JP5722970B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
電力と熱とを併せて発生する熱電併給装置と、その熱電併給装置で発生された熱を回収して湯水として貯える貯湯槽と、前記熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
前記運転制御手段が、
周期的な運転判別タイミングにおいて、その運転判別タイミング以降の判定対象期間における時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷、並びに、その運転判別タイミングにおいて前記貯湯槽に貯湯された熱量に基づいて、前記判定対象期間のうちで、前記熱電併給装置を設定出力条件にて運転すると仮定したときの評価値が優れた第1運転時間帯、その第1運転時間帯の評価値としての第1評価値、及び、前記判定対象期間の全てにおいて前記熱電併給装置を停止させる場合の評価値としての第2評価値を求めて、
前記第1評価値が前記第2評価値よりも優れているときには、前記第1運転時間帯において前記熱電併給装置を前記設定出力条件にて運転し、かつ、前記第2評価値が前記第1評価値よりも優れているときには、前記判定対象期間の全てにおいて前記熱電併給装置を停止させるように構成されたコージェネレーションシステムに関する。
ちなみに、熱電併給装置は、燃料電池やエンジン駆動式の発電機等にて構成される。
そして、第1評価値が前記第2評価値よりも優れているときには、第1運転時間帯において熱電併給装置が設定出力条件にて運転され、かつ、第2評価値が第1評価値よりも優れているときには、判定対象期間の全てにおいて熱電併給装置が停止されることになる。
尚、第1運転時間帯としては、判定対象期間の全ての時間帯を運転時間帯として定める場合を含むことになる。
ちなみに、コージェネレーションシステムにおいては、熱電併給装置が発生する熱量と貯湯槽に貯えられた熱量にて予測熱負荷を賄えないときには、都市ガス等のガス燃料にて作動する補助加熱器にて熱を補うことになるので、一般に、評価値を求める際には、熱電併給装置が発生する熱量と貯湯槽に貯えられた熱量にて予測熱負荷を賄えないときには、補助加熱器にて熱を補うことを条件として、評価値を求めることになる。
つまり、熱電併給装置が、燃料電池の場合には、一般に、熱電併給装置が出力する電力を電力負荷に追従させる電主運転条件が設定され、そして、熱電併給装置が、エンジン駆動式の発電機の場合には、一般に、熱電併給装置の出力する電力が定格となる定格運転条件が設定される。
しかしながら、従来のコージェネレーションシステムでは、判定対象期間に続く設定追加期間において熱電併給装置を運転した場合についての評価を行っていないため、必ずしも、評価値が優れた運転形態を定めることができない虞があった。
前記運転制御手段が、
周期的な運転判別タイミングにおいて、その運転判別タイミング以降の判定対象期間における時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷、並びに、その運転判別タイミングにおいて前記貯湯槽に貯湯された熱量に基づいて、前記判定対象期間のうちで、前記熱電併給装置を設定出力条件にて運転すると仮定したときの評価値が優れた第1運転時間帯、その第1運転時間帯の評価値としての第1評価値、及び、前記判定対象期間の全てにおいて前記熱電併給装置を停止させる場合の評価値としての第2評価値を求めて、
前記第1評価値が前記第2評価値よりも優れているときには、前記第1運転時間帯において前記熱電併給装置を前記設定出力条件にて運転し、かつ、前記第2評価値が前記第1評価値よりも優れているときには、前記判定対象期間の全てにおいて前記熱電併給装置を停止させるように構成されたものであって、その第1特徴構成は、
前記判定対象期間が、前記運転判別タイミングの周期よりも長く設定され、
前記運転制御手段が、
前記運転判別タイミングにおいて、前記熱電併給装置を運転開始させる運転開始時刻を前記判定対象期間の開始時点からその判定対象期間の終了時点まで設定時間ごとに変化させた運転開始時刻変更パターンの夫々において、前記熱電併給装置を停止させる停止時刻を前記設定時間ごとに変化させた終了時刻変更パターンの夫々について、前記判定対象期間の開始時点からその判定対象期間の終了時点に向けて、前記設定時間ごとの評価値を順次求めて、その設定時間ごとの評価値を積算することにより、前記運転開始時刻変更パターンと前記終了時刻変更パターンとの組み合わせからなる複数の運転パターンの夫々についての評価値を求めて、前記運転開始時刻が判定対象期間の終了時点よりも前にある場合のうちで評価値が優れたものを前記第1評価値とし、且つ、前記運転開始時刻が判定対象期間の終了時点にある場合の評価値を前記2評価値とするように求めて、前記第1評価値に対応する前記第1運転時間帯がその運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間に存在し、かつ、前記第1評価値が前記第2評価値よりも優れている場合には、その運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間においては求めた前記第1運転時間帯にて前記熱電併給装置を運転し、且つ、前記第1運転時間帯がその運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間に存在しない場合には、前記第1評価値が前記第2評価値よりも優れているか否かに拘わらず、その運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間においては前記熱電併給装置を停止するように運転形態を定めることを、前記周期的な運転判別タイミングにて繰り返し実行して、
その運転判別タイミングにおいて定める前記運転形態にて前記熱電併給装置の運転を制御するように構成されている点を特徴とする。
つまり、例えば、運転判別タイミングにおいて、貯湯槽に多量の熱量が貯えられているときに、その運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの期間においては運転を停止し、次の運転判別タイミング以降の期間において熱電併給装置を運転するようにすることも可能となり、評価値が一層向上するように熱電併給装置を運転することが可能となる。
コージェネレーションシステムは、図1及び図2に示すように、電力と熱とを発生する熱電併給装置としての燃料電池N、その燃料電池Nで発生された熱を回収して湯水として貯える貯湯槽1を備えた貯湯ユニットT、及び、燃料電池N及び貯湯ユニットTの運転を制御する運転制御手段としての運転制御部Hを備えている。
尚、貯湯ユニットTは、給湯箇所に湯水を供給することに加えて、床暖房装置や浴室暖房装置等の熱消費端末2にも回収した熱を供給するように構成されている。
そして、燃料調整弁3によって燃料ガス生成部への原燃料ガスの供給量を調節することにより、燃料電池Nの発電出力を調節できるように構成されている。
つまり、燃料電池Nの発電電力がインバータ6及び発電電力供給ライン10を介して電力負荷9に供給するように構成されている。
尚、商用電源7は、例えば、単相3線式100/200Vである。
そして、逆潮流が生じないように、燃料電池Nから受電電力供給ライン8に供給される電力が制御されるように構成されている。つまり、発電出力の余剰電力が、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ12に供給されることにより、燃料電池Nから受電電力供給ライン8に供給される電力が調整されるように構成されている。
つまり、作動スイッチ14は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、複数のヒータ部分のうちのON状態にするヒータ部分の数を多くして、電気ヒータ12の消費電力を大きくすることができるように構成されている。
尚、電気ヒータ12の消費電力を調整する構成については、上記のように複数のヒータ部分のON/OFFを切り換える構成以外に、その電気ヒータ12の出力を例えば位相制御等により調整する構成を採用することができる。
三方弁18は、ラジエータ19を通過させて貯湯槽1の下部から取り出した湯水を循環させる状態と、ラジエータ19をバイパスさせて貯湯槽1の下部から取り出した湯水を循環させる状態とに切り換えるように構成されている。
そして、給湯路27を通して貯湯槽1内の湯水が浴槽、給湯栓、シャワー等の給湯先に給湯され、そのような給湯に伴って給水路29より貯湯槽1に給水されるように構成されている。
この分流弁30は、冷却水循環路13の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24に通流させる状態や、冷却水循環路13の冷却水の全量を熱源用熱交換器25に通流させる状態にも調整できるように構成されている。
熱源用熱交換器25は、燃料電池Nの発生熱を回収した冷却水循環路13の冷却水が通流することにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱するように構成されている。
熱媒加熱用熱交換器26は、熱源用熱交換器25や補助加熱器28にて加熱された熱源用湯水が通流することにより、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱するように構成されている。
すなわち、上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4夫々にて検出される貯湯槽1の湯水の温度の夫々を、T1、T2、T3、T4とし、給水温度センサSiにて検出される給水温度をTiとし、貯湯槽1の上層部、中層部、下層部夫々の容量をV(リットル)とする。
又、貯湯槽1の上層部における重み係数をA1とし、中層部における重み係数をA2とし、下層部における重み係数をA3とする。
そして、運転制御部Hは、貯湯熱量(kcal)を、下記の式1にて演算することになる。
+(A2×T2+(1−A2)×T3−Ti)×V
+(A3×T3+(1−A3)×T4−Ti)×V……………(式1)
先ず、運転制御部Hが燃料電池Nの運転のために実行する運転処理について説明する。
運転制御部Hは、後述の如く、燃料電池Nの運転時間帯を求めることになり、そして、その運転時間帯の開始時点よりも以前の時点において、燃料電池Nを起動させる処理を行い、運転時間帯の開始時点において、燃料電池Nの発電を開始する運転開始処理を行うことになり、その後、調整弁3の調整処理や、冷却水循環ポンプ15を作動させる処理等を行い、運転時間帯の終了時点では、燃料電池Nを停止させる停止処理を行う形態で、燃料電池Nの運転制御を行うことになる。
運転制御部Hは、貯湯運転では、分流弁30を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換え且つ熱源用断続弁40を閉弁した状態で、貯湯温度センサShの検出情報に基づいて、貯湯槽1に供給される湯水の温度が予め設定された目標貯湯温度(例えば60°C)になるように湯水循環量を調節すべく、湯水循環ポンプ17の作動を制御するように構成されている。尚、この貯湯運転により、後述の如く、目標貯湯温度の湯が温度成層を形成する状態で貯湯槽1に貯湯されることになる。
そして、運転制御部Hは、熱媒供給運転の実行中に端末用リモコンから運転の停止が指令されると、分流弁30を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換え、熱源用断続弁40を閉弁し、熱源用循環ポンプ21を停止させて、湯水循環ポンプ17を作動させることにより、熱媒供給運転から貯湯運転に切り換えるように構成されている。
運転制御部Hは、周期的な運転判別タイミングにおいて、その運転判別タイミング以降の判定対象期間における時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷、並びに、その運転判別タイミングにおいて貯湯槽1に貯湯された熱量に基づいて、判定対象期間のうちで、燃料電池Nを設定出力条件にて運転すると仮定したときの評価値が優れた第1運転時間帯、その第1運転時間帯の評価値としての第1評価値、及び、判定対象期間の全てにおいて燃料電池Nを停止させる場合の評価値としての第2評価値を求めるように構成されている。
尚、本実施形態は、設定出力条件として、燃料電池Nが出力する電力を予測電力負荷に追従させる、いわゆる電主出力運転条件が設定されている。
また、本実施形態においては、後述の如く、評価値として、一次エネルギ量を求めるように構成されている。
また、本実施形態においては、運転判別タイミングが、午前2時に設定されている。
すなわち、判定対象期間が、運転判別タイミングの周期よりも長く設定されている。詳しくは、本実施形態においては、運転判別タイミングの周期が1日に相当する24時間に設定され、判定対象期間が2日に相当する48時間に設定されている。
(データ管理処理)
先ず、時系列的な過去電力負荷及び時系列的な過去熱負荷を管理して、その管理データに基づいて、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷を求めるデータ管理処理について説明をする。ちなみに、熱負荷は、前記給湯先に湯水を給湯するときの給湯熱負荷と、前記熱消費端末2での端末熱負荷とからなる。
運転制御部Hは、時系列的な過去電力負荷及び時系列的な過去熱負荷として、設定期間(例えば、運転日前の4週間)にわたる実電力負荷データ及び実熱負荷データを、運転判別タイミングの周期(以下、運転周期と略称する)ごとに対応付けて、且つ、各運転周期のデータを設定時間(本実施形態では1時間)ごとに対応付けた状態で不揮発性のメモリ34に記憶して、時系列的な過去電力負荷及び時系列的な過去熱負荷を管理するように構成されている。尚、本実施形態では、午前2時から次の午前2時までを一日として、データを管理するように構成されている。
運転制御部Hは、周期的な運転判別タイミング(午前2時)において、その運転判別タイミング以降の判定対象期間(2日分に相当する48時間)における時系列的な予測電力負荷(図3参照)及び時系列的な予測熱負荷(図4参照)を、不揮発性のメモリ34に記憶されている実電力負荷データ及び実熱負荷データに基づいて求める、負荷予測処理を行うように構成されている。
また、上述の平均化処理にて求めた実電力負荷データ及び実熱負荷データと、前日に計測した実電力負荷データ及び実熱負荷データとをさらに平均化処理して、その平均化処理した実電力負荷データ及び実熱負荷データを、判定対象期間の各日についての予測電力負荷及び予測熱負荷とすることもできる。
尚、この実施形態では、熱量の単位をkcalにて示す場合があるが、1kWh=860kcalの関係に基づいて、860に設定される係数αにてkcalにて示される値を除することにより、kWhの単位とすることができる。
つまり、過去熱負荷データとしては過去給湯熱負荷データのみが含まれて、予測熱負荷として予測給湯熱負荷のみが求められる場合であるとして説明する。
運転制御部Hは、周期的な運転判別タイミング(午前2時)において、その運転判別タイミングにおいて貯湯槽1に貯湯された熱量を求める、貯湯された熱量の算出処理を行うように構成されている。
すなわち、上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4夫々にて検出される貯湯槽1の湯水の温度T1、T2、T3、T4、及び、給水温度センサSiにて検出される給水温度Tiに基づいて、上記の式1により貯湯熱量を求め、その貯湯熱量を、貯湯槽1に貯湯された熱量とする。
運転制御部Hは、運転判別タイミング(午前2時)において、評価値の算出処理を行うように構成されている。
すなわち、燃料電池Nを運転開始させる運転開始時刻を判定対象期間の開始時点からその判定対象期間の終了時点まで設定時間(本実施形態では1時間)ごとに変化させた運転開始時刻変更パターンの夫々において、燃料電池Nを停止させる停止時刻を前記設定時間ごとに変化させた終了時刻変更パターンの夫々について、判定対象期間の開始時点からその判定対象期間の終了時点に向けて、前記設定時間ごとの評価値を順次求めて、その設定時間ごとの評価値を積算することにより、運転開始時刻変更パターンと終了時刻変更パターンとの組み合わせからなる複数の運転パターンの夫々についての評価値を求めて、運転開始時刻が判定対象期間の終了時点よりも前にある場合のうちで評価値が優れたものを第1評価値とし、且つ、運転開始時刻が判定対象期間の終了時点にある場合の評価値を2評価値とするように構成されている。
ちなみに、この第1運転パターンの中には、判定対象期間の全ての時間帯において燃料電池Nを運転するパターン(図5のパターン48参照)、及び、判定対象期間の全ての時間帯において燃料電池Nを停止させるパターン(図5のパターン1177参照)が含まれる。
ちなみに、この第2運転パターンの中には、運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの期間(以下、この期間を「タイミング期間」と略称する)の全ての時間帯において燃料電池Nを運転するパターン(図6のパターン24参照)、及び、タイミング期間の全ての時間帯において燃料電池Nを停止させるパターン(図6のパターン301参照)が含まれることになる。
つまり、運転制御部Hは、第1運転パターン及び第2運転パターンの夫々について、燃料電池Nが出力する電力を予測電力負荷に追従させる、いわゆる電主出力運転を行うと仮定した場合における一次エネルギ量を求めることになる。
そして、本実施形態では、燃料電池Nが発生する熱量と貯湯槽1に貯えられた熱量にて予測熱負荷を賄えないときには、補助加熱器28にて熱を補うことになるので、評価値を求める際において、燃料電池Nが発生する熱量と貯湯槽1に貯えられた熱量にて予測熱負荷を賄えないときには、補助加熱器28にて熱を補うことを条件として、評価値を求めることになる。
U1=燃料電池の運転エネルギ消費量+予測不足電力量/商用電源発電効率+予測不足熱量/補助加熱器熱効率……(式2)
U2=予測電力負荷/商用電源発電効率+予測不足熱量/補助加熱器熱効率…(式3)
燃料電池Nを運転する場合の単位時間帯の一次エネルギ量U1は、燃料電池の運転エネルギ消費量、つまり、燃料電池Nを運転した場合に消費する運転エネルギ消費量、単位時間帯の予測不足熱量を補助加熱器28の発生熱で補う場合のエネルギ消費量、及び、単位時間帯の予測不足電力量を商用電源7からの受電電力で補う場合の商用電源7におけるエネルギ消費量を加えた値として求められる。
運転エネルギ消費量=予測発電出力÷電池発電効率……………(式4)
尚、この式4における予測発電出力(kW)は、予測電力負荷が燃料電池Nの最小出力(例えば0.3kW)以上且つ最大出力(例えば1.0kW)以下の範囲のときは予測電力負荷に設定され、予測電力負荷が燃料電池Nの最小出力よりも小さいときはその最小出力に設定され、予測電力負荷が燃料電池Nの最大出力よりも大きいときはその最大出力に設定される。
また、上記式2及び式3における補助加熱器熱効率は、補助加熱器28における単位エネルギ消費量(kWh又はkcal)に対する発生熱量(kWh又はkcal)の比率であり、例えば0.7に設定される。
さらに、式4における電池発電効率は、燃料電池Nにおける単位エネルギ消費量(kWh)に対する発電出力(kWh)の比率を示し、図7に例示するように、発電出力に応じた電池発電効率が、予めメモリ34に記憶されている。
ちなみに、起動時消費エネルギは、前記燃料ガス生成部を構成する改質器、変成器等の機器類を設定作動温度にウオームアップするのに必要とするエネルギを含むものであり、又、停止時消費エネルギは、燃料電池Nを停止させる際に燃料ガス生成部のガス通流経路にパージガス(原燃料ガス又は不活性ガス)をパージする際に必要とするエネルギ、具体的には、ファン、ポンプ、バルブ等の機器類を駆動するエネルギを含むものである。そして、燃料電池Nの起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギは、燃料電池N固有のものであるため、予め、実験等により求められてメモリ34に記憶されている。例えば、起動時消費エネルギは1900Whに、停止時消費エネルギは200Whに夫々設定されている。
尚、予測不足電力量は、0よりも小さい値として求められたときは0とする。
予測不足電力量=予測電力負荷−発電出力……………(式5)
予測不足熱量=予測熱負荷n−予測貯湯熱量n-1……………(式6)
また、上記式6における予測貯湯熱量は、下記式7にて求められる。
予測貯湯熱量n=(予測貯湯熱量n-1−予測熱負荷n+予測熱出力n)×(1−槽放熱率)……(式7)
予測熱出力={(予測発電出力÷電池発電効率)×電池熱効率}+余剰電力×β−ベース放熱量……………(式8)
尚、この実施形態では、予測熱負荷は、各単位時間帯の開始時点に発生するものであるとし、予測熱出力は、各単位時間帯において燃料電池Nを運転することにより発生するものとする。
ちなみに、予測貯湯熱量n-1は、n=1のときには予測貯湯熱量0となり、この予測貯湯熱量0は、判定対象期間の開始時点(運転判別タイミング)の予測貯湯熱量であり、上述
の如く、上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4及び給水温度センサSi夫々の検出温度に基づいて、式1により求められる。
蓄える熱量である槽満杯貯湯熱量以下に規制され、その槽満杯貯湯熱量は、例えば、貯湯槽1の貯湯温度、貯湯槽1への給水温度及び貯湯槽1の容量から求められる。ちなみに、貯湯温度は、上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3及び下端温度センサS4夫々の検出温度のうち放熱作動用設定温度(例えば45°C)以上のものの平均値とされ、給水温度は、給水温度センサSiにて検出される給水温度の平均値とされる。
槽放熱率は、貯湯槽1からの放熱率であり、例えば、0.012に予め設定されて、メモリ34に記憶されている。
又、式4にて求められた予測不足熱量が負の値のときは、予測不足熱量を0とする。
例えば、予測電力負荷が燃料電池Nの最小出力よりも小さいときは、余剰電力は、燃料電池Nの最小出力から予測電力負荷を減じることにより求められる。
βは、電気ヒータ12にて余剰電力(kWh)を熱(kWh)に変換するときの効率であるヒータ効率であり、例えば、0.9に設定される。
また、上記の如く第1運転候補パターンの夫々について、判定対象期間の最初の単位時間帯のから最後の単位時間帯に向けて、各単位時間帯の一次エネルギ量を、上記式1〜式8に基づいて求めて、順次積算する途中において、第2運転パターンの夫々についての評価値を記憶しておき、記憶しておいた評価値に基づいて、第3評価値、第4評価値、及び、第2運転時間帯を求めることになる。
運転制御部Hは、第1〜第4評価値、及び、第1及び第2運転時間帯を求めたのちにおいて、運転形態設定処理を行うように構成されている。
すなわち、第1評価値が第2評価値よりも優れているか否かを判別する。
そして、第1評価値が第2評価値よりも優れている場合においては、第1運転時間帯が運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間に存在するか否かを判別することになる。
第1運転時間帯が運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間に存在するときにおいては、その第1評価値における判定対象期間に対する運転判別タイミングの周期の比率分に相当する第1比率分評価値、つまり、本実施形態においては第1評価値の1/2に相当する値が、第3評価値及び第4評価値よりも優れているか否かを判別する。
また、第1比率分評価値が第3評価値及び第4評価値よりも優れていない場合においては、第3評価値が第4評価値よりも優れているか否かを判別し、第3評価値が第4評価値よりも優れているときには、その運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間において、第2運転時間帯にて燃料電池Nを運転する形態を定める。
さらに、第1比率分評価値が第3評価値及び第4評価値よりも優れていない場合において、第3評価値が第4評価値よりも優れているか否かを判別したときに、第3評価値が第4評価値よりも優れていないときには、運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間の全てにおいて燃料電池Nを停止させる運転形態を定めることになる。
そして、第3評価値が、第4評価値及び第2比率分評価値よりも優れているときには、その運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間において、第2運転時間帯にて燃料電池Nを運転する形態を定める。
また、第3評価値が、第4評価値及び第2比率分評価値よりも優れていないときには、運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間の全てにおいて燃料電池Nを停止する運転形態を定める。
先ず、運転判別タイミングであるか否かを判別し(#1)、運転判別タイミングである場合には、負荷予測処理(#2)、貯湯された熱量の算出処理(#3)、評価値の算出処理(#4)、及び、運転形態設定処理(#5)を、順次実行する。
運転切換タイミングとは、運転判別タイミング、及び、その運転判別タイミングから一時間ずつが経過するごとのタイミングである。
#12にて運転中でないと判別した場合及び運転処理(#13)を実行したのちは、時系列的な過去電力負荷及び時系列的な過去熱負荷を管理するデータ管理処理(#14)を実行したのち、#1に戻ることになる。
#8にて運転中であると判別したときや、運転開始処理(#9)を実行したのちは、#14のデータ管理処理に移行する。
#10にて運転中で無いと判別したときや、停止処理(#11)を実行したのちは、#14のデータ管理処理に移行する。
また、図8に示すフローチャートにおいては記載を省略するが、運転制御部Hは、燃料電池Nの運転中であるか否かに拘わらず、熱消費端末2用の端末用リモコンからの運転指令に基づいて熱媒供給運転を行い、燃料電池Nの運転中においては貯湯運転を行うことになる。
次に別実施形態を説明する。
(イ)上記実施形態では、評価値として、一次エネルギ量を求めるようにしたが、下記の式9に基づいて、エネルギ削減量Pを評価値として求めるようにしてもよい。
予測エネルギ削減量P=熱電併給装置を導入しない場合のエネルギ消費量−熱電併給装置Nを導入した場合のエネルギ消費量……………(式9)
尚、熱電併給装置を導入しない場合のエネルギ消費量は、予測電力負荷の全てを商用電源7にて賄い、予測熱負荷の全てを従来給湯器の発生熱にて賄う場合において消費するエネルギ量である。
また、熱電併給装置を導入した場合のエネルギ消費量は、熱電併給装置が運転で消費する運転エネルギ消費量と、予測電力負荷から予測発電出力を引いた分に相当する予測不足電力量を商用電源7にて賄い、予測不足熱量を補助加熱器の発生熱にて賄う場合において消費するエネルギ量との和である。
つまり、商用電源における単位エネルギ消費量(kWh)に対する二酸化炭素の発生量、熱電併給装置と補助加熱器とのそれぞれで消費される燃料(例えば都市ガス)の単位エネルギ消費量(kWh)に対する二酸化炭素の発生量、商用電源におけるエネルギ消費量、及び、熱電併給装置と補助加熱器とのエネルギ消費量から、熱電併給装置Nを運転しない場合の二酸化炭素の発生量、及び、熱電併給装置Nを運転した場合の二酸化炭素の発生量を求めるようにしてもよい。
ちなみに、予測エネルギコスト削減額は、熱電併給装置を導入しない場合のエネルギコストから、熱電併給装置を導入した場合のエネルギコストを減じて求めることができる。
熱電併給装置を導入しない場合のエネルギコストは、予測電力負荷の全てを商用電源から買電するときのコストと、予測熱負荷の全てを従来給湯器で賄うときのエネルギコストの和として求められる。
一方、熱電併給装置Nを導入した場合のエネルギコストは、熱電併給装置を運転するときのエネルギコスト(燃料コスト)と、予測不足電力量を商用電源から買電するときのコストと、予測不足熱量を補助加熱器の発生熱で補う場合のエネルギコスト(燃料コスト)との和として求められる。
ちなみに、設定時間の大きさに合わせて、過去の時系列的な電力負荷及び過去の時系列的な熱負荷を管理して、時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷を求めることになる。
尚、熱電併給装置Nを、現実の電力負荷に追従させて電主出力運転するにあたり、その出力の調整周期は、上記の設定時間と同じであってもよいが、例えば3分にする等、異なる時間に定めてもよい。
同様に、予測エネルギコスト削減額等の経済性を用いる場合において、昼間と夜間とで商用電源のエネルギコストが異なる場合には、昼間と夜間とで異なる値を用いるようにしても良い。
また、運転判別タイミングの周期は、24時間に代えて、12時間や6時間にすることが考えられ、そして、判定対象期間の長さも、48時間に限らず、種々変更できる。
ちなみに、判定対象期間の長さは、運転判別タイミングの周期の整数倍の長さにするに限らず、1.5倍、1.7倍、2.5倍等の各種の長さに設定するようにしてもよい。
ちなみに、上記実施形態にて述べた如く、余剰電力にて作動させる電気ヒータが備えられる場合においては、単に電主出力運転を行うと熱不足が予測される場合には、電主出力運転を行うにあたり、予測電気負荷よりも設定量大きめの出力にて運転することを設定出力条件として熱電併給装置を運転させれば、電力負荷が小さい場合にも、熱不足が生じないようにすることができるものとなる。
ちなみに、熱電併給装置から発生する熱を回収した冷却水の温度に比べて、熱消費端末において必要とされる熱媒の温度が高い場合は、熱消費端末が設けられていても、熱負荷を給湯熱負荷のみとして、評価値を求めるようにしてもよい。
H 運転制御手段
N 熱電併給装置
Claims (1)
- 電力と熱とを併せて発生する熱電併給装置と、その熱電併給装置で発生された熱を回収して湯水として貯える貯湯槽と、前記熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
前記運転制御手段が、
周期的な運転判別タイミングにおいて、その運転判別タイミング以降の判定対象期間における時系列的な予測電力負荷及び時系列的な予測熱負荷、並びに、その運転判別タイミングにおいて前記貯湯槽に貯湯された熱量に基づいて、前記判定対象期間のうちで、前記熱電併給装置を設定出力条件にて運転すると仮定したときの評価値が優れた第1運転時間帯、その第1運転時間帯の評価値としての第1評価値、及び、前記判定対象期間の全てにおいて前記熱電併給装置を停止させる場合の評価値としての第2評価値を求めて、
前記第1評価値が前記第2評価値よりも優れているときには、前記第1運転時間帯において前記熱電併給装置を前記設定出力条件にて運転し、かつ、前記第2評価値が前記第1評価値よりも優れているときには、前記判定対象期間の全てにおいて前記熱電併給装置を停止させるように構成されたコージェネレーションシステムであって、
前記判定対象期間が、前記運転判別タイミングの周期よりも長く設定され、
前記運転制御手段が、
前記運転判別タイミングにおいて、前記熱電併給装置を運転開始させる運転開始時刻を前記判定対象期間の開始時点からその判定対象期間の終了時点まで設定時間ごとに変化させた運転開始時刻変更パターンの夫々において、前記熱電併給装置を停止させる停止時刻を前記設定時間ごとに変化させた終了時刻変更パターンの夫々について、前記判定対象期間の開始時点からその判定対象期間の終了時点に向けて、前記設定時間ごとの評価値を順次求めて、その設定時間ごとの評価値を積算することにより、前記運転開始時刻変更パターンと前記終了時刻変更パターンとの組み合わせからなる複数の運転パターンの夫々についての評価値を求めて、前記運転開始時刻が判定対象期間の終了時点よりも前にある場合のうちで評価値が優れたものを前記第1評価値とし、且つ、前記運転開始時刻が判定対象期間の終了時点にある場合の評価値を前記2評価値とするように求めて、前記第1評価値に対応する前記第1運転時間帯がその運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間に存在し、かつ、前記第1評価値が前記第2評価値よりも優れている場合には、その運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間においては求めた前記第1運転時間帯にて前記熱電併給装置を運転し、且つ、前記第1運転時間帯がその運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間に存在しない場合には、前記第1評価値が前記第2評価値よりも優れているか否かに拘わらず、その運転判別タイミングから次の運転判別タイミングまでの間においては前記熱電併給装置を停止するように運転形態を定めることを、前記周期的な運転判別タイミングにて繰り返し実行して、
その運転判別タイミングにおいて定める前記運転形態にて前記熱電併給装置の運転を制御するように構成されているコージェネレーションシステム。
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