JP3888917B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地域又は集合住宅を電力供給対象として発電する発電手段、その発電手段からの排熱が供給される排熱回収用熱交換器、前記地域又は集合住宅に含まれる複数の住戸を給湯対象として湯水を貯留する貯湯槽、その貯湯槽に給水する槽用給水手段、前記排熱回収用熱交換器と前記貯湯槽とにわたって湯水を循環させる排熱回収用循環手段、前記貯湯槽と前記複数の住戸とにわたる給湯用循環経路にて湯水を循環させる給湯用循環手段、前記複数の住戸のそれぞれに給水する住戸用給水手段、及び、運転を制御する運転制御手段が設けられ、
前記複数の住戸のそれぞれに、前記給湯用循環手段を通じて供給される湯水及び前記住戸用給水手段を通じて供給される水を用いて湯水需要部に給湯する給湯器が設けられたコージェネレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるコージェネレーションシステムは、地域又は集合住宅に含まれる複数の住戸(以下、供給対象住戸群と称する場合がある)に、発電手段にて電力を供給し、並びに、排熱回収用循環手段により、発電手段の排熱が供給される排熱回収用熱交換器と貯湯槽とにわたって湯水を循環させて貯湯槽の湯水を加熱し、給湯用循環手段にて、貯湯槽と供給対象住戸群とにわたる給湯用循環経路にて湯水を循環させることにより、発電手段の排熱を回収して加熱した湯水を供給対象住戸群に供給し、各住戸においては、給湯用循環手段にて供給される湯水及び住戸用給水手段を通じて供給される水を用いて給湯器にて給湯栓等の湯水需要部に給湯するように構成したものである。
例えば、給湯用循環手段にて供給される湯水の温度が、給湯器にて設定される目標給湯温度以上の場合には、給湯器の加熱手段の加熱作動が停止して、そのまま湯水需要部に給湯され、一方、給湯用循環手段にて供給される湯水の温度が、給湯器にて設定される目標給湯温度よりも低い場合には、給湯用循環手段にて供給される湯水を目標給湯温度になるように加熱手段にて追焚して湯水需要部に給湯される。
そして、かかるコージェネレーションシステムにおいては、多くの場合、発電手段を連続して運転するのではなく、例えば、毎日、電力需要の多い時間帯に対応して、設定時間の間運転し、他の時間帯は停止させるというように、断続的に運転するものであり、そのように断続的に発電手段を運転することにより、発電手段の耐用年数を長くすることができるようにしている。
従って、発電停止時は、発電手段からの排熱発生が無いので、発電手段の排熱による貯湯槽の湯水の加熱が停止されることになる。
【0003】
かかるコージェネレーションシステムにおいては、従来、例えば、図11に示すように、貯湯槽3を密閉式に構成して、槽用給水手段Wbは、水道からの水を水道圧にて貯湯槽3に供給する給水路71にて構成して、貯湯槽3に常時、満水状態で湯水を貯留するように構成し、給湯用循環手段Csは、給湯用循環経路14と、その給湯用循環経路14に設けた給湯用循環ポンプ73にて構成し、排熱回収用循環手段Ceは、貯湯槽3と排熱回収用熱交換器2とにわたる循環経路を形成する排熱回収用循環経路74と、その排熱回収用循環経路74に設けた排熱回収用循環ポンプ75にて構成したものが開示されている(例えば、特開平7−324809号公報参照)。図11中において、Kは、給湯用循環手段Csにて供給される湯水を加熱して給湯栓等の湯水需要部に供給すべく、各住戸に設けられた給湯器である。
【0004】
図11に示す従来のコージェネレーションシステムにおいては、排熱回収用循環ポンプ75を作動させることにより、排熱回収用循環手段Ceを湯水循環作動させ、給湯用循環ポンプ73を作動させることにより給湯用循環手段Csを湯水循環作動させることになることから、運転制御手段Uは、排熱回収用循環ポンプ75及び給湯用循環ポンプ73を備えて構成されている。
そして、図11に示す従来のコージェネレーションシステムにおいては、発電手段の運転を停止させる発電停止時においては、槽用給水手段Wbは、常時満水状態で湯水を貯留すべく貯湯槽3に給水するように構成し、運転制御手段Uは、常時、排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動を停止させ且つ給湯用循環手段Csを湯水循環作動させるように構成することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、発電停止時は、槽用給水手段にて、貯湯槽に常時、満水状態で湯水を貯留するように給水しながら、給湯用循環手段を常時、湯水循環作動させるように運転すると、発電手段の排熱による貯湯槽の加熱が無いにもかかわらず、貯湯槽には満水状態になるように給水され、又、貯湯槽の湯水が常時、給湯用循環経路を通じて循環して、給湯用循環経路を循環する間の放熱量が多いことから、貯湯槽の湯水の温度低下が大きくなる。
従って、給湯用循環手段にて各住戸に供給される湯水の温度が低くなるので、各住戸において、目標給湯温度にて給湯するための給湯器の加熱手段による加熱量(以下、追焚加熱量と称する場合がある)が多くなり、もって、給湯に係るエネルギーコストを低減する上で、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、給湯に係るエネルギーコストを低減し得るように運転できるコージェネレーションシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の特徴構成は、前記運転制御手段は、前記発電手段の運転が停止される発電停止時において、前記槽用給水手段の給水作動及び前記排熱回収用循環手段の湯水循環作動を停止させ且つ前記給湯用循環手段を湯水循環作動させる循環運転状態と、前記槽用給水手段の給水作動、前記排熱回収用循環手段の湯水循環作動及び前記給湯用循環手段の湯水循環作動を停止させる循環停止運転状態とに運転状態を切り換え自在に構成されていることにある。
請求項1に記載の特徴構成によれば、運転制御手段により、循環運転状態に運転状態を切り換えると、槽用給水手段の給水作動及び排熱回収用循環手段の湯水循環作動が停止した状態で、貯湯槽の湯水が給湯用循環経路を通じて循環し、循環停止運転状態に運転状態を切り換えると、槽用給水手段の給水作動及び排熱回収用循環手段の湯水循環作動が停止し、給湯用循環経路を通じての貯湯槽の湯水の循環も停止する。
つまり、循環運転状態では、槽用給水手段の給水作動が停止した状態で、貯湯槽の湯水が給湯用循環経路を通じて循環するので、給水停止により貯湯槽の湯水の温度低下を抑制しながら、各住戸においては、給湯用循環経路を循環する貯湯槽の湯水を用いて給湯することが可能となり、一方、循環停止運転状態では、槽用給水手段の給水作動が停止し、且つ、給湯用循環経路を通じての貯湯槽の湯水の循環も停止するので、貯湯槽への給水が停止し、且つ、給湯用循環経路を湯水が循環している間の放熱がなくなることにより、貯湯槽の湯水の温度低下を効果的に抑制することが可能となる。
ちなみに、循環停止運転状態にて運転されている間は、給湯用循環経路を通じての貯湯槽の湯水の循環が停止するので、各住戸では、住戸用給水手段にて供給される水を用いて、給湯器にて給湯することになる。
つまり、供給対象住戸群での給湯用循環手段にて循環される湯水の使用量(以下、循環湯水使用量と称する場合がある)は、例えば、1日の各時間帯で異なるというように、時間経過と共に変化するのが通常である。
そこで、発電停止時において、循環湯水使用量が少ないときは、循環停止運転状態にて運転し、循環湯水使用量が多いときは循環状態で運転するようにすることにより、供給対象住戸群全体として、発電停止時の給湯器による給湯において、追焚加熱量を低減することが可能となる。
つまり、循環停止運転状態での運転により、供給対象住戸群の各住戸における給湯においては、貯湯槽の湯水を用いずに住戸用給水手段からの水のみを用いることになるにしても、循環停止運転状態での運転によって、貯湯槽の湯水の温度低下を極力抑制できるようにし、循環運転状態で運転するときには、極力高温の湯水を供給対象住戸群に供給できるようにして、各住戸の給湯器での追焚加熱量を極力少なくするようにする。すると、循環停止運転状態での運転時における追焚加熱量の増加分を、循環停止運転状態での運転によって貯湯槽の温度低下が抑制されることによる循環運転状態での運転時の追焚加熱量の減少分よりも少なくなるようにすることが可能となり、供給対象住戸群全体として、発電時の給湯器による給湯において、追焚加熱量を低減することが可能となるのである。
ちなみに、発電手段を、電力需要の多い時間帯(例えば、18時から翌日の2時までの間)に運転するようにすると、その電力需要の多い時間帯の終わりの方の時間帯(例えば、0時から2時までの間)は、一般に温水需要が少なくて、循環湯水使用量が少なくなるので、貯湯槽の湯水の温度を高い状態(例えば、50〜60°C程度)に保った状態で、発電停止状態とすることが可能となる。
そして、2時から始まる発電停止時において、その始まりの時間帯(例えば2時から6時までの間)は、温水需要が少ないので、その時間帯の間は循環停止運転状態にて運転すると、発電手段の停止時点では貯湯槽の湯水の温度が高温状態に保たれていることから、循環運転状態での運転開始時点では、貯湯槽の湯水の温度を追焚がほとんど不要な温度 (例えば45°C程度)に保つことが可能となって、追焚加熱量を効果的に少なくすることが可能となる。
又、循環停止運転状態に運転状態を切り換えると、給湯用循環手段の湯水循環作動が停止するので、給湯用循環手段を駆動するためのエネルギー消費量を低減することが可能となる。
従って、追焚加熱量を低減することが可能となると共に、給湯用循環手段を駆動するためのエネルギー消費量を低減することができるので、給湯に係るエネルギーコストを低減し得るように運転できるコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の特徴構成は、前記複数の住戸での前記給湯用循環手段にて循環される湯水の使用状態を判別する判別手段が設けられ、
前記運転制御手段は、前記判別手段の判別情報に基づいて、前記循環運転状態と前記循環停止運転状態とに運転状態を自動的に切り換えるように構成されていることにある。
請求項2に記載の特徴構成によれば、判別手段により、複数の住戸での給湯用循環手段にて循環される湯水の使用状態(以下、循環湯水使用状態と称する場合がある)が判別され、その判別手段の循環湯水使用状態の判別結果に基づいて、運転制御手段により、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態が自動的に切り換えられる。
つまり、判別手段にて、循環湯水使用量の少ない循環湯水使用状態であると判別されるときは、運転制御手段により循環停止運転状態にて運転され、判別手段にて、循環湯水使用量が多い循環湯水使用状態であると判別されるときは、運転制御手段により循環運転状態にて運転されるように、運転することが可能となる。
従って、給湯に係るエネルギーコストを低減し得るように自動的に運転状態が切り換えられて運転されて、一層使い勝手に優れたコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
【0009】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の特徴構成は、前記運転制御手段は、前記循環運転状態においては、前記貯湯槽の湯水貯留量が設定下限量以下になる場合には、前記湯水貯留量を前記設定下限量に維持するように、前記槽用給水手段の給水作動を制御するように構成されていることにある。
請求項3に記載の特徴構成によれば、循環運転状態においては、貯湯槽の湯水貯留量が設定下限量以下になると、湯水貯留量を設定下限量に維持するように、槽用給水手段の給水作動が制御される。
つまり、発電停止時には、発電手段からの排熱発生が無く、貯湯槽の湯水の加熱が停止しているので、貯湯槽の湯水の温度低下を抑制すべく、槽用給水手段による給水を停止していても、貯湯槽の湯水貯留量が少なくなって、設定下限量以下になると、湯水貯留量を設定下限量に維持するように給水されるので、貯湯槽に湯水が無くなって供給対象住戸群への貯湯槽からの湯水の供給が途絶えることが無いように、運転することが可能となる。
従って、発電停止時において温水需要の多い時間帯では供給対象住戸群への貯湯槽からの湯水の供給が途絶えることが無いようにしながら、給湯に係るエネルギーコストを低減し得るように運転できるコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
【0010】
〔請求項4記載の発明〕
請求項4に記載の特徴構成は、前記給湯器は、前記給湯用循環手段を通じて供給される湯水と前記住戸用給水手段を通じて供給される水との混合又は加熱手段による加熱により、目標給湯温度にて給湯するように構成されていることにある。
請求項4に記載の特徴構成によれば、給湯器により、給湯用循環手段を通じて供給される湯水と住戸用給水手段を通じて供給される水との混合又は加熱手段による加熱により、目標給湯温度にて湯水需要部に給湯される。
つまり、給湯用循環手段を通じて供給される湯水の温度が目標給湯温度よりも高いときは、目標給湯温度になるように、給湯用循環手段を通じて供給される湯水と住戸用給水手段を通じて供給される水とが混合され、給湯用循環手段を通じて供給される湯水の温度が目標給湯温度よりも低いときは、加熱手段により目標給湯温度になるように加熱される。
従って、給湯に係るエネルギーコストを低減し得るように運転でき、しかも、目標給湯温度にて給湯されて使い勝手の良いコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
【0011】
〔請求項5記載の発明〕
請求項5に記載の特徴構成は、前記発電停止時において前記給湯用循環手段を通じて前記複数の住戸に供給される湯水の供給量又は熱量を熱負荷として検出する熱負荷検出手段と、その熱負荷検出手段にて検出される熱負荷を記憶する記憶手段が設けられ、
前記判別手段は、前記記憶手段の記憶情報に基づいて、運転対象日における前記発電停止時の熱負荷を予測する熱負荷予測手段を備えて構成され、
前記運転制御手段は、前記熱負荷予測手段の予測情報に基づいて、前記循環運転状態と前記循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるように構成されていることにある。
請求項5に記載の特徴構成によれば、熱負荷検出手段にて、給湯用循環手段を通じて複数の住戸に供給される湯水の供給量又は熱量が熱負荷として検出され、そのように熱負荷検出手段にて検出される熱負荷が記憶手段に記憶される。
そして、判別手段を構成する熱負荷予測手段により、記憶手段の記憶情報に基づいて、運転対象日における熱負荷が予測され、運転制御手段により、熱負荷予測手段の予測情報に基づいて、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態が自動的に切り換えられる。
つまり、循環湯水使用状態は、給湯用循環手段を通じて複数の住戸に供給される湯水の供給量又は熱量の多少により判別することができる。
そこで、熱負荷検出手段にて、給湯用循環手段を通じて複数の住戸に供給される湯水の供給量又は熱量を熱負荷として検出し、そのように熱負荷検出手段にて検出される熱負荷を記憶手段に記憶しておくようにして、その記憶手段の記憶情報に基づいて、運転対象日の熱負荷を熱負荷予測手段にて予測するように構成する。そして、運転制御手段により、発電停止時に、熱負荷予測手段の予測情報に基づいて、供給対象住戸群での給湯器による給湯において追焚加熱量を低減することが可能となるように、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を切り換えることが可能となる。
ちなみに、時刻を計時する計時手段を備えて判別手段を構成し、予め、循環湯水使用量が少ないと予想される発電停止時低給湯負荷時間帯を設定しておいて、計時手段の計時情報に基づいて、発電停止時低給湯負荷時間帯の内外であることを判別することにより、循環湯水使用量が多いか少ないかの循環湯水使用状態を判別し、その判別情報に基づいて、運転制御手段により、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるよう構成することが考えられる。
そして、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるに当たって、本請求項5の特徴構成のように、運転対象日の熱負荷を予測して、その予測熱負荷に基づいて運転状態を切り換えるようにすると、前述のように発電停止時低給湯負荷時間帯を一義的に設定しておいて時間帯により一義的に運転状態を切り換えるようにする場合に比べて、実際の循環湯水使用状態に応じて適切に、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を切り換えることが可能となり、追焚加熱量の低減効果を一段と促進することが可能となる。
従って、給湯に係るエネルギーコストを一段と低減し得るように運転できるコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、コージェネレーションシステムは、集合住宅を電力供給対象として発電する発電手段としての発電機1、その発電機1からの排熱が供給される排熱回収用熱交換器2、集合住宅に含まれる複数の住戸Hを給湯対象として湯水を貯留する貯湯槽3、その貯湯槽3に給水する槽用給水手段Wb、排熱回収用熱交換器2と貯湯槽3とにわたって湯水を循環させる排熱回収用循環手段Ce、貯湯槽3と集合住宅に含まれる複数の住戸Hとにわたる給湯用循環経路14にて湯水を循環させる給湯用循環手段Cs、集合住宅に含まれる複数の住戸Hのそれぞれに給水する住戸用給水手段Ws、及び、コージェネレーションシステムの運転を制御する運転制御手段Uを設け、並びに、集合住宅に含まれる複数の住戸Hのそれぞれに、給湯用循環手段Csを通じて供給される湯水を用いて住戸Hにおける各湯水需要部に供給する給湯器Kを設けて構成してある。
【0013】
更に、コージェネレーションシステムには、商用電源62からの電力を一括して受電する受変電設備61と、発電機1を商用電源62と系統連系させる連系装置63とを設け、発電機1及び商用電源62からの電力を、集合住宅に含まれる各住戸H及び集合住宅における共用電力消費機器64に供給するように給電線65を配線してある。以下、集合住宅に含まれる複数の住戸Hにおける電力消費機器及び集合住宅における共用電力消費機器64をまとめて外部電力負荷と称する場合がある。
又、受変電設備61にて受電する電力を計測する一括受電電力計M6を設け、各住戸Hへの給電線65には、各住戸Hにて受電する電力を計測する住戸用電力計M7を設けてある。尚、発電機1からの電力を共用電力消費機器64に供給し、商用電源62からの電力を一括受電せずに各住戸Hに供給するようにしても良い。
【0014】
そして、本発明においては、運転制御手段Uは、発電機1が運転される発電時には、排熱回収用循環手段Ce及び給湯用循環手段Csを湯水循環作動させ且つ貯湯槽3の湯水貯留量が設定基準量以上になるように槽用給水手段Wbの給水作動を制御する通常運転状態と、排熱回収用循環手段Ce及び給湯用循環手段Csを湯水循環作動させ且つ貯湯槽3の湯水貯留量が前記設定基準量以上になるようにするための槽用給水手段Wbの給水作動の制御を停止する降温抑制運転状態とに運転状態を切り換え、且つ、発電機1の運転が停止される発電停止時には、槽用給水手段Wbの給水作動及び排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動を停止させ且つ給湯用循環手段Csを湯水循環作動させる循環運転状態と、槽用給水手段Wbの給水作動、排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動及び給湯用循環手段Csの湯水循環作動を停止させる循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるように構成してある。
【0015】
更に、運転制御手段Uは、マイクロコンピュータを利用したコントローラ5を備えて構成すると共に、供給対象住戸群での給湯用循環手段Csにて循環される湯水の使用状態、即ち、循環湯水使用状態を判別する判別手段Dを設けてある。そして、運転制御手段Uは、コントローラ5を用いて、判別手段Dの判別結果に基づいて、通常運転状態と降温抑制運転状態と循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を自動的に切り換えるように構成してある。
【0016】
又、運転制御手段Uは、降温抑制運転状態においては、貯湯槽3の湯水貯留量が設定基準量よりも少ない設定下限量以下になる場合には、湯水貯留量を設定下限量に維持するように、槽用給水手段Wbの給水作動を制御するように構成してある。
又、運転制御手段Uは、循環運転状態においては、貯湯槽3の湯水貯留量が設定下限量以下になる場合には、湯水貯留量を設定下限量に維持するように、槽用給水手段Wbの給水作動を制御するように構成してある。
【0017】
発電機1は、発電機用ガス供給路6を通じて供給される都市ガスを燃料とするガスエンジン(図示省略)を備えて、そのガスエンジンにて駆動する回転式に構成してある。図中のM1は、発電機用ガス供給路6に設けた共用部ガス流量計であり、発電機1におけるガス消費量が計測される。
そして、ガスエンジンを冷却するエンジン冷却水を、冷却水循環路7にてガスエンジンと排熱回収用熱交換器2とにわたって循環させるように構成してある。図中の8は、冷却水循環路7に設けた冷却水循環ポンプである。
【0018】
貯湯槽3は開放式に構成し、その貯湯槽3には、貯留される湯水の温度を検出する貯湯温検出手段としての貯湯温センサ10、及び、貯留される水位を検出する水位センサ9を設けてある。
【0019】
排熱回収用循環手段Ceは、貯湯槽3の底部から取り出した湯水を排熱回収用熱交換器2を経由し貯湯槽3の上部から戻すように流すべく配管した排熱回収用循環経路11と、その排熱回収用循環経路11に設けた排熱回収用循環ポンプ13を備えて構成してある。
つまり、排熱回収用循環ポンプ13を作動させると、排熱回収用循環手段Ceが湯水循環作動して、排熱回収用循環経路11を通じて湯水が貯湯槽3と排熱回収用熱交換器2とにわたって循環し、排熱回収用循環ポンプ13の作動を停止させると、排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動が停止する。
【0020】
槽用給水手段Wbは、給水源としての水道と貯湯槽3とに接続した槽用給水路4と、その槽用給水路4に設けて貯湯槽3への給水を断続する槽用給水路開閉弁V1とを備えて構成してある。つまり、槽用給水路開閉弁V1を開弁すると、槽用給水手段Wbが給水作動して、槽用給水路4を通じて水道水が貯湯槽3に給水され、槽用給水路開閉弁V1を閉弁すると、槽用給水手段Wbの給水作動が停止する。
【0021】
給湯用循環手段Csは、貯湯槽3の底部から取り出した湯水を集合住宅に含まれる複数の住戸Hを経由して貯湯槽3の上部に戻すように流すべく配管した給湯用循環経路14と、その給湯用循環経路14における住戸経由箇所よりも上流側に設けた給湯用循環ポンプ15と、給湯用循環経路14における住戸経由箇所よりも下流側に設けた給湯用循環経路開閉弁V2とを備えて構成し、各住戸Hには、給湯用循環経路14を流れる湯水を各住戸Hに供給する住戸用湯水供給路17を接続してある。
つまり、給湯用循環経路開閉弁V2を開弁し、給湯用循環ポンプ15を作動させると、給湯用循環手段Csが湯水循環作動して、給湯用循環経路14を通じて湯水が貯湯槽3と複数の住戸Hとにわたって循環し、給湯用循環経路開閉弁V2を閉弁し給湯用循環ポンプ15の作動を停止させると、給湯用循環手段Csの湯水循環作動が停止する。
【0022】
住戸用給水手段Wsは、水道と複数の住戸Hのそれぞれに接続した住戸用給水路16を備えて構成してある。
各住戸Hには、都市ガスを供給する住戸用ガス供給路18を接続してある。
そして、各住戸Hにおいては、住戸用湯水供給路17を給湯器Kに接続し、住戸用給水路16を給湯器K及び洗面所や台所の給水栓等の水消費部に接続し、住戸用ガス供給路18を給湯器K及びガスコンロ等のガス消費部に接続して、給湯用循環手段Csを通じて供給される湯水及び住戸用給水手段Wsを通じて供給される水を用いて湯水需要部に給湯するように構成してある。
【0023】
槽用給水路4には、貯湯槽3に給水される給水量を計測する共用部水道水流量計M2を設け、住戸用湯水供給路17には給湯用循環手段Csにて供給される湯水の流量を計測する湯水流量計M3を設け、住戸用ガス供給路18には住戸用ガス流量計M4を設け、住戸用給水路16には住戸用水道水流量計M5を設けてある。
【0024】
次に、コントローラ5の制御動作を説明する。
先ず、発電機1及び商用電源62により供給対象住戸群及び共用電力消費機器64に給電する給電制御について説明する。
コントローラ5は、1日に対して予め定められた時間帯(例えば、電力需要の多い時間帯として定めた18時から2時までの8時間)で発電機1を運転し、その他の時間帯は発電機1を停止させるように、発電機1を毎日自動運転する。
そして、発電機1の運転中は、外部電力負荷に対して発電機1にて給電されると共に、外部電力負荷に対して発電機1の出力が不足する場合には、その不足分が商用電源62にて補われる。
又、発電機1の停止中は、外部電力負荷に対して商用電源62にて給電される。
【0025】
次に、貯湯槽3の湯水を供給対象住戸群に供給する給湯制御について、図5ないし図9に基づいて説明する。
判別手段Dは、発電時においては、循環湯水使用状態として、貯湯槽3の湯水の温度低下が大きくて、通常運転状態から降温抑制運転状態に切り換えるべき状態である貯湯温低下状態、及び、貯湯槽3の湯水の温度低下が無くなって、降温抑制運転状態から通常運転状態に切り換えるべき状態である貯湯温上昇状態を判別し、又、発電停止時においては、循環湯水使用状態として、循環湯水使用量が多くて、循環運転状態を実行すべき状態である発電停止時高給湯負荷状態、及び、循環湯水使用量が少なくて、循環停止運転状態を実行すべき状態である発電停止時低給湯負荷状態を判別するように構成してある。
【0026】
ちなみに、貯湯温低下状態は、通常運転状態にて運転中に、供給対象住戸群における湯水使用量、即ち循環湯水使用量が増加して、貯湯槽3の湯水の温度が低下する傾向となって、その低下を抑制する必要がある状態に対応して設定し、貯湯温上昇状態は、降温抑制運転状態にて運転中に、循環湯水使用量が減少して、貯湯槽3の湯水の温度が上昇する傾向となって、その上昇を停止する必要がある状態に対応して設定する。又、発電停止時高給湯負荷状態及び発電停止時低給湯負荷状態の夫々は、循環湯水使用量が発電停止時低給湯負荷状態よりも発電停止時高給湯負荷状態の方が多くなる関係にて設定する。
【0027】
コントローラ5には、水位センサ9、貯湯温センサ10及び湯水流量計M3夫々の検出情報が入力され、それら入力情報に基づいて、冷却水循環ポンプ8、排熱回収用循環ポンプ13及び給湯用循環ポンプ15夫々の発停制御、槽用給水路開閉弁V1及び給湯用循環路開閉弁V2夫々の開閉制御を行うように構成してある。
又、コントローラ5の記憶部5mには、設定基準量に対応する設定基準水位及び設定下限量に対応する設定下限水位を予め設定して記憶させてある。
ちなみに、設定基準量としては、例えば、満水状態よりもやや少ない貯留量に設定し、設定下限量としては、例えば、循環湯水使用量が急増しても、貯湯槽3の貯留量がゼロになることがなくて、供給対象住戸群に途絶えることがなく安定して貯湯槽3から湯水を供給できるような貯留量の下限値に設定してある。
【0028】
コントローラ5は、発電機1の運転開始に伴って、通常運転状態を実行し、発電機1を運転している発電時には、通常運転状態を実行しているときに、判別手段Dが貯湯温低下状態を判別すると、通常運転状態から降温抑制運転状態に切り換え、その降温抑制運転状態を実行しているときに、判別手段Dが貯湯温上昇状態を判別すると、降温抑制運転状態から通常運転状態に切り換え、発電機1の運転を停止している発電停止時には、判別手段Dが発電停止時低給湯負荷状態を判別すると、循環停止運転状態にて運転し、判別手段Dが発電停止時高給湯負荷状態を判別すると、循環運転状態にて運転する。又、コントローラ5は、循環停止運転状態での運転を開始するのに伴って、各住戸Hの給湯器Kに対して循環停止運転開始情報を通信し、循環停止運転状態での運転を停止するのに伴って、循環停止運転終了情報を通信する。
【0029】
又、コントローラ5は、発電時は、貯湯温センサ10の検出情報に基づいて、貯湯槽3の湯水の温度が設定上限温度以上になると、運転状態を排熱回収停止運転状態に切り換え、貯湯槽3の湯水の温度が設定上限温度よりも低くなると、元の運転状態に切り換える。
【0030】
又、コントローラ5は、操作部22から点検運転の実行が指示されると、発電機1の運転を停止させると共に、判別手段Dの判別結果に関係なく、循環停止運転状態に運転状態を切り換える。
【0031】
以下、図5ないし図9に基づいて、各運転状態の制御動作について説明を加える。
通常運転状態においては、冷却水循環ポンプ8を作動させ、排熱回収用循環ポンプ13を作動させて、排熱回収用循環手段Ceを湯水循環作動させ、給湯用循環経路開閉弁V2を開弁し且つ給湯用循環ポンプ15を作動させて、給湯用循環手段Csを湯水循環作動させ、並びに、水位センサ9の検出情報に基づいて、貯湯槽3の湯水貯留水位を設定基準水位に維持するように、槽用給水路開閉弁V1を開閉制御して、槽用給水手段Wbの給水作動を断続する。
【0032】
図5に示すように、通常運転状態においては、エンジン冷却水は排熱回収用熱交換器2を通って循環し、貯湯槽3の湯水は、排熱回収用循環経路11にて排熱回収用熱交換器2を通って循環し、並びに、給湯用循環経路14にて複数の住戸Hを巡って循環し、貯湯槽3の湯水貯留水位が設定基準水位に維持されるように、槽用給水路4を通じて貯湯槽3に給水される。
つまり、貯湯槽3から取り出された湯水が排熱回収用熱交換器2におけるエンジン冷却水との熱交換作用にて加熱されて戻されることにより、貯湯槽3の湯水が加熱され、その貯湯槽3から取り出された湯水が複数の住戸Hにわたって循環し、各住戸Hにおいては、給湯器Kにより、給湯用循環経路14を循環する湯水を用いて給湯することになる。
【0033】
降温抑制運転状態においては、冷却水循環ポンプ8を作動させ、排熱回収用循環ポンプ13を作動させて、排熱回収用循環手段Ceを湯水循環作動させ、給湯用循環経路開閉弁V2を開弁し且つ給湯用循環ポンプ15を作動させて、給湯用循環手段Csを湯水循環作動させ、並びに、水位センサ9の検出情報に基づいて、貯湯槽3の湯水貯留水位が設定基準水位よりも低くなっても、槽用給水路開閉弁V1の閉弁状態を維持して槽用給水手段Wbの給水作動を停止させる状態で、貯湯槽3の湯水貯留水位が設定下限水位以下になると、湯水貯留水位を設定下限水位に維持するように、槽用給水路開閉弁V1を開閉制御して、槽用給水手段Wbの給水作動を断続する。
【0034】
図6に示すように、降温抑制運転状態においては、通常運転状態と同様に、エンジン冷却水は排熱回収用熱交換器2を通って循環し、貯湯槽3の湯水は、排熱回収用循環経路11にて排熱回収用熱交換器2を通って循環し、並びに、給湯用循環経路14にて複数の住戸Hを巡って循環するが、貯湯槽3の湯水貯留量が設定基準量よりも少なくなっても貯湯槽3への給水が停止されたままであり、貯湯槽3の湯水貯留量が更に少なくなって、設定下限量以下になると、貯湯槽3の湯水貯留量が設定下限量に維持されるように、槽用給水路4を通じて貯湯槽3に給水される。
従って、貯湯槽3の湯水貯留量が設定基準量よりも少なくなっても貯湯槽3への給水が停止されたままであることから、貯湯槽3の湯水の温度の低下が抑制されるので、温度低下が抑制された高温の湯水が複数の住戸Hにわたって循環することとなり、各住戸Hでの追焚加熱量を低減することが可能となる。
又、貯湯槽3の湯水貯留量が更に少なくなって、設定下限量以下になると、貯湯槽3の湯水貯留量が設定下限量に維持されるように給水されるので、貯湯槽3からの各住戸Hへの湯水の供給が途絶えることがない。
【0035】
排熱回収停止運転状態においては、冷却水循環ポンプ8を作動させ、排熱回収用循環ポンプ13を停止させて排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動を停止させ、給湯用循環経路開閉弁V2を開弁し且つ給湯用循環ポンプ15を作動させて、給湯用循環手段Csを湯水循環作動させる。
図7に示すように、排熱回収停止運転状態においては、エンジン冷却水は排熱回収用熱交換器2を通って循環するが、排熱回収用循環ポンプ13が停止しているので、排熱回収用循環経路11を通じて排熱回収用熱交換器2を通る貯湯槽3の湯水の循環は停止され、貯湯槽3の湯水は、給湯用循環経路14にて複数の住戸Hを巡って循環する。
従って、貯湯槽3の湯水が給湯用循環経路14にて複数の住戸Hにわたって循環して、各住戸Hにおいては、給湯器Kにより、給湯用循環経路14を循環する湯水を用いて給湯することになる。
【0036】
そして、貯湯槽3の湯水の量が少なくなるのに伴って、水位センサ9にて検出される貯湯槽3の水位が設定基準水位以下になると、槽用給水路開閉弁V1が開かれて、槽用給水路4を通じて貯湯槽3に給水されるので、貯湯槽3の湯水の温度が低下することになる。そして、貯湯温センサ10にて検出される貯湯槽3の湯水の温度が設定上限温度よりも低くなることに基づいて、コントローラ5は、排熱回収停止運転状態に切り換える前の運転状態に切り換える。
【0037】
循環停止運転状態においては、冷却水循環ポンプ8を停止させ、槽用給水路開閉弁V1を閉弁して槽用給水手段Wbの給水作動を停止させ、排熱回収用循環ポンプ13を停止させて、排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動を停止させ、給湯用循環経路開閉弁V2を閉弁し且つ給湯用循環ポンプ15を停止させて給湯用循環手段Csの湯水循環作動を停止させる。
【0038】
図8に示すように、循環停止運転状態においては、発電機1の運転が停止されて、発電機1からの排熱発生がないので、排熱回収用熱交換器2を通しての貯湯槽3の湯水の循環が停止された状態となり、しかも、その状態で、給湯用循環経路14を通じての貯湯槽3の湯水の循環も停止されるので、貯湯槽3の湯水を給湯用循環経路14を通じて循環させることによる放熱がないので、貯湯槽3の湯水の温度低下を抑制することが可能となる。このように循環停止運転状態が実行されているときは、各住戸Hにおいては、給湯器Kにより、住戸用給水路16を通じて供給される水を用いて給湯することになる。
【0039】
循環運転状態においては、冷却水循環ポンプ8を停止させ、槽用給水路開閉弁V1を閉弁して槽用給水手段Wbの給水作動を停止させ、排熱回収用循環ポンプ13を停止させて、排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動を停止させ、給湯用循環経路開閉弁V2を開弁し且つ給湯用循環ポンプ15を作動させて、給湯用循環手段Csを湯水循環作動させ、並びに、水位センサ9の検出情報に基づいて、貯湯槽3の湯水貯留水位が設定下限水位以下になる場合には、湯水貯留水位を設定下限水位に維持するように、槽用給水路開閉弁V1を開閉制御して、槽用給水手段Wbの給水作動を断続する。
【0040】
図9に示すように、循環運転状態においては、発電機1の運転が停止されて、発電機1からの排熱発生がないので、排熱回収用熱交換器2を通しての貯湯槽3の湯水の循環が停止された状態となり、その状態で、貯湯槽3の湯水は、給湯用循環経路14にて複数の住戸Hを巡って循環し、貯湯槽3の湯水貯留量が設定下限量に維持されるように、槽用給水路4を通じて貯湯槽3に給水される。
従って、各住戸Hにおいては、給湯器Kにより、給湯用循環経路14を循環する湯水を用いて給湯することができる。
【0041】
つまり、運転制御手段Uは、コントローラ5、排熱回収用循環ポンプ13、給湯用循環経路開閉弁V2、給湯用循環ポンプ15及び槽用給水路開閉弁V1を備えて構成してある。
【0042】
図1に示すように、この第1実施形態では、給湯用循環手段Csを通じて複数の住戸Hに供給される湯水の熱量を熱負荷として検出する熱負荷検出手段Lと、その熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷を記憶する記憶手段としてコントローラ5の記憶部5mを設け、判別手段Dは、記憶手段5mの記憶情報に基づいて、運転対象日における熱負荷を予測する熱負荷予測手段Pを備えて構成し、運転制御手段Uは、熱負荷予測手段Pの予測情報に基づいて、通常運転状態と降温抑制運転状態と循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を自動的に切り換えるように構成してある。
【0043】
熱負荷検出手段Lについて説明を加える。
コントローラ5は、操作部22からテスト運転の指令があると、予め設定されたテスト運転期間(例えば1週間)の間、発電時は通常運転状態にて、発電停止時は循環運転状態にてそれぞれ運転するテスト運転を実行する。
そして、テスト運転中は、コントローラ5は、各湯水流量計M3の検出流量を合計した総湯水流量に貯湯温センサ10の検出温度を乗じて熱量を演算することにより、その熱量を熱負荷として検出するように構成してあり、熱負荷検出手段Lは、各湯水流量計M3、貯湯温センサ10及びコントローラ5を備えて構成してある。
そして、コントローラ5の記憶部5mは、熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷を時間及び曜日に対応付けて記憶するように構成してある。つまり、記憶部5mには、熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷が1日の24時間に対応付けられた熱負荷経時変化が、曜日に対応付けられて記憶される。
【0044】
そして、コントローラ5は、記憶部5mに記憶されている熱負荷経時変化に基づいて、運転対象日の曜日に対応する熱負荷経時変化を運転対象日の熱負荷経時変化として予測して、その予測熱負荷に基づいて後述するように運転状態を切り換えて運転するが、運転中は、熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷を時間及び曜日に対応付けて記憶部5mに記憶するようにして、運転対象日の熱負荷経時変化として、記憶部5mに記憶されている前週の運転対象日の曜日に対応する熱負荷経時変化を予測するように構成してある。従って、コントローラ5を用いて、熱負荷予測手段Pを構成してある。
つまり、供給対象住戸群において、1日24時間の間の熱負荷経時変化は、同じ月内、又は、同じ季節内では、曜日が同じであれば、日が違っても類似したものとなるので、記憶部5mに記憶されている熱負荷経時変化のうちから、運転対象日の曜日に対応するものを選択することにより、運転対象日の熱負荷経時変化を予測することができるのである。
【0045】
尚、1年間にわたって、熱負荷経時変化を月、日及び曜日に対応付けて記憶部5mに記憶し、その1年分のデータに基づいて、各月毎に各曜日の平均の熱負荷経時変化を求めてそれを予測用データとして記憶部5mに記憶し、以降は、記憶部5mに記憶されている予測用データに基づいて、運転対象日の月及び曜日に対応する熱負荷経時変化を運転対象日の熱負荷経時変化を予測するように構成しても良い。
【0046】
更に、コントローラ5の記憶部5mには、発電時用第1設定熱負荷、発電時用第2設定熱負荷及び発電停止時用設定熱負荷を予め設定して記憶させてある。ちなみに、発電停止時用設定熱負荷<発電時用第2設定熱負荷<発電時用第1設定熱負荷である。
そして、コントローラ5は、予測した熱負荷経時変化に基づいて、通常運転状態の実行中に予測熱負荷が発電時用第1設定熱負荷以上になると循環湯水使用状態が貯湯温低下状態になったと判別し、降温抑制運転状態の実行中に予測熱負荷が発電時用第2設定熱負荷以下になると循環湯水使用状態が貯湯温上昇状態になったと判別し、発電停止時に、予測熱負荷が発電停止時用設定熱負荷よりも小さくなると、循環湯水使用状態が発電停止時低給湯負荷状態になったと判別し、予測熱負荷が発電停止時用設定熱負荷以上になると、循環湯水使用状態が発電停止時高給湯負荷状態になったと判別するように構成してある。つまり、判別手段Dもコントローラ5を用いて構成してある。
【0047】
第1実施形態におけるコントローラ5の制御動作を、図2に基づいて説明を加える。図2は、運転対象日の予測熱負荷経時変化を予測熱負荷率の経時変化にて示し、この予測熱負荷率は、運転対象日の予測熱負荷の総和を100%として、百分率で示している。
コントローラ5は、1日に対して予め定められた発電機運転時間帯(図2では、電力需要の多い時間帯として定めた18時から2時までの8時間)で、発電機1を運転する。
そして、発電機1の運転開始に伴って、予測熱負荷が発電時用第1設定熱負荷より小さいときは通常運転状態にて運転を開始し、予測熱負荷が発電時用第1設定熱負荷以上のときは降温抑制運転状態にて運転を開始し、以降、発電中は、通常運転状態にて運転中に、予測熱負荷が発電時用第1設定熱負荷以上になると循環湯水使用状態が貯湯温低下状態になったと判別して、通常運転状態から降温抑制運転状態に切り換え、降温抑制運転状態にて運転中に、予測熱負荷が発電時用第2設定熱負荷以下になると循環湯水使用状態が貯湯温上昇状態になったと判別して、降温抑制運転状態から通常運転状態に切り換える。
又、発電停止中は、予測熱負荷が発電停止時用設定熱負荷よりも小さくなると、循環湯水使用状態が発電停止時低給湯負荷状態になったと判別して、循環停止運転状態にて運転し、予測熱負荷が発電停止時用設定熱負荷以上になると、循環湯水使用状態が発電停止時高給湯負荷状態になったと判別して、循環運転状態にて運転する。
【0048】
つまり、発電時において、通常運転状態にて運転しているときに、予測熱負荷が発電時用第1設定熱負荷以上となって、貯湯槽3の湯水の温度が低下する可能性のある状態となると、降温抑制運転状態に切り換えられて、貯湯槽3の湯水の温度の低下が阻止され、その降温抑制運転状態にて運転中に、予測熱負荷が発電時用第2設定熱負荷以下となって、貯湯槽3の湯水の温度が上昇する可能性のある状態となると、通常運転状態に切り換えられて、貯湯槽3の湯水の温度の上昇が阻止される。
又、発電停止時に、予測熱負荷が発電停止時設定熱負荷よりも少なくて、循環湯水使用量が少ないと予測されるときは、循環停止運転状態にて運転されて、給湯用循環経路14を通じての貯湯槽3の湯水の循環が停止されるので、給湯用循環経路14を通じての放熱が抑制されて、貯湯温3の湯水の温度低下が抑制され、予測熱負荷が発電停止時設定熱負荷よりも多くて、循環湯水使用量が多いと予測されるときは、循環運転状態にて運転されて、給湯用循環経路14を通じて貯湯槽3の湯水が循環するので、各住戸Hにおいては、給湯用循環経路14を循環する高温の湯水を用いて給湯することが可能となる。
【0049】
次に、図10に基づいて、各住戸Hに設ける給湯器Kについて説明する。
給湯器Kは、住戸用湯水供給路17から供給される湯水と住戸用給水路16から供給される水とを混合する混合部Kmと、その混合部Kmから湯水が加熱対象として供給される加熱部Khと、目標給湯温度を設定する給湯温度設定部等を備えたリモコン操作部31を備えて構成してある。
【0050】
加熱部Khは、混合部Kmから給水路32を通じて供給される湯水を加熱して、加熱後の湯水を給湯路33に供給する給湯用熱交換器34と、追焚用循環路35を通流する浴槽(図示省略)の湯水を加熱する追焚用熱交換器36と、それら給湯用熱交換器34及び追焚用熱交換器36を加熱するガスバーナ37と、加熱部Khの作動を制御する加熱制御部38等を備えて構成してある。
【0051】
ガスバーナ37には、住戸用ガス供給路18を接続し、その住戸用ガス供給路18には、ガス供給を断続するガス断続弁39、及び、ガス供給量を調整するガス比例弁40を設けてある。
【0052】
給水路32には、供給される湯水の温度を検出する給水温度センサ41、供給される湯水の流量を検出する給水量センサ42を設け、給水路32と給湯路33とを給水バイパス路43にて接続してある。
給湯路33には、上流側から順に、給湯用熱交換器34からの湯水と給水バイパス路43からの水との混合比を調整するミキシング弁45、湯水の量を調整する水比例弁50と、ミキシング弁45にて混合された湯水の温度を検出する給湯温度センサ44を設け、給湯路33の先端には、給湯栓49を接続してある。
給湯路33から分岐した湯張り路46を追焚用循環路35における往路部分に接続し、湯張り路46には湯張り用開閉弁47を設けてある。
又、追焚用循環路35における復路部分には、浴槽水を循環させる浴槽用循環ポンプ48を設けてある。
【0053】
混合部Kmは、住戸用湯水供給路17(即ち、給湯用循環手段Cs)から供給される湯水と住戸用給水路16から供給される水との混合比を調整するミキシング弁51と、住戸用湯水供給路17からミキシング弁51への湯水供給を断続する湯水供給路開閉弁52と、住戸用湯水供給路17からミキシング弁51へ供給される湯水の温度(以下、循環湯水温度と称する場合がある)を検出する循環湯水温度センサ53と、住戸用給水路16からミキシング弁51へ供給される水の温度(混合部給水温度と称する場合がある)を検出する給水温度センサ54と、ミキシング弁51から流出した湯水の温度(以下、混合湯水温度と称する場合がある)を検出する混合温度センサ55と、混合部Kmの作動を制御する混合制御部56等を備えて構成してある。
【0054】
次に、加熱制御部38及び混合制御部56の制御動作について説明する。
加熱制御部38は、リモコン操作部31及び混合制御部56夫々との間で各種の制御情報を通信するように構成すると共に、コントローラ5から循環停止運転開始情報及び循環停止運転終了情報が通信されるように構成してある。
リモコン操作部31の運転スイッチがオンされると、加熱制御部38及び混合制御部56夫々の制御が可能となり、湯水供給路開閉弁52が開かれた運転可能状態となる。
そして、給湯栓49が開かれて、給水量センサ42の検出湯水流量が設定量以上になると、加熱制御部38は、混合制御部56に対して、リモコン操作部31にて設定された目標給湯温度を送信し、混合制御部56は、循環湯水温度センサ53にて検出された循環湯水温度と加熱制御部38から送られてきた目標給湯温度とを比較して、循環湯水温度が目標給湯温度以上のときはその旨を、循環湯水温度が目標給湯温度より低いときはその旨をそれぞれ加熱制御部38に送信する。
【0055】
又、混合制御部56には、予め、混合目標温度を設定して記憶させてある。ちなみに、混合目標温度としては低混合目標温度と高混合目標温度との2種類を設定してあり、低混合目標温度は、リモコン操作部31で設定される目標給湯温度が予め設定してある通常目標給湯温度範囲(例えば35〜48°C)のときに対応するものであり、例えば30°Cに設定し、高混合目標温度は、リモコン操作部31で設定される目標給湯温度が予め設定してある高温目標給湯温度(例えば60°C)のときに対応するものであり、例えば、45°Cに設定する。
【0056】
給湯栓49が開かれて給水量センサ42の検出湯水流量が設定量以上になることに基づいて、加熱制御部38から目標給湯温度が送信されてくると、混合制御部56は、循環湯水温度センサ53にて検出される循環湯水温度と目標給湯温度とを比較して、循環湯水温度が目標給湯温度以上のときは、循環湯水温度センサ53、給水温度センサ54及び混合温度センサ55夫々の検出温度に基づいて、混合温度センサ55にて検出される混合湯水温度が目標給湯温度になるようにミキシング弁51を調整するミキシング制御を実行して、住戸用湯水供給路19からの湯水と住戸用給水路21からの水を混合し、且つ、循環湯水温度が目標給湯温度以上である旨を加熱制御部38に送信する。
加熱制御部38は、循環湯水温度が目標給湯温度以上である旨が混合制御部56から送信されてくると、ガスバーナ37を燃焼停止状態とする。
従って、混合部Kmから加熱部Khに供給された湯水は加熱部Khにて加熱されずに給湯栓49から出湯することになり、給湯栓49からは目標給湯温度又は略目標給湯温度の湯水が出湯する。
【0057】
一方、循環湯水温度が目標給湯温度よりも低いときは、循環湯水温度センサ53、給水温度センサ54及び混合温度センサ55夫々の検出温度に基づいて、混合温度センサ55にて検出される混合湯水温度が、目標給湯温度が通常目標給湯温度範囲のときは低混合目標温度になるように、あるいは、目標給湯温度が高温目標給湯温度のときは高混合目標温度になるように、ミキシング弁51を調整するミキシング制御を実行して、住戸用湯水供給路19からの湯水と住戸用給水路21からの水を混合し、且つ、循環湯水温度が目標給湯温度よりも低い旨を加熱制御部38に送信する。
加熱制御部38は、混合制御部56から循環湯水温度が目標給湯温度よりも低い旨が送信されてくると、ガスバーナ37を燃焼させ、目標給湯温度、給水温度センサ41の検出温度及び給水量センサ42の検出給水量に基づいて、給湯用熱交換器34から流出する湯水の温度が目標給湯温度になるように、ガス比例弁40の開度及びミキシング弁45の開度を調節するフィードフォワード制御を実行し、且つ、給湯温度センサ44の検出温度と目標給湯温度との偏差に基づいてガス比例弁40の開度を微調整するフィードバック制御を実行する。
従って、給湯栓49からは目標給湯温度の湯水が出湯することになる。
【0058】
但し、加熱制御部38は、コントローラ5からの循環停止運転開始情報を受信すると、その旨を混合制御部56に送信し、混合制御部56は、循環停止運転開始情報を受信すると、湯水供給路開閉弁52を閉じると共に、上述の如き各ミキシング制御を実行せずに、ミキシング弁51を住戸用湯水供給路17側が閉じ状態となり且つ住戸用給水路16側が全開状態となるように制御する。又、加熱制御部38は、コントローラ5から循環停止運転終了情報が通信されてくると、その旨を混合制御部56に通信し、混合制御部56は、循環停止運転終了情報を受信すると、湯水供給路開閉弁52を開弁すると共に、上述の如く、各ミキシング制御を実行する。
【0059】
給湯用循環手段Csからの湯水の温度が目標給湯温度よりも低いときは、目標給湯温度への温度調節が安定して行えるような混合目標温度になるように、給湯用循環手段Csからの湯水と住戸用給水手段Wsからの水とが混合されてから、加熱部Khにて目標給湯温度になるように加熱されるので、給湯用循環手段Csからの湯水の温度と目標給湯温度との差が小さいときでも、目標給湯温度又は略目標給湯温度の湯水が得られる。
つまり、ガスバーナ37の燃焼安定性を確保するために、ガスバーナ37の燃焼量は所定の最小燃焼量よりも小さくは絞れないようにしてある。従って、前述の如き湯水混合制御、即ち、給湯用循環手段Csからの湯水と住戸用給水手段Wsからの水とを混合目標温度になるように混合する制御を行わないときは、給湯用循環手段Csからの湯水の温度と目標給湯温度との差が小さくて、その差に基づいて求めた燃焼量が最小燃焼量よりも小さいときは、例えば、ガスバーナ37を最小燃焼量にて燃焼させるようになるので、出湯する湯水の温度を目標給湯温度に調整し難いといった不具合が生じることになる。そこで、前述の如き湯水混合制御を行うことにより、前述の如き不具合が解消されることになる。
【0060】
つまり、給湯器Kは、給湯用循環手段Csを通じて供給される湯水と住戸用給水手段Wsを通じて供給される水との混合又は加熱手段としての加熱部Khによる加熱により、目標給湯温度にて給湯するように構成してある。
【0061】
〔第2実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態においては、判別手段D及び運転制御手段Uの構成が異なる以外は、上記の第1実施形態と同様に構成してあるので、主として、第1実施形態と異なる判別手段D及び運転制御手段Uについて説明し、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0062】
判別手段Dは、第1実施形態と同様に、貯湯温低下状態、貯湯温上昇状態、発電停止時高給湯負荷状態及び発電停止時低給湯負荷状態を判別するように構成してあり、コントローラ5は、第1実施形態と同様に、通常運転状態と降温抑制運転状態と排熱回収停止運転状態と循環停止運転状態と循環運転状態とに運転状態を切り換えるように構成してあり、各運転状態における制御動作は、図6ないし図9を用いて説明した第1実施形態における制御動作と同様であるので説明を省略する。
又、コントローラ5は、第1実施形態と同様に、循環停止運転状態での運転を開始するのに伴って、各住戸Hの給湯器Kに対して循環停止運転開始情報を通信し、循環停止運転状態での運転を停止するのに伴って、循環停止運転終了情報を通信する。そして、給湯器Kの構成及び制御動作も、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0063】
図3に示すように、第2実施形態においては、判別手段Dは、発電時の循環湯水使用状態判別用として、貯湯槽3の湯水の温度を検出する貯湯温検出手段としての貯湯温センサ10を備えて構成し、発電停止時の循環湯水使用状態判別用として、時刻を計測する計時手段Tを備えて構成し、運転制御手段Uは、発電時には、貯湯温センサ10の検出情報に基づいて、通常運転状態と降温抑制運転状態とに運転状態を切り換え、発電停止時には、計時手段Tの計測情報に基づいて、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるように構成してある。
【0064】
コントローラ5の記憶部5mには、上位設定温度、下位設定温度(但し、下位設定温度<上位設定温度)、及び、発電停止時低給湯負荷時間帯を予め設定して記憶させてある。下位設定温度は、通常運転状態にて運転中に、循環湯水使用量が増加して貯湯槽3の湯水の温度が低下してきたときに、低下し過ぎるのを防止する必要がある状態の温度、例えば50°C程度に設定し、上位設定温度は、降温抑制運転状態にて運転中に、循環湯水使用量が減少して貯湯槽3の湯水の温度が上昇してきたときに、上昇し過ぎるのを防止する必要がある状態の温度、例えば55〜60°C程度に設定してある。
又、発電停止時低給湯負荷時間帯は、発電停止時において、循環湯水使用量が少ないと予想される時間帯、例えば、午前2時から午前6時までの間に設定してある。
【0065】
そして、コントローラ5は、発電時には、貯湯温センサ10の検出温度に基づいて、通常運転状態の実行中に検出温度が下位設定温度以下になると循環湯水使用状態が貯湯温低下状態になったと判別し、降温抑制運転状態の実行中に検出温度が上位設定温度以上になると循環湯水使用状態が貯湯温上昇状態になったと判別し、発電停止時には、計時手段Tの計時時刻が発電停止時低給湯負荷時間帯となる間は、循環湯水使用状態が発電停止時低給湯負荷状態であると判別し、計時手段Tの計時時刻が発電停止時低給湯負荷時間帯以外の間は、循環湯水使用状態が発電停止時高給湯負荷状態であると判別するように構成してある。つまり、判別手段Dもコントローラ5を用いて構成してある。
又、計時手段Tも、コントローラ5を用いて構成してある。
【0066】
第2実施形態におけるコントローラ5の制御動作を、図4に基づいて説明を加える。図4において、棒グラフは、コージェネレーションシステムの設置対象の集合住宅における予測熱負荷経時変化を予測熱負荷率の経時変化にて示し、この予測熱負荷率の経時変化の棒グラフは、予測熱負荷を総和を100%として、1時間毎の予測熱負荷率を百分率で示している。又、実線の折れ線グラフにて、運転状態を通常運転状態と降温抑制運転状態と循環停止運転状態と循環運転状態とに運転状態を切り換えた場合の貯湯槽3の湯水の温度の経時変化を示し、破線の折れ線グラフにて、発電時は常に通常運転状態にて運転し、発電停止時は常に循環運転状態にて運転した場合の貯湯槽3の湯水の温度の経時変化を示す。
【0067】
コントローラ5は、1日に対して予め定められた発電機運転時間帯(図4では、電力需要の多い時間帯として定めた18時から2時までの8時間)で、発電機1を運転する。
そして、発電機1の運転開始に伴って、貯湯温センサ10の検出温度が下位設定温度より高いときは通常運転状態にて運転を開始し、貯湯温センサ10の検出温度が下位設定温度以下のときは降温抑制運転状態にて運転を開始し、以降、発電中は、通常運転状態にて運転中に、貯湯温センサ10の検出温度が下位設定温度以下になると循環湯水使用状態が貯湯温低下状態になったと判別して、通常運転状態から降温抑制運転状態に切り換え、降温抑制運転状態にて運転中に、貯湯温センサ10の検出温度が上位設定温度以上になると循環湯水使用状態が貯湯温上昇状態になったと判別して、降温抑制運転状態から通常運転状態に切り換える。
又、発電停止中は、計時手段Tの計測情報に基づいて、発電停止時低給湯負荷時間帯は、循環湯水使用状態が発電停止時低給湯負荷状態にであると判別して、循環停止運転状態を実行し、発電停止時低給湯負荷時間帯以外の時間帯は、循環湯水使用状態が発電停止時高給湯負荷状態であると判別して、循環運転状態を実行する。
【0068】
つまり、図4において実線の折れ線グラフで示されるように、発電時において、貯湯温センサ10の検出温度が下位設定温度以下のときは、貯湯槽3の湯水の温度が低下し過ぎる可能性のある状態であるので、降温抑制運転状態にて運転されて、貯湯槽3の湯水の温度の低下が阻止され、その降温抑制運転状態にて運転中に、予測熱負荷が上位設定温度以上となって、貯湯槽3の湯水の温度が上昇し過ぎる可能性のある状態となると、通常運転状態に切り換えられて、貯湯槽3の湯水の温度の上昇が阻止される。
又、発電停止時に、発電停止時低給湯負荷時間帯であって循環湯水使用量が少ないと予測されるときは、循環停止運転状態にて運転されて、給湯用循環経路14を通じての貯湯槽3の湯水の循環が停止されるので、給湯用循環経路14を通じての放熱が抑制されて、貯湯温3の湯水の温度の低下が抑制され、発電停止時低給湯負荷時間帯以外の時間帯であって、循環湯水使用量が多い予測されるときは、循環運転状態にて運転されて、給湯用循環経路14を通じて貯湯槽3の湯水が循環するので、各住戸Hにおいては、給湯用循環経路14を循環する高温の湯水を用いて給湯することが可能となる。
【0069】
図4において、破線の折れ線グラフにて示されるように、発電停止時に常に循環運転状態にて運転すると、給湯用循環経路14を通じての放熱量が多いので、貯湯槽3の湯水の低下が著しく、又、発電時に常に通常運転状態にて運転すると、循環湯水使用量が多くなると、貯湯槽3の湯水の低下が著しくなることが分かる。
【0070】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 判別手段Dの具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、貯湯槽の湯水の温度の変化率の大きさにより、循環湯水使用状態を判別するようにしても良い。
又、上記の第1実施形態においては、熱負荷検出手段Lとして、給湯用循環手段Csを通じて複数の住戸Hに供給される湯水の熱量を熱負荷と検出するように構成する場合について例示したが、熱負荷検出手段Lとして、給湯用循環手段Csを通じて複数の住戸Hに供給される湯水の供給量を熱負荷として検出するように構成すると共に、記憶手段5mは、その熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷を記憶するように構成し、判別手段Dは、記憶手段5mの記憶情報に基づいて運転対象日における熱負荷を予測する予測手段Pを備えて構成しても良い。この場合、給湯用循環手段Csを通じて複数の住戸Hに供給される湯水の供給量は、湯水流量計M3の検出情報に基づいて求める。あるいは、給湯用循環経路14における住戸用湯水供給路17の接続箇所より上流側に対応する部分に、集中流量計を設けて、その集中流量計により、複数の住戸Hに供給される湯水の供給量を検出しても良い。
【0071】
又、熱負荷検出手段Lとして、供給対象住戸群において給湯器Kにて給湯される湯水の給湯量又は熱量を熱負荷として検出するように構成すると共に、記憶手段5mは、その熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷を記憶するように構成し、判別手段Dは、記憶手段5mの記憶情報に基づいて運転対象日における熱負荷を予測する予測手段Pを備えて構成しても良い。この場合は、住戸用給水路16にて給湯器Kの混合部Kmに供給される水の流量を検出する混合部用流量計を設け、各住戸Hにおける目標給湯温度を例えば40°Cに仮定して、その仮定目標給湯温度と、湯水流量計M3及び前記混合部用流量計それぞれの検出情報とに基づいて、供給対象住戸群において給湯器Kにて給湯される湯水の熱量を求める。又は、湯水流量計M3及び前記混合部用流量計それぞれの検出情報に基づいて、供給対象住戸群において給湯器Kにて給湯される湯水の給湯量を求める。
【0072】
(ロ) 上記の第1実施形態において、熱負荷経時変化が、気温、天気等の気象条件に対応付けられて記憶されるように構成して、気温、天気等の気象条件を考慮して、運転対象日の熱負荷経時変化を予測するように構成すると、運転対象日の熱負荷経時変化を更に精度良く予測することができるので好ましい。
【0073】
(ハ) 上記の実施形態においては、運転制御手段Uを、コントローラ5を備えて構成して、そのコントローラ5により、通常運転状態と降温抑制運転状態と循環運転状態と循環停止運転状態との運転状態に切り換えを自動的に行う場合について例示したが、コントローラ5を省略して、前記の運転状態の切換を手動操作にて行うように構成しても良い。
【0074】
(ニ) 上記の実施形態においては、発電時には、通常運転状態と降温抑制運転状態とに運転状態を切り換えるように構成する場合について例示したが、そのような切り換え構成を省略して、発電時は、常時、通常運転状態にて運転するように構成しても良い。
【0075】
(ホ) 貯湯槽3の具体構成は、上記の実施形態において例示した如き1槽の開放式に限定されるものではなく、例えば、1槽の密閉式(図11に示す構成)や、低温槽と高温槽とを備えた2槽の開放式でも良い。この2槽の開放式は、槽用給水手段Wbにて給水される低温槽と、その低温槽からオーバーフロー状態にて湯水が供給される高温槽とを備え、排熱回収用循環手段Ceは、前記低温槽から湯水を取り出して再び前記低温槽に戻す排熱回収用循環経路にて湯水を循環させるように構成し、給湯用循環手段Csは、前記高温槽から湯水を取り出して前記低温槽に戻す給湯用循環経路14にて湯水を循環させるように構成する。この場合、高温槽に対しては、低温槽の上層の高温層から、オーバーフロー状態で湯水が供給されて、高温槽の湯水の貯留温度が安定するので、各住戸Hへの湯水の供給温度が安定する。
【0076】
(ヘ) 上記の実施形態においては、給湯器Kは、混合部Km及び加熱部Khの両方を備えて構成する場合について例示したが、混合部Kmを省略しても良い。
【0077】
(ト) 上記の実施形態のように、発電手段を、ガスエンジン等のエンジンにて駆動されるエンジン駆動の回転式の発電機1にて構成する場合、排熱回収用熱交換器2に供給する発電機1の排熱としては、上記の実施形態において例示したエンジン冷却水以外に、エンジンの排ガスを供給したり、エンジン冷却水と排ガスの両方を供給したりするように構成しても良い。尚、発電手段を、エンジン駆動の回転式の発電機1にて構成する場合、エンジンとしては、上記の実施形態において例示した都市ガスを燃料とするもの以外に、LPガス、石油、ガソリン等種々の燃料を用いるものを使用することができる。
又、発電手段は、上記の実施形態において例示した如きエンジン駆動の回転式の発電機1にて構成する以外に、ガスタービンにて駆動するガスタービン駆動の回転式発電機にて構成しても良い。発電手段をガスタービン駆動の回転式の発電機にて構成する場合、排熱回収用熱交換器2には排熱としてガスタービンの排ガスを供給するように構成する。
又、発電手段としては、上記の如き回転式の発電機に限定されるのではなく、例えば、各種の燃料電池にて構成することができる。発電手段を燃料電池にて構成する場合は、排熱回収用熱交換器2には排熱として燃料電池の冷却水を供給するように構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るコージェネレーションシステムの全体構成を示すブロック図
【図2】第1実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける通常状態の切り換えを説明する図
【図3】第2実施形態に係るコージェネレーションシステムの全体構成を示すブロック図
【図4】第2実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける通常状態の切り換えを説明する図
【図5】実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける通常運転状態での湯水流動状態を示すブロック図
【図6】実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける降温抑制運転状態での湯水流動状態を示すブロック図
【図7】実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける排熱回収停止運転状態での湯水流動状態を示すブロック図
【図8】実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける循環停止運転状態での湯水流動状態を示すブロック図
【図9】実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける循環運転状態での湯水流動状態を示すブロック図
【図10】実施形態に係るコージェネレーションシステムの給湯器の構成を示すブロック図
【図11】従来のコージェネレーションシステムのブロック図
【符号の説明】
1 発電手段
2 排熱回収用熱交換器
3 貯湯槽
5m 記憶手段
14 給湯用循環経路
Ce 排熱回収用循環手段
Cs 給湯用循環手段
D 判別手段
H 住戸
K 給湯器
Kh 加熱手段
L 熱負荷検出手段
P 熱負荷予測手段
U 運転制御手段
Wb 槽用給水手段
Ws 住戸用給水手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、地域又は集合住宅を電力供給対象として発電する発電手段、その発電手段からの排熱が供給される排熱回収用熱交換器、前記地域又は集合住宅に含まれる複数の住戸を給湯対象として湯水を貯留する貯湯槽、その貯湯槽に給水する槽用給水手段、前記排熱回収用熱交換器と前記貯湯槽とにわたって湯水を循環させる排熱回収用循環手段、前記貯湯槽と前記複数の住戸とにわたる給湯用循環経路にて湯水を循環させる給湯用循環手段、前記複数の住戸のそれぞれに給水する住戸用給水手段、及び、運転を制御する運転制御手段が設けられ、
前記複数の住戸のそれぞれに、前記給湯用循環手段を通じて供給される湯水及び前記住戸用給水手段を通じて供給される水を用いて湯水需要部に給湯する給湯器が設けられたコージェネレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるコージェネレーションシステムは、地域又は集合住宅に含まれる複数の住戸(以下、供給対象住戸群と称する場合がある)に、発電手段にて電力を供給し、並びに、排熱回収用循環手段により、発電手段の排熱が供給される排熱回収用熱交換器と貯湯槽とにわたって湯水を循環させて貯湯槽の湯水を加熱し、給湯用循環手段にて、貯湯槽と供給対象住戸群とにわたる給湯用循環経路にて湯水を循環させることにより、発電手段の排熱を回収して加熱した湯水を供給対象住戸群に供給し、各住戸においては、給湯用循環手段にて供給される湯水及び住戸用給水手段を通じて供給される水を用いて給湯器にて給湯栓等の湯水需要部に給湯するように構成したものである。
例えば、給湯用循環手段にて供給される湯水の温度が、給湯器にて設定される目標給湯温度以上の場合には、給湯器の加熱手段の加熱作動が停止して、そのまま湯水需要部に給湯され、一方、給湯用循環手段にて供給される湯水の温度が、給湯器にて設定される目標給湯温度よりも低い場合には、給湯用循環手段にて供給される湯水を目標給湯温度になるように加熱手段にて追焚して湯水需要部に給湯される。
そして、かかるコージェネレーションシステムにおいては、多くの場合、発電手段を連続して運転するのではなく、例えば、毎日、電力需要の多い時間帯に対応して、設定時間の間運転し、他の時間帯は停止させるというように、断続的に運転するものであり、そのように断続的に発電手段を運転することにより、発電手段の耐用年数を長くすることができるようにしている。
従って、発電停止時は、発電手段からの排熱発生が無いので、発電手段の排熱による貯湯槽の湯水の加熱が停止されることになる。
【0003】
かかるコージェネレーションシステムにおいては、従来、例えば、図11に示すように、貯湯槽3を密閉式に構成して、槽用給水手段Wbは、水道からの水を水道圧にて貯湯槽3に供給する給水路71にて構成して、貯湯槽3に常時、満水状態で湯水を貯留するように構成し、給湯用循環手段Csは、給湯用循環経路14と、その給湯用循環経路14に設けた給湯用循環ポンプ73にて構成し、排熱回収用循環手段Ceは、貯湯槽3と排熱回収用熱交換器2とにわたる循環経路を形成する排熱回収用循環経路74と、その排熱回収用循環経路74に設けた排熱回収用循環ポンプ75にて構成したものが開示されている(例えば、特開平7−324809号公報参照)。図11中において、Kは、給湯用循環手段Csにて供給される湯水を加熱して給湯栓等の湯水需要部に供給すべく、各住戸に設けられた給湯器である。
【0004】
図11に示す従来のコージェネレーションシステムにおいては、排熱回収用循環ポンプ75を作動させることにより、排熱回収用循環手段Ceを湯水循環作動させ、給湯用循環ポンプ73を作動させることにより給湯用循環手段Csを湯水循環作動させることになることから、運転制御手段Uは、排熱回収用循環ポンプ75及び給湯用循環ポンプ73を備えて構成されている。
そして、図11に示す従来のコージェネレーションシステムにおいては、発電手段の運転を停止させる発電停止時においては、槽用給水手段Wbは、常時満水状態で湯水を貯留すべく貯湯槽3に給水するように構成し、運転制御手段Uは、常時、排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動を停止させ且つ給湯用循環手段Csを湯水循環作動させるように構成することが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、発電停止時は、槽用給水手段にて、貯湯槽に常時、満水状態で湯水を貯留するように給水しながら、給湯用循環手段を常時、湯水循環作動させるように運転すると、発電手段の排熱による貯湯槽の加熱が無いにもかかわらず、貯湯槽には満水状態になるように給水され、又、貯湯槽の湯水が常時、給湯用循環経路を通じて循環して、給湯用循環経路を循環する間の放熱量が多いことから、貯湯槽の湯水の温度低下が大きくなる。
従って、給湯用循環手段にて各住戸に供給される湯水の温度が低くなるので、各住戸において、目標給湯温度にて給湯するための給湯器の加熱手段による加熱量(以下、追焚加熱量と称する場合がある)が多くなり、もって、給湯に係るエネルギーコストを低減する上で、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、給湯に係るエネルギーコストを低減し得るように運転できるコージェネレーションシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載の特徴構成は、前記運転制御手段は、前記発電手段の運転が停止される発電停止時において、前記槽用給水手段の給水作動及び前記排熱回収用循環手段の湯水循環作動を停止させ且つ前記給湯用循環手段を湯水循環作動させる循環運転状態と、前記槽用給水手段の給水作動、前記排熱回収用循環手段の湯水循環作動及び前記給湯用循環手段の湯水循環作動を停止させる循環停止運転状態とに運転状態を切り換え自在に構成されていることにある。
請求項1に記載の特徴構成によれば、運転制御手段により、循環運転状態に運転状態を切り換えると、槽用給水手段の給水作動及び排熱回収用循環手段の湯水循環作動が停止した状態で、貯湯槽の湯水が給湯用循環経路を通じて循環し、循環停止運転状態に運転状態を切り換えると、槽用給水手段の給水作動及び排熱回収用循環手段の湯水循環作動が停止し、給湯用循環経路を通じての貯湯槽の湯水の循環も停止する。
つまり、循環運転状態では、槽用給水手段の給水作動が停止した状態で、貯湯槽の湯水が給湯用循環経路を通じて循環するので、給水停止により貯湯槽の湯水の温度低下を抑制しながら、各住戸においては、給湯用循環経路を循環する貯湯槽の湯水を用いて給湯することが可能となり、一方、循環停止運転状態では、槽用給水手段の給水作動が停止し、且つ、給湯用循環経路を通じての貯湯槽の湯水の循環も停止するので、貯湯槽への給水が停止し、且つ、給湯用循環経路を湯水が循環している間の放熱がなくなることにより、貯湯槽の湯水の温度低下を効果的に抑制することが可能となる。
ちなみに、循環停止運転状態にて運転されている間は、給湯用循環経路を通じての貯湯槽の湯水の循環が停止するので、各住戸では、住戸用給水手段にて供給される水を用いて、給湯器にて給湯することになる。
つまり、供給対象住戸群での給湯用循環手段にて循環される湯水の使用量(以下、循環湯水使用量と称する場合がある)は、例えば、1日の各時間帯で異なるというように、時間経過と共に変化するのが通常である。
そこで、発電停止時において、循環湯水使用量が少ないときは、循環停止運転状態にて運転し、循環湯水使用量が多いときは循環状態で運転するようにすることにより、供給対象住戸群全体として、発電停止時の給湯器による給湯において、追焚加熱量を低減することが可能となる。
つまり、循環停止運転状態での運転により、供給対象住戸群の各住戸における給湯においては、貯湯槽の湯水を用いずに住戸用給水手段からの水のみを用いることになるにしても、循環停止運転状態での運転によって、貯湯槽の湯水の温度低下を極力抑制できるようにし、循環運転状態で運転するときには、極力高温の湯水を供給対象住戸群に供給できるようにして、各住戸の給湯器での追焚加熱量を極力少なくするようにする。すると、循環停止運転状態での運転時における追焚加熱量の増加分を、循環停止運転状態での運転によって貯湯槽の温度低下が抑制されることによる循環運転状態での運転時の追焚加熱量の減少分よりも少なくなるようにすることが可能となり、供給対象住戸群全体として、発電時の給湯器による給湯において、追焚加熱量を低減することが可能となるのである。
ちなみに、発電手段を、電力需要の多い時間帯(例えば、18時から翌日の2時までの間)に運転するようにすると、その電力需要の多い時間帯の終わりの方の時間帯(例えば、0時から2時までの間)は、一般に温水需要が少なくて、循環湯水使用量が少なくなるので、貯湯槽の湯水の温度を高い状態(例えば、50〜60°C程度)に保った状態で、発電停止状態とすることが可能となる。
そして、2時から始まる発電停止時において、その始まりの時間帯(例えば2時から6時までの間)は、温水需要が少ないので、その時間帯の間は循環停止運転状態にて運転すると、発電手段の停止時点では貯湯槽の湯水の温度が高温状態に保たれていることから、循環運転状態での運転開始時点では、貯湯槽の湯水の温度を追焚がほとんど不要な温度 (例えば45°C程度)に保つことが可能となって、追焚加熱量を効果的に少なくすることが可能となる。
又、循環停止運転状態に運転状態を切り換えると、給湯用循環手段の湯水循環作動が停止するので、給湯用循環手段を駆動するためのエネルギー消費量を低減することが可能となる。
従って、追焚加熱量を低減することが可能となると共に、給湯用循環手段を駆動するためのエネルギー消費量を低減することができるので、給湯に係るエネルギーコストを低減し得るように運転できるコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
請求項2に記載の特徴構成は、前記複数の住戸での前記給湯用循環手段にて循環される湯水の使用状態を判別する判別手段が設けられ、
前記運転制御手段は、前記判別手段の判別情報に基づいて、前記循環運転状態と前記循環停止運転状態とに運転状態を自動的に切り換えるように構成されていることにある。
請求項2に記載の特徴構成によれば、判別手段により、複数の住戸での給湯用循環手段にて循環される湯水の使用状態(以下、循環湯水使用状態と称する場合がある)が判別され、その判別手段の循環湯水使用状態の判別結果に基づいて、運転制御手段により、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態が自動的に切り換えられる。
つまり、判別手段にて、循環湯水使用量の少ない循環湯水使用状態であると判別されるときは、運転制御手段により循環停止運転状態にて運転され、判別手段にて、循環湯水使用量が多い循環湯水使用状態であると判別されるときは、運転制御手段により循環運転状態にて運転されるように、運転することが可能となる。
従って、給湯に係るエネルギーコストを低減し得るように自動的に運転状態が切り換えられて運転されて、一層使い勝手に優れたコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
【0009】
〔請求項3記載の発明〕
請求項3に記載の特徴構成は、前記運転制御手段は、前記循環運転状態においては、前記貯湯槽の湯水貯留量が設定下限量以下になる場合には、前記湯水貯留量を前記設定下限量に維持するように、前記槽用給水手段の給水作動を制御するように構成されていることにある。
請求項3に記載の特徴構成によれば、循環運転状態においては、貯湯槽の湯水貯留量が設定下限量以下になると、湯水貯留量を設定下限量に維持するように、槽用給水手段の給水作動が制御される。
つまり、発電停止時には、発電手段からの排熱発生が無く、貯湯槽の湯水の加熱が停止しているので、貯湯槽の湯水の温度低下を抑制すべく、槽用給水手段による給水を停止していても、貯湯槽の湯水貯留量が少なくなって、設定下限量以下になると、湯水貯留量を設定下限量に維持するように給水されるので、貯湯槽に湯水が無くなって供給対象住戸群への貯湯槽からの湯水の供給が途絶えることが無いように、運転することが可能となる。
従って、発電停止時において温水需要の多い時間帯では供給対象住戸群への貯湯槽からの湯水の供給が途絶えることが無いようにしながら、給湯に係るエネルギーコストを低減し得るように運転できるコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
【0010】
〔請求項4記載の発明〕
請求項4に記載の特徴構成は、前記給湯器は、前記給湯用循環手段を通じて供給される湯水と前記住戸用給水手段を通じて供給される水との混合又は加熱手段による加熱により、目標給湯温度にて給湯するように構成されていることにある。
請求項4に記載の特徴構成によれば、給湯器により、給湯用循環手段を通じて供給される湯水と住戸用給水手段を通じて供給される水との混合又は加熱手段による加熱により、目標給湯温度にて湯水需要部に給湯される。
つまり、給湯用循環手段を通じて供給される湯水の温度が目標給湯温度よりも高いときは、目標給湯温度になるように、給湯用循環手段を通じて供給される湯水と住戸用給水手段を通じて供給される水とが混合され、給湯用循環手段を通じて供給される湯水の温度が目標給湯温度よりも低いときは、加熱手段により目標給湯温度になるように加熱される。
従って、給湯に係るエネルギーコストを低減し得るように運転でき、しかも、目標給湯温度にて給湯されて使い勝手の良いコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
【0011】
〔請求項5記載の発明〕
請求項5に記載の特徴構成は、前記発電停止時において前記給湯用循環手段を通じて前記複数の住戸に供給される湯水の供給量又は熱量を熱負荷として検出する熱負荷検出手段と、その熱負荷検出手段にて検出される熱負荷を記憶する記憶手段が設けられ、
前記判別手段は、前記記憶手段の記憶情報に基づいて、運転対象日における前記発電停止時の熱負荷を予測する熱負荷予測手段を備えて構成され、
前記運転制御手段は、前記熱負荷予測手段の予測情報に基づいて、前記循環運転状態と前記循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるように構成されていることにある。
請求項5に記載の特徴構成によれば、熱負荷検出手段にて、給湯用循環手段を通じて複数の住戸に供給される湯水の供給量又は熱量が熱負荷として検出され、そのように熱負荷検出手段にて検出される熱負荷が記憶手段に記憶される。
そして、判別手段を構成する熱負荷予測手段により、記憶手段の記憶情報に基づいて、運転対象日における熱負荷が予測され、運転制御手段により、熱負荷予測手段の予測情報に基づいて、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態が自動的に切り換えられる。
つまり、循環湯水使用状態は、給湯用循環手段を通じて複数の住戸に供給される湯水の供給量又は熱量の多少により判別することができる。
そこで、熱負荷検出手段にて、給湯用循環手段を通じて複数の住戸に供給される湯水の供給量又は熱量を熱負荷として検出し、そのように熱負荷検出手段にて検出される熱負荷を記憶手段に記憶しておくようにして、その記憶手段の記憶情報に基づいて、運転対象日の熱負荷を熱負荷予測手段にて予測するように構成する。そして、運転制御手段により、発電停止時に、熱負荷予測手段の予測情報に基づいて、供給対象住戸群での給湯器による給湯において追焚加熱量を低減することが可能となるように、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を切り換えることが可能となる。
ちなみに、時刻を計時する計時手段を備えて判別手段を構成し、予め、循環湯水使用量が少ないと予想される発電停止時低給湯負荷時間帯を設定しておいて、計時手段の計時情報に基づいて、発電停止時低給湯負荷時間帯の内外であることを判別することにより、循環湯水使用量が多いか少ないかの循環湯水使用状態を判別し、その判別情報に基づいて、運転制御手段により、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるよう構成することが考えられる。
そして、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるに当たって、本請求項5の特徴構成のように、運転対象日の熱負荷を予測して、その予測熱負荷に基づいて運転状態を切り換えるようにすると、前述のように発電停止時低給湯負荷時間帯を一義的に設定しておいて時間帯により一義的に運転状態を切り換えるようにする場合に比べて、実際の循環湯水使用状態に応じて適切に、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を切り換えることが可能となり、追焚加熱量の低減効果を一段と促進することが可能となる。
従って、給湯に係るエネルギーコストを一段と低減し得るように運転できるコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、コージェネレーションシステムは、集合住宅を電力供給対象として発電する発電手段としての発電機1、その発電機1からの排熱が供給される排熱回収用熱交換器2、集合住宅に含まれる複数の住戸Hを給湯対象として湯水を貯留する貯湯槽3、その貯湯槽3に給水する槽用給水手段Wb、排熱回収用熱交換器2と貯湯槽3とにわたって湯水を循環させる排熱回収用循環手段Ce、貯湯槽3と集合住宅に含まれる複数の住戸Hとにわたる給湯用循環経路14にて湯水を循環させる給湯用循環手段Cs、集合住宅に含まれる複数の住戸Hのそれぞれに給水する住戸用給水手段Ws、及び、コージェネレーションシステムの運転を制御する運転制御手段Uを設け、並びに、集合住宅に含まれる複数の住戸Hのそれぞれに、給湯用循環手段Csを通じて供給される湯水を用いて住戸Hにおける各湯水需要部に供給する給湯器Kを設けて構成してある。
【0013】
更に、コージェネレーションシステムには、商用電源62からの電力を一括して受電する受変電設備61と、発電機1を商用電源62と系統連系させる連系装置63とを設け、発電機1及び商用電源62からの電力を、集合住宅に含まれる各住戸H及び集合住宅における共用電力消費機器64に供給するように給電線65を配線してある。以下、集合住宅に含まれる複数の住戸Hにおける電力消費機器及び集合住宅における共用電力消費機器64をまとめて外部電力負荷と称する場合がある。
又、受変電設備61にて受電する電力を計測する一括受電電力計M6を設け、各住戸Hへの給電線65には、各住戸Hにて受電する電力を計測する住戸用電力計M7を設けてある。尚、発電機1からの電力を共用電力消費機器64に供給し、商用電源62からの電力を一括受電せずに各住戸Hに供給するようにしても良い。
【0014】
そして、本発明においては、運転制御手段Uは、発電機1が運転される発電時には、排熱回収用循環手段Ce及び給湯用循環手段Csを湯水循環作動させ且つ貯湯槽3の湯水貯留量が設定基準量以上になるように槽用給水手段Wbの給水作動を制御する通常運転状態と、排熱回収用循環手段Ce及び給湯用循環手段Csを湯水循環作動させ且つ貯湯槽3の湯水貯留量が前記設定基準量以上になるようにするための槽用給水手段Wbの給水作動の制御を停止する降温抑制運転状態とに運転状態を切り換え、且つ、発電機1の運転が停止される発電停止時には、槽用給水手段Wbの給水作動及び排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動を停止させ且つ給湯用循環手段Csを湯水循環作動させる循環運転状態と、槽用給水手段Wbの給水作動、排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動及び給湯用循環手段Csの湯水循環作動を停止させる循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるように構成してある。
【0015】
更に、運転制御手段Uは、マイクロコンピュータを利用したコントローラ5を備えて構成すると共に、供給対象住戸群での給湯用循環手段Csにて循環される湯水の使用状態、即ち、循環湯水使用状態を判別する判別手段Dを設けてある。そして、運転制御手段Uは、コントローラ5を用いて、判別手段Dの判別結果に基づいて、通常運転状態と降温抑制運転状態と循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を自動的に切り換えるように構成してある。
【0016】
又、運転制御手段Uは、降温抑制運転状態においては、貯湯槽3の湯水貯留量が設定基準量よりも少ない設定下限量以下になる場合には、湯水貯留量を設定下限量に維持するように、槽用給水手段Wbの給水作動を制御するように構成してある。
又、運転制御手段Uは、循環運転状態においては、貯湯槽3の湯水貯留量が設定下限量以下になる場合には、湯水貯留量を設定下限量に維持するように、槽用給水手段Wbの給水作動を制御するように構成してある。
【0017】
発電機1は、発電機用ガス供給路6を通じて供給される都市ガスを燃料とするガスエンジン(図示省略)を備えて、そのガスエンジンにて駆動する回転式に構成してある。図中のM1は、発電機用ガス供給路6に設けた共用部ガス流量計であり、発電機1におけるガス消費量が計測される。
そして、ガスエンジンを冷却するエンジン冷却水を、冷却水循環路7にてガスエンジンと排熱回収用熱交換器2とにわたって循環させるように構成してある。図中の8は、冷却水循環路7に設けた冷却水循環ポンプである。
【0018】
貯湯槽3は開放式に構成し、その貯湯槽3には、貯留される湯水の温度を検出する貯湯温検出手段としての貯湯温センサ10、及び、貯留される水位を検出する水位センサ9を設けてある。
【0019】
排熱回収用循環手段Ceは、貯湯槽3の底部から取り出した湯水を排熱回収用熱交換器2を経由し貯湯槽3の上部から戻すように流すべく配管した排熱回収用循環経路11と、その排熱回収用循環経路11に設けた排熱回収用循環ポンプ13を備えて構成してある。
つまり、排熱回収用循環ポンプ13を作動させると、排熱回収用循環手段Ceが湯水循環作動して、排熱回収用循環経路11を通じて湯水が貯湯槽3と排熱回収用熱交換器2とにわたって循環し、排熱回収用循環ポンプ13の作動を停止させると、排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動が停止する。
【0020】
槽用給水手段Wbは、給水源としての水道と貯湯槽3とに接続した槽用給水路4と、その槽用給水路4に設けて貯湯槽3への給水を断続する槽用給水路開閉弁V1とを備えて構成してある。つまり、槽用給水路開閉弁V1を開弁すると、槽用給水手段Wbが給水作動して、槽用給水路4を通じて水道水が貯湯槽3に給水され、槽用給水路開閉弁V1を閉弁すると、槽用給水手段Wbの給水作動が停止する。
【0021】
給湯用循環手段Csは、貯湯槽3の底部から取り出した湯水を集合住宅に含まれる複数の住戸Hを経由して貯湯槽3の上部に戻すように流すべく配管した給湯用循環経路14と、その給湯用循環経路14における住戸経由箇所よりも上流側に設けた給湯用循環ポンプ15と、給湯用循環経路14における住戸経由箇所よりも下流側に設けた給湯用循環経路開閉弁V2とを備えて構成し、各住戸Hには、給湯用循環経路14を流れる湯水を各住戸Hに供給する住戸用湯水供給路17を接続してある。
つまり、給湯用循環経路開閉弁V2を開弁し、給湯用循環ポンプ15を作動させると、給湯用循環手段Csが湯水循環作動して、給湯用循環経路14を通じて湯水が貯湯槽3と複数の住戸Hとにわたって循環し、給湯用循環経路開閉弁V2を閉弁し給湯用循環ポンプ15の作動を停止させると、給湯用循環手段Csの湯水循環作動が停止する。
【0022】
住戸用給水手段Wsは、水道と複数の住戸Hのそれぞれに接続した住戸用給水路16を備えて構成してある。
各住戸Hには、都市ガスを供給する住戸用ガス供給路18を接続してある。
そして、各住戸Hにおいては、住戸用湯水供給路17を給湯器Kに接続し、住戸用給水路16を給湯器K及び洗面所や台所の給水栓等の水消費部に接続し、住戸用ガス供給路18を給湯器K及びガスコンロ等のガス消費部に接続して、給湯用循環手段Csを通じて供給される湯水及び住戸用給水手段Wsを通じて供給される水を用いて湯水需要部に給湯するように構成してある。
【0023】
槽用給水路4には、貯湯槽3に給水される給水量を計測する共用部水道水流量計M2を設け、住戸用湯水供給路17には給湯用循環手段Csにて供給される湯水の流量を計測する湯水流量計M3を設け、住戸用ガス供給路18には住戸用ガス流量計M4を設け、住戸用給水路16には住戸用水道水流量計M5を設けてある。
【0024】
次に、コントローラ5の制御動作を説明する。
先ず、発電機1及び商用電源62により供給対象住戸群及び共用電力消費機器64に給電する給電制御について説明する。
コントローラ5は、1日に対して予め定められた時間帯(例えば、電力需要の多い時間帯として定めた18時から2時までの8時間)で発電機1を運転し、その他の時間帯は発電機1を停止させるように、発電機1を毎日自動運転する。
そして、発電機1の運転中は、外部電力負荷に対して発電機1にて給電されると共に、外部電力負荷に対して発電機1の出力が不足する場合には、その不足分が商用電源62にて補われる。
又、発電機1の停止中は、外部電力負荷に対して商用電源62にて給電される。
【0025】
次に、貯湯槽3の湯水を供給対象住戸群に供給する給湯制御について、図5ないし図9に基づいて説明する。
判別手段Dは、発電時においては、循環湯水使用状態として、貯湯槽3の湯水の温度低下が大きくて、通常運転状態から降温抑制運転状態に切り換えるべき状態である貯湯温低下状態、及び、貯湯槽3の湯水の温度低下が無くなって、降温抑制運転状態から通常運転状態に切り換えるべき状態である貯湯温上昇状態を判別し、又、発電停止時においては、循環湯水使用状態として、循環湯水使用量が多くて、循環運転状態を実行すべき状態である発電停止時高給湯負荷状態、及び、循環湯水使用量が少なくて、循環停止運転状態を実行すべき状態である発電停止時低給湯負荷状態を判別するように構成してある。
【0026】
ちなみに、貯湯温低下状態は、通常運転状態にて運転中に、供給対象住戸群における湯水使用量、即ち循環湯水使用量が増加して、貯湯槽3の湯水の温度が低下する傾向となって、その低下を抑制する必要がある状態に対応して設定し、貯湯温上昇状態は、降温抑制運転状態にて運転中に、循環湯水使用量が減少して、貯湯槽3の湯水の温度が上昇する傾向となって、その上昇を停止する必要がある状態に対応して設定する。又、発電停止時高給湯負荷状態及び発電停止時低給湯負荷状態の夫々は、循環湯水使用量が発電停止時低給湯負荷状態よりも発電停止時高給湯負荷状態の方が多くなる関係にて設定する。
【0027】
コントローラ5には、水位センサ9、貯湯温センサ10及び湯水流量計M3夫々の検出情報が入力され、それら入力情報に基づいて、冷却水循環ポンプ8、排熱回収用循環ポンプ13及び給湯用循環ポンプ15夫々の発停制御、槽用給水路開閉弁V1及び給湯用循環路開閉弁V2夫々の開閉制御を行うように構成してある。
又、コントローラ5の記憶部5mには、設定基準量に対応する設定基準水位及び設定下限量に対応する設定下限水位を予め設定して記憶させてある。
ちなみに、設定基準量としては、例えば、満水状態よりもやや少ない貯留量に設定し、設定下限量としては、例えば、循環湯水使用量が急増しても、貯湯槽3の貯留量がゼロになることがなくて、供給対象住戸群に途絶えることがなく安定して貯湯槽3から湯水を供給できるような貯留量の下限値に設定してある。
【0028】
コントローラ5は、発電機1の運転開始に伴って、通常運転状態を実行し、発電機1を運転している発電時には、通常運転状態を実行しているときに、判別手段Dが貯湯温低下状態を判別すると、通常運転状態から降温抑制運転状態に切り換え、その降温抑制運転状態を実行しているときに、判別手段Dが貯湯温上昇状態を判別すると、降温抑制運転状態から通常運転状態に切り換え、発電機1の運転を停止している発電停止時には、判別手段Dが発電停止時低給湯負荷状態を判別すると、循環停止運転状態にて運転し、判別手段Dが発電停止時高給湯負荷状態を判別すると、循環運転状態にて運転する。又、コントローラ5は、循環停止運転状態での運転を開始するのに伴って、各住戸Hの給湯器Kに対して循環停止運転開始情報を通信し、循環停止運転状態での運転を停止するのに伴って、循環停止運転終了情報を通信する。
【0029】
又、コントローラ5は、発電時は、貯湯温センサ10の検出情報に基づいて、貯湯槽3の湯水の温度が設定上限温度以上になると、運転状態を排熱回収停止運転状態に切り換え、貯湯槽3の湯水の温度が設定上限温度よりも低くなると、元の運転状態に切り換える。
【0030】
又、コントローラ5は、操作部22から点検運転の実行が指示されると、発電機1の運転を停止させると共に、判別手段Dの判別結果に関係なく、循環停止運転状態に運転状態を切り換える。
【0031】
以下、図5ないし図9に基づいて、各運転状態の制御動作について説明を加える。
通常運転状態においては、冷却水循環ポンプ8を作動させ、排熱回収用循環ポンプ13を作動させて、排熱回収用循環手段Ceを湯水循環作動させ、給湯用循環経路開閉弁V2を開弁し且つ給湯用循環ポンプ15を作動させて、給湯用循環手段Csを湯水循環作動させ、並びに、水位センサ9の検出情報に基づいて、貯湯槽3の湯水貯留水位を設定基準水位に維持するように、槽用給水路開閉弁V1を開閉制御して、槽用給水手段Wbの給水作動を断続する。
【0032】
図5に示すように、通常運転状態においては、エンジン冷却水は排熱回収用熱交換器2を通って循環し、貯湯槽3の湯水は、排熱回収用循環経路11にて排熱回収用熱交換器2を通って循環し、並びに、給湯用循環経路14にて複数の住戸Hを巡って循環し、貯湯槽3の湯水貯留水位が設定基準水位に維持されるように、槽用給水路4を通じて貯湯槽3に給水される。
つまり、貯湯槽3から取り出された湯水が排熱回収用熱交換器2におけるエンジン冷却水との熱交換作用にて加熱されて戻されることにより、貯湯槽3の湯水が加熱され、その貯湯槽3から取り出された湯水が複数の住戸Hにわたって循環し、各住戸Hにおいては、給湯器Kにより、給湯用循環経路14を循環する湯水を用いて給湯することになる。
【0033】
降温抑制運転状態においては、冷却水循環ポンプ8を作動させ、排熱回収用循環ポンプ13を作動させて、排熱回収用循環手段Ceを湯水循環作動させ、給湯用循環経路開閉弁V2を開弁し且つ給湯用循環ポンプ15を作動させて、給湯用循環手段Csを湯水循環作動させ、並びに、水位センサ9の検出情報に基づいて、貯湯槽3の湯水貯留水位が設定基準水位よりも低くなっても、槽用給水路開閉弁V1の閉弁状態を維持して槽用給水手段Wbの給水作動を停止させる状態で、貯湯槽3の湯水貯留水位が設定下限水位以下になると、湯水貯留水位を設定下限水位に維持するように、槽用給水路開閉弁V1を開閉制御して、槽用給水手段Wbの給水作動を断続する。
【0034】
図6に示すように、降温抑制運転状態においては、通常運転状態と同様に、エンジン冷却水は排熱回収用熱交換器2を通って循環し、貯湯槽3の湯水は、排熱回収用循環経路11にて排熱回収用熱交換器2を通って循環し、並びに、給湯用循環経路14にて複数の住戸Hを巡って循環するが、貯湯槽3の湯水貯留量が設定基準量よりも少なくなっても貯湯槽3への給水が停止されたままであり、貯湯槽3の湯水貯留量が更に少なくなって、設定下限量以下になると、貯湯槽3の湯水貯留量が設定下限量に維持されるように、槽用給水路4を通じて貯湯槽3に給水される。
従って、貯湯槽3の湯水貯留量が設定基準量よりも少なくなっても貯湯槽3への給水が停止されたままであることから、貯湯槽3の湯水の温度の低下が抑制されるので、温度低下が抑制された高温の湯水が複数の住戸Hにわたって循環することとなり、各住戸Hでの追焚加熱量を低減することが可能となる。
又、貯湯槽3の湯水貯留量が更に少なくなって、設定下限量以下になると、貯湯槽3の湯水貯留量が設定下限量に維持されるように給水されるので、貯湯槽3からの各住戸Hへの湯水の供給が途絶えることがない。
【0035】
排熱回収停止運転状態においては、冷却水循環ポンプ8を作動させ、排熱回収用循環ポンプ13を停止させて排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動を停止させ、給湯用循環経路開閉弁V2を開弁し且つ給湯用循環ポンプ15を作動させて、給湯用循環手段Csを湯水循環作動させる。
図7に示すように、排熱回収停止運転状態においては、エンジン冷却水は排熱回収用熱交換器2を通って循環するが、排熱回収用循環ポンプ13が停止しているので、排熱回収用循環経路11を通じて排熱回収用熱交換器2を通る貯湯槽3の湯水の循環は停止され、貯湯槽3の湯水は、給湯用循環経路14にて複数の住戸Hを巡って循環する。
従って、貯湯槽3の湯水が給湯用循環経路14にて複数の住戸Hにわたって循環して、各住戸Hにおいては、給湯器Kにより、給湯用循環経路14を循環する湯水を用いて給湯することになる。
【0036】
そして、貯湯槽3の湯水の量が少なくなるのに伴って、水位センサ9にて検出される貯湯槽3の水位が設定基準水位以下になると、槽用給水路開閉弁V1が開かれて、槽用給水路4を通じて貯湯槽3に給水されるので、貯湯槽3の湯水の温度が低下することになる。そして、貯湯温センサ10にて検出される貯湯槽3の湯水の温度が設定上限温度よりも低くなることに基づいて、コントローラ5は、排熱回収停止運転状態に切り換える前の運転状態に切り換える。
【0037】
循環停止運転状態においては、冷却水循環ポンプ8を停止させ、槽用給水路開閉弁V1を閉弁して槽用給水手段Wbの給水作動を停止させ、排熱回収用循環ポンプ13を停止させて、排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動を停止させ、給湯用循環経路開閉弁V2を閉弁し且つ給湯用循環ポンプ15を停止させて給湯用循環手段Csの湯水循環作動を停止させる。
【0038】
図8に示すように、循環停止運転状態においては、発電機1の運転が停止されて、発電機1からの排熱発生がないので、排熱回収用熱交換器2を通しての貯湯槽3の湯水の循環が停止された状態となり、しかも、その状態で、給湯用循環経路14を通じての貯湯槽3の湯水の循環も停止されるので、貯湯槽3の湯水を給湯用循環経路14を通じて循環させることによる放熱がないので、貯湯槽3の湯水の温度低下を抑制することが可能となる。このように循環停止運転状態が実行されているときは、各住戸Hにおいては、給湯器Kにより、住戸用給水路16を通じて供給される水を用いて給湯することになる。
【0039】
循環運転状態においては、冷却水循環ポンプ8を停止させ、槽用給水路開閉弁V1を閉弁して槽用給水手段Wbの給水作動を停止させ、排熱回収用循環ポンプ13を停止させて、排熱回収用循環手段Ceの湯水循環作動を停止させ、給湯用循環経路開閉弁V2を開弁し且つ給湯用循環ポンプ15を作動させて、給湯用循環手段Csを湯水循環作動させ、並びに、水位センサ9の検出情報に基づいて、貯湯槽3の湯水貯留水位が設定下限水位以下になる場合には、湯水貯留水位を設定下限水位に維持するように、槽用給水路開閉弁V1を開閉制御して、槽用給水手段Wbの給水作動を断続する。
【0040】
図9に示すように、循環運転状態においては、発電機1の運転が停止されて、発電機1からの排熱発生がないので、排熱回収用熱交換器2を通しての貯湯槽3の湯水の循環が停止された状態となり、その状態で、貯湯槽3の湯水は、給湯用循環経路14にて複数の住戸Hを巡って循環し、貯湯槽3の湯水貯留量が設定下限量に維持されるように、槽用給水路4を通じて貯湯槽3に給水される。
従って、各住戸Hにおいては、給湯器Kにより、給湯用循環経路14を循環する湯水を用いて給湯することができる。
【0041】
つまり、運転制御手段Uは、コントローラ5、排熱回収用循環ポンプ13、給湯用循環経路開閉弁V2、給湯用循環ポンプ15及び槽用給水路開閉弁V1を備えて構成してある。
【0042】
図1に示すように、この第1実施形態では、給湯用循環手段Csを通じて複数の住戸Hに供給される湯水の熱量を熱負荷として検出する熱負荷検出手段Lと、その熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷を記憶する記憶手段としてコントローラ5の記憶部5mを設け、判別手段Dは、記憶手段5mの記憶情報に基づいて、運転対象日における熱負荷を予測する熱負荷予測手段Pを備えて構成し、運転制御手段Uは、熱負荷予測手段Pの予測情報に基づいて、通常運転状態と降温抑制運転状態と循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を自動的に切り換えるように構成してある。
【0043】
熱負荷検出手段Lについて説明を加える。
コントローラ5は、操作部22からテスト運転の指令があると、予め設定されたテスト運転期間(例えば1週間)の間、発電時は通常運転状態にて、発電停止時は循環運転状態にてそれぞれ運転するテスト運転を実行する。
そして、テスト運転中は、コントローラ5は、各湯水流量計M3の検出流量を合計した総湯水流量に貯湯温センサ10の検出温度を乗じて熱量を演算することにより、その熱量を熱負荷として検出するように構成してあり、熱負荷検出手段Lは、各湯水流量計M3、貯湯温センサ10及びコントローラ5を備えて構成してある。
そして、コントローラ5の記憶部5mは、熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷を時間及び曜日に対応付けて記憶するように構成してある。つまり、記憶部5mには、熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷が1日の24時間に対応付けられた熱負荷経時変化が、曜日に対応付けられて記憶される。
【0044】
そして、コントローラ5は、記憶部5mに記憶されている熱負荷経時変化に基づいて、運転対象日の曜日に対応する熱負荷経時変化を運転対象日の熱負荷経時変化として予測して、その予測熱負荷に基づいて後述するように運転状態を切り換えて運転するが、運転中は、熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷を時間及び曜日に対応付けて記憶部5mに記憶するようにして、運転対象日の熱負荷経時変化として、記憶部5mに記憶されている前週の運転対象日の曜日に対応する熱負荷経時変化を予測するように構成してある。従って、コントローラ5を用いて、熱負荷予測手段Pを構成してある。
つまり、供給対象住戸群において、1日24時間の間の熱負荷経時変化は、同じ月内、又は、同じ季節内では、曜日が同じであれば、日が違っても類似したものとなるので、記憶部5mに記憶されている熱負荷経時変化のうちから、運転対象日の曜日に対応するものを選択することにより、運転対象日の熱負荷経時変化を予測することができるのである。
【0045】
尚、1年間にわたって、熱負荷経時変化を月、日及び曜日に対応付けて記憶部5mに記憶し、その1年分のデータに基づいて、各月毎に各曜日の平均の熱負荷経時変化を求めてそれを予測用データとして記憶部5mに記憶し、以降は、記憶部5mに記憶されている予測用データに基づいて、運転対象日の月及び曜日に対応する熱負荷経時変化を運転対象日の熱負荷経時変化を予測するように構成しても良い。
【0046】
更に、コントローラ5の記憶部5mには、発電時用第1設定熱負荷、発電時用第2設定熱負荷及び発電停止時用設定熱負荷を予め設定して記憶させてある。ちなみに、発電停止時用設定熱負荷<発電時用第2設定熱負荷<発電時用第1設定熱負荷である。
そして、コントローラ5は、予測した熱負荷経時変化に基づいて、通常運転状態の実行中に予測熱負荷が発電時用第1設定熱負荷以上になると循環湯水使用状態が貯湯温低下状態になったと判別し、降温抑制運転状態の実行中に予測熱負荷が発電時用第2設定熱負荷以下になると循環湯水使用状態が貯湯温上昇状態になったと判別し、発電停止時に、予測熱負荷が発電停止時用設定熱負荷よりも小さくなると、循環湯水使用状態が発電停止時低給湯負荷状態になったと判別し、予測熱負荷が発電停止時用設定熱負荷以上になると、循環湯水使用状態が発電停止時高給湯負荷状態になったと判別するように構成してある。つまり、判別手段Dもコントローラ5を用いて構成してある。
【0047】
第1実施形態におけるコントローラ5の制御動作を、図2に基づいて説明を加える。図2は、運転対象日の予測熱負荷経時変化を予測熱負荷率の経時変化にて示し、この予測熱負荷率は、運転対象日の予測熱負荷の総和を100%として、百分率で示している。
コントローラ5は、1日に対して予め定められた発電機運転時間帯(図2では、電力需要の多い時間帯として定めた18時から2時までの8時間)で、発電機1を運転する。
そして、発電機1の運転開始に伴って、予測熱負荷が発電時用第1設定熱負荷より小さいときは通常運転状態にて運転を開始し、予測熱負荷が発電時用第1設定熱負荷以上のときは降温抑制運転状態にて運転を開始し、以降、発電中は、通常運転状態にて運転中に、予測熱負荷が発電時用第1設定熱負荷以上になると循環湯水使用状態が貯湯温低下状態になったと判別して、通常運転状態から降温抑制運転状態に切り換え、降温抑制運転状態にて運転中に、予測熱負荷が発電時用第2設定熱負荷以下になると循環湯水使用状態が貯湯温上昇状態になったと判別して、降温抑制運転状態から通常運転状態に切り換える。
又、発電停止中は、予測熱負荷が発電停止時用設定熱負荷よりも小さくなると、循環湯水使用状態が発電停止時低給湯負荷状態になったと判別して、循環停止運転状態にて運転し、予測熱負荷が発電停止時用設定熱負荷以上になると、循環湯水使用状態が発電停止時高給湯負荷状態になったと判別して、循環運転状態にて運転する。
【0048】
つまり、発電時において、通常運転状態にて運転しているときに、予測熱負荷が発電時用第1設定熱負荷以上となって、貯湯槽3の湯水の温度が低下する可能性のある状態となると、降温抑制運転状態に切り換えられて、貯湯槽3の湯水の温度の低下が阻止され、その降温抑制運転状態にて運転中に、予測熱負荷が発電時用第2設定熱負荷以下となって、貯湯槽3の湯水の温度が上昇する可能性のある状態となると、通常運転状態に切り換えられて、貯湯槽3の湯水の温度の上昇が阻止される。
又、発電停止時に、予測熱負荷が発電停止時設定熱負荷よりも少なくて、循環湯水使用量が少ないと予測されるときは、循環停止運転状態にて運転されて、給湯用循環経路14を通じての貯湯槽3の湯水の循環が停止されるので、給湯用循環経路14を通じての放熱が抑制されて、貯湯温3の湯水の温度低下が抑制され、予測熱負荷が発電停止時設定熱負荷よりも多くて、循環湯水使用量が多いと予測されるときは、循環運転状態にて運転されて、給湯用循環経路14を通じて貯湯槽3の湯水が循環するので、各住戸Hにおいては、給湯用循環経路14を循環する高温の湯水を用いて給湯することが可能となる。
【0049】
次に、図10に基づいて、各住戸Hに設ける給湯器Kについて説明する。
給湯器Kは、住戸用湯水供給路17から供給される湯水と住戸用給水路16から供給される水とを混合する混合部Kmと、その混合部Kmから湯水が加熱対象として供給される加熱部Khと、目標給湯温度を設定する給湯温度設定部等を備えたリモコン操作部31を備えて構成してある。
【0050】
加熱部Khは、混合部Kmから給水路32を通じて供給される湯水を加熱して、加熱後の湯水を給湯路33に供給する給湯用熱交換器34と、追焚用循環路35を通流する浴槽(図示省略)の湯水を加熱する追焚用熱交換器36と、それら給湯用熱交換器34及び追焚用熱交換器36を加熱するガスバーナ37と、加熱部Khの作動を制御する加熱制御部38等を備えて構成してある。
【0051】
ガスバーナ37には、住戸用ガス供給路18を接続し、その住戸用ガス供給路18には、ガス供給を断続するガス断続弁39、及び、ガス供給量を調整するガス比例弁40を設けてある。
【0052】
給水路32には、供給される湯水の温度を検出する給水温度センサ41、供給される湯水の流量を検出する給水量センサ42を設け、給水路32と給湯路33とを給水バイパス路43にて接続してある。
給湯路33には、上流側から順に、給湯用熱交換器34からの湯水と給水バイパス路43からの水との混合比を調整するミキシング弁45、湯水の量を調整する水比例弁50と、ミキシング弁45にて混合された湯水の温度を検出する給湯温度センサ44を設け、給湯路33の先端には、給湯栓49を接続してある。
給湯路33から分岐した湯張り路46を追焚用循環路35における往路部分に接続し、湯張り路46には湯張り用開閉弁47を設けてある。
又、追焚用循環路35における復路部分には、浴槽水を循環させる浴槽用循環ポンプ48を設けてある。
【0053】
混合部Kmは、住戸用湯水供給路17(即ち、給湯用循環手段Cs)から供給される湯水と住戸用給水路16から供給される水との混合比を調整するミキシング弁51と、住戸用湯水供給路17からミキシング弁51への湯水供給を断続する湯水供給路開閉弁52と、住戸用湯水供給路17からミキシング弁51へ供給される湯水の温度(以下、循環湯水温度と称する場合がある)を検出する循環湯水温度センサ53と、住戸用給水路16からミキシング弁51へ供給される水の温度(混合部給水温度と称する場合がある)を検出する給水温度センサ54と、ミキシング弁51から流出した湯水の温度(以下、混合湯水温度と称する場合がある)を検出する混合温度センサ55と、混合部Kmの作動を制御する混合制御部56等を備えて構成してある。
【0054】
次に、加熱制御部38及び混合制御部56の制御動作について説明する。
加熱制御部38は、リモコン操作部31及び混合制御部56夫々との間で各種の制御情報を通信するように構成すると共に、コントローラ5から循環停止運転開始情報及び循環停止運転終了情報が通信されるように構成してある。
リモコン操作部31の運転スイッチがオンされると、加熱制御部38及び混合制御部56夫々の制御が可能となり、湯水供給路開閉弁52が開かれた運転可能状態となる。
そして、給湯栓49が開かれて、給水量センサ42の検出湯水流量が設定量以上になると、加熱制御部38は、混合制御部56に対して、リモコン操作部31にて設定された目標給湯温度を送信し、混合制御部56は、循環湯水温度センサ53にて検出された循環湯水温度と加熱制御部38から送られてきた目標給湯温度とを比較して、循環湯水温度が目標給湯温度以上のときはその旨を、循環湯水温度が目標給湯温度より低いときはその旨をそれぞれ加熱制御部38に送信する。
【0055】
又、混合制御部56には、予め、混合目標温度を設定して記憶させてある。ちなみに、混合目標温度としては低混合目標温度と高混合目標温度との2種類を設定してあり、低混合目標温度は、リモコン操作部31で設定される目標給湯温度が予め設定してある通常目標給湯温度範囲(例えば35〜48°C)のときに対応するものであり、例えば30°Cに設定し、高混合目標温度は、リモコン操作部31で設定される目標給湯温度が予め設定してある高温目標給湯温度(例えば60°C)のときに対応するものであり、例えば、45°Cに設定する。
【0056】
給湯栓49が開かれて給水量センサ42の検出湯水流量が設定量以上になることに基づいて、加熱制御部38から目標給湯温度が送信されてくると、混合制御部56は、循環湯水温度センサ53にて検出される循環湯水温度と目標給湯温度とを比較して、循環湯水温度が目標給湯温度以上のときは、循環湯水温度センサ53、給水温度センサ54及び混合温度センサ55夫々の検出温度に基づいて、混合温度センサ55にて検出される混合湯水温度が目標給湯温度になるようにミキシング弁51を調整するミキシング制御を実行して、住戸用湯水供給路19からの湯水と住戸用給水路21からの水を混合し、且つ、循環湯水温度が目標給湯温度以上である旨を加熱制御部38に送信する。
加熱制御部38は、循環湯水温度が目標給湯温度以上である旨が混合制御部56から送信されてくると、ガスバーナ37を燃焼停止状態とする。
従って、混合部Kmから加熱部Khに供給された湯水は加熱部Khにて加熱されずに給湯栓49から出湯することになり、給湯栓49からは目標給湯温度又は略目標給湯温度の湯水が出湯する。
【0057】
一方、循環湯水温度が目標給湯温度よりも低いときは、循環湯水温度センサ53、給水温度センサ54及び混合温度センサ55夫々の検出温度に基づいて、混合温度センサ55にて検出される混合湯水温度が、目標給湯温度が通常目標給湯温度範囲のときは低混合目標温度になるように、あるいは、目標給湯温度が高温目標給湯温度のときは高混合目標温度になるように、ミキシング弁51を調整するミキシング制御を実行して、住戸用湯水供給路19からの湯水と住戸用給水路21からの水を混合し、且つ、循環湯水温度が目標給湯温度よりも低い旨を加熱制御部38に送信する。
加熱制御部38は、混合制御部56から循環湯水温度が目標給湯温度よりも低い旨が送信されてくると、ガスバーナ37を燃焼させ、目標給湯温度、給水温度センサ41の検出温度及び給水量センサ42の検出給水量に基づいて、給湯用熱交換器34から流出する湯水の温度が目標給湯温度になるように、ガス比例弁40の開度及びミキシング弁45の開度を調節するフィードフォワード制御を実行し、且つ、給湯温度センサ44の検出温度と目標給湯温度との偏差に基づいてガス比例弁40の開度を微調整するフィードバック制御を実行する。
従って、給湯栓49からは目標給湯温度の湯水が出湯することになる。
【0058】
但し、加熱制御部38は、コントローラ5からの循環停止運転開始情報を受信すると、その旨を混合制御部56に送信し、混合制御部56は、循環停止運転開始情報を受信すると、湯水供給路開閉弁52を閉じると共に、上述の如き各ミキシング制御を実行せずに、ミキシング弁51を住戸用湯水供給路17側が閉じ状態となり且つ住戸用給水路16側が全開状態となるように制御する。又、加熱制御部38は、コントローラ5から循環停止運転終了情報が通信されてくると、その旨を混合制御部56に通信し、混合制御部56は、循環停止運転終了情報を受信すると、湯水供給路開閉弁52を開弁すると共に、上述の如く、各ミキシング制御を実行する。
【0059】
給湯用循環手段Csからの湯水の温度が目標給湯温度よりも低いときは、目標給湯温度への温度調節が安定して行えるような混合目標温度になるように、給湯用循環手段Csからの湯水と住戸用給水手段Wsからの水とが混合されてから、加熱部Khにて目標給湯温度になるように加熱されるので、給湯用循環手段Csからの湯水の温度と目標給湯温度との差が小さいときでも、目標給湯温度又は略目標給湯温度の湯水が得られる。
つまり、ガスバーナ37の燃焼安定性を確保するために、ガスバーナ37の燃焼量は所定の最小燃焼量よりも小さくは絞れないようにしてある。従って、前述の如き湯水混合制御、即ち、給湯用循環手段Csからの湯水と住戸用給水手段Wsからの水とを混合目標温度になるように混合する制御を行わないときは、給湯用循環手段Csからの湯水の温度と目標給湯温度との差が小さくて、その差に基づいて求めた燃焼量が最小燃焼量よりも小さいときは、例えば、ガスバーナ37を最小燃焼量にて燃焼させるようになるので、出湯する湯水の温度を目標給湯温度に調整し難いといった不具合が生じることになる。そこで、前述の如き湯水混合制御を行うことにより、前述の如き不具合が解消されることになる。
【0060】
つまり、給湯器Kは、給湯用循環手段Csを通じて供給される湯水と住戸用給水手段Wsを通じて供給される水との混合又は加熱手段としての加熱部Khによる加熱により、目標給湯温度にて給湯するように構成してある。
【0061】
〔第2実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態においては、判別手段D及び運転制御手段Uの構成が異なる以外は、上記の第1実施形態と同様に構成してあるので、主として、第1実施形態と異なる判別手段D及び運転制御手段Uについて説明し、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0062】
判別手段Dは、第1実施形態と同様に、貯湯温低下状態、貯湯温上昇状態、発電停止時高給湯負荷状態及び発電停止時低給湯負荷状態を判別するように構成してあり、コントローラ5は、第1実施形態と同様に、通常運転状態と降温抑制運転状態と排熱回収停止運転状態と循環停止運転状態と循環運転状態とに運転状態を切り換えるように構成してあり、各運転状態における制御動作は、図6ないし図9を用いて説明した第1実施形態における制御動作と同様であるので説明を省略する。
又、コントローラ5は、第1実施形態と同様に、循環停止運転状態での運転を開始するのに伴って、各住戸Hの給湯器Kに対して循環停止運転開始情報を通信し、循環停止運転状態での運転を停止するのに伴って、循環停止運転終了情報を通信する。そして、給湯器Kの構成及び制御動作も、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0063】
図3に示すように、第2実施形態においては、判別手段Dは、発電時の循環湯水使用状態判別用として、貯湯槽3の湯水の温度を検出する貯湯温検出手段としての貯湯温センサ10を備えて構成し、発電停止時の循環湯水使用状態判別用として、時刻を計測する計時手段Tを備えて構成し、運転制御手段Uは、発電時には、貯湯温センサ10の検出情報に基づいて、通常運転状態と降温抑制運転状態とに運転状態を切り換え、発電停止時には、計時手段Tの計測情報に基づいて、循環運転状態と循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるように構成してある。
【0064】
コントローラ5の記憶部5mには、上位設定温度、下位設定温度(但し、下位設定温度<上位設定温度)、及び、発電停止時低給湯負荷時間帯を予め設定して記憶させてある。下位設定温度は、通常運転状態にて運転中に、循環湯水使用量が増加して貯湯槽3の湯水の温度が低下してきたときに、低下し過ぎるのを防止する必要がある状態の温度、例えば50°C程度に設定し、上位設定温度は、降温抑制運転状態にて運転中に、循環湯水使用量が減少して貯湯槽3の湯水の温度が上昇してきたときに、上昇し過ぎるのを防止する必要がある状態の温度、例えば55〜60°C程度に設定してある。
又、発電停止時低給湯負荷時間帯は、発電停止時において、循環湯水使用量が少ないと予想される時間帯、例えば、午前2時から午前6時までの間に設定してある。
【0065】
そして、コントローラ5は、発電時には、貯湯温センサ10の検出温度に基づいて、通常運転状態の実行中に検出温度が下位設定温度以下になると循環湯水使用状態が貯湯温低下状態になったと判別し、降温抑制運転状態の実行中に検出温度が上位設定温度以上になると循環湯水使用状態が貯湯温上昇状態になったと判別し、発電停止時には、計時手段Tの計時時刻が発電停止時低給湯負荷時間帯となる間は、循環湯水使用状態が発電停止時低給湯負荷状態であると判別し、計時手段Tの計時時刻が発電停止時低給湯負荷時間帯以外の間は、循環湯水使用状態が発電停止時高給湯負荷状態であると判別するように構成してある。つまり、判別手段Dもコントローラ5を用いて構成してある。
又、計時手段Tも、コントローラ5を用いて構成してある。
【0066】
第2実施形態におけるコントローラ5の制御動作を、図4に基づいて説明を加える。図4において、棒グラフは、コージェネレーションシステムの設置対象の集合住宅における予測熱負荷経時変化を予測熱負荷率の経時変化にて示し、この予測熱負荷率の経時変化の棒グラフは、予測熱負荷を総和を100%として、1時間毎の予測熱負荷率を百分率で示している。又、実線の折れ線グラフにて、運転状態を通常運転状態と降温抑制運転状態と循環停止運転状態と循環運転状態とに運転状態を切り換えた場合の貯湯槽3の湯水の温度の経時変化を示し、破線の折れ線グラフにて、発電時は常に通常運転状態にて運転し、発電停止時は常に循環運転状態にて運転した場合の貯湯槽3の湯水の温度の経時変化を示す。
【0067】
コントローラ5は、1日に対して予め定められた発電機運転時間帯(図4では、電力需要の多い時間帯として定めた18時から2時までの8時間)で、発電機1を運転する。
そして、発電機1の運転開始に伴って、貯湯温センサ10の検出温度が下位設定温度より高いときは通常運転状態にて運転を開始し、貯湯温センサ10の検出温度が下位設定温度以下のときは降温抑制運転状態にて運転を開始し、以降、発電中は、通常運転状態にて運転中に、貯湯温センサ10の検出温度が下位設定温度以下になると循環湯水使用状態が貯湯温低下状態になったと判別して、通常運転状態から降温抑制運転状態に切り換え、降温抑制運転状態にて運転中に、貯湯温センサ10の検出温度が上位設定温度以上になると循環湯水使用状態が貯湯温上昇状態になったと判別して、降温抑制運転状態から通常運転状態に切り換える。
又、発電停止中は、計時手段Tの計測情報に基づいて、発電停止時低給湯負荷時間帯は、循環湯水使用状態が発電停止時低給湯負荷状態にであると判別して、循環停止運転状態を実行し、発電停止時低給湯負荷時間帯以外の時間帯は、循環湯水使用状態が発電停止時高給湯負荷状態であると判別して、循環運転状態を実行する。
【0068】
つまり、図4において実線の折れ線グラフで示されるように、発電時において、貯湯温センサ10の検出温度が下位設定温度以下のときは、貯湯槽3の湯水の温度が低下し過ぎる可能性のある状態であるので、降温抑制運転状態にて運転されて、貯湯槽3の湯水の温度の低下が阻止され、その降温抑制運転状態にて運転中に、予測熱負荷が上位設定温度以上となって、貯湯槽3の湯水の温度が上昇し過ぎる可能性のある状態となると、通常運転状態に切り換えられて、貯湯槽3の湯水の温度の上昇が阻止される。
又、発電停止時に、発電停止時低給湯負荷時間帯であって循環湯水使用量が少ないと予測されるときは、循環停止運転状態にて運転されて、給湯用循環経路14を通じての貯湯槽3の湯水の循環が停止されるので、給湯用循環経路14を通じての放熱が抑制されて、貯湯温3の湯水の温度の低下が抑制され、発電停止時低給湯負荷時間帯以外の時間帯であって、循環湯水使用量が多い予測されるときは、循環運転状態にて運転されて、給湯用循環経路14を通じて貯湯槽3の湯水が循環するので、各住戸Hにおいては、給湯用循環経路14を循環する高温の湯水を用いて給湯することが可能となる。
【0069】
図4において、破線の折れ線グラフにて示されるように、発電停止時に常に循環運転状態にて運転すると、給湯用循環経路14を通じての放熱量が多いので、貯湯槽3の湯水の低下が著しく、又、発電時に常に通常運転状態にて運転すると、循環湯水使用量が多くなると、貯湯槽3の湯水の低下が著しくなることが分かる。
【0070】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 判別手段Dの具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、貯湯槽の湯水の温度の変化率の大きさにより、循環湯水使用状態を判別するようにしても良い。
又、上記の第1実施形態においては、熱負荷検出手段Lとして、給湯用循環手段Csを通じて複数の住戸Hに供給される湯水の熱量を熱負荷と検出するように構成する場合について例示したが、熱負荷検出手段Lとして、給湯用循環手段Csを通じて複数の住戸Hに供給される湯水の供給量を熱負荷として検出するように構成すると共に、記憶手段5mは、その熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷を記憶するように構成し、判別手段Dは、記憶手段5mの記憶情報に基づいて運転対象日における熱負荷を予測する予測手段Pを備えて構成しても良い。この場合、給湯用循環手段Csを通じて複数の住戸Hに供給される湯水の供給量は、湯水流量計M3の検出情報に基づいて求める。あるいは、給湯用循環経路14における住戸用湯水供給路17の接続箇所より上流側に対応する部分に、集中流量計を設けて、その集中流量計により、複数の住戸Hに供給される湯水の供給量を検出しても良い。
【0071】
又、熱負荷検出手段Lとして、供給対象住戸群において給湯器Kにて給湯される湯水の給湯量又は熱量を熱負荷として検出するように構成すると共に、記憶手段5mは、その熱負荷検出手段Lにて検出される熱負荷を記憶するように構成し、判別手段Dは、記憶手段5mの記憶情報に基づいて運転対象日における熱負荷を予測する予測手段Pを備えて構成しても良い。この場合は、住戸用給水路16にて給湯器Kの混合部Kmに供給される水の流量を検出する混合部用流量計を設け、各住戸Hにおける目標給湯温度を例えば40°Cに仮定して、その仮定目標給湯温度と、湯水流量計M3及び前記混合部用流量計それぞれの検出情報とに基づいて、供給対象住戸群において給湯器Kにて給湯される湯水の熱量を求める。又は、湯水流量計M3及び前記混合部用流量計それぞれの検出情報に基づいて、供給対象住戸群において給湯器Kにて給湯される湯水の給湯量を求める。
【0072】
(ロ) 上記の第1実施形態において、熱負荷経時変化が、気温、天気等の気象条件に対応付けられて記憶されるように構成して、気温、天気等の気象条件を考慮して、運転対象日の熱負荷経時変化を予測するように構成すると、運転対象日の熱負荷経時変化を更に精度良く予測することができるので好ましい。
【0073】
(ハ) 上記の実施形態においては、運転制御手段Uを、コントローラ5を備えて構成して、そのコントローラ5により、通常運転状態と降温抑制運転状態と循環運転状態と循環停止運転状態との運転状態に切り換えを自動的に行う場合について例示したが、コントローラ5を省略して、前記の運転状態の切換を手動操作にて行うように構成しても良い。
【0074】
(ニ) 上記の実施形態においては、発電時には、通常運転状態と降温抑制運転状態とに運転状態を切り換えるように構成する場合について例示したが、そのような切り換え構成を省略して、発電時は、常時、通常運転状態にて運転するように構成しても良い。
【0075】
(ホ) 貯湯槽3の具体構成は、上記の実施形態において例示した如き1槽の開放式に限定されるものではなく、例えば、1槽の密閉式(図11に示す構成)や、低温槽と高温槽とを備えた2槽の開放式でも良い。この2槽の開放式は、槽用給水手段Wbにて給水される低温槽と、その低温槽からオーバーフロー状態にて湯水が供給される高温槽とを備え、排熱回収用循環手段Ceは、前記低温槽から湯水を取り出して再び前記低温槽に戻す排熱回収用循環経路にて湯水を循環させるように構成し、給湯用循環手段Csは、前記高温槽から湯水を取り出して前記低温槽に戻す給湯用循環経路14にて湯水を循環させるように構成する。この場合、高温槽に対しては、低温槽の上層の高温層から、オーバーフロー状態で湯水が供給されて、高温槽の湯水の貯留温度が安定するので、各住戸Hへの湯水の供給温度が安定する。
【0076】
(ヘ) 上記の実施形態においては、給湯器Kは、混合部Km及び加熱部Khの両方を備えて構成する場合について例示したが、混合部Kmを省略しても良い。
【0077】
(ト) 上記の実施形態のように、発電手段を、ガスエンジン等のエンジンにて駆動されるエンジン駆動の回転式の発電機1にて構成する場合、排熱回収用熱交換器2に供給する発電機1の排熱としては、上記の実施形態において例示したエンジン冷却水以外に、エンジンの排ガスを供給したり、エンジン冷却水と排ガスの両方を供給したりするように構成しても良い。尚、発電手段を、エンジン駆動の回転式の発電機1にて構成する場合、エンジンとしては、上記の実施形態において例示した都市ガスを燃料とするもの以外に、LPガス、石油、ガソリン等種々の燃料を用いるものを使用することができる。
又、発電手段は、上記の実施形態において例示した如きエンジン駆動の回転式の発電機1にて構成する以外に、ガスタービンにて駆動するガスタービン駆動の回転式発電機にて構成しても良い。発電手段をガスタービン駆動の回転式の発電機にて構成する場合、排熱回収用熱交換器2には排熱としてガスタービンの排ガスを供給するように構成する。
又、発電手段としては、上記の如き回転式の発電機に限定されるのではなく、例えば、各種の燃料電池にて構成することができる。発電手段を燃料電池にて構成する場合は、排熱回収用熱交換器2には排熱として燃料電池の冷却水を供給するように構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るコージェネレーションシステムの全体構成を示すブロック図
【図2】第1実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける通常状態の切り換えを説明する図
【図3】第2実施形態に係るコージェネレーションシステムの全体構成を示すブロック図
【図4】第2実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける通常状態の切り換えを説明する図
【図5】実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける通常運転状態での湯水流動状態を示すブロック図
【図6】実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける降温抑制運転状態での湯水流動状態を示すブロック図
【図7】実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける排熱回収停止運転状態での湯水流動状態を示すブロック図
【図8】実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける循環停止運転状態での湯水流動状態を示すブロック図
【図9】実施形態に係るコージェネレーションシステムにおける循環運転状態での湯水流動状態を示すブロック図
【図10】実施形態に係るコージェネレーションシステムの給湯器の構成を示すブロック図
【図11】従来のコージェネレーションシステムのブロック図
【符号の説明】
1 発電手段
2 排熱回収用熱交換器
3 貯湯槽
5m 記憶手段
14 給湯用循環経路
Ce 排熱回収用循環手段
Cs 給湯用循環手段
D 判別手段
H 住戸
K 給湯器
Kh 加熱手段
L 熱負荷検出手段
P 熱負荷予測手段
U 運転制御手段
Wb 槽用給水手段
Ws 住戸用給水手段
Claims (5)
- 地域又は集合住宅を電力供給対象として発電する発電手段、その発電手段からの排熱が供給される排熱回収用熱交換器、前記地域又は集合住宅に含まれる複数の住戸を給湯対象として湯水を貯留する貯湯槽、その貯湯槽に給水する槽用給水手段、前記排熱回収用熱交換器と前記貯湯槽とにわたって湯水を循環させる排熱回収用循環手段、前記貯湯槽と前記複数の住戸とにわたる給湯用循環経路にて湯水を循環させる給湯用循環手段、前記複数の住戸のそれぞれに給水する住戸用給水手段、及び、運転を制御する運転制御手段が設けられ、
前記複数の住戸のそれぞれに、前記給湯用循環手段を通じて供給される湯水及び前記住戸用給水手段を通じて供給される水を用いて湯水需要部に給湯する給湯器が設けられたコージェネレーションシステムであって、
前記運転制御手段は、前記発電手段の運転が停止される発電停止時において、前記槽用給水手段の給水作動及び前記排熱回収用循環手段の湯水循環作動を停止させ且つ前記給湯用循環手段を湯水循環作動させる循環運転状態と、前記槽用給水手段の給水作動、前記排熱回収用循環手段の湯水循環作動及び前記給湯用循環手段の湯水循環作動を停止させる循環停止運転状態とに運転状態を切り換え自在に構成されているコージェネレーションシステム。 - 前記複数の住戸での前記給湯用循環手段にて循環される湯水の使用状態を判別する判別手段が設けられ、
前記運転制御手段は、前記判別手段の判別情報に基づいて、前記循環運転状態と前記循環停止運転状態とに運転状態を自動的に切り換えるように構成されている請求項1記載のコージェネレーションシステム。 - 前記運転制御手段は、前記循環運転状態においては、前記貯湯槽の湯水貯留量が設定下限量以下になる場合には、前記湯水貯留量を前記設定下限量に維持するように、前記槽用給水手段の給水作動を制御するように構成されている請求項1又は2記載のコージェネレーションシステム。
- 前記給湯器は、前記給湯用循環手段を通じて供給される湯水と前記住戸用給水手段を通じて供給される水との混合又は加熱手段による加熱により、目標給湯温度にて給湯するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記発電停止時において前記給湯用循環手段を通じて前記複数の住戸に供給される湯水の供給量又は熱量を熱負荷として検出する熱負荷検出手段と、その熱負荷検出手段にて検出される熱負荷を記憶する記憶手段が設けられ、
前記判別手段は、前記記憶手段の記憶情報に基づいて、運転対象日における前記発電停止時の熱負荷を予測する熱負荷予測手段を備えて構成され、
前記運転制御手段は、前記熱負荷予測手段の予測情報に基づいて、前記循環運転状態と前記循環停止運転状態とに運転状態を切り換えるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
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