JP4889214B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
そして、このようなコージェネレーションシステムを各家庭等に設けることで、その家庭で消費される電力の少なくとも一部を熱電併給装置の発電電力で補うことができるので、商用電源からの受電電力を少なくすることができる上に、そのときの発生熱を湯水として利用することができるため、省エネルギ性及び経済性の点で有効である。
そして、このような電主運転制御を実行する場合において、出力調整周期毎に、その出力調整周期内の予測電力負荷及び予測熱負荷を用いて省エネルギ性の向上を目的としたシミュレーションを実行し、そのシミュレーション結果から、熱電併給装置を起動してその出力を電主出力に設定するか、熱電併給装置を停止するかを判断するように構成されたコージェネレーションシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
即ち、この特許文献1に記載のコージェネレーションシステムは、上記出力調整周期毎の省エネルギ性が向上するように、熱電併給装置を断続的に稼動させるものであるといえる。
しかし、上記のように熱電併給装置を連続的に稼動させた場合には、熱電併給装置の発生熱が熱負荷に対して過剰なものとなってしまう場合がある。
前記連続稼動モードが、前記判定時点からの判定対象期間において前記熱電併給装置を連続的に稼動させる稼動モードであり、
前記断続稼動モードが、前記判定対象期間において前記熱電併給装置を断続的に稼動させる稼動モードであり、
前記運転制御手段が、前記稼動モード選択処理において、前記連続稼動モードと前記断続稼動モードとの夫々によって前記熱電併給装置を運転すると仮定したときの予測電力負荷及び予測熱負荷についての、前記熱電併給装置を稼動しない場合のエネルギ消費量からのエネルギの削減量である予測エネルギ削減量を演算し、前記連続稼動モードと前記断続稼動モードとのうちの前記予測エネルギ削減量が優れた方の稼動モードを選択する点にある。
即ち、上記第1断続稼動モードにおいては、判定対象期間において稼動時間帯が異なる複数の仮運転パターンから、判定対象期間における予測電力負荷及び予測熱負荷に基づいて演算された予測エネルギ削減量が最大となる仮運転パターンを選択する形態で、熱電併給装置の稼動時間帯を規定する起動時刻と停止時刻とを設定するので、判定対象期間での熱余り状態を抑制して、省エネルギ性の向上を図ることができる。
即ち、上記第2断続稼動モードにおいては、判定対象期間において稼動時間帯が異なる複数の仮運転パターンから、判定対象期間における予測電力負荷更にはその判定対象期間よりも長い熱負荷判定対象期間(例えば48時間又は72時間)における予測熱負荷に基づいて演算された予測エネルギ削減量が最大となる仮運転パターンを選択する形態で、熱電併給装置の稼動時間帯を規定する起動時刻と停止時刻とを設定するので、判定対象期間更にはそれよりも長い熱負荷判定対象期間での熱余り状態を抑制して、省エネルギ性の一層の向上を図ることができる。
前記熱電供給装置の出力と商用電源からの受電電力にて現電力負荷を補うように構成されている点にある。
このコージェネレーションシステムは、図1及び図2に示すように、電力と熱とを発生する熱電併給装置としての燃料電池1と、その燃料電池1が発生する熱を冷却水にて回収し、その冷却水を利用して、貯湯槽2への貯湯及び熱消費端末3への熱媒供給を行う貯湯ユニット4と、燃料電池1及び貯湯ユニット4の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部5などから構成されている。
前記商用電源7は、例えば、単相3線式100/200Vであり、受電電力供給ライン8を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷9に電気的に接続されている。
また、インバータ6は、発電電力供給ライン10を介して受電電力供給ライン8に電気的に接続され、燃料電池1からの発電電力がインバータ6及び発電電力供給ライン10を介して電力負荷9に供給するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ6により燃料電池1から受電電力供給ライン8に供給される電力が制御され、発電電力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ12に供給されるように構成されている。
また、作動スイッチ14は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ12の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ12の消費電力を調整するように構成されている。
尚、電気ヒータ12の消費電力を調整する構成については、上記のように複数の電気ヒータ12のON/OFFを切り換える構成以外に、その電気ヒータ12の出力を例えば位相制御等により調整する構成を採用しても構わない。
そして、三方弁18を切り換えることにより、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエター19を通過するように循環させる状態と、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエター19をバイパスするように循環させる状態とに切り換えるように構成されている。
前記熱源用熱交換器25においては、燃料電池1が発生する熱を回収した冷却水循環路13の冷却水を通流させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
そして、補助加熱手段Mが、ファン27、バーナ28、補助加熱用熱交換器29により構成されている。
また、熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁40が設けられている。
そして、分流弁30は、冷却水循環路13の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させたり、冷却水循環路13の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させることもできるように構成されている。
前記熱消費端末3は、床暖房装置や浴室暖房装置などの暖房端末にて構成されている。
したがって、貯湯槽2では、貯湯槽2の容量の範囲内で、燃料電池1の出力に応じて追加された湯水から、給湯用として取り出された湯水を差し引いた分の湯水が貯湯されていることになる。
前記運転制御部5は、燃料電池1の稼動時に燃料電池1の出力を、現在要求されている現電力負荷に対して追従する電主出力に設定する電主運転制御を実行する。
尚、上記最小出力は、許容範囲内で0W又はそれに近い極めて小さい出力に設定しても構わない。
即ち、運転制御部5は、連続稼動モードが選択された判定対象期間においては、燃料電池1を停止することなく連続的に稼動させ、その稼動時に上述した電主運転制御を実行する。
即ち、運転制御部5は、断続稼動モードが選択された判定対象期間においては、燃料電池1の起動及び停止を行って断続的に稼動させ、その稼動時に上述した電主運転制御を実行する。
予測エネルギ削減量P=燃料電池1を稼動しない場合のエネルギ消費量E1−燃料電池1を稼動した場合のエネルギ消費量E2
E1=予測電力負荷/商用電源7の発電効率+予測熱負荷/補助加熱手段Mの発熱効率
E2=燃料電池1を稼動したときの燃料消費量+不足電力負荷/商用電源7の発電効率+不足熱負荷/補助加熱手段Mの発熱効率
尚、この際に、予測電力負荷が燃料電池1の最小出力以下である場合には、電主出力(b)はその最小出力に設定されると共に、その差分が余剰電力量(i)として求められる。一方、予測電力負荷が燃料電池1の最大出力以上である場合には、電主出力(b)はその最大出力に設定されると共に、その差分が不足電力量(c)として求められる。
また、判定時点における貯湯熱量(k)即ち初期貯湯熱量を考慮するために、上記[数1]において、その初期貯量熱量を補助加熱手段Mの発生熱で補う場合のエネルギ消費量(初期貯湯熱量/補助加熱手段Mの発熱効率)を加算して予測エネルギ削減量を求めても構わない。また、この場合、上記のように求めたピーク利用熱量も、上記のような初期貯量熱量を補助加熱手段Mの発生熱で補う場合のエネルギ消費量が加算された値として求められる。
即ち、運転制御部5は、例えば、熱負荷を給湯熱負荷と端末熱負荷として、単位時間あたりの実電力負荷、実給湯熱負荷、及び、実端末熱負荷の夫々を、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測する。
そして、運転制御部5は、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測された値を記憶することにより、時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷を1時間毎に管理するように構成されている。
また、運転制御部5は、実際の使用状況に応じて時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷を更新する場合には、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測された値と、既に記憶されている値とを所定の割合で足し合わせ、その足し合わせた値を記憶するように構成されている。
詳しくは、この稼動モード選択処理においては、先ず、連続稼動モードによって燃料電池1を運転すると仮定したときの予測エネルギ削減量Pcと、断続稼動モードによって燃料電池1を運転すると仮定したときの予測エネルギ削減量Piとを演算し(ステップ#12)、夫々の予測エネルギ削減量Pc,Piのうちどちらの方が優れているか即ち大きいかを判定し(ステップ#13)、予測エネルギ削減量Pcの方が優れている場合には、連続稼動モードを選択し(ステップ#14)、予測エネルギ削減量Piの方が優れている場合には、断続稼動モードを選択する(ステップ#15)。
尚、夫々の予測エネルギ削減量Pc,Piが等しい場合には、起動や停止に伴うエネルギ損失やセルの劣化を抑制する目的で、連続稼動モードが選択される。
即ち、断続稼動モードの方が連続稼動モードよりも予測エネルギ削減量が大きい場合には、判定時点における稼動モード選択処理により断続稼動モードが選択され、それ以降の判定対象期間において燃料電池1が断続的に稼動されるので、熱余り状態が抑制され、省エネルギ性の向上が図られる。
一方、連続稼動モードの方が断続稼動モードよりも予測エネルギ削減量が大きい場合には、判定時点における稼動モード選択処理により連続稼動モードが選択され、それ以降の判定対象期間において燃料電池1が連続的に稼動されるので、熱不足状態が抑制されて高い省エネルギ性が確保されながら、起動や停止に伴うエネルギ損失やセルの劣化が適切に抑制される。
次に、連続稼動モードが選択された場合における運転制御部5による詳細な運転制御方法について、説明を加える。
運転制御部5は、連続稼動モードにおいて、電主運転制御を実行することにより、熱負荷に対して燃料電池1の発生熱が余る熱余り状態が予測される場合に、燃料電池1の出力を現電力負荷に追従した電主出力よりも小さい抑制出力に設定する抑制運転を実行可能に構成されている。
更に、運転制御部5は、連続稼動モードにおいて、電主運転制御を実行することにより、熱負荷に対して燃料電池1の発生熱が不足する熱不足状態が予測される場合に、燃料電池1の出力を現電力負荷に追従した電主出力よりも大きい強制出力に設定する強制運転を実行可能に構成されている。
また、熱不足状態とは、例えば、貯湯槽2内に湯水が貯湯されておらず、補助加熱手段Mを作動させる状態や、熱媒供給運転中に燃料電池1から出力される熱だけでは熱消費端末3で要求されている端末熱負荷を賄えない状態である。
前記運転制御部5は、判定対象期間における予測電力負荷及び予測熱負荷を求め、その予測電力負荷を補うように、連続的に電主運転制御を実行することを想定して、燃料電池1の発生熱が予測熱負荷に対して余る熱余り状態が発生するか否かを判断すると共に、その熱余り状態が発生する時間帯を熱余り時間帯として求め、逆に、燃料電池1の発生熱が予測熱負荷に対して不足する熱不足状態が発生するか否かを判断すると共に、その熱不足状態が発生する時間帯を熱不足時間帯として求める。
尚、熱不足状態や熱余り状態を予測する構成については、例えば、補助加熱手段Mを作動した状態での給湯量やラジエター19における放熱量を積算し、その積算値が設定値以上となることにより、熱不足状態や熱余り状態を予測するなど、適宜変更が可能である。
尚、上記発電メリットは、余剰電力の発生によるエネルギロスを差し引いた値とすることが望ましい。
尚、上記発熱メリットは、余剰熱の発生によるエネルギロスを差し引いた値とすることが望ましい。
次に、断続稼動モードが選択された場合における運転制御部5による詳細な運転制御方法について、説明を加える。
この断続稼動モードは、判定対象期間において上述した予測エネルギ削減量が最大となるように、燃料電池1の稼動時間帯を設定する稼動モードである。
そして、その断続稼動モードは、下記に示す第1断続稼動モードと第2断続稼動モードが含まれ、運転制御部5は、稼動モード選択処理により断続稼動モードが選択された場合には、例えば予測エネルギ削減量が優れている方の断続稼動モードで、燃料電池1を稼動させる。
第1断続稼動モードは、24時間等の判定対象期間において燃料電池1の稼動時間帯が異なる複数の仮運転パターンの夫々の予測エネルギ削減量を、判定対象期間における予測電力負荷と判定対象期間における予測熱負荷とに基づいて演算して、その予測エネルギ削減量が最大となるように、判定対象期間において燃料電池1の起動時間と停止時間を設定する断続稼動モードである。
第2断続稼動モードは、24時間等の判定対象期間において燃料電池1の稼動時間帯が異なる複数の仮運転パターンの夫々の予測エネルギ削減量を、判定対象期間における予測電力負荷と、判定対象期間よりも長い48時間又は72時間等の熱負荷判定対象期間における予測熱負荷とに基づいて演算して、予測エネルギ削減量が最大となるように、判定対象期間において燃料電池1の起動時間と停止時間を設定する断続稼動モードである。
また、上記第1断続稼動モードの予測エネルギ削減量の方が優れている場合において、その予測エネルギ削減量が負である場合には、燃料電池1を稼動させることによるエネルギの削減効果がないとして、何れの稼動モードも選択せずに、次の判定対象期間において燃料電池1を停止させても構わない。
2:貯湯槽
5:運転制御部(運転制御手段)
Claims (9)
- 熱と電力とを併せて発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置で発生された熱を回収して湯水として貯える貯湯槽と、前記熱電併給装置の運転を制御する運転制御手段とが設けられているコージェネレーションシステムであって、
前記運転制御手段が、判定時点において稼動モード選択処理を実行して連続稼動モードと断続稼動モードとから選択した一の稼動モードで前記熱電併給装置を稼動させるように構成され、
前記連続稼動モードが、前記判定時点からの判定対象期間において前記熱電併給装置を連続的に稼動させる稼動モードであり、
前記断続稼動モードが、前記判定対象期間において前記熱電併給装置を断続的に稼動させる稼動モードであり、
前記運転制御手段が、前記稼動モード選択処理において、前記連続稼動モードと前記断続稼動モードとの夫々によって前記熱電併給装置を運転すると仮定したときの予測電力負荷及び予測熱負荷についての、前記熱電併給装置を稼動しない場合のエネルギ消費量からのエネルギの削減量である予測エネルギ削減量を演算し、前記連続稼動モードと前記断続稼動モードとのうちの前記予測エネルギ削減量が優れた方の稼動モードを選択するコージェネレーションシステム。 - 前記断続稼動モードが、前記判定対象期間において前記予測エネルギ削減量が最大となるように、前記熱電併給装置の稼動時間帯を設定する稼動モードである請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記断続稼動モードが、前記判定対象期間において前記熱電併給装置の稼動時間帯が異なる複数の仮運転パターンの夫々の前記予測エネルギ削減量を、前記判定対象期間における予測電力負荷と前記判定対象期間における予測熱負荷とに基づいて演算して、前記予測エネルギ削減量が最大となるように、前記判定対象期間において前記熱電併給装置の起動時刻と停止時刻を設定する第1断続稼動モードを含む請求項2に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記断続稼動モードが、前記判定対象期間において前記熱電併給装置の稼動時間帯が異なる複数の仮運転パターンの夫々の前記予測エネルギ削減量を、前記判定対象期間における予測電力負荷と前記判定対象期間よりも長い熱負荷判定対象期間における予測熱負荷とに基づいて演算して、前記予測エネルギ削減量が最大となるように、前記判定対象期間において前記熱電併給装置の起動時刻と停止時刻を設定する第2断続稼動モードを含む請求項2又は3に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記熱電併給装置の稼動時に前記熱電併給装置の出力を現電力負荷に対して追従する電主出力に設定する電主運転制御を実行する請求項1〜4の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記連続稼動モードにおいて、熱余り状態が予測される場合に前記熱電併給装置の出力を前記電主出力よりも小さい抑制出力に設定する抑制運転を実行可能に構成され、
前記熱電供給装置の出力と商用電源からの受電電力にて現電力負荷を補うように構成されている請求項5に記載のコージェネレーションシステム。 - 前記抑制出力が、現電力負荷へ供給する電力の全てを前記商用電源からの受電電力で補うのではなく前記熱電併給装置の発電電力で補うことによるメリットを発電メリットとしたときに、前記熱電併給装置の出力を前記電主出力に設定したときの発電メリットよりも優れた発電メリットを発揮する最大出力に設定されている請求項6に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記連続稼動モードにおいて、熱不足状態が予測される場合に前記熱電併給装置の出力を前記電主出力よりも大きい強制出力に設定する強制運転を実行可能に構成されている請求項5〜7の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記強制出力が、熱負荷へ供給する熱を補助加熱手段の発生熱で補うのではなく前記熱電併給装置の発生熱で補うことによるメリットを発熱メリットとしたときに、前記熱電併給装置の出力を前記電主出力に設定したときの発熱メリットよりも優れた発熱メリットを発揮する最小出力に設定されている請求項8に記載のコージェネレーションシステム。
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