JP3889699B2 - 不揮発性半導体記憶装置及びそのデータ書き込み方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置及びそのデータ書き込み方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は不揮発性半導体記憶装置に係わり、特に不揮発性半導体記憶装置へのデータ書き込みに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に典型的なNAND型EEPROMの電気的接続図を示す。NAND型EEPROMはメモリセルとしてNAND型セルを有する。NANND型セルは、互いのソースとドレインを接続し、直列に並んだセルトランジスタで構成される。NAND型セルは、隣接するセルトランジスタどうしでソースとドレインを共用するのでビット線とセルとのコンタクトを減らすことができ、高密度化に適する。また、多数のセルトランジスタのゲートを、ワード線WLを介して同時に駆動するので、多数のセルトランジスタに対し、データを高速に書き込み/読み出すことが可能である。
【0003】
反面、NAND型EEPROMは、選択したセルトランジスタからデータを読み出すために、NAND型セル内の非選択のセルトランジスタは、全てオンさせなければならない。そのため、各セルトランジスタのしきい値は、一定の範囲内に制御される。例えば、しきい値が低すぎると、非書き込みセルとの分離できず、逆に高すぎると非選択セルとなった場合にオンすることができなくなるからである。
【0004】
セルトランジスタのしきい値を制御する一例として、ベリファイ動作付き書き込みのフローを図2に示す。ワード線WLに書き込みゲート電位(Vpgm)を与えて書き込みを行った後、ワード線WLにベリファイ読み出しゲート電位(Vverify)を与えて読み出しを行う。この時、書き込みを行っていない非選択のワード線WLには、十分に高い読み出しゲート電位(Vread)が与えられ、非選択のセルトランジスタはオンしている。このような状態で、選択したセルトランジスタがオンした場合、セルトランジスタのしきい値が低すぎる、即ち書き込みが不十分と判定され、Vpgmを所定の量(ΔVpgm)だけ上昇させて次の書き込みを行う。この技術はステップアップ書き込みと呼ばれ、例えば、特許文献1、2、非特許文献1に記載されている。一方、選択したセルトランジスタがオフした場合、セルトランジスタのしきい値は十分高まったと判定でき、書き込みを終了させる。実際の書き込みはワード線WLを介した多数のセルトランジスタで同時に行っているため、書き込みの終了は後述する書き込み禁止状態へ変更することを表す。
【0005】
図3に上記NAND型EEPROMのデータ書き込み時のタイムチャートの一例を示す。図中のノード名は図1と統一してある。図1中のビット線BLkを書き込みビット線、ビット線BLk+1、BLk−1を書き込み抑制ビット線とする。書き込み時は、ビット線側の選択トランジスタSG1のゲートに所定のゲート電位(Vsg)を与える。次に、書き込みを行うビット線BLkには十分低い電位(VBLpgm)を与える。Vsgは、VBLpgmに対し、選択トランジスタSG1を十分オンできる電位に設定する。一方、書き込みを禁止するビット線BLk+1、BLk−1には、十分高い電位(VBLinhibit)を与える。VBLinhibitは、選択トランジスタSG1が十分オフする電位に設定する。ビット線にVBLpgmを与えた場合、選択トランジスタSG1がオンし、VBLpgmがセルトランジスタに伝えられ、セルトランジスタのチャネル電位が十分低下して書き込みが行われる。一方、ビット線BLにVBLinhibitを与えた場合、選択トランジスタSG1がオフし、セルトランジスタのチャネル電位が下がらず書き込みは行われない。この状態が書き込み禁止状態である。
【0006】
最初の書き込みの際には、書き込みを行うセルトランジスタに接続されたビット線BLkにVBLpgmを、書き込みを禁止するセルトランジスタに接続されたビット線BLk+1、BLk−1にVBLinhibitをそれぞれ与えた後、ワード線WLにVpgmを与える。続いてビット線BLを所定の初期充電電位に充電した後、ワード線WLにVverifyを与えてベリファイ読み出しを行う。セルトランジスタがオンしてビット線BLが放電された場合には、書き込みが不十分であるため次回の書き込み時も書き込みを行う。一方、セルトランジスタがオフしてビット線BLが放電されなかった場合には、書き込みが十分であるため次回の書き込み時にはビット線BLの電位をVBLinhibitに変更し、書き込み禁止状態とする。書き込みが不十分と判定されたセルトランジスタに対しては、ワード線WLの電位をVpgm+ΔVpgmに増加させ、追加の書き込みを行う。このように、書き込みに続いてセルトランジスタのしきい値のベリファイを行い、その結果をもとに、次の書き込み時に書き込みを行うか禁止するかの制御を行う。これらの動作を、ワード線WLの電位を次第に上昇させながら全てのセルトランジスタの書き込みが終了するまで繰り返す。これにより、セルトランジスタのしきい値は、所望の範囲内に制御される。即ちセルトランジスタの最低しきい値がVverifyであり、書き込み終了後のしきい値分布幅はΔVpgmで決定される。このため、Vverifyを非書き込みセルに対して十分高く設定し、Vverify+ΔVpgmを、Vreadに対して十分低く設定すれば、所望のしきい値分布が得られる。セルトランジスタの書き込み時のしきい値分布の変化を図4に示す。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−169284号公報
【0008】
【特許文献2】
米国特許第5,555,204号明細書
【0009】
【非特許文献1】
G.J.Hemink, T.Tanaka, T.Endoh, S.Aritome, and R.Shirota
“Fast and accurate programming method for multi-level NAND flash EEPROM's",
in SYMP. VLSI Technology Dig. Tech. Papers, June 1995, pp.129-130.
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図4で、セルトランジスタの書き込み特性バラツキがWvtであったとすると、所望のしきい値分布を得るためには、以下の条件を満たさなければならない。
【0011】
・最初の書き込みWL電位:最も書き込み速度の早いセルがVverify+ΔVpgm以上に書き込まれないこと
・最後の書き込みWL電位:最も書き込み速度の遅いセルがVverify以上に書き込まれること
この間書き込みWL電位をΔVpgmづつ増加させていく必要があるため、全部のセルトランジスタの書き込みを行うための書き込み回数をNloopとすると、Nloopは次の式で示される。
【0012】
Nloop ≧ Wvt/ΔVpgm
この式に示されるように、書き込み回数Nloopは、セルトランジスタの書き込み特性バラツキWvtが大きいほど増加する。書き込み特性バラツキWvtは微細化に伴い大きくなりつつある。このため、微細化の進展に伴って書き込み速度が低下する、という事情が顕在化しつつある。
【0013】
また、書き込み回数NloopはΔVpgmを小さくするほど増加する。ΔVpgmを小さくすると、セルトランジスタのしきい値分布幅が細かく、かつ高精度に制御できる。これは、例えば、読み出し電位Vreadの低下や、多値メモリに有用な技術である。例えば、多値メモリは、読み出し電位Vread以下に複数のデータ順位を持つ。このため、多値メモリは、二値メモリに比較してセルトランジスタのしきい値分布幅をさらに細かに、かつ高精度に制御されなければならない。このように、セルトランジスタのしきい値分布幅が細かく、かつ高精度に制御しようとすると、書き込み回数Nloopが増え、書き込み速度が低下してしまう。
【0014】
この発明は上記事情に鑑み為されたもので、その目的は、高速な書き込み動作を行いつつ、かつ高精度なしきい値分布幅制御を可能とする不揮発性半導体記憶装置及びそのデータ書き込み方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1態様に係る不揮発性半導体記憶装置は、第1の方向に沿って形成された複数の配線と、前記複数の配線それぞれに、選択トランジスタを介して接続された、不揮発性メモリセルトランジスタを含むメモリセルと、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って並ぶ前記不揮発性メモリセルトランジスタのゲート電極を各々接続するワード線と、前記複数の配線それぞれに接続された駆動回路とを具備し、前記駆動回路は、ベリファイ動作において前記不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値を検知する検知回路と、前記検知されたしきい値を記憶する記憶回路と、前記記憶回路に記憶されたしきい値に基づき、前記ベリファイ動作に続く書き込み動作において前記配線の電位を3つ以上の電位に設定する電位設定回路とを具備し、前記3つ以上の電位は、データ書き込みを禁止する書き込み禁止電位、データ書き込みを行う書き込み電位、及び前記書き込み禁止電位と前記書き込み電位との間の電位を持ち、書き込み量を抑制しながらデータ書き込みを行う書き込み抑制電位を含み、前記ベリファイ動作に続く書き込み動作の際、ワード線電位を前記ベリファイ動作前のデータ書き込み時のワード線電位よりもステップアップし、前記ワード線電位のステップ幅は、前記書き込み電位と前記書き込み抑制電位との電位差の整数倍であり、前記書き込み電位及び前記書き込み抑制電位が前記配線に与えられ、前記ステップアップされたワード線電位がワード線に与えられた時、前記選択トランジスタをオン状態とし、前記書き込み禁止電位が前記配線に与えられ、前記ステップアップされたワード線電位が前記ワード線に与えられたとき、前記選択トランジスタをオフ状態とする。
【0016】
この発明の第2態様に係る不揮発性半導体記憶装置のデータ書き込み方法は、不揮発性メモリセルトランジスタにデータを書き込み、前記データが書き込まれた不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値をベリファイし、この結果に基づき、OKならばビット線の電位を、データ書き込みを禁止する書き込み禁止電位とし、NGならば前記ビット線の電位を、前記不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値に応じてデータ書き込みを行う書き込み電位、あるいは前記書き込み禁止電位と前記書き込み電位との間にあり、書き込み量を抑制しながらデータ書き込みを行う1つ以上の書き込み抑制電位として前記不揮発性メモリセルトランジスタにデータを追加書き込みし、前記データを追加書き込みする際、ワード線電位を前記ベリファイ前のデータ書き込み時のワード線電位よりもステップアップし、前記ワード線電位のステップ幅は、前記書き込み電位と前記書き込み抑制電位との電位差の整数倍であり、前記書き込み電位及び前記書き込み抑制電位が前記ビット線に与えられ、前記ステップアップされたワード線電位がワード線に与えられた時、ビット線側の選択トランジスタをオン状態とし、前記書き込み禁止電位が前記ビット線に与えられ、前記ステップアップされたワード線電位が前記ワード線に与えられたとき、前記ビット線側の選択トランジスタをオフ状態とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0018】
(第1実施形態)
まず、この発明の第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置が行う書き込み動作について説明する。図5A〜図5Dはそれぞれ、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置が書き込み動作の際に行う電位制御の一例を示す図である。
【0019】
図5Aはビット線BLに書き込み電位(VBLpgm)を与え、ワード線WLに書き込みゲート電位(Vpgm)を与えて、選択されたセルトランジスタ(以下選択セルと略す)に書き込みを行った場合を示す。この時、VBLpgmは、ビット線側の選択トランジスタSG1のゲート電位(Vsg)よりも十分低く設定する。これにより、選択トランジスタSG1はオン状態となり、選択セルのチャネル電位がVBLpgmまで下がり、選択セルにはVpgmで決定されるしきい値までデータが書き込まれる。次に、ベリファイ動作によって選択セルのしきい値をベリファイした後、ワード線WLの電位を所定の量(ΔVpgm×2)上昇させて、次の書き込み動作に移行する。この次の書き込み動作において、第1の実施形態では書き込み状態として3つの状態が選択される。
【0020】
(i) 書き込み状態
書き込み電位VBLpgmがビット線BLに与えられ、ステップアップされた書き込みゲート電位Vpgm+(ΔVpgm×2)がワード線WLに与えられる。この場合、選択セルには前回の書き込み同様に書き込みが行われ、そのしきい値はワード線電位の上昇分、即ちΔVpgm×2上昇する。この状態を図5Bに示す。
【0021】
(ii) 書き込み抑制状態
書き込み抑制電位VBLpgm+ΔVpgmがビット線BLに与えられ、ステップアップされた書き込みゲート電位Vpgm+(ΔVpgm×2)がワード線WLに与えられる。この時、ビット線側の選択トランジスタSG1が十分オン状態となるように、VBLpgm+ΔVpgm及びVsgを設定する。この場合、選択セルには書き込みが行われるが、選択セルのチャネルには(i)の場合よりもΔVpgm×2−ΔVpgm=ΔVpgmだけ高い電位が転送される。このため、ワード線電位の上昇分ΔVpgm×2のうちΔVpgm分相殺され、その結果、選択セルのしきい値はΔVpgm上昇する。この状態を図5Cに示す。
【0022】
(iii) 書き込み禁止状態
書き込み禁止電位VBLinhibitがビット線BLに与えられ、ステップアップされた書き込みゲート電位Vpgm+(ΔVpgm×2)がワード線WLに与えられる。この時、ビット線側の選択トランジスタSG1はオフ状態となり、選択セルのチャネル電位は下がらず書き込みは行われない。その結果、選択セルのしきい値は上昇しない。この状態を図5Dに示す。
【0023】
上記(i)〜(iii)の3つの書き込み状態を選択することで、選択セルのしきい値上昇に対して、それぞれ“ΔVpgm×2”、“ΔVpgm”、“上昇無し”の3つの結果を期待することができる。
【0024】
次に、上記書き込み動作の間に行われるベリファイ動作の第1例について説明する。図6は、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置が行うベリファイ動作の第1例を示す流れ図である。
【0025】
図6に示すように、まず、ワード線WLの電位をVpgmとして選択セルにデータを書き込む(ST.1)。
【0026】
書き込み終了後に、選択セルが満たさなければならない最低のしきい値をVverifyとする。この場合、まず、ワード線WLの電位をVverify−ΔVpgmとして選択セルからデータを読み出す(ST.2:ベリファイ1)。読み出しの結果、選択セルがオンし、ビット線BLの電位が低下したとする。ビット線BLの電位を低下させたセルをA群とする(if NG)。A群のセルのしきい値はVverify−ΔVpgmより低い。
【0027】
次に、ワード線WLの電位をVverifyとして選択セルからデータを読み出す(ST.3:ベリファイ2)。この時、選択セルに電流が流れ、ビット線BLの電位を低下させたセルで、かつA群に含まれないセルをB群とする(if NG)。B群のセルのしきい値はVverify−ΔVpgm以上であり、かつVverifyより低い。A群及びB群のどちらにも含まれなかった残りのセルをC群とする。C群のセルのしきい値はVverify以上である。この後、ワード線WLの電位をΔVpgm×2上昇させて、追加書き込みを行う(ST.4:追加書き込み)。追加書き込みの際、A群、B群、C群のセルを、それぞれ(i)、(ii)、(iii)の状態に対応させる。追加書き込み前後の状態について以下にまとめる。
【0028】
A群…(i)書き込み状態:
・追加書き込み前のしきい値はVverify−ΔVpgm以下
・追加書き込み中のしきい値上昇はΔVpgm×2
・追加書き込み後のしきい値はVverify+ΔVpgm以下
・追加書き込みで制御可能なしきい値幅はΔVpgm×2
B群…(ii)書き込み抑制状態:
・追加書き込み前のしきい値はVverify−ΔVpgm以上、かつVverifyより低い
・追加書き込み中のしきい値上昇はΔVpgm
・追加書き込み後のしきい値はVverify以上、かつVverify+ΔVpgm以下
・追加書き込みで制御可能なしきい値幅はΔVpgm
C群…(iii)書き込み禁止状態:
・追加書き込み前のしきい値はVverify以上
・追加書き込み中のしきい値上昇は無し
・追加書き込み後のしきい値は追加書き込み前の状態を維持
上記書き込み動作時の電位制御、及び第1例に係るベリファイ動作にそれぞれ従った際の動作波形例を図7に示しておく。
【0029】
次に、ベリファイ動作の第2例について説明する。図8は、第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置が行うベリファイ動作の第2例を示す流れ図である。上記第1例では、ワード線WLの電位をVverify−ΔVpgmとしてベリファイした後、ワード線WLの電位をVverifyとして再度ベリファイすることで、3つの書き込み状態(i)〜(iii)を判定した。3つの書き込み状態(i)〜(iii)は、ワード線WLの電位をVverifyとしてベリファイした後、ワード線WLの電位をVverify−ΔVpgmとして再度ベリファイすることでも判定できる。本第2例はそのように判定する例である。
【0030】
図8に示すように、まず、ワード線WLの電位をVpgmとして選択セルにデータを書き込む(ST.1)。
【0031】
書き込み終了後に、ワード線WLの電位をVverifyとして選択セルからデータを読み出す(ST.2:ベリファイ1)。読み出しの結果、選択セルがオフし、ビット線BLが放電されなかった場合には追加書き込み前のしきい値はVverify以上であると判定し(if OK)、ビット線BLの電位をVBLinhibitとする(ST.3:書き込み終了)。選択セルがオンし、ビット線BLが放電された場合には、ビット線BLの電位の設定を次の読み出しの結果に委ねる(if NG)。
【0032】
次に、ワード線WLの電位をVverify−ΔVpgmとして選択セルからデータを読み出す(ST.4:ベリファイ2)。読み出しの結果、選択セルがオフし、ビット線BLが放電されなかった場合には、追加書き込み前のしきい値はVverify−ΔVpgm以上、かつVverifyより低いと判定し(if OK)、ビット線BLの電位をVBLpgm+ΔVpgmとする(ST.5:書き込み抑制状態へ)。選択セルがオンし、ビット線BLが放電された場合には、追加書き込み前のしきい値はVverify−ΔVpgm以下と判定し(if NG)、ビット線BLの電位をVBLpgmとする(ST.6:書き込み状態へ)。この後、ワード線WLの電位をΔVpgm×2上昇させて、追加書き込みを行う(ST.7:追加書き込み)。
【0033】
上記書き込み動作時の電位制御、及び第2例に係るベリファイ動作にそれぞれ従った際の動作波形例を図9に示しておく。
【0034】
本第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置によれば、次のような利点を得ることができる。書き込みに掛かる時間をTpgm、ベリファイに掛かる時間をTverifyとする。これらの時間には電位が安定するまでの時間や、書き込み動作時、ベリファイ動作時に電位が与えられるノードを初期状態に復旧する時間など、実際に動作パルスを発生させるために必要な全ての時間を含むものとする。図10に示すように、典型例(Conventional)と第1実施形態(Proposed)とを比較すると、第1実施形態では、書き込み電位をΔVpgm×2上昇させるまでに、書き込み動作(WRITE)が一回分少なくなる。このため、書き込み電位をΔVpgm×2上昇させるまでの時間は、典型例に対してTpgm短くなる。これにより、高速な書き込み動作が行える。また、書き込み時の電位制御として書き込み抑制電位を設定するので、制御可能なしきい値幅は、ΔVpgm×2ではなく、ΔVpgmとなる。これにより、しきい値幅の制御を、典型例と同等に高精度に行うことができる。しかも、電位制御はビット線BL毎に個別に行うので、しきい値分布幅制御を、セルトランジスタ一つ一つに対して高精度に行うことができる。
【0035】
また、ベリファイ動作をより詳細に説明すると、ワード線電位設定時間、ビット線プリチャージ時間、ビット線放電時間、ビット線電位センス時間、電位復旧時間の主に5つの時間からなる。ベリファイ動作の第2例に従った図9の動作波形図には、ベリファイ動作を二回の独立した読み出し動作としている。しかし、ワード線電位設定時間、及びビット線放電時間を適切に設定することにより、ビット線電位センス時間後に、ワード線電位のみを変更して、ビット線からの追加放電を行う一連の読み出しとして行うことも可能である。これは、ベリファイ動作の第1例に従った図7に示されている。故に、ベリファイ動作の第1例では、その第2例に比べて、ビット線プリチャージ時間、及び電位復旧時間をそれぞれ一回づつ少なくでき、より高速動作が可能となる、という利点がある。
【0036】
また、書き込み抑制状態では、選択ゲートSG1が十分オンするという状態さえ満たせば、ビット線電位を、さらに上昇させることが可能である。このため、例えば、追加書き込み時に、ワード線電位をΔVpgm×3ずつ上昇させたい場合は、書き込み状態として次の4つ選択することも可能である。
【0037】
(i) 書き込み状態
・ビット線電位=VBLpgm
(ii) 書き込み抑制状態1
・ビット線電位=VBLpgm+ΔVpgm
(iii) 書き込み抑制状態2
・ビット線電位=VBLpgm+ΔVpgm×2
(iv) 書き込み禁止状態
・ビット線電位=VBLinhibit
4つの書き込み状態(i)〜(iV)を判定するには、例えば、ワード線WLに与える電位をVverify−ΔVpgm×2、Vverify−ΔVpgm、Vverifyの3つとし、合計3回の読み出しを行えば良い。この場合、制御されるしきい値幅は典型例と同等に保ちながら、書き込み電位をΔVpgm×3上昇させるまでの時間を、典型例に対してTpgm×2短縮することが可能である。
【0038】
同様に、追加書き込み時に、ワード線電位をΔVpgm×nずつ上昇させたい場合には、書き込み状態として次のn+1個を選択することも可能である。ただし、nは1以上の整数である。
【0039】
(i) 書き込み状態
・ビット線電位=VBLpgm
(ii) 書き込み抑制状態1
・ビット線電位=VBLpgm+ΔVpgm
(iii) 書き込み抑制状態2
・ビット線電位=VBLpgm+ΔVpgm×2

(n) 書き込み抑制状態n−1
・ビット線電位=VBLpgm+ΔVpgm×n−1
(n+1) 書き込み禁止状態
・ビット線電位=VBLinhibit
n+1の書き込み状態(i)〜(n+1)を判定するには、例えば、ワード線WLに与える電位をVverify−ΔVpgm×(n−1)、Vverify−ΔVpgm×(n−2)、…、Vverify−ΔVpgm×2、Vverify−ΔVpgm、Vverifyのn個とし、合計n回の読み出しを行えば良い。この場合、制御されるしきい値幅は典型例と同等に保ちながら、書き込み電位をΔVpgm×n上昇させるまでの時間を、典型例に対してTpgm×(n−1)短縮することが可能である。
【0040】
以上、第1実施形態によれば、書き込み時のビット線に離散的な電位を設定可能なメモリにおいて、それぞれについて適切に設定されたべリファイ読み出しを行い、その結果によって次回の書き込み時のビット線電位を決定させることにより、しきい値の制御精度の劣化を最低限に抑えながら、高速な書き込み動作が可能となる。あるいは、書き込み速度の劣化を最低限に抑えながら、しきい値制御精度を向上させることが可能である。
【0041】
本第1実施形態での書き込み時のビット線電位の上限は、選択ゲートSG1が十分オンすることの条件で与えられる。そのため、ΔVpgmが小さい場合、例えば、多値メモリのように、高精度のしきい値制御が必要な場合に、その利点をよりよく得ることが可能である。
【0042】
本第1実施形態では、ベリファイ時のワード線電位変動の最小量が、書き込み時のビット線電位変動の最小量と同一として説明したが、適切な校正法が規定され、書き込み時のビット線電位の上昇により抑制されるしきい値分と1対1に対応してさえいれば、上述した読み出し方法と異なるベリファイ手法を選択しても、この発明に係るしきい値制御の実現が可能であることは明らかである。
【0043】
例えば、選択セルのしきい値は、ベリファイ動作において選択セルのゲート電極に与える電位を変更する他、ベリファイ動作においてビット線に与える初期充電電位、ビット線の電位を判定する判定基準電位、及びビット線電位を判定する判定基準時間の少なくともいずれか1つを変更し、ベリファイ読み出しを2回以上行って検知することが可能である。また、これらベリファイ手法を様々に組み合わせることも可能である。
【0044】
また、例えば、ベリファイ電位として負のワード線電位が必要になった場合、セルトランジスタの存在する基板あるいは共通ソース線に正バイアスを加えて読み出しを行う手法が一般的であるが、必要なワード線電位などの条件により複数のベリファイ手法を組み合わせて使用することも可能である。
【0045】
(第2実施形態)
図11は、読み出し時に選択セルを流れるセル電流の時間推移を示した図である。選択したビット線BLを所定の電位に昇圧し、選択ゲート及び非選択WLをオンさせる。この時選択したワード線WLには判定を行いたいしきい値に対応した電位を与える。ベリファイ時の場合は、選択セルの満たさなければならない最低しきい値、即ちVverifyを与える場合もあるが、セルトランジスタ特性などから選択セルのしきい値を最も精度よく算出可能な電位に設定しても良い。選択セルのしきい値がVverifyに対して低い場合は、セル電流が流れてビット線の電位が低下していく。逆に選択セルのしきい値が高い場合、セル電流は流れずビット線電位は高いまま保持される。選択セルのしきい値がVverifyより低い場合でも、セルトランジスタの電流特性により、セル電流は選択セルのしきい値がVverifyに近づくに従って減少していく。ビット線電位の時間推移は、ビット線容量をセル電流で放電する過渡特性であり、セル電流が多いほど短時間でビット線電位は低下し、セル電流が少ないとビット線電位の低下は遅くなる。
【0046】
上記特性を利用したベリファイ方法を図12に示す。図12は、しきい値がVverify−ΔVpgm×4、Vverify−ΔVpgm×3、Vverify−ΔVpgm×2、Vverify−ΔVpgm×1、Vverify、の場合のセル電流の時間推移を示す。ビット線BLには、ビット線電位が所定の電位Vsenseを下回った時間(放電時間)を記憶する回路を接続する。上記しきい値の場合の放電時間をそれぞれ、Tsense1、Tsense2、Tsense3、Tsense4、Tsense5、とする。セル電流とビット線の放電特性とは一対一に対応するため、上記放電時間から選択セルのしきい値を算出することができる。そのため、放電時間を測定し、書き込み時のビット線電位に反映させることにより、しきい値の制御精度の劣化を最低限に抑えながら、高速な書き込み動作が可能となる。放電時間と選択セルのしきい値、書き込み時のビット線電位の組み合わせの一例を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003889699
第2実施形態での放電時間と、書き込み時のビット線電位との関係を図13に示す。表1に示した例は図中の白丸で表すが、放電時間を連続的な値で記録し、かつ書き込み時のビット線電位も連側的な電位を設定すれば、書き込み後のしきい値分布幅は限りなく0に近づけることが可能である。その場合のビット線電位は、図13中の直線によって規定される。放電時間がTsense1より短いものは、選択セルのしきい値がまだ低すぎるため、ビット線にVBLpgmを与えて書き込み状態とする。逆にTsense5より長いものは、選択セルのしきい値がVverifyを超えているので、ビット線にVBLinhibitを与えて書き込み禁止状態とする。
【0048】
(第3実施形態)
別のベリファイ方法を利用した第3実施形態を図14に示す。図14は、読み出し時に選択セルを流れるセル電流の時間推移を示した図である。本第3実施形態が第2実施形態と異なるところは次の通りである。第2実施形態では、選択セルのしきい値を、ベリファイ動作においてビット線の電位が所定電位Vsenseに達する時間に基づき検知した。対して本第3実施形態では、選択セルのしきい値を、ベリファイ動作において所定時間Tsense経過時のビット線の電位に基づき検知する。図14は、しきい値がVverify−ΔVpgm×4、Vverify−ΔVpgm×3、Vverify−ΔVpgm×2、Vverify−ΔVpgm×1、Vverify、の場合のセル電流の時間推移を示す。ビット線BLには、所定時間Tsense経過時のビット線の電位を記憶する回路を接続する。上記しきい値の場合の放電後のビット線電位をそれぞれ、Vsense1、Vsense2、Vsense3、Vsense4、Vsense5、とする。セル電流とビット線の放電特性とは一対一に対応するため、上記放電後のビット線電位から選択セルのしきい値を算出することができる。そのため、放電後のビット線電位を測定し、書き込み時のビット線電位に反映させることにより、しきい値の制御精度の劣化を最低限に抑えながら、高速な書き込み動作が可能となる。放電後のビット線電位と選択セルのしきい値、書き込み時のビット線電位の組み合わせの一例を表2に示す。
【0049】
【表2】
Figure 0003889699
第3実施形態での放電後のビット線BL電位と、書き込み時のビット線電位との関係を図15に示す。表2に示した例は図中の白丸で表すが、放電後のビット線電位を連続的な値で記録し、かつ書き込み時のBL電位も連側的な電位を設定すれば、書き込み後のしきい値分布幅は限りなく0に近づけることが可能である。その場合のビット線電位は、図15中の直線によって規定される。放電後のビット線電位がVsense1より低いものは、選択セルのしきい値がまだ低すぎるため、ビット線にVBLpgmを与えて書き込み状態とする。逆にVsense5より高いものは、選択セルのしきい値がVverifyを超えているので、ビット線にVBLinhibitを与えて書き込み禁止状態とする。
【0050】
(第4実施形態)
第4実施形態として、上記第1〜第3実施形態に不揮発性半導体記憶装置を実現できる装置構成の一例を説明する。
【0051】
図16は、第4実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示すブロック図である。
【0052】
図16に示すように、列方向(COLUMN)に沿って複数のビット線BL(BLk−1〜BLk+1)が形成されている。ビット線BLには、それぞれ不揮発性メモリセルトランジスタMCを含むメモリセルが接続されている。本例ではメモリセルの一例としてNAND型セル(NAND cell)を例示する。列方向と交差する行方向(ROW)に沿って並ぶセルトランジスタMCのゲート電極は、ワード線WL(WL1〜WL8)を介して各々接続されている。ビット線BLにはそれぞれ、データ読み出し時に、初期充電電位、例えば、読み出し電位(VBLread)を与える充電回路1、及びビット線駆動回路2がそれぞれ接続されている。充電回路1にはそれぞれ、例えば、読み出し制御信号Sreadが与えられる。充電回路1は制御信号Sreadに従ってビット線BLを初期充電電位に充電する。これにより、一つのワード線WLに接続された複数のセルトランジスタMCからデータが同時に読み出される。駆動回路2にはそれぞれ、検知回路(Detection CKT.)21、記憶回路(Storage CKT.)22、電位設定回路23が含まれている。検知回路21は、例えば、書き込みベリファイ動作においてセルトランジスタのしきい値を検知する。検知回路21の具体的一例はセンス回路である。記憶回路22は、検知回路21によって検知されたしきい値を記憶する。記憶回路22の具体的一例はデータラッチ回路である。記憶回路22は、第1実施形態に従えば2回以上行ったベリファイ読み出しの結果を記憶し、第2実施形態に従えばビット線BLの電位が所定電位Vsenseに達した時間を記憶し、第3実施形態に従えば所定時間Tsense経過時のビット線BLの電位を記憶する。このようにして記憶回路22は、選択セルのしきい値を記憶する。電位設定回路23は、記憶回路22に記憶されたしきい値に基づき、書き込みベリファイ動作に続く書き込み動作においてビット線BLの電位を、データ書き込みを禁止する書き込み禁止電位VBLinhibit、データ書き込みを行う書き込み電位VBLpgm、及びVBLinhibitとVBLpgmとの間の電位を持ち、書き込み量を抑制しながらデータ書き込みを行う書き込み抑制電位VBLpgm+ΔVpgmに設定する。不揮発性半導体記憶装置を、例えば、上記構成とすることにより、第1〜第3実施形態により説明した電位制御、ベリファイ動作を実現することができる。なお、図16には、ビット線BLk−1をVBLinhibit(V3)に、ビット線BLkをVBLpgm(V1)に、ビット線BLk+1をVBLpgm+ΔVpgm(V2)に設定している状態が示されている。
【0053】
(第5実施形態)
第5実施形態として、上記実施形態で説明した不揮発性半導体記憶装置を使用したアプリケーションの一例を説明する。
【0054】
図17は、この発明の第5実施形態に係るメモリカードの一例を示すブロック図である。
【0055】
図17に示すように、メモリカード97には、主記憶であるメモリチップ(Flash memory)92と、メモリチップ92を制御するコントローラチップ(controller)91とが含まれている。図17には、コントローラチップ91に含まれるいくつかの回路ブロックのうち、特に主記憶に関係する回路ブロックのみを説明する。
【0056】
主記憶に関係する回路ブロックとしては、例えば、シリアル/パラレル及びパラレル/シリアルインターフェース(Serial/Parallel and Parallel/Serial Interface)93、ページバッファ(Page Buffer)94、メモリインターフェース(Memory Interface)95が含まれる。
【0057】
インターフェース93は、データをメモリチップ92に書き込む際、例えば、シリアルな入力データ(Input data)を、パラレルな内部データに変換する。変換されたパラレルな内部データは、ページバッファ94に入力され、ここに蓄積される。蓄積された内部データは、メモリインターフェース95を介して、メモリチップ92に書き込まれる。
【0058】
また、データを、メモリカード97から読み出す際には、メモリチップル92から読み出したデータを、メモリインターフェース95を介して、ページバッファ94に入力し、ここに蓄積する。蓄積された内部データは、インターフェース93に入力され、ここでパラレルな内部データが、シリアルな出力データ(Output data)に変換されて、メモリカード97の外に出力される。
【0059】
このようなコントローラチップ91.及びメモリチップ92が、図17に示すように、カード型外装体(Card type Package)に収容、あるいは搭載、あるいは貼り付けられることで、メモリカードとして機能する。
【0060】
上記実施形態により説明した不揮発性半導体記憶装置は、メモリチップ92内のメモリ回路96に使用される。上記実施形態により説明した半導体記憶装置は、高速な書き込み動作を行いつつ、かつ高精度なしきい値分布幅制御を可能とする。従って、上記実施形態に係る半導体記憶装置を使用したメモリカード97によれば、メモリカード97と、これが接続される電子機器との間でのデータのやりとり、特に電子機器からのデータ書き込みを高速に行える、という利点を得ることができる。この利点故に、上記実施形態に係る半導体記憶装置を使用したメモリカード97は、高速なデータ書き込みを要求される電子機器、例えば、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、パーソナルデジタルアシスタント等の記録メディアとして有用である。
【0061】
以上、上記実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置によれば、書き込みベリファイの結果に従い、ビット線電位を個別に制御することにより、メモリセルのしきい値の制御精度を劣化させずに書き込み動作の高速化を図ることができる。
【0062】
また、この発明は、上記実施形態それぞれに限定されるものではなく、その実施にあたっては、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。例えば、上記実施形態ではメモリセルの一例としてNAND型セルを例示したが、この発明はNAND型セルを含むNAND型不揮発性半導体記憶装置に限って適用されるものではない。例えば、図18に示すように、AND型セルを含むAND型不揮発性半導体記憶装置にも適用することができるし、NAND型、AND型以外の不揮発性半導体記憶装置にも適用することができる。
【0063】
また、上記実施形態はそれぞれ、単独で実施することが可能であるが、適宜組み合わせて実施することも、もちろん可能である。
【0064】
また、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、各実施形態において開示した複数の構成要件の適宜な組み合わせにより、種々の段階の発明を抽出することも可能である。
【0065】
また、上記実施形態では、この発明を不揮発性半導体記憶装置に適用した例に基づき説明したが、上述したような不揮発性半導体記憶装置を内蔵した半導体集積回路装置、例えばプロセッサ、システムLSI等もまた、この発明の範疇である。
【0066】
【発明の効果】
この発明によれば、高速な書き込み動作を行いつつ、かつ高精度なしきい値分布幅制御を可能とする不揮発性半導体記憶装置及びそのデータ書き込み方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は典型例に係る不揮発性半導体記憶装置を示すブロック図
【図2】図2は典型例に係る不揮発性半導体記憶装置が行うベリファイ動作を示す流れ図
【図3】図3は典型例に係る不揮発性半導体記憶装置の動作波形を示す動作波形図
【図4】図4はベリファイ前後のしきい値分布を示す図
【図5】図5A、図5B、図5C及び図5Dはこの発明の第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置が行う電位制御の一例を示す図
【図6】図6はこの発明の第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置が行うベリファイ動作の第1例を示す流れ図
【図7】図7はこの発明の第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作波形の第1例を示す動作波形図
【図8】図8はこの発明の第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置が行うベリファイ動作の第2例を示す流れ図
【図9】図9はこの発明の第1実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の動作波形の第2例を示す動作波形図
【図10】図10はこの発明の第1実施形態の書き込みと典型的な書き込みとを対比して示す図
【図11】図11は読み出し時におけるビット線電位VBLと時間との関係を示す図
【図12】図12はこの発明の第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置が行うベリファイ方法の一例を示す図
【図13】図13はこの発明の第2実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込み時のビット線電位と放電時間との関係を示す図
【図14】図14はこの発明の第3実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置が行うベリファイ方法の一例を示す図
【図15】図15はこの発明の第3実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置の書き込み時のビット線電位と放電後のビット線電位との関係を示す図
【図16】図16はこの発明の第4実施形態に係る不揮発性半導体記憶装置を示すブロック図
【図17】図17はこの発明の第5実施形態に係るメモリカードの一例を示すブロック図
【図18】 図18はこの発明を適用できる不揮発性半導体記憶装置を示すブロック図
【符号の説明】
1…充電回路、2…ビット線駆動回路、21…検知回路、22…記憶回路、23…電位設定回路、91…コントローラチップ、92…メモリチップ、93…シリアル/パラレル及びパラレル/シリアルインターフェース、94…ページバッファ、95…メモリインターフェース、96…メモリ回路、97…メモリカード

Claims (16)

  1. 第1の方向に沿って形成された複数の配線と、
    前記複数の配線それぞれに、選択トランジスタを介して接続された、不揮発性メモリセルトランジスタを含むメモリセルと、
    前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って並ぶ前記不揮発性メモリセルトランジスタのゲート電極を各々接続するワード線と、
    前記複数の配線それぞれに接続された駆動回路とを具備し、
    前記駆動回路は、ベリファイ動作において前記不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値を検知する検知回路と、
    前記検知されたしきい値を記憶する記憶回路と、
    前記記憶回路に記憶されたしきい値に基づき、前記ベリファイ動作に続く書き込み動作において前記配線の電位を3つ以上の電位に設定する電位設定回路と
    を具備し、
    前記3つ以上の電位は、データ書き込みを禁止する書き込み禁止電位、データ書き込みを行う書き込み電位、及び前記書き込み禁止電位と前記書き込み電位との間の電位を持ち、書き込み量を抑制しながらデータ書き込みを行う書き込み抑制電位を含み、
    前記ベリファイ動作に続く書き込み動作の際、ワード線電位を前記ベリファイ動作前のデータ書き込み時のワード線電位よりもステップアップし、
    前記ワード線電位のステップ幅は、前記書き込み電位と前記書き込み抑制電位との電位差の整数倍であり、
    前記書き込み電位及び前記書き込み抑制電位が前記配線に与えられ、前記ステップアップされたワード線電位がワード線に与えられた時、前記選択トランジスタをオン状態とし、前記書き込み禁止電位が前記配線に与えられ、前記ステップアップされたワード線電位が前記ワード線に与えられたとき、前記選択トランジスタをオフ状態とすることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  2. 前記不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値は、
    前記ベリファイ動作において
    前記不揮発性メモリセルトランジスタのゲート電極に与える電位、
    前記配線に与える初期充電電位、
    前記配線の電位を判定する判定基準電位、及び
    前記配線の電位を判定する判定基準時間、
    の少なくともいずれか1つを変更し、前記ベリファイ読み出しを2回以上行って検知されることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 前記記憶回路は、前記2回以上行ったベリファイ読み出しの結果を記憶することを特徴とする請求項2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  4. 前記不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値は、
    前記ベリファイ動作において前記配線の電位が所定電位に達する時間に基づき検知されることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  5. 前記記憶回路は、前記配線の電位が前記所定電位に達した時間を記憶することを特徴とする請求項4に記載の半導体集積回路装置。
  6. 前記不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値は、
    前記ベリファイ動作において所定時間経過時の前記配線の電位に基づき検知されることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  7. 前記記憶回路は、前記所定時間経過時の前記配線の電位を記憶することを特徴とする請求項6に記載の半導体集積回路装置。
  8. 前記3つ以上の電位は、各々個別に設定された離散値であることを特徴とする請求項1、2、4及び6いずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  9. 前記書き込み抑制電位は、前記しきい値情報に基づき、前記書き込み禁止電位と前記書き込み電位とを結ぶ連続値から選ばれ、設定されることを特徴とする請求項1、4及び6いずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  10. 前記メモリセルはNAND型セルであることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  11. 前記メモリセルはAND型セルであることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  12. 不揮発性メモリセルトランジスタにデータを書き込み、
    前記データが書き込まれた不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値をベリファイし、この結果に基づき、
    OKならばビット線の電位を、データ書き込みを禁止する書き込み禁止電位とし、
    NGならば前記ビット線の電位を、前記不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値に応じてデータ書き込みを行う書き込み電位、あるいは前記書き込み禁止電位と前記書き込み電位との間にあり、書き込み量を抑制しながらデータ書き込みを行う1つ以上の書き込み抑制電位として前記不揮発性メモリセルトランジスタにデータを追加書き込みし、
    前記データを追加書き込みする際、ワード線電位を前記ベリファイ前のデータ書き込み時のワード線電位よりもステップアップし、
    前記ワード線電位のステップ幅は、前記書き込み電位と前記書き込み抑制電位との電位差の整数倍であり、
    前記書き込み電位及び前記書き込み抑制電位が前記ビット線に与えられ、前記ステップアップされたワード線電位がワード線に与えられた時、ビット線側の選択トランジスタをオン状態とし、前記書き込み禁止電位が前記ビット線に与えられ、前記ステップアップされたワード線電位が前記ワード線に与えられたとき、前記ビット線側の選択トランジスタをオフ状態とすることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置のデータ書き込み方法。
  13. 前記不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値は、
    ワード線電位をベリファイ電位と異なる電位としてデータを読み出し判定されることを特徴とする請求項12に記載の不揮発性半導体記憶装置のデータ書き込み方法。
  14. 前記ベリファイ電位とこのベリファイ電位と異なる電位との電位差は、前記書き込み電位と前記書き込み抑制電位との電位差と等しいことを特徴とする請求項13に記載の不揮発性半導体記憶装置のデータ書き込み方法。
  15. 前記不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値は、前記ビット線の電位を初期充電電位としてデータを読み出し、前記ビット線の電位が前記初期充電電位から所定電位に達した時間に基づき判定されることを特徴とする請求項12乃至請求項14いずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置のデータ書き込み方法。
  16. 前記不揮発性メモリセルトランジスタのしきい値は、前記ビット線の電位を初期充電電位としてデータを読み出し、所定時間経過時の前記ビット線の電位に基づき検知されることを特徴とする請求項12乃至請求項14いずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置のデータ書き込み方法。
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