JP5462849B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents

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Description

本発明は、電力と熱とを併せて発生する熱電併給装置と、
底部に接続された給水路を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路を通して湯水が送出される貯湯槽と、
槽底部から取り出した湯水を槽上部に戻す形態で貯湯用循環路を通して前記貯湯槽の湯水を循環させる湯水循環手段と、
前記貯湯用循環路を通流する湯水を前記熱電併給装置にて発生する熱により加熱する加熱手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
その運転制御手段が、
前記加熱手段にて加熱された湯水の温度が目標加熱温度になるように前記貯湯用循環路における単位時間当たりの湯水循環量を調節すべく前記湯水循環手段の作動を制御する循環制御処理、及び、前記熱電併給装置を運転するための通常運転条件を定めて、その通常運転条件にて前記熱電併給装置を運転する通常運転処理を実行し、且つ、
前記貯湯槽の湯水の水質低下を抑制する水質低下抑制タイミングになると、水質低下抑制処理を実行するように構成されたコージェネレーションシステムに関する。
かかるコージェネレーションシステムは、一般家庭等に設置されるものであり、湯水循環手段により、槽底部から取り出した湯水を槽上部に戻す形態で貯湯用循環路を通して貯湯槽の湯水が循環されながら、その貯湯用循環路を通流する湯水が加熱手段により加熱されることにより、貯湯槽に温度成層を形成する状態で湯水が貯留されて、そのように貯湯槽に貯留される湯水が台所や風呂等にて消費されることになる。そして、貯湯槽の湯水の水質が低下するのを抑制するために、運転制御手段により、貯湯槽の湯水の水質低下を抑制する水質低下抑制タイミングになると水質低下抑制処理が実行されるようになっている。
このようなコージェネレーションシステムの従来例として、貯湯槽の湯水の温度を検出する複数の湯水温度検出手段が貯湯槽の底部から上部にわたって間隔を隔てて設けられ、並びに、給湯路を通して貯湯槽から送出される湯水の流量を検出する流量センサが設けられて、前記運転制御手段が、前記複数の湯水温度検出手段のうちの少なくとも1つの検出温度が設定水質維持温度よりも低い低貯湯温状態になると、その低貯湯温状態が継続する低貯湯温状態継続時間の計測及び流量センサの検出流量の積算を開始し、流量センサの検出流量の積算流量が湯水入替判別用設定容量に達せず且つ複数の湯水温度検出手段のうちの少なくとも1つの検出温度が設定水質維持温度よりも低い状態で、前記低貯湯温状態継続時間が設定低貯湯温状態許容時間に達すると、前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成され、そして、給水路を通して貯湯槽に給水し且つ貯湯槽から給湯路への湯水の送出を許容する通常給水状態と給水路からの水を槽迂回給水路を通して貯湯槽を迂回して給湯路に設けた補助加熱器よりも上流側に供給し且つ貯湯槽から給湯路への湯水の送出を停止する槽迂回給水状態に切り換え自在な給水状態切換手段が設けられて、前記運転制御手段が、前記水質低下抑制処理として、前記給水状態切換手段を前記槽迂回給水状態に切り換えた状態で、前記循環制御処理、及び、電力負荷に応じた電力を出力するように熱電併給装置を運転する電力負荷追従運転処理を実行するように構成され、且つ、前記複数の湯水温度検出手段全ての検出温度が設定水質維持温度以上になったのち設定水質維持時間が経過すると、前記給水状態切換手段を前記通常給水状態に切り換えて前記水質低下抑制処理を終了するように構成されたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、前記設定水質維持温度は、湯水の水質の維持が可能な所定の温度、例えば、前記目標加熱温度よりも多少低い温度に設定され、前記湯水入替判別用設定容量は貯湯槽の容量に設定されている。
そして、水質低下抑制処理が実行されている間は、槽迂回給水路を通して貯湯槽を迂回して供給される水が補助加熱器にて加熱されて、給湯先に供給されることになる。
又、このようなコージェネレーションシステムの別の従来例として、前記運転制御手段が、1日の整数倍を周期とする設定周期毎に、1日のうちで、予測給湯熱負荷が給湯設定値以下となり且つ予測電力負荷が電力設定値以下となる時間帯を求めて、その求めた時間帯内に前記水質低下抑制タイミングを設定するように構成され、そして、貯湯槽の底部に貯湯槽の湯水を浴槽に排水する排水通路が接続され、その排水通路に排水電磁弁が設けられて、前記運転制御手段が、前記水質低下抑制処理として、前記排水電磁弁を開弁して貯湯槽の湯水を浴槽に排水して、貯湯槽の湯水を給水路からの水に入れ替える排水処理を実行するように構成されたものがあった(例えば、特許文献2参照。)。
尚、前記特許文献1及び前記特許文献2には記載されていないが、このようなコージェネレーションシステムでは、前記運転制御手段が、少なくとも時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測給湯熱負荷を賄うように熱電併給装置を運転するための通常運転条件を定めて、その通常運転条件にて熱電併給装置を運転する通常運転処理を実行するように構成されるものであり、このように、運転制御手段が通常運転処理を実行するように構成される点については、特許文献3に記載されている。
ちなみに、一般には、1日等に設定される設定運転期間における少なくとも時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測給湯熱負荷を賄うように通常運転条件が定められて、その通常運転条件にて熱電併給装置が運転する通常運転処理が実行されることになる。
特開2006−29745号公報 特開2006−10282号公報 特開2006−127867号公報
ところで、このようなコージェネレーションシステムでは、熱電併給装置から発生する熱により加熱される湯水にて浴槽への湯張り等の大きな給湯熱負荷を一挙に賄うことができないものであるから、通常運転処理では、給湯熱負荷が発生すると予測される時間帯の前にその給湯熱負荷を賄うように予め貯湯槽に貯湯すべく通常運転条件が定められて、その通常運転条件にて熱電併給装置を運転するように通常運転処理が実行されることになる。
そして、給湯熱負荷の大きい家庭では、貯湯槽に温度成層を形成する状態で湯水が貯留されるに当たって、多量の湯が貯留されることになるので、複数の湯水温度検出手段全ての検出温度が設定水質維持温度以上になる状態になり易く、又、給湯路を通して貯湯槽から送出される湯水の量が多いので、流量センサの検出流量の積算流量が湯水入替判別用設定容量に達するのに要する時間が短い。
一方、給湯熱負荷の小さい家庭では、貯湯槽に温度成層を形成する状態で湯水が貯留されるに当たって、貯湯槽における上方の一部分にしか湯が貯留されないので、複数の湯水温度検出手段全ての検出温度が設定水質維持温度以上になる状態になり難く、又、給湯路を通して貯湯槽から送出される湯水の量が少ないので、流量センサの検出流量の積算流量が湯水入替判別用設定容量に達するのに要する時間が長くなる。
つまり、給湯熱負荷の大きい家庭では、複数の湯水温度検出手段全ての検出温度が設定水質維持温度以上になる状態になり易く、又、流量センサの検出流量の積算流量が湯水入替判別用設定容量に達するのに要する時間が短いので、低貯湯温状態継続時間が設定低貯湯温状態許容時間に達し難く、一方、給湯熱負荷の小さい家庭では、複数の湯水温度検出手段全ての検出温度が設定水質維持温度以上になる状態になり難く、又、流量センサの検出流量の積算流量が湯水入替判別用設定容量に達するのに要する時間が長いので、低貯湯温状態継続時間が設定低貯湯温状態許容時間に達し易く、上記の特許文献1のコージェネレーションシステムは、給湯熱負荷の小さい家庭で使用されるほど水質低下処理が行われ易いものである。
そして、給湯熱負荷の小さい家庭において、水質低下抑制処理として、貯湯槽からの湯水の送出を禁止した状態で前記循環制御処理及び前記電力負荷追従運転処理が実行されると、予測給湯熱負荷が小さいにも拘らず、貯湯槽全体の湯水を設定水質維持温度以上に加熱するものであるから、給湯熱負荷に対して余分となる熱量が多くなって貯湯槽からの放熱損失が大きくなるので、湯水の加熱に消費されたエネルギを多量に無駄にすることになり、省エネルギ性が低下することになる。
又、特許文献2においては、1日のうちの予測給湯熱負荷が給湯設定値以下となり且つ予測電力負荷が電力設定値以下となる時間帯内、即ち、予測給湯負荷及び予測電力負荷が共に少ない時間帯内に、前記水質低下抑制タイミングを設定して、水質低下抑制処理として、前記排水処理を実行して、貯湯槽の湯水を浴槽に排水して給水路からの水に入れ替えるものであるから、入浴時間帯の後等、入浴のタイミングとずれた時刻に貯湯槽の湯水を浴槽に排出することになるので、浴槽に排出された貯湯槽の湯水が入浴用として利用されないことになって、貯湯槽の湯水を無駄にすることになり、又、貯湯槽に加熱手段にて加熱された湯水が残っている場合は、その湯水の加熱に消費されたエネルギも無駄にすることになり、省エネルギ性が低下する。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、貯湯槽の湯水を無駄にすることがないようにし且つ省エネルギ性の低下を抑制しながら、貯湯槽の湯水の水質低下を抑制し得るコージェネレーションシステムを提供することにある。
本発明のコージェネレーションシステムの第1特徴構成は、電力と熱とを併せて発生する熱電併給装置と、
底部に接続された給水路を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路を通して湯水が送出される貯湯槽と、
槽底部から取り出した湯水を槽上部に戻す形態で貯湯用循環路を通して前記貯湯槽の湯水を循環させる湯水循環手段と、
前記貯湯用循環路を通流する湯水を前記熱電併給装置にて発生する熱により加熱する加熱手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
その運転制御手段が、
前記加熱手段にて加熱された湯水の温度が目標加熱温度になるように前記貯湯用循環路における単位時間当たりの湯水循環量を調節すべく前記湯水循環手段の作動を制御する循環制御処理、及び、前記熱電併給装置を運転するための通常運転条件を定めて、その通常運転条件にて前記熱電併給装置を運転する通常運転処理を実行し、且つ、
前記貯湯槽の湯水の水質低下を抑制する水質低下抑制タイミングになると、水質低下抑制処理を実行するように構成されたコージェネレーションシステムにおいて、
前記運転制御手段が、前記水質低下抑制処理として、湯水が前記貯湯槽の底部から取り出されて前記貯湯槽の上部に戻されることがない状態で、前記貯湯槽の湯水を消費すべく、前記貯湯槽の湯水の循環を停止するように前記湯水循環手段を制御する循環停止処理を実行するように構成されている点にある。
即ち、運転制御手段は、水質低下抑制処理として、貯湯槽の湯水の循環を停止するように湯水循環手段を制御する循環停止処理を実行する。
つまり、水質低下抑制処理として循環停止処理を実行することにより、貯湯用循環路を通しての貯湯槽の湯水の循環が停止されることから、湯水が貯湯槽の底部から取り出されて加熱手段にて加熱されたのち貯湯槽の上部に戻されることがないので、給湯先での湯水の消費に伴って、貯湯槽内の湯水が上方に流動しつつ、給湯路を通して貯湯槽の湯水が送出されることになり、そのように湯水が送出されると同量の水が給水路を通して貯湯槽の底部に供給されることになって、貯湯槽の湯水の全量又は略全量が給水路からの水に入れ替えられるようになり、貯湯槽の湯水の水質低下を抑制することができる。
ちなみに、前記循環停止処理を実行する間は、熱電併給装置を停止しても良く、あるいは、熱電併給装置にて発生する熱を放熱するラジエータを設けて、前記循環停止処理を実行する間は、熱電併給装置にて発生する熱をラジエータにより放熱する状態で、熱電併給装置を運転するようにしても良い。
このように、水質低下抑制処理として循環停止処理を実行して、湯水が貯湯槽の底部から取り出されて加熱手段にて加熱されたのち貯湯槽の上部に戻されることがないようにすることにより、貯湯槽の湯水の全量又は略全量を給湯先にて消費しながら、貯湯槽の湯水の全量又が略全量が給水路からの水に入れ替えられるようにすることが可能となるので、貯湯槽の湯水を無駄にすることがなく、又、その湯水の加熱に消費されたエネルギを無駄にすることがないようにすることができて省エネルギ性の低下を抑制することが可能となる。
ちなみに、水質低下抑制処理として循環停止処理を実行する間、熱電併給装置を運転して、熱電併給装置にて発生する熱をラジエータにより放熱する場合は、循環停止処理を実行する間、熱電併給装置にて発生する熱を無駄にすることになるので、循環停止処理を実行する間は、熱電併給装置を電力負荷よりも小さい発電出力にて運転するようにして、無駄にする熱量を少なくするようにするのが好ましい。
要するに、貯湯槽の湯水を無駄にすることがないようにし且つ省エネルギ性の低下を抑制しながら、貯湯槽の湯水の水質低下を抑制し得るコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
本発明のコージェネレーションシステムの第特徴構成は、電力と熱とを併せて発生する熱電併給装置と、
底部に接続された給水路を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路を通して湯水が送出される貯湯槽と、
槽底部から取り出した湯水を槽上部に戻す形態で貯湯用循環路を通して前記貯湯槽の湯水を循環させる湯水循環手段と、
前記貯湯用循環路を通流する湯水を前記熱電併給装置にて発生する熱により加熱する加熱手段と、
運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
その運転制御手段が、
前記加熱手段にて加熱された湯水の温度が目標加熱温度になるように前記貯湯用循環路における単位時間当たりの湯水循環量を調節すべく前記湯水循環手段の作動を制御する循環制御処理、及び、前記熱電併給装置を運転するための通常運転条件を定めて、その通常運転条件にて前記熱電併給装置を運転する通常運転処理を実行し、且つ、
前記貯湯槽の湯水の水質低下を抑制する水質低下抑制タイミングになると、水質低下抑制処理を実行するように構成されたコージェネレーションシステムにおいて、
前記運転制御手段が、前記水質低下抑制処理として、前記水質低下抑制タイミングになったときに、前記熱電併給装置の運転中で且つ前記湯水循環手段の作動中の場合には、前記熱電併給装置の運転を停止させる運転停止条件が満たされるまで待機して、前記運転停止条件が満たされて前記熱電併給装置の運転及び前記湯水循環手段の作動を停止すると、前記貯湯槽内の湯水の全量が前記設定低温範囲内の温度であることが判別されるまで、前記加熱手段の運転及び前記湯水循環手段の作動を停止する待機式湯水入替処理を実行するように構成されている点にある。
すなわち、運転制御手段は、水質低下抑制処理として、水質低下抑制タイミングになったときに、熱電併給装置の運転中で且つ湯水循環手段の作動中の場合には、熱電併給装置の運転を停止させる運転停止条件が満たされるまで待機する、つまり、熱電併給装置の運転及び湯水循環手段の作動を継続することになる。
そして、運転停止条件が満たされて熱電併給装置の運転及び湯水循環手段の作動を停止すると、貯湯槽内の湯水の全量が設定低温範囲内の温度であることが判別されるまで、熱電併給装置の運転及び湯水循環手段の作動を停止する待機式湯水入替処理を実行することになる。
ちなみに、水質低下抑制タイミングになったときに、熱電併給装置の運転停止中で且つ湯水循環手段の作動停止中の場合には、貯湯槽内の湯水の全量が設定低温範囲内の温度であることが判別されるまで、熱電併給装置の運転及び湯水循環手段の作動を停止することを継続すればよい。
このように、水質低下抑制タイミングになったときに、熱電併給装置の運転中で且つ湯水循環手段の作動中の場合には、熱電併給装置の運転を停止させる運転停止条件が満たされるまで待機するようにして、水質低下抑制処理のために、熱電併給装置の運転を停止させることや湯水循環手段の作動を停止させることを回避するものであるから、水質低下抑制タイミングになったときに、熱電併給装置の運転中で且つ湯水循環手段の作動中の場合には、水質低下抑制処理のために、熱電併給装置の運転を停止させ且つ湯水循環手段の作動を停止させるようにするに比べて、熱電併給装置や湯水循環手段の起動及び停止回数が水質低下抑制処理のために増加することを抑制して、起動及び停止回数の増加により、熱電併給装置や湯水循環手段が劣化することを抑制できるものとなる。
つまり、熱電併給装置は、起動されると高温になり、停止すると低温になるものであり、起動及び停止に伴う温度変化による熱的なストレスが繰り返し与えられて劣化する虞があるが、起動及び停止回数の増加を抑制することにより、熱電併給装置の劣化を抑制できるものとなるのである。
また、湯水循環手段は、作動されると湯水循環のための負荷(トルク)が作用し、停止すると無負荷となるものであり、そして、停止から起動された際には、無負荷の状態から急激に負荷が作用する状態となるため、その急激な負荷変動が繰り返されて劣化する虞があるが、起動及び停止回数の増加を抑制することにより、湯水循環手段の劣化を抑制できるものとなるのである。
したがって、熱電併給装置や湯水循環手段が劣化することを抑制しながら、水質低下抑制処理を行えるようになった。
本発明のコージェネレーションシステムの第特徴構成は、上記の第特徴構成において、
前記運転制御手段が、前記水質低下抑制タイミングになったときに、前記熱電併給装置の運転中で且つ前記湯水循環手段の作動中であることにより前記運転停止条件が満たされるまで待機する場合において、その待機時間が待機許容時間以上になると、前記熱電併給装置の運転及び前記湯水循環手段の作動を強制的に停止して、前記貯湯槽内の湯水の全量が前記設定低温範囲内の温度であることが判別されるまで、前記熱電併給装置の運転及び前記湯水循環手段の作動を停止する強制停止式湯水入替処理を実行するように構成されている点にある。
すなわち、運転制御手段は、水質低下抑制タイミングになったときに、熱電併給装置の運転中で且つ湯水循環手段の作動中であると、運転停止条件が満たされるまで待機することになる。そして、そのように待機する場合において、その待機時間が待機許容時間以上になると、熱電併給装置の運転及び湯水循環手段の作動を強制的に停止し、その後、貯湯槽内の湯水の全量が設定低温範囲内の温度であることが判別されるまで、熱電併給装置の運転及び湯水循環手段の作動を停止する強制停止式湯水入替処理を実行することになる。
つまり、熱電併給装置は、一般の家庭においては、一日のうちの特定の時間帯において運転され、他の時間帯においては停止される形態で使用されることが多いものであるが、湯水の使用量が多い家庭等においては、数日間に亘って熱電併給装置を連続運転する場合も考えられるものである。そこで、上記の待機時間が待機許容時間(例えば、24時間)以上になると、強制停止式湯水入替処理を行うことにより、適切に水質の低下抑制を行えるようにするのである。
したがって、加熱手段が連続して運転される状況下においても、的確に水質の低下抑制を行えるようになった。
本発明のコージェネレーションシステムの第特徴構成は、上記の第又は第特徴構成において、
前記運転制御手段が、前記水質低下抑制タイミングになったときに、前記熱電併給装置の運転中で且つ前記湯水循環手段の作動中であることにより前記運転停止条件が満たされるまで待機する場合において、その待機中に、前記貯湯槽内の湯水の全量が前記設定低温範囲内の温度であることが判別される場合及び前記貯湯槽内の湯水の全量が設定高温範囲内の温度であることが判別される場合には、前記待機式湯水入替処理の実行を中止するように構成されている点にある。
すなわち、運転制御手段は、水質低下抑制タイミングになったときに、熱電併給装置の運転中で且つ湯水循環手段の作動中であると、運転停止条件が満たされるまで待機することになる。そして、そのように待機する場合において、その待機中に、貯湯槽内の湯水の全量が設定低温範囲内の温度であることが判別される場合及び貯湯槽内の湯水の全量が設定高温範囲内の温度であることが判別される場合には、貯湯槽内の湯水の水質の低下が抑制された状態になったため、水質低下抑制処理を行う必要がないとして、待機式湯水入替処理の実行を中止することになる。
したがって、不必要に水質低下抑制処理を行う無駄を回避できるようになった。
本発明のコージェネレーションシステムの第特徴構成は、上記の第〜第特徴構成において、
前記運転制御手段が、
前記通常運転条件として、少なくとも時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測給湯熱負荷を賄うように前記熱電併給装置を運転する条件を定めるように構成されている点にある。
即ち、運転制御手段は、通常運転条件として、少なくとも時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測給湯熱負荷を賄うように前記熱電併給装置を運転する条件を定めて、その通常運転条件にて熱電併給装置を運転することになる。
このように通常運転処理においては、少なくとも時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測給湯熱負荷を賄うように前記熱電併給装置が運転されるため、熱電併給装置が発生する電力が必要とする電力よりも大きく不足することや、必要とする電力よりも大きく過剰になることを回避でき、また、熱電併給装置が発生する熱にて貯湯される貯湯量が必要とする湯量よりも大きく不足することや、必要とする湯量よりも大きく過剰になることを回避できるものとなる。
したがって、電力を過不足なく発電ししかも貯湯量を過不足なく貯湯できるコージェネレーションシステムを提供することができる。
本発明のコージェネレーションシステムの第特徴構成は、上記第1〜第特徴構成のいずれか1つにおいて、
前記運転制御手段が、前記貯湯槽の湯水の全量又は略全量が前記給水路からの水にて入れ替わらない状態が継続する時間が設定非入替許容時間以上になると、前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている点にある。
即ち、貯湯槽の槽底部から取り出された湯水が加熱手段にて加熱されたのち貯湯槽の上部に戻される形態で貯湯槽の湯水が貯湯用循環路を通して循環されるものであるため、給湯路を通して貯湯槽の上部から湯水が送出されるに伴って給水路を通して貯湯槽の底部に供給された湯水が、貯湯用循環路を通して直ちに貯湯槽の上部に流動されるものとなる結果、先に貯湯槽に供給された湯水よりも後から貯湯槽に供給された湯水の方が先に給湯路を通して送出されることが生じることになる。
このようなことが原因となって、貯湯槽には滞留する時間が長い湯水が存在する虞があり、そして、貯湯槽に滞留する滞留時間が長い湯水は、貯湯用循環路を通して循環して加熱手段により加熱しても水質低下を抑制し難いので、貯湯槽の湯水の全量又は略全量が給水路を通して供給される水にて入れ替わらない状態が長く継続すると、貯湯槽の湯水の水質が低下する虞がある。
そこで、前記設定非入替許容時間として、貯湯槽の湯水の全量又は略全量が給水路を通して供給される水にて入れ替わらない状態が継続しても湯水の水質を良好な状態に維持できる時間に設定する。
そして、貯湯槽の湯水の全量又は略全量が入れ替わらない状態が継続する時間が設定非入替許容時間以上になると、水質低下抑制タイミングになると判別するようにすることにより、貯湯槽の湯水の全量又は略全量が入れ替わらない状態が継続することにより水質が低下するのを抑制するための水質低下抑制タイミングを的確に判別することができる。
従って、水質低下抑制タイミングを的確に判別することができるので、貯湯槽の湯水の水質低下を的確に抑制することができるようになった。
本発明のコージェネレーションシステムの第特徴構成は、上記第1〜第特徴構成のいずれか1つにおいて、
前記運転制御手段が、前記給水路から前記貯湯槽への単位時間当たりの給水量についての時系列的な給水量データ、前記貯湯用循環路を通して循環される単位時間当たりの湯水循環量についての時系列的な湯水循環量データ、及び、前記貯湯槽の容量データに基づいて、湯水が前記給水路を通して供給されてから前記加熱手段にて加熱されることなく前記貯湯槽に貯留される非加熱貯留時間が設定非加熱許容時間以上となる湯水、及び、湯水が前記加熱手段にて加熱されてから前記加熱手段にて再加熱されることなく前記貯湯槽に貯留される非再加熱貯留時間が前記設定非加熱許容時間以上となる湯水の少なくとも一方が存在すると判別すると、前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている点にある。
即ち、加熱手段にて加熱されることなく非加熱状態で貯留される時間が長い湯水が貯湯槽に存在すると、貯湯槽の湯水の水質が低下する虞がある。
ところで、給湯路を通しての給湯先での湯水の消費が行われると、貯湯槽内を湯水が上方に流動しつつ貯湯槽の上部から給湯路を通して送出される湯水と同量の水が給水路を通して貯湯槽の底部に供給されて貯留され、貯湯用循環路を通しての湯水の循環が行われると、貯湯槽内を湯水が下方に流動しつつ、貯湯槽の底部から貯湯用循環路に取り出された湯水が加熱手段にて加熱されたのち貯湯槽の上部に戻され、給湯路を通しての給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路を通しての湯水の循環とが並行して行われると、給水路を通して供給される水のうち、加熱手段による加熱後の温度が目標加熱温度になる分が貯湯用循環路を通流して加熱手段にて加熱されたのち、貯湯槽の上部に貯留されていた湯水と共に給湯路を通して送出され、残りが貯湯槽の底部に貯留されることになる。
そして、このような貯湯槽に対する湯水の出入り形態及び貯湯槽内における湯水の流動形態を鑑みると、時系列的な給水量データ、時系列的な湯水循環量データ及び貯湯槽の容量データに基づいて、貯湯槽の湯水について、加熱手段にて加熱されていない湯水か加熱手段にて加熱された湯水かを把握することができ、又、加熱されていない湯水については非加熱貯留時間を管理し、加熱手段にて加熱された湯水については非再加熱貯留時間を管理することができる。
そこで、前記設定非加熱許容時間として、湯水が給水路を通して供給されてから加熱手段にて加熱されることなく貯湯槽に貯留される状態が継続しても、湯水の水質を良好な状態に維持でき、且つ、湯水が加熱手段にて加熱されたのちその加熱手段にて再加熱されることなく貯湯槽に貯留される状態が継続しても、湯水の水質を良好な状態に維持できる時間に設定する。
そして、非加熱貯留時間が設定非加熱許容時間以上となる湯水、及び、非再加熱貯留時間が設定非加熱許容時間以上となる湯水の少なくとも一方が存在すると判別すると、水質低下抑制タイミングになると判別するようにすることにより、非加熱状態で貯留される時間が長い湯水の存在により貯湯槽の湯水の水質が低下するのを抑制するための水質低下抑制タイミングを、的確に判別することができる。
従って、水質低下抑制タイミングを的確に判別することができるので、貯湯槽の湯水の水質低下を的確に抑制することができるようになった。
本発明のコージェネレーションシステムの第特徴構成は、上記第1〜第特徴構成のいずれか1つにおいて、
前記運転制御手段が、前記給水路から前記貯湯槽への単位時間当たりの給水量についての時系列的な給水量データ、前記貯湯用循環路を通して循環される単位時間当たりの湯水循環量についての時系列的な湯水循環量データ、及び、前記貯湯槽の容量データに基づいて、前記給水路を通して供給されてから前記貯湯槽に滞留する滞留時間が設定滞留許容時間以上となる湯水が存在すると判別すると、前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている点にある。
即ち、貯湯槽に滞留する滞留時間が長い湯水は、貯湯用循環路を通して循環して加熱手段により加熱しても、水質低下を抑制し難いので、貯湯槽に滞留する時間が長い湯水が存在すると、貯湯槽の湯水の水質が低下する虞がある。
そして、給湯路を通しての給湯先での湯水の消費、貯湯用循環路を通しての貯湯槽の湯水の循環に伴って、上記の第14特徴構成についての説明において述べたように、貯湯槽に対する湯水の出入り及び貯湯槽内における湯水の流動が生じることから、このような貯湯槽に対する湯水の出入り形態及び貯湯槽内における湯水の流動形態を鑑みると、時系列的な給水量データ、時系列的な湯水循環量データ及び貯湯槽の容量データに基づいて、貯湯槽の湯水について、貯湯槽に滞留する滞留時間を管理することができる。
そこで、前記設定滞留許容時間として、加熱手段にて加熱されることなく貯留されるか加熱手段にて加熱されたのち貯留されるかに拘わらず、湯水が貯湯槽に貯留される状態が継続してもその水質を良好な状態に維持できる時間に設定する。
そして、滞留時間が設定滞留許容時間以上となる湯水が存在すると判別すると、水質低下抑制タイミングになると判別するようにすることにより、貯湯槽に滞留する時間が長い湯水の存在により貯湯槽の湯水の水質が低下するのを抑制するための水質低下抑制タイミングを、的確に判別することができる。
従って、水質低下抑制タイミングを的確に判別することができるので、貯湯槽の湯水の水質低下を的確に抑制することができるようになった。
実施形態に係るコージェネレーションシステムの全体構成を示すブロック図 参考の第1実施形態における制御動作のフローチャートを示す図 時系列的な管理用時間当たりの給水量データ及び時系列的な管理用時間当たりの湯水循環量データを示す図 参考の第2施形態における貯湯槽の湯水のブロック分けを示す図 参考の第3施形態における貯湯槽の湯水のブロック分けを示す図 参考の第3実施形態における制御動作のフローチャートを示す図 本発明の第2実施形態における制御動作のフローチャートを示す図
参考の第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の参考の第1実施形態を説明する。
コージェネレーションシステムは、図1に示すように、電力と熱とを発生する熱電併給装置としての燃料電池1と、その燃料電池1が発生する熱を冷却水にて回収し、その冷却水を利用して貯湯槽2への貯湯及び熱消費端末3への熱媒供給を行う貯湯暖房ユニット4と、燃料電池1及び貯湯暖房ユニット4の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部5などから構成されている。ちなみに、前記熱消費端末3として、床暖房装置、浴室暖房乾燥機又はファンコンベクタ等が設けられる。
前記燃料電池1は、周知であるので、詳細な説明及び図示を省略して簡単に説明すると、燃料電池1は、水素を含有する燃料ガス及び酸素含有ガスが供給されて発電するセルスタック、そのセルスタックに供給する燃料ガスを生成する燃料ガス生成部、前記セルスタックに酸素含有ガスとして空気を供給するブロア等を備えて構成されている。
前記燃料ガス生成部は、供給される都市ガス(例えば、天然ガスベースの都市ガス)等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫器、その脱硫器から供給される脱硫原燃料ガスと別途供給される水蒸気とを改質反応させて水素を主成分とする改質ガスを生成する改質器、その改質器から供給される改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気にて二酸化炭素に変成処理する変成器、その変成器から供給される改質ガス中の一酸化炭素を別途供給される選択酸化用空気にて選択酸化する一酸化炭素除去器等から構成され、一酸化炭素を変成処理及び選択酸化処理により低減した改質ガスを前記燃料ガスとして前記セルスタックに供給するように構成されている。
そして、前記燃料ガス生成部への原燃料ガスの供給量を調節することにより、前記燃料電池1の発電出力を調節するように構成されている。
前記燃料電池1の電力の出力側には、系統連系用のインバータ6が設けられ、そのインバータ6は、燃料電池1の発電電力を商用電源7から受電する受電電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されている。
前記商用電源7は、受電電力供給ライン8を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力消費機器9に電気的に接続されている。
また、インバータ6は、発電電力供給ライン10を介して受電電力供給ライン8に電気的に接続され、燃料電池1の発電電力がインバータ6及び発電電力供給ライン10を介して電力消費機器9に供給するように構成されている。
前記受電電力供給ライン8には、電力消費機器9の電力負荷を計測する電力負荷計測手段11が設けられ、この電力負荷計測手段11は、受電電力供給ライン8を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否かをも検出するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ6により燃料電池1から受電電力供給ライン8に供給される電力が制御され、発電出力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ12に供給されるように構成されている。
前記電気ヒータ12は、複数の電気ヒータから構成されて、冷却水循環ポンプ15の作動により冷却水循環路13を通流する燃料電池1の冷却水を加熱するように設けられ、インバータ6の出力側に接続された作動スイッチ14によりON/OFFが切り換えられる。
また、作動スイッチ14は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ12の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ12の消費電力を調整するように構成されている。
尚、電気ヒータ12の消費電力を調整する構成については、上記のように複数の電気ヒータ12のON/OFFを切り換える構成以外に、その電気ヒータ12の出力を例えば位相制御等により調整する構成を採用しても構わない。
前記貯湯暖房ユニット4は、底部に接続された給水路16を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路17を通して湯水が送出される前記貯湯槽2、槽底部から取り出した湯水を槽上部に戻す形態で貯湯用循環路18を通して前記貯湯槽2の湯水を循環させる湯水循環手段としての湯水循環ポンプ19、熱源用循環路20を通して熱源用湯水を循環させる熱源用循環ポンプ21、熱媒循環路22を通して熱媒を前記熱消費端末3に循環供給させる熱媒循環ポンプ23、前記貯湯用循環路18を通流する湯水を加熱する貯湯用熱交換器24、前記熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱する熱源用熱交換器25、前記熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器26、及び、前記貯湯槽2から取り出されて前記給湯路17を通流する湯水及び前記熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させる補助加熱器27などを備えて構成されている。
前記冷却水循環路13には、前記貯湯用熱交換器24を設ける流路部分と前記熱源用熱交換器25を設ける流路部分とが並列状に接続される並列流路部分が設けられ、それらの流路部分の分岐箇所に、貯湯用熱交換器24側に通流させる冷却水の流量と熱源用熱交換器25側に通流させる冷却水の流量との割合を調整する分流弁28が設けられている。
そして、分流弁28は、冷却水循環路13の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させたり、冷却水循環路13の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させることもできるように構成されている。
又、前記冷却水循環路13における前記並列流路部分から前記燃料電池1に戻る戻り流路部分には、燃料電池1に戻る冷却水を冷却するラジエータ29が設けられ、更に、前記戻り流路部分におけるラジエータ29と燃料電池1との間の箇所には、燃料電池1に戻る冷却水の温度を検出する冷却水戻り温度センサSrが設けられている。
前記貯湯用循環路18は、前記貯湯槽2の底部と上部とに接続され、前記貯湯用熱交換器24が貯湯用循環路18を通流する貯湯槽2の湯水と冷却循環路13を通流する燃料電池1の冷却水とを熱交換させるように設けられている。
そして、前記湯水循環ポンプ19により、貯湯槽2の底部から取り出した湯水を貯湯槽2の上部に戻す形態で貯湯用循環路18を通して貯湯槽2の湯水を循環させることにより、そのように貯湯用循環路18を通して循環される湯水が前記貯湯用熱交換器24にて加熱されて、貯湯槽2に温度成層を形成する状態で湯水が貯留されるように構成されている。
貯湯用循環路18における貯湯用熱交換器24よりも下流側の箇所に、貯湯用熱交換器24にて加熱されて貯湯槽2に供給される湯水の温度を検出する貯湯温度センサShが設けられている。
つまり、前記貯湯用循環路18を通流する湯水を前記燃料電池1にて発生する熱により加熱手段Hが、前記冷却水循環路13、前記冷却水循環ポンプ15、前記貯湯用循環路18、前記湯水循環ポンプ19及び前記貯湯用熱交換器24等を備えて構成されている。
前記給湯路17は、前記貯湯用循環路18における前記貯湯用熱交換器24及び前記貯湯温度センサShよりも下流側の箇所を介して前記貯湯槽2に接続され、前記給水路16は、前記貯湯用循環路18における前記貯湯用熱交換器24及び前記貯湯温度センサShよりも上流側の箇所を介して前記貯湯槽2に接続され、給湯路17を通して前記貯湯槽2の湯水が浴槽、給湯栓、シャワー等の給湯先に送出され、そのように貯湯槽2から湯水が送出されるのに伴って、前記給水路16を通して水が貯湯槽2の底部に供給される。
ところで、前記給湯路17が前記貯湯用循環路18を介して前記貯湯槽2に接続され、且つ、前記給水路16が前記貯湯用循環路18を介して前記貯湯槽2に接続されていることから、給湯路17を通しての給湯先での湯水の消費が行われずに、貯湯用循環路18を通しての湯水の循環のみが行われるときは、貯湯槽2の底部から湯水が貯湯用循環路18に取り出されて、貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち貯湯槽2の上部に戻されることになるが、給湯路17を通しての給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路18を通しての湯水の循環とが並行して行われるときは、以下に説明する形態にて湯水が流動することになる。
即ち、通常、単位時間当たりの給湯先での湯水の消費量は単位時間当たりの貯湯用循環路18の湯水の循環量よりも多いので、給湯路17を通しての給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路18を通しての湯水の循環とが並行して行われるときは、給水路16にて供給される水のうちの一部は、貯湯槽2の底部に供給されることなく、直接貯湯用循環路18に供給され、残部は貯湯槽2の底部に供給され、直接貯湯用循環路18に供給された水は貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち、貯湯槽2の上部に戻されることなく、貯湯槽2の上部から送出される湯水と共に給湯路17を通して給湯先に供給されることになる。
前記熱源用循環路20は、前記給湯路17の一部を共用する状態で循環経路を形成するように設けられ、その熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁30が設けられている。
前記補助加熱器27は、前記給湯路17における前記熱源用循環路20との共用部分に設けられた補助加熱用熱交換器h、その補助加熱用熱交換器hを加熱するバーナb、そのバーナbに燃焼用空気を供給するファンf、前記補助加熱用熱交換器hに流入する湯水の流入温度を検出する流入温度センサ(図示省略)、前記補助加熱用熱交換器hから流出する湯水の流出温度を検出する流出温度センサ(図示省略)、前記補助加熱用熱交換器hに流入する湯水の流量を検出する流量センサ(図示省略)等を備えて構成され、この補助加熱器27の運転は前記運転制御部5により制御される。
前記運転制御部5による補助加熱器27の運転制御について簡単に説明すると、前記流量センサが設定流量以上の流量を検出している状態で、前記流入温度センサにて検出される流入温度が設定加熱温度未満になると前記バーナbを燃焼させ、且つ、前記流出温度センサにて検出される流出温度が前記設定加熱温度になるように前記バーナbの燃焼量を調節し、前記バーナbの燃焼中に前記流量センサの検出流量が前記設定流量未満になると、前記バーナbを消火させる。ちなみに、前記設定加熱温度は、前記熱消費端末3の運転が停止中のときは、このコージェネレーションシステムのリモコン操作部5aの温度設定部(図示省略)にて設定される目標給湯温度に基づいて設定され、前記熱消費端末3の運転中のときは、予め設定された所定の温度に設定される。
前記熱源用熱交換器25は、前記冷却水循環路13を通流する燃料電池1の冷却水と前記熱源用循環路20を通流する熱源用湯水とを熱交換させるように設けられて、熱源用熱交換器25において、冷却水循環路13を通流する燃料電池1の冷却水にて熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱するように構成されている。
前記熱媒加熱用熱交換器26は、前記熱源用循環路20を通流する熱源用湯水と前記熱媒循環路22を通流する熱媒とを熱交換させるよう設けられて、熱媒加熱用熱交換器26において、熱源用熱交換器25や補助加熱器27にて加熱されて熱源用循環路20を通流する熱源用湯水にて熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱するように構成されている。
前記貯湯槽2には、その上部の湯水の温度を検出する槽上部湯水温度センサSt、貯湯槽2を上下方向に概ね3等分した等分部分の中層部における上端部分の湯水の温度を検出する中間上位湯水温度センサSm、貯湯槽2の中層部における下端部分の湯水の温度を検出する中間下位湯水温度センサSn、及び、貯湯槽2の底部の湯水の温度を検出する槽底部湯水温度センサSbが設けられ、更に、前記給水路16には、貯湯槽2に供給される水の給水温度を検出する給水温度センサSiが設けられている。
前記運転制御部5は、槽上部、中間上位、中間下位及び槽底部の各湯水温度センサSt,Sm,Sn,Sb並びに給水温度センサSi夫々の検出温度に基づいて、前記貯湯槽2の貯湯熱量を演算するように構成され、以下、その貯湯熱量を演算する手順について説明する。
前記槽上部湯水温度センサSt、中間上位湯水温度センサSm、中間下位湯水温度センサSn、槽底部湯水温度センサSb夫々にて検出される貯湯槽2の湯水の温度を、夫々、Tt、Tm、Tn、Tbとし、前記給水温度センサSiにて検出される給水温度をTiとし、上層部、中層部、下層部夫々の容量をV(リットル)とする。
又、前記上層部における重み係数をA1とし、前記中層部における重み係数をA2とし、前記下層部における重み係数をA3とすると、貯湯熱量(kcal)は、下記の(式1)にて演算することができる。尚、この実施形態では、熱量の単位をkcalにて示す場合があるが、1kWh=860kcalの関係に基づいて860に設定される係数αにて各値を除することにより、kWhの単位として求めることができる。
貯湯熱量=(A1×Tt+(1−A1)×Tm−Ti)×V
+(A2×Tm+(1−A2)×Tn−Ti)×V
+(A3×Tn+(1−A3)×Tb−Ti)×V……………(式1)
重み係数A1、A2、A3は、貯湯槽2の各層における過去の温度分布データを考慮した経験値である。ここで、A1、A2、A3としては、例えば、A1=A2=0.2、A3=0.5である。A1=A2=0.2とは、上層部においては温度Tmの影響が温度Ttの影響よりも大きいことを示す。これは、上層部の8割の部分は温度Tmに近く、2割の部分は温度Ttに近いことを示す。これは、中層部においても同様である。下層部においては、温度TnとTbの影響が同じであることを示す。
前記給湯路17には、前記給湯先に湯水を給湯するときの給湯熱負荷を計測する給湯熱負荷計測手段31が設けられ、又、前記熱消費端末3での端末熱負荷を計測する端末熱負荷計測手段32も設けられている。尚、図示は省略するが、これら給湯熱負荷計測手段31及び端末熱負荷計測手段32は、通流する湯水や熱媒の温度を検出する負荷検出用温度センサと、湯水や熱媒の流量を検出する負荷検出用流量センサとを備えて構成され、前記負荷検出用温度センサの検出温度、前記負荷検出用流量センサの検出流量及び前記給水温度センサSiの検出温度に基づいて熱負荷を検出するように構成されている。
又、前記貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が前記給水路16を通して供給される水にて入れ替わった入れ替わり状態を検出する湯水入れ替わり検出手段33が設けられている。
この参考の第1実施形態では、前記湯水入れ替わり検出手段33が前記槽上部湯水温度センサStにて構成されている。つまり、前記貯湯槽2には温度成層を形成する状態で湯水が貯留されることから、前記貯湯用熱交換器24にて加熱されずに前記貯湯槽2に存在するとした場合における湯水の温度として予測される設定低温範囲内の温度を槽上部湯水温度センサStが検出する状態が、入れ替わり状態を検出することに相当する。
ちなみに、槽上部湯水温度センサStが設定低温範囲よりも高い温度を検出する状態は、前記貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が前記給水路16を通して供給される水にて入れ替わっていない状態である。
又、前記給水温度センサSiの検出温度に設定余裕温度を加えた温度以下の温度範囲を、前記設定低温範囲とするように構成されている。
尚、前記給水路16を通して供給されて貯湯用熱交換器24にて加熱されることなく貯湯槽2に存在する湯水の温度が上昇したとしても、その湯水の水質を良好な状態に維持することが可能な上昇温度が、予め、実験等により求められて、その求められた温度が前記設定余裕温度に設定される。ちなみに、前記設定余裕温度は、5°Cに設定されている。
前記運転制御部5は、前記燃料電池1の運転中には前記冷却水循環ポンプ15を作動させる状態で、燃料電池1の運転を制御し、並びに、前記湯水循環ポンプ19、前記熱源用循環ポンプ21、前記熱媒循環ポンプ23、前記分流弁28及び前記熱源用断続弁30夫々の作動を制御することによって、貯湯槽2内に湯水を貯湯する貯湯運転や、熱消費端末3に熱媒を供給する熱媒供給運転を行うように構成されている。
前記運転制御部5は、熱消費端末3用の端末用リモコン5bから運転の指令がされない状態では、前記貯湯運転を行い、その貯湯運転では、前記分流弁28を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換え且つ熱源用断続弁30を閉弁した状態で、前記貯湯温度センサShの検出温度が予め設定された目標加熱温度(例えば60°C)になるように前記貯湯用循環路18における湯水循環量を調節すべく、前記湯水循環ポンプ19の作動を制御するように構成されている。
又、前記運転制御部5は、前記端末用リモコン5bから運転が指令されると、前記熱媒供給運転を行い、その熱媒供給運転では、熱源用断続弁30を開弁し、熱源用循環ポンプ21を予め設定された設定回転速度で作動させる状態で、前記熱消費端末3での端末熱負荷に応じた量の冷却水を前記熱源用熱交換器25に通流させるように前記分流弁28を制御するように構成され、そのように熱媒供給運転を行う状態で、分流弁28が貯湯用熱交換器24側にも冷却水を通流させる状態に制御するときは、前述のように湯水循環ポンプ19の作動を制御して、熱媒供給運転に並行して貯湯運転を実行するように構成されている。
前記運転制御部5は、前記熱媒供給運転の実行中に前記端末用リモコン5bから運転の停止が指令されると、前記分流弁28を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換え、前記熱源用断続弁30を閉弁し、前記熱源用循環ポンプ21を停止させて、前記湯水循環ポンプ19を作動させることにより、前記熱媒供給運転から前記貯湯運転に切り換えるように構成されている。
そして、前記給湯路17を通して前記貯湯槽2の湯水が給湯先に給湯されるとき、及び、前記熱媒供給運転の実行中は、前記運転制御部5は、補助加熱用熱交換器hに供給される湯水の温度が前記設定加熱温度よりも低いときは、補助加熱用熱交換器hに供給される湯水を前記設定加熱温度に加熱して出湯すべく、前記バーナbへのガス燃料の供給量を調節することになる。
更に、前記運転制御部5は、前記燃料電池1の運転中は、前記冷却水戻り温度センサSrの検出温度を監視して、その検出温度が設定戻り許容温度よりも高くなると、前記ラジエータ29を作動させて、冷却水を冷却するように構成されている。
例えば、前記貯湯槽2の貯湯量が満杯となって、前記貯湯用熱交換器24において、貯湯槽2からの湯水との熱交換により冷却水が前記設定戻り許容温度にまで冷却されないときは、前記ラジエータ29が作動されて、燃料電池1に戻る冷却水が強制的に冷却される構成となっている。
次に、前記運転制御部5の制御動作について説明する。
この運転制御部5は、前記貯湯用熱交換器24(加熱手段Hに相当する)にて加熱された湯水の温度が目標加熱温度になるように前記貯湯用循環路18における単位時間当たりの湯水循環量を調節すべく前記湯水循環ポンプ19の作動を制御する循環制御処理、及び、少なくとも時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測給湯熱負荷を賄うように前記燃料電池1を運転するための通常運転条件を定めて、その通常運転条件にて燃料電池1を運転する通常運転処理を実行し、且つ、前記貯湯槽2の湯水の水質低下を抑制する水質低下抑制タイミングになると、水質低下抑制処理を実行するように構成されている。
そして、この参考の第1実施形態では、前記運転制御部5が、前記水質低下抑制処理と
して、前記循環制御処理、及び、前記水質低下抑制タイミング以降の設定処理期間内において前記通常運転処理を実行すると仮定したときに前記燃料電池1により発電される総発電量よりも前記設定処理期間内における前記燃料電池1の総発電量を低下させる水質低下抑制用運転条件を定めて、その水質低下抑制用運転条件に基づいて前記燃料電池1を運転する抑制運転処理を実行するように構成されている。
又、前記運転制御部5が、前記水質低下抑制用運転条件として、少なくとも前記時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測給湯熱負荷に基づいて、前記貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が前記設定処理期間内に前記給水路16からの水に入れ替えられることが予測できる運転条件を定めるように構成されている。
更に、この参考の第1実施形態では、前記運転制御部5が、複数の管理用時間からなる運転周期の開始時点毎に、前記通常運転条件を定める通常運転条件設定処理を実行して、その通常運転条件設定処理にて定めた通常運転条件にて燃料電池1を運転する通常運転処理を実行するように構成されている。
又、前記運転制御部5が、このコージェネレーションシステムにおけるリモコン操作部5aに設けた運転スイッチ(図示省略)がオン状態になっている間、前記貯湯槽2における湯水の貯留状態を判別する湯水貯留状態判別処理を実行して、その湯水貯留状態判別処理にて湯水の貯留状態が湯水の水質低下を抑制する必要がある状態であると判別すると、水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている。尚、この湯水貯留状態判別処理の詳細は、後述する。
そして、運転制御部5は、運転周期の開始時点において、その直前の運転周期での湯水貯留状態判別処理にて水質低下抑制タイミングになったと判別したか否かを判別して、水質低下抑制タイミングになったと判別した場合は、その運転周期の開始時点は貯湯槽2の湯水の水質低下を抑制する必要がある要水質低下抑制状態であると判別して、その運転周期の開始時点から前記設定処理期間が開始するとして、その運転周期の開始時点において、前記水質低下抑制用運転条件を定める抑制用運転条件設定処理を実行して、その抑制用運転条件設定処理にて定めた水質低下抑制用運転条件に基づいて前記燃料電池1を運転する抑制運転処理を実行するように構成されている。
ちなみに、前記設定処理期間は、1回の運転周期、又は、複数回の運転周期にて構成されるものであり、この参考の第1実施形態では、設定処理期間は1回の運転周期にて構成されている。
又、前記運転制御部5は、前記設定処理期間が経過した直後において、その設定処理期間の開始時点から終了時点の間に、前記貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が給水路16を通して供給される水にて入れ替わった入れ替わり状態になったか否かを判別して、入れ替わり状態にならなかったと判別したときは、その設定処理期間が経過した直後の運転周期を設定処理期間に再設定して、その設定処理期間の開始時点において、その設定処理期間の間実行する延長用の水質低下抑制処理のための燃料電池1の運転条件を定める延長用運転条件設定処理を実行し、設定処理期間の間、その延長用運転条件設定処理にて定めた運転条件にて燃料電池1を運転することにより、水質低下抑制処理を延長して実行するように構成されている。
ちなみに、この参考の第1実施形態では、設定処理期間の間に、前記槽上部湯水温度センサStが前記設定低温範囲内の温度を検出すると入れ替わり状態になったと判別し、設定処理期間の間、前記槽上部湯水温度センサStが前記設定低温範囲内の温度を検出しない場合は、入れ替わり状態にならなかったと判別するように構成されている。
又、この参考の第1実施形態では、延長用の水質低下抑制処理の運転条件として、設定処理期間全体にわたって燃料電池1を停止する条件に設定するように構成されている。
以下、図2に示すフローチャートに基づいて、前記通常運転処理及び前記水質低下抑制処理の夫々を実行するときの前記運転制御部5の制御動作を説明する。
ステップ#1にて運転周期の開始時点であると判別し、ステップ#2にて設定処理期間の経過直後でないと判別したときは、ステップ#3において、その運転周期の開始時点が要水質低下抑制状態であるか否かを判別する。要水質低下抑制状態ではないと判別した場合は、ステップ#4にて、通常運転条件設定処理を実行して通常運転条件を定め、ステップ#6にて、湯水貯留状態判別処理を実行してリターンする。その運転周期の開始時点が要水質低下抑制状態であると判別した場合は、ステップ#5にて、抑制用運転条件設定処理を実行して水質低下抑制用運転条件を定め、ステップ#6にて、湯水貯留状態判別処理を実行してリターンする。
ステップ#1にて運転周期の開始時点であると判別し、ステップ#2にて設定処理期間の経過直後であると判別したときは、ステップ#7において、その設定処理期間の開始時点から終了時点の間に入れ替わり状態になったか否かを判別して、入れ替わり状態になったと判別した場合は、ステップ#4に進んで、通常運転条件設定処理を実行して通常運転条件を定める。
ステップ#7において、設定処理期間の開始時点から終了時点の間に入れ替わり状態にならなかったと判別した場合は、ステップ#8において、延長用運転条件設定処理を実行して、延長用の水質低下抑制処理の運転条件を定め、ステップ#6にて、湯水貯留状態判別処理を実行してリターンする。
つまり、ステップ#7にて、設定処理期間の開始時点から終了時点の間に入れ替わり状態にならなかったと判別した場合は、直前の設定処理期間において実行された水質低下抑制処理により、貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が給水路16からの水に入れ替わっていない状態であり、ステップ#8において、延長用の水質低下抑制処理の運転条件を定めて、その定めた運転条件にて、設定処理期間の間、水質低下抑制処理を延長して実行することになる。
ステップ#1にて運転周期の開始時点ではないと判別する間は、通常運転処理又は水質低下抑制処理に応じた運転条件にて燃料電池1の運転を制御する燃料電池運転制御処理を実行し、並びに、前記循環制御処理を実行し、更に、湯水貯留状態判別処理を実行してリターンする(ステップ#9,10,6)。
つまり、通常運転処理の実行中は、ステップ#9の燃料電池運転制御では、ステップ#4の通常運転条件設定処理にて設定された通常運転条件に基づいて燃料電池1の運転が制御される。
又、水質低下抑制処理の実行中は、ステップ#9の燃料電池運転制御では、ステップ#5の抑制用運転条件設定処理にて設定された水質低下抑制用運転条件に基づいて燃料電池1の運転が制御される。又、延長用の水質低下抑制処理の実行中は、ステップ#9の燃料電池運転制御では、ステップ#8の延長用運転条件設定処理にて設定された運転条件に基づいて燃焼電池1の運転が制御され、この参考の第1実施形態では、燃料電池1が停止される。
ステップ#10の循環制御処理では、前記貯湯温度センサShの検出温度が目標加熱温度になるように、貯湯用循環路18における単位時間当たりの湯水循環量を調節すべく湯水循環ポンプ19の作動が制御される。
ちなみに、ステップ#9の燃料電池運転制御にて燃料電池1が停止されている場合は、前記冷却水循環ポンプ15が停止されて、冷却水循環路13における冷却水の循環が停止されているので、貯湯用熱交換器24には貯湯槽2の湯水を加熱するための冷却水が供給されない状態となり、ステップ#10の循環制御処理においては、湯水循環ポンプ19が停止されて、貯湯用循環路18における湯水の循環が停止されることになる。
また、前記運転制御部5は、水質低下抑制処理の実行中に、前記熱消費端末3用の端末用リモコン5bから運転が指令されると、上述のように熱媒供給運転を行うように構成されている。
次に、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷を求める予測負荷演算管理処理、前記通常運転条件設定処理、前記抑制用運転条件設定処理及び湯水貯留状態判別処理の夫々について、運転制御部5の制御動作を説明する。
先ず、前記予測負荷演算管理処理について説明する。
尚、熱負荷は、前記給湯先に湯水を給湯するときの給湯熱負荷と前記熱消費端末3での端末熱負荷とからなる。
前記運転制御部5は、実電力負荷データ、実給湯熱負荷データ及び実端末熱負荷データを運転周期及び管理用時間に対応付けてメモリに記憶することにより、過去の時系列的な電力負荷データ及び過去の時系列的な熱負荷データを、設定期間(例えば、運転日前の4週間)にわたって、運転周期毎に管理用時間毎に対応付けて管理するように構成されている。
ちなみに、実電力負荷は、前記電力負荷計測手段11にて計測された電力と前記インバータ6の出力電力とを加えた電力から前記電気ヒータ12の消費電力を減じた電力として計測される。又、実給湯熱負荷は前記給湯熱負荷計測手段31にて計測され、実端末熱負荷は前記端末熱負荷計測手段32にて計測される。
そして、前記運転制御部5は、運転周期の開始時点(例えば午前3時)において、時系列的な過去電力負荷データ及び時系列的な過去熱負荷データの管理データに基づいて、連続する予測用設定回数(例えば3回)の運転周期のうちの最初の運転周期の時系列的な予測熱負荷データ及び時系列的な予測電力負荷データ、並びに、予測用設定回数の運転周期のうちの最初の運転周期に後続する運転周期の時系列的な予測熱負荷データを管理用時間毎に区分けして求めるように構成されている。ちなみに、時系列的な予測熱負荷データは、時系列的な予測給湯熱負荷データと時系列的な予測端末熱負荷データとを加えたデータであるが、この実施形態においては、熱の負荷状態としては、前記熱消費端末3での端末熱負荷が発生しておらず、給湯熱負荷のみが発生するとして説明する。
以下、前記通常運転条件設定処理について説明する。
前記運転制御部5は、運転周期の開始時点において、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて、予測電力負荷に対する燃料電池1の電力の出力形態又は燃料電池1を運転する運転時間帯を異ならせた複数種の運転形態夫々の運転メリットを求め、その求めた運転メリットが最も高い運転形態を通常運転用の運転形態に定めて、その定めた運転形態にて燃料電池1を運転するように構成されている。
つまり、複数種の運転形態のうちで最も運転メリットが高い運転形態を通常運転用の運転形態に定めることが、前記通常運転条件を定めることに相当し、そのように定めた通常運転用の運転形態にて燃料電池1を運転する処理が、通常運転処理に相当する。
ちなみに、前記運転周期は1日に設定され、前記管理用時間が1時間に設定されている。又、前記運転メリットとして、燃料電池1を運転することにより得られると予測される予測エネルギ削減量を求めるように構成されている。
前記複数種の運転形態について、説明を加える。
前記複数種の運転形態として、運転周期中、燃料電池1を連続して運転する連続運転形態、及び、運転周期中、燃料電池1を断続して運転する断続運転形態を含み、更に、連続運転形態として、予測電力負荷に対する燃料電池1の電力の出力形態を異ならせた複数種の運転形態が含まれ、前記断続運転形態として、予測電力負荷に対する燃料電池1の電力の出力形態又は燃料電池1を運転する運転時間帯を異ならせた複数種の運転形態が含まれている。
前記複数種の連続運転形態として、前記運転周期の全時間帯において燃料電池1の発電出力を予測電力負荷に追従させる負荷追従連続運転形態、前記運転周期の複数の管理用時間のうちの一部の管理用時間において前記燃料電池1の発電出力を前記予測電力負荷よりも小さな設定抑制出力とし且つ残りの管理用時間において前記燃料電池1の発電出力を前記予測電力負荷に追従させる抑制連続運転形態、及び、前記運転周期の複数の管理用時間のうちの一部の管理用時間において前記燃料電池1の発電出力を前記予測電力負荷よりも大きな設定増大出力とし且つ残りの管理用時間において前記燃料電池1の発電出力を前記予測電力負荷に追従させる強制連続運転形態が含まれる。
更に、抑制連続運転形態が、前記設定抑制出力とする管理用時間を、前記負荷追従連続運転形態にて前記燃料電池1を運転するときに前記運転周期の複数の管理用時間のうちに前記貯湯槽2の予測貯湯熱量が貯湯槽2における予め設定された上限貯湯熱量以上になる熱余り状態が発生する管理用時間が存在する場合に、前記熱余り状態が発生する管理用時間よりも以前の管理用時間のうちで、前記熱余り状態が解消し且つ予測エネルギ削減量が最も大きくなる管理用時間に定めるものであり、前記強制連続運転形態が、前記設定増大出力とする管理用時間を、前記負荷追従連続運転形態にて前記燃料電池1を運転するときに前記運転周期の複数の管理用時間のうちに前記貯湯槽2の予測貯湯熱量が予測熱負荷に対して不足する熱不足状態が発生する管理用時間が存在する場合に、前記熱不足状態が発生する管理用時間よりも以前の管理用時間のうちで、前記熱不足状態が解消し且つ予測エネルギ削減量が最も大きくなる管理用時間に定めるものである。
前記貯湯槽2の予測貯湯熱量は、貯湯槽2に湯水にて蓄えられると予測される熱量であり、各管理用時間の予測貯湯熱量(kcal/h)は、下記の式2、式3にて求められる。尚、各式において、添え字「n」は、運転周期における管理用時間の順序を示し、例えば、n=1のときは、運転周期の1番目の管理用時間を示す。
但し、n=1のときの式2における予測貯湯熱量n-1としての予測貯湯熱量0は、運転周期の開始時点の予測貯湯熱量であり、上記の式1に基づいて求められた値とされる。
予測貯湯熱量n=(予測貯湯熱量n-1−予測熱負荷n+予測熱出力n)×(1−槽放熱率)……………(式2)
予測熱出力n=α×{(予測発電出力n÷電池発電効率)×電池熱効率}+余剰電力×α×β−ベース放熱量……………(式3)
但し、式3にて求められた予測貯湯熱量nが0よりも小さいときは、予測貯湯熱量nを0とする。
槽放熱率は、貯湯槽2からの放熱率であり、予め設定されている。
電池発電効率は、燃料電池1における単位エネルギ消費量(kWh)に対する発電出力(kWh)の比率を示し、電池熱効率は、燃料電池1における単位エネルギ消費量(kWh)に対する発生熱量(kWh)の比率を示し、これら電池発電効率及び電池熱効率は発電出力に応じて設定されている。
ベース放熱量は、このコージェネレーションシステムにおいて、燃料電池1の発生熱量のうち、貯湯槽2への貯湯及び熱消費端末3による暖房に用いられることなく放熱される熱量であり、予め設定されている。
余剰電力は、予測発電出力が予測電力負荷よりも大きい場合に、予測発電出力から予測電力負荷を減じることにより求められる。
例えば、予測電力負荷が燃料電池1の発電出力調節範囲(例えば、0.25〜0.75kW)の最小出力よりも小さいときは、余剰電力は、燃料電池1の最小出力から予測電力負荷を減じることにより求められる。又、後述するが、燃料電池1の発電出力を予測電力負荷に追従する電主出力よりも大きい設定増大出力に設定するときは、余剰電力は、その設定増大出力から予測電力負荷を減じることにより求められる。尚、予測電力負荷が発電出力調節範囲の最小出力よりも小さいときは、その最小出力が電主出力となり、予測電力負荷が発電出力調節範囲の最大出力よりも小さいときは、その最大出力が電主出力となる。
αは、上述したように860に設定される係数である。
βは、電気ヒータ12にて余剰電力(kWh)を熱(kWh)に変換するときの効率であるヒータ効率であり、予め設定されている。
前記複数種の断続運転形態として、燃料電池1の発電出力を前記予測電力負荷に追従させる管理用時間を、前記運転時間帯として、前記運転周期の複数の管理用時間のうちで最も予測エネルギ削減量が大きくなる管理用時間に定める負荷追従断続運転形態、燃料電池1の発電出力を前記予測電力負荷よりも小さな設定抑制出力に調節する管理用時間を、前記運転時間帯として、前記運転周期の複数の管理用時間のうちで最も予測エネルギ削減量が大きくなる管理用時間に定める抑制断続運転形態、及び、燃料電池1の発電出力を前記予測電力負荷よりも大きな設定増大出力に調節する管理用時間を、前記運転時間帯として、前記運転周期の複数の管理用時間のうちで最も予測エネルギ削減量が大きくなる管理用時間に定める強制断続運転形態が含まれる。
更に、前記負荷追従断続運転形態として、燃料電池1の発電出力を前記予測電力負荷に追従させる管理用時間を、それを定める運転周期における予測電力負荷及び予測熱負荷に基づく予測エネルギ削減量が最も大きくなる管理用時間に定める単周期対応型の負荷追従断続運転形態と、運転周期が複数連続する設定判別期間の最初の運転周期において燃料電池1の発電出力を前記予測電力負荷に追従させ且つ残る運転周期においては燃料電池1を停止させると仮定したときに、燃料電池1の発電出力を前記予測電力負荷に追従させる管理用時間を、前記設定判別期間の最初の運転周期における時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷並びに前記設定判別期間の残りの運転周期における予測熱負荷に基づく予測エネルギ削減量が最も大きくなる管理用時間に定める複数周期対応型の負荷追従断続運転形態とが含まれる。
前記抑制断続運転形態として、燃料電池1の発電出力を前記設定抑制出力に調節する管理用時間を、それを定める運転周期における予測電力負荷及び予測熱負荷に基づく予測エネルギ削減量が最も大きくなる管理用時間に定める単周期対応型の抑制断続運転形態と、前記設定判別期間の最初の運転周期において燃料電池1の発電出力を前記設定抑制出力に調節し且つ残る運転周期においては燃料電池1を停止させると仮定したときに、燃料電池1の発電出力を前記設定抑制出力に調節する管理用時間を、前記設定判別期間の最初の運転周期における予測電力負荷及び予測熱負荷並びに前記設定判別期間の残りの運転周期における予測熱負荷に基づく予測エネルギ削減量が最も大きくなる管理用時間に定める複数周期対応型の抑制断続運転形態とが含まれる。
前記強制断続運転形態として、燃料電池1の発電出力を前記設定増大出力に調節する管理用時間を、それを定める運転周期における予測電力負荷及び予測熱負荷に基づく予測エネルギ削減量が最も大きくなる管理用時間に定める単周期対応型の強制断続運転形態と、前記設定判別期間の最初の運転周期において燃料電池1の発電出力を前記設定増大出力に調節し且つ残る運転周期においては燃料電池1を停止させると仮定したときに、燃料電池1の発電出力を前記設定増大出力に調節する管理用時間を、前記設定判別期間の最初の運転周期における予測電力負荷及び予測熱負荷並びに前記設定判別期間の残りの運転周期における予測熱負荷に基づく予測エネルギ削減量が最も大きくなる管理用時間に定める複数周期対応型の強制断続運転形態とが含まれる。
この実施形態では、運転周期が1日に設定されるので、負荷追従断続運転形態、抑制断続運転形態及び強制断続運転形態夫々の単周期対応型を1日対応型と記載する。又、負荷追従断続運転形態、抑制断続運転形態及び強制断続運転形態夫々の複数周期対応型としては、運転周期数が2個の2日対応型のものと、運転周期数が3個の3日対応型のものとが含まれる。
以下、強制連続運転形態、及び、1日対応型、2日対応型、3日対応型の各強制断続運転形態夫々における設定増大出力、並びに、抑制連続運転形態、及び、1日対応型、2日対応型、3日対応型の各抑制断続運転形態夫々における設定抑制出力の設定手順について、説明する。
増大出力設定用又は抑制出力設定用の仮設定出力を前記燃料電池1の発電出力調節範囲内で段階的(例えば、0.05kW間隔)に設定し、各仮設定出力について、前記燃料電池1の発電出力を仮設定出力に調節したときに燃料電池1から発生する出力増大時発生熱量(kW)を下記の式4にて求め、仮設定出力を燃料電池1にて得る場合と商用電源7にて得る場合とのエネルギ消費量の差である出力抑制時発電用エネルギ量差(kW)を下記の式5にて求めて、それら出力増大時発生熱量及び出力抑制時発電用エネルギ量差を各仮設定出力に対応付けて、メモリに記憶させてある。
出力増大時発生熱量=(仮設定出力÷電池発電効率)×電池熱効率……………(式4)
出力抑制時発電用エネルギ量差=仮設定出力÷電池発電効率−仮設定出力÷商用電源発電効率……………(式5)
但し、商用電源発電効率は、商用電源7における単位エネルギ消費量(kWh)に対する発電出力(kWh)の比率である。
ちなみに、電池発電効率よりも商用電源発電効率の方が大きいため、出力抑制時発電用エネルギ量差は負の値として求められるので、出力抑制時発電用エネルギ量差の絶対値が小さいほど、エネルギ消費の面で有利となる。
そして、前記運転制御部5は、運転周期の各管理用時間について、電主出力よりも大きい仮設定出力のうち、出力増大時発生熱量が最大のものを設定増大出力として設定し、電主出力よりも小さい仮設定出力のうち、出力抑制時発電用エネルギ量差の絶対値が最小のものを設定抑制出力として設定するように構成されている。
以下、前記運転制御手段5により前記複数種の運転形態夫々についての予測エネルギ削減量を求める手順について、説明を加える。
各運転形態の予測エネルギ削減量は、下記の式6に示すように、燃料電池1を運転しない場合のエネルギ消費量から、燃料電池1を各運転形態にて運転した場合のエネルギ消費量を減じることにより演算する。
予測エネルギ削減量P=燃料電池1を運転しない場合のエネルギ消費量E1−燃料電池1を運転した場合のエネルギ消費量E2……………(式6)
前記燃料電池1を運転しない場合のエネルギ消費量E1(kWh)は、下記の式7に示すように、最初の運転周期の予測電力負荷の全てを商用電源7からの受電電力で補う場合の商用電源7におけるエネルギ消費量と、最初の運転周期の予測熱負荷の全てを補助加熱器27の発生熱で補う場合のエネルギ消費量との和として求められる。
つまり、どの運転形態の予測エネルギ削減量を求める場合でも、燃料電池1を運転しない場合のエネルギ消費量E1は、同様に求められる。
E1=予測電力負荷/商用電源発電効率+予測熱負荷/補助加熱器熱効率……………(式7)
但し、
予測熱負荷はkWhに変換した値である。
補助加熱器熱効率は、補助加熱器27における単位エネルギ消費量(kWh又はkcal)に対する発生熱量(kWh又はkcal)の比率である。
一方、燃料電池1を運転した場合のエネルギ消費量E2(kWh)は、下記の式8に示すように、最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷を燃料電池1の予測発電出力及び予測熱出力で補う場合の燃料電池1の消費エネルギである運転周期エネルギ消費量と、予測電力負荷から予測発電出力を差し引いた分に相当する予測不足電力量の全てを商用電源7からの受電電力で補う場合の商用電源7におけるエネルギ消費量と、予測不足熱量の全てを補助加熱器27の発生熱で補う場合のエネルギ消費量との和にて求められる。
E2=運転周期エネルギ消費量+予測不足電力量/商用電源発電効率+予測不足熱量/補助加熱器熱効率……………(式8)
但し、予測不足熱量は、予測不足熱量を求める対象の管理用時間の予測熱負荷からその管理用時間の直前の管理用時間の予測貯湯熱量を減じることにより求められ、kWhの単位に変換される。
運転周期エネルギ消費量は、下記の式9にて、各運転形態において燃料電池1を運転する管理用時間当たりのエネルギ消費量を求めて、その求めた管理用時間当たりのエネルギ消費量を積算することにより求める。
エネルギ消費量=(発電出力÷電池発電効率)……………(式9)
負荷追従連続運転形態の予測エネルギ削減量は、以下のようにして求める。
各管理用時間のエネルギ消費量を前記式9により発電出力を電主出力として求め、求めた各管理用時間のエネルギ消費量を積算することにより、運転周期エネルギ消費量を求め、その運転周期エネルギ消費量に基づいて、式8により、燃料電池1を運転した場合のエネルギ消費量E2を求める。そして、そのように求めた燃料電池1を運転した場合のエネルギ消費量E2と式7により求めた燃料電池1を運転しない場合のエネルギ消費量E1とに基づいて、式6により、予測エネルギ削減量Pを求める。
強制連続運転形態の予測エネルギ削減量は、負荷追従連続運転形態にて前記燃料電池1を運転するとしたときに熱不足状態となる熱不足管理用時間が存在する場合に求められるものであり、以下のようにして求める。
即ち、運転周期における複数の管理用時間のうちの熱不足管理用時間(複数存在するときは、運転周期の開始時点に最も近いもの)よりも以前の管理用時間のうちで、選択した1つ又は連続する複数の管理用時間を発電出力を設定増大出力に調節する強制運転用時間帯とし且つ運転周期の残りの管理用時間を発電出力を電主出力に調節する電主運転用時間帯とする形態で、前記強制運転用時間帯として選択する管理用時間を異ならせることにより、強制運転用の仮運転パターンを全て形成し、全ての仮運転パターンについて、上記の式6〜式8に基づいて、予測エネルギ削減量を求める。
尚、強制運転用時間帯の管理用時間のエネルギ消費量を前記式9により発電出力を設定増大出力として求め、電主運転用時間帯の管理用時間のエネルギ消費量を前記式9により発電出力を電主出力として求めて、求めた各管理用時間のエネルギ消費量を積算することにより、運転周期エネルギ消費量を求める。
そして、全ての強制運転用の仮運転パターンのうちで熱余り状態となる熱余り管理用時間が生じず且つ予測エネルギ削減量が最大の強制運転用の仮運転パターンを求め、その求めた仮運転パターンにおいて熱不足管理用時間が生じない場合は、その強制運転用の仮運転パターンを強制連続運転形態の運転パターンに定め、その強制運転用の仮運転パターンの予測エネルギ削減量を強制連続運転形態の予測エネルギ削減量として求める。
尚、熱余り管理用時間が生じず且つ予測エネルギ削減量が最大の強制運転用の仮運転パターンにおいて、未だ、熱不足管理用時間が生じるときは、熱不足管理用時間が生じなくなるまで、上述の処理を繰り返すことになる。
抑制連続運転形態の予測エネルギ削減量は、負荷追従連続運転形態にて前記燃料電池1を運転するとしたときに熱余り管理用時間が存在する場合に求められるものであり、以下のようにして求める。
即ち、運転周期における複数の管理用時間のうちの熱余り管理用時間(複数存在するときは、運転周期の開始時点に最も近いもの)よりも以前の管理用時間のうちで、選択した1つ又は連続する複数の管理用時間を発電出力を設定抑制出力に調節する抑制運転用時間帯とし且つ運転周期の残りの管理用時間を発電出力を電主出力に調節する電主運転用時間帯とする形態で、前記抑制運転用時間帯として選択する管理用時間を異ならせることにより、抑制運転用の仮運転パターンを全て形成し、全ての仮運転パターンについて、上記の式6〜式8に基づいて、予測エネルギ削減量を求める。
尚、抑制運転用時間帯の管理用時間のエネルギ消費量を前記式9により発電出力を設定抑制出力として求め、電主運転用時間帯の管理用時間のエネルギ消費量を前記式9により発電出力を電主出力として求めて、求めた各管理用時間のエネルギ消費量を積算することにより、運転周期エネルギ消費量を求める。
そして、全ての抑制運転用の仮運転パターンのうちで熱不足管理用時間が生じず且つ予測エネルギ削減量が最大の抑制運転用の仮運転パターンを求め、その求めた仮運転パターンにおいて熱余り管理用時間が生じない場合は、その抑制運転用の仮運転パターンを抑制連続運転形態の運転パターンに定め、その抑制運転用の仮運転パターンの予測エネルギ削減量を抑制連続運転形態の予測エネルギ削減量として求める。
尚、熱不足管理用時間が生じず且つ予測エネルギ削減量が最大の抑制運転用の仮運転パターンにおいて、未だ、熱余り管理用時間が生じるときは、熱余り管理用時間が生じなくなるまで、上述の処理を繰り返すことになる。
1日対応型の負荷追従断続運転形態の予測エネルギ削減量は、以下のようにして求める。
運転周期の複数の管理用時間のうちで、選択した1つ又は連続する複数の管理用時間を前記運転時間帯を構成する管理用時間とし且つ運転周期の残りの管理用時間を停止時間帯を構成する管理用時間とする形態で、前記運転時間帯を構成する管理用時間として選択する管理用時間を異ならせることにより全ての仮運転パターンが形成されて、その全ての仮運転パターンがメモリに記憶され、そのメモリに記憶されている仮運転パターンのうち、運転周期の全管理用時間を運転時間帯とするパターンを除いた全ての仮運転パターンを断続運転用の仮運転パターンとされる。
全ての断続運転用の仮運転パターンの夫々について、各仮運転パターンにて設定されている運転時間帯において発電出力を電主出力に調節する状態で燃料電池1を運転すると仮定して、前記式6〜式8に基づいて予測エネルギ削減量Pを求め、更に、最初の運転周期の各管理用時間について、予測熱出力、予測貯湯熱量を求める。
尚、運転時間帯に含まれる管理用時間のエネルギ消費量は前記式9により発電出力を電主出力として求め、運転時間帯に含まれない管理用時間のエネルギ消費量は0として、各管理用時間のエネルギ消費量を積算することにより、運転周期エネルギ消費量を求める。
又、運転時間帯に含まれない管理用時間の予測熱出力は0になり、運転時間帯に含まれない管理用時間の予測貯湯熱量は、前記式2により予測熱出力nを0として求める。
そして、全ての断続運転用の仮運転パターンのうち、予測エネルギ削減量が最大の断続運転用の仮運転パターンを求めて、その断続運転用の仮運転パターンを1日対応型の負荷追従断続運転形態の運転パターンに設定し、その断続運転用の仮運転パターンの予測エネルギ削減量を1日対応型の負荷追従断続運転形態の予測エネルギ削減量として求める。
2日対応型の負荷追従断続運転形態の予測エネルギ削減量は、以下のようにして求める。
即ち、全ての1日対応型の断続運転用の仮運転パターンのうち、上述のように運転時間帯において発電出力を電主出力に調節したときに最初の運転周期における最終の管理用時間の予測貯湯熱量が0よりも大きい仮運転パターンを2日対応型の仮運転パターンとして選択する。
そして、2日対応型の仮運転パターンの全てについて、最初の運転周期の最終の管理用時間の予測貯湯熱量が2回目の運転周期の予測熱負荷として利用されたとして、2回目の運転周期の複数の管理用時間夫々について、予測貯湯熱量及び予測熱負荷として利用された予測利用熱量を求める。
各管理用時間の予測貯湯熱量は、前記式2により、予測熱出力nを0として求める。
又、各管理用時間の予測利用熱量は、下記の式10〜式12により求める。
予測貯湯熱量n-1≧予測熱負荷nのときは、
予測利用熱量n=予測熱負荷n……………(式10)
予測貯湯熱量n-1<予測熱負荷nのときは、
予測利用熱量n=予測貯湯熱量n-1……………(式11)
予測貯湯熱量n-1=0のときは、
予測利用熱量n=0……………(式12)
2日対応型の仮運転パターンの夫々について、夫々について上述のように求めた1日対応型の負荷追従断続運転形態の予測エネルギ削減量に、2回目の運転周期における予測利用熱量(kWhに変換したもの)の合計を補助加熱器27の発生熱で補う場合のエネルギ消費量(予測利用熱量の合計/補助加熱器熱効率)を加えることにより予測エネルギ削減量を求め、その求めた予測エネルギ削減量を2で割って1運転周期(1日)当たりのエネルギ削減量としたものを、2日対応型の仮運転パターンの予測エネルギ削減量とする。
そして、全ての2日対応型の仮運転パターンのうちで予測エネルギ削減量が最大の2日対応型の仮運転パターンを、2日対応型の負荷追従断続運転形態の運転パターンに設定し、その2日対応型の仮運転パターンの予測エネルギ削減量を2日対応型の負荷追従断続運転形態の予測エネルギ削減量として求める。
3日対応型の負荷追従断続運転形態の予測エネルギ削減量は、以下のようにして求める。
即ち、全ての2日対応型の仮運転パターンのうち、2回目の運転周期における最終の管理用時間の予測貯湯熱量が0よりも大きい仮運転パターンを3日対応型の仮運転パターンとして選択し、3日対応型の仮運転パターンの全てについて、2回目の運転周期の最終の管理用時間の予測貯湯熱量が3回目の運転周期の予測熱負荷として利用されたとして、上述した2回目の運転周期におけるのと同様に、3回目の運転周期の複数の管理用時間夫々について、予測貯湯熱量及び予測利用熱量を求める。
3日対応型の仮運転パターンの夫々について、夫々について上述のように求めた1日対応型の負荷追従断続運転形態の予測エネルギ削減量に、2回目及び3回目の運転周期における予測利用熱量(kWhに変換したもの)の合計を補助加熱器27の発生熱で補う場合のエネルギ消費量(予測利用熱量の合計/補助加熱器熱効率)を加えることにより予測エネルギ削減量を求め、その求めた予測エネルギ削減量を3で割って1運転周期(1日)当たりのエネルギ削減量としたものを、3日対応型の仮運転パターンの予測エネルギ削減量とする。
そして、全ての3日対応型の仮運転パターンのうちで予測エネルギ削減量が最大の3日対応型の仮運転パターンを、3日対応型の負荷追従断続運転形態の運転パターンに設定し、その3日対応型の仮運転パターンの予測エネルギ削減量を3日対応型の負荷追従断続運転形態の予測エネルギ削減量として求める。
1日対応型の強制断続運転形態の予測エネルギ削減量は、以下のようにして求める。
即ち、全ての断続運転用の仮運転パターンの夫々について、各仮運転パターンにて設定されている運転時間帯において発電出力を設定増大出力に調節する状態で燃料電池1を運転すると仮定して、前記式6〜式8に基づいて予測エネルギ削減量Pを求め、更に、最初の運転周期の各管理用時間について、予測熱出力、予測貯湯熱量を求める。
尚、運転時間帯に含まれる管理用時間のエネルギ消費量は前記式9により発電出力を設定増大出力として求め、運転時間帯に含まれない管理用時間のエネルギ消費量は0として、各管理用時間のエネルギ消費量を積算することにより、運転周期エネルギ消費量を求める。
そして、全ての断続運転用の仮運転パターンのうち、予測エネルギ削減量が最大の断続運転用の仮運転パターンを求めて、その断続運転用の仮運転パターンを1日対応型の強制断続運転形態の運転パターンに設定し、その断続運転用の仮運転パターンの予測エネルギ削減量を1日対応型の強制断続運転形態の予測エネルギ削減量として求める。
2日対応型の強制断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量は、上述した2日対応型の負荷追従断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量を求める手順と同様の手順で求め、並びに、3日対応型の強制断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量は、上述した3日対応型の負荷追従断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量を求める手順と同様の手順で求めるので、それら2日対応型の強制断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量、並びに、3日対応型の強制断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量夫々を求める手順の説明を省略する。
1日対応型の抑制断続運転形態の予測エネルギ削減量は、以下のようにして求める。
即ち、全ての断続運転用の仮運転パターン夫々について、各仮運転パターンにて設定されている運転時間帯において発電出力を設定抑制出力に調節する状態で燃料電池1を運転すると仮定して、前記式6〜式8に基づいて予測エネルギ削減量Pを求め、更に、最初の運転周期の各管理用時間について、予測熱出力、予測貯湯熱量を求める。
尚、運転時間帯に含まれる管理用時間のエネルギ消費量は前記式9により発電出力を設定抑制出力として求め、運転時間帯に含まれない管理用時間のエネルギ消費量は0として、各管理用時間のエネルギ消費量を積算することにより、運転周期エネルギ消費量を求める。
そして、全ての断続運転用の仮運転パターンのうち、予測エネルギ削減量が最大の断続運転用の仮運転パターンを求めて、その断続運転用の仮運転パターンを1日対応型の抑制断続運転形態の運転パターンに設定し、その断続運転用の仮運転パターンの予測エネルギ削減量を1日対応型の抑制断続運転形態の予測エネルギ削減量として求める。
2日対応型の抑制断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量は、上述した2日対応型の負荷追従断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量を求める手順と同様の手順で求め、並びに、3日対応型の抑制断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量は、上述した3日対応型の負荷追従断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量を求める手順と同様の手順で求めるので、それら2日対応型の抑制断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量、並びに、3日対応型の抑制断続運転形態の運転パターン及び予測エネルギ削減量夫々を求める手順の説明を省略する。
要するに、前記運転制御部5は、前記通常運転条件設定処理においては、前記熱余り管理用時間が存在する場合は、上述のように、負荷追従連続運転形態の予測エネルギ削減量及び抑制連続運転形態の予測エネルギ削減量を求め、前記熱不足管理用時間が存在する場合は、上述のように、負荷追従連続運転形態の予測エネルギ削減量及び強制連続運転形態の予測エネルギ削減量を求め、更に、上述のように、1日対応型、2日対応型及び3日対応型夫々の負荷追従断続運転形態の予測エネルギ削減量、1日対応型、2日対応型及び3日対応型夫々の強制断続運転形態の予測エネルギ削減量、並びに、1日対応型、2日対応型及び3日対応型夫々の抑制断続運転形態の予測エネルギ削減量の9個の予測エネルギ削減量を求めて、そのように求めた予測エネルギ削減量が最大の運転形態を燃料電池1の運転形態に定める。
尚、通常運転条件設定処理において、複数種の連続運転形態及び複数種の断続運転形態を含めた全ての運転形態のうち、いずれか1つの断続運転形態の予測エネルギ削減量が最大となる場合は、運転周期の開始時点における貯湯熱量にてその運転周期の予測熱負荷を賄える程度を示す熱負荷賄い率U/Lと設定値Kとを比較して、熱負荷賄い率U/Lが設定値Kよりも大きいときは待機条件を満たすと判断して、運転周期の全時間帯にわたって燃料電池1を停止させる待機形態に燃料電池1の運転形態を定め、熱負荷賄い率U/Lが設定値K以下のときは待機条件を満たさないと判断して、予測エネルギ削減量が最大の断続運転形態に燃料電池1の運転形態を定めるように構成されている。
ちなみに、熱負荷賄い率U/LのLは、最初の運転周期の各管理用時間の予測熱負荷を合計することにより求めた運転周期の予測熱負荷である。
又、熱負荷賄い率U/LのUは、燃料電池1の予測熱出力を0として、最初の運転周期の予測熱負荷のうち、最初の運転周期の開始時点における貯湯熱量にて賄えると予測される予測利用熱量である。
例えば、最初の運転周期の開始時点が、2日対応型の負荷追従断続運転形態、強制断続運転形態及び抑制断続運転形態のうちのいずれかの2回目の運転周期の開始時点に相当する場合、Lは、2回目の運転周期の各管理用時間の予測熱負荷を合計した値となり、Uは、2回目の運転周期の各管理用時間の予測利用熱量を合計した値となる。
尚、前記設定値Kは、例えば、0.4に設定する。
つまり、運転周期の開始時点になる毎に通常運転条件設定処理を実行し、その処理では、上述のように、熱負荷賄い率U/Lが設定値Kよりも大きくて待機条件を満たすと判断したときは、燃料電池1の運転形態を待機形態に設定するように構成されているので、先の通常運転条件設定処理にて2日対応型又は3日対応型の負荷追従、抑制又は強制のいずれかの断続運転形態に定められて、今回の通常運転条件設定処理を行う時点が2日対応型又は3日対応型の断続運転形態における2回目の運転周期の開始時点に相当するときに、その通常運転条件設定処理にて前述のように燃料電池1の運転形態が待機形態に定められると、その2日対応型又は3日対応型の断続運転形態における2回目の運転周期の全時間帯にわたって燃料電池1が停止されることになり、2日対応型又は3日対応型の断続運転形態が継続される。
そして、前記運転制御部5は、前記通常運転条件設定処理にて定めた運転形態にて燃料電池1を運転する。
燃料電池1の運転形態を負荷追従連続運転形態に定めたときは、運転周期の全時間帯にわたって燃料電池1の発電出力を現在要求されている現電力負荷に追従させる現電力負荷追従運転を実行する。
その現電力負荷追従運転では、1分等の比較的短い所定の出力調整周期毎に現電力負荷を求め、最小出力から最大出力の範囲内で、連続的に現電力負荷に追従する電主出力を決定し、燃料電池1の発電出力をその決定した電主出力に調整する形態で運転する。
尚、前記現電力負荷は、前記電力負荷計測手段11にて計測された電力と前記インバータ6の出力電力とを加えた電力から前記電気ヒータ12の消費電力を減じた電力であり、更に、その現電力負荷は、前の出力調整周期において所定のサンプリング時間(例えば5秒)でサンプリングしたデータの平均値として求められる。
燃料電池1の運転形態を抑制連続運転形態に定めたときは、燃料電池1の発電出力を設定抑制出力にすると定められている管理用時間では燃料電池1の発電出力を設定抑制出力に調節し、他の管理用時間では現電力負荷追従運転を実行する。
燃料電池1の運転形態を強制連続運転形態に定めたときは、燃料電池1の発電出力を設定増大出力にすると定められている管理用時間では燃料電池1の発電出力を設定増大出力に調節し、他の管理用時間では現電力負荷追従運転を実行する。
燃料電池1の運転形態を1日対応型、2日対応型、3日対応型のいずれの負荷追従断続運転に定めたときも、運転時間帯に含まれる管理用時間においては現電力負荷追従運転を実行し、停止時間帯に含まれる管理用時間においては燃料電池1を停止する。
燃料電池1の運転形態を1日対応型、2日対応型、3日対応型のいずれの抑制断続運転に定めたときも、運転時間帯に含まれる管理用時間では燃料電池1の発電出力を設定抑制出力に調節し、停止時間帯に含まれる管理用時間においては燃料電池1を停止する。
燃料電池1の運転形態を1日対応型、2日対応型、3日対応型のいずれの強制断続運転に定めたときも、運転時間帯に含まれる管理用時間では燃料電池1の発電出力を設定増大出力に調節し、停止時間帯に含まれる管理用時間においては燃料電池1を停止する。
以下、前記湯水貯留状態判別処理について説明する。
前記運転制御部5が、前記湯水貯留状態判別処理においては、前記湯水入れ替わり検出手段33の検出情報に基づいて、前記貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が前記給水路16を通して供給される水にて入れ替わらない状態が継続する非入れ替わり状態継続時間が設定非入替許容時間以上になると、前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている。
つまり、この参考の第1実施形態では、前記湯水貯留状態判別処理においては、前記貯湯槽2における湯水の貯留状態として、前記非入れ替わり状態継続時間を判別して、その非入れ替わり状態継続時間が設定非入替許容時間以上になると、貯湯槽2の湯水の貯留状態が湯水の水質低下を抑制する必要がある状態であると判別して、水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている。
上述したように、この参考の第1実施形態では、前記湯水入れ替わり検出手段33が前記槽上部湯水温度センサStにて構成されているので、前記運転制御部5は、前記湯水貯留状態判別処理においては、槽上部湯水温度センサStの検出温度が設定低温範囲よりも高くなると非入れ替わり状態継続時間の計測を開始し、槽上部湯水温度センサStの検出温度が設定低温範囲内の温度になると非入れ替わり状態継続時間を0にリセットする状態で、非入れ替わり状態継続時間の計測を行い、その非入れ替わり状態継続時間が設定非入替許容時間以上になると前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている。
ちなみに、前記設定非入替許容時間は、例えば96時間に設定される。
以下、前記抑制用運転条件設定処理について、説明する。
この参考の第1実施形態では、前記運転制御部5が、前記水質低下抑制用運転条件として、水質低下抑制用運転時間帯と水質低下抑制用発電出力とを定めるように構成されている。
この参考の第1実施形態では、前記運転制御部5が、前記時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて、前記設定処理期間内に前記貯湯槽2の湯水の全量が給水路16からの水にて入れ替えられるべく、通常運転用の運転形態にて定められている運転時間帯を水質低下抑制用運転時間帯とする状態で、水質低下抑制用発電出力を通常運転用の運転形態にて定められている予測発電出力よりも小さくなるように定めるように構成されている。
又、前記運転制御部5が、通常運転用の運転形態にて定められている運転時間帯全体にわたって、水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定しても、前記設定処理期間内に前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられないと予測されるときは、前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられるべく、水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定する状態で、水質低下抑制用運転時間帯を通常運転用の運転形態にて定められている運転時間帯よりも短い時間に設定するように構成されている。
以下、前記水質低下抑制用発電出力及び前記水質低下抑制用運転時間帯を定める手順について、説明する。
尚、燃料電池1の通常運転用の運転形態においては、管理用時間毎に燃料電池1の予測発電出力が定められているので、管理用時間毎に前記水質低下抑制用発電出力が設定されるように構成されている。
前記運転制御部5は、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて、設定処理期間中に前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できるように、通常運転用の運転形態にて定められている運転時間帯を水質低下抑制用運転時間帯とすると仮定して、各管理用時間の水質低下抑制用発電出力を通常運転用の運転形態にて定められている予測発電出力よりも小さく設定するように構成されている。
又、前記運転制御部5は、通常運転用の運転形態にて定められている運転時間帯の全ての管理用時間の水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定しても、前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられないと予測されるときは、前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できるように、各管理用時間の水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定する状態で、水質低下抑制用運転時間帯を通常運転用の運転形態にて定められている運転時間帯よりも短い時間に設定するように構成されている。
ちなみに、負荷追従連続運転形態、並びに、1日対応型、2日対応型及び3日対応型の各負荷追従断続運転形態においては、運転時間帯の各管理用時間の予測発電出力は、予測電力負荷に追従する電主出力となる。
強制連続運転形態においては、強制運転用時間帯の各管理用時間の予測発電出力は、設定増大出力となり、電主運転用時間帯の各管理用時間の予測発電出力は、予測電力負荷に追従する電主出力となり、抑制連続運転形態においては、抑制運転用時間帯の各管理用時間の予測発電出力は設定抑制出力となり、電主運転用時間帯の各管理用時間の予測発電出力は、予測電力負荷に追従する電主出力となる。
1日対応型、2日対応型及び3日対応型の各強制断続運転形態においては、運転時間帯の各管理用時間の予測発電出力は、設定増大出力となり、1日対応型、2日対応型及び3日対応型の各抑制断続運転形態においては、運転時間帯の各管理用時間の予測発電出力は、設定抑制出力となる。
説明を加えると、運転時間帯に含まれる各管理用時間において燃料電池1の発電出力を予測発電出力よりも小さい仮水質低下抑制用発電出力に調節すると仮定して、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて設定処理期間中に貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できるか否かを判別する処理を、仮水質低下抑制用発電出力を段階的に小さく設定しながら、貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できるまで繰り返す。
そして、上記の処理を繰り返すことにより、設定処理期間中に貯湯槽2の湯水の全量が給水路16からの水にて入れ替えられると予測できるときは、通常運転用の運転形態にて定められている運転時間帯を水質低下抑制用運転時間帯として設定し、且つ、各管理用時間について設定されている仮水質低下抑制用発電出力を水質低下抑制用発電出力として設定する。
又、運転時間帯の全ての管理用時間の仮水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定しても、前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できないときは、各管理用時間において燃料電池1の発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に調節すると仮定して、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて、前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できるように運転時間帯を設定し、その設定した運転時間帯を水質低下抑制用運転時間帯とし、各管理用時間の水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定する。
以下、仮水質低下抑制用発電出力の設定手順について、説明を加える。
予測発電出力に乗じることにより仮水質低下抑制用発電出力を設定するための抑制出力設定用係数を、1より小さくする状態で、設定間隔を隔てて段階的に設定する。例えば、設定間隔を0.05として、抑制出力設定用係数を0.95、0.90、0.85……………の如く段階的に設定する。
そして、抑制出力設定用係数を順次小さくして、予測発電出力に乗じることにより、仮水質低下抑制用発電出力を段階的に小さく設定する。
以下、運転周期中に貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられるか否かを判別する手順について、説明を加える。
運転時間帯の各管理用時間の予測発電出力を仮水質低下抑制用発電出力として、上記の式3に基づいて、水質低下抑制用運転時間帯の各管理用時間の予測熱出力を求め、その求めた各管理用時間の予測熱出力を用いて、上記の式2に基づいて、運転周期の各管理用時間について予測貯湯熱量を求め、予測貯湯熱量が0になる管理用時間が存在すると、運転周期中に貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると判別することになる。
そして、前記運転制御部5は、図2に示すフローチャートにおけるステップ#9の燃料電池運転制御においては、設定処理期間の水質低下抑制用運転時間帯では、燃料電池1の発電出力を管理用時間毎に設定されている水質低下抑制用発電出力に調節し、水質低下抑制用運転時間帯の終了時点で設定処理期間の最終時点になっていない場合は、その水質低下抑制用運転時間帯の終了時点から設定処理期間の最終時点まで、燃料電池1を停止する。
以下、本発明の第2及び第3の各実施形態を説明するが、各実施形態は、湯水貯留状態判別処理及び水質低下抑制処理の別の実施形態を説明するものであるので、主として、湯水貯留状態判別処理及び水質低下抑制処理について説明する。
参考の第2実施形態〕
以下、参考の第2実施形態を説明する。
図1において破線にて示すように、この参考の第2実施形態においては、前記貯湯用循環路18に、その貯湯用循環路18を通して循環される単位時間当たりの湯水循環量を検出する循環量センサQcが設けられ、前記給湯路17に、その給湯路17を通して送出される単位時間当たりの湯水送出量を検出する送出量センサQsが設けられている。
そして、前記循環量センサQc及び前記送出量センサQsが設けられている以外は、コージェネレーションシステムの全体構成は上記の参考の第1実施形態と同様であるので、その全体構成の説明を省略する。
尚、給湯路17を通しての給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路18を通しての湯水の循環とが並行して行われるときは、上記の参考の第1実施形態において説明したように湯水が流動するので、前記送出量センサQsは、貯湯用循環路18から給湯路17に供給される湯水の流量も含んだ流量を、給湯路17を通して送出される単位時間当たりの湯水送出量として検出することになる。
この参考の第2実施形態は、湯水貯留状態判別処理及び水質低下抑制処理の別実施形態を説明するものであり、通常運転処理は上記の参考の第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
先ず、前記湯水貯留状態判別処理について説明する。
前記運転制御部5が、前記湯水貯留状態判別処理においては、前記給水路16から前記貯湯槽2への単位時間当たりの給水量についての時系列的な給水量データ、前記貯湯用循環路18を通して循環される単位時間当たりの湯水循環量についての時系列的な湯水循環量データ、及び、前記貯湯槽2の容量データに基づいて、湯水が前記給水路16を通して供給されてから前記貯湯用熱交換器24(即ち、加熱手段Hに相当する)にて加熱されることなく前記貯湯槽2に貯留される非加熱貯留時間が設定非加熱許容時間以上となる湯水、及び、湯水が前記貯湯用熱交換器24にて加熱されてから前記貯湯用熱交換器24にて再加熱されることなく前記貯湯槽2に貯留される非再加熱貯留時間が前記設定非加熱許容時間以上となる湯水の少なくとも一方が存在すると判別すると、前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている。
つまり、この参考の第2実施形態では、前記湯水貯留状態判別処理においては、前記貯湯槽2における湯水の貯留状態として、貯湯槽2に貯留される湯水についての非加熱貯留時間及び非再加熱貯留時間を判別して、非加熱貯留時間が設定非加熱許容時間以上となる湯水、及び、非再加熱貯留時間が前記設定非加熱許容時間以上となる湯水の少なくとも一方が存在すると、貯湯槽2の湯水の貯留状態が湯水の水質低下を抑制する必要がある状態であると判別して、水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている。
前記運転制御部5により時系列的な給水量データ、時系列的な湯水循環量データ及び貯湯槽2の容量データを管理するデータ管理処理について、説明を加える。
前記貯湯槽2の容量データは、運転制御部5のメモリに記憶させてある。この参考の第2実施形態では、貯湯槽2の容量は200リットルであるので、容量データとして200リットルをメモリに記憶させる。
前記給湯路17を通して湯水が送出されるのに伴って、その送出された湯水の量と同量の水が前記給水路16を通して供給されるので、時系列的な湯水送出量データを時系列的な給水量データとして代用することができる。
そこで、運転制御部5は、前記送出量センサQsにて検出される時系列的な単位時間当たりの湯水送出量データを単位時間当たりの給水量についての時系列的な給水量データとして読み込み、その読み込みデータを管理用時間にわたって積算して、管理用時間当たりの給水量データを求めて、時系列的な管理用時間当たりの給水量データを管理するように構成されている。
尚、給湯路17を通しての給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路18を通しての湯水の循環とが並行して行われるときは、上記の参考の第1実施形態において説明したように湯水が流動するので、貯湯槽2に供給されることなく直接貯湯用循環路18に供給される水も含んだ状態で、給水路16から貯湯槽2への時系列的な給水量データが管理されることになる。
又、運転制御部5は、前記循環量センサQcにて検出される時系列的な単位時間当たりの湯水循環量データを読み込み、その読み込みデータを管理用時間にわたって積算して、管理用時間当たりの湯水循環量データを求めて、時系列的な管理用時間当たりの湯水循環量データを管理するように構成されている。ちなみに、前記単位時間は、例えば1秒間に設定される。
例えば、図3に示す如き時系列的な管理用時間当たりの給水量データ及び時系列的な管理用時間当たりの湯水循環量データが運転制御部5により管理される。
図3には、例えば、1月1日の1時台の管理用時間に200リットルの水が給水されて、貯湯槽2が給水路16からの水にて満杯になり、1月1日の8時台の管理用時間に40リットルの水が給水され、1月1日の19時台の管理用時間に100リットルの水が給水されたことが示され、又、1月1日の2時台の管理用時間から18時台の管理用時間まで、毎時10リットルの循環量で貯湯槽2の湯水が貯湯用循環路18を通して循環されたことが示されている。
又、図3には、例えば、1月1日の8時台の管理用時間は、給湯路17を通しての給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路18を通しての湯水の循環とが並行して行われたことが示されている。
以下、前記非加熱貯留時間及び前記非再加熱貯留時間夫々の管理について、説明を加える。
給湯路17を通しての給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路18を通しての湯水の循環とのうち、給湯先での湯水の消費のみが行われるときは、給湯路17を通して貯湯槽2の上部から湯水が送出されるのに伴って、貯湯槽2の湯水は上方に流動して、貯湯槽2の上部から送出された湯水の量と同量の水が給水路16を通して貯湯槽2の底部に供給され、湯水の循環のみが行われるときは、貯湯槽2の湯水が下方に流動しながら、槽底部から貯湯用循環路18に取り出された湯水は貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち槽上部に戻されることになる。
又、給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路18を通しての湯水の循環とが並行して行われるときは、給水路16を通して供給された水のうち、貯湯用熱交換器24による加熱後の温度が加熱目標温度になる分が、給水路16から直接貯湯用循環路18に供給されて貯湯用熱交換器24により加熱されたのち、貯湯槽2の上部から送出される湯水と共に給湯路17を通して送出され、残りが貯湯槽2の底部に貯留されることになる。
従って、貯湯槽2への給水及び貯湯槽2の湯水の循環に伴う上述の如き貯湯槽2の湯水の流動形態に鑑みて、時系列的な管理用時間当たりの給水量データ、時系列的な管理用時間当たりの湯水循環量データ及び貯湯槽2の容量データに基づいて、各管理用時間の開始時点毎に、貯湯槽2の湯水を、管理用時間毎の給水ブロック及び管理用時間毎の加熱済みブロックにて、各ブロックが給水路16を通しての給水の順序及び貯湯用循環路18を通しての湯水の循環の順序に対応して並び且つ各ブロックの湯水量を合計した合計湯水量が容量データに等しくなる状態で、上下方向にブロック分けすることができ、又、各給水ブロック毎に給水日時及び湯水量を特定し、各加熱済みブロック毎に貯湯用熱交換器24による加熱日時及び湯水量を特定することができる。
ちなみに、前記給水ブロックは、管理用時間にわたって給水路16を通して貯湯槽2の底部に供給されたままで、貯湯用循環路18を通して循環されていない、即ち、貯湯用熱交換器24にて加熱されていない湯水のブロックを示し、前記加熱済みブロックは、管理用時間にわたって貯湯槽2の底部から取り出されて貯湯用循環路18を通して循環されることにより、貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち貯湯槽2の上部に戻された湯水のブロックを示す。
前記給水路16を通して供給されて貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち、再度、貯湯用熱交換器24にて加熱された加熱済みブロックについては、最も新しい再加熱日時を加熱日時として特定する。
以下、図4に基づいて、時系列的な管理用時間当たりの給水量データ及び時系列的な管理用時間当たりの湯水循環量データが図3に示す如き場合について、貯湯槽2の湯水における管理用時間毎の給水ブロック及び管理用時間毎の加熱済みブロックによるブロック分けについて説明を加える。
ちなみに、図4は、貯湯槽2の湯水を上下方向に給水ブロック及び加熱済みブロックにてブロック分けした状態を示し、各ブロック内に、各ブロックの給水日時、加熱日時、湯水量をそれぞれ(1/1,1)(−)(140)、あるいは、(−)(1/1,2)(10)の如く示す。
つまり、各ブロック内における左端の()内に給水日時を、中央の()内に加熱日時を、右端の()内に湯水量を示す。
例えば、1月1日の8:00のブロック分けにおける最下部のブロックは給水ブロックであり、その内部の(1/1,1)(−)(140)については、左端の()内の「1/1,1」は、給水日時が1月1日の1時であることを示し、中央の()内の「−」は、給水されたままで加熱されていないことを示し、右端の()内の「140」は湯水量が140リットルであることを示す。
又、下から2番目のブロックは加熱済みブロックであり、その内部の(−)(1/1,2)(10)については、左端の()内の「−」は、給水されたのち貯湯用熱交換器24にて加熱済みであるので、給水日時は管理しないことを示し、中央の()内の「1/1,2」は、加熱日時が1月1日の2時であることを示し、右端の()内の「10」は湯水量が10リットルであることを示す。
図示は省略するが、1月1日の1時台に200リットルの水が貯湯槽2の底部に給水されたので、2時台の管理用時間の開始時点では、貯湯槽2全体が、1月1日の1時に給水された給水ブロックになる。
1月1日の2時から7時までの6時間は、毎時10リットルずつ貯湯槽2の湯水が循環されるので、毎時、10リットルの湯水が貯湯槽2の底部から取り出されて、貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち貯湯槽2の上部に戻されることになり、1月1日の8時台の管理用時間の開始時点では、図4の(イ)に示すように、給水日時が1月1日の1時で湯水量が140リットルの給水ブロック、加熱日時が1月1日の2時で湯水量が10リットルの加熱済みブロック、加熱日時が1月1日の3時で湯水量が10リットルの加熱済みブロック、……………、加熱日時が1月1日の7時で湯水量が10リットルの加熱済みブロックの7個のブロックが下方から上方に並ぶ状態でブロック分けされる。
1月1日の8時台は、給湯路17を通しての給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路18を通しての貯湯槽2の湯水の循環とが並行して行われており、この参考の第2実施形態では、このように給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路18を通しての湯水の循環とが並行して行われる管理用時間においては、給水路16を通して供給される水のうち、貯湯用循環路18を通して循環される湯水循環量に相当する分は、貯湯槽2の底部に貯留されることなく、貯湯用循環路18を通して循環されて、貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち、給湯路17を通して送出されるとする。
つまり、管理用時間当たりの給水量データは40リットルであり、管理用時間当たりの湯水循環量データは10リットルであるので、貯湯槽2の底部に供給された40リットルの水のうち、貯湯用循環路18を通して循環された10リットルを除いた30リットルを給水循環並行時給水量として、その給水循環並行時給水量の水が貯湯槽2の底部に貯留されることとする。
従って、1月1日の9時台の管理用時間の開始時点では、図4の(ロ)に示すように、給水日時が1月1日の8時で湯水量が30リットルの給水ブロック、給水日時が1月1日の1時で湯水量が140リットルの給水ブロック、加熱日時が1月1日の2時で湯水量が10リットルの加熱済みブロック、加熱日時が1月1日の3時で湯水量が10リットルの加熱済みブロック、加熱日時が1月1日の4時で湯水量が10リットルの加熱済みブロックの5個のブロックが下方から上方に並ぶ状態でブロック分けされる。
1月1日の9時から18時までの10時間は、毎時10リットルずつ貯湯槽2の湯水が循環されるので、毎時、10リットルの湯水が貯湯槽2の底部から取り出されて、貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち貯湯槽2の上部に戻されることになり、1月1日の19時台の管理用時間の開始時点では、図4の(ハ)に示すように、給水日時が1月1日の1時で湯水量が70リットルの給水ブロック、加熱日時が1月1日の2時で湯水量が10リットルの加熱済みブロック、加熱日時が1月1日の3時で湯水量が10リットルの加熱済みブロック、……………、加熱日時が1月1日の18時で湯水量が10リットルの加熱済みブロックの14個のブロックが下方から上方に並ぶ状態でブロック分けされる。
1月1日の19時台は、給水路16を通して100リットルの水が貯湯槽2の底部に供給され、貯湯用循環路18を通しての循環が行われていないので、貯湯槽2の上部の100リットル分の湯水が貯湯槽2から給湯路17に送出されたことになり、1月1日の20時台の管理用時間の開始時点では、図4の(ニ)に示すように、給水日時が1月1日の19時で湯水量が湯水量が100リットルの給水ブロック、給水日時が1月1日の1時で湯水量が70リットルの給水ブロック、加熱日時が1月1日の2時で湯水量が10リットルの加熱済みブロック、加熱日時が1月1日の3時で湯水量が10リットルの加熱済みブロック、加熱日時が1月1日の4時で湯水量が10リットルの加熱済みブロックの5個のブロックが下方から上方に並ぶ状態でブロック分けされる。
上述の如く、時系列的な管理用時間当たりの給水量データ、時系列的な管理用時間当たりの湯水循環量データ及び貯湯槽2の容量データに基づいて、各管理用時間の開始時点において、貯湯槽2の湯水における管理用時間毎の給水ブロック及び管理用時間毎の加熱済みブロックによるブロック分けを更新すると共に、各ブロック毎に、給水日時、加熱日時、湯水量を特定することができ、例えば、1月3日の9時台、1月3日の20時台及び1月4日の2時台の夫々の管理用時間の開始時点においては、図4の(ホ)〜(ト)に示すように、貯湯槽2の湯水を給水ブロック及び加熱済みブロックにてブロック分けすると共に、各給水ブロック毎に、給水日時、湯水量を特定し、各加熱済みブロック毎に、加熱日時、湯水量を特定することができる。
そして、管理用時間の開始時点毎に、各給水ブロック毎の給水日時及び各加熱済みブロック毎の加熱日時に基づいて、各給水ブロック毎に非加熱貯留時間を求め、各加熱済みブロック毎に非再加熱貯留時間を求めることができる。
例えば、図4の(ホ)に基づいて説明すると、1月3日の9時台の管理用時間の開始時点においては、下から3番目のブロックは給水ブロックであり、その給水日時は1月1日の1時であるので、非加熱貯留時間は56時間となり、又、下から4番目のブロックは加熱済みブロックであり、その加熱日時は1月1日の2時であるので、非再加熱貯留時間は55時間となる。
又、図4の(ト)に基づいて説明すると、1月4日の2時台の管理用時間の開始時点においては、給水ブロックは最下部のブロックだけであり、その給水ブロックの給水日時は1月3日の19時であるので、非加熱貯留時間は7時間となり、又、加熱済みブロックは下から2番目から最上部までの6ブロックであり、そのうち、加熱日時が最も過去になるのは下から2番目の加熱済みブロックであり、その加熱日時は1月1日の2時であるので、非再加熱貯留時間は72時間となる。
そして、前記設定非加熱許容時間を例えば72時間(3日間)に設定すると、1月4日の2時台の管理用時間の開始時点において、非再加熱貯留時間が設定非加熱貯留時間以上となる湯水のブロックが存在すると判別されることになり、水質低下抑制タイミングになると判別することになる。
つまり、前記運転制御部5は、管理用時間の開始時点において、時系列的な管理用時間当たりの給水量データ、時系列的な管理用時間当たりの湯水循環量データ及び貯湯槽2の容量データに基づいて、貯湯槽2の湯水を、管理用時間毎の給水ブロック及び管理用時間毎の加熱済みブロックにて、各ブロックが給水路16を通しての給水の順序及び貯湯用循環路18を通しての湯水の循環の順序に対応して並び且つ各ブロックの湯水量を合計した合計湯水量が容量データに等しくなる状態で上下方向にブロック分けし、且つ、各給水ブロック毎に給水日時、湯水量を特定し、各加熱済みブロック毎に加熱日時、湯水量を特定するように構成されている。
ちなみに、前記運転制御部5は、前記給水路16を通して供給されて貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち、再度貯湯用熱交換器24にて加熱された加熱済みブロックについては、最も新しい再加熱日時を加熱日時として特定するように構成されている。
又、前記運転制御部5は、管理用時間の開始時点において、各給水ブロック毎に、夫々の給水日時に基づいて非加熱貯留時間を求め、各加熱済みブロック毎に、夫々の加熱日時に基づいて非再加熱貯留時間を求めて、求めた非加熱貯留時間が設定非加熱許容時間以上となるブロック及び求めた非再加熱貯留時間が設定非加熱許容時間以上となるブロックの少なくとも一方が存在すると、水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている。
次に、前記水質低下抑制処理について説明する。
尚、この参考の第2実施形態においても、前記設定処理期間は1回の運転周期にて構成されている。
前記運転制御部5は、上記の参考の第1実施形態と同様に、水質低下抑制処理として、前記循環制御処理、及び、前記水質低下抑制用運転条件を定めてその水質低下抑制用運転条件に基づいて前記燃料電池1を運転する抑制運転処理を実行するように構成され、前記水質低下抑制用運転条件として、前記貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が前記設定処理期間内に前記給水路16からの水に入れ替えられることが予測できる運転条件を定めるように構成されている。
又、前記運転制御部5は、上記の参考の第1実施形態と同様に、前記水質低下抑制用運転条件として、水質低下抑制用運転時間帯と水質低下抑制用発電出力とを定めるように構成されているが、それら水質低下抑制用運転時間帯と水質低下抑制用発電出力とを定めるための構成が上記の参考の第1実施形態と異なる。
即ち、この参考の第2実施形態では、前記運転制御部5が、前記時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて、前記設定処理期間内に前記貯湯槽2の湯水の全量が給水路16からの水にて入れ替えられるべく、設定処理期間における予測電力負荷が発生する全時間帯を水質低下抑制用運転時間帯とする状態で、水質低下抑制用発電出力を設定処理期間における予測電力負荷よりも小さくなるように定めるように構成されている。
又、前記運転制御部5が、設定処理期間における予測電力負荷が発生する全時間帯にわたって、水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定しても、前記設定処理期間内に前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられないと予測されるときは、前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられるべく、水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定する状態で、設定処理期間内に水質低下抑制用時間帯を設定するように構成されている。
以下、前記水質低下抑制用発電出力及び前記水質低下抑制用運転時間帯を定める手順について、説明する。
前記運転制御部5は、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて、設定処理期間中に前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できるように、設定処理期間における予測電力負荷が発生する全時間帯を水質低下抑制用運転時間帯とすると仮定して、各管理用時間の水質低下抑制用発電出力を予測電力負荷よりも小さく設定するように構成されている。
又、前記運転制御部5は、設定処理期間における予測電力負荷が発生する全ての管理用時間の水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定しても、前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられないと予測されるときは、前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できるように、各管理用時間の水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定する状態で、設定処理期間内に水質低下抑制用時間帯を設定するように構成されている。
説明を加えると、設定処理期間における予測電力負荷が発生する各管理用時間において燃料電池1の発電出力を予測電力負荷よりも小さい仮水質低下抑制用発電出力に調節すると仮定して、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて、設定処理期間中に貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できるか否かを判別する処理を、仮水質低下抑制用発電出力を段階的に小さく設定しながら、貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できるまで繰り返す。
そして、上記の処理を繰り返すことにより、設定処理期間中に貯湯槽2の湯水の全量が給水路16からの水にて入れ替えられると予測できるときは、設定処理期間における予測電力負荷が発生する全時間帯を水質低下抑制用運転時間帯として設定し、且つ、各管理用時間について設定されている仮水質低下抑制用発電出力を水質低下抑制用発電出力として設定する。
又、設定処理期間における予測電力負荷が発生する全ての管理用時間の仮水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定しても、前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測できないときは、各管理用時間において燃料電池1の発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に調節すると仮定して、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて、前記貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられると予測されるように運転時間帯を設定し、その設定した運転時間帯を水質低下抑制用運転時間帯とし、各管理用時間の水質低下抑制用発電出力を発電出力調節範囲の最小出力に設定する。
以下、仮水質低下抑制用発電出力の設定手順について、説明を加える。
予測電力負荷に乗じることにより仮水質低下抑制用発電出力を設定するための抑制出力設定用係数を、上記の参考の第1実施形態と同様に設定する。
そして、抑制出力設定用係数を順次小さくして、予測電力負荷に乗じることにより、仮水質低下抑制用発電出力を段階的に小さく設定する。
運転周期中に貯湯槽2の湯水の全量が入れ替えられるか否かを判別する手順は、上記の参考の第1実施形態において説明したのと同様であるので、その説明を省略する。
ところで、通常運転用の運転形態は、複数種の運転形態のうちで予測エネルギ削減量が最大の運転形態が定められるものである。
そして、予測熱負荷に対して燃料電池1の発生熱量が不足する不足熱量は補助加熱器27の発生熱で補う条件で、予測エネルギ削減量が求められることから、不足熱量が生じると、求められる予測エネルギ削減量が小さくなるので、通常運転用の運転形態において、各管理用時間の予測発電出力は予測不足熱量が極力生じないように定められている。
従って、上述のように水質低下抑制用発電出力及び水質低下抑制用運転時間帯を設定することにより、結果的に、前記水質低下抑制用運転条件として、前記水質低下抑制タイミング以降の設定処理期間内において前記通常運転処理を実行すると仮定したときに前記燃料電池1により発電される総発電量よりも前記設定処理期間内における前記燃料電池1の総発電量を低下させる条件を定めることになる。
前記主制御処理における運転制御部5の制御動作のフローチャートは、上記の参考の第1実施形態において説明した図2に示すフローチャートと同様であるので、その説明を省略する。
尚、この参考の第2実施形態においては、図2に示すフローチャートにおけるステップ#7では、貯湯槽2の湯水を給水ブロック及び加熱済みブロックにブロック分けしたときに、設定処理期間の間に、貯湯槽2の全体が給水ブロックになると入れ替わり状態になったと判別し、設定処理期間の間、貯湯槽2の全体が給水ブロックにならなかった場合は、入れ替わり状態にならなかったと判別するように構成されている。
参考の第1実施形態と同様に、図2に示すフローチャートにおけるステップ#8では、延長用の水質低下抑制処理の運転条件として、設定処理期間全体にわたって燃料電池1を停止する条件に設定するように構成されている。
又、図2に示すフローチャートにおけるステップ#9の燃料電池運転制御においては、設定処理期間の水質低下抑制用運転時間帯では、燃料電池1の発電出力を管理用時間毎に設定されている水質低下抑制用発電出力に調節し、水質低下抑制用運転時間帯の終了時点で設定処理期間の最終時点になっていない場合は、その水質低下抑制用運転時間帯の終了時点から設定処理期間の最終時点まで、燃料電池1を停止するように構成されている。
参考の第3実施形態〕
以下、参考の第3実施形態を説明する。
図1において破線にて示すように、この参考の第3実施形態においても、上記の参考の第2実施形態と同様に、前記循環量センサQc及び前記送出量センサQsが設けられている。
そして、前記循環量センサQc及び前記送出量センサQsが設けられている以外は、コージェネレーションシステムの全体構成は上記の参考の第1実施形態と同様であるので、その全体構成の説明を省略する。
この参考の第3実施形態は、湯水貯留状態判別処理及び水質低下抑制処理の別実施形態を説明するものであり、通常運転処理は上記の第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
先ず、前記湯水貯留状態判別処理について説明する。
前記運転制御部5が、前記湯水貯留状態判別処理においては、前記給水路16から前記貯湯槽2への単位時間当たりの給水量についての時系列的な給水量データ、前記貯湯用循環路18を通して循環される単位時間当たりの湯水循環量についての時系列的な湯水循環量データ、及び、前記貯湯槽2の容量データに基づいて、前記給水路16を通して供給されてから前記貯湯槽2に滞留する滞留時間が設定滞留許容時間以上となる湯水が存在すると判別すると、前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている。
つまり、この参考の第3実施形態では、前記湯水貯留状態判別処理においては、前記貯湯槽2における湯水の貯留状態として、貯湯槽2に貯留される湯水についての滞留時間を判別して、滞留時間が前記設定滞留許容時間以上となる湯水が存在すると、貯湯槽2の湯水の貯留状態が湯水の水質低下を抑制する必要がある状態であると判別して、水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている。
前記運転制御部5により時系列的な給水量データ、時系列的な湯水循環量データ及び貯湯槽2の容量データを管理するデータ管理処理は、上記の第2実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
以下、前記滞留時間の管理について説明を加えるが、この参考の第3実施形態においても、上記の参考の第2実施形態と同様に、図3に示す如き時系列的な管理用時間当たりの給水量データ及び時系列的な管理用時間当たりの湯水循環量データが運転制御部5により管理されるとして、説明する。
図5に示すように、図4に示す参考の第2実施形態と同様に、管理用時間の開始時点毎に、貯湯槽2の湯水を管理用時間毎の給水ブロック及び管理用時間毎の加熱済みブロックに分けるブロック分けが行われるが、図5においては、各ブロック内に、各ブロックの給水日時、湯水量をそれぞれ(1/1,1)(140)、あるいは、(1/1,1)(10)の如く示す。又、加熱済みブロックを、「#」の符合にて示す。
つまり、各ブロック内における左側の()内に給水日時を、右側の()内に湯水量を示す。
例えば、1月1日の8:00のブロック分けにおける最下部のブロックの(1/1,1)(140)については、左側の()内の「1/1,1」は、給水日時が1月1日の1時であることを示し、右側の()内の「140」は湯水量が140リットルであることを示す。
1月1日の2時から7時までの6時間は、毎時10リットルずつ貯湯槽2の湯水が循環されるので、毎時、10リットルの湯水が貯湯槽2の底部から取り出されて、貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち貯湯槽2の上部に戻されることになり、1月1日の8時台の管理用時間の開始時点では、図5の(イ)に示すように、給水日時が1月1日の1時であり湯水量が140リットルの給水ブロックと、給水日時が1月1日の1時であり湯水量が10リットルの6個の加熱済みブロックとの7個のブロックが下方から上方に並ぶ状態でブロック分けされる。
1月1日の8時台は、給湯路17を通しての給湯先での湯水の消費と貯湯用循環路18を通しての貯湯槽2の湯水の循環とが並行して行われており、上述の参考の第2実施形態と同様に、貯湯槽2の底部に供給された40リットルの水のうち、貯湯用循環路18を通して循環された10リットルを除いた30リットルを給水循環並行時給水量として、その給水循環並行時給水量の水が貯湯槽2の底部に貯留されることとする。
従って、1月1日の9時台の管理用時間の開始時点では、図5の(ロ)に示すように、給水日時が1月1日の8時であり湯水量が30リットルの給水ブロック、給水日時が1月1日の1時であり湯水量が140リットルの給水ブロック、及び、給水日時が1月1日の1時であり湯水量が10リットルの3個の加熱済みブロックの5個のブロックが下方から上方に並ぶ状態でブロック分けされる。
1月1日の9時から18時までの10時間は、毎時10リットルずつ貯湯槽2の湯水が循環されるので、毎時、10リットルの湯水が貯湯槽2の底部から取り出されて、貯湯用熱交換器24にて加熱されたのち貯湯槽2の上部に戻されることになり、1月1日の19時台の管理用時間の開始時点では、図5の(ハ)に示すように、給水日時が1月1日の1時であり湯水量が70リットルの給水ブロック、給水日時が1月1日の1時であり湯水量が10リットルの3個の加熱済みブロック、給水日時が1月1日の8時であり湯水量が10リットルの3個の加熱済みブロック、及び、給水日時が1月1日の1時であり湯水量が10リットルである7個の加熱済みブロックの14個のブロックが下方から上方に並ぶ状態でブロック分けされる。
1月1日の19時台は、給水路16を通して100リットルの水が貯湯槽2の底部に供給され、貯湯用循環路18を通しての循環が行われていないので、貯湯槽2の上部の100リットル分の湯水が貯湯槽2から給湯路17に送出されたことになり、1月1日の20時台の管理用時間の開始時点では、図5の(ニ)に示すように、給水日時が1月1日の19時であり湯水量が100リットルの給水ブロック、給水日時が1月1日の1時であり湯水量が70リットルの給水ブロック、及び、給水日時が1月1日の1時であり湯水量が10リットルの3個の加熱済みブロックの5個のブロックが下方から上方に並ぶ状態でブロック分けされる。
上述の如く、時系列的な管理用時間当たりの給水量データ、時系列的な管理用時間当たりの湯水循環量データ及び貯湯槽2の容量データに基づいて、各管理用時間の開始時点において、貯湯槽2の湯水を給水ブロック及び加熱済みブロックにてブロック分けすると共に、各ブロック毎に、給水日時、湯水量を特定することができ、例えば、1月3日の9時台、1月3日の20時台及び1月4日の1時台の夫々の管理用時間の開始時点においては、図5の(ホ)〜(ト)に示すように、貯湯槽2の湯水を、管理用時間毎の給水ブロック及び管理用時間毎の加熱済みブロックにてブロック分けすると共に、各ブロック毎に、給水日時、湯水量を特定することができる。
そして、管理用時間の開始時点毎に、各ブロック毎の給水日時に基づいて、各ブロック毎に滞留時間を求めることができる。
例えば、図5の(ホ)に基づいて説明すると、1月3日の9時台の管理用時間の開始時点においては、例えば、下から3番目のブロックは給水ブロックであり、その給水日時は1月1日の1時であるので、滞留時間は56時間となり、又、下から4番目のブロックは加熱済みブロックであり、その給水日時は1月1日の1時であるので、滞留時間は56時間となる。
又、図5の(ト)に基づいて説明すると、1月4日の1時台の管理用時間の開始時点においては、給水日時が1月3日の19時であり湯水量が150リットルの給水ブロック、給水日時が1月1日の1時であり湯水量が10リットルの3個の加熱済みブロック、及び、給水日時が1月1日の19時であり湯水量が10リットルの2個の加熱済みブロックの6個のブロックが下方から上方に並ぶ状態でブロック分けされ、それらのブロックのうち、給水日時が最も過去になるのは下から2番目から4番目の3個の加熱済みブロックであり、その給水日時は1月1日の1時であるので、滞留時間は72時間となる。
そして、前記設定滞留許容時間を例えば72時間(3日間)に設定すると、1月4日の2時台の管理用時間の開始時点において、滞留時間が設定滞留許容時間以上となる湯水のブロックが存在すると判別されることになる。
つまり、前記運転制御部5は、管理用時間の開始時点において、時系列的な管理用時間当たりの給水量データ、時系列的な管理用時間当たりの湯水循環量データ及び貯湯槽2の容量データに基づいて、貯湯槽2の湯水を、管理用時間毎の給水ブロック及び管理用時間毎の加熱済みブロックにて、各ブロックが給水路16を通しての給水の順序及び貯湯用循環路18を通しての湯水の循環の順序に対応して並び且つ各ブロックの湯水量を合計した合計湯水量が容量データに等しくなる状態で上下方向にブロック分けし、且つ、各ブロック毎に給水日時、湯水量を特定するように構成されている。
又、前記運転制御部5は、管理用時間の開始時点において、各ブロック毎の給水日時に基づいて、各ブロック毎に滞留時間を求めて、求めた滞留時間が設定滞留許容時間以上となるブロックが存在すると、水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている。
以下、前記水質低下抑制処理について説明する。
尚、この参考の第3実施形態においては、前記設定処理期間は複数回の運転周期にて構成されている。
前記運転制御部5は、上記の参考の第1実施形態と同様に、水質低下抑制処理として、前記循環制御処理、及び、前記水質低下抑制用運転条件を定めてその水質低下抑制用運転条件に基づいて前記燃料電池1を運転する抑制運転処理を実行するように構成され、前記水質低下抑制用運転条件として、前記貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が前記設定処理期間内に前記給水路16からの水に入れ替えられることが予測できる運転条件を定めるように構成されている。
そして、この参考の第3実施形態では、前記運転制御部5が、前記水質低下抑制用運転条件として、複数の管理用時間を含む運転周期(周期に相当する)が複数連続する設定判別期間における最初の周期において前記燃料電池1を運転しかつ残る周期においては前記燃料電池1を停止すると仮定したときに、最初の周期のうちで、運転しても前記設定判別期間が経過すると前記貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が前記給水路16からの水に入れ替えられることになる時間帯でかつ運転による運転メリットが高くなる有効時間帯を、少なくとも前記時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて求めて、その求めた有効時間帯を運転時間帯として前記燃料電池1を運転しかつ前記設定判別期間における前記運転時間帯以外の時間帯を停止時間帯として前記燃料電池1を停止する条件を定めるように構成されている。
又、前記運転制御部5が、前記水質低下抑制用運転条件として、運転周期数が異なる複数の前記設定判別期間の夫々について、前記有効時間帯を求めて、複数の設定判別期間のうちで予測エネルギ削減量が最大となる設定判別期間の有効時間帯を運転時間帯として前記燃料電池1を運転しかつ予測エネルギ削減量が最大となる設定判別期間における前記運転時間帯以外の時間帯を停止時間帯として前記燃料電池1を停止する条件を定めるように構成されている。
ちなみに、前記設定判別期間は前記設定処理期間に相当することになる。
以下、前記水質低下抑制用運転条件を定める抑制用運転条件設定処理について、説明する。
水質低下抑制処理においては、運転周期が複数連続する設定判別期間における最初の運転周期において運転し且つ残る運転周期においては停止する形態で、前記燃料電池1を運転することになり、以下、この運転形態を水質低下抑制用の複数周期対応型の負荷追従断続運転形態と称する。
そして、前記運転制御部5は、水質低下抑制用の複数周期対応型の負荷追従断続運転形態における燃料電池1を運転する管理用時間、即ち、有効時間帯として、前記設定判別期間の最初の運転周期においては燃料電池1の発電出力を予測電力負荷に追従させ且つ残る運転周期においては燃料電池1を停止させると仮定したときに、前記設定判別期間における最初の運転周期に後続する運転周期内に前記貯湯槽2における予測貯湯熱量が0となる管理用時間が存在することになり、且つ、前記設定判別期間の最初の運転周期における時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷並びに設定判別期間の残りの運転周期における予測熱負荷に基づく予測エネルギ削減量が最大となる管理用時間を定めるように構成されている。
この参考の第3実施形態では、通常運転用の複数周期対応型の負荷追従断続運転形態と同様に、水質低下抑制用の複数周期対応型の負荷追従断続運転形態として、運転周期数が2個の2日対応型のものと、運転周期数が3個の3日対応型のものとが含まれる。
そして、水質低下抑制用の2日対応型及び3日対応型夫々の負荷追従断続運転形態について、有効時間帯を求める、即ち、運転周期数が異なる複数の設定判別期間の夫々について、有効時間帯を求めることになる。
水質低下抑制用の2日対応型の負荷追従断続運転形態、即ち、運転周期数が2個の設定判別期間の有効時間帯は、以下のようにして求める。
即ち、上記の参考の第1実施形態において説明した如き、メモリに記憶されている全ての仮運転パターンの夫々について、参考の第1実施形態において説明した如き、通常運転用の1日対応型の負荷追従断続運転形態における予測エネルギ削減量を求める場合と同様に、各仮運転パターンにて設定されている運転時間帯において発電出力を電主出力に調節する状態で燃料電池1を運転すると仮定して、前記式6〜式8に基づいて予測エネルギ削減量Pを求め、更に、最初の運転周期の各管理用時間について、予測熱出力、予測貯湯熱量を求める。
そして、全ての仮運転パターンのうち、最初の運転周期における最終の管理用時間の予測貯湯熱量が0よりも大きい仮運転パターンを2日対応型の仮運転パターンとして選択して、参考の第1実施形態において説明した如き、通常運転用の2日対応型の負荷追従断続運転形態における予測エネルギ削減量を求める場合と同様に、2日対応型の仮運転パターンの全てについて、最初の運転周期の最終の管理用時間の予測貯湯熱量が2回目の運転周期の予測熱負荷として利用されたとして、2回目の運転周期の複数の管理用時間夫々について、予測貯湯熱量及び予測熱負荷として利用された予測利用熱量を求める。
更に、参考の第1実施形態において説明した如き、通常運転用の2日対応型の負荷追従断続運転形態における予測エネルギ削減量を求める場合と同様に、2日対応型の仮運転パターンの夫々について、夫々について求めた予測エネルギ削減量Pに、2回目の運転周期における予測利用熱量(kWhに変換したもの)の合計を補助加熱器27の発生熱で補う場合のエネルギ消費量を加えることにより予測エネルギ削減量を求め、その求めた予測エネルギ削減量を2で割って1運転周期(1日)当たりのエネルギ削減量としたものを、2日対応型の仮運転パターンの予測エネルギ削減量とする。
そして、全ての2日対応型の仮運転パターンのうちから、2回目の運転周期内に予測貯湯熱量が0となる管理用時間が存在する仮運転パターンを選択し、その選択した仮運転パターンのうち、予測エネルギ削減量が最大の仮運転パターンにおける運転時間帯を、水質低下抑制用の2日対応型の負荷追従断続運転形態における有効時間帯として定め、その予測エネルギ削減量が最大の仮運転パターンの予測エネルギ削減量を、水質低下抑制用の2日対応型の負荷追従断続運転形態における予測エネルギ削減量とする。
水質低下抑制用の3日対応型の負荷追従断続運転形態、即ち、運転周期数が3個の設定判別期間の有効時間帯は、以下のようにして求める。
即ち、全ての2日対応型の仮運転パターンのうち、2回目の運転周期における最終の管理用時間の予測貯湯熱量が0よりも大きい仮運転パターンを3日対応型の仮運転パターンとして選択し、3日対応型の仮運転パターンの全てについて、2回目の運転周期の最終の管理用時間の予測貯湯熱量が3回目の運転周期の予測熱負荷として利用されたとして、上述した2回目の運転周期におけるのと同様に、3回目の運転周期の複数の管理用時間夫々について、予測貯湯熱量及び予測利用熱量を求める。
更に、上述した通常運転用の3日対応型の負荷追従断続運転形態における予測エネルギ削減量を求める場合と同様に、3日対応型の仮運転パターンの夫々について、夫々について求めた予測エネルギ削減量Pに、2回目及び3回目の運転周期における予測利用熱量(kWhに変換したもの)の合計を補助加熱器27の発生熱で補う場合のエネルギ消費量を加えることにより予測エネルギ削減量を求め、その求めた予測エネルギ削減量を3で割って1運転周期(1日)当たりのエネルギ削減量としたものを、3日対応型の仮運転パターンの予測エネルギ削減量とする。
そして、全ての3日対応型の仮運転パターンのうちから、3回目の運転周期内に予測貯湯熱量が0となる管理用時間が存在する仮運転パターンを選択し、その選択した仮運転パターンのうち、予測エネルギ削減量が最大の仮運転パターンにおける運転時間帯を、水質低下抑制用の3日対応型の負荷追従断続運転形態における有効時間帯として定め、その予測エネルギ削減量が最大の仮運転パターンの予測エネルギ削減量を、水質低下抑制用の3日対応型の負荷追従断続運転形態における予測エネルギ削減量とする。
続いて、水質低下抑制用の2日対応型の負荷追従断続運転形態、及び、水質低下抑制用の3日対応型の負荷追従断続運転形態のうちで、予測エネルギ削減量が最大となる負荷追従断続運転形態を、水質低下抑制処理において燃料電池1を運転する運転形態として定める。
つまり、前記水質低下抑制用運転条件として、運転周期数が異なる複数の前記設定判別期間の夫々について、前記有効時間帯を求めて、複数の設定判別期間のうちで予測エネルギ削減量が最大となる設定判別期間の有効時間帯を運転時間帯として前記燃料電池1を運転しかつ予測エネルギ削減量が最大となる設定判別期間における前記運転時間帯以外の時間帯を停止時間帯として前記燃料電池1を停止する条件を定めることになる。
以下、図6に示すフローチャートに基づいて、前記通常運転処理及び前記水質低下抑制処理の夫々を実行するときの前記運転制御部5の制御動作を説明する。
ステップ#11にて運転周期の開始時点であると判別し、ステップ#12にて水質低下抑制処理の実行中でないと判別し、ステップ#13にて設定処理期間の経過直後でないと判別したときは、ステップ#14において、その運転周期の開始時点が要水質低下抑制状態であるか否かを判別する。要水質低下抑制状態ではないと判別した場合は、ステップ#15にて、通常運転条件設定処理を実行して通常運転条件を定め、ステップ#17にて、湯水貯留状態判別処理を実行してリターンする。その運転周期の開始時点が要水質低下抑制状態であると判別した場合は、ステップ#16にて、抑制用運転条件設定処理を実行して水質低下抑制用運転条件を定め、ステップ#17にて、湯水貯留状態判別処理を実行してリターンする。
ステップ#11にて運転周期の開始時点であると判別し、ステップ#12にて水質低下抑制処理の実行中でないと判別し、ステップ#13にて設定処理期間の経過直後であると判別したときは、ステップ#18において、その設定処理期間の開始時点から終了時点の間に入れ替わり状態になったか否かを判別して、入れ替わり状態になったと判別した場合は、ステップ#15に進んで、通常運転条件設定処理を実行して通常運転条件を定める。
ステップ#18において、設定処理期間の開始時点から終了時点の間に入れ替わり状態にならなかったと判別した場合は、ステップ#19において、延長用運転条件設定処理を実行して、延長用の水質低下抑制処理の運転条件を定め、ステップ#17にて、湯水貯留状態判別処理を実行してリターンする。
つまり、ステップ#18にて、設定処理期間の開始時点から終了時点の間に入れ替わり状態にならなかったと判別した場合は、直前の設定処理期間において実行された水質低下抑制処理により、貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が給水路16からの水に入れ替わっていない状態であり、ステップ#19において、延長用の水質低下抑制処理の運転条件を定めて、その定めた運転条件にて、設定処理期間の間、水質低下抑制処理を延長して実行することになる。
ステップ#11にて運転周期の開始時点ではないと判別する間は、通常運転処理又は水質低下抑制処理に応じた運転条件にて燃料電池1の運転を制御する燃料電池運転制御処理を実行し、並びに、前記循環制御処理を実行し、更に、湯水貯留状態判別処理を実行してリターンする(ステップ#20,21,17)。
又、ステップ#11にて運転周期の開始時点であると判別し、ステップ#12にて水質低下抑制処理の実行中であると判別する間は、水質低下抑制処理に応じた運転条件にて燃料電池1の運転を制御する燃料電池運転制御処理を実行し、並びに、前記循環制御処理を実行し、更に、湯水貯留状態判別処理を実行してリターンする(ステップ#20,21,17)。
つまり、通常運転処理の実行中は、ステップ#20の燃料電池運転制御では、ステップ#15の通常運転条件設定処理にて設定された通常運転条件に基づいて燃料電池1の運転が制御される。
又、水質低下抑制処理の実行中は、ステップ#20の燃料電池運転制御では、ステップ#16の抑制用運転条件設定処理にて設定された水質低下抑制用運転条件に基づいて燃料電池1の運転が制御される。又、延長用の水質低下抑制処理の実行中は、ステップ#20の燃料電池運転制御では、ステップ#19の延長用運転条件設定処理にて設定された運転条件に基づいて燃焼電池1の運転が制御され、この参考の第3実施形態では、燃料電池1が停止される。
ステップ#21の循環制御処理では、前記貯湯温度センサShの検出温度が目標加熱温度になるように、貯湯用循環路18における単位時間当たりの湯水循環量を調節すべく湯水循環ポンプ19の作動が制御される。
ちなみに、ステップ#20の燃料電池運転制御にて燃料電池1が停止されている場合は、前記冷却水循環ポンプ15が停止されて、冷却水循環路13における冷却水の循環が停止されているので、貯湯用熱交換器24には貯湯槽2の湯水を加熱するための冷却水が供給されない状態となり、ステップ#21の循環制御処理においては、湯水循環ポンプ19が停止されて、貯湯用循環路18における湯水の循環が停止されることになる。
また、前記運転制御部5は、水質低下抑制処理の実行中に、前記熱消費端末3用の端末用リモコン5bから運転が指令されると、上述のように熱媒供給運転を行うように構成されている。
尚、この参考の第3実施形態においては、ステップ#18では、貯湯槽2の湯水を給水ブロック及び加熱済みブロックにブロック分けしたときに、貯湯槽2の全体が給水ブロックになると入れ替わり状態になったと判別し、設定処理期間の間、貯湯槽2の全体が給水ブロックにならなかった場合は、入れ替わり状態にならなかったと判別するように構成されている。
又、ステップ#20の燃料電池運転制御においては、前記設定判別期間の運転時間帯においては、前記燃料電池1の発電出力を現在要求されている現電力負荷に追従させる現電力負荷追従運転を実行し、前記設定判別期間の停止時間帯においては、前記燃料電池1を停止する。
つまり、前記運転制御5が、前記設定判別期間における前記運転時間帯では、電力負荷に応じた電力を出力するように前記燃料電池1の運転を制御し、且つ、前記設定判別期間における前記停止時間帯では、発電を停止するように前記燃料電池1の運転を制御するように構成されていることになる。
又、ステップ#19では、延長用の水質低下抑制処理の運転条件として、設定処理期間全体にわたって燃料電池1を停止する条件に設定するように構成されている。
〔第実施形態〕
以下、本発明の第実施形態を説明するが、この第実施形態は、水質低下抑制処理の別実施形態を説明するものであり、コージェネレーションシステムの全体構成、通常運転処理及び湯水貯留状態判別処理は、上記の参考の第1実施形態と同様であるので、それらの説明を省略して、主として、水質低下抑制処理について説明する。
この第実施形態では、前記運転制御部5が、前記水質低下抑制処理として、前記貯湯槽2の湯水の循環を停止するように前記湯水循環ポンプ19を制御する循環停止処理を実行するように構成されている。
そして、この第実施形態では、前記運転制御部5が、運転周期における一部の時間帯において燃料電池1を停止し且つ残りの時間帯において燃料電池1の発電出力を予測電力負荷に追従させると仮定して、燃料電池1を停止する停止時間帯を、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷に基づいて、運転周期中に貯湯槽2の湯水の全量又は略全量が給水路16からの水に入れ替えられ且つ予測エネルギ削減量が最大となるように定めるように構成されている。
そして、前記運転制御部5は、運転周期における停止時間帯において、発電を停止するように前記燃料電池1の運転を制御しかつ前記貯湯用循環路18における湯水の循環を停止するように前記湯水循環ポンプ19の作動を制御する循環停止処理を実行し、運転周期における停止時間帯以外の運転時間帯においては、前記燃料電池1の発電出力を現在要求されている現電力負荷に追従させる現電力負荷追従運転処理、及び、前記貯湯用熱交換器24にて加熱された湯水の温度が前記目標加熱温度になるように前記貯湯用循環路18における湯水循環量を調節すべく前記湯水循環ポンプ19の作動を制御する循環制御処理を実行するように構成されている。
以下、前記停止時間帯を定める手順について、説明を加える。
上記の参考の第1実施形態において説明した如き、通常運転用の1日対応型の負荷追従断続運転形態における予測エネルギ削減量を求める場合と同様に、全ての断続運転用の仮運転パターンの夫々について、各仮運転パターンにて設定されている運転時間帯において発電出力を電主出力に調節する状態で燃料電池1を運転すると仮定して、前記式6〜式8に基づいて予測エネルギ削減量Pを求め、更に、最初の運転周期の各管理用時間について、予測熱出力、予測貯湯熱量を求める。
そして、全ての断続運転用の仮運転パターンのうちから、運転周期内に予測貯湯熱量が0となる管理用時間が存在する仮運転パターンを選択し、その選択した仮運転パターンのうち、予測エネルギ削減量が最大の仮運転パターンにおいて定められている停止時間帯を、水質低下抑制処理において燃料電池1を停止する停止時間帯として定める。
〔第実施形態〕
以下、第実施形態を説明するが、この第実施形態は、水質低下抑制処理の別の実施形態を説明するものであって、コージェネレーションシステムの全体構成は参考の第1実施形態と同様であり、そして、燃料電池1の通常運転処理や湯水貯留状態判別処理も参考の第1実施形態と同様である。
従って、重複する説明を省略するために、コージェネレーションシステムの全体構成についての図示及び説明並びに燃料電池1の通常運転処理や湯水貯留状態判別処理についての説明を省略して、主として、水質低下抑制処理について説明し、必要に応じて、コージェネレーションシステムの全体構成や湯水貯留状態判別処理についても追加説明する。
この第実施形態においては、前記運転制御部5が、前記水質低下抑制処理として、前記水質低下抑制タイミングになったときに、前記燃料電池1の運転中で且つ前記湯水循環ポンプ19の作動中の場合には、燃料電池1の運転を停止させる運転停止条件が満たされるまで待機して、つまり、熱電併給装置の運転及び湯水循環手段の作動を継続して、運転停止条件が満たされて燃料電池1の運転及び湯水循環ポンプ19の作動を停止すると、貯湯槽2内の湯水の全量が前述した設定低温範囲内の温度であることが判別されるまで、燃料電池1の運転及び湯水循環ポンプ19の作動を停止する待機式湯水入替処理を実行するように構成されている。
尚、前記水質低下抑制タイミングになったときに、前記燃料電池1の運転停止中で且つ前記湯水循環ポンプ19の作動停止中の場合には、貯湯槽2内の湯水の全量が前記設定低温範囲内の温度であることが判別されるまで、燃料電池1の運転を停止し及び湯水循環ポンプ19の作動を停止することを継続することになる。
前記運転停止条件について説明を加えると、運転制御部5は、上述したコージェネレーションシステムのリモコン操作部5aにて、自動運転モードと手動運転モードとが設定され、そして、手動運転モードにおいては、前記リモコン操作部5aにて起動指令が指令されると、燃料電池1の運転や湯水循環ポンプ19の作動等、運転に必要な機器類を作動させる燃料電池運転処理を行うことになり、また、前記リモコン操作部5aにて停止指令が指令されると、燃料電池1の運転や湯水循環ポンプ19の作動を停止させる等、運転させていた機器類の作動を停止させる燃料電池停止処理を行うことになる。
運転制御部5は、自動運転モードにおいては、上述の如く、運転周期の開始時点において通常運転条件設定処理を実行することになる。そして、その通常運転条件設定処理により、燃料電池1を連続運転することを設定する場合、つまり、全ての時間帯を運転時間帯として設定する場合と、断続運転により一部の時間帯を運転時間帯として設定する場合とがあり、いずれの場合においても、運転時間帯においては、つまり、運転タイミングにおいては燃料電池運転処理を実行し、設定された運転時間帯以外においては、つまり、運転タイミングでないときには燃料電池停止処理を実行することになる。
また、運転制御部5は、貯湯槽2内に貯留された湯が満杯で無い場合には、つまり、前記複数の湯水温度センサSt,Sm,Sn,Sbの少なくとも一つが設定高温範囲内の下限温度Rbよりも低い温度を検出する場合、又は、槽底部湯水温度センサSbが設定高温範囲内の下限温度Rbよりも低い温度を検出する場合には、運転可能であると判断することになる。そして、運転可能であると判断したときには、手動運転モードにおいては、リモコン操作部5aにて起動指令が指令される場合、並びに、自動運転モードにおいては、運転時間帯である運転タイミングである場合には、燃料電池の運転処理を実行する。
また、運転制御部5は、貯湯槽2内に貯留された湯が満杯である場合には、つまり、前記複数の湯水温度センサSt,Sm,Sn,Sbの全てが設定高温範囲内の下限温度Rbよりも高い温度を検出する場合、又は、槽底部湯水温度センサSbが設定高温範囲内の下限温度Rbよりも高い温度を検出する場合には、運転不可能であると判断する。そして、手動運転モードにおいては、リモコン操作部5aにて起動指令が指令される場合、並びに、自動運転モードにおいては、運転時間帯である運転タイミングである場合においても、燃料電池停止処理を実行することになる。
さらに、運転制御部5は、燃料電池運転処理を設定時間継続する場合(例えば、648時間継続する場合であり、これは27日間に相当する)においては、燃料電池1を一旦停止させるために燃料電池停止処理を実行する。
ちなみに、このように運転時間が設定時間継続すると燃料電池停止処理を行うのは、コージェネレーションシステムが設置される家庭等においては、燃料電池1が設置される家庭等に供給される燃料ガス量を監視するマイコンメータが装備されることになり、そのマイコンメータが、燃料ガスの供給が継続するガス供給継続時間が設定監視時間(例えば、720時間であり、これは30日間に相当する)を越えると、ガスの供給を停止する非常停止機能を備えるものであるため、マイコンメータが非常停止機能を不必要に作動させることを回避するためである。
従って、上述の燃料電池1の運転を停止させる運転停止条件が満たされるときとは、手動運転モードにおいて停止指令が指令された場合、自動運転モードにおいて運転時間帯以外の時間帯になった場合、貯湯槽2内に貯留される湯が満杯となって、運転不可能となった場合、及び、燃料電池運転処理を設定時間継続した場合のいずれかが満たされたときに相当することになる。
また、運転制御部5は、設定低温範囲内の上限温度Rt以下の温度を槽上部湯水温度センサStが検出することにより、貯湯槽2内の湯水の全量が設定低温範囲内の温度であることを判別するように構成されている。尚、この判別が行われたときは、貯湯槽2内の湯水の全量又は略全量が給水路16の水にて入れ替わった状態である。
ちなみに、貯湯槽2内の湯水の全量が設定温度範囲内の温度であることを判別するには、槽上部温水温度センサStが設定低温範囲内の温度を検出すると、貯湯槽2内の湯水の全量が設定温度範囲内の温度であると判別する構成に代えて、複数の湯水温度センサSt〜Sbが設定低温範囲内の温度を検出すると、貯湯槽2内の湯水の全量が設定温度範囲内の温度であると判別する構成としても良く、また、貯湯槽2から排出される湯水の積算量が貯湯槽2の容量以上になると、貯湯槽2内の湯水の全量が設定温度範囲内の温度であると判別する構成にしても良い。
また、この第実施形態においては、運転制御部5が、前記水質低下抑制タイミングになったときに、燃料電池1の運転中で且つ湯水循環ポンプ19の作動中であることにより前記運転停止条件が満たされるまで待機する場合において、その待機時間が待機許容時間(例えば、24時間)以上になると、燃料電池1の運転及び湯水循環ポンプ19の作動を強制的に停止して、貯湯槽2内の湯水の全量が前記設定低温範囲内の温度であることが判別されるまで、燃料電池1の運転及び湯水循環ポンプ19の作動を停止する強制停止式湯水入替処理を実行するように構成されている。
さらに、この第実施形態においては、運転制御部5が、前記水質低下抑制タイミングになったときに、燃料電池1の運転中で且つ湯水循環ポンプ19の作動中であることにより前記運転停止条件が満たされるまで待機する場合において、その待機中に、貯湯槽2内の湯水の全量が前記設定低温範囲内の温度であることが判別される場合、及び、前記貯湯槽内の湯水の全量が前記設定高温範囲内の温度であることが判別される場合には、終了条件が満たされたとして、前記待機式湯水入替処理の実行を中止するように構成されている。
つまり、運転制御部5は、複数の湯水温度センサSt,Sm,Sn,Sbの全てが設定低温範囲内の温度を検出する場合、又は、槽上部湯水温度センサStが設定低温範囲内の温度を検出する場合には、貯湯槽2内の湯水の全量が前記設定低温範囲内の温度であると判別するように構成され、また、複数の湯水温度センサSt,Sm,Sn,Sbの全てが設定高温範囲内の温度を検出する場合、又は、前記槽底部湯水温度センサSbが設定高温範囲内の温度を検出する場合には、前記貯湯槽内の湯水の全量が前記設定高温範囲内の温度であると判別するように構成されている。
次に、この第実施形態における運転制御部5の制御作動について、図7のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、燃料電池運転処理を設定時間継続しているか否か、つまり、燃料電池1が設定時間連続運転しているか否かを判別し(#31)、継続(連続)している場合には、燃料電池1を一旦停止させるために燃料電池停止処理を実行する(#32)。そして、燃料電池停止処理を実行した後は、後述する#42の処理に移行する。
#31にて設定時間継続していないと判別した場合には、自動運転モードであるか、手動運転モードであるかを判別し(#33)、手動運転モードである場合には、起動指令があると、#39にて貯湯槽2内に貯留された湯が満杯で無くて、運転可能であるか否かを判別して、運転可能であれば、#41の燃料電池運転処理を実行し、運転可能でないときには、#40の燃料電池停止処理を実行する。また、手動運転モードである場合に、停止指令があると、#40の燃料電池停止処理を実行する。
#33にて自動運転モードであると判別した場合には、運転周期の開始時点であるか否かを判断し(#36)、運転周期の開始時点である場合には通常運転条件設定処理を実行することになる(#37)。
#36にて運転周期の開始時点でないと判別した場合や、#37にて通常運転条件設定処理を実行したのちにおいては、次に、連続運転が設定されているときには運転タイミングであると判別し、且つ、断続運転の運転時間帯に対応する時刻であるときには運転タイミングであると判別することになる運転タイミングの判別を行うことになる(#38)。そして、運転タイミングであると判別したときには、貯湯槽2内に貯留された湯が満杯で無くて、運転可能であるか否かを判別し(#39)、運転可能である場合には、#41の燃料電池運転処理を実行する。
#38にて運転タイミングでないと判別した場合や、#39にて運転不能であると判別した場合には、燃料電池停止処理を実行する(#40)。
次に、水質低下抑制処理を行う必要があることを示す処理フラグがONであるか否かを判別し(#42)、処理フラグがONでないことを判別した場合には、貯湯槽2の上部の湯水の温度を検出する槽上部湯水温度センサStが設定低温範囲の上限温度よりも低い温度を検出しない状態が継続する非入れ替わり状態継続時間t1を計測する継続時間計測処理を実行し(#43)、非入れ替わり状態継続時間t1が設定非入替許容時間L1以上である場合には、処理フラグをONにする処理を行う(#45)。また、非入れ替わり状態継続時間t1が設定非入替許容時間L1未満である場合には、#31の処理に直ちに戻ることになる。
#42にて処理フラグがONであることを判別した場合には、燃料電池1が停止状態にあるか否かを判別し(#46)、停止状態でない場合には、処理フラグをONにしてからの待機時間が待機許容時間(例えば、24時間)以上であるか否かを判別する(#47)。そして、待機時間が待機許容時間に達していない場合には、終了条件が満たされたか否か、つまり、貯湯槽2内の湯水の全量が前記設定低温範囲内の温度であるか、又は、貯湯槽内の湯水の全量が前記設定高温範囲内の温度であるかを判別し(#48)、終了条件が満たされた場合には、処理フラグをOFFにする処理(#49)及び非入れ替わり状態継続時間t1を0にリセットする処理(#50)を実行する。
#46にて燃料電池1が停止状態にあることを判別した場合には、上記の終了条件が満たされたか否かを判別する処理(#52)を、終了条件が満たされるまで繰り返す。そして、終了条件が満たされると、処理フラグをOFFにする処理(#49)及び非入れ替わり状態継続時間t1を0にリセットする処理(#50)を実行する。
#47にて処理フラグをONにしてからの待機時間が待機許容時間以上であると判別した場合には、燃料電池1を強制的に停止させるために燃料電池停止処理を実行し(#51)、次に、上記の終了条件が満たされたか否かを判別する処理(#52)を、終了条件が満たされるまで繰り返す。そして、終了条件が満たされると、処理フラグをOFFにする処理(#49)及び非入れ替わり状態継続時間t1を0にリセットする処理(#50)を実行する。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
) 前記水質低下抑制処理として、前記貯湯槽2の湯水の循環を停止するように前記湯水循環ポンプ19を制御する循環停止処理を実行する場合、その循環停止処理の具体的な形態としては、上記の第実施形態の形態に限定されるものではない。
例えば、湯水入れ替わり検出手段33により入れ替わり状態が検出されるまで、燃料電池1を停止するように構成しても良い。
あるいは、前記冷却水循環路13に、前記貯湯用熱交換器24を迂回して通流させるバイパス路を設けると共に、冷却水を貯湯用熱交換器24を通過させて循環させる排熱回収状態と、冷却水をバイパス路を通過させて循環させるバイパス状態とに流路を切り換え自在な流路切換手段を設けて、前記循環停止処理において、前記燃料電池1を運転する状態で、前記流路切換手段を前記バイパス状態に切り換えかつ前記ラジエータ29を作動させ、且つ、前記貯湯用循環路18における湯水の循環を停止するように前記湯水循環ポンプ19の作動を制御するように構成しても良い。
ちなみに、前記循環停止処理を実行する間は、燃料電池1を最小出力にて運転する等、現在要求されている現電力負荷よりも小さい発電出力にて運転するようにして、ラジエータ29にて放熱して無駄にする熱量を少なくするのが好ましい。
) 湯水入れ替わり検出手段33の具体構成は、上記の参考の第1実施形態において例示した構成、即ち、槽上部湯水温度センサStにて構成する場合に限定されるものではない。例えば、槽上部、中間上位、中間下位及び槽底部の複数の湯水温度センサSt,Sm,Sn,Sbにて構成しても良い。この場合、複数の湯水温度センサSt,Sm,Sn,Sbの全てが設定低温範囲内の温度を検出する状態が、入れ替わり状態を検出することに相当する。
) 上記の実施形態においては、給湯路17を貯湯用循環路18を介して貯湯槽2の上部に接続する場合について例示したが、給湯路17を直接貯湯槽2の上部に接続しても良い。又、上記の実施形態においては、給水路16を貯湯用循環路18を介して貯湯槽2の底部に接続する場合について例示したが、給水路16を直接貯湯槽2の底部に接続しても良い。
) 強制連続運転形態及び強制断続運転形態における設定増大出力の設定手順としては、上記の実施形態において例示した手順に限定されるものではない。
例えば、予測電力負荷に対して設定増大率大きい電力に設定する手順、発電出力調節範囲における最大出力に設定する手順、あるいは、複数段階の仮設定増大出力を総当りして、上記の式6〜式8により求める予測エネルギ削減量が最大の仮設定増大出力を設定増大出力に設定する手順でも良い。
又、抑制連続運転形態及び抑制断続運転形態における設定抑制出力の設定手順としては、上記の実施形態において例示した手順に限定されるものではない。
例えば、予測電力負荷に対して設定減少率小さい電力に設定する手順、発電出力調節範囲における最小出力に設定する手順、あるいは、複数段階の仮設定抑制出力を総当りして、上記の式6〜式8により求める予測エネルギ削減量が最大の仮設定抑制出力を設定抑制出力に設定する手順でも良い。
) 上記の実施形態では、通常運転状態において、複数種の運転形態のうち予測エネルギ削減量が最大の運転形態を燃料電池1の運転形態に定めて、その定めた運転形態にて燃料電池1を運転するように構成する場合について例示したが、燃料電池1の運転形態として、複数種の運転形態のうち予測エネルギ削減量が最大の運転形態に定める場合に限定されるものではなく、複数種の運転形態のうち予測エネルギ削減量が2番目又は3番目に大きい運転形態等、予測エネルギ削減量が大きい運転形態に定めるように構成しても良い。
又、予め設定した運転形態、例えば、現電力負荷追従運転にて燃料電池1を運転するように構成しても良い。
) 運転周期の具体的な設定例は、上記の参考の第1〜3実施形態及び第1実施形態の各実施形態において例示した1日に限定されるものではない。
又、管理用時間は、上記の参考の第1〜3実施形態及び第1実施形態において例示した1時間に限定されるものではなく、1時間よりも短く設定しても良く、1時間よりも長く設定しても良い。
そして、時系列的な給水量データや時系列的な湯水循環量データは、上述のように設定した管理用時間毎に管理することになる。
例えば、上記の参考の第2及び第3の各実施形態において、管理用時間の開始時点毎に、貯湯槽2内の湯水を管理用時間毎の給水ブロック及び管理用時間毎の加熱済みブロックにてブロック分けするに当たって、管理用時間毎の給水ブロックや管理用時間毎の加熱済みブロックの各ブロックの湯水の容量の最小値は、管理用時間が短くなるほど少なくなり、例えば、管理用時間を3分間に設定すると、各ブロックの湯水の容量の最小値は例えば0.5リットル程度になる。
ところで、貯湯用循環路18を通しての貯湯槽2の湯水の循環は、1日中継続して行われる、あるいは、数時間以上にわたって継続して行われる等、長時間にわたって継続して行われるものであるが、給水路16を通しての貯湯槽2への給水は、1分間、数分間等の短い実行時間で断続して行われるものである。
そこで、管理用時間を短く設定するほど、時系列的な給水量データを実際の貯湯槽2への給水形態に適応した状態で管理することができるので、水質低下抑制処理をより一層的確に実行することができる。
) 運転メリットとしては、上記の実施形態において例示した予測エネルギ削減量等の省エネルギ性に限定されるものではなく、例えば、予測エネルギコスト削減額等の経済性や、予測二酸化炭素削減量等の環境性を用いても良い。
ちなみに、予測エネルギコスト削減額は、燃料電池1を運転させない場合のエネルギコストから、燃料電池1を運転したときのエネルギコストを減じて求めることができる。
前記燃料電池1を運転させない場合のエネルギコストは、予測電力負荷の全てを商用電源7から買電するときのコストと、予測熱負荷の全てを補助加熱器27で賄うときのエネルギコスト(燃料コスト)の和として求められる。
一方、燃料電池1を運転したときのエネルギコストは、予測電力負荷及び予測熱負荷を燃料電池1の予測発電電力及び予測発生熱で補う場合の燃料電池1のエネルギコスト(燃料コスト)と、予測電力負荷から予測発電電力を差し引いた分に相当する不足電力負荷を商用電源7から買電するときのコストと、予測熱負荷から予測利用熱量を差し引いた分に相当する不足熱負荷を補助加熱器27の発生熱で補う場合のエネルギコスト(燃料コスト)との和として求められる。
又、予測二酸化炭素削減量は、燃料電池1を運転させない場合の二酸化炭素発生量から、燃料電池1を運転したときの二酸化炭素発生量を減じて求めることができる。
前記燃料電池1を運転させない場合の二酸化炭素発生量は、予測電力負荷の全てを商用電源7から買電するときの二酸化炭素発生量と、予測熱負荷の全てを補助加熱器27で賄うときの二酸化炭素発生量との和として求められる。
一方、燃料電池1を運転したときの二酸化炭素発生量は、予測電力負荷及び予測熱負荷を燃料電池1の予測発電電力及び予測発生熱で補う場合の燃料電池1からの二酸化炭素発生量と、予測電力負荷から予測発電電力を差し引いた分に相当する不足電力負荷を商用電源7から買電するときの二酸化炭素発生量と、予測熱負荷から予測利用熱量を差し引いた分に相当する不足熱負荷を補助加熱器27の発生熱で補う場合の二酸化炭素発生量との和として求められる。
) 上記の実施形態においては、熱消費端末3を設けた場合について例示して、熱負荷を給湯熱負荷と端末熱負荷とを合わせたものとしたが、熱消費端末3を設けない場合は、熱負荷を給湯熱負荷のみとすることになる。又、燃料電池1から発生する熱を回収した冷却水の温度に比べて、熱消費端末3において必要とされる熱媒の温度が高い場合は、熱消費端末3が設けられていても、熱負荷を給湯熱負荷のみとする。
) 熱電併給装置として、上記の各実施形態では燃料電池1を適用したが、これ以外に、例えば、ガスエンジンにより発電機を駆動するように構成したもの等、種々のものを適用することができる。
) 上記の各実施形態においては、運転制御手段5が、熱電併給装置としての燃料電池1を運転するための通常運転条件として、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測給湯負荷を賄うように燃料電池1を運転する条件を定める場合を例示したが、通常運転条件としては、種々の条件を定めることができる。
例えば、運転制御手段5が、通常運転条件として、燃料電池1の出力を現在の電力負荷に追従させる条件、いわゆる、電主運転条件を一律に定めるように構成してもよい。そして、この場合、運転制御手段5が、水質低下抑制用運転条件として、燃料電池1の出力を現在の電力負荷よりも低い出力に調整する条件を定めるように構成してもよい。尚、現在の電力負荷よりも低い出力とは、現在の電力負荷から設定量を減算した出力や、現在の電力負荷の半分や4分の1等、現在の電力負荷の設定数分の1の出力とすることができ、さらには、出力調整範囲における最低出力としてもよい。
) 上記の実施形態においては、運転制御手段5が、循環制御処理において、貯湯温度センサShの検出温度が予め設定された目標加熱温度(例えば60°C)になるように湯水循環量を調節すべく、湯水循環ポンプ19の作動を制御する場合を例示したが、目標加熱温度の設定は種々変更できるものである。例えば、目標加熱温度として、その下限温度(例えば60°C)と上限温度(例えば75°C)とを定め、加熱された湯水の温度が下限温度よりも低くなると、循環量を減少させて、加熱された湯水の温度が下限温度以上になるようにし、そして、熱された湯水の温度が上限温度よりも高くなると、循環量を増加させて、加熱された湯水の温度が上限温度以下になるようにしても良い。
尚、上記実施形態においては、燃料電池1の冷却水循環路13における冷却水循環量の調整についてはその説明を省略したが、一般には、燃料電池1に戻る冷却水の入口温度及び燃料電池1から排出される冷却水の出口温度が計測されて、入口温度や出口温度が適正温度に近づくように冷却水循環量を調整すべく、冷却水循環ポンプ15の作動が制御されることになるが、冷却水循環量の制御構成も種々変更できるものである。
1 熱電併給装置
2 貯湯槽
5 運転制御手段
16 給水路
17 給湯路
18 貯湯用循環路
19 湯水循環手段
H 加熱手段

Claims (8)

  1. 電力と熱とを併せて発生する熱電併給装置と、
    底部に接続された給水路を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路を通して湯水が送出される貯湯槽と、
    槽底部から取り出した湯水を槽上部に戻す形態で貯湯用循環路を通して前記貯湯槽の湯水を循環させる湯水循環手段と、
    前記貯湯用循環路を通流する湯水を前記熱電併給装置にて発生する熱により加熱する加熱手段と、
    運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
    その運転制御手段が、
    前記加熱手段にて加熱された湯水の温度が目標加熱温度になるように前記貯湯用循環路における単位時間当たりの湯水循環量を調節すべく前記湯水循環手段の作動を制御する循環制御処理、及び、前記熱電併給装置を運転するための通常運転条件を定めて、その通常運転条件にて前記熱電併給装置を運転する通常運転処理を実行し、且つ、
    前記貯湯槽の湯水の水質低下を抑制する水質低下抑制タイミングになると、水質低下抑制処理を実行するように構成されたコージェネレーションシステムであって、
    前記運転制御手段が、前記水質低下抑制処理として、湯水が前記貯湯槽の底部から取り出されて前記貯湯槽の上部に戻されることがない状態で、前記貯湯槽の湯水を消費すべく、前記貯湯槽の湯水の循環を停止するように前記湯水循環手段を制御する循環停止処理を実行するように構成されているコージェネレーションシステム。
  2. 電力と熱とを併せて発生する熱電併給装置と、
    底部に接続された給水路を通して水が供給され且つ上部に接続された給湯路を通して湯水が送出される貯湯槽と、
    槽底部から取り出した湯水を槽上部に戻す形態で貯湯用循環路を通して前記貯湯槽の湯水を循環させる湯水循環手段と、
    前記貯湯用循環路を通流する湯水を前記熱電併給装置にて発生する熱により加熱する加熱手段と、
    運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
    その運転制御手段が、
    前記加熱手段にて加熱された湯水の温度が目標加熱温度になるように前記貯湯用循環路における単位時間当たりの湯水循環量を調節すべく前記湯水循環手段の作動を制御する循環制御処理、及び、前記熱電併給装置を運転するための通常運転条件を定めて、その通常運転条件にて前記熱電併給装置を運転する通常運転処理を実行し、且つ、
    前記貯湯槽の湯水の水質低下を抑制する水質低下抑制タイミングになると、水質低下抑制処理を実行するように構成されたコージェネレーションシステムであって、
    前記運転制御手段が、前記水質低下抑制処理として、前記水質低下抑制タイミングになったときに、前記熱電併給装置の運転中で且つ前記湯水循環手段の作動中の場合には、前記熱電併給装置の運転を停止させる運転停止条件が満たされるまで待機して、前記運転停止条件が満たされて前記熱電併給装置の運転及び前記湯水循環手段の作動を停止すると、前記貯湯槽内の湯水の全量が設定低温範囲内の温度であることが判別されるまで、前記加熱手段の運転及び前記湯水循環手段の作動を停止する待機式湯水入替処理を実行するように構成されているコージェネレーションシステム。
  3. 前記運転制御手段が、前記水質低下抑制タイミングになったときに、前記熱電併給装置の運転中で且つ前記湯水循環手段の作動中であることにより前記運転停止条件が満たされるまで待機する場合において、その待機時間が待機許容時間以上になると、前記熱電併給装置の運転及び前記湯水循環手段の作動を強制的に停止して、前記貯湯槽内の湯水の全量が前記設定低温範囲内の温度であることが判別されるまで、前記熱電併給装置の運転及び前記湯水循環手段の作動を停止する強制停止式湯水入替処理を実行するように構成されている請求項2に記載のコージェネレーションシステム。
  4. 前記運転制御手段が、前記水質低下抑制タイミングになったときに、前記熱電併給装置の運転中で且つ前記湯水循環手段の作動中であることにより前記運転停止条件が満たされるまで待機する場合において、その待機中に、前記貯湯槽内の湯水の全量が前記設定低温範囲内の温度であることが判別される場合及び前記貯湯槽内の湯水の全量が設定高温範囲内の温度であることが判別される場合には、前記待機式湯水入替処理の実行を中止するように構成されている請求項2又は3に記載のコージェネレーションシステム。
  5. 前記運転制御手段が、
    前記通常運転条件として、少なくとも時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測給湯熱負荷を賄うように前記熱電併給装置を運転する条件を定めるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
  6. 前記運転制御手段が、前記貯湯槽の湯水の全量又は略全量が前記給水路からの水にて入れ替わらない状態が継続する時間が設定非入替許容時間以上になると、前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
  7. 前記運転制御手段が、前記給水路から前記貯湯槽への単位時間当たりの給水量についての時系列的な給水量データ、前記貯湯用循環路を通して循環される単位時間当たりの湯水循環量についての時系列的な湯水循環量データ、及び、前記貯湯槽の容量データに基づいて、湯水が前記給水路を通して供給されてから前記加熱手段にて加熱されることなく前記貯湯槽に貯留される非加熱貯留時間が設定非加熱許容時間以上となる湯水、及び、湯水が前記加熱手段にて加熱されてから前記加熱手段にて再加熱されることなく前記貯湯槽に貯留される非再加熱貯留時間が前記設定非加熱許容時間以上となる湯水の少なくとも一方が存在すると判別すると、前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
  8. 前記運転制御手段が、前記給水路から前記貯湯槽への単位時間当たりの給水量についての時系列的な給水量データ、前記貯湯用循環路を通して循環される単位時間当たりの湯水循環量についての時系列的な湯水循環量データ、及び、前記貯湯槽の容量データに基づいて、前記給水路を通して供給されてから前記貯湯槽に滞留する滞留時間が設定滞留許容時間以上となる湯水が存在すると判別すると、前記水質低下抑制タイミングになると判別するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
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