させることができる。
【0018】
前記目的を達成するため本発明の自動車用内装材は、孔を表皮層の表面に開口部が表出しない盲孔により形成したものである。
【0019】
前記構成により、孔内に侵入した樹脂が表皮層の表面に表出することがないため、基材と表皮層に色の異なる樹脂が使用できるようになると共に、孔内に侵入した樹脂が孔の変形を防止するため、内装材の経時的な外観形状を安定させることができる。
【0020】
前記目的を達成するため本発明の自動車用内装材の製造方法は、エアバッグ装置を覆う内装材本体を、硬質樹脂により成形された基材と、基材の表面を被覆する表皮層とから構成し、かつ基材の内面に、エアバッグの膨張時破断する開裂予定溝を形成した自動車用内装材の製造方法であって、基材に形成する開裂予定溝と合致する位置に複数の孔を形成した表皮層を、基材を成形する金型内の所定位置にセットし、かつこの状態で表皮層の裏面側に溶融した硬質樹脂を注入して基材を成形する際、孔内に硬質樹脂の一部を流入させたものである。
【0021】
前記方法により、基材を樹脂により成形する際、樹脂の一部が表皮層に形成された複数の孔に侵入して孔を塞ぐため、開裂予定溝に沿って複数の孔を形成しても表皮層の表面に表出する孔が目立たなくなり、これによって内装材の見栄えが向上すると共に、孔内に侵入した樹脂が孔の変形を防止するため、内装材の経時的な外観形状を安定化させることができる。
【0022】
前記目的を達成するため本発明の自動車用内装材の製造方法は、内装材本体の成形後、基材の内面に開裂予定溝を切削加工したものである。
【0023】
前記方法により、内装材の表面に色ムラやヒケ等の成形上の不具合が発生することがないため、外観のよい内装材が得られると共に、不良品の発生も低減することができる。
【0024】
前記目的を達成するため本発明の自動車用内装材の製造方法は、内装材本体を成形する際、基材の内面に開裂予定溝を一体に成形したものである。
【0025】
前記方法により、基材の成形時に開裂予定溝を成形することができるため、後加工で開裂予定溝を切削加工する場合に比べて工数の削減が図れるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
【0027】
図1はエアバッグ装置を覆う内装材の一部切欠斜視図、図2は内装材表面の平面図、図3は内装材の内面に形成された開裂予定溝の平面図、図4は図3のA−A線に沿う断面図、図5は図4のB円内の拡大図である。
【0028】
図1に示す内装材本体1は、例えば助手席(図示せず)の前方に設置されたエアバッグ装置2を覆うもので、ポリプロピレン(PP)樹脂等の硬質樹脂によりインストルメントパネル(図示せず)と一体に成形された基材1aと、基材1aの表面を被覆する表皮層1bよりなる。
【0029】
基材1aの内側には、エアバッグ装置2のケース2aが設けられていて、このケース2a内に折り畳まれたエアバッグが収容されており、ケース2aの底部に取り付けられたリティナ内に、エアバッグを膨張させるインフレータ(ともに図示せず)が収容されている。
【0030】
エアバッグ装置2のケース2a上面には、内装材本体1の基材1a内面に溶着された扉体2bがケース2aと一体に設けられている。
【0031】
扉体2bはほぼ中央より分割された2部材より形成されていて、各扉体2bとケース2aの連設部側には薄肉となったヒンジ部2cが形成されており、ケース2a内に収容されたエアバッグが膨張する際の圧力により、各扉体2bがヒンジ部2cを中心にエアバッグの膨張方向へ押し開かれるようになっている。
【0032】
扉体2bの上面が溶着された基材1aの内面には、基材1aの成形後切削加工により開裂予定溝3が形成されている。
【0033】
この開裂予定溝3は図3に示すように、扉体2bのヒンジ部2cに沿って設けられた上下2本の横線部3a,3bと、扉体2bの分割線に沿って設けられた1本の横線部3c及び上下横線部3a,3bの両端間を縦方向に結ぶ2本の縦線部3d,3eにより、ほぼ日字状をなす凹溝により形成されており、エンドミル等の切削工具により底部厚(残部厚)が0.3〜2.5mm、好ましくは0.8mm(表皮厚も含む)となるように切削加工されている。
【0034】
一方基材1aの表面を被覆する表皮層1bは、シート厚が0.3〜1.5mm程度の軟質樹脂シートにより形成されていて、基材1aの内面に後加工で形成する開裂予定溝3と合致する位置に、予め複数の孔4が開裂予定溝3に沿って穿設されている。
【0035】
これら孔4は、孔径がφ0.05〜2.0mm、好ましくは0.2〜0.3mm、各孔4間のピッチは、0.1〜5.0mm、好ましくは0.5〜1.0mmであり、孔径及び孔ピッチに合致した複数の突起を有する加工刃や針、レーザ等の孔加工手段(図示せず)により形成されている。
【0036】
次に前記構成された内装材の製造方法と、使用時の作用を説明する。
【0037】
内装材本体1を製造するに当っては、表皮層1bとなる軟質樹脂シートを所定の大きさに裁断したら、基材1aの内面に形成する開裂予定溝3と合致する位置に孔4を穿設する。
【0038】
これら孔4を穿設する位置は、開裂予定溝3の横線部3cと縦線部3d,3eに沿って図2に示すようにH状に穿設するもので、各孔4の孔径及びピッチは前述した通りである。
【0039】
以上のようにして表皮層1bとなる軟質樹脂シートに孔4を穿設したら、基材1aを射出成形する金型(図示せず)の所定の位置に軟質樹脂シートを装填して、基材1aを射出成形する。
【0040】
このとき金型のキャビティ内ヘ射出された樹脂は、キャビティ内を軟質樹脂シートの裏面に沿って流動しながら所定の形状に成形されるが、このとき軟質樹脂シートに予め穿設された孔4内に樹脂の一部が流入する。
【0041】
しかし孔4内へ流入した樹脂は、孔4の上記寸法による流入抑制作用と、対向する金型面によってパックされて孔4に滞留するガスの圧力並びに溶融樹脂が発するガスの圧力により、孔4の表面側の開口部4aまで流入するのが抑制されるため、図5に示すように開口部4aの手前で流入が停止される。
【0042】
以上のようにして基材1aの射出成形が終了したら、基材1aの硬化を待って金型内より成形の完了した内装材本体1を取り出すが、得られた内装材本体1は、基材1aの表面が表皮層1bで被覆された一体構造となると共に、開裂予定溝3に沿って予め表皮層1bに穿設された孔4の開口部4aに至らない部分は、基材1aを成形した硬質樹脂の一部により閉塞されるため、孔4はの大部分は硬質樹脂により中実の状態になり、又、成形時の樹脂圧力によって盛り上がる等の問題を生じない。
【0043】
これによって内装材本体1の見栄えが向上すると共に、孔4内に侵入した樹脂が孔4の変形を防止するため、経時的な外観形状を安定化させることもできる。なお、上記樹脂はメルトフローレイト10〜30(JIS K−7210)程度、好ましくは15前後程度である。本実施の形態では、タルクを配合したポリプロピレン(ポリプロピレン・コンポジット、PPC)である、グランドポリマー社製のグレードHIP145 MFR14.2を使用した。
【0044】
内装材本体1の成形が完了したら、切削工具を使用して基材1aの内面に開裂予定溝3を切削加工して内装材本体1を完成した後、内装材本体1の基材1a内面にエアバッグ装置2のケース2a上面に設けられた扉体2bを取り付けるが、基材1aの内面と扉体2bの接合は、基材1aの内面に扉体2bの内面を密着させた状態で両者に振動を加えて溶着する振動溶着により行うもので、勿論他の方法、例えば接着等の手段で両者を接合するようにしてもよい。
【0045】
次に前記構成された内装材を使用した自動車が衝突して、エアバッグ装置2が作動した際の作用を簡単に説明する。
【0046】
自動車が衝突した際に発生する慣性を感知すると、インフレータが高圧ガスを発生してエアバッグを膨張させる。
【0047】
エアバッグが膨張を開始すると、膨張圧力によりケース2aの扉体2bがヒンジ部2cを中心に押し開かれるため、エアバッグ装置2を覆う内装材本体1の開裂予定溝3の内、横線部3cと縦線部3d,3eがほぼH状に破断され、これによって開裂予定溝3に沿って穿設された孔4より表皮層1bが破断されるため、表皮層1bに破断しにくい材料を使用した場合でも、確実に所定形状に表皮層1bを破断することができる。
【0048】
なお前記実施の形態では、内装材本体1の基材1a内面にほぼ日字形に開裂予定溝3を形成した場合について説明したが、ケース2aの上面に設けられた扉体2bが片開きする構造のエアバッグ装置2の場合は、基材1aの内面に形成する開裂予定溝3は、ほぼロ字状に切削加工する。
【0049】
また開裂予定溝3に沿って表皮層1bに穿設する孔4は、図6に示す変形例のように、扉体2bのヒンジ部2cを除く3辺に沿ってほぼコ字状に穿設するもので、表皮層1bに使用する軟質樹脂シートの肉厚や、表皮層1bに穿設する孔4の孔径やピッチは、前記実施の形態と同様である。
【0050】
一方図7は、表皮層1bに穿設する孔4を盲孔4bとした場合の変形例を示すもので、表皮層1bを形成する軟質樹脂シートの裏面側より孔4を穿設する際、軟質樹脂シートの表面側に孔4が達しないように穿設することにより盲孔4bを形成したもので、前記構成の軟質樹脂シートを金型内に装填して基材1aを射出成形する方法は、前記実施の形態と同様なので説明は省略するが、この場合も基材1aを成形する樹脂の一部が盲孔4b内に流入すると共に、この変形例では盲孔4bに流入した樹脂が表皮層1bの表面に表出することがない。この小径の盲孔4bは樹脂の流動抵抗(流れにくさ)が大きく、また樹脂の流動先端は、盲孔4b内の既存空気と溶融樹脂自身の発するガスを封じ込めることになるので、盲孔4bの底に樹脂の押圧が直接加わらず、樹脂の冷却固化時の盲孔4bに対応する箇所の表皮層の表面(外観意匠面)に隆起などを生じない。
【0051】
なお前記実施の形態及び変形例では、何れも成形の完了した内装材本体1の基材1a内面に開裂予定溝3を切削加工するようにしたが、基材1aを射出成形する際、開裂予定溝3を同時に成形するようにしてもよい。その際、開裂予定溝3に相当する箇所の樹脂流路が狭くなるために樹脂の流速が高まるとともに剪断発熱により樹脂の温度が上昇し流動性が高まるが、上記孔4等の内部の樹脂の流れ挙動により、表面への隆起等の問題を生じない。また、上記の切削工具を使用するために、予め基材1aを孔4付近について他と同一の厚みになるように射出成形する態様にあっては、樹脂の流れがほぼ一定になされ、圧縮剪断発熱による溶融樹脂の粘性変化もないため、孔4に関する樹脂の流動条件はマイルドになり、選択し得る成形条件の幅も広くなり、量産上の取扱いも容易である.
【0052】
【発明の効果】
本発明は以上詳述したように、基材の表面を被覆する表皮層に、予め開裂予定溝に沿って複数の孔を形成すると共に、基材を硬質樹脂により成形する際、孔内に硬質樹脂の一部を流入させたことから、自動車が衝突した際の衝撃でエアバッグが膨張し、開裂予定溝より基材が破断されると、開裂予定溝に沿って形成された複数の孔より表皮層が破断されるため、エアバッグの膨張展開が瞬時に行えると共に、表皮層に破断しにくい素材を使用した場合でも、開裂予定溝に沿って形成された複数の孔より表皮層を確実に破断することができるため、表皮層に使用できる素材の自由度が増し、これによって高級感に富んだ内装材が容易に得られるようになる。
【0053】
また孔を表皮層の表裏面に貫通する通孔により形成したことから、表皮層の表面に表出する孔の開口部を孔内に侵入した樹脂が塞ぐため、開裂予定溝に沿って複数の孔を形成しても表皮層の表面に表出する孔が目立たなくなり、これによって内装材の見栄えが向上する上、孔内に侵入した樹脂が孔の変形を防止するため、内装材の経時的な外観形状を安定させることができると共に、孔を表皮層の表面に開口部が表出しない盲孔により形成すれば、孔内に侵入した樹脂が表皮層の表面に表出することがないため、基材と表皮層に色の異なる樹脂が使用できるようになる。
【0054】
さらに基材に形成する開裂予定溝と合致する位置に複数の孔を形成した表皮層を、基材を成形する金型内の所定位置にセットし、かつこの状態で表皮層の裏面側に溶融した硬質樹脂を注入して基材を成形する際、孔内に硬質樹脂の一部を流入させることにより内装材を製作したことから、樹脂が表皮層に形成された孔を塞ぐため、開裂予定溝に沿って複数の孔を形成しても表皮層の表面に表出する孔が目立たなくなり、これによって内装材の見栄えが向上すると共に、孔内に侵入した樹脂が孔の変形を防止するため、内装材の経時的な外観形状を安定化させることができる。
【0055】
しかも内装材本体の成形後、基材の内面に開裂予定溝を切削加工すれば、内装材の表面に色ムラやヒケ等の成形上の不具合が発生することがないため、外観のよい内装材が得られる上、不良品の発生も低減することができると共に、内装材本体を成形する際、基材の内面に開裂予定溝を一体に成形すれば、基材の成形時に開裂予定溝を成形することができるため、後加工で開裂予定溝を切削加工する場合に比べて工数の削減が図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態になる自動車用内装材の使用状態の一部切欠斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態になる自動車用内装材の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態になる自動車用内装材の内面に形成された開裂予定溝の平面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図4のB円内の拡大図である。
【図6】本発明の実施の形態になる自動車用内装材の表皮層に形成された複数の孔の変形例を示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態になる自動車用内装材の表皮層に形成された孔の変形例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1   内装材本体
1a  基材
1b  表皮層
2   エアバッグ装置
3   開裂予定溝
4   孔
4a  開口部
4b  盲孔

Claims (6)

  1. エアバッグ装置を覆う内装材本体を、硬質樹脂により成形された基材と、前記基材の表面を被覆する表皮層とから構成し、かつ前記基材の内面に、エアバッグの膨張時破断する開裂予定溝を形成した自動車用内装材であって、前記表皮層に、前記開裂予定溝に沿って複数の孔を形成すると共に、前記基材を硬質樹脂により成形する際、前記孔内に前記硬質樹脂の一部を流入させたことを特徴とする自動車用内装材。
  2. 前記孔を、前記表皮層の表裏面に貫通する通孔により形成してなる請求項1に記載の自動車用内装材。
  3. 前記孔を、前記表皮層の表面に開口部が表出しない盲孔により形成してなる請求項1に記載の自動車用内装材。
  4. エアバッグ装置を覆う内装材本体を、硬質樹脂により成形された基材と、前記基材の表面を被覆する表皮層とから構成し、かつ前記基材の内面に、エアバッグの膨張時破断する開裂予定溝を形成した自動車用内装材の製造方法であって、前記基材に形成する前記開裂予定溝と合致する位置に複数の孔を形成した前記表皮層を、前記基材を成形する金型内の所定位置にセットし、かつこの状態で前記表皮層の裏面側に溶融した硬質樹脂を注入して前記基材を成形する際、前記孔内に前記硬質樹脂の一部を流入させることを特徴とする自動車用内装材の製造方法。
  5. 前記内装材本体の成形後、前記基材の内面に前記開裂予定溝を切削加工してなる請求項4に記載の自動車用内装材の製造方法。
  6. 前記内装材本体を成形する際、前記基材の内面に前記開裂予定溝を一体に成形してなる請求項4に記載の自動車用内装材の製造方法。
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