JP3830658B2 - 成形品の製造方法及びその方法に用いる切離工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車のドアトリムなどの比較的大型の真空成形品に適した製造方法、およびそれに用いる切離工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、成形品を製造する場合には、成形品となるべきシートを加熱軟化させたうえで、金型の型面に真空引きによって密着させ、シートを成形する。その後、このシートを金型から離型し冷却させる。次いで、シートの周縁部を成形品となるべき部分から切り離すことにより、所望の成形品を得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
成形品が自動車のドアトリムのように比較的大型である場合には、シートを冷却する際、シートの全体が一様に冷却されることがなく、ある部分は比較的速く冷却され、他の部分は比較的遅く冷却される。冷却が速い部分では収縮の度合いも大きいのに対して、冷却が遅い部分では収縮の度合いも小さい。そのため、成形済みのシートが冷却に伴って変形するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、請求項1に係る発明は、加熱軟化したシートを真空成形する際に、上記シートに、成形品となるべき部分の外周縁に沿って環状に延びる溝を同時に形成し、その後、上記溝を構成するシートの周縁部を上記成形品となるべき部分から切り離すことを特徴とする。
このシートは、オレフィン系樹脂で構成されていることが望ましい。
【0005】
請求項3に係る発明は、上記製造方法に用いる切離工具であって、上記溝に沿って摺動可能なガイド部と、このガイド部にこれと一体に移動するように設けられ、上記シートの周縁部を上記成形品となるべき部分から切り離す刃部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、図4に示す自動車のドアトリム(成形品)Aの成形装置30を示したものである。成形装置30は、雌型の金型31と、この金型31の内部に形成された空洞310にパイプ32を介して接続された真空ポンプ33と、ドアトリムAとなるべきシート1の周縁部を挟持する挟持枠34と、シート1を加熱する加熱機35とを備えている。
【0007】
金型31の上面には、シート1を成形するための型面311が形成されており、型面311には空洞310に通じる多数の小孔(図示せず)が形成されている。型面311の中央部には、図1において両端矢印の一点鎖線で示す範囲にわたってドアトリム成形用型部312が設けられている。型面311の周縁部には、ドアトリム成形用型部312の外周縁に沿って凸部313が設けられている。凸部313は、ドアトリム成形用型部312の外周縁の接線方向に直交する縦断面が半円状をなしており、ドアトリム成形用型部312の全周を取り囲むことによって環状をなしている。
シート1は、ポリプロピレンやポリエチレンなどのオレフィン系樹脂で構成されており、成形前は薄い平板状をなしている。
【0008】
成形装置30によってドアトリムAを成形する方法について説明する。
先ず、シート1を挟持枠34によって挟持する。次いで、このシート1を加熱機35によって加熱し軟化させる。そのうえで、図1において太線の矢印で示すように、挟持枠34を金型31の側に相対移動させ、シート1を金型31の上面外周部314に押し当てる。これによって、シート1と型面311との間の空間が密封される。そして、真空ポンプ33を駆動することによって空洞310内の空気を真空引きし、上記小孔を介してシート1と型面311との間の密封空間内の空気を真空引きする。これによって、図2に示すように、シート1が型面311に密着する。その結果、シート1には、ドアトリム成形用型部312によってドアトリムAとなるべき部分1aが成形される。それと同時に、シート1の周縁部1b(ドアトリムAとなるべき部分1a以外の部分)には、凸部313によってドアトリムAとなるべき部分1aの外周縁に沿う溝1b’が成形される。
【0009】
図5に示すように、溝1b’は、幅方向の断面が半円状をなし、シート1の裏側(同図において下)に向けて窪んでいる。また、図3に示すように、環状をなし、ドアトリムAとなるべき部分1aの全周を取り囲んでいる。
【0010】
上記のようにして真空成形されたシート1は、その後、金型31から離型され床などに置かれて冷却される。この時、シート1の全体が均一に冷却されないので、ドアトリムAとなるべき部分1aが変形しようとする。ところが、ドアトリムAとなるべき部分1aが、溝1b’によって全周を囲まれており、溝1b’は、構造的に曲げに対する抵抗力が強く、変形を起こしにくい。したがって、ドアトリムAとなるべき部分1aもほとんど変形することがない。
【0011】
冷却後、シート1の周縁部1bをドアトリムAとなるべき部分1aから切り離す。これによって、ドアトリムAが得られる。
ところで、冷却途中のドアトリムAとなるべき部分1a内には、溝1b’によって変形が抑制される結果、内部応力が発生している。この内部応力が残留した状態で周縁部1bを切り離すと、ドアトリムAが内部応力によって変形するおそれがある。しかし、シート1がオレフィン系樹脂で構成されているため、常温まで冷却した後、1日程度経過すれば、このような内部応力が消滅する。したがって、その後に切離作業を行うことにすれば、溝1b’が無くてもドアトリムAが変形することはない。
【0012】
切離作業には、図6に示す専用の切離工具20を用いるとよい。切離工具20は、軸部21とカッター22とを備えている。軸部21には貫通孔21aが形成されており、この貫通孔21aにカッター(刃部)22が軸部21と直交するようにして貫通嵌合されている。軸部21の上端部には、切離工具を把持するためのグリップ21bが設けられている。一方、軸部21の下端部には、半球状をなすガイド部21cが設けられている。このガイド部21cは、溝1b’に沿って摺動可能になっている。
【0013】
この切離工具20を用いてシート1の周縁部1bを切り離す方法について説明する。
先ず、ガイド部21cを溝1b’の内部に挿入しながら、カッター22の刃先22aをドアトリムAとなるべき部分1aの外周縁1a’に突き刺し、シート1の裏側に貫通させる。このとき、カッター22の後端部22bが溝1b’の外側の周縁部1bの平坦部1b”に当接し、軸部21が垂直に立つことになる。そして、ガイド部21cを溝1b’に沿って摺動させる。これによって、カッター22がドアトリムAとなるべき部分1aの外周縁1a’に沿って移動し、シート1の周縁部1bをドアトリムAから切り離すこととなる。
【0014】
このように、上記構成のシート1及び切離工具20では、溝1b’が切離工具20のガイドになるので、極めて容易にドアトリムAからシート1の周縁部1bを切り離すことができる。また、この実施の形態では、カッター22の後端部22bを平坦部1b”に当接させることによって切離工具20の姿勢を安定させることができるので、切離作業が一層容易になる。
【0015】
図7は、本発明の他の実施の形態に係るドアトリムAの成形装置30Bを示したものである。成形装置30Bが、成形装置30と同一の構成部分については、同一符号を付して、説明を省略する。成形装置30Bは、雄型の金型31Bを有している。金型31Bの型面311Bの周縁部には、ドアトリム成形用型部312Bの外周縁に沿って凹部313Bが設けられている。凹部313Bは、ドアトリム成形用型部312Bの全周を取り囲むことによって環状をなしている。この凹部313Bによって、シート1の周縁部1bには、ドアトリムAとなるべき部分1aの外周縁に沿う溝1b’が成形される。
【0016】
この発明は、ドアトリムAに限らず、自動車のピラートリムやルーフライナなど、その他の比較的大型の成形品にも適用することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明では、離型後冷却の際の成形品となるべき部分の変形を防止することができる。
請求項2に係る発明では、切離作業によって溝が無くなっても成形品が変形することがない。
請求項3に係る発明では、溝をガイドにすることによってシートの周縁部を成形品となるべき部分から容易に切り離すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る成形装置を真空引き前の状態で示した正面図である。
【図2】上記成形装置を真空引きした状態で示した正面図である。
【図3】上記成形装置で成形されたシートの平面図である。
【図4】上記シートから切り出したドアトリムの平面図である。
【図5】図3のX−X線断面図である。
【図6】図5において、シートの周縁部を切り離す様子を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る成形装置を真空引きした状態で示した正面図である。
【符号の説明】
A ドアトリム(成形品)
1 シート
1b 周縁部
1b’ 溝
20 切離工具
21c ガイド部
22 カッター(刃部)
Claims (3)
- 加熱軟化したシートを真空成形する際に、上記シートに、成形品となるべき部分の外周縁に沿って環状に延びる溝を同時に形成し、その後、上記溝を構成するシートの周縁部を上記成形品となるべき部分から切り離すことを特徴とする成形品の製造方法。
- 上記シートがオレフィン系樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の成形品の製造方法。
- 上記溝に沿って摺動可能なガイド部と、このガイド部にこれと一体に移動するように設けられ、上記シートの周縁部を成形品となるべき部分から切り離す刃部とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の成形品の製造方法に用いる切離工具。
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- 1998-04-22 JP JP12816498A patent/JP3830658B2/ja not_active Expired - Fee Related
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