JP2016205801A - コジェネレーションシステム - Google Patents

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JP2016205801A JP2016048150A JP2016048150A JP2016205801A JP 2016205801 A JP2016205801 A JP 2016205801A JP 2016048150 A JP2016048150 A JP 2016048150A JP 2016048150 A JP2016048150 A JP 2016048150A JP 2016205801 A JP2016205801 A JP 2016205801A
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早川 秀樹
Hideki Hayakawa
秀樹 早川
和茂 前田
Kazushige Maeda
和茂 前田
田中 雅士
Masashi Tanaka
雅士 田中
村瀬 裕一
Yuichi Murase
裕一 村瀬
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Abstract

【課題】貯湯タンクの貯湯状態を好適な状態に維持しながら、消費電力を熱電併給装置の発電量にてカバーする電力カバー率の増大化を図ることができ、且つ運転日の電力需要や熱需要が、予測される電力需要や熱需要から異なった場合にも、適切に対応することができ、更には、効率の高い熱電併給装置の利用率を高めることで省エネ量を高める。
【解決手段】熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段5Bが、逆潮可能な時間帯は制御用発電量上限値で、逆潮可能な時間帯以外は制御用発電量上限値を上限として熱電併給装置の現時刻の発電量を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電力と熱を発生する熱電併給装置と貯湯タンクを備えたコジェネレーションシステム及びその運転方法に関する。
このようなコジェネレーションシステムは、オンサイトで電力と熱との供給が可能であるため、現今の省エネルギー化の社会的要請によく合致したものである。
熱電併給装置と貯湯タンクを備えたコジェネレーションシステムの一例としては、今日、各家庭に普及しつつある、燃料電池やエンジン駆動式発電機等の熱電併給装置を備える家庭用コジェネレーションシステムを挙げることができる。このシステムでは、熱電併給装置により発電される電力を各家庭で消費し、さらに、その排熱で、各家庭の熱需要(例えば、給湯負荷や暖房負荷)を賄うことになる。
この種のコジェネレーションシステムの従来例として、熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段が、電力需要(電力負荷)の変動に合わせて発電量を調節する電主運転形態で熱電併給装置を運転し、そして、熱電併給装置の運転に伴って発生する排熱を、湯として貯湯タンクに蓄えておき、給湯が必要な場合に、貯湯タンクから給湯するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、例えば、燃料電池やエンジン駆動式発電機は、所謂、部分負荷運転が可能なため、電力負荷が定格出力(実質的な最大出力)より低い状況では、電力負荷に見合った発電量の発電を行い、そして、電力負荷が定格出力を超える状況では、定格出力での運転を行う。
この発電状況を貯湯タンクに蓄えられる湯量から見ると、部分負荷の状況では、順次、湯量が負荷に見合って増加するが、電力負荷が定格負荷を超えた段階で、湯量は最大増加量で増加することとなる。
特許文献1には記載されていないが、システムの運転形態としては、一般に、上述の電主形態で運転しながら、貯湯タンクの貯湯量が設定上限量(満タン)になると、熱電併給装置の運転を停止する形態が採られることになる(例えば、特許文献2(段落〔0003〕参照)。そして、貯湯タンクの貯湯量が所定量(例えば、設定上限量の30%程度)以下に低下した状態で、熱電併給装置を再度運転する形態が採られることになる。
また、別の従来例として、過去の数週間分の電力需要(電力負荷)や熱需要(熱負荷)を記憶しておき、実際の運転日とそれに続く2日分の熱需要や電力需要を、記憶した電力需要及び熱需要に基づいて予測し、予測した電力需要及び熱需要に基づいて、熱電併給装置の運転形態として、省エネ性や経済性等のメリットを最も高く得られる運転形態を求めて、求めた運転形態で運転日の運転を行う技術を、出願人は提案している(例えば、特許文献3参照)。
最も高いメリットが得られる運転形態は、運転日の電力負荷に追従する負荷追従型の連続運転形態、運転日の一部の時間帯において運転日の電力負荷よりも小さな発電量で運転する抑制連続運転形態、運転日の一部の時間帯において運転日の電力負荷よりも大きな発電量で運転する強制連続運転形態、運転日の一部の時間帯において運転を停止しかつ残りの時間帯において運転日の電力負荷に追従する断続運転形態、運転日の一部の時間帯において運転を停止しかつ残りの時間帯において運転日の電力負荷よりも小さな発電量で運転する抑制断続運転形態、及び、運転日の一部の時間帯において運転を停止しかつ残りの時間帯において運転日の電力負荷よりも大きな発電量で運転する強制断続運転形態等、複数種の運転形態のうちから、選択されることになる。
ちなみに、例えば、抑制連続運転形態においては、運転日の電力負荷よりも小さな発電量で運転する時間帯を、開始する時刻と終了する時刻を変化させながら一日のうちの最適な時間帯に設定することになる等、複数種の運転形態のうちで、開始する時刻と終了する時刻を変化させながら、一日のうちの各時間帯に最適な運転形態を設定することになる。
特開2001−258293号公報 特開2004−263942号公報 特開2008−185317号公報
特許文献1のコジェネレーションシステムにおいては、熱電併給装置の運転を電主運転とし、貯湯タンクの貯湯量が設定上限量(満タン)になった段階で熱電併給装置の運転を停止し、貯湯量が所定量以下になった段階で運転を再開する運転形態で運転することになる。当該運転形態にあっては、熱電併給装置が、電力需要(電力負荷)に追従する形態で運転されるため、電力需要(電力負荷)が小さくなる傾向にある正午近傍や夜間の時間帯において、熱電併給装置を効率の低い部分負荷で運転することが多くなり、十分な省エネ効果を奏しているとはいえない場合があった。
この運転形態を採用した場合における電力需要(一点鎖線)、熱電併給装置の発電量(細実線)及び貯湯タンクの貯湯量(太実線)の関係の一例を図7に示した。
この図において、T0−T1間、T2−T3間、T4−T5間が、熱電併給装置の定格運転での定格出力より低い出力で、電力需要(電力負荷)に追従する部分負荷運転を実行していることを示している。
このような運転形態をとった場合において、図7においては、電力カバー率は、54%であり、省エネ量は52.1MJであった。
ちなみに、電力カバー率は、1日の発電量/1日の消費電力量×100にて求めることができる。
また、省エネ量は、コジェネレーションシステムを装備しない場合の1日の1次エネルギー量からコジェネレーションシステムを装備した場合の1日の一次エネルギー量を減算した値であり、詳しくは、下記の式の通りである。
省エネ量=(1日の消費電力量/0.369+1日の熱消費量/0.75)−(1日の買電量/0.369+1日のガス消費量)
上記の式の「0.369」は、火力発電所の発電効率であり、「0.75」は、ガス給湯暖房機の給湯暖房効率である。
尚、1000Wh=860kal=3.6MJの関係である。
また、特許文献3に開示の技術は、複数種の運転形態の夫々について、省エネ性や経済性等を評価して、得られるメリットが高い運転形態を選択するものであるから、運転形態を決定するために多量の演算を行う必要があること等に起因して、制御構成が複雑になるものであり、また、過去の電力需要や熱需要に基づいて、運転日において運転する時間帯や発電量を定めるものであるため、運転日の電力需要や熱需要が、過去の電力需要や熱需要(換言すれば、過去の電力需要や熱需要に基づいて予測される電力需要や熱需要)に対して大きく異なった場合には、運転日の電力需要や熱需要に適切に対応できるとはいえないものであった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡素な制御構成によって、貯湯タンクの貯湯状態を好適な状態に維持しながら、消費電力を熱電併給装置の発電量にてカバーする電力カバー率の増大化を図ることができ、且つ運転日の電力需要や熱需要が、予測される電力需要や熱需要から異なった場合にも、適切に対応することができ、更には、効率の高い熱電併給装置の利用率を高めることで省エネ量を高め得るコジェネレーションシステムを提供することにある。
上記目的を達成するためのコジェネレーションシステムは、
電力と熱を発生する熱電併給装置と貯湯タンクを備えたコジェネレーションシステムであって、その特徴構成は、
将来の評価対象期間を時間経過に伴って繰り返し設定する評価対象期間設定部と、
前記評価対象期間内の対象時間帯毎の電力需要と熱需要とを予測する需要予測部と、
前記評価対象期間内で、電力系統へ逆潮可能な時間帯を設定する逆潮時間帯設定部と、
前記熱電併給装置の発電量の上限値を仮設定する発電量上限値仮設定部と、
予測された電力需要と仮設定する発電量上限値から、前記熱電併給装置の対象時間帯毎の予測排熱量を求める排熱量予測部と、
前記貯湯タンクの現在貯湯量と予測された熱需要と予測排熱量から、対象時間帯毎の前記貯湯タンクの予測貯湯量を求める貯湯量予測部と、
前記発電量上限値仮設定部、前記排熱量予測部及び前記貯湯量予測部を働かせて、予測される予測貯湯量が、前記貯湯タンクの設定最大貯湯量未満となる条件を満足する最大の発電量上限値を探索して、探索された前記最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定することを、時間経過に伴って繰り返し行う制御用発電量上限値設定部とを備え、
前記熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段が、逆潮可能な時間帯は前記制御用発電量上限値で、逆潮可能な時間帯以外は前記制御用発電量上限値を上限として前記熱電併給装置の現時刻の発電量を制御する点にある。
すなわち、評価対象期間設定部によって将来の評価対象期間が時間経過に伴って繰り返し設定されると、その設定に応じて、評価対象期間内の対象時間帯毎の電力需要と熱需要とが、需要予測部にて予測されることになる。
そして、制御用発電量上限値設定部が、発電量上限値仮設定部、排熱量予測部及び貯湯量予測部を働かせて、予測される予測貯湯量が、貯湯タンクの設定最大貯湯量未満となる条件を満足する最大の発電量上限値を探索して、探索された最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定することを、時間経過に伴って繰り返し行うことになる。
説明を加えると、発電量上限値仮設定部にて、熱電併給装置の発電量の上限値を、熱電併給装置の発電量の調節範囲内で仮設定すると、需要予測部にて予測された電力需要と仮設定された発電量上限値に基づいて、熱電併給装置の対象時間帯毎の予測排熱量が、排熱量予測部にて求められる。
そして、貯湯量予測部が、貯湯タンクの現在貯湯量、需要予測部にて予測された熱需要、及び、排熱量予測部にて求められた予測排熱量に基づいて、評価対象期間における対象時間帯毎の貯湯タンクの予測貯湯量を求めることになり、求めた対象時間帯毎の予測貯湯量の全てが、貯湯タンクの設定最大貯湯量未満であるか否かが判別されることになる。
つまり、貯湯タンクの現在貯湯量を加味しながら、評価対象期間における対象時間帯毎の貯湯タンクの予測貯湯量を求めて、求めた対象時間帯毎の予測貯湯量の全てが、貯湯タンクの設定最大貯湯量未満であるか否かが判別されることになる。
このように、評価対象期間における対象時間帯毎の貯湯タンクの予測貯湯量を求めて、求めた対象時間帯毎の予測貯湯量の全てが、貯湯タンクの設定最大貯湯量未満であるか否かを判別することを、熱電併給装置の発電量の調節範囲内で変更しながら仮設定される発電量上限値の夫々について行い、仮設定する発電量上限値のうちで、予測される予測貯湯量が貯湯タンクの設定最大貯湯量未満となる条件を満足しながら最大となる発電量上限値を探索し、その探索した最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定することになる。
更に、本発明にあっては、効率の高い熱電併給装置の利用率を高めて、省エネ量を高めるべく、逆潮時間帯設定部が、上述した評価対象期間内で、電力系統へ逆潮可能な時間帯を設定する。
そして、熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段は、逆潮可能な時間帯は制御用発電量上限値で、逆潮可能な時間帯以外は制御用発電量上限値を上限として熱電併給装置の現時刻の発電量を制御することになる。
つまり、逆潮時間帯(逆潮可能な時間帯)においては、現在の電力需要に関わらず、「制御用発電量上限値」を発電し、逆潮時間帯以外においては、現在の電力需要が「制御用発電量上限値」未満の場合は、現在の電力需要を充足する電力を発電し、現在の電力需要が「制御用発電量上限値」以上の場合は、「制御用発電量上限値」の電力を発電する運転形態で、熱電併給装置を運転することになる。
尚、排熱量予測部は、予測された電力需要と仮設定する発電量上限値から、熱電併給装置の対象時間帯毎の予測排熱量を求めるのであるが、本発明にあっては、逆潮可能な時間帯を設定するため、排熱量予測部は、逆潮可能な時間帯にあっては、熱電併給装置が仮設定する発電量上限値にて運転するものとして予測排熱量を求めるものとする。
以上の通り、本発明のコジェネレーションシステムの第1特徴構成によれば、将来の評価対象期間を設定しながら、設定された評価対象期間を対象として、予測貯湯量が貯湯タンクの設定最大貯湯量未満となる条件を満足しながら最大となる発電量上限値を探索して、その探索した最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定するものであるから、将来において貯湯タンクの貯湯量が設定最大貯湯量を超えることを回避でき、更には、効率の高い熱電併給装置の利用率を高めることで省エネ量を高めた状態で、熱電併給装置を運転できることになる。
このように、将来において貯湯タンクの貯湯量が設定最大貯湯量を超えることを回避できる発電量にて熱電併給装置を運転できるから、貯湯タンクの貯湯量が設定最大貯湯量を超えることを回避して、熱電併給装置の運転が停止することを回避できるため、貯湯タンクの貯湯状態を好適な状態に維持しながら、熱電併給装置の運転が停止することを回避して、消費電力を熱電併給装置の発電量にてカバーする電力カバー率を増大化できるのである。
しかも、将来の評価対象期間を、時間経過に伴って繰り返し設定するようにし、また、予測貯湯量が貯湯タンクの設定最大貯湯量未満となる条件を満足しながら最大となる発電量上限値を探索して、その探索した最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定することを、時間経過に伴って繰り返し行うようにするものであるから、運転日の電力需要や熱需要が、予測される電力需要や熱需要から異なった場合にも、その運転日の電力需要に応じた排熱量や熱需要から現在貯湯量が更新されるため、適切な制御用発電量上限値を設定することができるものとなる。
さらに、制御用発電量上限値として設定する最大となる発電量上限値を探索するために、仮設定された発電量上限値に応じて、対象時間帯毎の予測排熱量や対象時間帯毎の貯湯タンクの予測貯湯量を求めることになるものの、予測された電力需要と仮設定する発電量上限値から、熱電併給装置の対象時間帯毎の予測排熱量を求めるための演算量や、貯湯タンクの現在貯湯量と予測された熱需要と予測排熱量から、対象時間帯毎の貯湯タンクの予測貯湯量を求めるための演算量は、従来の複数種の運転形態からメリットの大きな運転形態を選択するための演算量と比べると、はるかに少ないものであるから、制御構成の簡素化を図ることができるのである。
要するに、本発明のコジェネレーションシステムの第1特徴構成によれば、簡素な制御構成によって、貯湯タンクの貯湯状態を好適な状態に維持しながら、消費電力を熱電併給装置の発電量にてカバーする電力カバー率の増大化を図ることができ、且つ運転日の電力需要や熱需要が、予測される電力需要や熱需要から異なった場合にも、適切に対応することができ、更には、効率の高い熱電併給装置の利用率を高めることで省エネ量を高め得るコジェネレーションシステムを提供できる。
上記目的を達成するためのコジェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記排熱量予測部が、逆潮可能な時間帯は、前記発電量上限値の電力を発電する運転形態で、逆潮可能な時間帯以外は、前記電力需要が前記発電量上限値未満の場合は前記電力需要を充足する電力を発電し、前記電力需要が前記発電量上限値以上の場合は前記発電量上限値の電力を発電する運転形態で、前記予測排熱量を予測するように構成されている点にある。
すなわち、排熱量予測部が、予測排熱量を予測する際に、熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段が制御用発電量上限値を上限として熱電併給装置の現時刻の発電量を制御する運転形態と同様に、逆潮可能な時間帯は、仮設定される発電量上限値の電力を発電する運転形態で、逆潮可能な時間帯以外は、電力需要が発電量上限値未満の場合は電力需要を充足する電力を発電し、電力需要が発電量上限値以上の場合は発電量上限値の電力を発電する運転形態で、予測排熱量を予測することになる。
このように、運転制御手段が制御用発電量上限値を上限として熱電併給装置の現時刻の発電量を制御する運転形態と同様の運転形態で、予測排熱量が予測されるものであるから、対象時間帯毎の貯湯タンクの予測貯湯量が、熱電併給装置が運転制御手段にて実際に運転される運転形態に適合した状態で求められるため、制御用発電量上限値として設定する最大となる発電量上限値が、熱電併給装置が運転制御手段にて逆潮も含めた実際の運転形態に適合した状態で求められることになる。
このように、制御用発電量上限値として設定する最大となる発電量上限値が、熱電併給装置が運転制御手段にて逆潮も含めた実際の運転形態に適合した状態で求められるから、逆潮可能な時間帯においては、熱電併給装置にて発電した電力を適切に逆潮する状態で、貯湯タンクの貯湯状態を好適な状態に維持しながら、消費電力を熱電併給装置の発電量にてカバーする電力カバー率を増大させることを適切に行うことができる。
上記目的を達成するためのコジェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記逆潮時間帯設定部で設定された逆潮可能な時間帯以外において、現時刻の前記制御用発電量上限値が最小発電量となる場合に、前記熱電併給装置の運転を停止させるように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、貯湯タンクの貯湯容量が、設定最大貯湯量に近くなり、熱電併給装置を最小発電量で運転させるような状況の時に、逆潮できない時間帯に運転を停止し、逆潮できる時間帯に運転させることによって、逆潮電力量を増やすことができる。
このような運転を行うことにより、熱電併給装置を比較的総合効率が低くなる最小発電量での運転時間を短くでき、更なる省エネ効果が期待できる。更に、例えば、逆潮時間帯が売電価格が高い時間帯に設定されている場合には、当該時間帯における逆潮電力量を積極的に増加させることで、経済性をも高めることができる。
尚、ここで、最小発電量とは、熱電併給装置の発電量の調整範囲の下限値を意味するものとする。
上記目的を達成するためのコジェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記逆潮時間帯設定部が、時間帯毎の売電単価が所定の下限設定売電価格より高い時間帯を、電力系統へ逆潮可能な時間帯として設定するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、時間帯毎の売電単価が所定の下限設定売電価格より高い時間帯、即ち、売電価格の高い時間帯に逆潮することで、売電収入を増やすことができ、経済性を高めることができる。
上記目的を達成するためのコジェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記逆潮時間帯設定部が、逆潮可能な時間帯が前記電力需要のピーク時間帯に設定されている状態で、所定時間だけ前記発電量上限値が定格出力となる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯を24時間に設定し、
逆潮可能な時間帯が24時間に設定されている状態で、前記所定時間だけ前記発電量上限値が定格出力より所定出力以上小さくなる日が前記所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯を前記ピーク時間帯に設定するように構成されている点にある。
現状の電力の売買単価を鑑みると、買電単価が逆潮単価を上回ることから、貯湯タンクに貯湯される熱量が満タンとなったときに熱電併給装置の運転を停止する制約のもとで、買電量を増やさずに逆潮量を増やすため、電力需要の多いピーク時間帯に、逆潮可能な時間帯を制限することが考えられる。
ここで、発電出力が700Wの場合は、排熱出力が1000Wあるので、逆潮可能な時間帯をピーク時間帯に制限しても、貯湯タンクが満タンの制約条件で、最適に熱需要が賄えるほど十分な排熱量が得られていた。
しかし、コストダウンのために、発電出力を500Wにすると、排熱出力が700Wになるので、逆潮可能な時間帯をピーク時間帯に制限すると、冬季等の熱需要が多い時間帯には、貯湯タンクが満タンの制約条件で、適切に熱需要を賄うことができなかった。即ち、貯湯タンクに貯湯される熱量にて熱需要を賄うことができない場合があった。
そこで、逆潮可能な時間帯を24時間に広げると、冬期に熱需要を賄うことができないという問題は改善できるが、逆に、夏期には、貯湯タンクが満タンとなり熱電併給装置が停止しないよう、発電量上限値が低下し、買電量が増えてしまうという問題があった。
上記特徴構成によれば、熱需要が少ない時(夏期等)、即ち、逆潮可能な時間帯が24時間に設定されている状態で、所定時間だけ発電量上限値が定格出力より所定出力以上小さくなる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯をピーク時間帯に設定し、熱需要が多い時(冬期等)、即ち、逆潮可能な時間帯がピーク時間帯に設定されている状態で、所定時間だけ発電量上限値が定格出力となる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯を24時間に設定することで、変動する熱需要等の需要条件に適切に対応しつつ、買電量をなるべく増やさずに逆潮することができる。
上記目的を達成するためのコジェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記逆潮時間帯設定部が、逆潮可能な時間帯が前記電力需要のピーク時間帯に設定されている状態で、所定時間だけ前記発電量上限値が定格出力より所定出力以上小さくなる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯を零時間に設定し、
逆潮可能な時間帯が零時間に設定されている状態で、前記所定時間だけ前記発電量上限値が定格出力となる日が前記所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯を前記ピーク時間帯に設定するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、熱需要がかなり少ない時、即ち、逆潮可能な時間帯がピーク時間帯に設定されている状態で、所定時間だけ発電量上限値が定格出力より所定出力以上小さくなる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯を零時間に設定し、熱需要が少ない時、即ち、逆潮可能な時間帯が零時間に設定されている状態で、所定時間だけ発電量上限値が定格出力となる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯をピーク時間帯に設定することで、一時的に逆潮しない状態をも許容しつつ、買電量をなるべく増やさずに逆潮することができる。
上記目的を達成するためのコジェネレーションシステムは、
前記ピーク時間帯を8時から21時台までの間、前記所定時間を12時間以上、前記所定日数を1日から7日までの間、前記所定出力を定格出力の10%以上50%以下に設定していることが好ましい。
コジェネレーションシステムの全体構成を示す図 制御構成を示すブロック図 運転制御装置の機能ブロックを示す図 運転制御装置の制御内容を示すフローチャート 異なる発電量上限値に対する貯湯量の変化を示す表図 制御用発電量上限値に従って逆潮ありで運転された場合の電力需要、発電量及び貯湯量の関係を示す図 従来技術に係る、定格未満の電力需要に対して電主運転を行い、定格以上の電力需要に対して当該定格量を発電量として逆潮なしで運転する従来の運転形態で、貯湯量が満タンとなった場合に熱電併給装置の運転を停止する場合の電力需要、発電量及び貯湯量の関係を示す図 熱需要が多い場合に、制御用発電量上限値に従って、定格出力500Wの燃料電池を逆潮なしで運転した場合の電力需要、発電量、貯湯量、買電量、及び逆潮量の関係を示す図 熱需要が多い場合に、制御用発電量上限値に従って、定格出力500Wの燃料電池をピーク時間帯に逆潮する形態で運転した場合の電力需要、発電量、貯湯量、買電量、及び逆潮量の関係を示す図 熱需要が多い場合に、制御用発電量上限値に従って、定格出力500Wの燃料電池を24時間逆潮する形態で運転した場合の電力需要、発電量、貯湯量、買電量、及び逆潮量の関係を示す図 熱需要が少ない場合に、制御用発電量上限値に従って、定格出力500Wの燃料電池を逆潮なしで運転した場合の電力需要、発電量、貯湯量、買電量、及び逆潮量の関係を示す図 熱需要が少ない場合に、制御用発電量上限値に従って、定格出力500Wの燃料電池をピーク時間帯に逆潮する形態で運転した場合の電力需要、発電量、貯湯量、買電量、及び逆潮量の関係を示す図 熱需要が少ない場合に、制御用発電量上限値に従って、定格出力500Wの燃料電池を24時間逆潮する形態で運転した場合の電力需要、発電量、貯湯量、買電量、及び逆潮量の関係を示す図 熱需要が少ない場合に、制御用発電量上限値に従って、定格出力900Wの燃料電池を逆潮なしで運転した場合の電力需要、発電量、貯湯量、買電量、及び逆潮量の関係を示す図 熱需要が少ない場合に、制御用発電量上限値に従って、定格出力900Wの燃料電池をピーク時間帯に逆潮する形態で運転した場合の電力需要、発電量、貯湯量、買電量、及び逆潮量の関係を示す図 図8の表に示した制御において、評価対象期間内で、電力需要と発電量の変化を示すグラフ図 図9の表に示した制御において、評価対象期間内で、電力需要と発電量の変化を示すグラフ図 図10の表に示した制御において、評価対象期間内で、電力需要と発電量の変化を示すグラフ図 図11の表に示した制御において、評価対象期間内で、電力需要と発電量の変化を示すグラフ図 図12の表に示した制御において、評価対象期間内で、電力需要と発電量の変化を示すグラフ図 図13の表に示した制御において、評価対象期間内で、電力需要と発電量の変化を示すグラフ図 図14の表に示した制御において、評価対象期間内で、電力需要と発電量の変化を示すグラフ図 図15の表に示した制御において、評価対象期間内で、電力需要と発電量の変化を示すグラフ図
以下に、本発明のコジェネレーションシステム及びその運転方法を説明する。なお、以下に好適な実施形態を記すが、これら実施形態はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔コジェネレーションシステムの構成〕
コジェネレーションシステムは、図1及び図2に示すように、電力と熱とを発生する熱電併給装置としての燃料電池1と、その燃料電池1が発生する熱を冷却水にて回収し、その冷却水を利用して、貯湯タンク2への貯湯及び熱消費端末3への熱媒供給を行う貯湯手段としての貯湯ユニット4と、燃料電池1及び貯湯ユニット4の運転を制御する運転制御装置5などから構成されている。
燃料電池1は、周知であるので、詳細な説明及び図示を省略して簡単に説明すると、燃料電池1は、水素を含有する燃料ガス及び酸素含有ガスが供給されて発電するセルスタック、そのセルスタックに供給する燃料ガスを生成する燃料ガス生成部、前記セルスタックに酸素含有ガスとして空気を供給するブロア等を備えて構成されている。
燃料ガス生成部は、供給される都市ガス(例えば、天然ガスベースの都市ガス)等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫器、その脱硫器から供給される脱硫原燃料ガスと別途供給される水蒸気とを改質反応させて水素を主成分とする改質ガスを生成する改質器、その改質器から供給される改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気にて二酸化炭素に変成処理する変成器、その変成器から供給される改質ガス中の一酸化炭素を別途供給される選択酸化用空気にて選択酸化する一酸化炭素除去器等から構成され、一酸化炭素を変成処理及び選択酸化処理により低減した改質ガスを燃料ガスとしてセルスタックに供給するように構成されている。
そして、燃料ガス生成部への原燃料ガスの供給量を調節することにより、燃料電池1の発電量を調節するように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、燃料電池1の発電量を、300〜700Whの間で、10Whを単位量として増減調節するように構成されている。
燃料電池1の電力の出力側には、系統連系用のインバータ6が設けられ、そのインバータ6は、燃料電池1の発電電力を商用電源7から受電する受電電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されている。
商用電源7は、例えば、単相3線式100/200Vであり、受電電力供給ライン8を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷9に電気的に接続されている。
また、インバータ6は、発電電力供給ライン10を介して受電電力供給ライン8に電気的に接続され、燃料電池1からの発電電力がインバータ6及び発電電力供給ライン10を介して電力負荷9に供給するように構成されている。
受電電力供給ライン8には、電力負荷9の負荷電力を計測する、買電量計測手段11aと発電量計測手段11bが設けられ、負荷電力の値は買電量と発電量の加算により求められる。
貯湯ユニット4は、上述の貯湯タンク2に加えて、湯水循環路16を通して貯湯タンク2内の湯水を循環させる湯水循環ポンプ17、熱源用循環路20を通して熱源用湯水を循環させる熱源用循環ポンプ21、熱媒循環路22を通して熱媒を熱消費端末3に循環供給させる熱媒循環ポンプ23、湯水循環路16を通流する湯水を加熱する貯湯用熱交換器24、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱する熱源用熱交換器25、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱する熱媒加熱用熱交換器26、及び、貯湯タンク2から取り出されて給湯路27を通流する湯水及び熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させる補助加熱器28などを備えて構成されている。
湯水循環路16が、貯湯タンク2の底部と頂部とを接続する形態で設けられて、湯水循環ポンプ17の作動により、貯湯タンク2の底部から取り出した湯水を貯湯タンク2の頂部に戻す形態で、湯水循環路16を通して貯湯タンク2の湯水を循環させるように構成されている。
そして、湯水循環路16を通して循環される湯水を貯湯用熱交換器24にて加熱することにより、貯湯タンク2に温度成層を形成する状態で湯水が貯湯されるように構成されている。
給湯路27が、湯水循環路16における貯湯用熱交換器24よりも下流側の流路部分を介して貯湯タンク2に接続されており、貯湯タンク2内の湯水が、給湯路27を通して、浴槽、給湯栓、シャワー等の給湯先に給湯されるように構成され、また、この給湯に伴って、貯湯タンク2の底部に接続された給水路29を通して貯湯タンク2に給水されるように構成されている。
熱源用循環路20が、給湯路27の一部を共用する状態で循環経路を形成するように設けられ、その熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁33が設けられている。
補助加熱器28は、給湯路27における熱源用循環路20との共用部分に設けられた補助加熱用熱交換器28a、その補助加熱用熱交換器28aを加熱するバーナ28b、そのバーナ28bに燃焼用空気を供給するファン28c、補助加熱器28の運転を制御する燃焼制御部(図示省略)等を備えて構成され、その燃焼制御部により、補助加熱用熱交換器28aに供給される湯水を目標出湯温度に加熱して出湯すべく、バーナ28bへのガス燃料の供給量を調節するように構成されている。
冷却水循環路13が、貯湯用熱交換器24側と熱源用熱交換器25側とに分岐する形態で設けられ、その分岐箇所に、貯湯用熱交換器24側に通流させる冷却水の流量と熱源用熱交換器25側に通流させる冷却水の流量との割合を調整する分流弁30が設けられている。
ちなみに、分流弁30は、冷却水循環路13の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態や、冷却水循環路13の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させる状態にも調節できるように構成されている。
貯湯用熱交換器24においては、燃料電池1の発生熱(排熱)を回収して冷却水循環路13を流動する冷却水を通流させることにより、湯水循環路16を通流する湯水を加熱するように構成されている。
熱源用熱交換器25においては、燃料電池1の発生熱(排熱)を回収して冷却水循環路13を流動する冷却水を通流させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
熱媒加熱用熱交換器26においては、熱源用熱交換器25や補助加熱器28にて加熱された熱源用湯水を通流させることにより、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱するように構成されている。尚、熱消費端末3は、床暖房装置や浴室暖房装置などの暖房端末にて構成されている。
給湯路27には、給湯先に湯水を給湯するときの給湯熱負荷を計測する給湯熱負荷計測手段31が設けられ、又、熱消費端末3に対応して、端末熱負荷を計測する端末熱負荷計測手段32が設けられている。
尚、図示は省略するが、これら給湯熱負荷計測手段31及び端末熱負荷計測手段32は、通流する湯水や熱媒の温度を検出する温度センサと、湯水や熱媒の流量を検出する流量センサとを備えて構成され、温度センサの検出温度と流量センサの検出流量に基づいて熱負荷を検出するように構成されている。
湯水循環路16における貯湯用熱交換器24よりも下流側の箇所に、貯湯用熱交換器24にて加熱されて貯湯タンク2に供給される湯水の温度を検出する貯湯温度センサShが設けられ、給水路29には、貯湯タンク2に供給される水の給水温度を検出する給水温度センサSiが設けられている。
貯湯タンク2には、その貯湯熱量の検出用として、貯湯タンク2の上層部の上端位置の湯水の温度を検出する上端温度センサS1、貯湯タンク2の上層部と中層部との境界位置の湯水の温度を検出する中間上位温度センサS2、貯湯タンク2の中層部と下層部との境界位置の湯水の温度を検出する中間下位温度センサS3、及び、貯湯タンク2の下層部の下端位置の湯水の温度を検出する下端温度センサS4が設けられている。
運転制御装置5は、上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、下端温度センサS4夫々にて検出される貯湯タンク2の湯水の温度、及び、給水温度センサSiにて検出される給水温度に基づいて、貯湯タンク2の貯湯熱量(貯湯量)を求めるように構成されており、運転制御装置5は、貯湯タンク2の現在貯湯量を求める現在貯湯量確認手段5C(図3参照)として機能するように構成されている。
すなわち、現在貯湯量確認手段5Cは、貯湯タンク2の貯湯熱量(貯湯量)を下記の演算方法にて求めるように構成されている。
上端温度センサS1、中間上位温度センサS2、中間下位温度センサS3、及び、下端温度センサS4夫々にて検出される貯湯タンク2の湯水の温度を、夫々、T1、T2、T3、T4とし、給水温度センサSiにて検出される給水温度をTiとし、上層部、中層部、下層部夫々の容量をV1、V2、V3(リットル)とする。
又、上層部における重み係数をB1とし、中層部における重み係数をB2とし、下層部における重み係数をB3とすると、貯湯熱量(貯湯量)(kcal)は、下記の(式1)にて演算することができる。
貯湯熱量=(B1×T1+(1−B1)×T2−Ti)×V1
+(B2×T2+(1−B2)×T3−Ti)×V2
+(B3×T3+(1−B3)×T4−Ti)×V3……(式1)
重み係数B1、B2、B3は、貯湯タンク2の各層における過去の温度分布データを考慮した経験値である。ここで、B1、B2、B3としては、例えば、B1=B2=0.2、B3=0.5である。B1=B2=0.2とは、上層部においては温度T2の影響が温度T1の影響よりも大きいことを示す。これは、上層部の8割の部分は温度T2に近く、2割の部分は温度T1に近いことを示す。これは、中層部においても同様である。下層部においては、温度T3とT4の影響が同じであることを示す。
〔運転制御装置の運転内容〕
運転制御装置5は、燃料電池1の運転中においては、冷却水循環ポンプ15を作動させた状態で燃料電池1の運転を制御することになる。
また、運転制御装置5は、湯水循環ポンプ17、熱源用循環ポンプ21、熱媒循環ポンプ23、分流弁30及び熱源用断続弁33夫々の作動を制御することによって、貯湯タンク2内に湯水を貯湯する貯湯運転や、熱消費端末3に熱媒を供給する熱媒供給運転を行うように構成されている。
運転制御装置5は、熱消費端末3用の端末用リモコン(図示省略)から運転の指令がされない状態では、貯湯運転を行い、その貯湯運転では、分流弁30を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換え且つ熱源用断続弁33を閉弁した状態で、貯湯温度センサShの検出情報に基づいて、貯湯タンク2に供給される湯水の温度が予め設定された目標貯湯温度(例えば60°C)になるように湯水循環量を調節すべく、湯水循環ポンプ17の作動を制御するように構成されている。そして、この貯湯運転により、目標貯湯温度の湯が貯湯タンク2に貯湯されることになる。
運転制御装置5は、端末用リモコンから運転が指令されると、熱媒供給運転を行い、その熱媒供給運転では、熱源用断続弁33を開弁し、熱源用循環ポンプ21を予め設定された設定回転速度で作動させる状態で、熱消費端末3での端末熱負荷に応じた量の冷却水を熱源用熱交換器25に通流させるように分流弁30を制御するように構成され、そのように熱媒供給運転を行う状態で、分流弁30が貯湯用熱交換器24側にも冷却水を通流させる状態に制御するときは、前述のように湯水循環ポンプ17の作動を制御して、熱媒供給運転に並行して貯湯運転を実行するように構成されている。
運転制御装置5は、熱媒供給運転の実行中に端末用リモコンから運転の停止が指令されると、分流弁30を冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させる状態に切り換え、熱源用断続弁33を閉弁し、熱源用循環ポンプ21を停止させて、湯水循環ポンプ17を作動させることにより、熱媒供給運転から貯湯運転に切り換えるように構成されている。
ちなみに、給湯路27を通して貯湯タンク2の湯水を給湯先に給湯する給湯運転の実行中や、熱媒供給運転の実行中においては、補助加熱器28の燃焼制御部が、補助加熱用熱交換器28aに供給される湯水の温度が目標出湯温度よりも低いときは、補助加熱用熱交換器28aに供給される湯水を目標出湯温度に加熱すべく、バーナ28bへのガス燃料の供給量を調節することになる。
〔制御用発電量上限値の探索・設定構成〕
以上が、本発明に係るコジェネレーションシステムの基本的な構成であるが、以下、発電量を制御しながら燃料電池1を運転する運転制御について説明する。
すなわち、本発明独特の構成である燃料電池1の発電量上限値の探索及びその設定手法について説明しながら、燃料電池1の運転制御を説明する。
尚、発電量上限値は、現時点の発電量の制御指標値であり、本発明にあっては、「制御用発電量上限値」と呼ぶ。
図2及び図3に示すように、運転制御装置5が、本発明の「制御用発電量上限値」の探索及び設定を目的として作動する現発電量設定手段5A、設定された「制御用発電量上限値」を上限値として燃料電池1の現時刻の発電量を制御する運転制御手段5B、及び、評価対象期間K1内で、電力系統への逆潮可能な時間帯K2を設定する逆潮時間帯設定部5Dとして機能するように構成されている。
現発電量設定手段5Aは、現時間帯の「制御用発電量上限値」を設定し、そして、運転制御手段5Bは、逆潮時間帯設定部5Dが設定する逆潮可能な時間帯K2は「制御用発電量上限値」とし、逆潮可能な時間帯以外は「制御用発電量上限値」を上限として燃料電池1の現時間帯の発電量を制御する。
逆潮可能な時間帯以外の制御につき、説明を追加すると、運転制御手段5Bは、現在の電力需要が「制御用発電量上限値」未満の場合は、現在の電力需要を充足する電力を発電し(所謂、電主運転)、かつ、現在の電力需要が「制御用発電量上限値」以上の場合は、「制御用発電量上限値」の電力を発電する運転形態で、燃料電池1を運転するように構成されている。
尚、逆潮時間帯設定部5Dは、時間帯毎の売電単価が所定の下限設定売電価格より高い時間帯を、電力系統へ逆潮可能な時間帯K2として設定するように構成されており、図5、6に示す例においては、8時からその日の21時台までが、逆潮可能な時間帯K2として設定されている。
ここで、下限設定売電価格は、変動する売電単価に基づいて、経済性の観点から適切に設定される。
尚、詳細は後述するが、本発明を適用した燃料電池1の運転では、図6の「P」で示す領域が電主運転の領域であり、「M」で示す領域が、発電量を「制御用発電量上限値」で運転する領域である。
そして、本発明の運転状態を示す図6と従来の運転状態を示す図7とを比較すると、本発明に係る図6における「M」で示す領域において、特に、12時の近傍において、発電量の最大値が、図7の場合より高い側に位置していることが判る。
現発電量設定手段5Aは、図3に示すように、将来の評価対象期間K1を時間経過に伴って繰り返し設定する評価対象期間設定部A1と、評価対象期間K1内の対象時間帯毎の電力需要と熱需要とを予測する需要予測部A2と、燃料電池1の発電量の上限値を仮設定する発電量上限値仮設定部A3と、予測された電力需要と仮設定する発電量上限値から、燃料電池1の対象時間帯毎の予測排熱量を求める排熱量予測部A4と、貯湯タンク2の現在貯湯量と予測された熱需要と予測排熱量から、対象時間帯毎の貯湯タンク2の予測貯湯量を求める貯湯量予測部A5とを備え、加えて、制御用発電量上限値設定部A6を備えている。
そして、制御用発電量上限値設定部A6が、発電量上限値仮設定部A3、排熱量予測部A4及び貯湯量予測部A5を働かせて、予測される予測貯湯量が、貯湯タンク2の設定最大貯湯量未満となる条件を満足する最大の発電量上限値を探索して、探索された最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定することを、時間経過に伴って繰り返し行うように構成されている。
評価対象期間設定部A1は、本実施形態においては、将来の評価対象期間K1としての24時間を、時間経過に伴って、1時間毎に繰り返し設定するように構成されている。
つまり、1時間が経過する毎に、将来の評価対象期間K1としての24時間が新たに設定される形態で、将来の評価対象期間K1が時間経過に伴って繰り返し設定されることになる。
例えば、図5に示すように、時刻が7時台から8時になると、8時から次の日の7時台までを将来の評価対象期間K1として設定することになり、また、時刻が8時台から9時になると、9時から次の日の8時台までを将来の評価対象期間K1として設定する等、将来の評価対象期間K1が時間経過に伴って繰り返し設定されることになる。
需要予測部A2は、過去情報記憶手段34aにて記憶された過去の電力需要情報と熱需要情報に基づいて、評価対象期間K1内の対象時間帯毎の電力需要と熱需要とを予測することになる。
すなわち、過去情報記憶手段34aが、運転制御装置5に接続されたメモリ34(図2参照)を用いて構成されている。そして、本実施形態においては、運転制御装置5が、過去の電力需要情報として、過去1週間分についての1時間ごとの電力需要を順次更新しながらメモリ34に記憶し、過去の熱需要として、過去1週間分についての1時間ごとの熱需要を順次更新しながらメモリ34に記憶するように構成されている。
そして、需要予測部A2は、評価対象期間K1の1週間前に相当する過去の電力需要及び過去の熱需要に基づいて、評価対象期間K1の電力需要及び熱需要として予測することになる。
例えば、図5に示すように、将来の評価対象期間K1、つまり、8時台から次の日の7時台までの間における電力需要と熱需要とが、1時間毎に予測されることになる。
ちなみに、本実施形態においては、説明を簡略化するために、熱需要は、給湯熱負荷のみが存在し、端末熱負荷は存在しないものとして説明する。つまり、燃料電池1の運転中は、貯湯運転のみが行われて、燃料電池1の排熱が全て貯湯タンク2の貯湯に用いられるものとして説明する。
尚、燃料電池1の運転中に熱媒供給運転が行われる場合には、燃料電池1の排熱のうちから熱媒供給運転にて消費された熱量を減算して、その残部分が、貯湯タンク2の貯湯に用いられるものであるとして演算することになる。
発電量上限値仮設定部A3は、本実施形態においては、燃料電池1の発電量の上限値を、例えば、300〜700Whの間で、10Whを単位量として、仮設定するように構成されている。
ちなみに、本実施形態においては、先ず、最小発電量である300Whに設定し、その後、順次、10Whを増加した発電量に仮設定する場合を例示するが、これとは逆に、先ず、最大発電量である700Whに設定し、その後、順次、10Whを減少した発電量に仮設定する等、燃料電池1の発電量の上限値を仮設定する形態は各種変更できる。
排熱量予測部A4は、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測排熱量を求めるように構成されている。
そして、本実施形態においては、排熱量予測部A4が、運転制御手段5Bの運転形態に合わせて、対象時間帯が逆潮可能な時間帯K2では、発電量上限値の電力を発電する形態で、対象時間帯が逆潮可能な時間帯以外では、電力需要が発電量上限値未満の場合は電力需要を充足する電力を発電し、電力需要が発電量上限値以上の場合は発電量上限値の電力を発電する運転形態で、予測排熱量を予測するように構成されている。
評価対象期間K1の対象時間帯毎の1時間あたりの予測排熱量kcalは、その対象時間帯についての発電量Whに基づいて、下記式にて求められることになる。
予測排熱量=発電量/発電効率×排熱効率×0.86(kcal/Wh)……(式2)
貯湯量予測部A5は、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての予測貯湯量を求めるように構成されている。
すなわち、対象時刻が評価対象期間K1の開始時点に相当する現時刻についての予測貯湯量kcal(換言すれば、現時刻から1時間後の予測貯湯量kcal)は、現在貯湯量確認手段5Cにて確認される現在貯湯量kcal、需要予測部A2にて予測される対象時刻(現時刻)についての1時間当たりの熱需要kcal、及び、排熱量予測部A4にて予測される対象時刻(現時刻)の1時間当たりの予測排熱量kcalに基づいて、下記式にて求められることになる。
現時刻の予測貯湯量=現在貯湯量+予測排熱量−熱需要……(式3)
また、対象時刻が現時刻の1時間後の時刻である予測貯湯量kcal(換言すれば、現時刻から2時間後の予測貯湯量kcal)は、現時刻の予測貯湯量、需要予測部A2にて予測される対象時刻(現時刻の1時間後の時刻)についての1時間当たりの熱需要kcal、及び、排熱量予測部A4にて予測される対象時刻(現時刻の1時間後の時刻)の1時間当たりの予測排熱量kcalに基づいて、下記式にて求められることになる。
現時刻の1時間後の時刻の予測貯湯量=現時刻の予測貯湯量+予測排熱量−熱需要……(式4)
以下、対象時刻が現時刻の2時間後以降の時刻の予測貯湯量kcal(換言すれば、現時刻から3時間後以降の予測貯湯量kcal)も、対象時刻が現時刻の1時間後の時刻である予測貯湯量kcalと同様に求められることになる。
つまり、対象時刻の1時間前の予測貯湯量に排熱量予測部A4にて予測される対象時刻の1時間当たりの予測排熱量kcalを加えた値から、需要予測部A2にて予測される対象時刻についての1時間当たりの熱需要kcalを減算することにより、対象時刻毎の予測貯湯量kcalを求めることができる。
制御用発電量上限値設定部A6は、予測される予測貯湯量が、貯湯タンク2の設定最大貯湯量未満となる条件を満足する最大の発電量上限値を探索して、探索された最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定することを、時間経過に伴って繰り返し行うことになる。つまり、貯湯量予測部A5にて予測される、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量の全てが、貯湯タンク2の設定最大貯湯量未満となる条件を満足する最大の発電量上限値を探索して、探索された最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定することを、繰り返し行うことになる。
尚、本実施形態においては、貯湯タンク2の設定最大貯湯量が、8600kcalであるとする。
また、本実施形態においては、制御用発電量上限値設定部A6が、評価対象期間K1内の対象時間帯の単位時間(本実施形態においては1時間)よりも短い時間間隔(例えば、15分間隔)で、制御用発電量上限値を繰り返し設定するように構成されている。
つまり、需要予測部A2にて予測される対象時間帯毎の電力需要と熱需要は、対象時間帯の単位時間(本実施形態においては1時間)の間は変化することはないが、現在貯湯量は、刻々と変化し、かつ、現在貯湯量確認手段5Cによって、刻々と変化する現在貯湯量を確認できるため、評価対象期間K1内の対象時間帯の単位時間(本実施形態においては1時間)よりも短い時間間隔(例えば、15分間隔)で、制御用発電量上限値を繰り返し設定するように構成されている。
次に、図5に例示する場合を参照しながら、制御用発電量上限値設定部A6の制御内容について説明を加える。なお、ここでは説明を簡略化するために、燃料電池1の発電量の上限値を、300〜700Whの間で、100Whを単位量として仮設定する。
すなわち、時刻が7時台から8時になると、評価対象期間設定部A1により、8時から次の日の7時台までが将来の評価対象期間K1として設定され、そして、需要予測部A2により、設定された将来の評価対象期間K1、つまり、8時台から次の日の7時台までの間における電力需要DJと熱需要NJとが、1時間毎に予測されることになる。
また、現在貯湯量確認手段5Cによって、現在貯湯量GTが、2000kcalであることが確認される。尚、上述の如く、本実施形態においては、貯湯タンク2の設定最大貯湯量MTは、8600kcalである。
次に、発電量上限値仮設定部A3が、燃料電池1の発電量上限値HMを、先ず、最小発電量である300Whに設定すると、排熱量予測部A4が、発電量上限値が300Whである場合について、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測排熱量を求めることになる。
すなわち、対象時間帯が逆潮可能な時間帯K2では、発電量上限値の電力を発電する形態で、対象時間帯が逆潮可能な時間帯以外では、電力需要DJが発電量上限値HM未満の場合は、燃料電池1の発電量を電力需要DJに相当する発電量に定め、電力需要DJが発電量上限値HM以上の場合は、燃料電池1の発電量を発電量上限値HMに定める形態で、予測排熱量が予測されることになる。
続いて、貯湯量予測部A5が、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量を求めることになる。
すなわち、現在貯湯量確認手段5Cにて確認されるところの現在貯湯量kcal、需要予測部A2にて予測される対象時間帯の1時間当たりの熱需要kcal、及び、排熱量予測部A4にて予測される対象時間帯の1時間当たりの予測排熱量kcalに基づいて、予測貯湯量が求められることになる。
ちなみに、上述の如く、対象時間帯が評価対象期間K1の開始時点に相当する現時間帯の予測貯湯量kcalを求める演算形態と、対象時間帯が現時刻から1時間後以降となる場合の予測貯湯量kcalを求める演算形態とは異なるものである。
図5に例示する場合においては、貯湯量予測部A5の予測結果、つまり、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量には、貯湯タンク2の設定最大貯湯量MTを超える場合が存在しないので、この演算段階では、制御用発電量上限値設定部A6は、発電量上限値の300Whを、制御用発電量上限値に設定することはない。
発電量上限値の300Whを制御用発電量上限値に設定しない場合には、発電量上限値仮設定部A3が、燃料電池1の発電量上限値HMを、400Whに設定し、以降、発電量上限値HMを、300Whに設定した場合と同様に、排熱量予測部A4が、発電量上限値が400Whである場合について、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測排熱量を求め、続いて、貯湯量予測部A5が、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量を求めることになる。
図5に例示する場合には、貯湯量予測部A5の予測結果、つまり、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量には、貯湯タンク2の設定最大貯湯量MTを超える場合が存在しないので、この演算段階では、制御用発電量上限値設定部A6は、発電量上限値の400Whを、制御用発電量上限値に設定することはない。
発電量上限値の400Whを制御用発電量上限値に設定しない場合には、発電量上限値仮設定部A3が、燃料電池1の発電量上限値HMを、500Whに設定し、以降、発電量上限値HMを、300Whに設定した場合と同様に、排熱量予測部A4が、発電量上限値が500Whである場合について、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測排熱量を求め、続いて、貯湯量予測部A5が、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量を求めることになる。
図5に例示する場合には、貯湯量予測部A5の予測結果、つまり、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量には、貯湯タンク2の設定最大貯湯量MTを超える場合が存在しないので、この演算段階では、制御用発電量上限値設定部A6は、発電量上限値の500Whを、制御用発電量上限値に設定することはない。
発電量上限値の500Whを制御用発電量上限値に設定しない場合には、発電量上限値仮設定部A3が、燃料電池1の発電量上限値HMを、600Whに設定し、以降、発電量上限値HMを、300Whに設定した場合と同様に、排熱量予測部A4が、発電量上限値が600Whである場合について、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測排熱量を求め、続いて、貯湯量予測部A5が、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量を求めることになる。
図5に例示する場合には、貯湯量予測部A5の予測結果、つまり、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量には、貯湯タンク2の設定最大貯湯量MTを超える場合が存在しないので、この演算段階では、制御用発電量上限値設定部A6は、発電量上限値の600Whを、制御用発電量上限値に設定することはない。
発電量上限値の600Whを制御用発電量上限値に設定しない場合には、発電量上限値仮設定部A3が、燃料電池1の発電量上限値HMを、700Whに設定し、以降、発電量上限値HMを、300Whに設定した場合と同様に、排熱量予測部A4が、発電量上限値が700Whである場合について、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測排熱量を求め、続いて、貯湯量予測部A5が、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量を求めることになる。
図5に例示する場合には、貯湯量予測部A5の予測結果、つまり、評価対象期間K1における1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量には、貯湯タンク2の設定最大貯湯量MTを超える場合が存在するので、この演算段階で初めて、制御用発電量上限値設定部A6は、貯湯タンク2の設定最大貯湯量未満になる条件を満足する最大の発電量上限値として、700Whよりも一段階低い600Whを選択し、この600Whを、制御用発電量上限値に設定する。
ちなみに、発電量上限値を、300Whから順次増大させて、最大の700Whに設定しても、貯湯量予測部A5の予測結果、つまり、評価対象期間Kにおける1時間毎の対象時間帯についての1時間あたりの予測貯湯量が、貯湯タンク2の設定最大貯湯量MTを超えることがない場合には、制御用発電量上限値設定部A6は、貯湯タンク2の設定最大貯湯量未満になる条件を満足する最大の発電量上限値として、700Whを、制御用発電量上限値に設定することになる。
また、本実施形態においては、制御用発電量上限値設定部A6が、評価対象期間K1内の対象時間帯の単位時間(本実施形態においては1時間)よりも短い時間間隔(例えば、15分間隔)で、制御用発電量上限値を繰り返し設定することになるため、制御用発電量上限値を設定するタイミングが、評価対象期間K1の開始時点に相当する現時刻と一致する場合と、評価対象期間K1の開始時点に相当する現時刻から外れる(遅れる)場合とが存在する。
すなわち、本実施形態においては、評価対象期間設定部A1は、将来の評価対象期間K1としての24時間を、時間経過に伴って、1時間毎に繰り返し設定するように構成されているから、例えば、制御用発電量上限値設定部A6が、15分間隔で制御用発電量上限値を設定する場合には、制御用発電量上限値を設定するタイミングが、評価対象期間K1の開始時点に相当する時刻から1時間後の次の対象時刻までの間に、開始時点に相当する時刻、その時刻から15分遅れた時刻、30分遅れた時刻、及び、45分遅れた時刻の4回現れることになるが、本実施形態においては、いずれの場合にも、貯湯量予測部A5が同じ演算形態にて予測貯湯量を求めるように構成されている。
つまり、制御用発電量上限値を設定するタイミングが、評価対象期間K1の開始時点に相当する現時刻と一致する場合と、評価対象期間K1の開始時点に相当する現時刻から外れる場合とのいずれにおいても、その時点における現在貯湯量を現在貯湯量確認手段5Cにて確認する。
そして、現在貯湯量確認手段5Cにて確認される現在貯湯量kcal、需要予測部A2にて予測される対象時刻(現時刻)についての1時間当たりの熱需要kcal、及び、排熱量予測部A4にて予測される対象時刻(現時刻)の1時間当たりの予測排熱量kcalに基づいて、上述の下記式(3)にて求めることになる。
現時刻の予測貯湯量=現在貯湯量+予測排熱量−熱需要……(式3)
尚、制御用発電量上限値を設定するタイミングが、評価対象期間K1の開始時点に相当する現時刻と一致する場合と、評価対象期間K1の開始時点に相当する現時刻から外れる場合とで、貯湯量予測部A5による予測貯湯量の求め方を異ならせるようにしてもよい。
すなわち、制御用発電量上限値を設定するタイミングが、評価対象期間K1の開始時点に相当する現時刻と一致する場合には、上述の通り、予測貯湯量を求めるようにする。
そして、制御用発電量上限値を設定するタイミングが、評価対象期間K1の開始時点に相当する現時刻から外れる場合には、現時点から次の対象時刻までの予測貯湯量kcalを、現在貯湯量確認手段5Cにて確認される現在貯湯量kcal、需要予測部A2にて予測される対象時刻(現時刻)についての1時間当たりの熱需要kcal、排熱量予測部A4にて予測される対象時刻(現時刻)の1時間当たりの予測排熱量kcal、及び、現時点から次の対象時刻まで残り時間の1時間に対する割合に基づいて、の下記式にて求めるようにしてもよい。
現時刻の予測貯湯量=現在貯湯量+(予測排熱量−熱需要)×割合……(式5)
〔制御用発電量上限値の探索・設定手順〕
現発電量設定手段5Aの制御作動について、図4のフローチャートに基づいて説明を加える。尚、図4のフローチャートは、運転制御装置5が順次実行する複数の制御処理のうちの一つの制御処理(サブルーチン)として記載されている。
先ず、1時間毎の評価対象期間K1の設定タイミングであるか否かが判定され(#1)、評価対象期間K1の設定タイミングであると判定した場合には、評価対象期間を設定する処理が実行され(#2)、続いて、評価対象期間K1内の対象時刻毎の電力需要と熱需要とを予測する需要予測の処理が実行される(#3)。
#1の処理にて、評価対象期間K1の設定タイミングでないと判定したとき、及び、#2、#3の処理を実行したのちは、時間帯毎の売電単価が所定の下限設定売電価格より高い時間帯を、電力系統へ逆潮可能な時間帯K2として設定する処理が実行される(#4)。
#4の処理を実行した後には、15分毎に定めた発電量上限値の設定タイミングであるか否かが判定され(#5)、発電量上限値の設定タイミングでないときには、#1の処理に移行することになる。
#5の処理にて、設定タイミングであると判定したときには、現在貯湯量を確認する処理(#6)、発電量上限値を最小発電量(300Wh)に設定する処理(#7)、評価対象期間K1内の対象時間帯毎の排熱量を求める排熱量予測の処理(#8)、及び、評価対象期間K1内の対象時間帯毎の予測貯湯量を求める貯湯量予測の処理(#9)を実行する。
次に、#9の貯湯量予測の処理の結果に基づいて、評価対象期間K1内の対象時間帯毎の予測貯湯量のうちで貯湯タンク2の設定最大貯湯量(8600kcal)を超えているものが存在するか否か、つまり、予測貯湯量が設定最大貯湯量(8600kcal)を超えているか否かを判定し(#10)、超えていない場合には、発電量上限値が最大(700Wh)であるか否かを判定し(#11)、最大でない場合には、発電量上限値を単位量(10Wh)だけ増加する処理を実行し(#12)、その後、#8の処理に移行することになる。
尚、#8の排熱量予測の処理では、逆潮可能な時間帯K2は前記制御用発電量上限値で、逆潮可能な時間帯以外は、電力需要が発電量上限値未満の場合は電力需要を充足する電力を発電し、電力需要が発電量上限値以上の場合は発電量上限値の電力を発電する運転形態で、予測排熱量が予測されることになる。
#10の処理にて、予測貯湯量が設定最大貯湯量(8600kcal)を超えていると判定した場合には、単位量増加前の発電量上限値を、制御用発電量上限値に設定する処理を実行し(#13)、その後、#1の処理に移行することになる。なお、単位量増加前の発電量上限値が最小発電量未満となる場合は、最小発電量を制御用発電量上限値に設定する。
また、#11の処理にて、発電量上限値が最大であると判定したときには、現在の発電量上限値を、制御用発電量上限値に設定する処理を実行し(#14)、その後、#1の処理に移行することになる。
ちなみに、#5〜#14の処理にて、発電量上限値を仮設定する処理、排熱量を予測する処理及び貯湯量を予測する処理が繰り返し実行されることにより、予測される予測貯湯量が、貯湯タンク2の設定最大蓄熱量未満となる条件を満足する最大の発電量上限値を探索して、探索された最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定する制御用発電量上限値を設定する処理が、時間経過に伴って繰り返し実行されることになる。
そして、制御用発電量上限値を設定する処理は、15分間隔で繰り返し実行されるものであるから、評価対象期間K1内の対象時間帯の単位時間(1時間)よりも短い時間間隔で、繰り返し実行されることになる。
〔コジェネレーションシステムの運転結果及び評価〕
図6は、本発明を適用して燃料電池1を運転した場合を例示するものであり、上述の如く、「P」で示す領域が電主運転の領域であり、「M」で示す領域が、発電量を「制御用発電量上限値」で運転する領域である。
そして、本発明の運転状態を示す図6と従来の運転状態を示す図7とを比較すると、本発明では「M」で示す領域において、特に、12時近傍の発電量が、図7の場合より高い側に位置しているため、図7の場合よりも省エネ量が高い状態で、燃料電池1が連続して運転されるものとなる。
そして、本発明の運転状態においては、逆潮可能な時間帯K2が8時から21時台までの間である場合、電力カバー率59%であり、省エネ量は58.9MJであった。ちなみに、グラフ図の表示は省略するが、逆潮可能な時間帯が0時から23時台までの間である場合、電力カバー率59%であり、省エネ量は58.8MJであった。
尚、電力カバー率は、1日の発電量/1日の消費電力量×100にて求めることができる。
また、省エネ量は、コジェネレーションシステムを装備しない従来システムの1日の1次エネルギー量からコジェネレーションシステムを装備した場合の1日の一次エネルギー量を減算した値であり、詳しくは、下記の式の通りである。
省エネ量=(1日の消費電力量/0.369+1日の熱消費量/0.75)−(1日の買電量/0.369+1日のガス消費量)
上記の式の「0.369」は、火力発電所の発電効率であり、「0.75」は、ガス給湯暖房機の給湯暖房効率である。
尚、1000Wh=860kal=3.6MJの関係である。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態においては、評価対象期間K1を24時間に設定する場合を例示したが、評価対象期間K1は、12時間や36時間等、種々な長さに設定することができる。
また、上記実施形態では、評価対象期間K1が、1時間毎に繰り返し設定される場合を例示したが、例えば、30分毎に繰り返し設定する等、評価対象期間K1を時間経過に伴って繰り返し設定する周期は種々変更できる。
(2)上記実施形態においては、評価対象期間K1の対象時間帯毎の電力需要と熱需要とを予測するにあたり、1時間毎の電力需要と熱需要とを予測する場合を例示したが、例えば、30分毎の電力需要と熱需要とを予測する等、電力需要と熱需要とを予測する時間間隔は、各種変更できる。
(3)上記実施形態においては、予測される予測貯湯量が、貯湯タンク2の設定最大蓄熱量未満となる条件を満足する最大の発電量上限値を探索して、探索された最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定することを、評価対象期間K1内の対象時間帯の単位時間よりも短い時間間隔で行う場合を例示したが、このような設定を、評価対象期間K1を時間経過に伴って繰り返し設定する周期と同じ周期で行うようにしてもよい。
(4)上記実施形態においては、熱電併給装置としての燃料電池の発電量が、10Whを単位量として調整される場合を例示したが、例えば、5Whを単位量として調整する等、燃料電池の発電量を調整する単位量は、各種変更できる。
(5)上記実施形態においては、熱電併給装置として燃料電池を例示したが、燃料電池に代えて、エンジン駆動型の発電機を用いるようにする等、熱電併給装置としては種々の形態のものが適用できる。
(6)上記実施形態において、逆潮時間帯設定部5Dで設定された逆潮可能な時間帯以外において、現時刻の制御用発電量上限値が最小発電量(燃料電池1にて設定可能な最小の発電量)となる場合、燃料電池1の運転を停止させるように構成することが好ましい。
この場合、燃料電池1の運転を停止させる時間は、逆潮可能な時間帯以外の全てでも構わないし、その一部でも構わないが、燃料電池1の運転を停止させなかった場合の排熱量を、逆潮可能な時間帯K2にて、燃料電池1を働かせることで賄うことが可能な時間に設定することが好ましい。
(7)上記実施形態では、逆潮時間帯設定部5Dは、時間帯毎の売電単価が所定の下限設定売電価格より高い時間帯を、電力系統へ逆潮可能な時間帯K2として設定するように構成されている例を示した。しかしながら、逆潮時間帯設定部5Dは、逆潮可能な時間帯K2を、燃料電池1の排熱量に対する熱需要の大小等の需要条件により変更設定可能に構成しても構わない。
以下、図8〜13、16〜21に基づいて説明するが、詳細については上記実施形態で説明したので省略する。
ちなみに、当該別実施形態にあっては、コストダウンのために、燃料電池1の定格出力を500Wに設定しており、発電量上限値の設定は、300W、400W、500Wにおいて貯湯量等の値を計算した例を示している。
まず、熱需要が多い場合(例えば冬期)の燃料電池1の発電量上限値は、逆潮可能な時間帯K2を零時間に設定しているときには、図8の表に示すように、定格の500Wまで上げた場合であっても、貯湯量が満タンまで増加しないので、500Wに設定される。この場合の電力需要と発電量の経時変化は、図16に示すグラフ図のようになる。
次に、逆潮可能な時間帯K2を電力需要のピーク時間帯(当該別実施形態にあっては、8時から21時台までの間)に設定しているときには、図9の表に示すように、発電量上限値を定格の500Wまで上げた場合であっても、貯湯量が満タンまで増加しないので、500Wに設定される。この場合の電力需要と発電量の経時変化は、図17に示すグラフ図のようになる。
更に、逆潮可能な時間帯K2を24時間に設定しているときには、図10の表に示すように、発電量上限値を定格の500Wまで上げた場合であっても、貯湯量が満タンまで増加しないので、500Wに設定される。この場合の電力需要と発電量の経時変化は、図18に示すグラフ図のようになる。
即ち、当該別実施形態にあっては、燃料電池1の定格出力を500Wに設定し、燃料電池1からの定格出力の排熱量が低下した関係で、逆潮可能な時間帯を24時間に設定した場合であっても、発電量上限値は定格の500Wに設定されることとなる。
ここで、買電量単価が逆潮単価を上回るため、買電量を増やさずに逆潮量を増やすように制御されることが好ましい。逆潮時間帯は、零より大きい時間に設定するものとして、「逆潮可能な時間帯がピーク時間帯」に設定される場合(図9の表に示される場合)と、「逆潮可能な時間帯が24時間」に設定される場合(図10の表に示される場合)とを比較すると、両者は買電量が同じであり逆潮量は「逆潮可能な時間帯が24時間」に設定している場合の方が大きい。このため、逆潮可能な時間帯は、24時間に設定されることが好ましい。
次に、熱需要が少ない場合(例えば夏期)の燃料電池1の発電量上限値は、逆潮可能な時間帯K2を零時間に設定しているときには、図11の表に示すように、定格の500Wまで上げた場合であっても、貯湯量が満タンまで増加しないので、500Wに設定される。この場合の電力需要と発電量の経時変化は、図19に示すグラフ図のようになる。
次に、逆潮可能な時間帯K2を電力需要のピーク時間帯に設定しているときには、図12の表に示すように、発電量上限値を定格の500Wまで上げた場合であっても、貯湯量が満タンまで増加しないので、500Wに設定される。この場合の電力需要と発電量の経時変化は、図20に示すグラフ図のようになる。
更に、逆潮可能な時間帯K2を24時間に設定しているときには、図13の表に示すように、発電量上限値を定格の500Wまで上げた場合(500Wに仮設定した場合)、貯湯量が満タンとなる時間帯が発生するので、発電量上限値が400Wに下げられる。発電量上限値を400Wに仮設定した場合には、貯湯量が満タンまで増加しないので、発電量上限値が400Wに設定される。この場合の電力需要と発電量の経時変化は、図21に示すグラフ図のようになる。
当該熱需要が少ない場合においても、逆潮時間帯は、零より大きい時間に設定するものとして、「逆潮可能な時間帯がピーク時間帯」に設定される場合(図11の表に示される場合)と、「逆潮可能な時間帯が24時間」に設定される場合(図12の表に示される場合)とで比較すると、逆潮可能な時間帯をピーク時間帯に制限している方が、逆潮可能な時間帯を24時間に設定している場合に比べ、買電量を低減できていることがわかる。このため、熱需要が少ない場合においては、逆潮可能な時間帯がピーク時間帯に設定されていることが好ましい。
そこで、当該別実施形態にあっては、逆潮時間帯設定部5Dが、逆潮可能な時間帯K2が電力需要のピーク時間帯に設定されている状態で、所定時間だけ発電量上限値が定格出力となる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯K2を24時間に設定し、逆潮可能な時間帯K2が24時間に設定されている状態で、所定時間だけ発電量上限値が定格出力より所定出力以上小さくなる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯K2をピーク時間帯に設定するように構成されている。
以上の制御において、ピーク時間帯を8時から21時台までの間に設定し、所定時間を12時間以上に設定し、所定日数を1日から7日までの間に設定し、所定出力を定格出力の10%以上50%以下に設定し、且つ逆潮時間帯設定部5Dが上述の制御により逆潮可能な時間帯K2を設定することにより、熱需要が少ない時には逆潮可能な時間帯K2がピーク時間帯に設定され、熱需要が多い時には逆潮可能な時間帯K2が24時間に設定されるため、買電量の増加を防止しながら逆潮を行うことができる。
(8)逆潮時間帯設定部5Dは、定格出力で1日発電した時の排熱量に対して、熱需要がかなり少ない場合で、逆潮可能な時間帯K2をピーク時間帯としても熱が余剰となるときには、逆潮量が零になることをも許容する状態で、逆潮可能な時間帯K2を設定するように構成しても構わない。
以下、図14、15、22、23に基づいて説明するが、詳細については上記実施形態で説明したので省略する。
ちなみに、当該別実施形態にあっては、燃料電池1の定格出力を900Wに設定しており、発電量上限値の設定は、500W、700W、900Wにおいて貯湯量等の値を計算した例を示している。
まず、熱需要が少ない場合の燃料電池1の発電量上限値は、逆潮可能な時間帯K2を零時間に設定している場合、図14の表に示すように、定格の900Wまで上げたとき(900Wに仮設定したとき)には、貯湯量が満タンになる時間帯が存在するので、700Wに設定される。この場合の電力需要と発電量の経時変化は、図22に示すグラフ図のようになる。
次に、逆潮可能な時間帯K2を電力需要のピーク時間帯(当該別実施形態にあっては、8時から21時台までの間)に設定している場合、図15の表に示すように、発電量上限値を900W、700Wに仮設定しているときには、貯湯量が満タンとなる時間が存在するので、500Wに設定される。この場合の電力需要と発電量の経時変化は、図23に示すグラフ図のようになる。
ここで、「逆潮可能な時間帯がピーク時間帯」に設定される場合(図15の表に示される場合)と、「逆潮可能な時間帯が零時間」に設定される場合(図14の表に示される場合)とを比較すると、逆潮可能な時間帯をピーク時間帯に設定している場合よりも、逆潮可能な時間帯を零時間に設定している方が、買電量を抑えることができる。このため、熱需要がかなり少ない場合には、逆潮可能な時間帯を零時間に設定することが好ましい。
そこで、当該別実施形態にあっては、逆潮時間帯設定部5Dが、逆潮可能な時間帯K2が電力需要のピーク時間帯に設定されている状態で、所定時間だけ発電量上限値が定格出力より所定出力以上小さくなる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯K2を零時間に設定し、逆潮可能な時間帯K2が零時間に設定されている状態で、所定時間だけ発電量上限値が定格出力となる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯K2をピーク時間帯に設定するように構成されている。
以上の制御において、ピーク時間帯を8時から21時台までの間に設定し、所定時間を12時間以上に設定し、所定日数を1日から7日までの間に設定し、所定出力を定格出力の10%以上50%以下に設定することにより、熱需要がかなり少ない場合には、逆潮量を零にすることをも許容する形態で、買電量を抑制して、経済的なメリットを享受することができる。
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、簡素な制御構成によって、貯湯タンクの貯湯状態を好適な状態に維持しながら、消費電力を熱電併給装置の発電量にてカバーする電力カバー率の増大化を図ることができ、且つ運転日の電力需要や熱需要が、予測される電力需要や熱需要から異なった場合にも、適切に対応することができ、更には、効率の高い熱電併給装置の利用率を高めることで省エネ量を高め得るコジェネレーションシステムとして好適に利用可能である。
1 燃料電池
2 貯湯タンク
5B 運転制御手段
5D 逆潮時間帯設定部
A1 評価対象期間設定部
A2 需要予測部
A3 発電量上限値仮設定部
A4 排熱量予測部
A5 貯湯量予測部
A6 制御用発電量上限値設定部

Claims (7)

  1. 電力と熱を発生する熱電併給装置と貯湯タンクを備えたコジェネレーションシステムであって、
    将来の評価対象期間を時間経過に伴って繰り返し設定する評価対象期間設定部と、
    前記評価対象期間内の対象時間帯毎の電力需要と熱需要とを予測する需要予測部と、
    前記評価対象期間内で、電力系統へ逆潮可能な時間帯を設定する逆潮時間帯設定部と、
    前記熱電併給装置の発電量の上限値を仮設定する発電量上限値仮設定部と、
    予測された電力需要と仮設定する発電量上限値から、前記熱電併給装置の対象時間帯毎の予測排熱量を求める排熱量予測部と、
    前記貯湯タンクの現在貯湯量と予測された熱需要と予測排熱量から、対象時間帯毎の前記貯湯タンクの予測貯湯量を求める貯湯量予測部と、
    前記発電量上限値仮設定部、前記排熱量予測部及び前記貯湯量予測部を働かせて、予測される予測貯湯量が、前記貯湯タンクの設定最大貯湯量未満となる条件を満足する最大の発電量上限値を探索して、探索された前記最大の発電量上限値を制御用発電量上限値として設定することを、時間経過に伴って繰り返し行う制御用発電量上限値設定部とを備え、
    前記熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段が、逆潮可能な時間帯は前記制御用発電量上限値で、逆潮可能な時間帯以外は前記制御用発電量上限値を上限として前記熱電併給装置の現時刻の発電量を制御するコジェネレーションシステム。
  2. 前記排熱量予測部が、逆潮可能な時間帯は、前記発電量上限値の電力を発電する運転形態で、逆潮可能な時間帯以外は、前記電力需要が前記発電量上限値未満の場合は前記電力需要を充足する電力を発電し、前記電力需要が前記発電量上限値以上の場合は前記発電量上限値の電力を発電する運転形態で、前記予測排熱量を予測するように構成されている請求項1記載のコジェネレーションシステム。
  3. 前記逆潮時間帯設定部で設定された逆潮可能な時間帯以外において、現時刻の前記制御用発電量上限値が最小発電量となる場合に、前記熱電併給装置の運転を停止させるように構成されている請求項1または2記載のコジェネレーションシステム。
  4. 前記逆潮時間帯設定部が、時間帯毎の売電単価が所定の下限設定売電価格より高い時間帯を、電力系統へ逆潮可能な時間帯として設定するように構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のコジェネレーションシステム。
  5. 前記逆潮時間帯設定部が、逆潮可能な時間帯が前記電力需要のピーク時間帯に設定されている状態で、所定時間だけ前記発電量上限値が定格出力となる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯を24時間に設定し、
    逆潮可能な時間帯が24時間に設定されている状態で、前記所定時間だけ前記発電量上限値が定格出力より所定出力以上小さくなる日が前記所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯を前記ピーク時間帯に設定するように構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のコジェネレーションシステム。
  6. 前記逆潮時間帯設定部が、逆潮可能な時間帯が前記電力需要のピーク時間帯に設定されている状態で、所定時間だけ前記発電量上限値が定格出力より所定出力以上小さくなる日が所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯を零時間に設定し、
    逆潮可能な時間帯が零時間に設定されている状態で、前記所定時間だけ前記発電量上限値が定格出力となる日が前記所定日数となった翌日は、逆潮可能な時間帯を前記ピーク時間帯に設定するように構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のコジェネレーションシステム。
  7. 前記ピーク時間帯を8時から21時台までの間、前記所定時間を12時間以上、前記所定日数を1日から7日までの間、前記所定出力を定格出力の10%以上50%以下に設定している請求項5または6に記載のコジェネレーションシステム。
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