JP5592656B2 - 燃料電池用の運転制御装置 - Google Patents

燃料電池用の運転制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5592656B2
JP5592656B2 JP2010005287A JP2010005287A JP5592656B2 JP 5592656 B2 JP5592656 B2 JP 5592656B2 JP 2010005287 A JP2010005287 A JP 2010005287A JP 2010005287 A JP2010005287 A JP 2010005287A JP 5592656 B2 JP5592656 B2 JP 5592656B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
period
operation mode
merit
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010005287A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011146208A (ja
Inventor
幸嗣 桝本
正美 濱走
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2010005287A priority Critical patent/JP5592656B2/ja
Publication of JP2011146208A publication Critical patent/JP2011146208A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5592656B2 publication Critical patent/JP5592656B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置に関する。
燃料電池の運転形態として、連続運転と断続運転とがある。例えば、特許文献1に記載の運転制御装置は、燃料電池を連続運転すると仮定したときの運転メリット(連続運転メリット)と、燃料電池を断続運転すると仮定したときの運転メリット(断続運転メリット)とを比較して、燃料電池を連続運転するか又は断続運転するかを決定している。特許文献1において、上記運転メリットとは、燃料電池を運転することによるエネルギ削減量等にて示される省エネルギ性、燃料電池を運転することによるエネルギコスト削減費等にて示される経済性、燃料電池を運転することによる二酸化炭素削減量等にて示される環境性等である。よって、運転メリットを指標として連続運転及び断続運転を切り換えることで、省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい運転を行える。
特開2008−185316号公報
燃料電池には、運転停止中にカソード近傍での酸素濃度が上昇し易い構造の燃料電池や、逆に運転停止中にカソード近傍での酸素濃度が上昇し難い構造の燃料電池などがある。運転停止中にカソード近傍での酸素濃度が高くなると、例えば、特願2008−225326号に記載されているように、カソード近傍の酸素が電解質を介してアノードへと侵入して、アノードが酸化(劣化)する可能性がある。
前者の燃料電池は、例えば、カソードにつながるガス(空気等の酸素を含むガス)供給路の気相容積が大きい構造の燃料電池である。このような構造の燃料電池では、燃料電池の運転を停止してカソードへの酸素の供給を停止しても、その後、カソード近傍での酸素濃度が上昇し易い。具体的には、ガス供給路中に残留している酸素量がその気相容積の大きさに応じて多くなっているため、運転停止直後にカソード近傍での酸素濃度が低くなっていても、その後、ガス供給路側からの酸素の拡散によってカソード近傍で酸素濃度の上昇が比較的起こり易くなる。
これに対し、後者の燃料電池は、例えば、カソードにつながるガス供給路の気相容積が小さい構造の燃料電池である。このような構造の燃料電池では、燃料電池の運転を停止してカソードへの酸素の供給を停止すると、その後は、カソード近傍での酸素濃度が上昇し難い。具体的には、ガス供給路中に残留している酸素量がその気相容積に応じて少なくなっているため、ガス供給路側からカソード近傍への酸素の拡散が発生したとしても、カソード近傍での酸素濃度の上昇の程度は低くなる。
また、カソード近傍への酸素の拡散を防止する手段として、カソードの上流、又は、カソードの上流及び下流の両方に弁を設けて、カソードを隔離する構成を採ることも考えられるが、そのような手段を講じた場合には装置コストが上昇するという問題が生じる。
尚、運転停止中にカソード近傍に酸素が存在していても、アノード近傍に水素を含むガスが満たされた状態(即ち、残留している改質ガスなどの水素を含むガスの圧力がアノードにかかっている状態)であれば、カソード近傍の酸素は電解質を介してアノードへと侵入せず、又は、逆にアノード近傍の水素が電解質を通ってカソードへ侵入するため、アノードの酸化(劣化)は抑制される。或いは、カソード近傍の酸素が電解質を介してアノードへと侵入しても、アノード近傍に存在する水素と反応して消費されるため、アノードの酸化(劣化)は抑制される。例えば、燃料電池の燃料ガスとして用いられる水素を生成するための燃料ガス生成装置が燃料電池に接続されている場合、運転停止中に燃料ガス生成装置から燃料電池のアノードまでの間を一体で封止すれば、長期間にわたってアノード近傍に水素が残留している状態を維持できる。その結果、アノードの酸化が防止される。
但し、燃料電池を上述したような断続運転する場合、燃料電池が長期間にわたって停止されると、燃料ガス生成装置から燃料電池のアノードまでの間に残留している水素が、カソード側へと侵入することで又はアノード側へ侵入してきた酸素を消費するのに用いられることで徐々に減少してくる。従って、運転停止中にカソード近傍での酸素濃度が上昇し易い構造の燃料電池であれば、次第にカソード近傍での酸素濃度を充分に低下させることができなくなって、カソードからアノードへ酸素が侵入することによるアノードの酸化(劣化)が発生し得る。
尚、燃料電池が長期間にわたって停止されないような運転制御を実施する運転制御装置であれば、即ち、燃料電池の断続運転を行う場合に運転停止状態が連続する期間を短くする制御を行う運転制御装置であれば、上述したような問題は生じない。
しかし、運転制御装置は、様々な燃料電池に対して用いられる汎用の装置であるため、燃料電池が長期間にわたって停止されないような運転制御をあらゆる燃料電池に対して一律に実施するのは問題である。例えば、上述したような運転停止中にカソード近傍での酸素濃度が上昇し難い構造の燃料電池であれば、カソード近傍での酸素濃度が長期間にわたって充分に低下した状態を維持できるため、省エネルギ性、経済性、環境性などを考慮して運転停止状態が長く連続するような断続運転も選択されるべきである。ところが、燃料電池の運転停止状態を短く制限するような運転制御をあらゆる燃料電池に対して一律に実施すると、運転停止中にカソード近傍での酸素濃度が上昇し難い構造の燃料電池については、運転停止状態が必要以上に短く制限されるために省エネルギ性、経済性、環境性などが悪化してしまう可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、アノードとカソードとで構成される燃料電池のセルの劣化を回避しつつ、燃料電池の特性に応じて、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることのできる燃料電池用の運転制御装置を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る燃料電池用の運転制御装置の特徴構成は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を、通信可能に接続されている当該燃料電池から転送されることで取得して記憶する記憶手段と、
取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
前記制御手段は、前記許容停止期間以下の長さに設定した前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯として前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、
決定した前記連続運転メリット及び前記断続運転メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を連続運転形態及び断続運転形態の何れかに決定する点にある。
本発明において、運転メリットとしては、燃料電池を運転することによるエネルギ削減量等にて示される省エネルギ性、燃料電池を運転することによるエネルギコスト削減費等にて示される経済性、又は、燃料電池を運転することによる二酸化炭素削減量等にて示される環境性等がある。
上記特徴構成によれば、運転制御装置は、様々な燃料電池に対して用いられる汎用の装置ではあるが、実際に制御対象とする燃料電池に固有に定まる許容停止期間に応じて、その燃料電池に合った運転を行う。上記許容停止期間は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる関係にある。つまり、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど許容停止期間は短くなるので、運転制御装置が、燃料電池をその許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態の出現頻度を少なくすることで、燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇したときにカソードからアノードへ酸素が侵入する頻度を少なくできる。その結果、このような頻度調整を行わない場合と比較して、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。加えて、燃料電池毎に許容停止期間に応じた運転が行われることで、運転停止状態が連続する期間がその燃料電池にとって必要以上に短くならず、燃料電池を運転するときの省エネルギ性、経済性、環境性などが必要以上に低下しないことが確保される。
従って、燃料電池のセルの劣化を回避しつつ、燃料電池の特性に応じて、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることのできる燃料電池用の運転制御装置を提供できる。
本特徴構成では、運転制御装置が、燃料電池の運転形態判定対象期間を上記許容停止期間以下の長さに設定するので、少なくともその運転形態判定対象期間中に運転停止状態が最も長く連続したとしても、その運転停止状態が連続する長さは上記許容停止期間以下となる。つまり、連続する2つの運転形態判定対象期間に跨って燃料電池が上記許容停止期間以上の長さ連続して停止される可能性はあるものの、連続運転形態及び断続運転形態の何れが選択されても、少なくとも1つの運転形態判定対象期間内では許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない。その結果、長期間停止状態の出現頻度を少なくできるので、カソードからアノードへ酸素が侵入する可能性を低く、即ち、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。
加えて、上記運転メリットを考慮して、燃料電池の運転形態が連続運転形態及び断続運転形態の何れかに決定されるので、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることができる。
本発明に係る燃料電池用の運転制御装置の別の特徴構成は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を、通信可能に接続されている当該燃料電池から転送されることで取得して記憶する記憶手段と、
取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
前記制御手段は、前記許容停止期間以下の長さに設定した前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯として前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、
決定した前記連続運転メリット及び前記断続運転メリット及び前記待機メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する点にある。
上記特徴構成によれば、運転制御装置は、様々な燃料電池に対して用いられる汎用の装置ではあるが、実際に制御対象とする燃料電池に固有に定まる許容停止期間に応じて、その燃料電池に合った運転を行う。上記許容停止期間は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる関係にある。つまり、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど許容停止期間は短くなるので、運転制御装置が、燃料電池をその許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態の出現頻度を少なくすることで、燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇したときにカソードからアノードへ酸素が侵入する頻度を少なくできる。その結果、このような頻度調整を行わない場合と比較して、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。加えて、燃料電池毎に許容停止期間に応じた運転が行われることで、運転停止状態が連続する期間がその燃料電池にとって必要以上に短くならず、燃料電池を運転するときの省エネルギ性、経済性、環境性などが必要以上に低下しないことが確保される。
従って、燃料電池のセルの劣化を回避しつつ、燃料電池の特性に応じて、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることのできる燃料電池用の運転制御装置を提供できる。
本特徴構成では、運転制御装置が、燃料電池の運転形態判定対象期間を上記許容停止期間以下の長さに設定するので、少なくともその運転形態判定対象期間中に運転停止状態が最も長く連続したとしても、その運転停止状態が連続する長さは上記許容停止期間以下となる。つまり、連続する2つの運転形態判定対象期間に跨って燃料電池が上記許容停止期間以上の長さ連続して停止される可能性はあるものの、連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れが選択されても、少なくとも1つの運転形態判定対象期間内では許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない。その結果、長期間停止状態の出現頻度を少なくできるので、カソードからアノードへ酸素が侵入する可能性を低く、即ち、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。
加えて、上記運転メリットを考慮して、燃料電池の運転形態が連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れかに決定されるので、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることができる。
本発明に係る燃料電池用の運転制御装置の更に別の特徴構成は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を取得して記憶する記憶手段と、
取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
前記制御手段は、前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯とすると共に前記運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を前記許容停止期間以下に制限して前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、
決定した前記連続運転メリット及び前記断続運転メリット及び前記待機メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する点にある。
上記特徴構成によれば、運転制御装置は、様々な燃料電池に対して用いられる汎用の装置ではあるが、実際に制御対象とする燃料電池に固有に定まる許容停止期間に応じて、その燃料電池に合った運転を行う。上記許容停止期間は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる関係にある。つまり、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど許容停止期間は短くなるので、運転制御装置が、燃料電池をその許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態の出現頻度を少なくすることで、燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇したときにカソードからアノードへ酸素が侵入する頻度を少なくできる。その結果、このような頻度調整を行わない場合と比較して、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。加えて、燃料電池毎に許容停止期間に応じた運転が行われることで、運転停止状態が連続する期間がその燃料電池にとって必要以上に短くならず、燃料電池を運転するときの省エネルギ性、経済性、環境性などが必要以上に低下しないことが確保される。
従って、燃料電池のセルの劣化を回避しつつ、燃料電池の特性に応じて、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることのできる燃料電池用の運転制御装置を提供できる。
本特徴構成では、運転制御装置が、断続運転形態において当該運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を上記許容停止期間以下に制限するので、断続運転形態を実施することで運転停止状態が最も長く連続したとしても、その運転停止状態が連続する長さは上記許容停止期間以下となる。つまり、連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態のうちの連続運転形態及び断続運転形態が選択された場合、許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない。その結果、長期間停止状態の出現頻度を少なくできるので、カソードからアノードへ酸素が侵入する可能性を低く、即ち、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。
加えて、上記運転メリットを考慮して、燃料電池の運転形態が連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れかに決定されるので、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることができる。
本発明に係る燃料電池用の運転制御装置の更に別の特徴構成は、運転メリットは、前記燃料電池を運転することによるエネルギ削減量、又は、前記燃料電池を運転することによるエネルギコスト削減費、又は、前記燃料電池を運転することによる二酸化炭素削減量であり、前記制御手段は、前記連続運転メリットを実際に導出された運転メリットの値よりも大きい値に決定する点にある。
断続運転が行われた場合には、燃料電池の運転停止中にカソードからアノードへ酸素が侵入することによるアノードの酸化(劣化)の問題が生じ得る。
ところが、本特徴構成によれば、断続運転よりも連続運転の方が選択され易くなることで、断続運転が行われる場合に生じ得る上記問題を回避できる。
本発明に係る燃料電池用の運転制御装置の更に別の特徴構成は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を、通信可能に接続されている当該燃料電池から転送されることで取得して記憶する記憶手段と、
取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
前記制御手段は、前記許容停止期間以下の長さに設定した前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯として前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、
決定した前記断続運転メリット及び前記待機メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する点にある。
上記特徴構成によれば、運転制御装置は、様々な燃料電池に対して用いられる汎用の装置ではあるが、実際に制御対象とする燃料電池に固有に定まる許容停止期間に応じて、その燃料電池に合った運転を行う。上記許容停止期間は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる関係にある。つまり、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど許容停止期間は短くなるので、運転制御装置が、燃料電池をその許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態の出現頻度を少なくすることで、燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇したときにカソードからアノードへ酸素が侵入する頻度を少なくできる。その結果、このような頻度調整を行わない場合と比較して、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。加えて、燃料電池毎に許容停止期間に応じた運転が行われることで、運転停止状態が連続する期間がその燃料電池にとって必要以上に短くならず、燃料電池を運転するときの省エネルギ性、経済性、環境性などが必要以上に低下しないことが確保される。
従って、燃料電池のセルの劣化を回避しつつ、燃料電池の特性に応じて、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることのできる燃料電池用の運転制御装置を提供できる。
本特徴構成では、運転制御装置が、燃料電池の運転形態判定対象期間を上記許容停止期間以下の長さに設定するので、少なくともその運転形態判定対象期間中に運転停止状態が最も長く連続したとしても、その運転停止状態が連続する長さは上記許容停止期間以下となる。つまり、断続運転形態及び待機形態の何れが選択されても、少なくとも1つの運転形態判定対象期間内では許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない。その結果、長期間停止状態の出現頻度を少なくできるので、カソードからアノードへ酸素が侵入する可能性を低く、即ち、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。
加えて、上記運転メリットを考慮して、燃料電池の運転形態が断続運転形態及び待機形態の何れかに決定されるので、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることができる。
尚、燃料電池を連続運転した場合は熱の発生が連続して行われるので、熱が過剰に余る可能性がある。そのため、過剰の熱を廃棄するためのラジエータなどの放熱手段を別途設けて、制御手段が適当なタイミングで放熱作動させるような対策が必要になることもある。これに対し、燃料電池を断続運転した場合は熱の発生も断続的に行われるので、熱が過剰に余る可能性は連続運転の場合に比べて低くなる。つまり、本特徴構成のように、燃料電池が連続運転されないのであれば、過剰の熱を廃棄するための放熱手段を設けないことも可能であり、その場合には、運転制御装置がその放熱手段を放熱作動させるような制御も不要である。従って、運転制御装置の機能を簡素化できる。
本発明に係る燃料電池用の運転制御装置の更に別の特徴構成は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を取得して記憶する記憶手段と、
取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
前記制御手段は、前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯とすると共に前記運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を前記許容停止期間以下に制限して前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、
決定した前記断続運転メリット及び前記待機メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する点にある。
上記特徴構成によれば、運転制御装置は、様々な燃料電池に対して用いられる汎用の装置ではあるが、実際に制御対象とする燃料電池に固有に定まる許容停止期間に応じて、その燃料電池に合った運転を行う。上記許容停止期間は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる関係にある。つまり、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど許容停止期間は短くなるので、運転制御装置が、燃料電池をその許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態の出現頻度を少なくすることで、燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇したときにカソードからアノードへ酸素が侵入する頻度を少なくできる。その結果、このような頻度調整を行わない場合と比較して、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。加えて、燃料電池毎に許容停止期間に応じた運転が行われることで、運転停止状態が連続する期間がその燃料電池にとって必要以上に短くならず、燃料電池を運転するときの省エネルギ性、経済性、環境性などが必要以上に低下しないことが確保される。
従って、燃料電池のセルの劣化を回避しつつ、燃料電池の特性に応じて、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることのできる燃料電池用の運転制御装置を提供できる。
本特徴構成では、運転制御装置が、断続運転形態において当該運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を上記許容停止期間以下に制限するので、断続運転形態を実施することで運転停止状態が最も長く連続したとしても、その運転停止状態が連続する長さは上記許容停止期間以下となる。つまり、断続運転形態及び待機形態のうちの断続運転形態が選択された場合、許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない。その結果、長期間停止状態の出現頻度を少なくできるので、カソードからアノードへ酸素が侵入する可能性を低く、即ち、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。
加えて、上記運転メリットを考慮して、燃料電池の運転形態が断続運転形態及び待機形態の何れかに決定されるので、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることができる。
尚、燃料電池を連続運転した場合は熱の発生が連続して行われるので、熱が過剰に余る可能性がある。そのため、過剰の熱を廃棄するためのラジエータなどの放熱手段を別途設けて、制御手段が適当なタイミングで放熱作動させるような対策が必要になることもある。これに対し、燃料電池を断続運転した場合は熱の発生も断続的に行われるので、熱が過剰に余る可能性は連続運転の場合に比べて低くなる。つまり、本特徴構成のように、燃料電池が連続運転されないのであれば、過剰の熱を廃棄するための放熱手段を設けないことも可能であり、その場合には、運転制御装置がその放熱手段を放熱作動させるような制御も不要である。従って、運転制御装置の機能を簡素化できる。
本発明に係る燃料電池用の運転制御装置の更に別の特徴構成は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を取得して記憶する記憶手段と、
取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態を出現させないように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
前記制御手段は、前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯とすると共に前記運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を前記許容停止期間以下に制限して前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、
決定した前記連続運転メリット及び前記断続運転メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を連続運転形態及び断続運転形態の何れかに決定する点にある。
上記特徴構成によれば、運転制御装置は、様々な燃料電池に対して用いられる汎用の装置ではあるが、実際に制御対象とする燃料電池に固有に定まる許容停止期間に応じて、その燃料電池に合った運転を行う。上記許容停止期間は、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる関係にある。つまり、運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど許容停止期間は短くなるので、運転制御装置が、燃料電池をその許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態の出現頻度を少なくすることで、燃料電池のカソード近傍での酸素濃度が上昇したときにカソードからアノードへ酸素が侵入する頻度を少なくできる。その結果、このような頻度調整を行わない場合と比較して、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。加えて、燃料電池毎に許容停止期間に応じた運転が行われることで、運転停止状態が連続する期間がその燃料電池にとって必要以上に短くならず、燃料電池を運転するときの省エネルギ性、経済性、環境性などが必要以上に低下しないことが確保される。
従って、燃料電池のセルの劣化を回避しつつ、燃料電池の特性に応じて、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることのできる燃料電池用の運転制御装置を提供できる。
本特徴構成では、運転制御装置が、断続運転形態において当該運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を上記許容停止期間以下に制限するので、断続運転形態において運転停止状態が最も長く連続したとしても、その運転停止状態が連続する長さは上記許容停止期間以下となる。つまり、連続運転形態及び断続運転形態の何れが選択されても燃料電池を運転形態判定対象期間内で許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態を出現させないことで、カソードからアノードへ酸素が侵入しないようにできる。その結果、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。
加えて、上記運転メリットを考慮して、燃料電池の運転形態が連続運転形態及び断続運転形態の何れかに決定されるので、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転させることができる。
本発明に係る燃料電池用の運転制御装置の更に別の特徴構成は、前記連続停止期間のうち、前記運転時間帯の前で連続して発生する第1連続停止期間は、当該運転形態判定対象期間の開始前に前記燃料電池が連続して停止していた期間と、当該運転形態判定対象期間の開始後であり且つ前記運転時間帯の前に前記燃料電池が連続して停止する期間との和であり、
前記連続停止期間のうち、前記運転時間帯の後で連続して発生する第2連続停止期間は、当該運転形態判定対象期間中であり且つ前記運転時間帯の後に前記燃料電池が連続して停止する期間である点にある。
上記特徴構成によれば、運転時間帯の前で連続して発生する第1連続停止期間は、当該運転形態判定対象期間の開始後に燃料電池が連続して停止する期間だけでなく、当該運転形態判定対象期間の開始前に燃料電池が連続して停止していた期間も含む。また、運転時間帯の後で連続して発生する第2連続停止期間は、当該運転形態判定対象期間中であり且つ運転時間帯の後に燃料電池が連続して停止する期間である。従って、当該運転形態判定対象期間の運転時間帯の前後で連続して発生する連続停止期間を適切に決定できる。
第1実施形態のコージェネレーションシステムの全体構成を示すブロック図である。 燃料電池システムの構成を示す図である。 コージェネレーションシステムの制御構成を示すブロック図である。 予測電力負荷及び予測熱負荷を示す図である。 運転周期における予測電力負荷及び予測熱負荷に対する燃料電池の運転状態及び熱利用状態を示す説明図である。 仮運転パターンを説明する図である。 第1実施形態の制御動作のフローチャートを示す図である。 予測熱負荷と予測エネルギ削減量との関係を示す図である。 第2実施形態における仮運転パターンと起動前連続停止期間及び停止後連続停止期間との関係を説明する図である。 第3実施形態のコージェネレーションシステムの全体構成を示すブロック図である。 第3実施形態の制御動作のフローチャートを示す図である。
以下に図面を参照して、各実施形態に共通する、本発明に係る運転制御装置が設けられるコージェネレーションシステムの構成について先ず説明する。それに引き続いて、第1実施形態から第4実施形態の運転制御装置による燃料電池の運転制御について各別に説明する。
図1は、コージェネレーションシステムの全体構成を示すブロック図である。図2は、コージェネレーションシステムが備える燃料電池システムの構成を概略的に示す図である。図3は、コージェネレーションシステムの制御構成を示すブロック図である。
図示するように、コージェネレーションシステム1は、熱と電気とを併せて発生する燃料電池FCを有する燃料電池システム50、及び、燃料電池システム50の運転を制御する燃料電池用の運転制御装置5を備える。また、コージェネレーションシステム1は、燃料電池FCが発生する熱を冷却水にて回収し、その冷却水を利用して、貯湯槽2への貯湯並びに給湯部3A及び熱消費端末3Bへの熱媒供給を行う貯湯ユニット4を備え、貯湯ユニット4の運転は運転制御装置5によって制御される。燃料電池FCで発生する電力は電力負荷装置9に供給され、燃料電池FCで発生する熱は熱負荷装置3(給湯部3A、熱消費端末3B)に供給される。
燃料電池システム50は、燃料電池FCと、その燃料電池FCの燃料となる水素を主成分とする燃料ガスを生成する燃料ガス生成装置51とを備える。本発明に係る燃料電池用の運転制御装置5は、燃料電池システム50の運転を制御するための汎用の装置である。そのため、様々な種類の燃料電池FCの運転を制御できるように構成されている。具体的には、運転制御装置5は、燃料電池FCの特性についての情報を受け付けて記憶するための記憶手段としてのメモリ5aと、そのメモリ5aに記憶した燃料電池FCの特性についての情報に応じて燃料電池FCの運転を制御する制御手段としての制御部5bとを備える。
上述した燃料電池FCの特性についての情報は、燃料電池FCと運転制御装置5とが通信可能に接続されたときに燃料電池FCから運転制御装置5へ自動的に転送されることでメモリ5aに記憶されるか、或いは、燃料電池FCと運転制御装置5とが通信可能に接続されたときに燃料電池FC又は運転制御装置5に設けられている入力装置(図示せず)を設置者が操作することで燃料電池FCから運転制御装置5へ転送されてメモリ5aに記憶される。
以下に説明する実施形態において、燃料電池FCの特性についての情報とは、後述するように、燃料電池FCを運転停止状態で維持し続けることが許容できる許容停止期間を表す燃料電池FCに固有の時間指標情報である。
燃料電池FCの電力の出力側には、系統連系用のインバータ6が設けられる。インバータ6は、燃料電池FCの発電電力を商用電源7から受電する受電電力と同じ電圧及び同じ周波数にする。また、インバータ6は、発電電力供給ライン10を介して受電電力供給ライン8に電気的に接続され、燃料電池FCからの発電電力がインバータ6及び発電電力供給ライン10を介して電力負荷装置9に供給される。テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷装置9に電力を供給する受電電力供給ライン8は商用電源7に接続される。
受電電力供給ライン8には、電力負荷装置9の負荷電力を計測する電力負荷計測手段11が設けられる。この電力負荷計測手段11は、受電電力供給ライン8を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否かをも検出する。そして、逆潮流が生じないように、インバータ6により燃料電池FCから受電電力供給ライン8に供給される電力が制御され、燃料電池FCの発電電力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ12に供給される。
電気ヒータ12は、複数の抵抗加熱器から構成され、冷却水循環ポンプ15の作動により冷却水循環路13を通流する燃料電池FCの冷却水を加熱する。電気ヒータ12のON/OFFは、インバータ6の出力側に接続された作動スイッチ14により切り換えられる。また、作動スイッチ14は、燃料電池FCの余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ12の消費電力が大きくなるように切り換えられる。
以下に、燃料電池システムの構成、燃料電池FCの停止移行工程、燃料電池FCの停止状態維持工程、貯湯ユニットの構成、及び、運転制御装置による燃料電池の運転制御について順に説明する。
〔燃料電池システムの構成〕
図2に示すように、燃料電池システム50は、燃料電池FCと、その燃料電池FCの燃料となる水素を主成分とする燃料ガスを生成する燃料ガス生成装置51とを備える。燃料ガス生成装置51は、メタンなどの炭化水素を含む原燃料ガスを改質器51aにおいて水蒸気改質して、水素を主成分とする燃料ガスを生成する。燃料ガス生成装置51は、図2に示している改質器51aの他にも、原料ガス中に含まれる硫黄化合物を除去するための脱硫器、水蒸気発生器、水蒸気改質により得られるガス中に含まれる一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去器などを備えるが、それらの説明は省略する。
燃料電池FCは、発電を行うセル52を備える。セル52は、水素を含む燃料ガスが供給されるアノード52aと酸化剤ガスが供給されるカソード52bとの間に電解質52cを設けて構成される。アノード52aへのガス供給路53には燃料ガス生成装置51が接続されている。燃料ガス生成装置51で生成された燃料ガスは、ガス供給路53を介して燃料電池FCに供給される。
アノード52aへのガス供給路53の途中には、燃料ガス用貯留水タンク54aを有する燃料ガス用加湿器54が設けられる。この燃料ガス用加湿器54は、燃料ガスが燃料ガス生成装置51からガス供給路53を通って燃料ガス用貯留水タンク54aに貯えられている貯留水の中に供給されて貯留水の表面に出てくる間に燃料ガスを貯留水に接触させて加湿する。燃料ガス用貯留水タンク54aの内部の貯留水表面上の空間はアノード52aと繋がっている。燃料ガス生成装置51からアノード52aへのガス供給路53の途中には、ガス供給路53におけるガスの流通を遮断又は許容する弁V2が設けられている。
アノード52aにおいて発電反応に用いられたガスは、ガス排出路57を介して燃料電池FCの外部に排出される。排出されたガスは、熱交換器(図示せず)において排熱回収された後、バーナ(図示せず)で燃焼するなどの排気処理に提供される。ガス排出路57の途中には、ガス排出路57におけるガスの流通を遮断又は許容する弁V3が設けられている。
カソード52bには、酸化剤ガスとしての空気がブロア59によってガス供給路55を介して供給される。ガス供給路55の途中には、酸化剤ガス用貯留水タンク56aを有する酸化剤ガス用加湿器56が設けられる。この酸化剤ガス用加湿器56は、ブロア59から供給される空気がガス供給路55を通って酸化剤ガス用貯留水タンク56aに貯えられている貯留水の中に供給されて貯留水の表面に出てくる間に酸化剤ガスを貯留水に接触させて加湿する。酸化剤ガス用貯留水タンク56aの内部の貯留水表面上の空間はカソード52bと繋がっている。
カソード52bにおいて発電反応に用いられたガスは、ガス排出路58を介して燃料電池FCの外部に排出される。排出されたガスは、熱交換器(図示せず)で排熱回収される。排出されたガスは、元々は周囲に存在する空気であるので、特別な排気処理は不要である。
加えて、燃料電池FCは、水量調節器60を有する。水量調節器60は、燃料ガス用貯留水タンク54aと酸化剤ガス用貯留水タンク56aとに供給される貯留水を蓄える水位調節用タンク62と、燃料ガス用貯留水タンク54aと酸化剤ガス用貯留水タンク56aとにおける貯留水の水位を調節する水位制御部61とを備える。水位調節用タンク62と燃料ガス用貯留水タンク54aとの間は流路63によって接続され、水位調節用タンク62と酸化剤ガス用貯留水タンク56aとの間は流路64によって接続される。
燃料ガス用貯留水タンク54aの内部側壁には、貯留水が最高水位以上になっているか否かを検出可能なレベルセンサ54bと、貯留水が最低水位を下回っているか否かを検出可能なレベルセンサ54cとが設けられている。同様に、酸化剤ガス用貯留水タンク56aの内部側壁には、貯留水が最高水位以上になっているか否かを検出可能なレベルセンサ56bと、貯留水が最低水位を下回っているか否かを検出可能なレベルセンサ56cとが設けられている。そして、水量調節器60の水位制御部61は、燃料電池FCの発電中、燃料ガス用貯留水タンク54aと酸化剤ガス用貯留水タンク56aとにおける貯留水の水位が上述した最高水位と最低水位との間にあるように調節している。
〔燃料電池FCの停止移行工程〕
燃料電池FCの運転を停止する停止移行工程は、インバータ6と燃料電池FCのセル52との電気的な接続を解除して、燃料電池FCでの発電により得られた電力の出力を停止する工程である。そのため、燃料電池FCでの発電により得られた電力の出力を停止する前に、燃料電池FCへの原料ガスの供給量及び酸化剤ガス(空気)の供給量を減少させる。その結果、改質器51aの内部で生成されるガスの量が減少し、改質器51aの圧力も低下する。また、燃料電池FCの温度(即ち、アノード52a及びカソード52bの温度)も徐々に低下する。
その後、ブロア59が停止されてカソード52bへの空気の供給が停止される。このとき、原料ガスは燃料ガス生成装置51に供給されており、燃料ガス生成装置51からアノード52aへの燃料ガスの供給は継続されている。よって、セル52では燃料ガスの供給量に比べて空気の供給量が非常に少ない状態になり、セル電圧が急激に減少する。セル電圧は、電圧センサ34によって検出できる。つまり、ここでは、カソード52bへの空気の供給を停止した状態でカソード52bに残留している空気(酸素)とアノード52aに残留している燃料ガス(水素)とが反応する。そして、インバータ6と燃料電池FCのセル52との電気的な接続を解除して、燃料電池FCでの発電により得られた電力の出力を停止する。
〔燃料電池FCの停止状態維持工程〕
燃料電池FCの停止状態を維持する停止状態維持工程では、設定タイミングでアノード52aへ水素含有ガスを供給する水素含有ガス供給処理を、カソード52bへのガスの供給を停止した状態で実施する。水素含有ガス供給処理は、燃料ガス生成装置51とアノード52aとの間のガスの流通が許容された状態で、燃料ガス生成装置51の内部のアノード52aへ通じるガス流通系統の所定部位を閉止し且つアノード52aからのガス排出路57を閉止するアノード隔離処理を実施している間の設定タイミングで実施する。具体的には、停止状態維持工程において、弁V2を開放して燃料ガス生成装置51とアノード52aとの間のガスの流通を許容した状態で、弁V1及び弁V3を閉止して燃料ガス生成装置51からアノード52aのガス排出路57までを併せて閉止するアノード隔離処理を実施する。そして、このアノード隔離処理を継続して実施している間、設定タイミングになると、弁V1を開放して原料ガスを燃料ガス生成装置51に流入させる。つまり、弁V1と弁V3とを閉止したアノード隔離処理を継続して実施している間の設定タイミングで、弁V1を開放することにより(即ち、アノード隔離処理を実施しているアノードの隔離状態を弁V1を開放して一時的に解除することにより)水素含有ガス供給処理を実施して、その後、アノードの隔離状態を再び設定するべくアノード隔離処理を実施する。燃料ガス生成装置51からアノード52aへガスを流入させることで、アノード52aの上流側へ残留していた水素含有ガスがアノード52aへ供給される水素含有ガス供給処理が実施される。
以上のようにして、アノード52aの圧力を水素含有ガスで保つことができるので、アノード52aへの外部からの空気の侵入を抑制でき、及び、アノード52aへのカソード52bからの酸素の侵入があったとしても、侵入した酸素がアノード52aに供給した水素含有ガスと反応して消費されるため、その酸素によってアノード52aが酸化されることを抑制できる。
水素含有ガス供給処理を所定期間実施した後、水素含有ガス供給処理を停止する。例えば、停止状態維持工程を開始してからの時間が所定時間に達したとき、又は、アノード52aの温度が所定温度(例えば、外気温度+5℃など)にまで低下したとき、水素含有ガス供給処理を所定期間実施したと判定する。そして、水素含有ガス供給処理を停止した後、燃料ガス生成装置51とアノード52aとの間のガスの流通が許容された状態(弁V2を開放した状態)で、燃料ガス生成装置51の内部のアノード52aへ通じるガス流通系統の所定部位を閉止し(弁V1を閉止し)且つアノード52aからのガス排出路57を閉止する(弁V3を閉止する)形態で燃料電池FCを保管する。
以上のように、アノード52aへ水素含有ガスを供給してアノード52aの圧力を高めることで、外部(例えば、カソード52bなど)からアノード52aへガス(例えば、酸素など)が侵入しに難くなる。よって、アノード52aの酸化が抑制されるので、アノード52aの劣化を抑制できる。
〔貯湯ユニットの構成〕
貯湯ユニット4は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する貯湯槽2、湯水循環路16を通して貯湯槽2内の湯水を循環させる湯水循環ポンプ17、熱源用循環路20を通して熱源用湯水を循環させる熱源用循環ポンプ21、熱媒循環路22を通して熱媒を熱消費端末3Bに循環供給させる熱媒循環ポンプ23、湯水循環路16を通流する湯水を加熱させる貯湯用熱交換器24、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させる熱源用熱交換器25、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱させる熱媒加熱用熱交換器26、貯湯槽2から取り出されて給湯路27を通流する湯水及び熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させる補助加熱器28などを備えて構成されている。
湯水循環路16は、貯湯槽2の底部と頂部とに接続されて、湯水循環ポンプ17により、貯湯槽2の底部から取り出した湯水を貯湯槽2の頂部に戻す形態で貯湯槽2の湯水を、途中に設けられた貯湯用熱交換器24を通して循環させる。湯水循環路16を通して循環される湯水を貯湯用熱交換器24にて加熱することにより、貯湯槽2に温度成層を形成する状態で湯水が貯湯される。湯水循環路16はその一部が並列になるように分岐接続され、その接続箇所には三方弁18が設けられる。分岐された一方側の流路には、ラジエータ19が設けられる。そして、三方弁18を切り換えることにより、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエータ19を通過するように循環させる状態と、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエータ19をバイパスするように循環させる状態とに切り換えられる。
給湯路27は、湯水循環路16における貯湯用熱交換器24よりも下流側の箇所を介して貯湯槽2に接続される。よって、貯湯槽2内の湯水は、給湯路27を通して浴槽、給湯栓、シャワー等の給湯部3Aに給湯される。貯湯槽2の底部には給水路29が接続され、貯湯槽2内の湯水が給湯路27を通して供給されるのに伴って、貯湯槽2に給水路29を介して給水される。
熱源用循環路20は、給湯路27の一部を共用する状態で循環経路を形成するように設けられる。熱源用循環路20の途中には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁40が設けられる。
補助加熱器28は、給湯路27における熱源用循環路20との共用部分に設けられた補助加熱用熱交換器28a、その補助加熱用熱交換器28aを加熱するバーナ28b、そのバーナ28bに燃焼用空気を供給するファン28c、補助加熱器28の運転を制御する燃焼制御部(図示せず)等を備えて構成される。この燃焼制御部は、補助加熱用熱交換器28aに供給される湯水を目標出湯温度に加熱して出湯すべく、バーナ28bへのガス燃料の供給量を調節する。
冷却水循環路13は、貯湯用熱交換器24側と熱源用熱交換器25側とに分岐される。その分岐箇所には、貯湯用熱交換器24側に通流させる冷却水の流量と熱源用熱交換器25側に通流させる冷却水の流量との割合を調整する分流弁30が設けられる。分流弁30は、冷却水循環路13の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させることができ、冷却水循環路13の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させることもできる。
貯湯用熱交換器24は、燃料電池FCの発生熱を回収した冷却水循環路13の冷却水を通流させることにより、湯水循環路16を通流する湯水を加熱させる。熱源用熱交換器25は、燃料電池FCの発生熱を回収した冷却水循環路13の冷却水を通流させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させる。熱媒加熱用熱交換器26は、熱源用熱交換器25や補助加熱器28にて加熱された熱源用湯水を通流させることにより、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱させる。熱消費端末3Bは、床暖房装置や浴室暖房装置などの暖房端末にて構成されている。
給湯路27には、給湯部3Aに湯水を給湯するときの給湯熱負荷を計測する給湯熱負荷計測手段31が設けられ、及び、熱消費端末3Bでの端末熱負荷を計測する端末熱負荷計測手段32も設けられている。尚、図示は省略するが、これら給湯熱負荷計測手段31及び端末熱負荷計測手段32は、通流する湯水や熱媒の温度を検出する温度センサと、湯水や熱媒の流量を検出する流量センサとを備えて構成され、温度センサの検出温度と流量センサの検出流量とに基づいて熱負荷を検出するように構成されている。
湯水循環路16における貯湯用熱交換器24よりも下流側の箇所に、貯湯用熱交換器24にて加熱されて貯湯槽2に供給される湯水の温度を検出する貯湯温度センサShが設けられている。
貯湯槽2には、その貯湯熱量の検出用として、貯湯槽2の上層部の上端位置の湯水の温度を検出する上端温度センサS1、貯湯槽2の上層部と中層部との境界位置の湯水の温度を検出する中間上位温度センサS2、貯湯槽2の中層部と下層部との境界位置の湯水の温度を検出する中間下位温度センサS3、及び、貯湯槽2の下層部の下端位置の湯水の温度を検出する下端温度センサS4が設けられ、更に、給水路29には、貯湯槽2に供給される水の給水温度を検出する給水温度センサSiが設けられている。
次に、運転制御部5による貯湯槽2の貯湯熱量の演算方法について説明する。
上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4夫々にて検出される貯湯槽2の湯水の温度を、夫々、T1、T2、T3、T4とし、給水温度センサSiにて検出される給水温度をTiとし、上層部、中層部、下層部夫々の容量をVとする。
上層部における重み係数をA1とし、中層部における重み係数をA2とし、下層部における重み係数をA3とし、エネルギ量の単位をワットとカロリー間で変換するための係数をα(例えば「860」に設定される)とすると、貯湯熱量(W)は、下記の(式1)にて演算することができる。
貯湯熱量={(A1×T1+(1−A1)×T2−Ti)×V
+(A2×T2+(1−A2)×T3−Ti)×V
+(A3×T3+(1−A3)×T4−Ti)×V}÷α・・・・・(式1)
重み係数A1、A2、A3は、貯湯槽2の各層における過去の温度分布データを考慮した経験値である。ここで、A1、A2、A3としては、例えば、A1=A2=0.2、A3=0.5である。A1=A2=0.2とは、上層部においては温度T2の影響が温度T1の影響よりも大きいことを示す。これは、上層部の8割の部分は温度T2に近く、2割の部分は温度T1に近いことを示す。これは、中層部においても同様である。下層部においては、温度T3とT4の影響が同じであることを示す。
運転制御装置5は、燃料電池FCの運転中には冷却水循環ポンプ15を作動させる状態で、燃料電池FCの運転を制御し、並びに、湯水循環ポンプ17、熱源用循環ポンプ21、熱媒循環ポンプ23、分流弁30及び熱源用断続弁40夫々の作動を制御することによって、貯湯槽2内に湯水を貯湯する貯湯運転や、熱消費端末3Bに熱媒を供給する熱媒供給運転を行う。
運転制御装置5は、熱消費端末3B用の端末用リモコン(図示せず)から運転の指令がされない状態では貯湯運転を行う。運転制御装置5は、その貯湯運転では、分流弁30を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換え且つ熱源用断続弁40を閉弁した状態で、貯湯温度センサShの検出情報に基づいて、貯湯槽2に供給される湯水の温度が予め設定された目標貯湯温度(例えば60°C)になるように湯水循環量を調節すべく、湯水循環ポンプ17の作動を制御する。そして、この貯湯運転により、目標貯湯温度の湯が貯湯槽2に貯湯される。
運転制御装置5は、端末用リモコンから運転が指令されると、熱媒供給運転を行う。運転制御装置5は、その熱媒供給運転では、熱源用断続弁40を開弁し、熱源用循環ポンプ21を予め設定された設定回転速度で作動させる状態で、熱消費端末3Bでの端末熱負荷に応じた量の冷却水を熱源用熱交換器25に通流させるように分流弁30を制御する。運転制御装置5は、熱媒供給運転を行う状態で、分流弁30が貯湯用熱交換器24側にも冷却水を通流させる状態に制御するときは、前述のように湯水循環ポンプ17の作動を制御して、熱媒供給運転に並行して貯湯運転を実行する。
運転制御装置5は、熱媒供給運転の実行中に端末用リモコンから運転の停止が指令されると、分流弁30を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換え、熱源用断続弁40を閉弁し、熱源用循環ポンプ21を停止させて、湯水循環ポンプ17を作動させることにより、熱媒供給運転から貯湯運転に切り換える。
そして、給湯路27を通して貯湯槽2の湯水が給湯部3Aに給湯されるとき、及び、熱媒供給運転の実行中は、補助加熱器28の燃焼制御部は、補助加熱用熱交換器28aに供給される湯水の温度が目標出湯温度よりも低いと、補助加熱用熱交換器28aに供給される湯水を目標出湯温度に加熱して出湯すべく、バーナ28bへのガス燃料の供給量を調節する。
更に、運転制御装置5は、貯湯運転の実行中に、下端温度センサS4の検出温度が予め設定した放熱作動用設定温度以上になると、貯湯槽2の底部にまで貯湯されて、貯湯槽2の貯湯量が満杯になった判定する。そして、運転制御装置5は、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエータ19を通過するように循環させる状態に三方弁18を切り換えると共にラジエータ19を作動させ、貯湯槽2の下部から取り出した湯水をラジエータ19にて放熱させたのち、貯湯用熱交換器24を通過させて加熱して、貯湯槽2に供給する。
<第1実施形態>
以下に、第1実施形態の運転制御装置による燃料電池の運転制御について説明する。
本実施形態の運転制御装置5は、燃料電池FCのセル52の劣化を回避しつつ、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で燃料電池FCを連続運転又は断続運転させるように燃料電池FCの運転制御を行う。
先ず、燃料電池FCのセル52の劣化の問題について以下に説明する。
燃料電池FCには、運転停止中にカソード52bの近傍での酸素濃度が上昇し易い構造の燃料電池や、運転停止中にカソード52bの近傍での酸素濃度が上昇し難い構造の燃料電池などがある。運転停止中にカソード52bでの酸素濃度が高くなると、カソード52bの近傍の酸素が電解質52cを介してアノード52aへと侵入して、アノード52aが酸化(劣化)する可能性がある。
前者の燃料電池は、例えば、カソード52bにつながるガス供給路55の気相容積が大きい(本実施形態の場合は、酸化剤ガス用貯留水タンク56aの内部の貯留水表面上からカソード52bまでの間の気相容積が大きい)構造の燃料電池である。このような構造の燃料電池では、燃料電池の運転を停止してカソード52bへの酸化剤ガスの供給を停止しても、その後、カソード52b近傍での酸素濃度が上昇し易い。具体的には、ガス供給路55中に残留している酸素量がその気相容積の大きさに応じて多くなっているため、運転停止直後にカソード52b近傍での酸素濃度が低くなっていても、その後、ガス供給路55側からの酸素の拡散やガス排出路58からの空気の逆流によってカソード52b近傍での酸素濃度の上昇が比較的起こり易くなる。
これに対し、後者の燃料電池は、例えば、カソード52bにつながるガス供給路55の気相容積が小さい構造であったり、ガス排出路58に空気逆流防止のための弁などを設けた構造の燃料電池である。このような構造の燃料電池では、燃料電池の運転を停止してカソード52bへの酸素の供給を停止すると、その後は、カソード52b近傍での酸素濃度が上昇し難い。具体的には、ガス供給路55中に残留している酸素量がその気相容積に応じて少なくなっているため、ガス供給路55側からカソード52b近傍への酸素の拡散が発生したとしても、カソード52b近傍での酸素濃度の上昇の程度は低くなる。
尚、運転停止中にカソード52b近傍に酸素が存在していても、アノード52aの近傍に水素含有ガスが満たされた状態であれば、カソード52bの近傍の酸素は電解質52cを介してアノード52aへと侵入せず、又は、逆にアノード52aの近傍の水素が電解質52cを通ってカソード52bへ侵入するため、アノード52aの酸化(劣化)は抑制される。或いは、カソード52bの近傍の酸素が電解質52cを介してアノード52aへと侵入しても、アノード52aの近傍に存在する水素と反応して消費されるため、アノード52aの酸化(劣化)は抑制される。例えば、燃料電池FCの燃料ガスとして用いられる水素を生成するための燃料ガス生成装置51が燃料電池FCに接続されている場合、運転停止中に燃料ガス生成装置51から燃料電池FCのアノード52aまでの間を一体で封止すれば、その封止された空間には水素が多く存在しているので長期間にわたってアノード52a近傍に水素が残留している状態を維持できる。その結果、アノード52aの酸化が防止される。
但し、燃料電池FCを上述したような断続運転する場合、燃料電池FCが長期間にわたって停止されると、燃料ガス生成装置51から燃料電池FCのアノード52aまでの間に残留している水素が、カソード52b側へと侵入することで又はアノード52a側へ侵入してきた酸素を消費するのに用いられることで徐々に減少してくる。従って、運転停止中にカソード52b近傍での酸素濃度が上昇し易い構造の燃料電池であれば、次第にカソード52b近傍での酸素濃度を充分に低下させることができなくなって、カソード52bからアノード52aへ酸素が侵入することによるアノード52aの酸化(劣化)が発生し得る。
尚、燃料電池FCが長期間にわたって停止されないような運転制御を実施する運転制御装置5であれば、即ち、燃料電池FCの断続運転を行う場合に運転停止状態が連続する期間を短くする制御を行う運転制御装置5であれば、上述したような問題は生じない。
しかし、運転制御装置5は、様々な燃料電池に対して用いられる汎用の装置であるため、燃料電池が長期間にわたって停止されないような運転制御をあらゆる燃料電池に対して一律に実施するのは問題である。例えば、上述したような運転停止中にカソード52b近傍での酸素濃度が上昇し難い構造の燃料電池であれば、カソード52b近傍での酸素濃度が長期間にわたって充分に低下した状態を維持できるため、省エネルギ性、経済性、環境性などを考慮して運転停止状態が長く連続するような断続運転も選択されるべきである。ところが、燃料電池の運転停止状態を短く制限するような運転制御をあらゆる燃料電池に対して一律に実施すると、運転停止中にカソード52bの近傍での酸素濃度が上昇し難い構造の燃料電池については、運転停止状態が必要以上に短く制限されるために省エネルギ性、経済性、環境性などが悪化してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、運転制御装置5が、様々な構造の燃料電池を、セル52の劣化を回避しつつ、省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で運転制御するために、燃料電池の特性についての情報に応じた運転制御を行う。
ここで、セル52の劣化を回避できるか否かは、燃料電池を運転制御装置5がどのような形態で運転するのかによる。例えば、運転停止中にカソード52bの近傍での酸素濃度が上昇し易い構造の燃料電池の場合、燃料電池の運転を停止してから長い時間が経過すると、燃料ガス生成装置51から燃料電池FCのアノード52aまでの間に残留している水素がカソード52b側へと侵入することで又はアノード52a側へ侵入してきた酸素を消費するのに用いられることで徐々に減少してくると共にカソード52bの近傍での酸素量が多くなるので、カソード52bからアノード52aへ酸素が侵入し易くなる。つまり、セル52の劣化を回避するという目的を達成するためには、運転停止中にカソード52bの近傍での酸素濃度が上昇し易い構造の燃料電池の場合、燃料電池の連続する運転停止期間は短い方が好ましい。
これに対し、運転停止中にカソード52bの近傍での酸素濃度が上昇し難い構造の燃料電池の場合、燃料電池の運転を停止してから長い時間が経過してもカソード52bの近傍での酸素量が少ないので、カソード52bからアノード52aへ酸素が侵入し難くなる。つまり、セル52の劣化を回避するという目的を達成するためには、運転停止中にカソード52bの近傍での酸素濃度が上昇し難い構造の燃料電池の場合、燃料電池FCの連続する運転停止期間の長短は大きな問題とはならない。
本実施形態では、燃料電池FCを設置するとき、運転制御装置5は、その燃料電池FCがどのような特性を有するのかを示す情報を取得して、記憶手段としてのメモリ5aに記憶する。
具体的には、運転制御装置は、燃料電池FCと共に設置されるとき、燃料電池FCを運転停止状態で維持し続けることが許容できる許容停止期間を表す燃料電池FCに固有の時間指標情報を取得してメモリ5aに記憶する。この許容停止期間は、運転停止中における燃料電池FCのカソード52b近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる関係で設定される。そして、運転制御装置5の制御部5bは、取得してメモリ5aに記憶した時間指標情報に応じて、上記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように燃料電池FCの運転を制御する。本実施形態では、運転制御装置5の制御部5bは、後述する燃料電池FCの運転形態判定対象期間を上記許容停止期間以下の長さに設定する。
上記時間指標情報としての許容停止期間は、燃料電池FCの装置構成などによって変化し得るが、例えば36時間などの時間を特定する形態の情報である。本実施形態において、許容停止期間は、予め実験結果により得られる、カソード52bの近傍の酸素濃度が設定レベル以上になるまでの期間を元に決定する。
このような設定により、運転形態判定対象期間の全てで燃料電池FCの運転が停止されても、1つの運転形態判定対象期間内において連続して発生する運転停止期間は上記許容停止期間以下となる。尚、連続する2つの運転形態判定対象期間に跨って燃料電池FCが許容停止期間以上の長さ連続して停止される可能性はある。しかし、断続運転形態が選択されても少なくとも1つの運転形態判定対象期間内では許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない(或いは、待機形態が選択されても少なくとも1つの運転形態判定対象期間内では許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない)。その結果、長期間停止状態の出現頻度を少なくできるので、カソードからアノードへ酸素が侵入する可能性を低く、即ち、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。
そして、運転制御装置5は、上記許容停止期間以下の長さに設定された燃料電池FCの運転形態判定対象期間の開始時点において、時系列的な予測電力負荷、時系列的な予測熱負荷、燃料電池FCの運転による消費エネルギ(以下、運転時消費エネルギと記載する場合がある)、燃料電池FCを起動するときの起動時消費エネルギ、及び、燃料電池FCを停止するときの停止時消費エネルギと待機時消費電力とに基づいて、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯として燃料電池FCを断続運転すると仮定して上記運転時間帯及び上記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定する運転メリット演算処理を実行する。加えて、運転制御装置5は、運転メリット演算処理において、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定できる。尚、本実施形態では、最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定しているが、最も大きい運転メリットを断続運転メリットとして決定することに限定されない。例えば、2番目に大きい又は3番目に大きい運転メリットなどを断続運転メリットとして決定するように改変してもよい。
そして、運転制御装置5は、運転メリット演算処理にて決定した連続運転メリット及び断続運転メリットに基づいて、選択条件により、燃料電池FCの運転モード(運転形態に相当する)を連続運転モード(連続運転形態に相当する)及び断続運転モード(断続運転形態に相当する)のいずれかに定める運転モード設定処理を実行する。本実施形態では、選択条件が、燃料電池FCの運転モードを連続運転メリット及び断続運転メリットのうちの運転メリットが高い方に対応する運転モードに定める条件に設定されている。運転制御装置5は、その運転モード設定処理にて定めた運転モードにて燃料電池FCを運転する。また、運転制御装置5は、運転モード設定処理において上記待機メリットを考慮する場合、後述するように待機メリット並びに連続運転メリット及び断続運転メリットに基づいて、燃料電池FCの運転形態を待機モード(待機形態に相当する)、連続運転モード及び断続運転モードのいずれかに定めることができる。
起動時消費エネルギは、燃料ガス生成装置51を構成する改質器51a及び一酸化炭素除去器(図示せず)等を夫々における処理が可能なように設定された温度にウオームアップするのに要するエネルギを含む。停止時消費エネルギは、燃料電池FCを停止させる際に燃料ガス生成装置51のガス通流経路を水素を含有するガスで封止する際に要するエネルギ、具体的には、ファン、ポンプ、バルブ等を駆動するエネルギを含む。
以下の説明では、運転周期が1日に設定され、運転形態判定対象期間が、連続する2回の運転周期にて構成され、及び、運転周期が複数の単位時間にて構成され、その単位時間が1時間に設定されている。また、運転メリットは、燃料電池FCを運転することによるエネルギ削減量とする。尚、運転形態判定対象期間は、上述したように上記許容停止期間以下の長さに設定されたものである。
そして、本実施形態では、制御部5bが、運転メリット演算処理において、燃料電池FCを連続運転すると仮定したときの連続運転メリットを、運転形態判定対象期間の開始時点において燃料電池FCが運転中であるか否かに拘わらず、起動時消費エネルギを消費しないとする形態で求めるように構成され、且つ、運転形態判定対象期間の開始時点に引き続く時間帯を運転時間帯として仮定するときの運転メリットを、運転形態判定対象期間の開始時点において燃料電池FCが運転中であるか否かに拘わらず、起動時消費エネルギを消費するものとして求める形態で、最も運転メリットが大きくなる時間帯を運転時間帯として仮定したときの断続運転メリットを求める。
また、制御部5bが、運転形態判定対象期間を構成する複数の運転周期の夫々に区分けして、予測電力負荷及び予測熱負荷を管理するように構成され、且つ、燃料電池FCを連続運転すると仮定したときの連続運転メリットを、停止時消費エネルギを消費しないとする形態で、複数の運転周期のうちの最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷に基づいて求めるように構成され、且つ、最初の運転周期内に運転時間帯を1つ設定する形態で、最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷に基づいて求めた運転メリットが最も高くなるように最初の運転周期内に定めた運転時間帯についての運転メリット、及び、最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷並びに複数の運転周期のうちの最初の運転周期に後続する運転周期の予測熱負荷に基づいて求めた運転メリットが最も高くなるように最初の運転周期内に定めた運転時間帯についての運転メリットのうちの高い方の運転メリットを、最も運転メリットが高くなる時間帯を運転時間帯として仮定したときの断続運転メリットとして求める。
更に、制御部5bが、運転形態判定対象期間の開始時点において燃料電池FCの運転形態を断続運転モードに定めたときは、その断続運転モードの運転時間帯を設定する運転時間帯設定処理を実行するように構成され、その運転時間帯設定処理においては、断続運転モードの運転時間帯を最初の運転周期内に1つ設定するように構成され、且つ、運転形態判定対象期間の開始時点に引き続く時間帯を運転時間帯として仮定するときの運転メリットを、運転形態判定対象期間の開始時点において燃料電池FCが運転中であるときには起動時消費エネルギを消費しないとしかつ燃料電池FCが停止中であるときには起動時消費エネルギを消費するものとして求める形態で、最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷に基づいて求めた運転メリットが最も高い運転時間帯、及び、最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷並びに複数の運転周期のうちの最初の運転周期に後続する運転周期の予測熱負荷に基づいて求めた運転メリットが最も高い運転時間帯のうち、運転メリットが高い方の運転時間帯を断続運転モードの運転時間帯として設定する。
つまり、断続運転モードの運転時間帯は、運転形態判定対象期間を構成する複数の運転周期のうちの最初の運転周期内に1つ設定されることから、断続運転モードでは、運転形態判定対象期間の間に燃料電池FCが1回停止されることになるので、断続運転メリットは、停止時消費エネルギを消費するとする形態で求められることになる。
尚、断続運転モードにおいて、最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷に基づいて求めた運転メリットが最も高くなるように最初の運転周期内に運転時間帯を定めるモードを、1日毎断続運転モードと記載し、最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷並びに複数の運転周期のうちの最初の運転周期に後続する運転周期の予測熱負荷に基づいて求めた運転メリットが最も高くなるように最初の運転周期内に運転時間帯を定めるモードを、2日毎断続運転モードと記載する場合がある。
更に、運転制御装置5は、運転周期の開始時点毎に、複数の運転周期にて構成される運転形態判定対象期間を更新して、運転周期の開始時点毎に、運転モード設定処理を実行するように構成されている。
更に、運転制御装置5は、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを停止させて運転を待機させると仮定したときの待機メリットを管理して、その管理している待機メリット並びに連続運転メリット及び断続運転メリットに基づいて、燃料電池FCの運転形態を待機モード(待機形態に相当する)、連続運転モード及び断続運転モードのいずれかに定めるように構成されている。
〔運転モード設定処理〕
以下に、運転制御装置5の制御部5bが行う運転モード設定処理の詳細について説明する。
先ず、時系列的な過去電力負荷データ及び時系列的な過去熱負荷データを管理して、その管理データに基づいて、時系列的な予測電力負荷データ及び時系列的な予測熱負荷データを求めるデータ管理処理について説明する。本実施形態において、熱負荷は、給湯部3Aに湯水を給湯するときの給湯熱負荷と、熱消費端末3Bでの端末熱負荷とを合わせたものとして求められる。
制御部5bは、実電力負荷データ、実給湯熱負荷データ及び実端末熱負荷データを運転周期及び単位時間に対応付けて不揮発性のメモリ5aに記憶する。それにより、制御部5bは、過去の時系列的な電力負荷データ及び過去の時系列的な熱負荷データを、設定期間(例えば、運転日前の4週間)にわたって、運転周期毎に単位時間毎に対応付けて管理し、及び、過去の時系列的な電力負荷データ及び熱負荷データの管理データに基づいて、予測電力負荷データ及び予測熱負荷データを、運転形態判定対象期間を構成する複数の運転周期の夫々に区分けして管理できる。
但し、本実施形態では、予測電力負荷データは、運転形態判定対象期間を構成する複数の運転周期の最初の運転周期についてのみ管理し、予測熱負荷データは、運転形態判定対象期間を構成する複数の運転周期の全てについて、運転周期に区分けして管理するように構成されている。実電力負荷は、電力負荷計測手段11の計測値及びインバータ6の出力値に基づいて計測され、実給湯熱負荷は給湯熱負荷計測手段31にて計測され、実端末熱負荷は端末熱負荷計測手段32にて計測される。
そして、制御部5bは、運転形態判定対象期間の開始時点(各運転周期の開始時点(例えば午前3時)に相当する)において、時系列的な過去電力負荷データ及び時系列的な過去熱負荷データの管理データに基づいて、運転形態判定対象期間を構成する複数の運転周期のうちの最初の運転周期の時系列的な予測電力負荷データ及び時系列的な予測熱負荷データ並びに複数の運転周期のうちの最初の運転周期に後続する運転周期(以下、2回目の運転周期と記載する場合がある)の時系列的な予測熱負荷データを夫々単位時間毎に求めて、メモリ5aに記憶するように構成されている。
例えば、図4に示すように、制御部5bは、運転形態判定対象期間の開始時点において、最初の運転周期の予測電力負荷データ及び予測熱負荷データを単位時間毎に求めるように構成されている。
〔運転メリット演算処理〕
次に、連続運転メリットとしての連続運転モード時の予測エネルギ削減量、断続運転メリットとしての断続運転モード時の予測エネルギ削減量を演算する運転メリット演算処理について説明する。制御部5bは、連続運転モード時の予測エネルギ削減量として、負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量、及び、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量を求める。
負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量は、運転形態判定対象期間の全時間帯において、燃料電池FCの発電電力を予測電力負荷に対して追従させる電主運転を実行すると仮定したときの予測エネルギ削減量である。
抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量は、運転形態判定対象期間の全時間帯において予測電力負荷に追従させる電主運転を実行すると仮定したときに、予測熱負荷に対して燃料電池FCの発生熱が余る熱余り状態が予測される場合に、運転形態判定対象期間の一部の時間帯において燃料電池FCの出力を予測電力負荷に追従した電主出力よりも小さい抑制出力に設定すると仮定したときの予測エネルギ削減量である。
熱余り状態とは、例えば、貯湯槽2内に貯湯されている湯水が満杯であり、ラジエータ19を作動させる状態や、熱媒供給運転中に燃料電池FCから出力される熱が熱消費端末3Bで要求されている端末熱負荷よりも大きくて、貯湯槽2内に貯湯されている湯水が満杯であり、ラジエータ19を作動させる状態である。制御部5bは、運転周期における予測電力負荷及び予測熱負荷を求め、その予測電力負荷に対応して連続的に電主運転を実行することを想定して、燃料電池FCの発生熱が予測熱負荷に対して余る熱余り状態が発生するか否かを判断すると共に、その熱余り状態が発生する時間帯を熱余り時間帯として求める。
制御部5bは、燃料電池FCを運転するときには、1分以下等の比較的短い所定の出力調整周期毎に、現在要求されている現電力負荷を求め、最小出力(例えば300W)から最大出力(例えば1000W)の範囲内で、連続的に現電力負荷に追従する電主出力を決定し、燃料電池FCの発電電力をその決定した電主出力に調整する形態で、現電力負荷に追従させる電主運転を実行する。現電力負荷は、電力負荷計測手段11の計測値及びインバータ6の出力値に基づいて計測し、更に、その現電力負荷は、前の出力調整周期において所定のサンプリング時間(例えば5秒)でサンプリングしたデータの平均値として求められる。
また、制御部5bは、断続運転モードにおいては、燃料電池FCを運転するときには電主運転を実行する。
制御部5bは、ある燃料電池FCの仮運転パターンに対して、予測電力負荷及び予測熱負荷についてのエネルギの削減量である予測エネルギ削減量を演算可能に構成されている。
つまり、制御部5bは、予め設定された仮運転パターンにおける運転時間帯において燃料電池FCを運転する形態で予測電力負荷に対して電主運転を実行すると仮定して、燃料電池FCの時系列的な予測発電電力及び予測発生熱を演算する。そして、制御部5bは、下記の式2に示すように、燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量を基準に、燃料電池FCを仮運転パターンで運転した場合のエネルギ消費量の削減量を、予測エネルギ削減量として演算する。
予測エネルギ削減量P=燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1−燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2・・・・・・・(式2)
燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1は、下記の式3に示すように、予測電力負荷の全てを商用電源7からの受電電力で賄う場合の商用電源7におけるエネルギ消費量と、予測熱負荷の全てを補助加熱器28の発生熱で賄う場合のエネルギ消費量との和として求められる。
E1=予測電力負荷/商用電源7の発電効率+予測熱負荷/補助加熱器28の発熱効率・・・・・・・(式3)
一方、燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2は、予測電力負荷及び予測熱負荷を燃料電池FCの予測発電電力及び予測発生熱で賄う場合の燃料電池FCの消費エネルギである運転時消費エネルギと、予測電力負荷から予測発電電力を差し引いた分に相当する不足電力負荷を商用電源7からの受電電力で賄う場合の商用電源7におけるエネルギ消費量と、予測熱負荷から予測発生熱のうちの予測熱負荷として利用される予測利用熱量を差し引いた分に相当する不足熱負荷を補助加熱器28の発生熱で賄う場合のエネルギ消費量との和に、起動時消費エネルギを消費するとする場合は、その起動時消費エネルギを加え、停止時消費エネルギを消費するとする場合は、その停止時消費エネルギを加えて求められる。
つまり、本実施形態では、連続運転メリットとしての連続運転モード時の予測エネルギ削減量は、上述したように、運転形態判定対象期間の開始時点において燃料電池FCが運転中であるか否かに拘わらず、起動時消費エネルギを消費しないとし、且つ、停止時消費エネルギは消費しないとする形態で求めるので、連続運転モードにて燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2は、下記の式4に示すように、起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギの両方を加えない起動時/停止時両エネルギ非消費用の演算式にて求められる。
E2=運転時消費エネルギ+不足電力負荷/商用電源7の発電効率+不足熱負荷/補助加熱器28の発熱効率……………(式4)
また、本実施形態では、断続運転メリットとしての断続運転モード時の予測エネルギ削減量は、上述したように、運転形態判定対象期間の開始時点において燃料電池FCが運転中であるか否かに拘わらず起動時消費エネルギを消費するとし、且つ、停止時消費エネルギを消費するとする形態で求める。従って、断続運転モードにて燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2は、下記の式5に示すように、起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギの両方を加える起動時/停止時両エネルギ消費用の演算式にて求められる。
E2=運転時消費エネルギ+不足電力負荷/商用電源7の発電効率+不足熱負荷/補助加熱器28の発熱効率+起動時消費エネルギ+停止時消費エネルギ……………(式5)
燃料電池FCの起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギは、燃料電池FCに固有の値であり、予め、実験等により求められてメモリ5aに記憶されている。例えば、起動時消費エネルギは1900Whに、停止時消費エネルギは200Whに夫々設定されている。
〔予測エネルギ削減量Pの演算〕
次に、上述した予測エネルギ削減量Pを求める方法について説明する。
図6に示すように、運転形態判定対象期間を構成する複数の運転周期のうちの最初の運転周期内に運転時間帯を1つ設定する仮運転パターンの全てがメモリ5aに記憶されている。仮運転パターンは、運転時間帯と非運転時間帯とで構成される。
例えば、運転形態判定対象期間の開始時点(運転モード設定処理タイミング)を午前3時とすると、午前3時〜午前4時の時間(単位時間1)から運転を開始させるパターンとして、午前3時〜午前4時の時間(単位時間「1」)を運転時間帯とするパターン1(起動時刻が午前3時、停止時刻が午前4時)や、午前3時〜午前5時の時間帯(単位時間「1」及び「2」)を運転時間帯とするパターン2(起動時刻が午前3時、停止時刻が午前5時)、午前3時〜午前6時の時間帯(単位時間「1」、「2」及び「3」)を運転時間帯とするパターン3・・・午前3時〜次の日の午前3時の時間帯(単位時間「1」〜「24」)を運転時間帯とするパターン24の24種類がある。また、午前4時〜午前5時の時間(単位時間「2」)から運転開始させるパターンとして、この単位時間「2」を運転時間帯とするパターン25、午前4時〜午前6時の時間帯(単位時間「2」及び「3」)を運転時間帯とするパターン26・・・午前4時〜次の日の午前3時の時間帯(単位時間「2」〜「24」)を運転時間帯とするパターン47の23種類がある。このように、運転周期の最後の午前2時〜午前3時の時間帯(単位時間「24」)を運転時間帯とするパターン300まで、仮運転パターンは、パターン1からパターン300までの300種類のものがある。
図5に示すように、運転形態判定対象期間のうちの最初の運転周期における24の単位時間夫々について、予測電力負荷(a)及び予測熱負荷(m)を求め、更に、運転形態判定対象期間のうちの最初の運転周期に後続する運転周期における夫々の単位時間について、予測熱負荷(m)を求め、仮運転パターンにおいて設定される運転時間帯に含まれる単位時間の夫々について、燃料電池FCの電主出力(b)をその予測電力負荷(a)に対して追従する形態で求める。尚、予測電力負荷が燃料電池FCの最小出力以下である場合には、電主出力(b)はその最小出力に設定されると共に、その差分が余剰電力量(i)として求められる。一方、予測電力負荷が燃料電池FCの最大出力以上である場合には、電主出力(b)はその最大出力に設定されると共に、その差分が不足電力量(c)として求められる。
運転時間帯に含まれる夫々の単位時間において、電主出力(b)を燃料電池FCの発電効率(e)にて除することにより、燃料電池FCの一次エネルギ消費量である運転時消費エネルギ(g)を求めると共に、その運転時消費エネルギ(g)と燃料電池FCの発熱効率(f)を乗ずることにより燃料電池FCの発生熱量(d)を求める。
運転時間帯以外の夫々の単位時間においては、電主出力(b)は0に設定されるので、運転時消費エネルギ(g)及び発生熱量(d)は0となる。
更に、最初の運転周期の夫々の単位時間において、貯湯槽2の最大容量以下の範囲内で、上記のような発生熱量(d)から排熱ロス(h)を差し引いたものを積算し、更に、それに余剰電力量(i)から求めた電気ヒータ12の発生熱量を加えたものから、貯湯槽2において放熱される貯湯放熱量(l)と、予測熱負荷(m)として利用された予測利用熱量(n)と、を差し引いた分を、貯湯槽2に貯えられる貯湯熱量(k)として求め、更に、貯湯槽2の最大容量を超える分の熱量をラジエータ19で放熱される余剰熱量(j)として求める。但し、運転形態判定対象期間の開始時点における貯湯熱量は、上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4及び給水温度センサSi夫々の検出温度に基づいて、上記の式1に基づいて求められる。
また、最初の運転周期に後続する運転周期の夫々の単位時間については、最初の運転周期における最終の単位時間の貯湯熱量(k)が継続して予測熱負荷(m)として利用される状態を想定して、前の単位時間の貯湯熱量(k)から、貯湯放熱量(l)と、予測熱負荷(m)として利用された予測利用熱量(n)とを差し引いた分を、次の単位時間の貯湯熱量(k)として求める。
〔負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量P〕
負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pは、以下のようにして求める。
先ず、負荷追従連続運転モードにて燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2は、運転周期の全時間帯にわたって予測電力負荷に追従させる電主運転を行ったとして、最初の運転周期における運転時消費エネルギ(g)の合計と、不足電力量(c)の合計と、予測熱負荷(m)と予測利用熱量(n)との差として求められる不足熱負荷の合計とを、式4の起動時/停止時両エネルギ非消費用の演算式に代入することにより求められる。
また、最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷に基づいて、式3により、燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1が求められる。
そして、上述のように求めた燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1及び燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を式2に代入することにより、負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pが求められる。
〔抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量P〕
抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pは、以下のようにして求める。
先ず、抑制連続運転モードにて燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を、以下のようにして求める。
最初の運転周期内において熱余り時間帯以前に、燃料電池FCの出力を予測電力負荷に追従した電主出力よりも小さい抑制出力に設定する抑制時間帯を1つ設定する形態で、複数段階に設定した抑制出力、抑制時間帯を異ならせて形成される全ての抑制用仮運転パターンの夫々について、上述のように、運転時消費エネルギ(g)の合計と、不足電力量(c)の合計と、予測熱負荷(m)と予測利用熱量(n)との差として求められる不足熱負荷の合計とを求めて、式4の起動時/停止時両エネルギ非消費用の演算式に代入することにより、抑制用仮運転パターンの夫々について、エネルギ消費量E2を求めると共に、熱余り状態が発生する熱余り時間帯が生じるか否かを判断する。
また、最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷に基づいて、式3により、燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1を求める。
そして、熱余り時間帯が生じない全ての抑制用仮運転パターンの夫々について、上述のように求めた燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1及び燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を式2に代入することにより、予測エネルギ削減量Pを求め、求めた予測エネルギ削減量Pのうちの最大のものを抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pとする。
〔断続運転モード時の予測エネルギ削減量P〕
断続運転モード時の予測エネルギ削減量Pは、以下のようにして求める。
メモリ5aに記憶されている全ての仮運転パターンの夫々について、各仮運転パターンにて設定されている運転時間帯において予測電力負荷に追従させる電主運転を行ったとして、燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を、最初の運転周期における運転時消費エネルギ(g)の合計と、不足電力量(c)の合計と、予測熱負荷(m)と予測利用熱量(n)との差として求められる不足熱負荷の合計とを、式5の起動時/停止時両エネルギ消費用の演算式に代入することにより求める。
最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷に基づいて、式3により、燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1を求める。
そして、仮運転パターンの夫々について、上述のように求めた燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1及び燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を式2に代入することにより、予測エネルギ削減量Pを求め、求めた予測エネルギ削減量Pのうちの最大のものを1日毎断続運転モード時の予測エネルギ削減量とする。
また、メモリ5aに記憶されている全ての仮運転パターンについて、夫々について求めた予測エネルギ削減量Pに、最初の運転周期に後続する運転周期における予測利用熱量(n)の合計を補助加熱器28の発生熱で賄う場合のエネルギ消費量を加えた値を、運転形態判定対象期間を構成する運転周期の数である2で割ることにより1運転周期(1日)当たりの予測エネルギ削減量を求め、求めた予測エネルギ削減量のうちの最大のものを2日毎断続運転モード時の予測エネルギ削減量Pとする。
そして、1日毎断続運転モード時の予測エネルギ削減量P及び2日毎断続運転モード時の予測エネルギ削減量Pのうち、大きい方を断続運転モード時の予測エネルギ削減量Pとして求める。
ところで、燃料電池FCを停止させていても、例えば発電可能な状態に維持しておく等のために、エネルギ(電力)が消費されるものであり、運転周期内の全時間帯において燃料電池FCを停止させているときにコージェネレーションシステム1にて消費されるエネルギを待機時消費エネルギZとして、予め実験等により求めてある。
負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量、断続運転モード時の予測エネルギ削減量が、負の値として求められる場合がある。
そして、例えば、負の値として求められた負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量が、待機時消費エネルギZの負の値よりも大きい場合は、燃料電池FCを負荷追従連続運転モードにて運転した方が運転を待機させるよりも省エネルギとなり、逆に、負の値として求められた負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量が、待機時消費エネルギZの負の値よりも小さい場合は、燃料電池FCを負荷追従連続運転モードにて運転するよりも運転を待機させる方が省エネルギとなるので、待機時消費エネルギZを待機メリットとして用いることが可能である。
そこで、運転制御装置5のメモリ5aに、待機メリットとして待機時消費エネルギZを記憶させてある。つまり、制御部5bが、待機メリットとして待機時消費エネルギZを管理するように構成されている。
本実施形態において、待機時消費エネルギZは、例えば下記の式にて求めることができる。
Z=待機時の消費電力×待機時間/商用電源7の発電効率
そして、制御部5bは、上述のように求めた負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量及び断続運転モード時の予測エネルギ削減量のうちの最大のものが待機時消費エネルギZの負の値よりも大きい場合は、それら負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量及び断続運転モード時の予測エネルギ削減量のうちの予測エネルギ削減量が最大のものに対応する運転モードに燃料電池FCの運転モードを定め、或いは、負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量及び断続運転モード時の予測エネルギ削減量のうちの最大のものが待機時消費エネルギZの負の値以下の場合は燃料電池FCの運転モードを待機モードに定める。
図8に、連続運転モード時の予測エネルギ削減量及び断続運転モード時の予測エネルギ削減量の夫々を、電力負荷を設定量とした状態で、熱負荷に応じて求めた結果を示す。
図8において、Lc1は、連続運転モード時の予測エネルギ削減量を起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギを消費しないとして求めたものであり、Lc2は、連続運転モード時の予測エネルギ削減量を起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギを消費するとして求めたものである。
また、図8において、Li1は、断続運転モード時の予測エネルギ削減量を起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギを消費しないとして求めたものであり、Li2は、断続運転モード時の予測エネルギ削減量を起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギを消費するとして求めたものである。
図8のLc1、Li2に示すように、連続運転モード時の予測エネルギ削減量を起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギを消費しないとして求め、断続運転モード時の予測エネルギ削減量を起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギを消費するとして求めると、予測熱負荷がQ以上のときは、連続運転モード時の予測エネルギ削減量が断続運転モード時の予測エネルギ削減量以上になって、燃料電池FCの運転モードが連続運転モードに定められ、予測熱負荷がQよりも小さいときは、断続運転モード時の予測エネルギ削減量が連続運転モード時の予測エネルギ削減量よりも大きくなって、燃料電池FCの運転モードが断続運転モードに定められるようになる。
しかしながら、図8のLc1、Lc2、Li1、Li2から分かるように、連続運転モード時の予測エネルギ削減量を起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギを消費するとして求めると、断続運転モード時の予測エネルギ削減量を起動時消費エネルギ及び停止時消費エネルギを消費するとして求める場合及び消費しないとして求める場合のいずれと比較しても、連続運転モード時の予測エネルギ削減量が断続運転モード時の予測エネルギ削減量よりも大きくなることがなく、燃料電池FCの運転モードが連続運転モードに定められることがない。
従って、燃料電池FCを連続運転すると仮定したときの連続運転メリットを、運転形態判定対象期間の開始時点において燃料電池FCが運転中であるか否かに拘わらず、起動時消費エネルギを消費しないとする形態で求め、且つ、運転形態判定対象期間の開始時点に引き続く時間帯を運転時間帯として仮定するときの運転メリットを、運転形態判定対象期間の開始時点において燃料電池FCが運転中であるか否かに拘わらず、起動時消費エネルギを消費するものとして求める形態で、最も運転メリットが高くなる時間帯を運転時間帯として仮定したときの断続運転メリットを求めるようにすることにより、予測電力負荷及び予測熱負荷が燃料電池FCの運転モードを連続運転モードに定めるべき状態であるときには、燃料電池FCの運転モードを連続運転モードに定められるようにすることができるようになり、燃料電池FCの運転モードを連続運転モード及び断続運転モードのいずれかに適切に定めることができる。
本実施形態において、図8のLc1は、連続運転メリットを停止時消費エネルギを消費しないとして求め、Li2は断続運転メリットを停止時消費エネルギを消費するとして求めた結果を示すものであるが、起動時消費エネルギに対して停止時消費エネルギがかなり小さくて、停止時消費エネルギを消費するかしないかにより、運転メリットの演算値に与える影響は小さい。従って、連続運転メリット及び断続運転メリットの夫々を求めるに当たって、停止時消費エネルギの扱いを変えたとしても、起動時消費エネルギを消費しないとする形態で求めた連続運転メリットと、起動時消費エネルギを消費するとする形態で求めた断続運転メリットとの関係は、図8のLc1とLi2との関係に類似したものとなる。よって、上述のように、予測電力負荷及び予測熱負荷が燃料電池FCの運転モードを連続運転モードに定めるべき状態であるときには、燃料電池FCの運転モードを連続運転モードに定められる。
〔運転時間帯設定処理〕
次に、燃料電池FCの運転モードを断続運転モードに定めたときに実行する運転時間帯設定処理について、説明する。
即ち、燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を求める演算式として、下記の式6に示すように、起動時消費エネルギを加えず且つ停止時消費エネルギを加える起動時非消費/停止時消費用の演算式が設定されている。
E2=運転時消費エネルギ+不足電力負荷/商用電源7の発電効率+不足熱負荷/補助加熱器28の発熱効率+停止時消費エネルギ・・・・・(式6)
そして、運転形態判定対象期間の開始時点において燃料電池FCが運転中のときは、メモリ5aに記憶されている仮運転パターンにおいて設定数N1(例えば2個)以上の単位時間を運転時間帯とする全ての仮運転パターンのうち、運転形態判定対象期間の開始時点に引き続く時間帯を運転時間帯として仮定する仮運転パターン夫々については、燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を式6の起動時非消費/停止時消費用の演算式により求め、その他の仮運転パターン夫々については、燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を、式5の起動時/停止時両エネルギ消費用の演算式により求める。
また、運転形態判定対象期間の開始時点において燃料電池FCが停止中のときは、メモリ5aに記憶されている仮運転パターンにおいて設定数N1以上の単位時間を運転時間帯とする全ての仮運転パターンの夫々について、燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を、式5の起動時/停止時両エネルギ消費用の演算式により求める。
最初の運転周期の予測電力負荷及び予測熱負荷に基づいて、式3により、燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1を求める。
そして、設定数N1以上の単位時間を運転時間帯とする全ての仮運転パターンの夫々について、上述のように求めた燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1及び燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を式2に代入することにより、予測エネルギ削減量Pを求め、求めた予測エネルギ削減量Pのうち最大の仮運転パターンの運転時間帯を1日毎断続運転モードの運転時間帯とする。
また、設定数N1以上の単位時間を運転時間帯とする全ての仮運転パターンの夫々について、夫々について求めた予測エネルギ削減量Pに、最初の運転周期に後続する運転周期における予測利用熱量(n)の合計を補助加熱器28の発生熱で賄う場合のエネルギ消費量を加えた値を、運転形態判定対象期間を構成する運転周期の数である2で割ることにより1運転周期当たりの予測エネルギ削減量Pを求め、求めた予測エネルギ削減量Pが最大の仮運転パターンの運転時間帯を2日毎断続運転モードの運転時間帯とする。
そして、1日毎断続運転モードの運転時間帯及び2日毎断続運転モードの運転時間帯のうち、予測エネルギ削減量Pが大きい方の運転時間帯を断続運転モードの運転時間帯として設定する。
次に、図7に示すフローチャートに基づいて、運転モード選択処理について説明する。
以下に具体的に説明するように、運転制御装置5の制御部5bは、図7のステップ#1〜#6、#9、#16において、上記許容停止期間以下の長さに設定した運転形態判定対象期間の開始時点において、時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯として燃料電池FCを断続運転すると仮定して運転時間帯及び非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、決定した連続運転メリット及び断続運転メリット及び待機メリットに基づいて、燃料電池FCの運転形態を連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する。ここで、燃料電池FCの運転形態が待機形態に決定され、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCが停止されても、運転形態判定対象期間は上記許容停止期間以下に設定されているので、アノードの酸化(劣化)は抑制される。
以下に、図7に示すフローチャートについて具体的に説明する。
制御部5bは、運転周期の開始時点(例えば、午前3時)になる毎に、運転形態判定対象期間を、その開始時点から引き続く2回の運転周期にて構成するように更新して、運転モード選択処理を実行する。
つまり、運転周期の開始時点になる毎に、上述のようにデータ管理処理を実行して予測電力負荷データ及び予測熱負荷データを求め、上述のように運転メリット演算処理を実行して、負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc1、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc2、及び、断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piを演算し、それらのうちの最大のものが待機時消費エネルギZの負の値「−Z」よりも大きいか否かを判断することにより、負荷追従連続運転モード、抑制連続運転モード及び断続運転モードのうちのいずれか1つを実行した方が、運転周期の全時間帯において燃料電池FCを停止させる待機モードを実行するよりも省エネルギになるかを判断する(ステップ#1〜#4)。
つまり、負荷追従連続運転モードや抑制連続運転モードや断続運転モードを実行したときのエネルギ消費量が燃料電池FCを運転しないときのエネルギ消費量よりも多くなって、負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc1や、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc2や、断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piが負の値として求められる場合があるが、それらの正負に拘らず、負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc1、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc2及び断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piのうちの最大のものが待機時消費エネルギZの負の値「−Z」よりも大きいときは、負荷追従連続運転モード、抑制連続運転モード及び断続運転モードのいずれかを実行した方が待機モードを実行するよりも省エネルギになる。
そして、ステップ#4にて、負荷追従連続運転モード、抑制連続運転モード及び断続運転モードのいずれかを実行した方が待機モードを実行するよりも省エネルギになると判断したときは、ステップ#5にて、負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc1、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc2及び断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piのうち、断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piが最大か否かを判断し、断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piが最大でない場合は、燃料電池FCの運転モードを、負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc1及び抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc2のうちエネルギ削減量が大きい方に対応する運転モードに設定する、つまり、連続運転モードに設定することになる(ステップ#6)。
また、詳細は後述するが、負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc1、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc2及び断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piのうち、断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piが最大であると判断すると、燃料電池FCの運転モードを断続運転モードに設定することになり、選択条件が、連続運転メリット及び断続運転メリットのうち運転メリットが高い方に対応する運転モードに定める条件に定められている。
ステップ#5において、負荷追従連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc1、抑制連続運転モード時の予測エネルギ削減量Pc2及び断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piのうち、断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piが最大であると判断すると、ステップ#7において、運転周期の開始時点における貯湯熱量にてその運転周期の予測熱負荷を賄える程度を示す熱負荷賄い率U/Lを求め、ステップ#8では、その求めた熱負荷賄い率U/Lと下位設定値Kとを比較して、熱負荷賄い率U/Lが下位設定値Kよりも大きいときは、待機条件を満たすと判断し、熱負荷賄い率U/Lが下位設定値K以下のときは、待機条件を満たさないと判断する。
本実施形態において、熱負荷賄い率U/LのLは、最初の運転周期の各単位時間の予測熱負荷(m)を合計することにより求めた最初の運転周期の予測熱負荷である。
また、熱負荷賄い率U/LのUは、燃料電池FCの発生熱量(d)を0として、最初の運転周期の予測熱負荷のうち、最初の運転周期の開始時点における貯湯熱量にて賄えると予測される予測利用熱量である。
例えば、最初の運転周期の開始時点が、図5(b)にて示す運転周期の開始時点の状態であると仮定すると、Lは、図5(b)に示す如き、運転周期の全単位時間(時間0〜23)の予測熱負荷(m)を合計した値となり、Uは、図5(b)に示す如き、運転周期の全単位時間(時間0〜23)の予測利用熱量(n)を合計した値となる。
尚、下位設定値Kは、例えば、0.4に設定する。
つまり、貯湯槽2からは放熱があることから、最初の運転周期の開始時点における貯湯槽2の貯湯熱量にて最初の運転周期における予測熱負荷を賄える程度を示す熱負荷賄い率を求めるに当たっては、最初の運転周期の開始時点の貯湯槽2の貯湯熱量そのものを用いるよりも、最初の運転周期の予測熱負荷のうち、最初の運転周期の開始時点における貯湯熱量にて賄えると予測される予測利用熱量Uを用いる方が、貯湯槽2からの放熱を考慮することができるので、熱負荷賄い率を適切に求めることができる。
そして、ステップ#8で待機条件を満たさないと判断したときは、燃料電池FCの運転モードを断続運転モードに設定し、上述したように運転時間帯設定処理を実行して、断続運転モードの運転時間帯を設定する(ステップ#9、ステップ#10)。
また、ステップ#8で待機条件を満たすと判断したときは、ステップ#11で、燃料電池FCが運転中か否かを判断して、運転中のときは、ステップ#12にて、熱負荷賄い率U/Lが下位設定値Kよりも大きい上位設定値M(例えば0.9)よりも大きいか否かを判断して、大きくないと判断したときは、ステップ#13において、燃料電池FCの運転を継続する運転継続条件を満たすか否かを判断する。
つまり、メモリ5aに記憶されている仮運転パターンのうち、開始時点に引き続き且つ個数が1〜設定数N2(例えば10個)の単位時間からなる時間帯を運転時間帯として仮定する全ての仮運転パターンの夫々について、運転時間帯に予測電力負荷に追従させる電主運転を実行したとして、最初の運転周期における最終の単位時間の貯湯熱量が0になるか否かを判断し、その貯湯熱量が0になる仮運転パターンが存在するときは、最初の運転周期の最終の単位時間の貯湯熱量が0よりも大きくなる熱余り状態になることなく、燃料電池FCの運転を継続することが可能であり、運転継続条件を満たすと判断し、その貯湯熱量が0になる仮運転パターンが存在しないときは、運転継続条件を満たさないと判断する。
そして、ステップ#13において、運転継続条件を満たすと判断すると、ステップ#14において、燃料電池FCの運転モードを、その燃料電池FCの運転を運転継続時間継続する運転継続モードに設定し、ステップ#15において、運転継続時間を設定する運転継続時間設定処理を実行する。
運転継続時間設定処理では、ステップ#13にて最初の運転周期における最終の単位時間の貯湯熱量が0になると判断した仮運転パターンのうち、予測エネルギ削減量Pが最大となる仮運転パターンの運転時間帯を運転継続時間に設定する。
つまり、ステップ#13にて最初の運転周期における最終の単位時間の貯湯熱量が0になると判断した仮運転パターンの夫々について、燃料電池FCを運転した場合のエネルギ消費量E2を式6の起動時非消費/停止時消費用の演算式により求めて、その求めたエネルギ消費量E2及び式3により求めた燃料電池FCを運転しない場合のエネルギ消費量E1を式2に代入することにより、予測エネルギ削減量Pを求め、求めた予測エネルギ削減量Pが最大の仮運転パターンの運転時間帯を運転継続時間に設定する。
ステップ#4にて、待機モードを実行した方が省エネルギになると判断したとき、ステップ#11にて、燃料電池FCが停止中であると判断したとき、ステップ#12にて、熱負荷賄い率U/Lが上位設定値Mよりも大きいと判断したとき、ステップ#13にて、運転継続条件を満たさないと判断したときは、待機モードに設定する(ステップ#16)。
運転制御装置5は、運転モード設定処理にて、燃料電池FCの運転モードを負荷追従連続運転モードに設定したときは、運転周期の全時間帯にわたって現電力負荷に追従させる電主運転を実行し、抑制連続運転モードに設定したときは、運転周期のうちで抑制時間帯においては燃料電池FCの発電出力を設定抑制出力に調節し、他の時間帯では現電力負荷に追従させる電主運転を実行し、断続運転モードに設定したときは、運転時間帯設定処理にて設定した運転時間帯において現電力負荷に追従させる電主運転を実行し、運転継続モードに設定したときは、運転継続時間設定処理にて設定した運転継続時間の間現電力負荷に追従させる電主運転を実行する形態で、燃料電池FCの運転を継続し、待機モードに設定したときは、次の運転周期の全時間帯にわたって燃料電池FCの運転を停止させる。
つまり、運転周期の開始時点になる毎に運転モード設定処理を実行し、その運転モード実行処理では、上述のように、熱負荷賄い率U/Lが下位設定値Kよりも大きくて待機条件を満たすと判断したときに、燃料電池FCが停止中であると判断した場合、燃料電池FCが運転中で且つ熱負荷賄い率U/Lが上位設定値Mよりも大きいと判断した場合、及び、燃料電池FCが運転中で且つ熱負荷賄い率U/Lが上位設定値M以下で且つ運転継続条件を満たさないと判断した場合のいずれかの場合では、待機モードに設定するように構成されているので、先の運転モード設定処理にて2日毎断続運転モードに設定されて、今回の運転モード設定処理を行う時点が2日毎断続運転モードにおける2回目の運転周期の開始時点に相当するときに、その運転モード判定処理にて前述のように待機モードに設定されると、その2日毎断続運転モードにおける2回目の運転周期の全時間帯にわたって燃料電池FCが停止されることになり、2日毎断続運転モードが実行される。
また、2日毎断続運転モードにおいてその1回目の運転周期における実際の熱負荷が予測熱負荷よりも多くなって、熱負荷賄い率U/Lが下位設定値K以下で待機条件を満たさないと判断されると、新たに、断続運転モードに設定されることになる。
また、熱負荷賄い率U/Lが下位設定値Kよりも大きくて待機条件を満たすと判断したときに、燃料電池FCが運転中で且つ熱負荷賄い率U/Lが上位設定値M以下で且つ運転継続条件を満たすと判断されると、最初の運転周期における最終の単位時間になっても熱余り状態にならないように燃料電池FCの運転が継続されるので、起動時消費エネルギを消費することなく、最初の運転周期の熱負荷を十分に賄うことが可能となり、省エネルギ性を一段と向上することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態の運転制御装置は、断続運転メリットの決定手法が第1実施形態と異なる。以下に、第2実施形態の運転制御装置によって行われる制御の内容について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第1実施形態では、運転形態判定対象期間が、燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる許容停止期間以下に設定されていたが、本実施形態では、運転形態判定対象期間に制約は設けない。但し、本実施形態では、断続運転パターンの運転時間帯と非運転時間帯との組み合わせを決定するとき、当該運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を許容停止期間以下に制限する。そうすることで、少なくとも断続運転形態においては燃料電池が許容停止期間以上の長さにわたって連続して停止されることはなくなる。
つまり、運転制御装置5の制御部5bは、燃料電池FCの運転形態判定対象期間の開始時点において、時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯とすると共に運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を許容停止期間以下に制限して燃料電池FCを断続運転すると仮定して運転時間帯及び非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、決定した連続運転メリット及び断続運転メリット及び待機メリットに基づいて、燃料電池FCの運転形態を連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する。尚、本実施形態では、最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定しているが、最も大きい運転メリットを断続運転メリットとして決定することに限定されない。例えば、2番目に大きい又は3番目に大きい運転メリットなどを断続運転メリットとして決定するように改変してもよい。
上記運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を許容停止期間以下に制限するときの例について以下に説明する。
図9は、第2実施形態における仮運転パターンと起動前連続停止期間及び停止後連続停止期間との関係を説明する図である。図9では、図6と同様に、運転形態判定対象期間の開始時点(即ち、運転モード設定処理タイミング)からの仮運転パターン(運転形態判定対象期間内の最初の運転周期における仮運転パターン)を例示している。加えて、図9には、燃料電池FCの起動前連続停止期間T1(本発明の「第1連続停止期間」に相当)と、燃料電池FCの停止後連続停止期間T2(本発明の「第2連続停止期間」に相当)についても例示する。
起動前連続停止期間T1は、仮運転パターンで設定されている運転時間帯の前に連続して発生する連続停止期間のことである。運転制御装置5の制御部5bは、起動前連続停止期間T1を、今回の運転形態判定対象期間の開始前に燃料電池FCが連続して停止していた期間と、今回の運転形態判定対象期間の開始後であり且つ運転時間帯の前に燃料電池FCが連続して停止する期間との和で決定する。言い換えると、起動前連続停止期間T1は、今回の運転モード設定処理タイミングまで連続的に停止していた実績時間t1と、今回の仮運転パターン内での、運転開始するまでに停止している時間と、の和で決定される。図9において、t1は、運転モード設定処理タイミングまで連続的に停止していた実績時間を指す。運転制御装置5の制御部5bは、自身で燃料電池FCの運転を制御しているので、このt1の値を知っている。また、図9において、t2は、運転形態判定対象期間に相当する時間から最初の運転周期に相当する時間を減算した時間を指す。例えば、運転周期を1日間に設定し、運転形態判定対象期間を連続する2回の運転周期(即ち、2日間)に設定したとき、t2は24時間(=48時間−24時間)となる。図9に示した例において、仮運転パターン1に着目した場合、今回の仮運転パターン内での、運転開始するまでに停止している時間は0時間であるので、起動前連続停止期間T1は(t1+0)となる。また、仮運転パターン35に着目した場合、今回の仮運転パターン内での、運転開始するまでに停止している時間は1時間であるので、起動前連続停止期間T1は(t1+1)となる。
停止後連続停止期間T2は、仮運転パターンで設定されている運転時間帯の後に連続して発生する連続停止期間のことである。運転制御装置5の制御部5bは、停止後連続停止期間T2を、今回の運転形態判定対象期間中であり且つ運転時間帯の後に燃料電池FCが連続して停止する期間で決定する。言い換えると、停止後連続停止期間T2は、今回の仮運転パターン内での運転停止後の時間と、上記時間t2と、の和で決定される。図9に示した例において、仮運転パターン1に着目した場合、今回の仮運転パターン内での運転停止後の時間は23時間であるので、停止後連続停止期間T2は(23+t2)となる。また、仮運転パターン35に着目した場合、今回の仮運転パターン内での運転停止後の時間は12時間であるので、停止後連続停止期間T2は(12+t2)となる。
以上のように、起動前連続停止期間T1は、特定の仮運転パターンに従って燃料電池FCを運転するとき、その仮運転パターンにおける運転時間帯の前に発生すると予測される連続停止期間を表す。また、停止後連続停止期間T2は、特定の仮運転パターンに従って燃料電池FCを運転するとき、その仮運転パターンにおける運転時間帯の後に発生すると予測される連続停止期間を表す。運転制御装置5は、仮運転パターンの中から、起動前連続停止期間T1と停止後連続停止期間T2との両方が、許容停止期間を超えていない仮運転パターンを抽出し、その中から最も運転メリットの高いものを断続運転の運転パターンとして選択する。
従って、燃料電池FCが断続運転されるとしても、上記運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間が許容停止期間以下に制限されるので、断続運転形態を実施することで燃料電池FCの運転停止状態が最も長く連続したとしても、その運転停止状態が連続する長さは許容停止期間以下となる。よって、連続運転形態及び断続運転形態の何れかが選択されるのであれば(即ち、待機形態が選択されないのであれば)、燃料電池FCを運転形態判定対象期間内で許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない。尚、待機形態が選択される可能性があるのであれば、例えば、ある運転形態判定対象期間において断続運転形態が選択されて燃料電池FCが連続して運転停止され、その直後の運転形態判定対象期間において待機形態が選択された場合には、連続する2つの運転形態判定対象期間に跨って燃料電池FCが許容停止期間以上の長さ連続して停止される可能性はある。しかし、少なくとも連続運転形態及び断続運転形態が選択されていれば、燃料電池FCを許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない。その結果、カソード52bからアノード52aへ酸素が侵入する可能性を低く、即ち、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。
<第3実施形態>
第3実施形態の運転制御装置は、連続運転モードを選択しない点で第1実施形態と異なる。以下に、第3実施形態の運転制御装置によって行われる制御の内容について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図10は、第3実施形態の運転制御装置が設けられるコージェネレーションシステムの全体構成を示すブロック図である。図11は、第3実施形態の制御動作のフローチャートを示す図である。
図10に示すように、第3実施形態の運転制御装置5が設けられるコージェネレーションシステムは、ラジエータを備えていない。つまり、第1実施形態では、運転制御装置5は、貯湯槽2の貯湯量が満杯になった判定したとき、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエータ19を通過するように循環させると共にラジエータ19を作動させ、貯湯槽2の下部から取り出した湯水をラジエータ19にて放熱させていた。これに対し、本実施形態では、貯湯槽2の貯湯量が満杯になったときに湯水の放熱を行うためのラジエータを備えていないため、貯湯槽2の貯湯量が満杯になり難いような制御、即ち、連続運転モードを選択しないような制御を予め行っている。
つまり、第1実施形態のように、燃料電池FCを連続運転する場合は熱の発生が連続して行われるので、貯湯槽2における蓄熱量が過剰になる可能性がある。貯湯槽2における蓄熱量が過剰になった場合には、ラジエータで放熱させる必要がある。これに対し、燃料電池FCを断続運転した場合は熱の発生も断続的に行われるので、貯湯槽2における蓄熱量が過剰になる可能性は燃料電池FCを連続運転する場合に比べて低くなる。従って、燃料電池FCが連続運転されないのであれば、貯湯槽2における蓄熱量が過剰になった場合に必要なラジエータを設けないことも可能となる。従って、運転制御装置5の制御部5bがそのラジエータを放熱作動させるような制御も不要となるので、制御部5bの機能を簡素化できる。
具体的には、第1実施形態では、運転制御装置5が、燃料電池FCの運転モード(運転形態に相当する)を連続運転モード(連続運転形態に相当する)及び断続運転モード(断続運転形態に相当する)のいずれかに定める運転モード設定処理、或いは、燃料電池FCの運転モード(運転形態に相当する)を連続運転モード(連続運転形態に相当する)及び断続運転モード(断続運転形態に相当する)及び待機モード(待機形態に相当する)のいずれかに定める運転モード設定処理を実行していたが、本実施形態では、運転制御装置5は、断続運転モード及び待機モードのいずれかに定める運転モード設定処理を実行する。
つまり、運転制御装置5の制御部5bは、図11のステップ#1〜#4、#9、#16において、上記許容停止期間以下の長さに設定した燃料電池FCの運転形態判定対象期間の開始時点において、時系列的な予測電力負荷と、時系列的な予測熱負荷とに基づいて、運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯として燃料電池FCを断続運転すると仮定して運転時間帯及び非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、決定した断続運転メリット及び待機メリットに基づいて、燃料電池FCの運転形態を断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する。尚、本実施形態では、最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定しているが、最も大きい運転メリットを断続運転メリットとして決定することに限定されない。例えば、2番目に大きい又は3番目に大きい運転メリットなどを断続運転メリットとして決定するように改変してもよい。
以下、図11に示すフローチャートに基づいて、第3実施形態の運転モード選択処理について説明する。図11示すフローチャートは、第1実施形態で説明した図7のフローチャートから連続運転モードに関する処理を省いたものである。
運転制御装置5の制御部5bは、運転周期の開始時点(例えば、午前3時)になる毎に、運転形態判定対象期間を、その開始時点から引き続く2回の運転周期にて構成するように更新して、運転モード選択処理を実行する。
まず、ステップ#1〜#4において、運転制御装置5の制御部5bは、運転周期の開始時点になる毎に、予測電力負荷データ及び予測熱負荷データを求め、運転メリット演算処理を実行して、断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piを演算し、それらのうちの最大のものが待機時消費エネルギZの負の値「−Z」よりも大きいか否かを判断することにより、断続運転モードを実行した方が、運転周期の全時間帯において燃料電池FCを停止させる待機モードを実行するよりも省エネルギになるかを判断する。つまり、断続運転モードを実行したときのエネルギ消費量が燃料電池FCを運転しないときのエネルギ消費量よりも多くなって、断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piが負の値として求められる場合があるが、それらの正負に拘らず、断続運転モード時の予測エネルギ削減量Piが待機時消費エネルギZの負の値「−Z」よりも大きいときは、断続運転モードを実行した方が待機モードを実行するよりも省エネルギになる。
そして、ステップ#4にて、断続運転モードを実行した方が待機モードを実行するよりも省エネルギになると判断したときは、ステップ#7において、運転周期の開始時点における貯湯熱量にてその運転周期の予測熱負荷を賄える程度を示す熱負荷賄い率U/Lを求め、ステップ#8では、その求めた熱負荷賄い率U/Lと下位設定値Kとを比較して、熱負荷賄い率U/Lが下位設定値Kよりも大きいときは、待機条件を満たすと判断し、熱負荷賄い率U/Lが下位設定値K以下のときは、待機条件を満たさないと判断する。
そして、ステップ#8で待機条件を満たさないと判断したときは、燃料電池FCの運転モードを断続運転モードに設定し、上述したように運転時間帯設定処理を実行して、断続運転モードの運転時間帯を設定する(ステップ#9、ステップ#10)。
また、ステップ#8で待機条件を満たすと判断したときは、ステップ#11で、燃料電池FCが運転中か否かを判断して、運転中のときは、ステップ#12にて、熱負荷賄い率U/Lが下位設定値Kよりも大きい上位設定値M(例えば0.9)よりも大きいか否かを判断して、大きくないと判断したときは、ステップ#13において、燃料電池FCの運転を継続する運転継続条件を満たすか否かを判断する。
そして、ステップ#13において、運転継続条件を満たすと判断すると、ステップ#14において、燃料電池FCの運転モードを、その燃料電池FCの運転を運転継続時間継続する運転継続モードに設定し、ステップ#15において、運転継続時間を設定する運転継続時間設定処理を実行する。
運転継続時間設定処理では、ステップ#13にて最初の運転周期における最終の単位時間の貯湯熱量が0になると判断した仮運転パターンのうち、予測エネルギ削減量Pが最大となる仮運転パターンの運転時間帯を運転継続時間に設定する。
ステップ#4にて、待機モードを実行した方が省エネルギになると判断したとき、ステップ#11にて、燃料電池FCが停止中であると判断したとき、ステップ#12にて、熱負荷賄い率U/Lが上位設定値Mよりも大きいと判断したとき、ステップ#13にて、運転継続条件を満たさないと判断したときは、待機モードに設定する(ステップ#16)。
以上のように、運転制御装置5の制御部5bが、燃料電池FCの運転形態判定対象期間を上記許容停止期間以下の長さに設定するので、その1つの運転形態判定対象期間中に運転停止状態が最も長く連続したとしても、その運転停止状態が連続する長さは上記許容停止期間以下となる。尚、連続する2つの運転形態判定対象期間に跨って燃料電池FCが許容停止期間以上の長さ連続して停止される可能性はある。しかし、断続運転形態及び待機形態の何れが選択されても少なくとも1つの運転形態判定対象期間内では許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない。その結果、長期間停止状態の出現頻度を少なくできるので、カソードからアノードへ酸素が侵入する可能性を低く、即ち、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。
<第4実施形態>
第4実施形態の運転制御装置は、断続運転メリットの決定手法が第3実施形態と異なる。以下に、第4実施形態の運転制御装置によって行われる制御の内容について説明するが、第3実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第3実施形態では、運転形態判定対象期間が、燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる許容停止期間以下に設定されていたが、本実施形態では、運転形態判定対象期間に制約は設けない。但し、本実施形態では、断続運転パターンの運転時間帯と非運転時間帯との組み合わせを決定するとき、当該運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を許容停止期間以下に制限する。そうすることで、少なくとも断続運転形態においては燃料電池が許容停止期間以上の長さにわたって連続して停止されることはなくなる。
つまり、運転制御装置5の制御部5bは、運転形態判定対象期間の開始時点において、時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯とすると共に運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を許容停止期間以下に制限して燃料電池FCを断続運転すると仮定して運転時間帯及び非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、決定した断続運転メリット及び待機メリットに基づいて、燃料電池FCの運転形態を断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する。尚、本実施形態では、最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定しているが、最も大きい運転メリットを断続運転メリットとして決定することに限定されない。例えば、2番目に大きい又は3番目に大きい運転メリットなどを断続運転メリットとして決定するように改変してもよい。
従って、燃料電池FCが断続運転されるとしても、上記運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間が許容停止期間以下に制限されるので、断続運転形態を実施することで燃料電池FCの運転停止状態が最も長く連続したとしても、その運転停止状態が連続する長さは許容停止期間以下となる。尚、例えば、ある運転形態判定対象期間において断続運転形態が選択されて燃料電池FCが連続して運転停止され、その直後の運転形態判定対象期間において待機形態が選択された場合には、連続する2つの運転形態判定対象期間に跨って燃料電池FCが許容停止期間以上の長さ連続して停止される可能性はある。しかし、断続運転形態が選択されていれば、燃料電池FCを許容停止期間より長い期間連続して運転停止させる長期間停止状態は出現しない。その結果、カソード52bからアノード52aへ酸素が侵入する可能性を低く、即ち、アノードの酸化(劣化)を抑制できる。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において、運転制御装置5の制御部5bが、連続運転メリットを決定するとき、実際に導出された運転メリットの値よりも大きい値に決定するように改変してもよい。つまり、カソード52bからアノード52aへの酸素の侵入についての問題は、断続運転が行われている間の運転停止期間中に発生する問題であり、連続運転が行われている間はそのような問題は発生しない。従って、運転制御装置5の制御部5bは、連続運転メリットを実際に導出された運転メリットの値よりも大きい値に決定することで、上述したステップ#5において連続運転モードの方を選択され易くする。
或いは、運転制御装置5の制御部5bが、上述したステップ#5において、連続運転メリットがマイナスの値でなければ、連続運転モードを選択するように改変してもよい。
燃料電池FCが連続運転モードで運転されている限りはカソード52bからアノード52aへの酸素の侵入についての問題は発生しない。よって、上述した何れの改変例においても、アノード52aの酸化(劣化)を抑制できる。
<2>
上記実施形態では、図10に示したようなラジエータを備えていないコージェネレーションシステムにおいて燃料電池FCを連続運転させない例について説明したが、図10に示したようなラジエータを備えていないコージェネレーションシステムにおいて燃料電池FCを連続運転させてもよい。その場合、運転制御装置5は、例えば貯湯槽2に設けた温度センサの検出結果に基づいて貯湯槽2の貯湯量が満杯になった判定すると、燃料電池FCを停止させて熱の発生を停止させればよい。
<3>
上記実施形態において、コージェネレーションシステム1が、燃料電池FCが運転停止状態にあるときのカソード52bの近傍での酸素濃度が設定レベル以上であるか否かを判定する判定部を備え、運転制御装置5が、その判定部がカソード52bの近傍での酸素濃度が上記設定レベル以上であると判定した場合、燃料電池FCの運転停止状態の維持を解消するように構成してもよい。
例えば、上記判定部は、カソード52bの近傍での酸素濃度に関する情報を検出する酸素情報検出センサを有し、その酸素情報検出センサの検出結果に基づいて燃料電池FCが運転停止状態にあるときのカソード52bの近傍での酸素濃度が上記設定レベル以上であるか否かを判定する装置で構成される。具体的には、この判定部は、燃料電池FCの出力電圧(セル電圧)を検出する電圧センサ34で構成される。
電圧センサ34が判定部として機能できる理由は以下の通りである。
燃料電池FCが運転停止状態にあるとき、カソード52bの近傍の酸素濃度が上昇して設定レベル以上になると、酸素が電解質52cを通ってアノード52aへ侵入し、アノード52a側に存在している水素と反応するためセル電圧が上昇するという現象が発生する。これに対し、アノード52a側の水素濃度が高い状態では、アノード52a側の水素が電解質を通ってカソード52b近傍の酸素と反応するため、カソード52b近傍の酸素濃度は設定レベル未満となり且つセル電圧も上昇しない。
従って、上記判定部及び上記酸素情報検出センサとして機能を有する電圧センサ34は、自身の検出結果(即ち、セル電圧の検出結果)に基づいて、燃料電池FCが運転停止状態にあるときのカソード52bの近傍での酸素濃度が設定レベル以上になっているか否かを判定できる。
或いは、上記判定部は、燃料電池FCの運転停止状態の維持時間が許容停止期間になった場合にカソード52bの近傍での酸素濃度が上記設定レベル以上になっていると判定する装置で構成される。具体的には、この判定部は、運転制御装置5が備えるタイマ機能によって実現される。例えば、上記判定部として機能する運転制御装置5は、燃料電池FCが運転停止されてからの経過時間を計測し、その経過時間が上記許容停止期間になると、燃料電池FCが運転停止状態にあるときのカソード52bの近傍での酸素濃度が設定レベル以上になっていると判定する。
以上のように燃料電池FCが運転停止状態にあるときのカソード52bの近傍での酸素濃度が設定レベル以上になっていると判定されると、運転制御装置5の制御部5bは、燃料電池FCの運転停止状態の維持を解消する。例えば、制御部5bは、燃料電池システム50の全体を起動することで、燃料電池FCの停止状態の維持を解消する。或いは、制御部5bは、燃料ガス生成装置51のみを起動してアノード52aへ水素を供給することで、燃料電池FCの停止状態の維持を解消する。
このように、燃料電池FCが運転停止状態にあるときにカソード52b近傍での酸素濃度が設定レベル以上になったとしても、燃料電池FCの運転停止状態の維持を解消することで、アノード52aが、カソード52b側から侵入してきた酸素によって酸化されることを防止できる。
<4>
上記第1実施形態では、運転制御装置5の制御部5bが、燃料電池FCの運転形態を連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する例を説明したが、決定する燃料電池FCの運転形態の種類を変更してもよい。例えば、運転制御装置5の制御部5bが、上記許容停止期間以下の長さに設定した運転形態判定対象期間の開始時点において、時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯として燃料電池FCを断続運転すると仮定して運転時間帯及び非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、決定した連続運転メリット及び断続運転メリットに基づいて、燃料電池FCの運転形態を連続運転形態及び断続運転形態の何れかに決定するように改変してもよい。
同様に、上記第2実施形態では、運転制御装置5の制御部5bが、燃料電池FCの運転形態を連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する例を説明したが、決定する燃料電池FCの運転形態の種類を変更してもよい。例えば、運転制御装置5の制御部5bが、燃料電池FCの運転形態判定対象期間の開始時点において、時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、運転形態判定対象期間の全時間帯において燃料電池FCを連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯とすると共に当該運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を許容停止期間以下に制限して燃料電池FCを断続運転すると仮定して運転時間帯及び非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、決定した連続運転メリット及び断続運転メリットに基づいて、燃料電池FCの運転形態を連続運転形態及び断続運転形態の何れかに決定するように改変してもよい。
尚、これらの例では、最も大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定しているが、最も大きい運転メリットを断続運転メリットとして決定することに限定されない。例えば、2番目に大きい又は3番目に大きい運転メリットなどを断続運転メリットとして決定するように改変してもよい。
<5>
上記実施形態において、燃料電池FCの運転形態として断続運転形態のみを備えるように改変してもよい。例えば、第2実施形態において燃料電池FCが断続運転形態のみで運転されるようにすると、連続する2つの運転形態判定対象期間に跨って燃料電池FCが許容停止期間以上の長さ連続して停止されることはなくなる。従って、上述した長期間停止状態の出現を確実に無くすことができる。
本発明は、燃料電池のセルの劣化を回避しつつ、燃料電池の特性に応じて、燃料電池を省エネルギ性、経済性、環境性などの観点から好ましい態様で連続運転又は断続運転させることのできる燃料電池用の運転制御装置に利用できる。
5 運転制御装置
5a メモリ(記憶手段)
5b 制御部(制御手段)
52b カソード
FC 燃料電池

Claims (8)

  1. 運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
    前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を、通信可能に接続されている当該燃料電池から転送されることで取得して記憶する記憶手段と、
    取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え
    運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
    前記制御手段は、前記許容停止期間以下の長さに設定した前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
    時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯として前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、
    決定した前記連続運転メリット及び前記断続運転メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を連続運転形態及び断続運転形態の何れかに決定する燃料電池用の運転制御装置。
  2. 運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
    前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を、通信可能に接続されている当該燃料電池から転送されることで取得して記憶する記憶手段と、
    取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
    運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
    前記制御手段は、前記許容停止期間以下の長さに設定した前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
    時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯として前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、
    決定した前記連続運転メリット及び前記断続運転メリット及び前記待機メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する燃料電池用の運転制御装置。
  3. 運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
    前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を取得して記憶する記憶手段と、
    取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
    運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
    前記制御手段は、前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
    時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯とすると共に前記運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を前記許容停止期間以下に制限して前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、
    決定した前記連続運転メリット及び前記断続運転メリット及び前記待機メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を連続運転形態及び断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する燃料電池用の運転制御装置。
  4. 運転メリットは、前記燃料電池を運転することによるエネルギ削減量、又は、前記燃料電池を運転することによるエネルギコスト削減費、又は、前記燃料電池を運転することによる二酸化炭素削減量であり、
    前記制御手段は、前記連続運転メリットを実際に導出された運転メリットの値よりも大きい値に決定する請求項1〜3の何れか一項に記載の燃料電池用の運転制御装置。
  5. 運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
    前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を、通信可能に接続されている当該燃料電池から転送されることで取得して記憶する記憶手段と、
    取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
    運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
    前記制御手段は、前記許容停止期間以下の長さに設定した前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
    時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯として前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、
    決定した前記断続運転メリット及び前記待機メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する燃料電池用の運転制御装置。
  6. 運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
    前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を取得して記憶する記憶手段と、
    取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態の出現頻度が少なくなるように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
    運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
    前記制御手段は、前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
    時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯とすると共に前記運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を前記許容停止期間以下に制限して前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を停止させて運転を待機させると仮定したときの運転メリットを待機メリットとして決定し、
    決定した前記断続運転メリット及び前記待機メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を断続運転形態及び待機形態の何れかに決定する燃料電池用の運転制御装置。
  7. 運転停止中における燃料電池のカソード近傍での酸素濃度の上昇し易さが異なる複数種の燃料電池に対して用いられる燃料電池用の運転制御装置であって、
    前記燃料電池を運転停止状態で維持し続けることが許容できる期間であって、運転停止中における前記燃料電池の前記カソード近傍での酸素濃度が上昇し易いほど短く定められる許容停止期間を表す前記燃料電池に固有の時間指標情報を取得して記憶する記憶手段と、
    取得して記憶した前記時間指標情報に応じて、前記許容停止期間より長い期間連続して運転停止される長期間停止状態を出現させないように前記燃料電池の運転を制御する制御手段と、を備え、
    運転形態判定対象期間内の、熱と電力とを併せて供給可能な前記燃料電池の運転形態の決定に関し、
    前記制御手段は、前記運転形態判定対象期間の開始時点において、
    時系列的な予測電力負荷と時系列的な予測熱負荷とに基づいて、前記運転形態判定対象期間の全時間帯において前記燃料電池を連続運転すると仮定したときに導出される運転メリットを連続運転メリットとして決定し、並びに、前記運転形態判定対象期間のうちの一部の時間帯を運転時間帯とし及び残部の時間帯を非運転時間帯とすると共に前記運転時間帯の前及び後で連続して発生する連続停止期間を前記許容停止期間以下に制限して前記燃料電池を断続運転すると仮定して前記運転時間帯及び前記非運転時間帯の組み合わせを変えながら運転メリットを導出したときに大きくなる運転メリットを断続運転メリットとして決定し、
    決定した前記連続運転メリット及び前記断続運転メリットに基づいて、前記燃料電池の運転形態を連続運転形態及び断続運転形態の何れかに決定する燃料電池用の運転制御装置。
  8. 前記連続停止期間のうち、前記運転時間帯の前で連続して発生する第1連続停止期間は、当該運転形態判定対象期間の開始前に前記燃料電池が連続して停止していた期間と、当該運転形態判定対象期間の開始後であり且つ前記運転時間帯の前に前記燃料電池が連続して停止する期間との和であり、
    前記連続停止期間のうち、前記運転時間帯の後で連続して発生する第2連続停止期間は、当該運転形態判定対象期間中であり且つ前記運転時間帯の後に前記燃料電池が連続して停止する期間である請求項3、6又は7に記載の燃料電池用の運転制御装置。
JP2010005287A 2010-01-13 2010-01-13 燃料電池用の運転制御装置 Expired - Fee Related JP5592656B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010005287A JP5592656B2 (ja) 2010-01-13 2010-01-13 燃料電池用の運転制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010005287A JP5592656B2 (ja) 2010-01-13 2010-01-13 燃料電池用の運転制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011146208A JP2011146208A (ja) 2011-07-28
JP5592656B2 true JP5592656B2 (ja) 2014-09-17

Family

ID=44460900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010005287A Expired - Fee Related JP5592656B2 (ja) 2010-01-13 2010-01-13 燃料電池用の運転制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5592656B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104642708B (zh) * 2010-01-15 2020-10-23 雀巢产品有限公司 具有层状结构的冷冻甜食产品及其制造装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7147945B2 (en) * 2002-09-16 2006-12-12 Utc Fuel Cells, Llc System for determining a gas composition within a shut down fuel cell power plant and method of operation
JP4696643B2 (ja) * 2005-03-30 2011-06-08 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム、その制御方法及びそれを搭載した車両
JP4992238B2 (ja) * 2005-12-27 2012-08-08 日産自動車株式会社 燃料電池システム
JP5266626B2 (ja) * 2006-06-21 2013-08-21 日産自動車株式会社 燃料電池システム
JP5032857B2 (ja) * 2007-01-31 2012-09-26 大阪瓦斯株式会社 コージェネレーションシステム
JP2009134977A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Toyota Motor Corp 燃料電池システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104642708B (zh) * 2010-01-15 2020-10-23 雀巢产品有限公司 具有层状结构的冷冻甜食产品及其制造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011146208A (ja) 2011-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2011185520A (ja) コージェネレーションシステム
JP4875387B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5048820B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5032857B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5222100B2 (ja) 貯湯式の給湯装置
JP5048354B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5006678B2 (ja) 貯湯式の給湯装置
JP5592656B2 (ja) 燃料電池用の運転制御装置
JP2005038676A (ja) 燃料電池コージェネレーションシステム
JP4916197B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5064856B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5592657B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5722970B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP4912837B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP4897855B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5551942B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5143603B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP2004263620A (ja) コージェネレーションシステム
JP2009243851A (ja) コージェネレーションシステム
JP5507615B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP4359248B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5406640B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5037959B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5433071B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP5462849B2 (ja) コージェネレーションシステム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5592656

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees