JP4330542B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
そして、このようなコージェネレーションシステムを各家庭等に設けることで、その家庭で消費される電力の少なくとも一部を熱電併給装置の発電電力で補うことができるので、商用電源からの受電電力を少なくすることができる上に、そのときの発生熱を湯水として利用することができるため、省エネルギ性及び経済性の点で有効である。
また、上記のように熱余り状態が予測される場合の熱電併給装置の出力を低下させる形態としては、熱電併給装置の出力を最小出力等の部分出力に設定する形態や、熱電併給装置の出力を電力負荷よりも所定の抑制幅分小さい抑制電主出力に設定する形態がある。
そして、この余剰電力は、電気ヒータにより貯湯槽に貯える熱に変換して有効利用することができる。
前記熱電併給装置の部分出力における運転効率が前記電主運転制御を実行した場合の運転効率よりも高い場合には、前記運転制御手段に、前記出力低下運転として、前記熱電併給装置の出力を部分出力に設定する部分出力運転を実行させ、前記熱電併給装置の部分出力における運転効率が前記電主運転制御を実行した場合の運転効率よりも低い又は同等(本願において同等とは、運転効率の差が5%程度以内である場合も含む。)である場合には、前記運転制御手段に、前記出力低下運転として、前記熱電併給装置の出力を前記電力負荷よりも所定の抑制幅分小さい抑制電主出力に設定する抑制電主出力運転を実行させる点にある。
一方、上記運転制御手段は、熱電併給装置の部分出力における運転効率が前記電主運転制御を実行した場合の運転効率よりも小さい場合には、熱電併給装置の出力を部分出力に設定することにより省エネルギ性が悪化すると判断して、上記出力低下運転として、上記部分出力運転ではなく、電力負荷よりも若干の抑制幅分小さい抑制電主出力に設定する形態で電力負荷に追従させる抑制電主出力運転を実行して、熱電併給装置の発生熱や電気ヒータにより熱に変換される余剰電力を抑制し、熱余り状態に伴う省エネルギ性の悪化を抑制しながら、予測とは異なって実際には比較的大きかった熱負荷に対する熱不足状態の発生を抑制して、このような熱不足状態に伴う省エネルギ性の悪化も抑制することができる。
尚、上記部分出力は、例えば、最小出力、又は、電力負荷よりも低い出力のなかで最も高い運転効率を発揮する出力として設定することができ、一方、上記抑制電主出力は、電力負荷に対して熱余り状態や余剰電力の発生を抑制しえる程度に設定された抑制幅分小さい出力として設定することができる。
前記余剰電力を演算又は計測する余剰電力導出手段とを備え、
前記運転制御手段が、前記熱電併給装置の出力を前記電力負荷よりも所定の抑制幅分小さい抑制電主出力に設定する抑制電主出力運転において、前記抑制幅を前記余剰電力導出手段で演算又は計測される余剰電力に基づいて調整する点にある。
このコージェネレーションシステムは、図1及び図2に示すように、電力と熱とを発生する熱電併給装置としての燃料電池1と、その燃料電池1が発生する熱を冷却水にて回収し、その冷却水を利用して、貯湯槽2への貯湯及び熱消費端末3への熱媒供給を行う貯湯ユニット4と、燃料電池1及び貯湯ユニット4の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部5などから構成されている。
前記商用電源7は、例えば、単相3線式100/200Vであり、受電電力供給ライン8を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷9に電気的に接続されている。
また、インバータ6は、発電電力供給ライン10を介して受電電力供給ライン8に電気的に接続され、燃料電池1からの発電電力がインバータ6及び発電電力供給ライン10を介して電力負荷9に供給するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ6により燃料電池1から受電電力供給ライン8に供給される電力が制御され、発電電力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ12に供給されるように構成されている。
また、作動スイッチ14は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ12の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ12の消費電力を調整するように構成されている。
尚、上記余剰電力は、インバータ6の出力として計測される燃料電池1の発電電力から、電力負荷計測手段11で計測される電力負荷を差し引いた電力値として演算可能であり、よって、上記電力負荷計測手段11及びインバータ6が、余剰電力を演算又は計測するための余剰電力導出手段Xとしても機能する。
ちなみに、上記のように余剰電力を演算して、電気ヒータ12の消費電力をその余剰電力以上となるように、作動スイッチ14によりON/OFFが切り換えられるので、電力負荷計測手段11で計測される電力負荷から、燃料電池1の発電電力を引き電気ヒータ12の消費電力を加えた分の電力が、商用電源7から受電する受電電力により賄われることになる。尚、この余剰電力は、例えば電気ヒータ12へ供給される電力を余剰電力として計測可能な余剰電力計測手段を設けるなどして、別の方法で演算又は計測しても構わない。
そして、三方弁18を切り換えることにより、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエター19を通過するように循環させる状態と、貯湯槽2の下部から取り出した湯水がラジエター19をバイパスするように循環させる状態とに切り換えるように構成されている。
前記熱源用熱交換器25においては、燃料電池1が発生する熱を回収した冷却水循環路13の冷却水を通流させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
そして、補助加熱手段Mが、ファン27、バーナ28、補助加熱用熱交換器29により構成されている。
また、熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁40が設けられている。
そして、分流弁30は、冷却水循環路13の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させたり、冷却水循環路13の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させることもできるように構成されている。
前記熱消費端末3は、床暖房装置や浴室暖房装置などの暖房端末にて構成されている。
したがって、貯湯槽2では、貯湯槽2の容量の範囲内で、燃料電池1の出力に応じて追加された湯水から、給湯用として取り出された湯水を差し引いた分の湯水が貯湯されていることになる。
前記運転制御部5は、燃料電池1の稼動時に燃料電池1の出力を、現在要求されている現電力負荷に対して追従する電主出力に設定する電主運転制御を実行する。
尚、上記最小出力は、許容範囲内で0W又はそれに近い極めて小さい出力に設定しても構わない。
即ち、図3(b)に示すように、燃料電池1の実際の発電電力は、現電力負荷の変化状態に対して若干遅れて変化するようになる。そして、燃料電池1の発電電力が現電力負荷の急激な減少に対して敏感に追従することができずに、燃料電池1の発電電力が現電力負荷を上回り、余剰電力が発生し、その余剰電力が上述した電気ヒータ12に供給される。
運転制御部5は、電主出力運転において、燃料電池1の出力を、現電力負荷よりも一定の量又は割合で示される一定幅分小さい電主出力に設定するように構成されている。
即ち、図4(a)に示すように、電主出力運転では、最小出力から最大出力の範囲内で、現電力負荷から一定幅分小さい電主出力を決定し、燃料電池1の出力をその決定した電主出力に設定する。
即ち、現電力負荷から一定分小さい出力が、最小出力から最大出力の範囲内である場合には、その出力が電主出力となり、現電力負荷から一定幅分小さい出力が、最大出力よりも大きい場合には、最大出力を電主出力として決定し、現電力負荷から一定幅分小さい出力が、最小出力よりも小さい場合には、最小出力を電主出力として決定する。
運転制御部5は、部分出力運転において、燃料電池1の出力を部分出力に設定するように構成されており。そして、この部分出力運転を実行することで、上述した余剰電力を大幅に抑制することができる。
尚、上記部分出力は、最小出力、又は、電力負荷よりも低い出力のなかで最も高い運転効率を発揮する出力等として設定することができる。
運転制御部5は、抑制電主出力運転において、燃料電池1の出力を、現電力負荷よりも所定の量又は割合で示される抑制幅分小さい抑制電主出力に設定するように構成されている。よって、燃料電池1の実際の発電電力が現電力負荷の変化状態に対して若干遅れて変化した場合でも、余剰電力を抑制することができる。
尚、この抑制電主出力運転における燃料電池1の出力の現電力負荷に対する抑制幅は、上述した電主出力運転における燃料電池1の出力の現電力負荷に対する低下幅(一定幅)よりも大きく設定される。
そして、上記余剰電力Eoの移動平均値Ave(Eo)が所定の上限値e1(例えば50W)以下である場合には、上記抑制幅Edを上記移動平均値Ave(Eo)に設定する。
このように、抑制電主出力運転において、抑制幅Edを、余剰電力導出手段Xで演算又は計測される余剰電力の移動平均値Ave(Eo)に設定することで、燃料電池1の発電電力を出来るだけ大きくしながら、電気ヒータ12により熱に変換される余剰電力を出来るだけ少なくすることができる。
尚、上記抑制幅Edは、上記移動平均値Ave(Eo)ではなく、例えば、瞬時値である余剰電力Eoに設定しても構わない。
尚、このステップ#3及びステップ#4を省略して、上記抑制幅Edを常に上記移動平均値Ave(Eo)に設定するように構成しても構わない。また、上記移動平均値の代わりに、1日毎等の所定の期間毎の余剰電力の平均値として計算される期別平均値に応じて抑制幅を調整しても構わない。また、上記移動平均値の変わりに、過去一定期間の余剰電力の移動積算値や1日毎等の所定の期間毎の余剰電力の積算値として計算される期別積算値に応じて抑制幅を調整しても構わない。
そして、抑制幅Edがその上限値e1以下になるように制限することで、抑制電主出力運転を実行することによる熱不足状態の発生を抑制することができ、結果、省エネルギ性の悪化を回避することができる。
前記運転制御部5は、例えば図5に示すように、1日等の判定対象期間における予測電力負荷と予測熱負荷を求め、その予測電力負荷に対して電主運転制御を実行したと仮定した場合に燃料電池1の発生熱が予測熱負荷に対して余る熱余り状態が発生するか否かを判断し、熱余り状態が発生する前の時間帯を、熱余り状態の発生が予測される時期として求める。
また、運転制御部5は、ラジエター19を作動させて放熱を開始する時間帯、又は、その放熱量を積算し、その積算値が設定値以上となった時間帯を、熱余り状態が発生している時期として求める。
そして、上記のような熱余り状態の発生が予測される時期又は熱余り状態が発生している時期が、上記熱余り対処時期として決定される。
そして、燃料電池1の部分出力における運転効率Aが電主運転制御を実行した場合の運転効率a1よりも高い場合には、燃料電池1の出力を部分出力に設定することにより省エネルギ性があまり悪化しないと判断して、運転制御部5に出力低下運転として部分出力運転を実行させる(ステップ#22)。
一方、燃料電池1の部分出力における運転効率Aが電主運転制御を実行した場合の運転効率a1よりも低い又は同等である場合には、熱電併給装置の出力を部分出力に設定することにより省エネルギ性が悪化すると判断して、運転制御部5に出力低下運転として抑制電主出力運転を実行させる(ステップ#23)。
運転効率(発電メリット)=燃料電池1の出力×(1/商用電源7の発電効率−1/燃料電池1の発電効率)
即ち、運転制御部5は、例えば、熱負荷を給湯熱負荷と端末熱負荷として、単位時間あたりの実電力負荷、実給湯熱負荷、及び、実端末熱負荷の夫々を、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測する。
そして、運転制御部5は、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測された値を記憶することにより、時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷を1時間等の単位時間毎に管理するように構成されている。
また、運転制御部5は、実際の使用状況に応じて時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷を更新する場合には、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測された値と、既に記憶されている値とを所定の割合で足し合わせ、その足し合わせた値を記憶するように構成されている。
第1実施例として、上述した数1に示す式により求めた発電メリットとして求めた燃料電池1の各出力における運転効率が、下記の表1に示すように、出力が大きい程高くなる場合を想定した実施例について説明する。尚、上記数1に示す式において、商用電源7の発電効率は0.366としている。
第2実施例として、上述した数1に示す式により求めた発電メリットとして求めた燃料電池1の各出力における運転効率が、下記の表2に示すように、出力が大きい程低くなる場合を想定した実施例について説明する。尚、上記数1に示す式において、商用電源7の発電効率は0.366としている。
第3実施例として、上述した数1に示す式により求めた発電メリットとして求めた燃料電池1の各出力における運転効率が、下記の表3に示すように、出力が750Wであるときを最高とし、500W,300W,1000Wの順に低くなる場合を想定した実施例について説明する。尚、上記数1に示す式において、商用電源7の発電効率は0.366としている。
現電力負荷に対して追従する電主出力が750W又は500Wである場合には、燃料電池1のその電主出力よりも小さい部分出力の運転効率が、その燃料電池1の電主出力における運転効率よりも低いことから、運転制御部5に出力低下運転として、燃料電池1の出力を部分出力に設定する部分出力運転ではなく、燃料電池1の出力をその電主出力よりも抑制幅分小さい抑制電主出力に設定する抑制電主出力運転が実行される。
2:貯湯槽
5:運転制御部(運転制御手段)
X:余剰電力導出手段
Claims (5)
- 熱と電力とを併せて発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置で発生された熱を回収して湯水として貯える貯湯槽と、前記熱電併給装置の稼動時に前記熱電併給装置の設定出力を電力負荷に追従させる電主運転制御を実行する運転制御手段とが設けられているコージェネレーションシステムの運転方法であって、
前記運転制御手段が、予測電力負荷に対して前記電主運転制御を実行したと仮定した場合に熱余り状態の発生が予測される時期又は熱余り状態が発生している時期である熱余り対処時期において、前記燃料電池の出力を低下させる出力低下運転を実行するように構成され、
前記熱電併給装置の部分出力における運転効率が前記電主運転制御を実行した場合の運転効率よりも高い場合には、前記運転制御手段に、前記出力低下運転として、前記熱電併給装置の出力を部分出力に設定する部分出力運転を実行させ、前記熱電併給装置の部分出力における運転効率が前記電主運転制御を実行した場合の運転効率よりも低い又は同等である場合には、前記運転制御手段に、前記出力低下運転として、前記熱電併給装置の出力を前記電力負荷よりも所定の抑制幅分小さい抑制電主出力に設定する抑制電主出力運転を実行させるコージェネレーションシステムの運転方法。 - 熱と電力とを併せて発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置で発生された熱を回収して湯水として貯える貯湯槽と、前記熱電併給装置の稼動時に前記熱電併給装置の設定出力を電力負荷に追従させる電主運転制御を実行する運転制御手段とが設けられているコージェネレーションシステムであって、
前記運転制御手段が、予測電力負荷に対して前記電主運転制御を実行したと仮定した場合に熱余り状態の発生が予測される時期又は熱余り状態が発生している時期である熱余り対処時期において、前記燃料電池の出力を低下させる出力低下運転を実行し、且つ、前記熱電併給装置の部分出力における運転効率が前記電主運転制御を実行した場合の運転効率よりも高い場合には、前記出力低下運転として、前記熱電併給装置の出力を部分出力に設定する部分出力運転を実行し、前記熱電併給装置の部分出力における運転効率が前記電主運転制御を実行した場合の運転効率よりも低い又は同等である場合には、前記出力低下運転として、前記熱電併給装置の出力を前記電力負荷よりも所定の抑制幅分小さい抑制電主出力に設定する抑制電主出力運転を実行するコージェネレーションシステム。 - 前記熱電併給装置の発電電力の電力負荷に対する余剰分である余剰電力を前記貯湯槽に貯える熱に変換する電気ヒータと、
前記余剰電力を演算又は計測する余剰電力導出手段とを備え、
前記運転制御手段が、前記抑制電主出力運転において、前記抑制幅を前記余剰電力導出手段で演算又は計測される余剰電力に基づいて調整する請求項2に記載のコージェネレーションシステム。 - 前記運転制御手段が、前記余剰電力導出手段で演算又は計測される余剰電力の平均値又は積算値を算出し、前記抑制幅を前記平均値又は積算値に応じて設定する請求項3に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記抑制電主出力運転を実行したと仮定した場合に熱不足状態が予測されない形態で前記抑制幅の上限値を設定する請求項3又は4の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
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