JP5438540B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
そして、運転時間帯の開始時点で熱電併給装置の運転が開始されて、運転中は、燃料電池の出力電力を実負荷電力に追従させる実負荷電力追従運転が実行され、停止条件が満たされると熱電併給装置の運転が停止されるように構成されていた。
停止条件としては、熱電併給装置を運転時間帯の開始時点から実負荷電力追従運転にて運転することにより発生した熱量が、熱電併給装置を予測負荷電力追従運転にて運転時間帯の間運転すると仮定したときに発生すると予測される予測総発生熱量に達する条件に設定されていた(例えば、特許文献1参照。)。
つまり、運転周期内の各時間帯についての運転メリットを求めるに当たって、熱電併給装置を予測負荷電力追従運転にて運転するとしたときに、発電電力が小さな時間帯では熱電併給装置の効率が低くなるため、運転メリットの値が小さくなり、運転時間帯に設定され難い。その結果、予測負荷電力が小さな時間帯が比較的長い場合では、設定される運転時間帯が短くなり、予測総発生熱量の方が運転周期の時系列的な予測負荷熱量を積算した予測総負荷熱量よりも少なくなり易くなっていた。
第1特徴構成は、前記運転制御手段が、前記熱電併給装置を前記予測負荷電力追従運転にて前記運転時間帯の間運転すると仮定したときに前記運転時間帯の終了時点で前記貯湯槽に貯えられていると予測される予測貯湯熱量が、当該運転周期における前記運転時間帯の終了時点以降の時系列的な予測負荷熱量のうちの時系列的な予測給湯負荷熱量を積算した熱量よりも小さいと予測される場合は、前記停止条件が満たされたときの実負荷電力が予め設定した設定電力よりも大きい運転継続条件が満たされることを条件として、前記停止条件が満たされても前記熱電併給装置の運転を継続するように構成されている点にある。
一方、運転時間帯の終了時点以降で熱不足が予測される場合でも、停止条件が満たされたときの実負荷電力が設定電力以下であって運転継続条件が満たされない場合は、停止条件が満たされると熱電併給装置の運転が停止される。
従って、運転時間帯の終了時点以降で熱不足が予測される場合に、停止条件が満たされても運転継続条件が満たされると、熱電併給装置の運転が停止されずに継続されるので、熱電併給装置の運転により発生する熱量を多くすることができるようになって、熱不足を抑制することが可能となる。
特に、運転時間帯の終了時点の後にも予測給湯負荷熱量が存在する状態で運転時間帯が設定される場合に、運転時間帯で発生する実負荷電力が予測負荷電力よりも大きくなって、停止条件が満たされるのが運転時間帯の終了時点よりも早くなる場合は、熱電併給装置の運転継続時間をより一層長くすることが可能となるので、運転時間帯の終了時点の後に発生する給湯負荷熱量を賄うための発生熱量をより一層多くすることができるものとなり、熱不足をより一層抑制することが可能となる。
しかしながら、停止条件が満たされたときの実負荷電力によっては、熱電併給装置の運転を継続すると却って運転メリットが低くなる虞がある。
例えば、実負荷電力に追従するように熱電併給装置の出力電力を調整するにしても、その出力電力を調整可能な範囲に限度があるので、停止条件が満たされたときの実負荷電力が出力電力調整範囲の下限値よりも低い場合は、熱電併給装置の運転を継続すると余剰電力が発生するので、熱電併給装置の出力電力の価値が低くなって運転メリットが低くなる虞がある。
又、熱電併給装置の発電効率や熱効率はその出力電力が低くなるほど低くなる傾向であるので、停止条件が満たされたときの実負荷電力が低い場合は、その実負荷電力に追従する出力電力を出力する状態で熱電併給装置の運転を継続すると、発電効率や熱効率が低いために運転メリットが低くなる虞がある。
又、熱電併給装置の発電効率がその出力電力が低くなるほど低くなる傾向にあることに関連して、熱電併給装置を運転するときの単位出力電力及び単位時間当たりの二酸化炭素発生量は、出力電力が低くなるほど多くなる傾向にあるので、停止条件が満たされたときの実負荷電力が低いと、その実負荷電力に追従する出力電力を出力する状態で熱電併給装置の運転を継続すると、二酸化炭素発生量低減の面での運転メリットが低くなる虞がある。
要するに、運転メリットが低くなるのを回避しながら、熱不足を抑制するように運転し得るコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
前記運転継続条件が、前記停止条件が満たされたときの実負荷電力が前記設定電力よりも大きいことに加えて、前記停止条件が満たされたときに前記貯湯槽に貯えられている貯湯熱量が、前記停止条件が満たされた時点から設定時間先の時点までの間の時系列的な予測給湯負荷熱量を積算した熱量よりも小さい条件である点にある。
従って、停止条件が満たされた以降に熱不足になる可能性がより一層高い場合に、停止条件が満たされても熱電併給装置の運転が停止されずに継続されることになるので、熱不足を的確に抑制するように熱電併給装置を運転することができるようになった。
前記運転継続条件が、前記停止条件が満たされたときの実負荷電力が前記設定電力よりも大きいことに加えて、前記停止条件が満たされた時点が当該運転周期において最大予測給湯負荷熱量が発生する時点よりも前であり、且つ、前記停止条件が満たされたときに前記貯湯槽に貯えられている貯湯熱量が前記最大予測給湯負荷熱量よりも小さい条件である点にある。
従って、停止条件が満たされた以降に熱不足になる可能性がより一層高い場合に、停止条件が満たされても熱電併給装置の運転が停止されずに継続されることになるので、熱不足を的確に抑制するように熱電併給装置を運転することができるようになった。
前記運転制御手段が、前記運転継続条件が満たされて前記熱電併給装置の運転を継続したときは、実負荷電力が前記設定電力以下になると前記熱電併給装置を停止するように構成されている点にある。
従って、停止条件が満たされたにも拘わらず熱電併給装置の運転が継続されるにしても、実負荷電力が設定電力よりも高くて、運転メリットが低くなるのを回避できる間だけ継続されるので、運転メリットが低くなるのを的確に回避しながら、熱不足を抑制するように運転することができる。
前記設定電力が、前記熱電併給装置の出力電力を調整可能な出力電力調整範囲における最小出力に設定されている点にある。
従って、運転メリットが低くなるのを的確に回避しながら、熱不足を抑制するように運転することができる。
コージェネレーションシステムは、図1及び図2に示すように、電力と熱とを発生する熱電併給装置としての燃料電池1と、その燃料電池1が発生する熱を冷却水にて回収し、その冷却水を利用して、貯湯槽2への貯湯及び熱消費端末3への熱媒供給を行う貯湯手段としての貯湯ユニット4と、燃料電池1及び貯湯ユニット4の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部5などから構成されている。
前記燃料ガス生成部は、供給される都市ガス(例えば、天然ガスベースの都市ガス)等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫器、その脱硫器から供給される脱硫原燃料ガスと別途供給される水蒸気とを改質反応させて水素を主成分とする改質ガスを生成する改質器、その改質器から供給される改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気にて二酸化炭素に変成処理する変成器、その変成器から供給される改質ガス中の一酸化炭素を別途供給される選択酸化用空気にて選択酸化する一酸化炭素除去器等から構成され、一酸化炭素を変成処理及び選択酸化処理により低減した改質ガスを前記燃料ガスとして前記セルスタックに供給するように構成されている。
燃料電池1の電力の出力側には、系統連系用のインバータ6が設けられ、そのインバータ6は、燃料電池1の出力電力を商用電源7から受電する受電電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されている。
商用電源7は受電電力供給ライン8を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷9に電気的に接続されている。
また、インバータ6は、発電電力供給ライン10を介して受電電力供給ライン8に電気的に接続され、燃料電池1の発電電力をインバータ6及び発電電力供給ライン10を介して電力負荷9に供給するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ6により燃料電池1から受電電力供給ライン8に供給される電力が制御され、出力電力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ12に供給されるように構成されている。
作動スイッチ14は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ12の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ12の消費電力を調整するように構成されている。
尚、電気ヒータ12の消費電力を調整する構成については、上記のように複数の電気ヒータ12のON/OFFを切り換える構成以外に、その電気ヒータ12の出力を例えば位相制御等により調整する構成を採用しても構わない。
湯水循環路16には、2系統の流路に分かれた後に再び合流する並列状部分が設けられ、その並列状部分の合流箇所に三方弁18が設けられており、2系統の流路の一方側には、ラジエータ19が設けられている。
熱源用循環路20は、給湯路27の一部を共用する状態で循環経路を形成するように設けられ、その熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁40が設けられている。
そして、分流弁30は、冷却水循環路13の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させたり、冷却水循環路13の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させることもできるように構成されている。
熱媒加熱用熱交換器26においては、熱源用熱交換器25や補助加熱器28にて加熱された熱源用湯水を通流させることにより、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱させるように構成されている。ちなみに、熱消費端末3として、床暖房装置、浴室暖房乾燥機又はファンコンベクタ等の暖房端末が設けられる。
又、貯湯槽2には、その貯湯熱量の検出用として、貯湯槽2の上端の湯水の温度を検出する上端温度センサS1、貯湯槽2を上下方向に概ね三等分した等分部分の中層部における上端部分の湯水の温度を検出する中間上位温度センサS2、貯湯槽2の中層部における下端部分の湯水の温度を検出する中間下位温度センサS3、及び、貯湯槽2の下端の湯水の温度を検出する下端温度センサS4が設けられ、更に、給水路29には、貯湯槽2に供給される水の給水温度を検出する給水温度センサSiが設けられている。
上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4夫々にて検出される貯湯槽2の湯水の温度を、夫々、T1、T2、T3、T4とし、給水温度センサSiにて検出される給水温度をTiとし、上層部、中層部、下層部夫々の容量をV(リットル)とする。
又、前記上層部における重み係数をA1とし、前記中層部における重み係数をA2とし、前記下層部における重み係数をA3とすると、貯湯熱量(kcal)は、下記の式1にて演算することができる。尚、この実施形態では、熱量の単位をkcal/hの単位にて示す場合があるが、1kWh=860kcalの関係に基づいて860に設定される係数αにて各値を除することにより、kWhの単位として求めることができる。
+(A2×T2+(1−A2)×T3−Ti)×V
+(A3×T3+(1−A3)×T4−Ti)×V……………(式1)
運転制御部5は、前記熱媒供給運転の実行中に前記端末用リモコンから運転の停止が指令されると、分流弁30を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換えると共に、熱源用断続弁40を閉弁し、熱源用循環ポンプ21を停止させて、湯水循環ポンプ17を作動させることにより、前記熱媒供給運転から前記貯湯運転に切り換えるように構成されている。
この運転制御部5は、運転周期の開始時点において、出力電力を時系列的な予測負荷電力に追従させる予測負荷電力追従運転にて燃料電池1を運転するとしたときに、当該運転周期内のうちで時系列的な予測負荷電力及び時系列的な予測負荷熱量に基づいて求められる運転メリットが高くなる時間帯を運転時間帯として設定し、その設定した運転時間帯の開始時点で燃料電池1の運転を開始して運転中は出力電力を実負荷電力に追従させる実負荷電力追従運転にて燃料電池1を運転し、停止条件が満たされると燃料電池1の運転を停止するように構成されている。
そして、前記停止条件が、燃料電池1を運転時間帯の開始時点から実負荷電力追従運転にて運転することにより発生した熱量が、燃料電池1を予測負荷電力追従運転にて運転時間帯の間運転すると仮定したときに発生すると予測される予測総発生熱量に達する条件に設定されている。
又、運転制御部5が、運転継続条件が満たされて燃料電池1の運転を継続したときは、当該運転周期内において実負荷電力が設定電力以下になると燃料電池1を停止するように構成されている。
そして、前記設定電力が、燃料電池1の出力電力を調整可能な出力電力調整範囲(例えば、210〜700W)の最小出力に設定され、前記設定時間が4時間に設定されている。
つまり、実負荷電力が燃料電池1の出力電力調整範囲内のときは、出力電力は実負荷電力と同一の電力に調整され、実負荷電力が出力電力調整範囲の最小出力よりも小さいときは、出力電力は最小出力に調整され、実負荷電力が出力電力調整範囲の最大出力よりも大きいときは、出力電力は最大出力に調整される。
尚、実負荷電力は、負荷電力計測手段11の計測値及びインバータ6の出力値に基づいて計測し、更に、その実負荷電力は、前の出力調整周期において所定のサンプリング時間(例えば5秒)でサンプリングしたデータの平均値として求められる。
つまり、予測負荷電力が燃料電池1の出力電力調整範囲内のときは、予測出力電力は予測負荷電力に設定され、予測負荷電力が出力電力調整範囲の最小出力よりも小さいときは、予測出力電力は最小出力に設定され、実負荷電力が出力電力調整範囲の最大出力よりも大きいときは、予測出力電力は最大出力に設定される。
運転制御部5は、実負荷電力データ、実給湯負荷熱量データ及び実端末負荷熱量データを運転周期及び単位時間に対応付けてメモリ34に記憶することにより、過去の時系列的な負荷電力データ及び過去の時系列的な負荷熱量データを、設定期間(例えば、運転日前の4週間)にわたって、運転周期毎に単位時間毎に対応付けて管理するように構成されている。
ちなみに、実給湯負荷熱量は給湯負荷熱量計測手段31にて計測され、実端末負荷熱量は端末負荷熱量計測手段32にて計測される。
ちなみに、予測負荷電力データの単位はkWhであり、予測給湯負荷熱量データの単位はkcal/hである。
運転周期の複数の単位時間のうちで、選択した1つ又は連続する複数の単位時間を運転時間帯を構成する単位時間とし且つ運転周期の残りの単位時間を停止時間帯を構成する単位時間とする形態で、運転時間帯を構成する単位時間として選択する単位時間を異ならせることにより、全ての仮運転パターンが形成され、その全ての仮運転パターンがメモリ34に記憶されている。
そして、全ての仮運転パターンのうち、予測エネルギ削減量が最大の仮運転パターンで定められている運転時間帯を、当該運転周期の運転時間帯に設定する。
各仮運転パターンの予測エネルギ削減量は、下記の式2に示すように、燃料電池1を運転しない場合の予測エネルギ消費量から、各運転パターンで定められている運転時間帯で燃料電池1を予測負荷電力追従運転にて運転した場合の予測エネルギ消費量を減じることにより演算する。
予測負荷熱量はkWhに変換した値である。
補助加熱器熱効率は、補助加熱器28の熱効率であり、補助加熱器28における単位エネルギ消費量に対する発生熱量の比率である。
尚、下記の式6を始めとして、以下に説明する各式において、添え字「n」は、運転周期の最初の単位時間を0として、その最初の単位時間からの順序を示し、例えば、n=1のときは、運転周期の2番目の単位時間を示す。
又、運転周期の最初の単位時間の予測貯湯温度0は、現在時刻において貯湯槽2に貯湯されている湯の平均温度(上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4夫々にて検出される温度T1、T2、T3、T4の平均値)であり、2番目以降の単位時間の予測貯湯温度nは、下記の式10により求める。
予測貯湯量n=(予測貯湯熱量n−予測給湯負荷熱量n)÷(予測貯湯温度n-1−水温)+予測貯湯可能熱量n÷(貯湯温度設計値−水温)……………(式9)
又、式8において、(予測貯湯温度0−水温)=0のときは、式8の第1項が0とされ、(貯湯温度設計値−水温)=0のときは、式8の第2項が0とされる。
式9において、(予測貯湯温度n-1−水温)=0のときは、式9の第1項が0とされ、(貯湯温度設計値−水温)=0のときは、式9の第2項が0とされる。
又、(予測貯湯熱量n−予測給湯負荷熱量n)<0のときは、(予測貯湯熱量n−予測給湯負荷熱量n)=0とされ、{予測貯湯量n-1−予測給湯負荷熱量n÷(予測貯湯温度n-1−水温)}<0のときは、{予測貯湯量n-1−予測給湯負荷熱量n÷(予測貯湯温度n-1−水温)}=0とされる。
又、上記の式10において、槽放熱率は貯湯槽2からの放熱率であり、予め設定されて、メモリ34に記憶されている。
予測貯湯可能熱量は、燃料電池1を予測負荷電力追従運転にて運転すると仮定したときの予測熱出力のうち、熱消費端末3にて消費された残りの熱量であり、この実施形態では、熱消費端末3が運転されていないので、運転周期の複数の単位時間夫々の予測貯湯可能熱量nは、燃料電池1を予測負荷電力追従運転にて運転すると仮定したときの複数の単位時間夫々の予測熱出力n(kcal/h)であり、下記の式11に示すように、燃料電池1の予測熱出力と、予測余剰電力を消費するとしたときにヒータ12から発生する予測熱出力とを加えた値となる。
但し、予測出力電力n−予測負荷電力n<0のときは、予測出力電力n−予測負荷電力n=0とされる。
αは、上述したように860に設定される係数である。
又、電池熱効率は、燃料電池1における単位エネルギ消費量(kWh)に対する発生熱量(kWh)の比率であり、燃料電池1の出力電力により異なるものであるので、出力電力に応じて設定されてメモリ34に記憶されている。
ベース放熱量は、このコージェネレーションシステムにおいて、燃料電池1の発生熱量のうち、貯湯槽2への貯湯及び熱消費端末3による暖房に用いられることなく放熱される熱量であり、予め設定されてメモリ34に記憶されている。
運転制御部5は、運転周期の開始時点(例えば、午前3時)になると、予測負荷データ演算処理を実行して、時系列的な予測負荷電力データ及び時系列的な予測負荷熱量データを求め、続いて、運転時間帯設定処理を実行して、燃料電池1の運転時間帯を設定する(ステップ#1〜3)。
続いて、設定した運転時間帯の開始時点になると、燃料電池1の出力電力を実負荷電力に追従させる実負荷電力追従運転を開始する(ステップ#4,5)。
又、運転制御部5は、燃料電池1の運転を開始した以降は、実負荷電力追従運転にて燃料電池1を運転したときの実熱出力を単位時間毎に下記の式12により求めると共に、求めた単位時間毎の実熱出力を積算することにより、積算実発生熱量を求める。
但し、実出力電力n−実負荷電力n<0のときは、実出力電力n−実負荷電力n=0とされる。
ステップ#6にて、停止条件が満たされたと判断した場合は(ステップ#6:YES)、続いて、ステップ#8にて、燃料電池1を予測負荷電力追従運転にて運転時間帯の間運転すると仮定したときに運転時間帯の終了時点の予測貯湯熱量が、先に求めた当該運転周期における運転時間帯の終了時点以降の時系列的な予測給湯負荷熱量を積算した熱量よりも小さいか否か、即ち、運転時間帯の終了時点以降で熱不足が予測されるか否かを判断する。
ステップ#8において運転時間帯の終了時点以降で熱不足が予測されないと判断した場合は(ステップ#8:NO)、直ちに燃料電池1を停止して(ステップ#10)、リターンする。
一方、ステップ#8において運転時間帯の終了時点以降で熱不足が予測されると判断した場合は(ステップ#8:YES)、続いて、ステップ#9で、運転継続条件が満たされるか否かを判断して、運転継続条件が満たされないと判断した場合は(ステップ#9:NO)、直ちに燃料電池1を停止して(ステップ#10)、リターンする。
そして、実負荷電力Lが設定電力Kよりも高い間は(ステップ#12:NO、ステップ#13:NO)、燃料電池1の運転を継続し、次の運転周期の開始時点になるまでに実負荷電力Lが設定電力K以下になると(ステップ#12:YES)、直ちに燃料電池1を停止して(ステップ#10)、リターンし、実負荷電力Lが設定電力K以下になることなく次の運転周期の開始時点になると(ステップ#13:YES)、ステップ#2に戻って次の運転周期の運転時間帯を求める。
次に、図4〜図7に基づいて、このように停止条件が満たされても燃料電池1の運転が継続されることにより、熱不足を抑制することができる点について説明する。
図4は、運転周期の電力及び熱に関する状況を単位時間毎に示す表であり、図5〜図7は、運転周期の電力及び熱に関する状況を単位時間毎に示すグラフである。但し、図4では、運転周期のうちの一部の時間帯についての記載を省略している。
これらの図において、図4の(c)及び図7は、従来の課題を残したままの運転に対応し、図4の(b)及び図6は、この課題を解決した本発明による運転に対応したものである。
図4の(b)及び図6は、停止条件が満たされたときに運転継続条件が満たされて燃料電池1の運転を継続した場合を想定して、電力及び熱に関する状況を単位時間毎に求めた結果、即ち、運転を継続したときの電力及び熱に関する状況を示すものであり、単位時間毎に、実負荷電力、実給湯負荷熱量、実出力電力、実貯湯熱量及び実不足熱量を示している。
図4の(c)及び図7は、停止条件が満たされると無条件で燃料電池1を停止した場合を想定して、電力及び熱に関する状況を単位時間毎に求めた結果、即ち、運転を継続しないときの電力及び熱に関する状況を示すものであり、単位時間毎に、実負荷電力、実給湯負荷熱量、実出力電力、実貯湯熱量及び実不足熱量を示している。
又、予測出力電力nを実出力電力nに、予測給湯負荷熱量nを実給湯負荷熱量nにそれぞれ置き換えた状態で、上記の式7、式9〜式11を用いて予測貯湯熱量nを求めて、求めた予測貯湯熱量nを実貯湯熱量nとしている。
又、実不足熱量nは、下記の式13により求める。
但し、(実給湯負荷熱量n−実貯湯熱量n)が0よりも小さいときは、実不足熱量nは0とされる。
そして、運転時間帯の終了時点(単位時間「21」の終了時点)での予測貯湯熱量(図4の(a)及び図5では、単位時間「22」の予測貯湯熱量に相当する)は3033kcal/hであり、当該運転周期における運転時間帯の終了時点以降の時系列的な予測給湯負荷熱量を積算した熱量(8000kcal/h)よりも小さく、運転時間帯の終了時点以降で熱不足が予測される。
ちなみに、単位時間「23」で、4979kcal/hの不足熱量が発生すると予測される。
そして、従来のように、停止条件が満たされると無条件で燃料電池1を停止することを前提にする場合、図4の(c)及び図7に示すように、単位時間「19」の終了時点で停止条件が満たされるので、単位時間「20」から燃料電池1が停止されることになり、単位時間「23」で、5280kcal/hの不足熱量が発生する。
停止条件が満たされた単位時間「19」の実負荷電力L(2.2kW)は、設定電力K(0.21kW)よりも大きい。又、停止条件が満たされた単位時間「19」の終了時点の実貯湯熱量(図4の(b)及び図6では、単位時間「20」の実貯湯熱量に相当する)は4239kcal/hであり、停止条件が満たされた時点から設定時間(4時間)先の時点までの間の時系列的な予測給湯負荷熱量を積算した熱量の9426kcalよりも小さい。
従って、運転継続条件が満たされるので、停止条件が満たされても燃料電池1は停止されることなく実負荷電力追従運転にて運転が継続される。
そして、単位時間「22」の実負荷電力Lが0.05kWであって設定電力K(0.21kW)よりも小さいので、単位時間「21」の終了時点で、燃料電池1が停止されることになる。
この場合、単位時間「23」で、3924kcal/hの不足熱量が発生することになり、停止条件が満たされると無条件で燃料電池1を停止する場合の不足熱量の5280kcal/hに比べて少なくなり、熱不足が抑制される。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 運転継続条件の具体例は、上記の実施形態で説明した条件、即ち、停止条件が満たされたときの実負荷電力が設定電力よりも大きいことに加えて、停止条件が満たされたときに貯湯槽2に貯えられている貯湯熱量が、停止条件が満たされた時点から設定時間先の時点までの間の時系列的な予測給湯負荷熱量を積算した熱量よりも小さい条件に限定されるものではない。
例えば、単に、停止条件が満たされたときの実負荷電力が設定電力よりも大きい条件でも良い。
電力及び熱に関する状況が例えば図4の(b)及び図6に示すような状況であれば、この運転継続条件が満たされる。
即ち、停止条件が満たされるのが単位時間「19」の終了時点で、最大予測給湯負荷熱量が発生する単位時間「23」よりも前であり、又、停止条件が満たされた単位時間「19」の終了時点の実貯湯熱量は4239kcal/hであり、最大予測給湯負荷熱量の6000kcal/hよりも小さいので、運転継続条件が満たされることになる。
例えば、上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4及び給水温度センサSi夫々の検出温度に基づいて、上記の式1により求めても良い。
例えば、出力電力調整範囲の最小出力と最大出力との中間の値に設定しても良い。
あるいは、燃料電池1から発生する単位時間当たりの二酸化炭素発生量をその二酸化炭素発生量の二酸化炭素を発生するときの燃料電池1の出力電力にて除した値が火力発電所の単位時間及び単位電力当たりの二酸化炭素発生量と同一となるときの出力電力に設定しても良い。
即ち、燃料電池1から発生する単位時間当たりの二酸化炭素発生量をその二酸化炭素発生量の二酸化炭素を発生するときの燃料電池1の出力電力にて除した値は、単位時間及び単位電力当たりに換算した二酸化炭素発生量である。
そして、燃料電池1の電池発電効率は、出力電力が大きいほど大きくなる傾向にあるので、燃料電池1の運転状態が出力電力の大きい運転状態であるほど、単位時間及び単位電力当たりの二酸化炭素発生量は少なくなる。
そこで、設定電力を上述のような条件で設定すると、停止条件が満たされたにも拘わらず燃料電池1の運転を継続するにしても、実負荷電力を商用電源7から得る場合に比べて、二酸化炭素発生量を少なくする状態で燃料電池1を運転することが可能となる。
例えば、当該運転周期の終了時点になる条件でも良い。
又、現在貯湯量は、下記の式15〜式18に基づいて求められる。
=0 if A2×T2+(1−A2)×T3−β≦0……………(式15)
B2=1 if A2×T2+(1−A2)×T3−β>0
=0 if A2×T2+(1−A2)×T3−β≦0……………(式16)
B3=1 if A3×T3+(1−A3)×T4−β>0
=0 if A3×T3+(1−A3)×T4−β≦0……………(式17)
貯湯湯量=(B1+B2+B3)÷3×V……………(式18)
T1、T2、T3、T4は、夫々、上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4の検出温度である。
又、Vは、上記の式1と同様に、貯湯槽2の上層部、中層部、下層部夫々の容量であり、A1、A2、A3は、上記の式1と同様の係数である。
ちなみに、予測エネルギコスト削減額は、燃料電池1を運転させない場合のエネルギコストから、燃料電池1を運転したときのエネルギコストを減じて求めることができる。
燃料電池1を運転させない場合のエネルギコストは、予測負荷電力の全てを商用電源7から買電するときのコストと、予測負荷熱量の全てを補助加熱器28で賄うときのエネルギコスト(燃料コスト)の和として求められる。
一方、燃料電池1を運転したときのエネルギコストは、運転時間帯で燃料電池1を予測負荷電力追従運転にて運転した場合の燃料電池1のエネルギコスト(燃料コスト)と、予測不足電力量を商用電源7から買電するときのコストと、予測不足熱量を補助加熱器28の発生熱で補う場合のエネルギコスト(燃料コスト)との和として求められる。
前記燃料電池1を運転させない場合の二酸化炭素発生量は、予測負荷電力の全てを商用電源7から買電するときの発電所での二酸化炭素発生量と、予測負荷熱量の全てを補助加熱器28で賄うときの二酸化炭素発生量との和として求められる。
一方、燃料電池1を運転したときの二酸化炭素発生量は、運転時間帯で燃料電池1を予測負荷電力追従運転にて運転した場合の燃料電池1からの二酸化炭素発生量と、予測不足電力量を商用電源7から買電するときの発電所での二酸化炭素発生量と、予測不足熱量を補助加熱器28の発生熱で補う場合の二酸化炭素発生量との和として求められる。
2 貯湯槽
4 貯湯手段
5 運転制御手段
Claims (5)
- 電力と熱とを併せて発生する熱電併給装置と、その熱電併給装置にて発生する熱にて貯湯槽に貯湯する貯湯手段と、運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
前記運転制御手段が、運転周期の開始時点において、出力電力を時系列的な予測負荷電力に追従させる予測負荷電力追従運転にて前記熱電併給装置を運転するとしたときに、当該運転周期内のうちで時系列的な予測負荷電力及び時系列的な予測負荷熱量に基づいて求められる運転メリットが高くなる時間帯を運転時間帯として設定し、その設定した運転時間帯の開始時点で前記熱電併給装置の運転を開始して運転中は出力電力を実負荷電力に追従させる実負荷電力追従運転にて前記熱電併給装置を運転し、停止条件が満たされると前記熱電併給装置の運転を停止するように構成され、
前記停止条件が、前記熱電併給装置を前記運転時間帯の開始時点から前記実負荷電力追従運転にて運転することにより発生した熱量が、前記熱電併給装置を前記予測負荷電力追従運転にて前記運転時間帯の間運転すると仮定したときに発生すると予測される予測総発生熱量に達する条件に設定されたコージェネレーションシステムであって、
前記運転制御手段が、前記熱電併給装置を前記予測負荷電力追従運転にて前記運転時間帯の間運転すると仮定したときに前記運転時間帯の終了時点で前記貯湯槽に貯えられていると予測される予測貯湯熱量が、当該運転周期における前記運転時間帯の終了時点以降の時系列的な予測負荷熱量のうちの時系列的な予測給湯負荷熱量を積算した熱量よりも小さいと予測される場合は、前記停止条件が満たされたときの実負荷電力が予め設定した設定電力よりも大きい運転継続条件が満たされることを条件として、前記停止条件が満たされても前記熱電併給装置の運転を継続するように構成されているコージェネレーションシステム。 - 前記運転継続条件が、前記停止条件が満たされたときの実負荷電力が前記設定電力よりも大きいことに加えて、前記停止条件が満たされたときに前記貯湯槽に貯えられている貯湯熱量が、前記停止条件が満たされた時点から設定時間先の時点までの間の時系列的な予測給湯負荷熱量を積算した熱量よりも小さい条件である請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転継続条件が、前記停止条件が満たされたときの実負荷電力が前記設定電力よりも大きいことに加えて、前記停止条件が満たされた時点が当該運転周期において最大予測給湯負荷熱量が発生する時点よりも前であり、且つ、前記停止条件が満たされたときに前記貯湯槽に貯えられている貯湯熱量が前記最大予測給湯負荷熱量よりも小さい条件である請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記運転継続条件が満たされて前記熱電併給装置の運転を継続したときは、実負荷電力が前記設定電力以下になると前記熱電併給装置を停止するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記設定電力が、前記熱電併給装置の出力電力を調整可能な出力電力調整範囲における最小出力に設定されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
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