JP4820050B2 - 積層樹脂材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、屈曲部位または湾曲部位の寸法精度および強度が優れた積層樹脂成形品を得ることが可能な積層樹脂材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術に係る積層樹脂成形品の概略縦断面図およびその要部拡大図を図10に示す。この積層樹脂成形品1は、基材層2、中間層3および表面層4がこの順序で互いに接合されてなる。各層2〜4は全て樹脂材からなり、このうち、中間層3は、直径が互いに略等しい気泡5が略均一に分散した樹脂発泡体である。
【0003】
この積層樹脂成形品1は、以下のようにして製造されている。
【0004】
まず、射出成形装置を型締めした後、該射出成形装置のキャビテイに溶融樹脂(溶湯)を射出し、該溶湯を冷却固化することにより樹脂成形体からなる樹脂基材体を作製する。
【0005】
次に、型開きを行った後、該樹脂基材体を取り出して真空成形装置の一方の型に保持し、この状態で該樹脂基材体の表面上に接着剤を塗布する。
【0006】
次に、前記真空成形装置の他方の型と樹脂基材体との間に、樹脂発泡体と該樹脂発泡体に接合された樹脂製カバーからなるシート状積層体を、樹脂発泡体が樹脂基材体に対向するように配置した後、型締めを行う。この型締めにより、シート状積層体が型の形状に沿って粗く屈曲変形する。
【0007】
さらに、シート状積層体に当接する側の型を介してキャビテイ内のガスを真空引きして該キャビテイ内を負圧にすることにより、この型にシート状積層体を密着させる。これにより、シート状積層体が型の形状に沿って微細に屈曲変形するとともに表面層4にシボ形状が転写され、所定の面形状および屈曲率の屈曲部位R(図10参照)が成形される。
【0008】
キャビテイ内のガスの排出を終了した後、シート状積層体が密着した型に予め形成された通路を介してキャビテイに圧縮ガスを供給するか、または通路を大気開放するとともに、樹脂基材体が密着した型および樹脂基材体にそれぞれ予め形成されたガス吸気孔を介してキャビテイ内のガスを真空引きする。これにより、樹脂発泡体が樹脂基材体に指向して押圧されるので、前記接着剤を介して両者が互いに堅牢に接合される。
【0009】
最後に、キャビテイへの圧縮ガスの供給およびキャビテイ内のガスの排出を終了した後、型開きを行えば、樹脂基材体からなる基材層2、樹脂発泡体からなる中間層3および樹脂製カバーからなる表面層4がこの順序で互いに接合されてなる積層樹脂成形品1が得られるに至る。
【0010】
このようにして製造された積層樹脂成形品1は、例えば、自動車のインストルメンタルパネルとして使用されている。
【0011】
ところで、上記の従来技術に係る積層樹脂成形品の製造方法には、積層樹脂成形品1の屈曲部位Rに引けが生じているものや、該屈曲部位Rの強度が良好でないものが製造される可能性がある。
【0012】
この理由は、中間層3となる樹脂発泡体の延性が乏しく、したがって、キャビテイ内を負圧にすることによりシート状積層体を型に密着させて屈曲部位Rを成形する際、図11に示すように、樹脂発泡体3aが充分に展延しないからである。一方、樹脂製カバー4aは樹脂発泡体3aに接合されているので、この樹脂製カバー4aが展延することもない。結局、このために屈曲部位Rに引けが生じる。
【0013】
なお、図11中、参照符号2aは基材層2となる樹脂基材体を示す。また、参照符号6、7は図示しない前記真空成形装置が備える凸型、凹型であり、両型6、7が型締めされることによってキャビテイ8が形成される。そして、参照符号9、10は凸型6、凹型7にそれぞれ形成されたガス吸気孔であり、参照符号11は樹脂基材体2aに形成されて凸型6のガス吸気孔9に連通する孔部である。
【0014】
さらに、屈曲部位Rでは樹脂発泡体3aが展延されるので該樹脂発泡体3aの肉厚が薄くなり、したがって、平坦部よりも強度が低下する。しかも、気泡5が伸張されることによりクラック12が発生し、その結果、気泡5、5同士が変形して連なることがある。このような事態が生じると、屈曲部位Rのさらなる強度低下を招く。
【0015】
すなわち、従来技術に係る積層樹脂成形品の製造方法には、屈曲部位Rの寸法精度および強度が優れた積層樹脂成形品1を歩留まりよく製造することができないという問題がある。
【0016】
一方、特許文献1には、中央部の発泡の直径が表層部のそれに比して大きい樹脂発泡体が開示されている。この特許文献1によれば、この樹脂発泡体と樹脂材または布からなる表皮材とを高温で接合する際、前記樹脂発泡体に凹凸が発生することがなく、また、これにより得られた積層体においては、表皮材と樹脂発泡体との間に空気が侵入することがないとされている。
【0017】
【特許文献1】
特開平9−12762号公報([0013]、[0014])
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1においては、樹脂発泡体を単体で真空成形した場合の評価は詳細になされているが、表皮材と樹脂発泡体とを一体的に真空成形する試みはなされておらず、したがって、この際における表皮材の引けの発生を抑制する試みも勿論なされていない。
【0019】
すなわち、上記のように樹脂発泡体3aと樹脂製カバー4aとを一体的に真空成形する場合における表面層4の引けの発生を抑制する技術は、未だ確立されていない。
【0020】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、屈曲部位が寸法精度よく成形され、しかも、該屈曲部位の強度が優れる積層樹脂成形品を得ることが可能な積層樹脂材を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、発泡体と、前記発泡体に接合される樹脂からなる表皮とを有する積層樹脂材であって、
前記発泡体においては、表皮が接合される側に存在する気泡の平均径が、表皮から離間する側に存在する気泡の平均径よりも小さいことを特徴とする。
【0022】
なお、ここでいう平均径とは、中間層の平坦部の表面層側領域または基材層側領域を構成する樹脂をそれぞれ1mm3の直方体に切り出し、該直方体の1辺に切断された気泡を除く全気泡の直径を全て測定してその和を求め、この和を測定した気泡の個数で除することにより求められたものである。
【0023】
このような構成とすることにより、当該積層樹脂材と樹脂基材体とを成形装置のキャビテイにて接合し、さらに前記キャビテイ内のガスを排気して前記積層樹脂材と前記樹脂基材体とからなる積層樹脂成形品を製造する際、屈曲部位における引けの発生が著しく抑制され、このために屈曲部位が寸法精度よく成形された積層樹脂成形品を得ることができる。しかも、発泡体が延性に富むので、従来技術に係る積層樹脂成形品に比して、該屈曲部位の強度が向上する。
【0024】
この場合、前記中間層の表面層側領域に存在する気泡の平均径が該中間層の基材層側領域に存在する気泡の平均径の1/20〜3/4であることが好ましい。屈曲部位の寸法精度および強度が確実に確保されるからである。
【0025】
また、前記基材層側領域の厚みが前記表面層側領域の厚みの1/6〜1/2であることが好ましい。1/6未満であると、引けが発生しやすくなる。また、1/2を大きく超えるものであると、前記樹脂発泡体の製造コストが高騰するので、結局、積層樹脂成形品の製造コストも高騰するからである。
【0026】
さらに、前記表面層側領域を構成する樹脂が架橋されたものであることが好ましい。これにより、屈曲部位の強度が一層向上するからである。
【0027】
このような積層樹脂材は、自動車の室内に配設される内装用部材を構成する部材として好適に使用することができる。
【0028】
また、内装用部材の好適な例としては、インストルメンタルパネルを挙げることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る積層樹脂材につきそれを具備する積層樹脂成形品との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、図10および図11に示される構成要素に対応する構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0030】
本実施の形態に係る積層樹脂成形品の概略縦断面図を図1に示す。この積層樹脂成形品20は、基材層2、中間層22および表面層4がこの順序で互いに接合されてなる。各層2、22および4は樹脂材からなり、このうち、中間層22はポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレン(PE)樹脂等の樹脂発泡体である。一方、基材層2の構成材料としては、PP樹脂やアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂等が例示され、表面層4の構成材料としては、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)樹脂や塩化ビニル(PVC)樹脂、ABS樹脂等が例示される。この場合、基材層2、中間層22および表面層4の厚みの比は、2〜6:2〜6:0.3〜1となっている。
【0031】
ここで、図1において円C1で囲繞した部分を拡大して図2に示す。この図2に示されるように、中間層22は、複数個の大気泡24aが略均一に分散して存在する領域W1と、平均径が大気泡24aに比して小さい複数個の小気泡24bが略均一に分散して存在する領域W2とに区分され、領域W1は基材層2側に位置し、一方、領域W2は表面層4側に位置している。そして、この場合、領域W2の厚みは領域W1の厚みの1/2程度である。
【0032】
各大気泡24aの直径は互いに略等しい。また、大気泡24aの平均径は、通常、中間層22の厚みの1/20〜3/10程度である。
【0033】
同様に、各小気泡24bの直径も互いに略等しい。そして、小気泡24bの平均径は、大気泡24aの平均径の1/20〜3/4程度である。
【0034】
すなわち、例えば、中間層22の厚みが約3mmである場合、領域W1の厚みは約2mm、領域W2の厚みは約1mm、大気泡24aの平均径は約0.15〜0.9mm、小気泡24bの平均径は約0.0075〜0.675mmである。
【0035】
さらに、図1において円C2で囲繞した部分、すなわち、積層樹脂成形品20における屈曲部位Rを拡大して図3に示す。この図3から、該屈曲部位Rには引けがなく、かつ該屈曲部位R近傍の小気泡24bがわずかに伸張しており、クラックが発生していないことが諒解される。
【0036】
次に、この積層樹脂成形品20の製造方法につき説明する。本実施の形態に係る積層樹脂成形品の製造方法は、第1の成形装置にて樹脂成形体からなる樹脂基材体を成形する第1工程S1と、第2の成形装置の一方の型に保持された前記樹脂基材体と他方の型との間に樹脂発泡体を介して樹脂製カバー(表皮)を配置する第2工程S2と、前記第2の成形装置を型締めする第3工程S3と、前記第2の成形装置の他方の型を介して前記第2の成形装置のキャビテイを負圧にすることにより前記樹脂製カバーを成形する第4工程S4と、前記第2の成形装置の前記樹脂基材体が保持された型および前記樹脂基材体を介して前記キャビテイ内を負圧にすることにより前記樹脂発泡体を成形する第5工程S5とを備える。
【0037】
まず、第1工程S1において、図4に示すように、下型30と図示しないアクチュエータ機構が付勢されることにより下型30に対して接近または離間可能な上型32を有する図示しない射出成形装置(第1の成形装置)により、樹脂基材体2aを成形する。具体的には、下型30と上型32とを互いに密着させてキャビテイ34、34を形成した後、PP樹脂やABS樹脂が溶融されてなる溶湯を図示しない射出機構から射出し、図示しない通路を介して該溶湯をキャビテイ34、34にそれぞれ導入する。この溶湯を冷却固化することにより、2個の樹脂基材体2a、2aが得られる。
【0038】
ここで、下型30には複数個の図示しない突起部が設けられている。したがって、得られた樹脂基材体2a、2aには、後述するように、この突起部に対応する箇所に孔部11が形成される。
【0039】
そして、図示しない前記アクチュエータ機構を付勢することにより上型32を上方に移動させて型開きを行って樹脂基材体2a、2aを露呈させる。
【0040】
次いで、第2工程S2において、図5に示すように、この樹脂基材体2a、2aを図示しない真空成形装置(第2の成形装置)の凸型6に保持させる。この状態で、該樹脂基材体2a、2aの表面に接着剤(図示せず)を塗布する。
【0041】
そして、凸型6に保持させた樹脂基材体2a、2aと凹型7との間に、樹脂発泡体22aと該樹脂発泡体22aに樹脂製カバー(表皮)4aが接合されてなるシート状積層体(積層樹脂材)38を配置する(図5参照)。なお、図5の要部拡大図に示すように、シート状積層体38は、樹脂発泡体22aが樹脂基材体2aに対向するように配置される。また、図5の要部拡大図から諒解されるように、樹脂発泡体22aとしては、大気泡24aが存在する領域W1と、大気泡24aに比して平均径が小さい小気泡24bが存在する領域W2とに区分されるものが使用される。
【0042】
ここで、シート状積層体38は、例えば、以下のようにして作製される。
【0043】
まず、ペレット状のPP樹脂やPE樹脂と分解性発泡剤とをミキサで混合することにより得られた混合物を押し出し成形してシート状に成形し、シート状成形体とする。
【0044】
次に、このシート状成形体の一端面に電子線を照射する。所定時間が経過した後に電子線の照射を終了し、シート状成形体全体を加熱処理する。この際、シート状成形体は、気泡が大きく成長し易い部位(架橋の度合いが低い樹脂からなる部位)と気泡が比較的成長し難い部位(架橋の度合いが高い樹脂からなる部位)とに区分され、このため、得られた樹脂発泡体22aは、平均径が互いに異なる2つの領域W1、W2に区分される(図5の要部拡大図参照)。すなわち、架橋の度合いが低い樹脂からなる部位は大気泡24aが存在する領域W1となり、一方、架橋の度合いが高い樹脂からなる部位は大気泡24aに比して平均径が小さい小気泡24bが存在する領域W2となる。
【0045】
上記のようにして樹脂発泡体22aを作製する一方で、樹脂製カバー4aを作製する。すなわち、TPO樹脂やPVC樹脂、ABS樹脂等のペレットを押し出し成形あるいはカレンダー成形してシート状の樹脂製カバー4aとする。
【0046】
次に、樹脂発泡体22aの領域W2側に樹脂製カバー4aを重ね、これらを樹脂発泡体22aの領域W1側と樹脂製カバー4a側の双方から押圧して密着させながら加熱炉内に導入する。該加熱炉内で加熱処理が施されることにより樹脂発泡体22aと樹脂製カバー4aとが融着し、その結果、シート状積層体38が得られる。
【0047】
上記のようにして得られたシート状積層体38を、第2工程S2で樹脂基材体2a、2aと凹型7との間に配置した後、第3工程S3において、図示しない前記アクチュエータ機構を付勢して凹型7を下方に移動させ、図6に示すように、該凹型7と凸型6とを型締めすることによりキャビテイ8、8を形成する。この際、シート状積層体38が凹型7の形状に沿って粗く屈曲変形するとともに、樹脂基材体2a、2aの表面に塗布された接着剤を介してシート状積層体38と樹脂基材体2a、2aとが互いに接着される。
【0048】
なお、屈曲部位R近傍、すなわち、図6において円C3で囲繞した部分の拡大図である図7に示すように、凸型6には、樹脂基材体2a、2aの孔部11に対応する位置にガス吸気孔9が設けられている。また、凹型7にもガス吸気孔10が設けられている。そして、これらガス吸気孔9、10は、図示しない排気機構の吸気口に接続された吸気管(図示せず)に連通している。すなわち、この真空成形装置のキャビテイ8、8内のガスは、図示しない前記排気機構によりガス吸気孔9、10を介して排気する(真空引きする)ことができる。
【0049】
なお、ガス吸気孔9または10からの真空引きは個別に行うことができる。
【0050】
次いで、第4工程S4において、図示しない前記排気機構を付勢して、凹型7のガス吸気孔10からキャビテイ8、8内のガスの真空引きを行い、該キャビテイ8、8内を負圧にする(図6参照)。これにより、シート状積層体38、すなわち、樹脂製カバー4aおよび樹脂発泡体22aが凹型7の形状に沿ってさらに微細に屈曲変形するとともに、凹型7の表面のシボ形状が樹脂製カバー4aに明確に転写される。
【0051】
樹脂発泡体22aの領域W2(図5の要部拡大図参照)は、該領域W2に存在する小気泡24bの平均径が小さいため、延性に富む。したがって、シート状積層体38が吸引された際、図7に示されるように、該領域W2は、小気泡24bがわずかに伸張された状態で樹脂製カバー4aを介して凹型7に密着する。勿論、これに応じて、樹脂製カバー4aも凹型7に密着するので、結局、シート状積層体38は、引けを生じることなく凹型7に密着する。これにより、積層樹脂成形品20の屈曲部位Rの寸法精度が著しく向上する。
【0052】
しかも、小気泡24bはわずかに伸張されるのみであり、したがって、小気泡24bを開始点とするクラックが発生することが回避される。その上、上記したように領域W2は架橋樹脂からなる。このため、屈曲部位Rの強度が低下することもない。
【0053】
次いで、第5工程S5において、図8に示すように、図示しない圧縮ガス供給機構から凹型7のガス吸気孔10(図7参照)を介して圧縮ガスをキャビテイ8、8に供給する。または、ガス吸気孔10を大気開放するようにしてもよい。この状態で、図示しない前記排気機構により凸型6のガス吸気孔9および樹脂基材体2a、2aに形成された孔部11を介してキャビテイ8、8内のガスを真空引きする。これにより凸型6に吸着された樹脂基材体2a、2aに樹脂発泡体22aが前記接着剤を介して堅牢に密着接合され、その結果、樹脂基材体2aからなる基材層2、樹脂発泡体22aからなる中間層22および樹脂製カバー4aからなる表面層4がこの順序で互いに接合された積層樹脂成形品20、20が2個形成される。
【0054】
そして、所定時間が経過した後、キャビテイ8、8への圧縮ガスの供給およびキャビテイ8、8内のガスの真空引きを終了して型開きを行えば、図9に示すように、シート状積層体38により互いに連結された2個の積層樹脂成形品20、20が露呈する。
【0055】
最後に、両者を連結しているシート状積層体38を切断し、後加工を施せば、互いに左右対称な積層樹脂成形品20、20が得られるに至る。これら積層樹脂成形品20、20の各屈曲部位Rは、寸法精度および強度が優れる。したがって、積層樹脂成形品20の歩留まりが向上する。
【0056】
なお、上記した実施の形態においては、樹脂基材体2a上に樹脂発泡体22aと樹脂製カバー4aとが互いに接合されたシート状積層体38を接合するようにしたが、樹脂基材体2a上に樹脂発泡体22aを接合し、次いで該樹脂発泡体22a上に樹脂製カバー4aを接合するようにしてもよい。
【0057】
また、積層樹脂成形品20、20を連結するシート状積層体38の切断は、キャビテイ8、8内で行うようにしてもよい。
【0058】
さらに、この実施の形態では屈曲部位Rを例として説明したが、湾曲部位であっても同様に引けがなくかつ強度に優れたものとなる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、樹脂製の表皮が接合される側に存在する気泡の平均径が、表皮から離間する側に存在する気泡の平均径よりも小さいので、従来技術に係る積層樹脂成形品に比して、屈曲部位の寸法精度および強度が優れた積層樹脂成形品を得ることができるという効果が達成される。
【0060】
上記の効果は、特に、鋭利な屈曲部位において顕著である。すなわち、鋭利な屈曲部位を有する積層樹脂成形品を製造する場合においても、該屈曲部位の表面層に引けのない高品質でかつ強度に優れた積層樹脂成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る積層樹脂成形品の概略縦断面図である。
【図2】図1において円C1で囲繞した部分の拡大図である。
【図3】図1において円C2で囲繞した部分の拡大図である。
【図4】成形装置により樹脂基材体を作製した状態を示す一部省略縦断面図である。
【図5】樹脂基材体と凹型との間にシート状積層体を配置した状態を示す一部省略縦断面図およびシート状積層体の要部拡大図である。
【図6】キャビテイを形成した状態で該キャビテイ内のガスを真空引きしている状態を示す一部省略縦断面図である。
【図7】図6において円C3で囲繞した部分の要部拡大図である。
【図8】凹型を介してキャビテイ内へ圧縮ガスを供給するとともに凸型からキャビテイ内のガスを排出している状態を示す一部省略縦断面図である。
【図9】製造された積層樹脂成形品の概略縦断面図である。
【図10】従来技術に係る積層樹脂成形品の概略縦断面図およびその要部拡大図である。
【図11】図10に示す積層樹脂成形品を製造する際にキャビテイ内のガスを真空引きしている状態を示す一部省略縦断面図である。
【符号の説明】
1、20…積層樹脂成形品 2…基材層
2a…樹脂基材体 3、22…中間層
3a、22a…樹脂発泡体 4…表面層
4a…樹脂製カバー 5、24a、24b…気泡
6…凸型 7…凹型
8、34…キャビテイ 9、10…ガス吸気孔
11…孔部 30…下型
32…上型 38…シート状積層体
R…屈曲部位 W1、W2…領域

Claims (3)

  1. 発泡体と、前記発泡体に接合される樹脂からなる表皮とを有する積層樹脂材であって、
    前記発泡体においては、前記表皮が接合される側の架橋の度合いが前記表皮から離間する側に比して大きく、且つ該表皮が接合される側に存在する気泡の平均径が、前記表皮から離間する側に存在する気泡の平均径よりも小さいことを特徴とする積層樹脂材。
  2. 請求項1記載の積層樹脂材において、当該積層樹脂材は、自動車の室内に配設される内装用部材を構成することを特徴とする積層樹脂材。
  3. 請求項2記載の積層樹脂材において、前記内装用部材は、インストルメンタルパネルであることを特徴とする積層樹脂材。
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