JP2017116192A - コージェネレーションシステム、制御装置、制御方法 - Google Patents

コージェネレーションシステム、制御装置、制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な冷却手段を用いて発電を好適に継続することを可能とする、コージェネレーションシステム等を提供する。
【解決手段】本発明に係るコージェネレーションシステム1は、電気と熱を発生する発電装置100と、湯水を貯える貯湯槽20と、貯湯槽20と発電装置100との間で熱交換器6を介して湯水を循環させる熱回収循環回路7と、熱回収循環回路7中の貯湯槽20から発電装置100へ湯水を通流する熱回収戻り管路7bと接触して設けられるペルチェ素子200と、ペルチェ素子200の温度特性を制御する制御装置10と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電装置を用いて発電を行い、その際に発生する熱を冷暖房、給湯等に利用するコージェネレーションシステムに関し、特に、停電が発生した場合に自立運転によって発電を継続する技術に関する。
発電を継続するためには、一般的に発電装置に戻る湯水が一定の温度以下でなければならない。このため、例えば、貯湯槽から発電装置へ戻る配管にラジエータを設けて湯水の温度上昇を防ぐ方法がとられる。また、特許文献1では、停電時には、貯湯槽に貯まった湯を排水して新たな水を給水することで、貯湯槽の湯の温度を下げ、発電装置へ低い温度の湯水を供給する方法が開示されている。
特開2009−103418号公報
しかしながら、ラジエータは大掛かりな冷却装置であるため(例えば、ラジエータは重量がある為、マンションのベランダにコージェネレーションシステムを設置するためには、その重量分、事前にベランダの補強が必要であるため)、機器レイアウトの自由度が制限されるとともに、設備導入コストの負担も大きい。また、冬季にはラジエータ自体が凍結する虞があり、この凍結を防ぐためのヒータを別途設けなければならない場合もある。また、特許文献1に例示されたような給水による冷却は、停電時において給水が止まった場合には対応できない。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、簡易な冷却手段を用いて、停電時の、特に給水停止時における発電を好適に継続することを可能とする、コージェネレーションシステム等を提供することである。
前述した目的を達成するための第1の発明は、電気と熱を発生する発電装置と、湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、前記熱回収循環回路中の前記貯湯槽から前記発電装置へ湯水を通流する熱回収戻り管路と接触するペルチェ素子と、前記ペルチェ素子の温度特性を制御する制御装置と、を備えることを特徴とするコージェネレーションシステムである。
第1の発明に係るコージェネレーションシステムによれば、貯湯槽から発電装置へ湯水を通流する熱回収戻り管路にペルチェ素子が設けられ、このペルチェ素子を用いて熱回収戻り管路を流れる湯水の温度が制御される。ペルチェ素子は小規模なデバイスであるため、ラジエータのように大きな設置スペースを必要とせず、またコスト負担も小さい。これにより、簡易な冷却手段を用いて停電時における発電を好適に継続することが可能となる。
また第1の発明において、前記制御装置は、前記熱回収戻り管路を冷却するように前記ペルチェ素子を制御することが望ましい。これにより、貯湯槽から発電装置へ供給される湯水の温度を適切に下げることができ、発電を長時間に亘り継続することが可能となる。
また第1の発明において、前記発電装置の発電により余った余剰電力を熱に変換して消費する余剰電力消費ヒータ、を更に備え、通常時には、余剰電力を前記余剰電力消費ヒータへ優先的に供給し、非常時には、余剰電力を前記余剰電力消費ヒータに換えて前記ペルチェ素子へ優先的に供給することが望ましい。
これによって、通常時には、余剰電力を余剰電力消費ヒータによって貯湯槽へ通流する湯水を加熱するために利用し、非常時には、発電余剰電力をペルチェ素子によって湯水を冷却するために優先的に利用する。
また第1の発明において、前記熱回収戻り管路を通流する湯水が凍結するおそれのある場合、前記制御装置は、前記熱回収戻り管路を加熱するように前記ペルチェ素子を制御してもよい。これにより、熱回収戻り管路を流れる湯水の温度を適切に上げることができるので、ペルチェ素子を凍結防止手段として利用することができる。
また第1の発明において、前記熱回収戻り管路と接触するペルチェ素子面の反対面が、コージェネレーションシステムの機器筐体と接触していてもよい。これにより、ペルチェ素子により発生した熱をコージェネレーションシステムの機器筐体を介して逃がすことができる。
また第1の発明において、暖房端末を介して熱媒体を循環させる暖房回路、を備え、前記熱回収戻り管路と接触するペルチェ素子面の反対面が、前記暖房回路と接触していてもよい。これにより、熱回収戻り管路から吸熱した熱を暖房回路に放熱させることができる。またこのとき、前記ペルチェ素子により伝熱された前記暖房回路を通流する熱媒体を、前記暖房回路を加熱する際の給排気に用いるファンにより冷却するようにしてもよい。これにより、暖房回路に放熱された熱を、常設されたファンで冷却することができる。
前述した目的を達成するための第2の発明は、電気と熱を発生する発電装置と、湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、前記熱回収循環回路中の前記貯湯槽から前記発電装置へ湯水を通流する熱回収戻り管路と接触して設けられるペルチェ素子と、を備えるコージェネレーションシステムの制御装置であって、前記熱回収戻り管路を冷却するように前記ペルチェ素子を制御することを特徴とする制御装置である。
前述した目的を達成するための第3の発明は、電気と熱を発生する発電装置と、湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、前記熱回収循環回路中の前記貯湯槽から前記発電装置へ湯水を通流する熱回収戻り管路と接触して設けられるペルチェ素子と、ペルチェ素子の温度特性を制御する制御装置と、を備えるコージェネレーションシステムの制御方法であって、前記制御装置が、前記熱回収戻り管路を冷却するように前記ペルチェ素子を制御することを特徴とする制御方法である。
本発明によれば、簡易な冷却手段を用いて停電時における発電を好適に継続することを可能とする、コージェネレーションシステム等が提供される。
第1実施形態に係るコージェネレーションシステム1の全体構成を示す図 コージェネレーションシステム1の基本制御動作を示すフローチャート ペルチェ素子120を用いた冷却制御の動作の流れを示すフローチャート ペルチェ素子120を用いた凍結防止制御(加熱制御)の動作の流れを示すフローチャート 第2実施形態に係るコージェネレーションシステム1Aの全体構成を示す図 ペルチェ素子120Aを用いた冷却制御の動作の流れを示すフローチャート
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略することにする。
[第1実施形態]
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
<コージェネレーションシステム1の構成>
図1は、第1実施形態に係るコージェネレーションシステム1の全体構成を示す図である。図に示すように、コージェネレーションシステム1は、電気と熱を発生する発電装置100と、湯水を貯える貯湯装置200(貯湯槽20)と、貯湯装置200(貯湯槽20)と発電装置100との間で熱交換器6を介して湯水を循環させて発電装置100の排熱を回収する熱回収循環回路7等を備える。また、本発明では、熱回収循環回路7中の熱回収戻り管路7bと接触するようにペルチェ素子120が設けられている。ペルチェ素子120の温度特性は制御装置10によって制御される。なお、図1に示すように、発電装置100と貯湯装置200とは別体に構成してもよいし、図の例に依らず、両装置を一つの筐体内に構成してもよい。
(1.発電装置)
発電装置100は、主に、燃料電池11、水素生成装置2、空気供給装置3、冷却水循環回路4、冷却水ポンプ5、熱交換器6、熱回収循環回路7、熱回収循環ポンプ8、電力変換装置9、制御装置10、冷却温度センサ13、及び余剰電力消費ヒータ14等を備えている。なお、発電装置100の構成は、特開2015−18729号公報に開示されている構成と略同様である。
燃料電池11は、水素を含有する還元剤ガスと、空気などの酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させる。燃料電池11は、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜、および高分子電解質膜の両面に形成された一対の電極、すなわち燃料極(アノード)と空気極(カソード)を複数積層し構成される。アノード及びカソードは、例えば、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とし、高分子電解質膜の両面に形成される触媒層、および前記触媒層の外面に形成される、通気性と電子導電性とを併せ持つガス拡散層から構成される。燃料電池11としては、例えば、固体高分子形やリン酸形、固体酸化物形などが用いられる。
燃料電池11のアノードには、還元剤ガス供給経路15の下流端が接続されている。還元剤ガス供給経路15の上流端は、水素生成装置2に接続されている。これにより、水素生成装置2で生成された水素を多く含む還元剤ガスがアノードに供給される。
燃料電池11のカソードには、酸化剤ガス供給経路16の下流端が接続されている。酸化剤ガス供給経路16の上流端は、空気供給装置3に接続されている。これにより、空気供給装置3からカソードに酸化剤ガスが供給される。酸化剤ガスとしては、主に空気が用いられる。空気供給装置3としては、例えば、遠心ポンプや往復ポンプ、スクロールポンプなどが用いられる。
水素生成装置2は、燃料電池11の発電に必要な水素を多く含む還元剤ガスを、都市ガスなどの炭化水素系原料に水蒸気を添加し、改質反応させて生成する。水素生成装置2は、メタンを主成分とする天然ガスや都市ガス、ブタン、プロパンなどを主成分とするLPG、灯油、アルコール(メタノール)、ジメチルエーテルといった原料を改質することにより水素を生成してもよい。
冷却水循環回路4には、冷却水ポンプ5、冷却温度センサ13、燃料電池11、余剰電力消費ヒータ14、および熱交換器6が接続されている。燃料電池11には、冷却水ポンプ5を駆動させることで、冷却水循環回路4を通じて冷却水を供給する。これにより、燃料電池11の発電により発生する熱が除去される。冷却水は、燃料電池11で加熱されたあと、熱交換器6により湯水に熱を伝達して冷却され、再び燃料電池11へと供給される。冷却水ポンプ5には、主に遠心ポンプや斜流ポンプ、往復ポンプなどが用いられ、熱交換器6には、主にプレート式熱交換器や二重管式熱交換器、フィンチューブ式熱交換器などが用いられる。余剰電力消費ヒータ14は、発電により余った電力を熱にして消費するものであり、配管内に挿入され直接的に冷却媒体を加熱してもよく、配管外に設置され間接的に冷却媒体を加熱してもよい。さらに、冷却水循環回路4に設置されてもよく、熱回収循環回路7に設置されてもよい。
熱回収循環回路7は、貯湯槽20の下部から貯湯槽20の上部へと接続されている。また熱回収循環回路7の途中には、熱回収循環ポンプ8、および熱交換器6が接続されている。具体的には、熱回収循環回路7は、熱交換器6から貯湯槽20までの熱回収往き管路7aと貯湯槽20から熱交換器6までの熱回収戻り管路7bとで形成される。熱回収戻り管路7bにより、貯湯槽20の下部の低温の湯水が熱交換器6に供給され、燃料電池11が発生した熱により加熱され、熱回収往き管路7aを通じて貯湯槽20の上部に回収される。熱回収循環回路7を循環する湯水の循環量は、制御装置10が熱回収循環ポンプ8を制御することによって調整される。熱回収循環ポンプ8には、主に遠心ポンプや斜流ポンプ、往復ポンプなどが用いられる。熱回収循環ポンプ8は、図1の例に限らず、貯湯装置200側に設置されてもよい。
電力変換装置9は、燃料電池11で発電された直流電力を交流電力に変換して電力負荷に供給する。電力変換装置9の一方側は、直流電力経路17を介して、燃料電池11と接続されている。また、電力変換装置9の他方側は、交流電力経路18を介して、家庭の電化製品などの電力負荷(不図示)、商用電源(不図示)に接続されている。また交流電力経路18には、自動電源切替器(不図示)が接続されている。この自動電源切替器は、停電が発生すると、電力の供給先を商用電源から停電時専用の停電時専用コンセント(不図示)に自動で切り替える。
(2.貯湯装置)
貯湯装置200は、貯湯槽20を備えており、この貯湯槽20は、熱交換後の湯水を貯える。すなわち、貯湯槽20内の湯水は、貯湯槽20の下部から熱回収戻り管路7bへ流出して、熱交換器6によって加熱され、さらに熱回収往き管路7aを流れて貯湯槽20の上部から貯湯槽20へ回収され貯えられる。貯湯槽20内の湯水は、最初、温度が低い状態から、貯湯槽20の上部に熱交換器6により加熱された高温の温水が逐次戻されることから、冷水層の上部に高温層が積層した状態(「温度成層」)となる。したがって、貯湯槽20の内部下方には相対的に低温の湯水が貯えられ、貯湯槽20の内部上方には相対的に高温の湯水が貯えられる状態となる。また貯湯槽20は、貯められた湯水の放熱を防ぐため、通常、断熱材で覆われている。
熱回収循環回路7(熱回収往き管路7a)に設けられている熱回収温度センサ19aによって、発電装置100で排熱を回収して貯湯槽20へ貯えられる湯水の温度が検出される。また、熱回収循環回路7(熱回収戻り管路7b)に設けられている熱回収温度センサ19bによって、貯湯槽20から流出して発電装置100に供給される湯水の温度が検出される。熱回収温度センサ19a、19bの検出データは、制御装置10に伝達され、記憶部に記憶される。
貯湯装置200は、蓄熱された貯湯槽20内の湯水を給湯、風呂に利用する。また図示しない貯湯槽20内の湯水を水−水熱交換器を通して熱を取り出し、暖房等に利用する。貯湯装置200は、給湯機能と風呂の追い焚き機能と暖房機能とを備えており、暖房端末50(50a〜50c)と浴槽27とを熱的に接続して形成されている。暖房端末50(50a〜50c)に液体(例えば温水)を循環させる暖房回路21は、貯湯装置200の筐体内に設けられた管路89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99と、貯湯装置200の外部に設けられた管路40,41,44,45,59とを有している。
管路40は管路97に接続され、管路41,44は液体合流手段35と管路59と介して管路95に接続され、管路45は液体分岐手段37を介して管路90に接続されている。管路40,41には、暖房端末50aの内部通路51が接続され、管路44,45には、暖房端末50b,50cの内部通路52がそれぞれ接続されている。暖房端末50b,50cは例えば温水マット等の低温暖房端末である。暖房端末50aは予め定められる高温暖房設定温度(例えば80℃)の液体が供給される浴室暖房機等の高温暖房端末である。暖房端末50aには熱動弁53が設けられている。なお、液体分岐手段37と液体合流手段35には、必要に応じ、同図に示している以外の暖房端末を接続することができる。
暖房回路21には、この暖房回路21に液体を循環させる暖房循環ポンプ26と、この暖房循環ポンプ26の駆動により循環する液体を加熱する暖房用熱交換器28(暖房潜熱熱交換器28a,暖房顕熱熱交換器28b)が設けられている。暖房潜熱熱交換器28aの液体導入側には管路95が、液体導出側には管路94がそれぞれ接続されており、暖房顕熱熱交換器28bの液体導入側には管路91が、液体導出側には管路92がそれぞれ接続されている。管路92には、暖房高温温度センサ33が設けられており、暖房顕熱熱交換器28bから出る液体の温度を検出する。
また、管路91は、暖房循環ポンプ26の吐出側に、管路90と共に接続されており、管路91には、暖房顕熱熱交換器28bに導入される液体の温度を検出する暖房低温温度センサ36が設けられている。また、暖房循環ポンプ26の吸入口側には管路93が接続されており、管路93と管路94との間にはシスターン装置60が介設されている。シスターン装置60のタンク容量は、例えば約1〜1.8リットルである。シスターン装置60の上部には、補給水電磁弁61が設けられ、この補給水電磁弁61には、給水通路101aから分岐された補給水通路57が接続されている。補給水電磁弁61が開弁状態に切替わると、補給水通路57を介してシスターン装置60に補給水が供給される。
暖房用熱交換器28(暖房潜熱熱交換器28a,暖房顕熱熱交換器28b)は、それぞれ、燃焼室24内に設けられており、燃焼室24には、暖房用熱交換器28と共に、暖房用熱交換器28を加熱するバーナ46と、このバーナ46の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン48とが設けられている。また、燃焼室24と連通して燃焼室25が設けられ、燃焼室25内には、バーナ47と、このバーナ47により加熱される給湯用熱交換器29(29a,29b)とが設けられている。
バーナ46,47には、それぞれのバーナ46,47に燃料を供給するガス管31,32が接続されている。これらのガス管31,32は、ガス管30から分岐形成されており、ガス管30には、ガス開閉弁80が介設されている。また、ガス管31には、ガス比例弁86とガス開閉弁81,82,83,84,85がそれぞれ介設されている。これらの弁80〜86はいずれも電磁弁により形成されており、ガス開閉弁80〜85は、対応するバーナ46,47への燃料供給・停止を制御し、ガス比例弁86は、バーナ46,47への供給燃料量を弁開度でもって制御する。なお、バーナ46,47の燃焼制御は、制御装置10によって、適宜の制御方法により制御される。
給水系通路101は、上水源から低温の上水を貯湯槽20に供給するものであり、給水通路101a、給水通路101bを有する。給水通路101aは上水源と接続され、給水通路101bは給水通路101aから分岐して貯湯槽20の下部と接続されている。給水通路101aには、流量センサ102、給水温度センサ103、減圧弁104、混合弁105が設けられ、給水通路101bには、逆止弁107が設けられている。
給湯系通路201は、貯湯槽20に貯えられた湯水を給湯栓等の給湯先に供給するものであり、高温の湯水が流れる給湯通路201aと、低温の上水と高温の湯水が混合した混合湯水が流れる給湯通路201bと、給湯栓等の給湯先に接続されている給湯通路201cと、からなる。給湯通路201aには、給湯温度センサ202、混合弁203が設けられている。この混合弁203と、低温の上水が流れる給水通路101aに設けられた混合弁105と、により低温の上水と高温の湯水の混合量が調整され、混合湯水として給湯通路201bを流れ、給湯用熱交換器29aに導入される。給湯通路201bには、給湯通路201bを流れる湯水の流れを検出する流量センサ73と、湯水の温度を検出する混合湯水温度センサ74が設けられている。また、給湯用熱交換器29bの出口側には給湯通路201cが設けられており、湯水が給湯通路201cを流れて給湯栓等の給湯先に導かれる。給湯通路201cは、分岐通路70と湯水経路切替弁58を介して給湯通路201bと接続されている。また給湯通路201cには、分岐通路70の分岐部よりも下流側に出湯温度センサ113が設けられ、給湯用熱交換器29側に缶体温度センサ114が設けられている。
浴槽27には、風呂往き管63aと風呂戻り管63bを有する追い焚き循環回路63が接続されており、この追い焚き循環回路63は、熱交換手段(液―液熱交換器)としての風呂熱交換器67を介して、暖房回路21と熱的に接続されている。なお、暖房回路21の風呂熱交換器67を形成する管路89には、風呂熱交換器67の入口に追い焚き流量制御弁38が設けられている。追い焚き循環回路63には、浴槽湯水を循環させる風呂循環ポンプ68が設けられ、風呂熱交換器67は、この風呂循環ポンプ68を駆動することによって追い焚き循環回路63を循環する浴槽湯水を加熱する熱交換器と成る。
また、追い焚き循環回路63には、風呂往き管63aへ流れる湯水の温度を検出する風呂往き温度センサ64aと、風呂戻り管63bから流れてくる湯水の温度を検出する風呂戻り温度センサ64bと、浴槽湯水の水位を検出する水位センサ65と、追い焚き循環回路63の水流を検知する風呂水流スイッチ66とが介設されている。風呂循環ポンプ68の吸入口側に、風呂戻り管63bの一端側が接続され、風呂戻り管63bの他端側が循環金具56を介して浴槽27に連通接続されている。風呂循環ポンプ68の吐出口側には、風呂往き管63aの一端側が接続され、風呂往き管63aの他端側は循環金具56を介して浴槽27に連通接続されている。
また給湯通路201cには、分岐通路70の形成部および出湯温度センサ113の配設部よりも下流側に、管路54を介して出湯水ユニット55が接続されている。出湯水ユニット55には出湯通路23の一端側が接続され、出湯通路23の他端側は、風呂循環ポンプ68に接続されている。出湯水ユニット55には、湯張り電磁弁42、逆止弁43a,43b、湯張り水量センサ49が設けられている。なお、給湯用熱交換器29から給湯通路201cと管路54、出湯水ユニット55、出湯通路23、風呂循環ポンプ68、風呂熱交換器67、風呂往き管63aを順に通って浴槽27に至るまでの通路によって、湯張りや注水を行うための湯張り注水通路が構成される。
暖房端末50の暖房運転を行うときには、バーナ46によって暖房用熱交換器28を加熱し、暖房循環ポンプ26を駆動させる。これにより、暖房回路21の液体が図1の矢印A〜Gに示すように循環する。つまり、管路95から暖房潜熱熱交換器28aに導入されて暖房潜熱熱交換器28aで加熱された液体は、シスターン装置60を通り、管路93を通って暖房循環ポンプ26に導入される。
そして、液体分岐手段37の熱動弁39が開いている状態においては、液体は暖房循環ポンプ26の吐出側から管路90側と管路91側とにそれぞれ流れ、管路90側に流れた液体は、管路90,45を順に通って暖房端末50b,50cに導入される。また、暖房循環ポンプ26の吐出側から管路91側に導入された液体は、管路91を通って暖房顕熱熱交換器28bに導入され、暖房顕熱熱交換器28bよりさらに加熱されて高温(例えば80℃程度)とされた後、管路92に導入される。
この管路92を通った液体は、暖房端末50aの熱動弁53が開いている状態においては、管路97側と管路89側とにそれぞれ流れ、管路89側(風呂熱交換器67側)に流れた液体は、管路96を通り、管路95に戻る。また、管路97側に流れた液体は、管路40を通って暖房端末50aに導入される。そして、各暖房端末50a〜50cに導入された液体は、対応する管路41,44と液体合流手段35を通り、管路95に戻る(以降、管路95を「暖房戻り管路」と呼ぶ場合がある)。なお、熱動弁53,39が閉じている場合には、その熱動弁53,39に接続されている暖房端末50側への液体の流れ(管路90,45を通しての暖房端末50b,50cへの流れや管路97,40を通しての暖房端末50aへの流れ)は停止される。
また、例えばリモコン装置(不図示)からの浴槽湯水の追い焚き指令を受けると、風呂循環ポンプ68を駆動させる。これにより、暖房回路21内の液体が風呂熱交換器67を介して循環するとともに、追い焚き循環回路63内の浴槽湯水が図1の矢印Hに示すように循環する。この浴槽湯水と暖房回路21を通る液体とを風呂熱交換器67を介して熱交換することにより浴槽27内の湯水の追い焚き動作が行われる。この追い焚き動作中には、暖房高温温度センサ33の温度が設定温度(例えば80℃)となるようにバーナ46の燃焼を行いながら、図示しない風呂温度センサの検出温度が風呂設定温度となるまで、暖房回路21内の液体と追い焚き循環回路63内の浴槽湯水とをそれぞれ循環させる。なお、風呂温度センサの検出温度が風呂設定温度となったら、バーナ46の燃焼を停止し、暖房循環ポンプ26と風呂循環ポンプ68は、予め定められたポストポンプ時間経過後に停止する。
さらに、浴槽27への湯張り(自動湯張り動作)を行うときには、バーナ47の燃焼によって給湯用熱交換器29を通る水を加熱し、湯張り注水通路を通して湯を浴槽27に注ぐ。そして、この自動湯張り後、例えば4時間といった保温動作時間中には、風呂温度センサの検出温度を監視し、この検出温度が予め設定される風呂設定温度より予め定められている許容範囲を超えて低下したときには、前記の追い焚き動作を例えば3分間行い、風呂温度センサの検出温度が風呂設定温度となるようにする保温モードの機能の動作が行われる。
(3.ペルチェ素子)
ペルチェ素子120は、2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するペルチェ効果を利用した板状の半導体素子である。直流電流を流すと、一方の面が吸熱し、反対面は放熱する。電流の極性を逆転させると、この関係が逆転し、一方の面が放熱し、反対面は吸熱する。ペルチェ素子は、小型であるため、大きな設置スペースを必要としない点で有利である。
本発明において、ペルチェ素子120の一方の面(面部121)は、熱回収循環回路7中の熱回収戻り管路7bと接触するように設けられている。このようにペルチェ素子120を設けることで、熱回収戻り管路7bを冷却(または加熱)することができる。
またペルチェ素子120の反対面(面部122)は、コージェネレーションシステム1の機器筐体と接触するように設けられる。例えば、貯湯装置200の機器筐体内部の側面、底面、上面のいずれかに接触するように設けられる。一般的にペルチェ素子は発熱量が大きいため、発生した熱を冷やすために大きなヒートシンクを設けたり、ラジエータ等のファンを設けたりする必要がある。本実施形態では、ペルチェ素子120の面部122をコージェネレーションシステム1の機器筐体と接触するように設けて、ペルチェ素子120から発生する熱を、機器筐体へ放熱し逃がすようにする。このため、ヒートシンクやラジエータ等の別途の冷却手段を設ける必要がない。
ペルチェ素子120の温度特性は、制御装置10によって制御される。制御装置10によって、ペルチェ素子120の極性が切替えられ、また、ペルチェ素子120表面の温度を検出する温度センサや熱回収温度センサ19bで検出される冷却水の温度を適切に管理しながら、ペルチェ素子120の冷却温度(または加熱温度)を所望の温度に制御する。
ペルチェ素子120の素子サイズは、実施の態様に合わせたものを適宜採用する。また、冷却効果(または加熱効果)を高めるために、複数段に重ねたペルチェ素子120を熱回収戻り管路7bに設けるようにしてもよい。
(4.制御装置)
制御装置10は、上述したコージェネレーションシステム1を構成する各機器を制御する。制御装置10は、マイクロプロセッサ、CPU等に例示される制御部、各制御動作を実行するためのプログラムや制御パラメータを格納した、メモリ等から構成される記憶部、タイマ等を備えている。そして、制御装置10は、制御部が、記憶部に格納された所定の制御プログラムを読み出し、これを実行することにより、コージェネレーションシステム1の各種動作を制御する。
なお、制御装置10は、単独の制御装置で構成されてもよいし、複数の制御装置が協働してコージェネレーションシステム1の制御を実行するように構成されてもよい。また、制御装置10は、MPU、PLC(programmable logic controller)、論理回路等によって構成されてもよい。また制御装置10は、図1の例に限らず、貯湯装置200に設置されてもよい。また制御装置10は、発電装置100と貯湯装置200に分散して配置され、協働してコージェネレーションシステム1の各機器を制御するように構成してもよい。
<コージェネレーションシステム1の制御動作>
次にコージェネレーションシステム1の制御動作について説明する。本発明では、通常時においては常法に従い一般的な制御方法によってコージェネレーションシステム1の運転が制御される。通常時とは、コージェネレーションシステム1を設置した家庭等への電力供給が平常に行われており(送電状態)、かつ、水道局等からの送水が平常に行われている(通水状態)場合をいう。一方、非常時においては、非常時に特化した制御方法によってコージェネレーションシステム1の運転が制御される。非常時とは、コージェネレーションシステム1を設置した家庭等への電力供給が何らかの原因(災害や計画停電等)により停止しており(停電状態)、かつ、停電によって水の供給がされない(断水状態)場合をいう。この点について詳述すると、水道局には停電に備えて自家発電装置があり、停電しても水道局からマンション貯水槽までは送水される。しかし、マンションに自家発電装置を設置していない場合が多く、停電すれば、機械式駐車場から自家用車を取り出すこともできず、エレベーターも止まり、冷蔵庫内の食品が腐り始め、マンション貯水槽から各戸に送るポンプも動かない。
図2は、コージェネレーションシステム1の基本制御動作を示すフローチャートである。コージェネレーションシステム1は、通常時においては、一般的な制御方法によって運転が制御(通常時制御)される(ステップS1)。例えば、制御装置10は、電力負荷計測器(不図示)で計測された電力負荷需要量が、コージェネレーションシステム1の定格出力以上の場合には、コージェネレーションシステム1を定格出力以上で発電運転し、定格出力分(例えば700W)を電力負荷に電力を供給するとともに、電力負荷需要量の残りの不足分は、商用電源により賄う。定格出力以上で発電運転し、供給する定格出力分を差し引いた電力は、コージェネレーションシステム1内の、例えば、空気供給装置3、冷却水ポンプ5、熱回収循環ポンプ8、電力変換装置9、制御装置10等、の発電運転に必要な各機器の駆動電力として割与えるとともに、余剰電力消費ヒータ14に供給され、電力を熱に変換し、例えば熱回収循環回路7(熱回収往き管路7a)を通流する湯水に伝熱することで貯湯槽20へ通流する湯水を加熱する。一方、電力負荷需要量がコージェネレーションシステム1の定格出力未満の場合には、コージェネレーションシステム1を電力負荷需要量相当で発電運転し、電力負荷へ電力を供給する。さらに、電力負荷需要量がコージェネレーションシステム1の最低発電量未満の場合には、コージェネレーションシステム1を最低発電量で発電運転し、電力負荷へ電力を供給するとともに、余剰電力消費ヒータ14により残りの電力(余剰電力)を熱に変換し、熱回収循環回路7(熱回収往き管路7a)を通流する湯水に伝熱する。
また、制御装置10は、熱回収循環回路7内の湯水が、回収可能な一定の温度以上(例えば60℃以上)となるように、熱回収循環ポンプ8の循環流量を制御する。例えば、熱回収温度センサ19aで検出される温度が目標温度より低下すると、熱回収循環ポンプ8の流量を減少させ、熱回収温度センサ19aで検出される温度が高温を維持するように制御する。また、循環量だけでは一定の温度以上に制御できない場合には、熱回収循環回路7の回路を切り替えて貯湯槽20へ経由せずに発電装置100に戻すように制御する。
ここで、通常、発電装置100がオーバーヒートせずに発電を継続するためには、発電装置100へ戻る湯水の温度が一定の温度以下でなければならない。このため、熱回収温度センサ19bで検出される温度が所定以上に上昇すると、発電装置100の運転を停止する。通常は、お湯を使用すると、貯湯槽20の上部に蓄えられた湯が出て行き、それに見合った新たな水が貯湯槽20の下部に送り込まれる(貯湯槽20の下部に送り込まれる水で貯湯槽20の上部に蓄えられた湯が押し出される)ので、適宜湯を使用すると貯湯槽20の下部には常時水で満たされ、発電装置100へ戻る湯水の温度は一定の温度以下に維持される。発電装置100の発電継続(給湯使用により、貯湯槽20の下部に送り込まれた水を発電装置100の冷却水として使用)と給湯(発電装置100の発電によって出た排熱によって水を湯にしたものの)使用とが好循環し、オーバーヒートせずに発電を継続することができる。
一方、コージェネレーションシステム1は、災害や計画停電等により停電状態(非常時)になると(ステップS2;Yes)、自立運転モードとなり、商用電力系統を切り離し、発電の継続に必要な各種機器に必要な電力を供給しつつ、停電時専用コンセントに電力を供給し(例えば500W)、非常時に特化した制御方法によって運転が制御(非常時制御)される(ステップS3)。
このとき、電力負荷需要量が、コージェネレーションシステム1の非常時定格出力未満(例えば500W未満)の場合であっても、コージェネレーションシステム1は非常時定格出力以上(例えば500W以上)での発電運転を継続し、電力負荷需要量がコージェネレーションシステム1の最低発電量未満の場合であっても、コージェネレーションシステム1は非常時定格出力以上(例えば500W以上)での発電運転を継続して、電力負荷へ電力を供給する。
非常時定格出力以上(例えば500W以上)で発電運転し、供給する定格出力分を差し引いた電力は、余剰電力となる。また、停電時専用コンセントに供給を行ったが家庭内において電力が使用されない場合にも余剰電力が発生する。例えば、停電時専用コンセントに供給する定格出力を500Wとした場合、この停電時専用コンセントに例えば冷蔵庫を接続すると、1.コンプレッサー起動(起動時480W)、2.定格運転(380W)、3.庫内一定温度到達でコンプレッサー停止(30W)のように負荷が変動し、これに伴って、1.余剰電力20W、2.余剰電力120W、3.余剰電力470Wが発生する。
上記した余剰電力の一部は、発電装置100内の、例えば、空気供給装置3、冷却水ポンプ5、熱回収循環ポンプ8、電力変換装置9、制御装置10等、の駆動電力として割与えられる。
ここで、非常時においては、前述したように停電によって水の供給がされない(断水状態)。通常時のような湯の使用が止まることで、貯湯槽20の下部に送り込まれる新たな水の供給がないままに発電装置100の発電を継続するため、貯湯槽20の上部に送り込まれた高温の湯水が貯湯槽20の下部にまで至ってしまう。このため、発電装置100へ通流する湯水も高温となり、発電装置100がオーバーヒートを起こす可能性がある。
本発明では、上記した余剰電力の一部を更にペルチェ素子120の駆動するために割与え、ペルチェ素子120を用いて貯湯槽20から発電装置100へ通流する湯水を冷却する。これにより、停電時における発電を好適に継続させることが可能となる。この際、余剰電力消費ヒータ14への電力供給を停止する。貯湯槽20へ通流する湯水が余剰電力消費ヒータ14により加熱され、発電装置100を冷却するための冷却水として好適に使用できなくなることを防ぐためである。
図3は、ペルチェ素子120を用いた冷却制御の動作の流れを示すフローチャートである。まず、制御装置10は、所定時間おきに熱回収温度センサ19bにより熱回収戻り管路7bを流れる湯水の温度Tを取得し、この温度Tが所定の閾値Taを超えているか否かを判定する(ステップS11)。閾値Taは、これ以上の温度上昇があると発電が停止する虞がある温度として(冷却制御の開始条件として)予め定められた値である。
温度Tが所定の閾値Taを超えると(ステップS11;Yes)、制御装置10は、ペルチェ素子120に通電を開始し、ペルチェ素子120の面部121(冷却面)を介して熱回収戻り管路7bを冷却するように制御する(ステップS12)。これにより、熱回収戻り管路7bを流れる湯水が冷やされていく。このときペルチェ素子120の面部122(放熱面)は、コージェネレーションシステム1の機器筐体と接触しているため、ペルチェ素子120が発生する熱は、機器筐体を介して逃される。
ペルチェ素子120の制御を開始したあと、制御装置10は、引き続き、熱回収温度センサ19bにより熱回収戻り管路7bを流れる湯水の温度Tを監視し、この温度Tが所定の閾値Tb以下になると(ステップS13;Yes)、ペルチェ素子120への通電を停止し、冷却制御を終了する(ステップS14)。
閾値Tbは、これ以下の温度下降があれば発電を継続することが可能な温度として(冷却制御の停止条件として)予め定められた値である。通常、前述のTaに対し、閾値Ta≦閾値Tbの関係を満たすように設定されている。
なお、ペルチェ素子120の冷却制御が終了すると、通常運転時と同様に、余剰電力の余剰電力消費ヒータ14への供給を再開する。
以上のように、本発明の実施の形態によれば、通常時には、定格出力以上で発電運転し、定格出力分(例えば700W)を電力負荷に電力を供給するとともに、発電により余った余剰電力をコージェネレーションシステム1内の各機器へ供給するとともに、余剰電力消費ヒータ14へ優先的に供給して、電力を熱に変換し、貯湯槽20へ通流する湯水を加熱する。そして、非常時になると停電時専用コンセントに電力を供給(例えば500W)しつつ、制御装置10が熱回収戻り管路7bの湯水の温度を監視し、この温度が所定の閾値を超えると、発電により余った余剰電力をコージェネレーションシステム1内の自立運転に必要な各機器へ供給するとともに、余剰電力消費ヒータ14へ供給するのに換えてペルチェ素子120へ優先的に供給して、発電装置100へ通流する湯水を冷却する。
これにより、発電装置100には常に一定温度以下の湯水が供給されることとなり、長時間に亘り、発電を継続することが可能となる。特にペルチェ素子120は小規模なデバイスであるため、ラジエータのように大きな設置スペースを必要とせず、また、冷却手段に掛けるコスト負担を大幅に抑えることができる。
なお、本発明の実施の形態では、熱回収戻り管路7bに設けられた熱回収温度センサ19bで検出される温度に基づいて、ペルチェ素子120による冷却制御を行ったが、これに限定されず、例えば冷却水循環回路4に設けられた冷却温度センサ13で検出される冷却水の温度に基づいて、ペルチェ素子120による冷却制御を行ってもよい。
また必要に応じて通常時における定格出力(例えば700W)と非常時における定格出力(例えば500W)に差を設け、この差分で、より安定したペルチェ素子120を用いた冷却を行ってもよい。これにより、非常時における電力供給の安定化が図られる。
なお、本発明の実施の形態では、非常時において余剰電力消費ヒータ14への電力供給を停止するようにしたが、非常時においても余剰電力消費ヒータ14への電力供給を継続してもよい。これにより、ペルチェ素子120によって過度に湯水が冷却されることを防止したり、或いは貯湯槽20内の湯水が飲用不適切となることを防止することができる。
[変形例]
ペルチェ素子120は、極性を変えることで、冷却と放熱の関係を逆転させることができる。この場合、熱回収戻り管路7bと接触するペルチェ素子120の面部121が放熱面になる。そこで、次のようにペルチェ素子120を凍結防止手段として利用することもできる。
図4は、ペルチェ素子120を用いた凍結防止制御(加熱制御)の動作の流れを示すフローチャートである。まず、制御装置10は、熱回収温度センサ19bにより検出される温度Tが所定の閾値Tα以下であるか否かを判定する(ステップS21)。閾値Tαは、これ以下の温度下降があると熱回収循環回路7を通流する湯水が凍結する虞がある温度として(凍結防止制御の開始条件として)予め定められた値である。
温度Tが閾値Tα以下になると、凍結する虞があると判断し(ステップS21;Yes)、制御装置10は、ペルチェ素子120に通電を開始し、ペルチェ素子120の面部121(放熱面)を介して熱回収戻り管路7bを加熱するように制御する(ステップS22)。これにより、熱回収戻り管路7bを流れる湯水が温められていく。
ペルチェ素子120の制御を開始したあと、制御装置10は、引き続き、熱回収温度センサ19bにより熱回収戻り管路7bを流れる湯水の温度Tを監視し、この温度Tが所定の閾値Tβを超えると、凍結の虞が解消したものと判断し(ステップS23;Yes)、ペルチェ素子120への通電を停止し、加熱制御を終了する(ステップS24)。閾値Tβは、これ以上の温度上昇があれば凍結する虞がない温度として(凍結防止制御の停止条件として)予め定められた値である。通常、前述のTαに対し、閾値Tα≦Tβの関係を満たすように設定される。
一般的に配管には凍結防止のためのヒータが設けられているが、上記したようにペルチェ素子120を凍結防止手段として利用することができるため、ヒータを別途設ける必要がない。なお、上述の例に限らず、外気温度、或いは熱回収戻り管路7bの表面温度により凍結の虞があるかを判定してもよい。
[第2実施形態]
次に、図5、6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
<コージェネレーションシステム1Aの構成>
図5は、第2実施形態に係るコージェネレーションシステム1Aの全体構成を示す図である。第2実施形態では、ペルチェ素子120Aの面部122A(放熱面)が暖房回路21の管路95(暖房戻り管路)と接触するように設けられる点で第1実施形態と異なる。これにより、熱回収戻り管路7bから吸熱した熱を、暖房回路21を流れる熱媒体に伝熱させた上で、燃焼室24に設けられたバーナ46の燃焼の給排気を行う燃焼ファン48で冷却することができる。
<コージェネレーションシステム1Aの制御動作>
図6は、ペルチェ素子120Aを用いた冷却制御の動作の流れを示すフローチャートであるまず第1実施形態と同様に、制御装置10は、所定時間おきに熱回収温度センサ19bにより熱回収戻り管路7bを流れる湯水の温度Tを取得し、この温度Tが所定の閾値Taを超えているか否かを判定する(ステップS31)。
この温度Tが所定の閾値Taを超えると(ステップS31;Yes)、制御装置10は、ペルチェ素子120Aに通電を開始し、ペルチェ素子120Aの面部121A(冷却面)を介して熱回収戻り管路7bを冷却するように制御する(ステップS32)。これにより、熱回収戻り管路7bを流れる湯水が冷やされていく。このときペルチェ素子120Aの面部122A(放熱面)は、暖房回路21の管路95(暖房戻り管路)と接触しているため、ペルチェ素子120Aが発生する熱は暖房回路21の管路95(暖房戻り管路)に放熱されることとなる。
続いて、制御装置10は、追い焚き流量制御弁38を開き(ステップS33)、ペルチェ素子120Aの面部122A(放熱面)、管路95(暖房戻り管路)、暖房潜熱熱交換器28a、管路94、シスターン装置60、管路93、暖房循環ポンプ26、管路91、暖房顕熱熱交換器28b、管路92、追い焚き流量制御弁38、風呂熱交換器67、管路96を経由してペルチェ素子120Aの面部122A(放熱面)に戻る閉回路(図3の太線で示す回路)を構成する。
そして、制御装置10は、燃焼ファン48の回転制御を行うとともに、暖房循環ポンプ26を駆動させる(ステップS34)。これにより、図3の太線に示す暖房回路21中の閉回路を熱媒体が循環する。なおこのとき、燃焼室24のバーナ46による燃焼制御は行わない。これにより、ペルチェ素子120Aにより加熱された熱媒体は、燃焼室24内の暖房潜熱熱交換器28aおよび暖房顕熱熱交換器28bを通る際に、燃焼ファン48から送られる空気によって熱交換(冷却)されることとなる。
そして、ペルチェ素子120Aの制御を開始したあと、制御装置10は、引き続き、熱回収温度センサ19bにより熱回収戻り管路7bを流れる湯水の温度Tを監視し、この温度Tが所定の閾値Tb以下になると(ステップS35;Yes)、ペルチェ素子120Aへの通電を停止し、冷却制御を終了する(ステップS36)。また、燃焼ファン48および暖房循環ポンプ26の稼働を停止し、暖房回路21内の熱媒体の循環を停止する。
以上の動作により、ペルチェ素子120Aから吸熱された熱は、暖房潜熱熱交換器28aおよび暖房顕熱熱交換器28bにおいて燃焼ファン48から送られる空気によって外気に放熱されることとなる。これにより、ペルチェ素子120Aにより発生する熱を、常設されている燃焼ファン48を用いて冷却することができる。このため、ペルチェ素子120Aにより発生する熱を冷却するための別途の冷却手段(ラジエータ等の冷却装置)を設ける必要がない。
[変形例]
なお、冬季などの暖房需要がある場合には、暖房回路21に放熱された熱を暖房運転に有効利用することもできる。例えば、暖房端末50の暖房運転が行われているとする。すなわち、バーナ46によって暖房用熱交換器28が加熱され、暖房循環ポンプ26を駆動させることにより、暖房回路21を熱媒体が図1の矢印A〜Gに示すように循環している。このとき、ペルチェ素子120Aは、熱回収戻り管路7bから吸熱した熱を暖房回路21の管路95(暖房戻り管路)に放熱する。これにより、暖房回路21を循環する熱媒体が管路95において補助的に加熱されることとなる。このように、ペルチェ素子120Aにより熱回収戻り管路7bを冷却した際に発生する熱を、暖房運転の加熱用途に利用することができる。また、浴槽27に所定の閾値よりも低い温度の水がある場合は、更に風呂循環ポンプ68を運転することで、ペルチェ素子120の放熱を浴槽水を温めるために利用してもよい。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1,1A:コージェネレーションシステム
4 :冷却水循環回路
5 :冷却水ポンプ
6 :熱交換器
7 :熱回収循環回路
7a :熱回収往き管路
7b :熱回収戻り管路
8 :熱回収循環ポンプ
10 :制御装置
11 :燃料電池
13 :冷却温度センサ
19a,19b :熱回収温度センサ
20 :貯湯槽
21 :暖房回路
24 :燃焼室
26 :暖房循環ポンプ
28 :暖房用熱交換器
28a :暖房潜熱熱交換器
28b :暖房顕熱熱交換器
38 :追い焚き流量制御弁
46 :バーナ
48 :燃焼ファン
50 :暖房端末
60 :シスターン装置
67 :風呂熱交換器
68 :風呂循環ポンプ
100 :発電装置
120、120A :ペルチェ素子
200 :貯湯装置

Claims (9)

  1. 電気と熱を発生する発電装置と、
    湯水を貯える貯湯槽と、
    前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、
    前記熱回収循環回路中の前記貯湯槽から前記発電装置へ湯水を通流する熱回収戻り管路と接触して設けられるペルチェ素子と、
    前記ペルチェ素子の温度特性を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とするコージェネレーションシステム。
  2. 前記制御装置は、前記熱回収戻り管路を冷却するように前記ペルチェ素子を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  3. 前記発電装置の発電により余った余剰電力を熱に変換して消費する余剰電力消費ヒータ、を更に備え、
    通常時には、余剰電力を前記余剰電力消費ヒータへ優先的に供給し、
    非常時には、余剰電力を前記余剰電力消費ヒータに換えて前記ペルチェ素子へ優先的に供給する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコージェネレーションシステム。
  4. 前記熱回収戻り管路を通流する湯水が凍結するおそれのある場合、前記制御装置は、前記熱回収戻り管路を加熱するように前記ペルチェ素子を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  5. 前記熱回収戻り管路と接触するペルチェ素子面の反対面が、コージェネレーションシステムの機器筐体と接触している
    ことを特徴とする請求項2に記載のコージェネレーションシステム。
  6. 暖房端末を介して熱媒体を循環させる暖房回路、を備え、
    前記熱回収戻り管路と接触するペルチェ素子面の反対面が、前記暖房回路と接触している
    ことを特徴とする請求項2に記載のコージェネレーションシステム。
  7. 前記ペルチェ素子により伝熱された前記暖房回路を通流する熱媒体を、前記暖房回路を加熱する際の給排気に用いるファンにより冷却する
    ことを特徴とする請求項5に記載のコージェネレーションシステム。
  8. 電気と熱を発生する発電装置と、湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、前記熱回収循環回路中の前記貯湯槽から前記発電装置へ湯水を通流する熱回収戻り管路と接触して設けられるペルチェ素子と、を備えるコージェネレーションシステムの制御装置であって、
    前記熱回収戻り管路を冷却するように前記ペルチェ素子を制御する
    ことを特徴とする制御装置。
  9. 電気と熱を発生する発電装置と、湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽と前記発電装置との間で熱交換器を介して湯水を循環させる熱回収循環回路と、前記熱回収循環回路中の前記貯湯槽から前記発電装置へ湯水を通流する熱回収戻り管路と接触して設けられるペルチェ素子と、ペルチェ素子の温度特性を制御する制御装置と、を備えるコージェネレーションシステムの制御方法であって、
    前記制御装置が、前記熱回収戻り管路を冷却するように前記ペルチェ素子を制御する
    ことを特徴とする制御方法。

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