JP4660422B2 - エネルギ供給システム - Google Patents
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Description
現在要求されている現電力負荷に応じた電力を出力するように前記発電手段の運転を制御する運転制御手段と、
前記発電手段の出力電力の余剰分を蓄電し且つ現電力負荷に対して前記発電手段の出力電力が不足するときに蓄電している電力を放電する蓄電手段とが設けられたエネルギ供給システムに関する。
つまり、電力消費箇所にて必要とされる電力を供給するに当たって、かかるエネルギ供給システムにて供給することにより、発電所にて発電される商用電力を供給するのに比べて、送電ロスを小さくすることができる等により、必要一次エネルギの削減を図ることができるのである。
そして、運転制御手段により、現在要求されている現電力負荷に応じた電力を出力するように発電手段の運転を制御する、所謂電主運転を実行する状態で、発電手段の出力電力を現電力負荷に追従仕切れない状態となって、現電力負荷に対して発電手段の出力電力に余剰電力が生じるとその余剰電力を蓄電手段に蓄電し、現電力負荷に対して発電手段の出力電力が不足すると、蓄電手段に蓄電している電力を放電するように構成してある。
又、発電手段は商用電源に系統連系されて、現電力負荷が発電手段の出力電力を上回るとき又は発電手段の出力電力と蓄電手段からの放電電力とを加えた電力を上回るときは、必要一次エネルギの削減には好ましくないものの、その上回る分が商用電源から供給されるように構成してある(例えば、特許文献1参照。)。
そして、現電力負荷が電主出力用のステップ出力よりも小さいときに生じる余剰電力を蓄電手段に蓄電して、現電力負荷が電主出力用のステップ出力よりも大きいとき、及び、現電力負荷が発電手段の出力調節範囲における最大出力電力よりも大きいときに、蓄電手段に蓄電している電力を放電するように構成されていた。
そして、このように熱電併給型に構成する場合、発電手段を単に電主運転する状態では、貯湯槽に蓄熱される熱量が熱負荷に対して不足し易くて、燃焼式の給湯器等の補助熱源機のエネルギ消費量を低減し難いものであった。
現在要求されている現電力負荷に応じた電力を出力するように前記発電手段の運転を制御する運転制御手段と、
前記発電手段の出力電力の余剰分を蓄電し且つ現電力負荷に対して前記発電手段の出力電力が不足するときに蓄電している電力を放電する蓄電手段とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記運転制御手段は、前記発電手段を最大出力電力にて運転しても時系列的な予測電力負荷を賄えなくなる電力不足時間帯を求めるエネルギ不足状態導出手段を備えて、そのエネルギ不足状態導出手段にて求められた前記電力不足時間帯よりも前に、前記蓄電手段に蓄電される電力を増大させるべく前記発電手段の出力電力を上昇側に変更調節する出力上昇処理を実行するように構成されており、
前記運転制御手段は、現電力負荷が前記発電手段の出力調節範囲における出力調節下限値よりも小さいときは、前記発電手段の出力電力を前記出力調節下限値に調節するように構成され、
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、前記発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる時間帯を前記電力不足時間帯として求めるように構成されている点を特徴とする。
従って、商用電力の消費量を低減することが可能となるので、必要一次エネルギを十分に削減することができるように運転し得るエネルギ供給システムを提供することができるようになった。
そして、エネルギ不足状態導出手段により、予測電力負荷に基づいて蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量が求められて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて予測電力負荷を賄えなくなる時間帯が電力不足時間帯として求められる。
尚、上述のように発電手段の出力調節範囲に出力調節下限値を設定するのは、通常、発電手段はその出力電力が小さくなるほど発電効率が低くなって、その発電効率が低い状態で運転しても必要一次エネルギ削減の効果が高くないことから、発電効率が低い状態での発電手段の運転を回避するためである。
ちなみに、前記出力調節下限値としては、例えば、発電手段の最大出力電力の30%等、必要一次エネルギ削減が可能な発電効率にて発電手段を運転することが可能な値に設定する。
従って、電力不足時間帯を適切に求めることが可能となって、出力上昇処理が実行されるのが電力が不足する時間帯よりも遅れるのを防止することが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記運転制御手段は、現電力負荷が前記出力調節下限値よりも大きい値として設定可能な設定下限電力以下のときに、前記発電手段の出力電力を前記設定下限電力に調節することにより、前記出力上昇処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
そして、発電手段を運転する最低出力を出力調節下限値よりも大きい設定下限電力とすることにより、出力上昇処理が実行されるので、電主運転の形態を変更することなく、出力上昇処理が実行されるようにすることが可能となる。
従って、電主運転の形態を変更することなく、必要一次エネルギを削減することができるようになった。
前記エネルギ不足状態導出手段は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期内において、前記予測電力負荷に基づいて前記予測蓄電電力量を求めて前記電力不足時間帯を求め、且つ、その電力不足時間帯において前記予測電力負荷が前記予測総出力電力量を上回る不足電力量を求めるように構成され、
前記運転制御手段は、前記不足電力量に応じて前記設定下限電力を変更設定する下限電力設定手段を備えている点を特徴とする。
従って、商用電力の消費量をできるだけ低減することが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記下限電力設定手段は、前記蓄電手段における充放電損失を考慮する状態で、前記設定下限電力を変更設定するように構成されている点を特徴とする。
従って、商用電力の消費量を更に低減することが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記運転制御手段は、前記電力不足時間帯よりも前の時間帯に設定される出力上昇処理用時間帯において、前記発電手段の出力電力を現電力負荷又は前記予測電力負荷よりも大きい出力上昇処理用電力に調節することにより、前記出力上昇処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
そして、出力上昇処理用時間帯を、現電力負荷又は予測電力負荷に応じて、発電手段をより高い発電効率にて運転することが可能な時間帯に設定する等、出力上昇処理が省エネルギを図ることが可能な時間帯にて実行されるようにすることが可能となる。
従って、出力上昇処理が省エネルギを図ることが可能なように実行されるようにすることが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記エネルギ不足状態導出手段は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期内において、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、前記発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる時間帯を前記電力不足時間帯として求め、且つ、その電力不足時間帯において前記予測電力負荷が前記予測総出力電力量を上回る不足電力量を求めるように構成され、
前記運転制御手段は、前記不足電力量に応じて前記出力上昇処理用電力を設定するように構成されている点を特徴とする。
そして、運転制御手段により、不足電力量に応じて前記出力上昇処理用電力が設定される。
従って、商用電力の消費量をできるだけ低減することが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記運転制御手段は、前記出力上昇処理用時間帯及び前記出力上昇処理用電力を設定する出力上昇処理用電力設定手段、及び、前記出力上昇処理を実行すると仮定したときの運転メリットの程度を示す運転判断用指標を求める指標導出手段を備え、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記指標導出手段により求められる運転判断用指標に基づいて、運転メリットの程度が大きくなるように前記出力上昇処理用時間帯及び前記出力上昇処理用電力を設定するように構成されている点を特徴とする。
ちなみに、前記運転判断用指標としては、例えば、省エネルギ性の如きエネルギ消費におけるメリットを示すものや、経済的なメリットを示すものがある。
前記指標導出手段は、前記電力不足時間帯よりも前に、前記予測電力負荷が前記最大出力電力よりも小さい単位時間である電力充足単位時間が複数存在するときに、それら複数の電力充足単位時間の夫々において、条件設定用の充電用増大電力を、前記予測電力負荷に前記条件設定用の充電用増大電力を加えた電力が前記最大出力電力を上回らない条件で、設定電力間隔を空ける状態で段階的に設定して、前記条件設定用の充電用増大電力毎に、前記予測電力負荷に前記条件設定用の充電用増大電力を加えた条件設定用出力電力にて前記発電手段を運転したときの運転判断用指標を求めるように構成され、前記出力上昇処理用電力設定手段が、前記複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用の充電用増大電力、及び、前記指標導出手段により求められた運転判断用指標に基づいて、運転メリットの程度が最大となり且つ前記不足電力量に対する前記蓄電手段の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力を選択して、選択した電力充足単位時間、選択した条件設定用の充電用増大電力を現電力負荷又は前記予測電力負荷に加えた電力を夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用電力として設定するように構成されている点を特徴とする。
そして、出力上昇処理用電力設定手段により、複数の電力充足単位時間夫々の条件設定用の充電用増大電力、及び、指標導出手段により求められた運転判断用指標に基づいて、運転メリットの程度が最大となり且つ不足電力量に対する蓄電手段の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力が選択されて、選択された電力充足単位時間、選択された条件設定用の充電用増大電力を現電力負荷又は前記予測電力負荷に加えた電力が夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用電力として設定される。
従って、運転メリットの程度が最大となる状態で出力上昇処理を行いながら、商用電力の消費量をできるだけ低減することが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記指標導出手段は、前記運転判断用指標として、前記条件設定用出力電力における前記発電手段の発電効率と前記予測電力負荷に応じた出力電力における前記発電手段の発電効率との差である発電効率差を求めるように構成され、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記発電効率差が大きいほど運転メリットの程度が大きいと判断するように構成されている点を特徴とする。
従って、運転判断用指標として前記発電効率差を求めて、その発電効率差を用いて出力上昇処理用時間帯及び出力上昇処理用電力を設定することにより、運転メリットが大きくなるように出力上昇処理を適切に行うことができるようになった。
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記入力エネルギ対出力比率が大きいほど運転メリットの程度が大きいと判断するように構成されている点を特徴とする。
そして、その充電ロス加味入力エネルギに対する条件設定用出力電力の比率である入力エネルギ対出力比率は、発電手段への入力エネルギの単位量に対して、どれだけの有効出力電力、即ち、電力負荷に供給される電力と蓄電手段に充電される電力とを加えた電力が得られたかを示すものであり、その入力エネルギ対出力比率が大きいほど、運転メリットが大きいものである。
従って、運転判断用指標として前記入力エネルギ対出力比率を求めて、その入力エネルギ対出力比率を用いて出力上昇処理用時間帯及び出力上昇処理用電力を設定することにより、運転メリットが大きくなるように出力上昇処理を適切に行うことができるようになった。
前記指標導出手段は、前記条件設定用の充電用増大電力が前記蓄電手段に充電されるときにロスとなる充電ロス電力と前記条件設定用出力電力とを加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギを求めて、前記運転判断用指標として、前記充電ロス加味入力エネルギに対する前記条件設定用出力電力の比率である入力エネルギ対出力比率から、前記予測電力負荷に応じた出力電力における前記発電手段の発電効率を減じた充電ロス加味発電効率差を求めるように構成され、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記充電ロス加味発電効率差が大きいほど運転メリットの程度が大きいと判断するように構成されている点を特徴とする。
従って、運転判断用指標として前記充電ロス加味発電効率差を求めて、その充電ロス加味発電効率差を用いて出力上昇処理用時間帯及び出力上昇処理用電力を設定することにより、運転メリットが大きくなるように出力上昇処理を適切に行うことができるようになった。
前記指標導出手段は、前記条件設定用の充電用増大電力が前記蓄電手段に充電されるときにロスとなる充電ロス電力と前記条件設定用出力電力とを加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギを求めて、前記運転判断用指標として、前記条件設定用の充電用増大電力を発電所にて得る場合の消費エネルギである前記条件設定用の充電用増大電力の発電所消費エネルギ換算値と前記発電手段にて前記予測電力負荷に応じた電力を出力するのに要する電主時エネルギとを加えたエネルギから、前記充電ロス加味入力エネルギを減じた充電ロス加味エネルギ差を求めるように構成され、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記充電ロス加味エネルギ差が大きいほど運転メリットの程度が大きいと判断するように構成されている点を特徴とする。
一方、条件設定用の充電用増大電力の発電所消費エネルギ換算値と電主時エネルギとを加えたエネルギは、電力負荷に供給される電力は発電手段にて得ると共に、蓄電手段に充電される電力は商用電力を発電するための発電所にて得るのに必要なエネルギを示すものである。
そして、条件設定用の充電用増大電力の発電所消費エネルギ換算値と電主時エネルギとを加えたエネルギから充電ロス加味入力エネルギを減じて得られる充電ロス加味エネルギ差は、大きいほど運転メリットが大きい状態を示すものである。
従って、運転判断用指標として前記充電ロス加味エネルギ差を求めて、その充電ロス加味エネルギ差を用いて出力上昇処理用時間帯及び出力上昇処理用電力を設定することにより、運転メリットが大きくなるように出力上昇処理を適切に行うことができるようになった。
前記指標導出手段は、前記条件設定用の充電用増大電力が前記蓄電手段に充電されるときにロスとなる充電ロス電力と前記条件設定用出力電力とを加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギを求め、前記条件設定用の充電用増大電力を発電所にて得る場合の消費エネルギである前記条件設定用の充電用増大電力の発電所消費エネルギ換算値と前記発電手段にて前記予測電力負荷に応じた電力を出力するのに要する電主時エネルギとを加えたエネルギから、前記充電ロス加味入力エネルギを減じた充電ロス加味エネルギ差を求めて、前記運転判断用指標として、前記充電ロス加味エネルギ差を前記条件設定用の充電用増大電力にて除した単位充電量当たりのエネルギ差を求めるように構成され、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記単位充電量当たりのエネルギ差が大きいほど運転メリットの程度が大きいと判断するように構成されている点を特徴とする。
従って、運転判断用指標として前記単位充電量当たりのエネルギ差を求めて、その単位充電量当たりのエネルギ差を用いて出力上昇処理用時間帯及び出力上昇処理用電力を設定することにより、運転メリットが大きくなるように出力上昇処理を適切に行うことができるようになった。
前記指標導出手段は、前記充電ロス加味入力エネルギを、前記条件設定用出力電力及び前記充電ロス電力に前記蓄電手段の待機電力を加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するものとして求めるように構成されている点を特徴とする。
ちなみに、前記待機電力は、充電、放電の動作に拘らず、蓄電手段を充放電が可能な状態に維持しておくために消費される電力を示す。
そこで、充電ロス加味入力エネルギを、条件設定用出力電力及び充電ロス電力に蓄電手段の待機電力を加えた電力を発電手段にて出力するのに要するものとして求めて、そのように求めた充電ロス加味入力エネルギを用いて、運転判断用指標を求めるようにすることにより、運転判断用指標として、運転メリットの程度をより適切に示すものとして求めることが可能となる。
従って、運転メリットの程度をより適切に示すように運転判断用指標を求めることが可能となり、その運転判断用指標を用いて出力上昇処理用時間帯及び出力上昇処理用電力を設定することにより、運転メリットが大きくなるように出力上昇処理を更に適切に行うことができるようになった。
前記指標導出手段は、前記充電ロス加味入力エネルギを、前記条件設定用出力電力及び前記充電ロス電力に前記蓄電手段の放電ロス電力を加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するものとして求めるように構成されている点を特徴とする。
ちなみに、前記放電ロス電力とは、放電するときに、直流/交流変換回路で電力変換ロスとして発生するロス電力を示す。
そこで、充電ロス加味入力エネルギを、条件設定用出力電力及び充電ロス電力に蓄電手段の放電ロス電力を加えた電力を発電手段にて出力するのに要するものとして求めて、そのように求めた充電ロス加味入力エネルギを用いて、運転判断用指標を求めるようにすることにより、運転判断用指標として、運転メリットの程度をより適切に示すものとして求めることが可能となる。
従って、運転メリットの程度をより適切に示すように運転判断用指標を求めることが可能となり、その運転判断用指標を用いて出力上昇処理用時間帯及び出力上昇処理用電力を設定することにより、運転メリットが大きくなるように出力上昇処理を更に適切に行うことができるようになった。
前記発電手段から発生する熱を回収して貯湯槽に湯水として貯える貯湯手段が設けられ、
前記運転制御手段は、前記発電手段を前記予測電力負荷に応じた電力を出力するように運転したときに前記貯湯手段にて前記貯湯槽に回収される電力負荷追従時回収熱量を時系列的に求める回収熱量導出手段と、前記発電手段を最大出力電力にて運転しても時系列的な予測電力負荷を賄えなくなる電力不足時間帯を求め、且つ、前記回収熱量導出手段にて求められる前記電力負荷追従時回収熱量に基づいて、時系列的な予測熱負荷に対して熱不足状態となる熱不足時間帯を求めるエネルギ不足状態導出手段とを備えて、そのエネルギ不足状態導出手段にて求められた前記電力不足時間帯及び前記熱不足時間帯よりも前に、前記発電手段の出力電力を上昇側に変更調節する出力上昇処理を実行するように構成されており、
前記運転制御手段は、現電力負荷が前記発電手段の出力調節範囲における出力調節下限値よりも小さいときは、前記発電手段の出力電力を前記出力調節下限値に調節するように構成され、
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、前記発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる時間帯を前記電力不足時間帯として求め、且つ、前記回収熱量導出手段にて求められた電力負荷追従時回収熱量及び前記予測熱負荷に基づいて、前記貯湯槽に湯水にて貯えられると予測される時系列的な予測蓄熱量を求めて、前記予測熱負荷に対して前記予測蓄熱量が不足する時間帯を前記熱不足時間帯として求めるように構成されている点を特徴とする。
つまり、このエネルギ供給システムは、電力及び熱を供給可能な熱電併給型のものであり、所謂、コージェネレーションシステムと称されるものである。
そして、運転制御手段により、エネルギ不足状態導出手段にて求められた電力不足時間帯及び熱不足時間帯よりも前に、発電手段の出力電力を上昇側に変更調節する出力上昇処理が実行され、その出力上昇処理は、発電手段の出力電力を現電力負荷よりも大きくする状態で行うことが可能となるので、その出力上昇処理中は、発電手段の出力電力のうち、現電力負荷を上回る余剰分が蓄電手段に蓄電され、又、発電手段から発生する熱が貯湯手段により回収されて貯湯槽に貯えられる。
又、出力上昇処理において発電手段から発生する熱量が電主運転状態よりも増加する分、貯湯槽に貯えられる蓄熱量を増加させることが可能となるので、燃焼式の給湯器等の補助熱源機のエネルギ消費量を低減することが可能となり、省エネルギ化を図ることができる。
従って、必要一次エネルギを十分に削減することができるように運転し得る熱電併給型のエネルギ供給システムを提供することができるようになった。
そして、エネルギ不足状態導出手段により、予測電力負荷に基づいて蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量が求められて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて予測電力負荷を賄えなくなる時間帯が電力不足時間帯として求められ、並びに、回収熱量導出手段にて求められた電力負荷追従時回収熱量及び予測熱負荷に基づいて、貯湯槽に湯水にて貯えられると予測される時系列的な予測蓄熱量が求められて、予測熱負荷に対して予測蓄熱量が不足する時間帯が熱不足時間帯として求められる。
又、電力負荷追従時回収熱量及び予測熱負荷に基づいて予測蓄熱量が時系列的に求められて、予測熱負荷に対して予測蓄熱量が不足する時間帯が熱不足時間帯として求められるようにすることにより、電主運転をする状態では貯湯槽の蓄熱量が熱負荷に対して不足すると予測される時間帯として、熱不足時間帯を適切に求めることが可能となる。
従って、電力不足時間帯及び熱不足時間帯を適切に求めることが可能となって、出力上昇処理が実行されるのが電力が不足する時間帯及び熱が不足する時間帯よりも遅れるのを防止することが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記運転制御手段は、現電力負荷が前記出力調節下限値よりも大きい値として設定可能な設定下限電力以下のときに、前記発電手段の出力電力を前記設定下限電力に調節することにより、前記出力上昇処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
そして、発電手段を運転する最低出力を出力調節下限値よりも大きい設定下限電力とすることにより、出力上昇処理が実行されるので、電主運転の形態を変更することなく、出力上昇処理が実行されるようにすることが可能となる。
従って、電主運転の形態を変更することなく、必要一次エネルギを削減することができるようになった。
前記エネルギ不足状態導出手段は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期内において、前記予測電力負荷に基づいて前記予測蓄電電力量を求めて前記電力不足時間帯を求め、且つ、その電力不足時間帯において前記予測電力負荷が前記予測総出力電力量を上回る不足電力量を求め、並びに、前記電力負荷追従時回収熱量及び予測熱負荷に基づいて前記予測蓄熱量を求めて前記熱不足時間帯を求め、且つ、その熱不足時間帯において前記予測熱負荷が前記予測蓄熱量を上回る不足熱量を求めるように構成され、
前記運転制御手段は、前記不足電力量及び前記不足熱量に応じて前記設定下限電力を変更設定する下限電力設定手段を備えている点を特徴とする。
そして、運転制御手段に備えた下限電力設定手段により、不足電力量及び不足熱量に応じて設定下限電力が変更設定される。
従って、商用電力の消費量をできるだけ低減することが可能となり、又、補助熱源機のエネルギ消費量をできるだけ低減することが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記下限電力設定手段は、前記蓄電手段における充放電損失を考慮する状態で、前記設定下限電力を変更設定するように構成されている点を特徴とする。
従って、商用電力の消費量を更に低減することが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記運転制御手段は、前記電力不足時間帯及び前記熱不足時間帯よりも前の時間帯において、前記発電手段の出力電力を現電力負荷又は前記予測電力負荷よりも大きい不足解消用電力に調節することにより、前記出力上昇処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
そして、出力上昇処理用時間帯を、現電力負荷又は予測電力負荷に応じて、発電手段をより高い発電効率にて運転することが可能な時間帯に設定する等、出力上昇処理が省エネルギを図ることが可能な時間帯にて実行されるようにすることが可能となる。
従って、出力上昇処理が省エネルギを図ることが可能なように実行されるようにすることが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記エネルギ不足状態導出手段は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期内において、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、前記発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる時間帯を前記電力不足時間帯として求め、且つ、その電力不足時間帯において前記予測電力負荷が前記予測総出力電力量を上回る不足電力量を求め、並びに、前記回収熱量導出手段にて求められた電力負荷追従時回収熱量及び前記予測熱負荷に基づいて、前記貯湯槽に湯水にて貯えられると予測される時系列的な予測蓄熱量を求めて、前記予測熱負荷に対して前記予測蓄熱量が不足する時間帯を前記熱不足時間帯として求め、且つ、その熱不足時間帯において前記予測熱負荷が前記予測蓄熱量を上回る不足熱量を求めるように構成され、
前記運転制御手段は、前記不足電力量及び前記不足熱量に応じて前記不足解消用電力を求めるように構成されている点を特徴とする。
又、エネルギ不足状態導出手段により、回収熱量導出手段にて求められた電力負荷追従時回収熱量及び予測熱負荷に基づいて、貯湯槽に湯水にて貯えられると予測される時系列的な予測蓄熱量が求められて、予測熱負荷に対して予測蓄熱量が不足する時間帯が熱不足時間帯として求められ、且つ、その熱不足時間帯において予測熱負荷が予測蓄熱量を上回る不足熱量が求められる。
そして、運転制御手段により、不足電力量及び不足熱量に応じて不足解消用電力が求められる。
従って、商用電力の消費量をできるだけ低減することが可能となり、又、補助熱源機のエネルギ消費量をできるだけ低減することが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記運転制御手段は、前記電力不足時間帯及び前記熱不足時間帯よりも前の時間帯のうちで、運転メリットが大きい時間帯において、前記出力上昇処理を実行するように構成されている点を特徴とする。
従って、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった
前記運転制御手段は、前記出力上昇処理を実行すると仮定したときの運転メリットの程度を示す運転判断用指標を求める指標導出手段と、前記出力上昇処理の実行の可否を判断するための運転判断用指標しきい値を設定するしきい値設定手段とを備えて、前記指標導出手段にて求められる運転判断用指標が前記しきい値設定手段にて設定された運転判断用指標しきい値よりも運転メリットが大きいときに前記出力上昇処理を実行するように構成され、
前記回収熱量導出手段は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期において、単位時間毎に前記電力負荷追従時回収熱量を求めるように構成され、
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記管理周期において、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を単位時間毎に求めて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、前記発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる電力不足単位時間を前記電力不足時間帯として求めるように構成され、並びに、前記管理周期において、前記回収熱量導出手段にて求められた電力負荷追従時回収熱量及び前記予測熱負荷に基づいて、前記貯湯槽に湯水にて貯えられると予測される時系列的な予測蓄熱量を単位時間毎に求めて、前記予測熱負荷に対して前記予測蓄熱量が不足する熱不足単位時間を前記熱不足時間帯として求めるように構成され、
前記回収熱量導出手段が、前記電力不足単位時間及び前記熱不足単位時間よりも前に、前記予測電力負荷が前記最大出力電力よりも小さい単位時間である電力充足単位時間が複数存在するときに、それら複数の電力充足単位時間の夫々において、前記発電手段の出力調節範囲内で複数段階に設定されたステップ出力のうちの前記予測電力負荷に応じたステップ出力よりも大きい条件設定用のステップ出力毎に、その条件設定用のステップ出力にて前記発電手段を運転したときの回収熱量を増大回収熱量として求める増大回収熱量導出処理を実行するように構成され、
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記複数の電力充足単位時間の夫々において、前記条件設定用のステップ出力毎に、前記発電手段を前記条件設定用のステップ出力にて運転することによる省エネルギの程度を示す省エネルギ度を求める省エネルギ度導出処理を実行する省エネルギ度導出手段を備えて、前記回収熱量導出手段にて求められる前記条件設定用のステップ出力毎の増大回収熱量及び前記省エネルギ度導出手段にて求められる前記条件設定用のステップ出力毎の省エネルギ度に基づいて、省エネルギとなる範囲で、前記電力不足時間帯における不足電力量及び前記熱不足時間帯における不足熱量がなくなるように又はそれに近い状態になるように、前記複数の電力充足単位時間夫々の条件設定用のステップ出力から、省エネルギ度の大きい条件設定用のステップ出力を仮運転用のステップ出力として選択するように構成され、
前記しきい値設定手段は、前記エネルギ不足状態導出手段にて仮運転用として選択されたステップ出力について、そのステップ出力にて前記発電手段を運転したときの運転判断用指標をしきい値導出用として求めて、それら求めたしきい値導出用の運転判断用指標のうち、省エネルギの程度が最も小さいものを前記運転判断用指標しきい値として設定するように構成されている点を特徴とする。
又、回収熱量導出手段により、電力不足単位時間及び熱不足単位時間よりも前に、電力充足単位時間が複数存在するときに、それら複数の電力充足単位時間の夫々において、発電手段の出力調節範囲内で複数段階に設定されたステップ出力のうちの予測電力負荷に応じたステップ出力よりも大きい条件設定用のステップ出力毎に、その条件設定用のステップ出力にて発電手段を運転したときの回収熱量を増大回収熱量として求める増大回収熱量導出処理が実行される。
そして、しきい値設定手段により、エネルギ不足状態導出手段にて仮運転用として選択されたステップ出力について、そのステップ出力にて発電手段を運転したときの運転判断用指標がしきい値導出用として求められて、それら求められたしきい値導出用の運転判断用指標のうち、省エネルギの程度が最も小さいものが前記運転判断用指標しきい値として設定される。
そして、電力不足単位時間及び熱不足単位時間の前に存在する複数の電力充足単位時間夫々において、予測電力負荷に応じたステップ出力よりも大きい条件設定用のステップ出力毎に、増大回収熱量及び省エネルギ度が求められ、それら求められた条件設定用のステップ出力毎の増大回収熱量及び省エネルギ度に基づいて、省エネルギとなる範囲で、電力不足時間帯における不足電力量及び熱不足時間帯における不足熱量がなくなるように又はそれに近い状態になるように、複数の電力充足単位時間夫々の条件設定用のステップ出力から、省エネルギ度の大きい条件設定用のステップ出力が仮運転用のステップ出力として選択される。
そして、仮運転用として選択されたステップ出力について、そのステップ出力にて発電手段を運転したときの運転判断用指標がしきい値導出用として求められて、それら求められたしきい値導出用の運転判断用指標のうち、省エネルギの程度が最も小さいものが運転判断用指標しきい値として設定されるので、運転判断用指標しきい値を、省エネルギが図れる状態で不足電力量及び不足熱量を十分に補うことができるように、出力上昇処理の実行が可能なものとして設定することができる。
従って、省エネルギを図りながら、商用電力の消費量及び補助熱源機のエネルギ消費量をできるだけ低減することを可能とすべく、出力上昇処理が実行されるようにすることが可能となるので、必要一次エネルギを更に削減することができるようになった。
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用のステップ出力から、前記省エネルギ度導出手段により求められる省エネルギ度のうち省エネルギの程度が最大の省エネルギ度の条件設定用のステップ出力を前記仮運転用のステップ出力として選択し、且つ、その選択した仮運転用のステップ出力を含む電力充足単位時間を仮出力上昇処理用の単位時間として選択する仮条件設定処理を実行する仮条件設定手段を備えて、その仮条件設定手段にて仮出力上昇処理用として選択された単位時間については前記仮条件設定手段にて仮運転用として選択されたステップ出力にて前記発電手段を運転すると仮定する状態で、前記電力不足単位時間における不足電力量がなくなる又はそれに近い状態になるかを判別し且つ前記熱不足単位時間における不足熱量がなくなる又はそれに近い状態になるかを判別するエネルギ不足状態判別処理を実行するように構成され、
前記省エネルギ度導出手段は、前記仮条件設定手段にて仮出力上昇処理用として選択されていない単位時間については、前記予測電力負荷に応じた前記ステップ出力を基準出力とし、前記仮条件設定手段にて仮出力上昇処理用として選択された単位時間については、前記仮運転用のステップ出力を基準出力とする状態で、前記発電手段を前記基準出力にて運転することに対して前記条件設定用のステップ出力にて運転することによる省エネルギの程度を示すものとして前記省エネルギ度を求める省エネルギ度導出処理を、省エネルギとなる範囲で、前記エネルギ不足状態導出手段にて前記電力不足単位時間における不足電力量及び前記熱不足単位時間における不足熱量がなくなる又はそれに近い状態になると判別されるまで繰り返すように構成され、
前記仮条件設定手段は、前記省エネルギ度導出手段にて前記省エネルギ度導出処理が実行される毎に、既に前記仮運転用として選択したステップ出力に対応する省エネルギ度を除いた状態で、前記仮条件設定処理を実行するように構成され、
前記回収熱量導出手段は、前記仮条件設定手段にて仮出力上昇処理用として選択された単位時間については、前記条件設定用のステップ出力を前記仮運転用のステップ出力よりも大きいステップ出力とする状態で、前記省エネルギ度導出手段にて前記省エネルギ度導出処理が実行される毎に、前記増大回収熱量導出処理を実行するように構成され、
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記省エネルギ度導出手段にて前記省エネルギ度導出処理が実行される毎に、前記エネルギ不足状態判別処理を実行するように構成され、
前記しきい値設定手段は、前記仮条件設定手段にて最後の前記仮条件設定処理が実行されたときに、前記仮運転用として選択されているステップ出力の夫々について、前記しきい値導出用の運転判断用指標を求めるように構成されている点を特徴とする。
又、エネルギ不足状態判別処理が実行された後の仮条件設定処理では、既に仮運転用として選択したステップ出力に対応する省エネルギ度を除いた状態で、省エネルギの程度が最大の省エネルギ度の条件設定用のステップ出力を仮運転用のステップ出力として選択すると共に、その選択した仮運転用のステップ出力を含む電力充足単位時間を仮出力上昇処理用の単位時間として選択する。
そして、最後の仮条件設定処理が実行されたときに、仮運転用として選択されているステップ出力の夫々について、しきい値導出用の運転判断用指標が求められる。
従って、運転判断用指標しきい値を、省エネルギが可及的に図れる状態で不足電力量及び不足熱量を十分に補うことができるように、出力上昇処理の実行が可能なものとして設定することができる。
要するに、省エネルギを可及的に図りながら、商用電力の消費量及び補助熱源機のエネルギ消費量をできるだけ低減することが可能とすべく、出力上昇処理が実行されるようにすることが可能となるので、必要一次エネルギを可及的に削減することができるようになった。
前記省エネルギ度導出手段は、前記省エネルギ度Rを次式
R={(発電手段を条件設定用のステップ出力にて運転したときの有効出力電力及び貯湯槽の有効回収熱量を発電所及び給湯器にて得る場合に対する発電手段を条件設定用のステップ出力にて運転するときの消費エネルギ削減量)−(発電手段を基準出力にて運転したときの有効出力電力及び貯湯槽の有効回収熱量を発電所及び給湯器にて得る場合に対する発電手段を基準出力にて運転するときの消費エネルギ削減量)}÷{(発電手段を条件設定用のステップ出力にて運転したときの蓄電手段の蓄電電力及び貯湯槽の有効回収熱量を発電所及び給湯器で得る場合の消費エネルギ量)−(発電手段を基準出力にて運転したときの蓄電手段の蓄電電力及び貯湯槽の有効回収熱量を発電所及び給湯器で得る場合の消費エネルギ量)}
にて求めるように構成されている点を特徴とする。
ちなみに、前記有効出力電力とは、発電手段の出力電力から蓄電手段の充電ロス電力を減じたものである。例えば、発電手段の出力電力が条件設定用のステップ出力の場合、蓄電手段には、充電用として、条件設定用のステップ出力から予測電力負荷を減じた電力が供給されることになるので、充電ロス電力は、条件設定用のステップ出力から予測電力負荷を減じた電力に対応して求められる。
又、前記貯湯槽の有効回収熱量とは、貯湯槽に蓄熱される熱量から放熱量を差し引いたものであり、貯湯槽に回収した熱量のうち、実際に使用することができる熱量である。
又、発電手段を基準出力にて運転したときの蓄電手段の蓄電電力及び貯湯槽の有効回収熱量を発電所及び給湯器で得る場合の消費エネルギ量(以下、発電手段を基準出力にて運転したときの蓄電電力・回収熱量相当従来消費エネルギ量と略称する場合がある)は、発電手段を基準出力にて運転したときの蓄電手段の蓄電電力を発電所にて得る場合に必要な一次エネルギ量と、発電手段を基準出力にて運転したときの貯湯槽の有効回収熱量を給湯器にて得る場合に必要な一次エネルギ量とを加えたエネルギ量である。
ちなみに、蓄電手段の蓄電電力は、蓄電手段に充電のために供給され充電用供給電力から、その充電用供給電力が蓄電手段に充電されるときの充電ロス電力を減じた電力である。
従って、上記の式により求められる値が大きいほど、蓄電手段の蓄電電力及び貯湯槽の蓄熱量を増加させるべく発電手段の出力電力を上昇させることにより得られる省エネルギの程度が大きいことになり、上記の式により、省エネルギ度として、蓄電手段の蓄電電力及び貯湯槽の蓄熱量を増加させるべく発電手段の出力電力を上昇させることにより得られる省エネルギの程度を的確に示すものとして求めることが可能となって、その省エネルギ度を用いて出力上昇処理実行の可否を判別するので、運転メリットが大きくなるように出力上昇処理を更に適切に行うことができるようになった。
前記指標導出手段は、前記運転判断用指標Pを次式
P=〔{(発電手段を運転したときの有効出力電力を発電所にて得る場合の消費エネルギ量)+(発電手段を運転したときの貯湯槽の有効回収熱量を給湯器にて得る場合の消費エネルギ量)}−(発電手段の消費エネルギ量)〕÷{(発電手段を運転したときの蓄電手段の蓄電電力を発電所にて得る場合の消費エネルギ量)+(発電手段を運転したときの貯湯槽の有効回収熱量を給湯器にて得る場合の消費エネルギ量)}
にて求めるように構成されている点を特徴とする。
従って、上記の式により求められる値が大きいほど、蓄電手段に蓄電する電力及び貯湯槽に蓄熱する熱量を発電手段により得ることによる省エネルギの程度が大きいことになり、上記の式により、運転判断用指標として、蓄電手段に蓄電する電力及び貯湯槽に蓄熱する熱量を得るべく発電手段を運転することによる省エネルギの程度を的確に示すものとして求めることが可能となって、その運転判断用指標を用いて出力上昇処理実行の可否を判別するので、運転メリットが大きくなるように出力上昇処理を更に適切に行うことができるようになった。
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、エネルギ供給システムは、発電手段としての熱と電力を発生する燃料電池1、その燃料電池1から発生する熱を回収して貯湯槽2に湯水として貯える貯湯手段としての貯湯ユニットWU、現在要求されている現電力負荷に応じた電力を出力するように燃料電池1の運転を制御する運転制御手段C、及び、燃料電池1の出力電力の余剰分を蓄電し且つ現電力負荷に対して燃料電池1の出力電力が不足するときに蓄電している電力を放電する蓄電手段としての蓄電池3を有する蓄電ユニットBU等を備えて構成してある。
前記燃料ガス生成部は、供給される都市ガス(例えば、天然ガスベースの都市ガス)等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫器、その脱硫器から供給される脱硫原燃料ガスと別途供給される水蒸気とを改質反応させて水素を主成分とする改質ガスを生成する改質器、その改質器から供給される改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気にて二酸化炭素に変成処理する変成器、その変成器から供給される改質ガス中の一酸化炭素を別途供給される選択酸化用空気にて選択酸化する一酸化炭素除去器等から構成し、一酸化炭素を変成処理及び選択酸化処理により低減した改質ガスを前記燃料ガスとして前記セルスタックに供給するように構成してある。
そして、前記発電側運転制御部C1により燃料供給量調節弁8を制御して、前記燃料ガス生成部への原燃料ガスの供給量を調節することにより、前記燃料電池1の出力電力を調節するように構成してある。
前記商用電源10は、例えば、単相3線式100/200Vであり、受電ライン11を介して、このエネルギ供給システムに対する電力負荷であるテレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力消費機器12に電気的に接続してある。
そして、連系用インバータ9を、出力ライン13を介して受電ライン11に電気的に接続し、燃料電池1からの出力電力を連系用インバータ9にて商用電源10からの電力と同じ電圧及び同じ周波数の交流電力に変換して出力ライン13を通じて電力消費機器12に供給するように構成してある。
前記双方向型インバータ18は、蓄電池3に充電する充電時には、受電ライン11からの交流電力を蓄電池3の充電レベルに応じた直流電力に変換し、蓄電池3の放電時には、蓄電池3に蓄電されている直流電力を商用電源10からの交流電力と同じ電圧及び同じ周波数の交流電力に変換するように構成してあり、又、入出力電流の制御が可能なように構成してある。
つまり、前記充電運転を実行することにより、燃料電池1の出力電力が蓄電池3に充電されて、蓄電池3が燃料電池1の電力負荷として動作し、前記放電運転を実行することにより、蓄電池3が前記商用電源10と並列の電源として動作して、その蓄電池3の蓄電電力が放電されて電力消費機器12にて消費される構成となっている。
又、出力ライン13において、前記ヒータ用給電ライン14の接続箇所よりも前記連系用インバータ9側の箇所には、前記燃料電池1の発電電流を検出する発電電流用電流計23を設けてある。
そして、冷却水循環ポンプ25及び熱源用熱媒循環ポンプ29の作動により、冷却水循環路24を通じて燃料電池1に冷却水を循環供給すると共に、熱源用熱交換器33を通して熱源用熱媒を循環させることにより、燃料電池1から発生する熱を冷却水に回収すると共に、熱源用熱交換器33にて冷却水の保有熱を熱源用熱媒に回収するようにして、燃料電池1から発生する熱を熱源用熱媒に回収するように構成してある。
前記電気ヒータ15は、前記熱源用熱媒循環路28を通流する熱源用熱媒を加熱するように設けてある。
その給湯路35には、貯湯槽2から取り出した湯水を給湯するときの給湯熱負荷を計測する給湯熱負荷計測手段41を設けてある。
前記貯湯運転は、燃料電池1の運転中で冷却水循環ポンプ25及び熱源用熱媒循環ポンプ29の作動により、貯湯用熱交換器32において、熱源用熱媒循環路28を通流する熱源用熱媒にて湯水循環路26を通流する湯水を加熱させることができる状態で行われる。
そして、湯水循環ポンプ27を作動させて、貯湯槽2の下部から湯水を湯水循環路26に取り出し、その湯水を貯湯用熱交換器32を通過させて加熱したのち、貯湯槽2の上部に戻して、貯湯槽2内に貯湯するようにしている。
前記運転制御手段Cを構成する前記蓄電側運転制御部C2は、前記電力消費機器12の過去の時系列的な消費電力(以下、過去電力負荷データと記載する場合がある)を管理して、その管理データに基づいて、電力消費機器12の時系列的な予測消費電力(以下、予測電力負荷データと称する場合がある)を求めるデータ管理処理を実行するように構成してある。
そして、前記運転制御手段Cを構成する蓄電側運転制御部C2には、前記燃料電池1を最大出力電力にて運転しても時系列的な予測電力負荷を賄えなくなる電力不足時間帯を求めるエネルギ不足状態導出手段50を備えて、前記運転制御手段Cを、エネルギ不足状態導出手段50にて求められた前記電力不足時間帯よりも前に、蓄電池3に蓄電される電力を増大させるべく燃料電池1の出力電力を上昇側に変更調節する出力上昇処理を実行するように構成してある。
発電側運転制御部C1は、前記電主運転制御において、5分等の比較的短い所定の出力調整周期毎に、前記負荷電流用電流計22の検出電流に基づいて運転用電力負荷を求め、前記燃料電池1の出力電力調節範囲における出力調節下限値(例えば300W)から最大出力電力(例えば1000W)の範囲内で、連続的に運転用電力負荷に応じた電主出力を設定し、燃料電池1の出力電力をその設定した電主出力に調節する。ちなみに、運転用電力負荷は、前の出力調整周期における電力負荷の平均値として求められる。
蓄電側運転制御部C2は、例えば、管理周期を1日とし、単位時間を1時間として、前記商用電流用電流計20の検出電流、前記発電電流用電流計23の検出電流、前記充電運転時における蓄電池3の充電電力、前記放電運転時における蓄電池3の放電電力に基づいて、単位時間当たりの現電力負荷を求め、求めた現電力負荷を実電力負荷として管理周期及び単位時間に対応付けて記憶することにより、過去の時系列的な電力負荷データを設定期間(例えば、運転日前の4週間)にわたって、管理周期毎に単位時間毎に対応付けて管理するように構成されている。
例えば、管理周期が1日で、単位時間が1時間である場合を例に挙げて説明を加えると、図3に示すように、1日のうちのどの時間帯にどれだけの電力負荷があるかを予測するようにしている。
以下では、管理周期を1日として、単位時間を1時間として説明する。
更に、エネルギ不足状態導出手段50は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期内において、前記予測電力負荷に基づいて前記予測蓄電電力量を求めて前記電力不足時間帯を求め、且つ、その電力不足時間帯において前記予測電力負荷が前記予測総出力電力量を上回る不足電力量を求めるように構成してある。
そして、エネルギ不足状態導出手段50は、最大出力超過時不足電力量が通常時蓄電電力量以下のときは、燃料電池3を通常に運転する状態で最大出力超過時不足電力量を賄える電力充足状態であると判別し、一方、最大出力超過時不足電力量が通常時蓄電電力量を上回るときは、燃料電池3を通常に運転する状態では、最大出力超過時不足電力量を賄うことができない電力不足状態であると判別して、上述のように、エネルギ不足状態導出手段50は、前記予測電力負荷に基づいて、その予測電力負荷が出力調節下限値を下回ることにより前記蓄電池3に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記燃料電池1の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回ると予測される時間帯のうち、前記燃料電池1を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて予測電力負荷を賄えなくなる電力不足時間帯を求める。
即ち、この蓄電側運転制御部C2は、上述のように、前記商用電流用電流計20の検出電流、前記発電電流用電流計23の検出電流、前記充電運転時における蓄電池3の充電電力、及び、前記放電運転時における蓄電池3の放電電力に基づいて現電力負荷を求め、その求めた現電力負荷に基づいて、蓄電池3の充電電力、放電電力を設定して、設定した充電電力になるように充電運転を実行し且つ設定した放電電力になるように放電運転を実行するように構成してある。
又、蓄電側運転制御部C2は、前記電力不足状態のときは、求めた現電力負荷が前記設定下限電力よりも小さい場合は、その設定下限電力と求めた現電力負荷との差を充電電力として設定し、求めた現電力負荷が前記設定下限電力以上で且つ前記最大出力電力以下のときは、充電電力及び放電電力のいずれも0に設定し、求めた現電力負荷が前記最大出力電力よりも大きいときは、求めた電力負荷と前記最大出力電力との差を放電電力として設定する。
即ち、求めた買電力が逆潮防止用設定電力よりも大きいときは、買電力から逆潮防止用設定電力を減じた電力を上昇電力差として求め、求めた買電力が逆潮防止用設定電力よりも小さいときは、逆潮防止用設定電力から買電力を減じた電力を下降電力差として求める。
そして、充電電力を設定している場合は、前記上昇電力差が求められたときはその上昇電力差を減じるように、前記下降電力差が求められたときはその下降電力差を加えるように、設定した充電電力を補正し、一方、放電電力を設定している場合は、前記上昇電力差が求められたときはその上昇電力差を加えるように、前記下降電力差が求められたときはその下降電力差を減じるように、設定した放電電力を補正する。
又、充電電力及び放電電力のいずれも0に設定している場合は、前記上昇電力差が求められたときはその上昇電力差を放電電力とし、前記下降電力差が求められたときはその下降電力差を充電電力とするように、設定した充電電力及び放電電力を補正する。
管理周期が経過する度に、上述のように、データ管理処理を実行して、電力不足状態か、電力充足状態かを判別する(ステップ#1〜3)。
電力不足状態の場合は、上述のように下限電力設定処理を実行した後に、一方、電力充足状態の場合は、前記下限電力設定処理を実行することなく、上述のように充放電処理を実行し、この充放電処理を管理周期が経過するまで繰り返す(ステップ#4,5)。
即ち、電力充足状態のときで、現電力負荷が前記出力調節下限値よりも小さいときは、燃料電池1の出力電力が前記出力調節下限値に調節されて、その燃料電池1の出力電力の余剰電力が蓄電池3に充電され、電力不足状態のときで、現電力負荷が前記設定下限電力よりも小さいときは、燃料電池1の出力電力が前記設定下限電力に調節されて、燃料電池1の出力電力の余剰電力が蓄電池3に充電される。
又、電力充足状態のときで、現電力負荷が前記出力調節下限値以上且つ前記最大出力電力以下のとき、及び、電力不足状態のときで、現電力負荷が前記設定下限電力以上且つ前記最大出力電力以下のときは、燃料電池1の出力電力の調節が現電力負荷に追従しきれなくなって、燃料電池1の出力電力に余剰電力が生じると、買電力が前記逆潮防止用設定電力になるように充電運転が実行されて、逆潮流が発生しないように余剰電力が蓄電池3に充電され、現電力負荷に対して燃料電池1の出力電力が不足すると、買電力が前記逆潮防止用設定電力になるように放電運転が実行されて、買電力が逆潮防止用設定電力よりも多くならないように蓄電池3から放電される。
従って、前記商用電源10からの買電力を極力少なくするように、燃料電池1が運転されることになる。
以下、図2ないし図3に基づいて第2実施形態を説明するが、この第2実施形態では、前記下限電力設定手段51により前記設定下限電力を変更設定する構成が第1実施形態と異なる以外は、第1実施形態と同様に構成してあるので、以下、主として、前記下限電力設定手段51の制御構成のうち、第1実施形態と異なる構成について説明する。
つまり、この第2実施形態では、前記下限電力設定手段51は、前記蓄電池3における充放電損失を考慮する状態で、前記設定下限電力を変更設定するように構成してある。
つまり、充放電効率γは、出力上昇時予測蓄電電力量Pnを変数として予め設定した関数に基づいて求める。
以下、第3実施形態を説明する。
この第3実施形態では、図5に示すように、第1実施形態と同様に、前記エネルギ不足状態導出手段50を設けてある。
そして、前記運転制御手段Cを、前記エネルギ不足状態導出手段50にて求められた前記電力不足時間帯よりも前に、前記蓄電池3に蓄電される電力を増大させるべく前記燃料電池1の出力電力を上昇側に変更調節する出力上昇処理を実行するように構成した点、現電力負荷が燃料電池1の出力調節範囲における出力調節下限値よりも小さいときは、燃料電池1の出力電力を前記出力調節下限値に調節するように構成した点、及び、前記エネルギ不足状態導出手段50を、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電池3に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記燃料電池1の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回ると予測される時間帯のうち、前記燃料電池1を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる時間帯を前記電力不足時間帯として求めるように構成した点で、第1実施形態と同様に構成してあるが、以下の点で、第1実施形態と異なる。
尚、この実施形態では、前記運転判断用指標を、前記運転メリットの程度として燃料電池1の電力発生効率の程度を示すものとして求めるように構成してある。
又、前記出力上昇処理用電力設定手段52を、前記発電効率差Δηsが大きいほど電力発生効率の程度が大きいと判断するように構成してある。
先ず、前記発電側運転制御部C1による前記電主運転制御について説明する。
発電側運転制御部C1は、前記電主運転制御において、5分等の比較的短い所定の出力調整周期毎に、前記負荷電流用電流計22の検出電流に基づいて運転用電力負荷を求め、前記燃料電池1の出力電力調節範囲における出力調節下限値から最大出力電力の範囲内で、段階的に運転用電力負荷に応じた電主出力を設定し、燃料電池1の出力電力をその設定した電主出力に調節する。ちなみに、運転用電力負荷は、前の出力調整周期における電力負荷の平均値として求められる。
例えば、出力調節下限値を300Wとし、最大出力電力を1000Wとすると、それら300〜1000Wの範囲内で、100W間隔で電主出力を設定する。
尚、予め、300〜1000Wの出力電力調節範囲内において、燃料電池1の発電効率を100W間隔の出力電力毎に求めて、前記蓄電側運転制御部C2の記憶部に、図6に示すように各出力電力に対応させて記憶させてある。
例えば、13時からの1時間の電力充足単位時間では、予測電力負荷Ppが300Wであるので、条件設定用の充電用増大電力Puとして、100Wから700Wの間で、100W間隔で7段階に設定する。
Δηs:発電効率差
ηs:出力電力が条件設定用出力電力のときの燃料電池1の発電効率
ηf:予測電力負荷に応じた出力電力における燃料電池1の発電効率
尚、発電効率差が大きいほど電力発生効率の程度が大きい。又、予測電力負荷に条件設定用の充電用増大電力を加えた条件設定用出力電力にて燃料電池1を運転すると、条件設定用の充電用増大電力に略等しい電力が蓄電池3に蓄電されるとする。
従って、出力上昇処理用時間帯として、13時から14時の時間帯と、16時から17時の時間帯を設定し、13時から14時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、700Wを設定し、16時から17時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、300Wを設定する。
この蓄電側運転制御部C2は、上述のように、前記商用電流用電流計20の検出電流、前記発電電流用電流計23の検出電流、前記充電運転時における蓄電池3の充電電力、及び、前記放電運転時における蓄電池3の放電電力に基づいて現電力負荷を求め、その求めた現電力負荷に基づいて、蓄電池3の充電電力、放電電力を設定して、設定した充電電力になるように充電運転を実行し且つ設定した放電電力になるように放電運転を実行するように構成してある。
又、蓄電側運転制御部C2は、前記電力不足状態における前記出力上昇処理用時間帯では、その出力上昇処理用時間帯の予測電力負荷に出力上昇処理用の充電用増大電力を加えた出力上昇処理用電力と求めた現電力負荷との差を充電電力として設定する。
管理周期が経過する度に、上述のように、データ管理処理を実行して、電力不足状態か、電力充足状態かを判別する(ステップ#11〜13)。
電力不足状態の場合は、上述のように指標導出処理及び出力上昇処理条件設定処理を実行した後に、一方、電力充足状態の場合は、前記指標導出処理及び出力上昇処理条件設定処理を実行することなく、上述のように充放電処理を実行し、この充放電処理を管理周期が経過するまで繰り返す(ステップ#14〜16)。
即ち、前記電力不足状態における出力上昇処理用時間帯においては、燃料電池1の出力電力は、予測電力負荷に出力上昇処理用の充電用増大電力を加えた出力上昇処理用電力に調節されて、その燃料電池1の出力電力のうち、電力消費機器12にて消費された残りの余剰電力が蓄電池3に充電される。
この第4実施形態では、前記指標導出手段53は、前記条件設定用の充電用増大電力が前記蓄電池3に充電されるときにロスとなる充電ロス電力Lcと前記条件設定用出力電力Psとを加えた電力を前記燃料電池1にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギEnを求めて、前記運転判断用指標として、前記充電ロス加味入力エネルギEnに対する前記条件設定用出力電力Psの比率である入力エネルギ対出力比率Rioを求めるように構成してある。
又、前記出力上昇処理用電力設定手段52は、前記入力エネルギ対出力比率が大きいほど電力発生効率の程度が大きいと判断するように構成してある。
蓄電側運転制御部C2により第3実施形態と同様の予測電力負荷データPpが求められたとすると、第3実施形態と同様に、13時、14時、15時及び16時の夫々からの4つの電力充足単位時間の夫々において、図8に示すように、条件設定用の充電用増大電力Pu毎に、前記運転判断用指標として、下記の式3〜式6に基づいて、前記入力エネルギ対出力比率Rioを求める。
En={(Ps+Lc)/1000}/ηsc……………(式4)
Lc=5.9×(Pu/1000)2+20×(Pu/1000)……………(式5)
ηsc=−0.00001×(Ps+Lc)2+0.027×(Ps+Lc)+25……………(式6)
Rio:入力エネルギ対出力比率
Ps:条件設定用出力電力(W)
En:充電ロス加味入力エネルギ(kW)
Pu:条件設定用の充電用増大電力(W)
Lc:条件設定用の充電用増大電力Puが蓄電池3に充電される際にロスとなる充電ロス電力(W)
ηsc:出力電力が条件設定用出力電力Psと充電ロス電力Lcを加えた電力のときの燃料電池1の予測発電効率
複数の電力充足単位時間及びそれら複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用の充電用増大電力Puから、エネルギ不足状態導出手段50にて求められた不足電力量である1000Whに対する前記蓄電池3の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、入力エネルギ対出力比率Rioが大きいものから順に、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力Puを選択して、選択した電力充足単位時間、条件設定用の充電用増大電力Puを夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用の充電用増大電力として設定する。
従って、出力上昇処理用時間帯として、14時から15時の時間帯と、15時から16時の時間帯と、16時から17時の時間帯を設定し、14時から15時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、500Wを設定し、15時から16時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、400Wを設定し、16時から17時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、100Wを設定する。
この第5実施形態では、前記指標導出手段53は、前記条件設定用の充電用増大電力Puが前記蓄電池3に充電されるときにロスとなる充電ロス電力Lcと前記条件設定用出力電力Psとを加えた電力を前記燃料電池1にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギEnを求めて、前記運転判断用指標として、前記充電ロス加味入力エネルギEnに対する前記条件設定用出力電力Psの比率である入力エネルギ対出力比率Rioから、前記予測電力負荷Ppに応じた出力電力における前記燃料電池1の発電効率ηfを減じた充電ロス加味発電効率差Δηrを求めるように構成してある。
又、前記出力上昇処理用電力設定手段52は、前記充電ロス加味発電効率差Δηrが大きいほど電力発生効率の程度が大きいと判断するように構成してある。
蓄電側運転制御部C2により第3実施形態と同様の予測電力負荷データが求められたとすると、第3実施形態と同様に、13時、14時、15時及び16時の夫々からの1時間の4つの電力充足単位時間の夫々において、図9に示すように、条件設定用の充電用増大電力毎に、前記運転判断用指標として、下記の式7に基づいて、前記充電ロス加味発電効率差Δηrを求める。
ηf:予測電力負荷に応じた出力電力における燃料電池1の発電効率
複数の電力充足単位時間及びそれら複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用の充電用増大電力Puから、エネルギ不足状態導出手段50にて求められた不足電力量である1000Whに対する前記蓄電池3の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、充電ロス加味発電効率差Δηrが大きいものから順に、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力Puを選択して、選択した電力充足単位時間、条件設定用の充電用増大電力Puを夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用の充電用増大電力として設定する。
従って、出力上昇処理用時間帯として、13時から14時の時間帯と、16時から17時の時間帯を設定し、13時から14時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、700Wを設定し、16時から17時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、300Wを設定する。
この第6実施形態では、前記指標導出手段53は、前記条件設定用の充電用増大電力Puが前記蓄電池3に充電されるときにロスとなる充電ロス電力Lcと前記条件設定用出力電力Psとを加えた電力を前記燃料電池1にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギEnを求めて、前記運転判断用指標として、前記条件設定用の充電用増大電力Puを発電所にて得る場合の消費エネルギである前記条件設定用の充電用増大電力の発電所消費エネルギ換算値Eeと前記燃料電池1にて前記予測電力負荷Ppに応じた電力を出力するのに要する電主時エネルギEfとを加えたエネルギから、前記充電ロス加味入力エネルギEnを減じた充電ロス加味エネルギ差ΔEaを求めるように構成してある。
又、前記出力上昇処理用電力設定手段52は、前記充電ロス加味エネルギ差ΔEaが大きいほど電力発生効率の程度が大きいと判断するように構成してある。
蓄電側運転制御部C2により第3実施形態と同様の予測電力負荷データPpが求められたとすると、第3実施形態と同様に、13時、14時、15時及び16時の夫々からの1時間の4つの電力充足単位時間の夫々において、図10に示すように、条件設定用の充電用増大電力Pu毎に、前記運転判断用指標として、下記の式8〜式13に基づいて前記充電ロス加味エネルギ差ΔEaを求める。
En={(Ps+Lc)/ηsc}×100……………(式9)
Lc=5.9×(Pu/1000)2+20×(Pu/1000)……………(式10)
ηsc=−0.00001×(Ps+Lc)2+0.027×(Ps+Lc)+25……………(式11)
Ee=Pu/ε……………(式12)
Ef=(Pp/ηs)×100……………(式13)
ΔEa:充電ロス加味エネルギ差(W)
En:充電ロス加味入力エネルギ(W)
Ee:条件設定用の充電用増大電力の発電所消費エネルギ換算値(W)
Ef:電主時エネルギ(W)
Ps:条件設定用出力電力(W)
Lc:条件設定用の充電用増大電力Puが蓄電池3に充電されるときに際にロスとなる充電ロス電力(W)
ηsc:出力電力が条件設定用出力電力Psと充電ロス電力Lcを加えた電力のときの燃料電池1の予測発電効率
Pu:条件設定用の充電用増大電力(W)
ε:発電所の発電効率であり、例えば0.366に設定してある。
Pp:予測電力負荷(W)
ηs:出力電力が条件設定用出力電力のときの燃料電池1の発電効率
複数の電力充足単位時間及びそれら複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用の充電用増大電力Puから、エネルギ不足状態導出手段50にて求められた不足電力量である1000Whに対する前記蓄電池3の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、充電ロス加味エネルギ差ΔEaが大きいものから順に、正の値の範囲で、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力Puを選択して、選択した電力充足単位時間、条件設定用の充電用増大電力Puを夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用の充電用増大電力として設定する。
従って、出力上昇処理用時間帯として、13時から14時の時間帯と、15時から16時の時間帯を設定し、13時から14時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、700Wを設定し、15時から16時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、300Wを設定する。
この第7実施形態では、前記指標導出手段53は、前記条件設定用の充電用増大電力Puが前記蓄電池3に充電されるときにロスとなる充電ロス電力Lcと前記条件設定用出力電力Psとを加えた電力を前記燃料電池1にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギEnを求め、前記条件設定用の充電用増大電力Puを発電所にて得る場合の消費エネルギである前記条件設定用の充電用増大電力の発電所消費エネルギ換算値Eeと前記燃料電池1にて前記予測電力負荷Ppに応じた電力を出力するのに要する電主時エネルギEfとを加えたエネルギから、前記充電ロス加味入力エネルギEnを減じた充電ロス加味エネルギ差ΔEaを求めて、前記運転判断用指標として、前記充電ロス加味エネルギ差ΔEaを前記条件設定用の充電用増大電力Puにて除した単位充電量当たりのエネルギ差ΔEbを求めるように構成してある。
又、前記出力上昇処理用電力設定手段52は、前記単位充電量当たりのエネルギ差ΔEbが大きいほど電力発生効率の程度が大きいと判断するように構成してある。
蓄電側運転制御部C2により第3実施形態と同様の予測電力負荷データPpが求められたとすると、第3実施形態と同様に、13時、14時、15時及び16時の夫々からの1時間の4つの電力充足単位時間の夫々において、図11に示すように、条件設定用の充電用増大電力Pu毎に、前記運転判断用指標として、下記の式14に基づいて前記単位充電量当たりのエネルギ差ΔEbを求める。
ΔEb:単位充電量当たりのエネルギ差(W)
ΔEa:充電ロス加味エネルギ差(W)であり、上記の第6実施形態と同様に、式8〜式13に基づいて求める。
Pu:条件設定用の充電用増大電力(W)
複数の電力充足単位時間及びそれら複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用の充電用増大電力Puから、エネルギ不足状態導出手段50にて求められた不足電力量である1000Whに対する前記蓄電池3の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、単位充電量当たりのエネルギ差ΔEbが大きいものから順に、正の値の範囲で、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力Puを選択して、選択した電力充足単位時間、条件設定用の充電用増大電力Puを夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用の充電用増大電力として設定する。
従って、出力上昇処理用時間帯として、14時から15時の時間帯と、15時から16時の時間帯と、16時から17時の時間帯を設定し、14時から15時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、500Wを設定し、15時から16時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、400Wを設定し、16時から17時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、100Wを設定する。
この第8実施形態は、前記指標導出手段53により充電ロス加味入力エネルギEnを求めるための構成が上記の第4実施形態と異なる以外は、上記の第4実施形態と同様に構成してある。
つまり、この第8実施形態では、前記指標導出手段53は、前記充電ロス加味入力エネルギEnを、前記条件設定用出力電力Ps及び前記充電ロス電力Lcに前記蓄電池3の待機電力Pwを加えた電力を前記燃料電池1にて出力するのに要するものとして求めるように構成してある。
Lc=5.9×(Pu/1000)2+20×(Pu/1000)……………(式16)
ηscw=−0.00001×(Ps+Lc+Pw)2+0.027×(Ps+Lc+Pw)+25……………(式17)
Pw:蓄電池3の待機電力(W)であり、例えば20Wに設定してある。
ηscw:出力電力が条件設定用出力電力Psと充電ロス電力Lcと蓄電池3の待機電力Pwとを加えた電力のときの燃料電池1の予測発電効率
複数の電力充足単位時間及びそれら複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用の充電用増大電力Puから、エネルギ不足状態導出手段50にて求められた不足電力量である1000Whに対する前記蓄電池3の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、入力エネルギ対出力比率Rioが大きいものから順に、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力Puを選択して、選択した電力充足単位時間、条件設定用の充電用増大電力Puを夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用の充電用増大電力として設定する。
従って、出力上昇処理用時間帯として、14時から15時の時間帯と、15時から16時の時間帯と、16時から17時の時間帯とを設定し、14時から15時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、500Wを設定し、15時から16時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、400Wを設定し、16時から17時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、100Wを設定する。
この第9実施形態は、前記指標導出手段53により充電ロス加味入力エネルギEnを求めるための構成が上記の第5実施形態と異なる以外は、上記の第5実施形態と同様に構成してある。
つまり、この第9実施形態では、前記指標導出手段53は、前記充電ロス加味入力エネルギEnを、前記条件設定用出力電力Ps及び前記充電ロス電力Lcに前記蓄電池3の待機電力Pwを加えた電力を前記燃料電池1にて出力するのに要するものとして求めるように構成してある。
複数の電力充足単位時間及びそれら複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用の充電用増大電力Puから、エネルギ不足状態導出手段50にて求められた不足電力量である1000Whに対する前記蓄電池3の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、充電ロス加味発電効率差Δηrが大きいものから順に、正の値の範囲で、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力Puを選択して、選択した電力充足単位時間、条件設定用の充電用増大電力Puを夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用の充電用増大電力として設定する。
従って、出力上昇処理用時間帯として、13時から14時の時間帯と、16時から17時の時間帯とを設定し、13時から14時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、700Wを設定し、16時から17時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、300Wを設定する。
この第10実施形態は、前記指標導出手段53により充電ロス加味入力エネルギEnを求めるための構成が上記の第6実施形態と異なる以外は、上記の第6実施形態と同様に構成してある。
つまり、この第10実施形態では、前記指標導出手段53は、前記充電ロス加味入力エネルギEnを、前記条件設定用出力電力Ps及び前記充電ロス電力Lcに前記蓄電池3の待機電力Pwを加えた電力を前記燃料電池1にて出力するのに要するものとして求めるように構成してある。
複数の電力充足単位時間及びそれら複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用の充電用増大電力Puから、エネルギ不足状態導出手段50にて求められた不足電力量である1000Whに対する前記蓄電池3の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、充電ロス加味エネルギ差ΔEaが大きいものから順に、正の値の範囲で、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力Puを選択して、選択した電力充足単位時間、条件設定用の充電用増大電力Puを夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用の充電用増大電力として設定する。
従って、出力上昇処理用時間帯として、13時から14時の時間帯と、15時から16時の時間帯を設定し、13時から14時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、700Wを設定し、15時から16時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、300Wを設定する。
この第11実施形態は、前記指標導出手段53により充電ロス加味入力エネルギEnを求めるための構成が上記の第6実施形態と異なる以外は、上記の第7実施形態と同様に構成してある。
つまり、この第11実施形態では、前記指標導出手段53は、前記充電ロス加味入力エネルギEnを、前記条件設定用出力電力Ps及び前記充電ロス電力Lcに前記蓄電池3の待機電力Pwを加えた電力を前記燃料電池1にて出力するのに要するものとして求めるように構成してある。
そして、図15に示すように、上述のように求めた充電ロス加味エネルギ差ΔEaを用いて、前記単位充電量当たりのエネルギ差ΔEbを、上記の第7実施形態と同様に上記の式14を用いて求める。
複数の電力充足単位時間及びそれら複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用の充電用増大電力Puから、エネルギ不足状態導出手段50にて求められた不足電力量である1000Whに対する前記蓄電池3の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、単位充電量当たりのエネルギ差ΔEbが大きいものから順に、正の値の範囲で、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力Puを選択して、選択した電力充足単位時間、条件設定用の充電用増大電力Puを夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用の充電用増大電力として設定する。
従って、出力上昇処理用時間帯として、14時から15時の時間帯と、15時から16時の時間帯とを設定し、14時から15時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、500Wを設定し、15時から16時の出力上昇処理用時間帯に対応する出力上昇処理用の充電用増大電力として、400Wを設定する。
この第12実施形態では、上記の第1実施形態と同様に、前記運転制御手段Cにエネルギ不足状態導出手段50を設けてあるが、主として、以下の点で上記の第1実施形態と異なる。
即ち、図17に示すように、前記運転制御手段Cに、更に、前記燃料電池1を前記予測電力負荷に応じた電力を出力するように運転したときに前記貯湯ユニットWUにて前記貯湯槽2に回収される電力負荷追従時回収熱量を時系列的に求める回収熱量導出手段54を備えて、前記エネルギ不足状態導出手段50を、前記燃料電池1を最大出力電力にて運転しても時系列的な予測電力負荷を賄えなくなる電力不足時間帯を求め、且つ、前記回収熱量導出手段54にて求められる前記電力負荷追従時回収熱量に基づいて時系列的な予測熱負荷に対して熱不足状態となる熱不足時間帯を求めるように構成し、前記運転制御手段Cを、エネルギ不足状態導出手段50にて求められた前記電力不足時間帯及び前記熱不足時間帯よりも前に、前記燃料電池1の出力電力を上昇側に変更調節する出力上昇処理を実行するように構成してある点で、第1実施形態と異なる。
前記回収熱量導出手段54は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期において、単位時間毎に前記電力負荷追従時回収熱量を求めるように構成し、
前記エネルギ不足状態導出手段50は、前記管理周期において、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電池3に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を単位時間毎に求めて、前記燃料電池1の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回ると予測される時間帯のうち、前記燃料電池1を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる電力不足単位時間を前記電力不足時間帯として求めるように構成し、並びに、前記管理周期において、前記回収熱量導出手段54にて求められた電力負荷追従時回収熱量及び前記予測熱負荷に基づいて、前記貯湯槽3に湯水にて貯えられると予測される時系列的な予測蓄熱量を単位時間毎に求めて、前記予測熱負荷に対して前記予測蓄熱量が不足する熱不足単位時間を前記熱不足時間帯として求めるように構成し、
前記回収熱量導出手段54は、前記電力不足単位時間及び前記熱不足単位時間よりも前に、前記予測電力負荷が前記最大出力電力よりも小さい単位時間である電力充足単位時間が複数存在するときに、それら複数の電力充足単位時間の夫々において、前記燃料電池1の出力調節範囲内で複数段階に設定されたステップ出力のうちの前記予測電力負荷に応じたステップ出力よりも大きい条件設定用のステップ出力毎に、その条件設定用のステップ出力にて前記燃料電池1を運転したときの回収熱量を増大回収熱量として求める増大回収熱量導出処理を実行するように構成し、
前記エネルギ不足状態導出手段50は、前記複数の電力充足単位時間の夫々において、前記条件設定用のステップ出力毎に、前記燃料電池1を前記条件設定用のステップ出力にて運転することによる省エネルギの程度を示す省エネルギ度を求める省エネルギ度導出処理を実行する省エネルギ度導出手段56を備えて、前記回収熱量導出手段54にて求められる前記条件設定用のステップ出力毎の増大回収熱量及び前記省エネルギ度導出手段56にて求められる前記条件設定用のステップ出力毎の省エネルギ度に基づいて、省エネルギとなる範囲で、前記電力不足時間帯における不足電力量及び前記熱不足時間帯における不足熱量がなくなるように又はそれに近い状態になるように、前記複数の電力充足単位時間夫々の条件設定用のステップ出力から、省エネルギ度の大きい条件設定用のステップ出力を仮運転用のステップ出力として選択する仮運転条件設定処理を実行するように構成し、
前記しきい値設定手段55は、前記エネルギ不足状態導出手段50にて仮運転用として選択されたステップ出力について、そのステップ出力にて前記燃料電池1を運転したときの運転判断用指標をしきい値導出用として求めて、それら求めたしきい値導出用の運転判断用指標のうち、省エネルギの程度が最も小さいものを前記運転判断用指標しきい値として設定するしきい値設定処理を実行するように構成してある。
先ず、前記発電側運転制御部C1による前記電主運転制御について説明する。
この第12実施形態では、発電側運転制御部C1は、前記電主運転制御において、5分等の比較的短い所定の出力調整周期毎に、前記負荷電流用電流計22の検出電流に基づいて運転用電力負荷を求め、前記燃料電池1の出力電力調節範囲における出力調節下限値から最大出力電力の範囲内で複数段階に設定されたステップ出力から、運転用電力負荷に応じたステップ出力を電主出力として設定し、燃料電池1の出力電力をその設定した電主出力に調節する。ちなみに、運転用電力負荷は、前の出力調整周期における電力負荷の平均値として求められる。
例えば、出力調節下限値を300Wとし、最大出力電力を1000Wとすると、それら300〜1000Wの範囲内で、ステップ出力を300、475、650、825、1000Wの如く、175W間隔で5段階に設定する。
ちなみに、各ステップ出力における燃料電池1の消費エネルギは、ステップ出力をそのステップ出力に対応する発電効率にて除することにより求められる。
前記蓄電側運転制御部C2は、電力負荷に関するデータ管理処理では、上記の第1実施形態と同様に、過去電力負荷データを管理して、その管理データに基づいて予測電力負荷データを求める。
尚、説明を簡単にするために、この実施形態では、予測熱負荷Qpは、貯湯槽2からの給湯に関する熱負荷のみが含まれ、暖房端末4による暖房に関する熱負荷は含まれていないものとする。
前記エネルギ不足状態導出手段50は、図19に示す如き予測電力負荷Ppの場合、その予測電力負荷データPp、及び、その予測電力負荷Ppに応じた予測電主出力Pfに基づいて、図19に示すように、単位時間毎に、予測蓄電電力量Sr、予測追加蓄電電力量Sa、予測不足出力電力量Pd及び予測不足蓄電電力量Sdを求める。
又、現電力負荷が燃料電池1の出力調節下限値よりも小さいときは、燃料電池1の出力電力を前記出力調節下限値に調節するように構成してあるので、予測電力負荷が燃料電池1の出力調節下限値よりも小さいときの予測電主出力Pfは、出力調節下限値に対応するステップ出力とするように構成してある。
前記予測追加蓄電電力量Saは、予測電力負荷が燃料電池1の出力調節下限値に対応するステップ出力よりも小さいときに、蓄電池3に蓄電される電力であり、下記の式19に基づいて求める。
前記予測不足出力電力量Pdは、予測電力負荷Ppが予測電主出力Pfを上回る場合に、燃料電池1の出力電力(予測電主出力Pf)だけでは予測電力負荷Ppに対して不足する電力であり、下記の式20に基づいて求める。
前記予測不足蓄電電力量Sdは、予測電力負荷Ppが出力調節範囲における最大出力電力と予測蓄電電力量Srとを加えた予測総出力電力を上回る電力であり、下記の式21に基づいて求める。
Sa(n)=Pf(n)−Pp(n)……………(式19)
Pd(n)=Pp(n)−Pf(n)……………(式20)
Sd(n)=1000+Sr(n−1)−Pp(n)……………(式21)
n:12,13〜23時の各単位時間を示す。
n:12,13〜23時の各単位時間を示す。
ηf:出力電力が予測電主出力Pfのときの燃料電池1の発電効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率に関する記憶情報から求められる。
λf:出力電力が予測電主出力Pfのときの燃料電池1の熱効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率及び熱効率に関する記憶情報から求められる。
前記予測放熱量Qmは、単位時間が経過する間に、貯湯槽2から放熱される熱量であり、下記の式24にて求める。
前記不足熱量Qdは、各単位時間において、予測熱負荷Qpに対して、貯湯槽2に蓄熱されている熱量では不足する熱量であり、下記の式25にて求める。
Qm(n)=Qs(n−1)×α……………(式24)
Qd(n)=Qs(n−1)−Qp(n)+Qf(n)−Qm(n)……………(式25)
n:12,13〜23時の各単位時間を示す。
α:単位時間当たりの放熱率であり、例えば、0.015に設定される。
又、蓄電側運転制御部C2により図20に示す如き予測熱負荷データQpが求められたときは、管理周期の起点での貯湯槽2の蓄熱量が2000Whであるとすると、エネルギ不足状態導出手段50は、熱不足時間帯として20〜21時、及び、21〜22時の時間帯を求め、20〜21時の熱不足時間帯の不足熱量として1367Whを求め、21〜22時の熱不足時間帯の不足熱量として747.7Whを求める。
即ち、図17に示すように、前記エネルギ不足状態導出手段50は、前記複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用のステップ出力から、前記省エネルギ度導出手段56により求められる省エネルギ度のうち省エネルギの程度が最大の省エネルギ度の条件設定用のステップ出力を前記仮運転用のステップ出力として選択し、且つ、その選択した仮運転用のステップ出力を含む電力充足単位時間を仮出力上昇処理用の単位時間として選択する仮条件設定処理を実行する仮条件設定手段57を備えて、前記仮運転条件設定処理において、前記仮条件設定手段57にて仮出力上昇処理用として選択された単位時間については前記仮条件設定手段57にて仮運転用として選択されたステップ出力にて前記燃料電池1を運転すると仮定する状態で、前記電力不足単位時間における不足電力量がなくなる又はそれに近い状態になるかを判別し且つ前記熱不足単位時間における不足熱量がなくなる又はそれに近い状態になるかを判別するエネルギ不足状態判別処理を実行するように構成してある。
又、前記省エネルギ度導出手段56は、前記仮条件設定手段57にて仮出力上昇処理用として選択されていない単位時間については、前記予測電力負荷に応じた前記ステップ出力を基準出力とし、前記仮条件設定手段57にて仮出力上昇処理用として選択された単位時間については、前記仮運転用のステップ出力を基準出力とする状態で、前記燃料電池1を前記基準出力にて運転することに対して前記条件設定用のステップ出力にて運転することによる省エネルギの程度を示すものとして前記省エネルギ度を求める省エネルギ度導出処理を、省エネルギとなる範囲で、前記エネルギ不足状態導出手段50にて前記電力不足単位時間における不足電力量及び前記熱不足単位時間における不足熱量がなくなる又はそれに近い状態になると判別されるまで繰り返すように構成し、
前記仮条件設定手段57は、前記省エネルギ度導出手段56にて前記省エネルギ度導出処理が実行される毎に、既に前記仮運転用として選択したステップ出力に対応する省エネルギ度を除いた状態で、前記仮条件設定処理を実行するように構成し、
前記回収熱量導出手段54は、前記仮条件設定手段57にて仮出力上昇処理用として選択された単位時間については、前記条件設定用のステップ出力を前記仮運転用のステップ出力よりも大きいステップ出力とする状態で、前記省エネルギ度導出手段56にて前記省エネルギ度導出処理が実行される毎に、前記増大回収熱量導出処理を実行するように構成し、
前記エネルギ不足状態導出手段50は、前記省エネルギ度導出手段56にて前記省エネルギ度導出処理が実行される毎に、前記エネルギ不足状態判別処理を実行するように構成し、
前記しきい値設定手段55は、前記しきい値設定処理において、前記仮条件設定手段57にて最後の前記仮条件設定処理が実行されたときに、前記仮運転用として選択されているステップ出力の夫々について、前記しきい値導出用の運転判断用指標を求めるように構成してある。
この省エネルギ度導出手段56は、下記の式26に基づいて、省エネルギ度Rを求めるように構成してある。
Cu:燃料電池1を条件設定用のステップ出力にて運転したときの有効出力電力及び貯湯槽2の有効回収熱量を発電所及び給湯器にて得る場合に対する燃料電池1を条件設定用のステップ出力にて運転するときの消費エネルギ削減量(即ち、条件設定対応エネルギ削減量)
Cp:燃料電池1を基準出力にて運転したときの有効出力電力及び貯湯槽2の有効回収熱量を発電所及び給湯器にて得る場合に対する燃料電池1を基準出力にて運転するときの消費エネルギ削減量(即ち、基準対応エネルギ削減量)
Edt:燃料電池1を条件設定用のステップ出力にて運転したときの蓄電池3の蓄電電力及び貯湯槽2の有効回収熱量を発電所及び給湯器で得る場合の消費エネルギ量(即ち、燃料電池1を条件設定用のステップ出力にて運転したときの蓄電電力・回収熱量相当従来消費エネルギ量)
Ect:燃料電池1を基準出力にて運転したときの蓄電池3の蓄電電力及び貯湯槽2の有効回収熱量を発電所及び給湯器で得る場合の消費エネルギ量(即ち、燃料電池1を基準出力にて運転したときの蓄電電力・回収熱量相当従来消費エネルギ)
尚、省エネルギ度導出手段56により求められた予測電主出力Pf及び条件設定用のステップ出力Ps夫々に対応する有効出力電力・回収熱量相当従来消費エネルギEat,Ebtは、例えば、図21に示す通りである。
Pv=Pf……………(式28)
Qu={(Pf/ηf)×λf}×(1−α)m……………(式29)
Pv=Ps−Ls……………(式31)
Ls=5.9×{(Ps−Pf)/1000}2+20×{(Ps−Pf)/100}
……………(式32)
Qu={(Ps/ηs)×λs}×(1−α)m……………(式33)
Eat:燃料電池1を予測電主出力Pfにて運転したときの有効出力電力・回収熱量相当従来消費エネルギ(Wh)
Pv:有効出力電力(W)
ε:発電所の発電効率であり、例えば0.366に設定してある。
ρ:ガス燃焼式の給湯器の熱効率であり、例えば0.7に設定してある。
Qu: 貯湯槽2の有効回収熱量(Wh)
Pf:予測電主出力(W)
ηf:出力電力が予測電主出力Pfのときの燃料電池1の発電効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率に関する記憶情報から求められる。
λf:出力電力が予測電主出力Pfのときの燃料電池1の熱効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率及び熱効率に関する記憶情報から求められる。
α:単位時間当たりの放熱率であり、例えば、0.015に設定される。
m:各単位時間から熱不足単位時間に至るまでの時間間隔であり、図20に示すように、最初の熱不足単位時間が20時から21時までの単位時間であるとすると、貯湯槽2の有効回収熱量Quを求める単位時間が12時から13時の単位時間の場合は、m=8である。
Ebt:燃料電池1を条件設定用のステップ出力Psにて運転したときの有効出力電力・回収熱量相当従来消費エネルギ(Wh)
Ps:条件設定用のステップ出力(W)
Ls:条件設定用のステップ出力Psから予測電主出力Pfを減じた電力が蓄電池3に充電されるときにロスとなる充電ロス電力(W)
ηs:出力電力が条件設定用のステップ出力Psのときの燃料電池1の発電効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率に関する記憶情報から求められる。
λs:出力電力が条件設定用のステップ出力Psのときの燃料電池1の熱効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率及び熱効率に関する記憶情報から求められる。
Cp=Eat−Eaf……………(式35)
Ebf:燃料電池1を条件設定用のステップ出力Psにて運転するときの消費エネルギであり、図18に示す如き、各ステップ出力毎の消費エネルギに関する記憶情報から求められる。例えば、12時からの電力充足単位時間の場合、650、825、1000W夫々の条件設定用のステップ出力Psに対応して求められる。
Eaf:燃料電池1を基準出力(予測電主出力Pf)にて運転するときの消費エネルギであり、図18に示す如き、各ステップ出力毎の消費エネルギに関する記憶情報から予測電主出力Pfに対応する消費エネルギが求められる。例えば、12時からの電力充足単位時間の場合、予測電主出力Pfは475Wであるので、475Wに対応する消費エネルギが求められる。
尚、省エネルギ度導出手段56により求められた予測電主出力Pf及び条件設定用のステップ出力Ps夫々に対応する蓄電電力・回収熱量相当従来消費エネルギ量Ect,Edtは、例えば、図22に示す通りである。
Sv=0……………(式37)
Qu={(Pf/ηf)×λf}×(1−α)m……………(式38)
Sv=Ps−(Pf+Ls)……………(式40)
Ls=5.9×{(Ps−Pf)/1000}2+20×{(Ps−Pf)/100}
……………(式41)
Qu={(Ps/ηs)×λs}×(1−α)m……………(式42)
Ect:予測電主出力Pfに対応する蓄電電力・回収熱量相当従来消費エネルギ量(Wh)
Sv:蓄電電力
ε:発電所の発電効率であり、例えば0.366に設定してある。
ρ:ガス燃焼式の給湯器の熱効率であり、例えば0.7に設定してある。
Qu: 貯湯槽2の有効回収熱量(Wh)
Pf:予測電主出力(W)
ηf:出力電力が予測電主出力Pfのときの燃料電池1の発電効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率に関する記憶情報から求められる。
λf:出力電力が予測電主出力Pfのときの燃料電池1の熱効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率及び熱効率に関する記憶情報から求められる。
α:単位時間当たりの放熱率であり、例えば、0.015に設定される。
m:各単位時間から熱不足単位時間に至るまでの時間間隔であり、図20に示すように、最初の熱不足単位時間が20時から21時までの単位時間であるとすると、貯湯槽2の有効回収熱量Quを求める単位時間が12時から13時の単位時間の場合は、m=8である。
Edt:条件設定用のステップ出力Psに対応する蓄電電力・回収熱量相当従来消費エネルギ量(Wh)
Ps:条件設定用のステップ出力(W)
Ls:条件設定用のステップ出力Psから予測電主出力Pfを減じた電力が蓄電池3に充電されるときにロスとなる充電ロス電力(W)
ηs:出力電力が条件設定用のステップ出力のときの燃料電池1の発電効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率に関する記憶情報から求められる。
λs:出力電力が条件設定用のステップ出力Psのときの燃料電池1の熱効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率及び熱効率に関する記憶情報から求められる。
又、上記の式40にて求めた蓄電電力Svが負のときは、蓄電電力Svは0とする。
図23に示すように、例えば、12時からの電力充足単位時間の場合、予測電主出力Pfは475Wであるので、条件設定用のステップ出力Psは、650、825、1000Wが設定され、それら650、825、1000W夫々の条件設定用のステップ出力Psについて、省エネルギ度Rが求められる。
例えば、第1回目の省エネルギ度導出処理にて、図23に示すように、複数の電力充足単位時間夫々の条件設定用のステップ出力の省エネルギ度Rが求められた場合、18時からの電力充足単位時間における1000Wの条件設定用のステップ出力に対応する省エネルギ度Rが最大、即ち、省エネルギの程度が最大であるので、仮条件設定手段57は、仮出力上昇処理用の単位時間として、18時からの単位時間を選択し、仮運転用のステップ出力Ptとして1000Wを選択する。
図示は省略するが、電力及び熱の夫々についての初期の需給状態が図19及び図20に夫々示すような場合、この第1回目のエネルギ不足状態判別処理では、エネルギ不足状態導出手段56により熱不足時間帯が存在すると判別される。
つまり、第1回目の仮条件設定処理にて、仮出力上昇処理用として18時からの単位時間が選択され、仮運転用のステップ出力として1000Wのステップ出力が選択されていて、その1000Wのステップ出力が基準出力となって、この第2回目の省エネルギ度導出処理では、図24に示すように、仮条件設定手段57にて仮出力上昇処理用として選択された18時からの電力充足単位時間については、新たに省エネルギ度が求められない。
例えば、第2回目の省エネルギ度導出処理にて、図24に示すように、複数の電力充足単位時間夫々の条件設定用のステップ出力の省エネルギ度が求められた場合、17時からの電力充足単位時間における475Wの条件設定用のステップ出力に対応する省エネルギ度が最大であるので、仮条件設定手段57は、図25に示すように、仮出力上昇処理用の単位時間として、17時からの単位時間を選択し、仮運転用のステップ出力Ptとして475Wを選択する。
従って、エネルギ不足状態導出手段56により、電力不足単位時間は存在しないと判別されるが、熱不足単位時間が存在すると判別される。
つまり、第2回目の仮条件設定処理にて、仮出力上昇処理用として17時からの単位時間が選択され、仮運転用のステップ出力として475Wのステップ出力が選択されているので、この第3回目の省エネルギ度導出処理では、図26に示すように17時からの単位時間については、650、825,1000W夫々の条件設定用のステップ出力について、省エネルギ度が求められる。
例えば、第3回目の省エネルギ度導出処理にて、図26に示すように、複数の電力充足単位時間夫々の条件設定用のステップ出力の省エネルギ度が求められた場合、17時からの電力充足単位時間における1000Wの条件設定用のステップ出力に対応する省エネルギ度が最大であるので、仮条件設定手段57は、図27に示すように、仮出力上昇処理用の単位時間として、17時からの単位時間を選択し、仮運転用のステップ出力Ptとして1000Wを選択する。
従って、エネルギ不足状態導出手段56により、電力不足単位時間及び熱不足単位時間のいずれもが存在しない、即ち、電力不足時間帯における不足電力量及び熱不足時間帯における不足熱量がなくなると判別される。
つまり、この場合は、前記仮運転条件設定処理においては、省エネルギとなる範囲で、電力不足時間帯における不足電力量及び熱不足時間帯における不足熱量がなくなる状態に近い状態になるように、複数の電力充足単位時間夫々の条件設定用のステップ出力から、省エネルギ度の大きい条件設定用のステップ出力を仮運転用のステップ出力として選択することが実行されることになる。
前記しきい値設定手段55は、前記仮条件設定手段57にて最後の前記仮条件設定処理が実行されたときに、前記仮運転用として選択されているステップ出力の夫々について、下記の式43〜式50に基づいて、前記しきい値導出用の運転判断用指標Iを求めるように構成してある。
つまり、前記しきい値設定手段55は、17時からの仮出力上昇処理用の単位時間において、仮運転用として選択されている1000Wのステップ出力にて燃料電池1を運転したとして運転判断用指標を求め、18時からの仮出力上昇処理用の単位時間において仮運転用として選択されている1000Wのステップ出力にて燃料電池1を運転したとして運転判断用指標を求めて、それら求めた運転判断用指標をしきい値導出用とする。
Egt=Pv/ε……………(式44)
Pv=Ps−Ls……………(式45)
Ls=5.9×{(Ps−Pf)/1000}2+20×{(Ps−Pf)/1000}
……………(式46)
Eht=Qu/ρ……………(式47)
Qu={(Ps/ηs)×λs}×(1−α)m……………(式48)
Est=Sv/ε……………(式49)
Sv=Ps−(Pf+Ls)……………(式50)
I:運転判断用指標
Egt:燃料電池1を運転したときの有効出力電力Pvを発電所にて得る場合の消費エネルギ量(Wh)
Eht:燃料電池1を運転したときの貯湯槽2の有効回収熱量を給湯器にて得る場合の消費エネルギ量(Wh)
Ef:燃料電池1の消費エネルギ量(Wh)
Est:燃料電池1を運転したときの蓄電池3の蓄電電力を発電所にて得る場合の消費エネルギ量(Wh)
Pv:有効出力電力(W)
ε:発電所の発電効率であり、例えば0.366に設定してある。
Ps:条件設定用のステップ出力(W)
Ls:条件設定用のステップ出力消Psから予測電主出力Pfを減じた電力が蓄電池3に充電されるときにロスとなる充電ロス電力(W)
Pf:予測電主出力(W)
Qu: 貯湯槽2の有効回収熱量(W)
ρ:ガス燃焼式の給湯器の熱効率であり、例えば0.7に設定してある。
ηs:出力電力が条件設定用のステップ出力のときの燃料電池1の発電効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率に関する記憶情報から求められる。
λs:出力電力が条件設定用のステップ出力消Psのときの燃料電池1の熱効率であり、図18に示す如き燃料電池1の発電効率及び熱効率に関する記憶情報から求められる。
α:単位時間当たりの放熱率であり、例えば、0.015に設定される。
m:各単位時間から熱不足単位時間に至るまでの時間間隔であり、図20に示すように、最初の熱不足単位時間が20時から21時までの単位時間であるとすると、貯湯槽2の有効回収熱量Quを求める単位時間が12時から13時の単位時間の場合は、m=8である。
Sv:蓄電電力
この指標導出手段53は、リアルタイムで(例えば、前記出力調整周期毎に)、前記発電電流用電流計23の検出電流に基づいて求めた燃料電池1の出力電力が前記最大出力電力よりも低いときは、上記の式43により、前記燃料電池1の出力電力よりも大きいステップ出力(Ps)夫々について、運転判断用指標Iを求め、求めた運転判断用指標Iが運転判断用しきい値以上のときは、その燃料電池1の出力電力よりも大きいステップ出力を前記不足解消用電力として設定するように構成してある。尚、求めた運転判断用指標Iが運転判断用しきい値以上のステップ出力が複数有るときは、運転判断用指標Iが最大のステップ出力を前記不足解消用電力として設定するように構成してある。
この蓄電側運転制御部C2は、上述のように、前記商用電流用電流計20の検出電流、前記発電電流用電流計23の検出電流、前記充電運転時における蓄電池3の充電電力、及び、前記放電運転時における蓄電池3の放電電力に基づいて現電力負荷を求め、その求めた現電力負荷に基づいて、蓄電池3の充電電力、放電電力を設定して、設定した充電電力になるように充電運転を実行し且つ設定した放電電力になるように放電運転を実行するように構成してある。
又、蓄電側運転制御部C2は、前記エネルギ不足状態において前記不足解消用電力が設定されているときは、その不足解消用電力と求めた現電力負荷との差を充電電力として設定する。
管理周期が経過する度に、上述のように、データ管理処理及びエネルギ不足状態導出処理を実行して、エネルギ不足状態か、エネルギ充足状態かを判別する(ステップ#21〜24)。
エネルギ不足状態の場合は、上述のように仮運転条件設定処理及びしきい値設定処理を実行した後に、一方、エネルギ充足状態の場合は、前記仮運転条件設定処理及びしきい値設定処理を実行することなく、上述のように充放電処理を実行する(ステップ#25〜28)。
以降、エネルギ不足状態の場合は、しきい値導出処理を実行した後、充放電処理を実行する処理を、一方、エネルギ充足状態の場合は、しきい値導出処理を実行することなく充放電処理を実行する処理を、管理周期が経過するまで繰り返す(ステップ#21,29,28)。
即ち、前記エネルギ不足状態において不足解消用電力が設定されている場合は、燃料電池1の出力電力が前記不足解消用電力に調節されて、その燃料電池1の出力電力のうち、電力消費機器12にて消費された残りの余剰電力が蓄電池3に充電される。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の第12実施形態の如く、運転制御手段Cに、前記貯湯ユニットWU、前記回収熱量導出手段54及びエネルギ不足状態導出手段50を備えさせて、運転制御手段Cを、そのエネルギ不足状態導出手段50にて求められた前記電力不足時間帯及び前記熱不足時間帯よりも前に、前記発電手段1の出力電力を上昇側に変更調節する出力上昇処理を実行する構成において、以下のような別実施形態が可能である。
即ち、運転制御手段Cを、現電力負荷が燃料電池1の出力調節範囲における出力調節下限値よりも小さいときは、燃料電池1の出力電力を前記出力調節下限値に調節するように構成し、エネルギ不足状態導出手段50を、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電池3に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記燃料電池1の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回ると予測される時間帯のうち、前記燃料電池1を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる時間帯を前記電力不足時間帯として求め、且つ、前記回収熱量導出手段54にて求められた電力負荷追従時回収熱量及び前記予測熱負荷に基づいて、前記貯湯槽2に湯水にて貯えられると予測される時系列的な予測蓄熱量を求めて、前記予測熱負荷に対して前記予測蓄熱量が不足する時間帯を前記熱不足時間帯として求めるように構成する。
そして、運転制御手段Cを、現電力負荷が前記出力調節下限値よりも大きい値として設定可能な設定下限電力以下のときに、前記燃料電池1の出力電力を前記設定下限電力に調節することにより、前記出力上昇処理を実行するように構成する。
例えば、前記回収熱量導出手段54にて前記省エネルギ度導出処理を1回だけ実行して、図23の如く、複数の電力充足単位時間の夫々において、条件設定用のステップ出力Ps毎に省エネルギ度を求め、それら複数の電力充足単位時間夫々の条件設定用のステップ出力Ps毎の省エネルギ度に基づいて、省エネルギとなる範囲で、前記電力不足時間帯における不足電力量及び前記熱不足時間帯における不足熱量がなくなるように又はそれに近い状態になるように、省エネルギ度が大きい条件設定用のステップ出力の順に仮運転用のステップ出力として選択するようにしても良い。
この場合も、仮出力上昇処理用の単位時間として、17時、18時の夫々の単位時間が選択され、17時、18時の仮出力上昇処理用の単位時間の仮運転用のステップ出力として、夫々、1000Wが選択される。
即ち、一般的には、出力上昇処理では、不足解消用電力における現電力負荷又は予測電力負荷に対する上昇幅が大きいほど、運転メリットが大きくなると考えられる。
そこで、例えば現電力負荷又は予測電力負荷が小さい(例えば、前記出力調節下限値よりも小さい)時間帯を出力上昇処理用を実行する時間帯として設定するように構成しても良い。
ちなみに、前記放電ロス電力は、蓄電池3からの放電時に平均的に発生する放電ロス電力としても良いし、あるいは、予測電力負荷に対して予測される放電電力に対応する蓄電池3の放電ロス電力としても良い。
2 貯湯槽
3 蓄電手段
50 エネルギ不足状態導出手段
51 下限電力設定手段
52 出力上昇処理用電力設定手段
53 指標導出手段
54 回収熱量導出手段
55 しきい値設定手段
56 省エネルギ度導出手段
57 仮条件設定手段
C 運転制御手段
WU 貯湯手段
Claims (26)
- 電力を出力する発電手段と、
現在要求されている現電力負荷に応じた電力を出力するように前記発電手段の運転を制御する運転制御手段と、
前記発電手段の出力電力の余剰分を蓄電し且つ現電力負荷に対して前記発電手段の出力電力が不足するときに蓄電している電力を放電する蓄電手段とが設けられたエネルギ供給システムであって、
前記運転制御手段は、前記発電手段を最大出力電力にて運転しても時系列的な予測電力負荷を賄えなくなる電力不足時間帯を求めるエネルギ不足状態導出手段を備えて、そのエネルギ不足状態導出手段にて求められた前記電力不足時間帯よりも前に、前記蓄電手段に蓄電される電力を増大させるべく前記発電手段の出力電力を上昇側に変更調節する出力上昇処理を実行するように構成されており、
前記運転制御手段は、現電力負荷が前記発電手段の出力調節範囲における出力調節下限値よりも小さいときは、前記発電手段の出力電力を前記出力調節下限値に調節するように構成され、
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、前記発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる時間帯を前記電力不足時間帯として求めるように構成されているエネルギ供給システム。 - 前記運転制御手段は、現電力負荷が前記出力調節下限値よりも大きい値として設定可能な設定下限電力以下のときに、前記発電手段の出力電力を前記設定下限電力に調節することにより、前記出力上昇処理を実行するように構成されている請求項1記載のエネルギ供給システム。
- 前記エネルギ不足状態導出手段は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期内において、前記予測電力負荷に基づいて前記予測蓄電電力量を求めて前記電力不足時間帯を求め、且つ、その電力不足時間帯において前記予測電力負荷が前記予測総出力電力量を上回る不足電力量を求めるように構成され、
前記運転制御手段は、前記不足電力量に応じて前記設定下限電力を変更設定する下限電力設定手段を備えている請求項2記載のエネルギ供給システム。 - 前記下限電力設定手段は、前記蓄電手段における充放電損失を考慮する状態で、前記設定下限電力を変更設定するように構成されている請求項3記載のエネルギ供給システム。
- 前記運転制御手段は、前記電力不足時間帯よりも前の時間帯に設定される出力上昇処理用時間帯において、前記発電手段の出力電力を現電力負荷又は前記予測電力負荷よりも大きい出力上昇処理用電力に調節することにより、前記出力上昇処理を実行するように構成されている請求項1記載のエネルギ供給システム。
- 前記エネルギ不足状態導出手段は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期内において、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、前記発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる時間帯を前記電力不足時間帯として求め、且つ、その電力不足時間帯において前記予測電力負荷が前記予測総出力電力量を上回る不足電力量を求めるように構成され、
前記運転制御手段は、前記不足電力量に応じて前記出力上昇処理用電力を設定するように構成されている請求項5記載のエネルギ供給システム。 - 前記運転制御手段は、前記出力上昇処理用時間帯及び前記出力上昇処理用電力を設定する出力上昇処理用電力設定手段、及び、前記出力上昇処理を実行すると仮定したときの運転メリットの程度を示す運転判断用指標を求める指標導出手段を備え、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記指標導出手段により求められる運転判断用指標に基づいて、運転メリットの程度が大きくなるように前記出力上昇処理用時間帯及び前記出力上昇処理用電力を設定するように構成されている請求項6記載のエネルギ供給システム。 - 前記指標導出手段は、前記電力不足時間帯よりも前に、前記予測電力負荷が前記最大出力電力よりも小さい単位時間である電力充足単位時間が複数存在するときに、それら複数の電力充足単位時間の夫々において、条件設定用の充電用増大電力を、前記予測電力負荷に前記条件設定用の充電用増大電力を加えた電力が前記最大出力電力を上回らない条件で、設定電力間隔を空ける状態で段階的に設定して、前記条件設定用の充電用増大電力毎に、前記予測電力負荷に前記条件設定用の充電用増大電力を加えた条件設定用出力電力にて前記発電手段を運転したときの運転判断用指標を求めるように構成され、
前記出力上昇処理用電力設定手段が、前記複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用の充電用増大電力、及び、前記指標導出手段により求められた運転判断用指標に基づいて、運転メリットの程度が最大となり且つ前記不足電力量に対する前記蓄電手段の蓄電電力の増加量の過不足が最小になるように、電力充足単位時間及び条件設定用の充電用増大電力を選択して、選択した電力充足単位時間、選択した条件設定用の充電用増大電力を現電力負荷又は前記予測電力負荷に加えた電力を夫々、前記出力上昇処理用時間帯、前記出力上昇処理用電力として設定するように構成されている請求項7記載のエネルギ供給システム。 - 前記指標導出手段は、前記運転判断用指標として、前記条件設定用出力電力における前記発電手段の発電効率と前記予測電力負荷に応じた出力電力における前記発電手段の発電効率との差である発電効率差を求めるように構成され、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記発電効率差が大きいほど運転メリットの程度が大きいと判断するように構成されている請求項8記載のエネルギ供給システム。 - 前記指標導出手段は、前記条件設定用の充電用増大電力が前記蓄電手段に充電されるときにロスとなる充電ロス電力と前記条件設定用出力電力とを加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギを求めて、前記運転判断用指標として、前記充電ロス加味入力エネルギに対する前記条件設定用出力電力の比率である入力エネルギ対出力比率を求めるように構成され、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記入力エネルギ対出力比率が大きいほど運転メリットの程度が大きいと判断するように構成されている請求項8記載のエネルギ供給システム。 - 前記指標導出手段は、前記条件設定用の充電用増大電力が前記蓄電手段に充電されるときにロスとなる充電ロス電力と前記条件設定用出力電力とを加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギを求めて、前記運転判断用指標として、前記充電ロス加味入力エネルギに対する前記条件設定用出力電力の比率である入力エネルギ対出力比率から、前記予測電力負荷に応じた出力電力における前記発電手段の発電効率を減じた充電ロス加味発電効率差を求めるように構成され、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記充電ロス加味発電効率差が大きいほど運転メリットの程度が大きいと判断するように構成されている請求項8記載のエネルギ供給システム。 - 前記指標導出手段は、前記条件設定用の充電用増大電力が前記蓄電手段に充電されるときにロスとなる充電ロス電力と前記条件設定用出力電力とを加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギを求めて、前記運転判断用指標として、前記条件設定用の充電用増大電力を発電所にて得る場合の消費エネルギである前記条件設定用の充電用増大電力の発電所消費エネルギ換算値と前記発電手段にて前記予測電力負荷に応じた電力を出力するのに要する電主時エネルギとを加えたエネルギから、前記充電ロス加味入力エネルギを減じた充電ロス加味エネルギ差を求めるように構成され、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記充電ロス加味エネルギ差が大きいほど運転メリットの程度が大きいと判断するように構成されている請求項8記載のエネルギ供給システム。 - 前記指標導出手段は、前記条件設定用の充電用増大電力が前記蓄電手段に充電されるときにロスとなる充電ロス電力と前記条件設定用出力電力とを加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するエネルギである充電ロス加味入力エネルギを求め、前記条件設定用の充電用増大電力を発電所にて得る場合の消費エネルギである前記条件設定用の充電用増大電力の発電所消費エネルギ換算値と前記発電手段にて前記予測電力負荷に応じた電力を出力するのに要する電主時エネルギとを加えたエネルギから、前記充電ロス加味入力エネルギを減じた充電ロス加味エネルギ差を求めて、前記運転判断用指標として、前記充電ロス加味エネルギ差を前記条件設定用の充電用増大電力にて除した単位充電量当たりのエネルギ差を求めるように構成され、
前記出力上昇処理用電力設定手段は、前記単位充電量当たりのエネルギ差が大きいほど運転メリットの程度が大きいと判断するように構成されている請求項8記載のエネルギ供給システム。 - 前記指標導出手段は、前記充電ロス加味入力エネルギを、前記条件設定用出力電力及び前記充電ロス電力に前記蓄電手段の待機電力を加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するものとして求めるように構成されている請求項10〜13のいずれか1項に記載のエネルギ供給システム。
- 前記指標導出手段は、前記充電ロス加味入力エネルギを、前記条件設定用出力電力及び前記充電ロス電力に前記蓄電手段の放電ロス電力を加えた電力を前記発電手段にて出力するのに要するものとして求めるように構成されている請求項10〜13のいずれか1項に記載のエネルギ供給システム。
- 電力を出力する発電手段と、
現在要求されている現電力負荷に応じた電力を出力するように前記発電手段の運転を制御する運転制御手段と、
前記発電手段の出力電力の余剰分を蓄電し且つ現電力負荷に対して前記発電手段の出力電力が不足するときに蓄電している電力を放電する蓄電手段とが設けられたエネルギ供給システムであって、
前記発電手段から発生する熱を回収して貯湯槽に湯水として貯える貯湯手段が設けられ、
前記運転制御手段は、前記発電手段を前記予測電力負荷に応じた電力を出力するように運転したときに前記貯湯手段にて前記貯湯槽に回収される電力負荷追従時回収熱量を時系列的に求める回収熱量導出手段と、前記発電手段を最大出力電力にて運転しても時系列的な予測電力負荷を賄えなくなる電力不足時間帯を求め、且つ、前記回収熱量導出手段にて求められる前記電力負荷追従時回収熱量に基づいて、時系列的な予測熱負荷に対して熱不足状態となる熱不足時間帯を求めるエネルギ不足状態導出手段とを備えて、そのエネルギ不足状態導出手段にて求められた前記電力不足時間帯及び前記熱不足時間帯よりも前に、前記発電手段の出力電力を上昇側に変更調節する出力上昇処理を実行するように構成されており、
前記運転制御手段は、現電力負荷が前記発電手段の出力調節範囲における出力調節下限値よりも小さいときは、前記発電手段の出力電力を前記出力調節下限値に調節するように構成され、
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、前記発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる時間帯を前記電力不足時間帯として求め、且つ、前記回収熱量導出手段にて求められた電力負荷追従時回収熱量及び前記予測熱負荷に基づいて、前記貯湯槽に湯水にて貯えられると予測される時系列的な予測蓄熱量を求めて、前記予測熱負荷に対して前記予測蓄熱量が不足する時間帯を前記熱不足時間帯として求めるように構成されているエネルギ供給システム。 - 前記運転制御手段は、現電力負荷が前記出力調節下限値よりも大きい値として設定可能な設定下限電力以下のときに、前記発電手段の出力電力を前記設定下限電力に調節することにより、前記出力上昇処理を実行するように構成されている請求項16記載のエネルギ供給システム。
- 前記エネルギ不足状態導出手段は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期内において、前記予測電力負荷に基づいて前記予測蓄電電力量を求めて前記電力不足時間帯を求め、且つ、その電力不足時間帯において前記予測電力負荷が前記予測総出力電力量を上回る不足電力量を求め、並びに、前記電力負荷追従時回収熱量及び予測熱負荷に基づいて前記予測蓄熱量を求めて前記熱不足時間帯を求め、且つ、その熱不足時間帯において前記予測熱負荷が前記予測蓄熱量を上回る不足熱量を求めるように構成され、
前記運転制御手段は、前記不足電力量及び前記不足熱量に応じて前記設定下限電力を変更設定する下限電力設定手段を備えている請求項17記載のエネルギ供給システム。 - 前記下限電力設定手段は、前記蓄電手段における充放電損失を考慮する状態で、前記設定下限電力を変更設定するように構成されている請求項18記載のエネルギ供給システム。
- 前記運転制御手段は、前記電力不足時間帯及び前記熱不足時間帯よりも前の時間帯において、前記発電手段の出力電力を現電力負荷又は前記予測電力負荷よりも大きい不足解消用電力に調節することにより、前記出力上昇処理を実行するように構成されている請求項16記載のエネルギ供給システム。
- 前記エネルギ不足状態導出手段は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期内において、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を求めて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、前記発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる時間帯を前記電力不足時間帯として求め、且つ、その電力不足時間帯において前記予測電力負荷が前記予測総出力電力量を上回る不足電力量を求め、並びに、前記回収熱量導出手段にて求められた電力負荷追従時回収熱量及び前記予測熱負荷に基づいて、前記貯湯槽に湯水にて貯えられると予測される時系列的な予測蓄熱量を求めて、前記予測熱負荷に対して前記予測蓄熱量が不足する時間帯を前記熱不足時間帯として求め、且つ、その熱不足時間帯において前記予測熱負荷が前記予測蓄熱量を上回る不足熱量を求めるように構成され、
前記運転制御手段は、前記不足電力量及び前記不足熱量に応じて前記不足解消用電力を求めるように構成されている請求項20記載のエネルギ供給システム。 - 前記運転制御手段は、前記電力不足時間帯及び前記熱不足時間帯よりも前の時間帯のうちで、運転メリットが大きい時間帯において、前記出力上昇処理を実行するように構成されている請求項20又は21記載のエネルギ供給システム。
- 前記運転制御手段は、前記出力上昇処理を実行すると仮定したときの運転メリットの程度を示す運転判断用指標を求める指標導出手段と、前記出力上昇処理の実行の可否を判断するための運転判断用指標しきい値を設定するしきい値設定手段とを備えて、前記指標導出手段にて求められる運転判断用指標が前記しきい値設定手段にて設定された運転判断用指標しきい値よりも運転メリットが大きいときに前記出力上昇処理を実行するように構成され、
前記回収熱量導出手段は、時系列的な複数の単位時間からなる管理周期において、単位時間毎に前記電力負荷追従時回収熱量を求めるように構成され、
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記管理周期において、前記予測電力負荷に基づいて前記蓄電手段に蓄電されると予測される時系列的な予測蓄電電力量を単位時間毎に求めて、前記発電手段の最大出力電力を前記予測電力負荷が上回る時間帯のうち、前記発電手段を最大出力電力にて運転したときの発電電力量と前記予測蓄電電力量とを加えた予測総出力電力量にて前記予測電力負荷を賄えなくなる電力不足単位時間を前記電力不足時間帯として求めるように構成され、並びに、前記管理周期において、前記回収熱量導出手段にて求められた電力負荷追従時回収熱量及び前記予測熱負荷に基づいて、前記貯湯槽に湯水にて貯えられると予測される時系列的な予測蓄熱量を単位時間毎に求めて、前記予測熱負荷に対して前記予測蓄熱量が不足する熱不足単位時間を前記熱不足時間帯として求めるように構成され、
前記回収熱量導出手段が、前記電力不足単位時間及び前記熱不足単位時間よりも前に、前記予測電力負荷が前記最大出力電力よりも小さい単位時間である電力充足単位時間が複数存在するときに、それら複数の電力充足単位時間の夫々において、前記発電手段の出力調節範囲内で複数段階に設定されたステップ出力のうちの前記予測電力負荷に応じたステップ出力よりも大きい条件設定用のステップ出力毎に、その条件設定用のステップ出力にて前記発電手段を運転したときの回収熱量を増大回収熱量として求める増大回収熱量導出処理を実行するように構成され、
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記複数の電力充足単位時間の夫々において、前記条件設定用のステップ出力毎に、前記発電手段を前記条件設定用のステップ出力にて運転することによる省エネルギの程度を示す省エネルギ度を求める省エネルギ度導出処理を実行する省エネルギ度導出手段を備えて、前記回収熱量導出手段にて求められる前記条件設定用のステップ出力毎の増大回収熱量及び前記省エネルギ度導出手段にて求められる前記条件設定用のステップ出力毎の省エネルギ度に基づいて、省エネルギとなる範囲で、前記電力不足時間帯における不足電力量及び前記熱不足時間帯における不足熱量がなくなるように又はそれに近い状態になるように、前記複数の電力充足単位時間夫々の条件設定用のステップ出力から、省エネルギ度の大きい条件設定用のステップ出力を仮運転用のステップ出力として選択するように構成され、
前記しきい値設定手段は、前記エネルギ不足状態導出手段にて仮運転用として選択されたステップ出力について、そのステップ出力にて前記発電手段を運転したときの運転判断用指標をしきい値導出用として求めて、それら求めたしきい値導出用の運転判断用指標のうち、省エネルギの程度が最も小さいものを前記運転判断用指標しきい値として設定するように構成されている請求項22記載のエネルギ供給システム。 - 前記エネルギ不足状態導出手段は、前記複数の電力充足単位時間夫々の前記条件設定用のステップ出力から、前記省エネルギ度導出手段により求められる省エネルギ度のうち省エネルギの程度が最大の省エネルギ度の条件設定用のステップ出力を前記仮運転用のステップ出力として選択し、且つ、その選択した仮運転用のステップ出力を含む電力充足単位時間を仮出力上昇処理用の単位時間として選択する仮条件設定処理を実行する仮条件設定手段を備えて、その仮条件設定手段にて仮出力上昇処理用として選択された単位時間については前記仮条件設定手段にて仮運転用として選択されたステップ出力にて前記発電手段を運転すると仮定する状態で、前記電力不足単位時間における不足電力量がなくなる又はそれに近い状態になるかを判別し且つ前記熱不足単位時間における不足熱量がなくなる又はそれに近い状態になるかを判別するエネルギ不足状態判別処理を実行するように構成され、
前記省エネルギ度導出手段は、前記仮条件設定手段にて仮出力上昇処理用として選択されていない単位時間については、前記予測電力負荷に応じた前記ステップ出力を基準出力とし、前記仮条件設定手段にて仮出力上昇処理用として選択された単位時間については、前記仮運転用のステップ出力を基準出力とする状態で、前記発電手段を前記基準出力にて運転することに対して前記条件設定用のステップ出力にて運転することによる省エネルギの程度を示すものとして前記省エネルギ度を求める省エネルギ度導出処理を、省エネルギとなる範囲で、前記エネルギ不足状態導出手段にて前記電力不足単位時間における不足電力量及び前記熱不足単位時間における不足熱量がなくなる又はそれに近い状態になると判別されるまで繰り返すように構成され、
前記仮条件設定手段は、前記省エネルギ度導出手段にて前記省エネルギ度導出処理が実行される毎に、既に前記仮運転用として選択したステップ出力に対応する省エネルギ度を除いた状態で、前記仮条件設定処理を実行するように構成され、
前記回収熱量導出手段は、前記仮条件設定手段にて仮出力上昇処理用として選択された単位時間については、前記条件設定用のステップ出力を前記仮運転用のステップ出力よりも大きいステップ出力とする状態で、前記省エネルギ度導出手段にて前記省エネルギ度導出処理が実行される毎に、前記増大回収熱量導出処理を実行するように構成され、
前記エネルギ不足状態導出手段は、前記省エネルギ度導出手段にて前記省エネルギ度導出処理が実行される毎に、前記エネルギ不足状態判別処理を実行するように構成され、
前記しきい値設定手段は、前記仮条件設定手段にて最後の前記仮条件設定処理が実行されたときに、前記仮運転用として選択されているステップ出力の夫々について、前記しきい値導出用の運転判断用指標を求めるように構成されている請求項23記載のエネルギ供給システム。 - 前記省エネルギ度導出手段は、前記省エネルギ度Rを次式
R={(発電手段を条件設定用のステップ出力にて運転したときの有効出力電力及び貯湯槽の有効回収熱量を発電所及び給湯器にて得る場合に対する発電手段を条件設定用のステップ出力にて運転するときの消費エネルギ削減量)−(発電手段を基準出力にて運転したときの有効出力電力及び貯湯槽の有効回収熱量を発電所及び給湯器にて得る場合に対する発電手段を基準出力にて運転するときの消費エネルギ削減量)}÷{(発電手段を条件設定用のステップ出力にて運転したときの蓄電手段の蓄電電力及び貯湯槽の有効回収熱量を発電所及び給湯器で得る場合の消費エネルギ量)−(発電手段を基準出力にて運転したときの蓄電手段の蓄電電力及び貯湯槽の有効回収熱量を発電所及び給湯器で得る場合の消費エネルギ量)}
にて求めるように構成されている請求項24記載のエネルギ供給システム。 - 前記指標導出手段は、前記運転判断用指標Pを次式
P=〔{(発電手段を運転したときの有効出力電力を発電所にて得る場合の消費エネルギ量)+(発電手段を運転したときの貯湯槽の有効回収熱量を給湯器にて得る場合の消費エネルギ量)}−(発電手段の消費エネルギ量)〕÷{(発電手段を運転したときの蓄電手段の蓄電電力を発電所にて得る場合の消費エネルギ量)+(発電手段を運転したときの貯湯槽の有効回収熱量を給湯器にて得る場合の消費エネルギ量)}
にて求めるように構成されている請求項24又は25記載のエネルギ供給システム。
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