以下、本発明に係る熱電併給システム(以下、適宜「本発明システム」と略称する)の実施形態を図面に基づいて説明する。
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態における本発明システム1の排熱回収及び給湯及び暖房負荷に対する熱供給に係るシステム構成を示すブロック図である。図2は、本発明システム1の電力供給に係るシステム構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、本発明システム1は、外部から燃料供給を受けて発電する発電ユニット10と、発電ユニット10の運転時に発生する排熱を回収して給湯負荷50と暖房端末51に供給する排熱利用給湯暖房ユニット20を備えて構成される。
図1に示すように、排熱利用給湯暖房ユニット20は、貯湯タンク21と、排熱回収冷却液循環配管22と、温水循環配管23と、排熱回収熱交換器24と、給湯出力配管25と、暖房出力循環配管26と、暖房熱交換器27と、給水配管28と、暖房端末循環配管29と、暖房端末分岐配管30と、補助熱源31と、排熱回収制御装置32を備えて構成される。また、各配管には、必要に応じて、循環ポンプ33〜35、開閉弁36、三方弁37,38、逆止弁、圧力調整弁、温度センサ、圧力センサ、流量計等が介装されており、図1中においてその一部に符号を付して示している。
貯湯タンク21は、発電ユニット10の排熱回収により加熱された温水を貯湯することで、回収した排熱を蓄熱可能に構成され、更に、内部に介装された温度センサ(図示せず)や水位センサ(図示せず)等の貯湯量検出手段によって貯湯量を検出可能に構成されている。また、貯湯タンク21の底部には、貯湯タンク21から給湯負荷50に温水が供給された場合に、上水道等の給水源(図示せず)から貯湯タンク21内に給水補充するための給水配管28が接続している。
排熱回収冷却液循環配管22は、発電ユニット10内の熱交換器14(図2参照)と排熱回収熱交換器24間を連絡する往路と復路を構成する循環回路である。排熱回収熱交換器24は、排熱回収冷却液循環配管22内を循環する排熱回収冷却液であるジャケット冷却水と温水循環配管23内を循環する温水の間の熱交換を行う熱交換器であり、1次側に排熱回収冷却液循環配管22が接続し、2次側に温水循環配管23が接続する。温水循環配管23は、貯湯タンク21の下部から取り出した温水を、排熱回収熱交換器24で加熱して、貯湯タンク21の上部に戻して循環させる循環回路である。以上の構成によって、排熱回収冷却液循環配管22内のジャケット冷却水を循環ポンプ33で循環させ、温水循環配管23内の温水を循環ポンプ34で循環させることによって、熱交換器14において発電ユニット10内の排熱を回収して冷却水を加熱し、更に、排熱回収熱交換器24において加熱された冷却水の熱を回収して温水循環配管23を循環する温水を加熱して貯湯タンク21に供給することができる。つまり、回収された発電ユニット10の排熱が、貯湯タンク21に蓄熱されることになる。
本実施形態では、温水循環配管23の途中に都市ガス等を燃料とする給湯器等の補助熱源31が介装されており、発電ユニット10から回収した排熱では熱量が不足する場合に、その不足熱量を補充可能となっている。
給湯出力配管25は、風呂の浴槽やシャワー、台所や洗面所の給湯栓等の給湯負荷50に対して給湯出力するための配管で、必要に応じて下流側で上水道からの給水と混合して給湯される。
暖房出力循環配管26は、温水循環配管23の下流側の貯湯タンク21の上部付近の上部分岐点と、温水循環配管23の上流側の貯湯タンク21の下部付近の下部分岐点との間を、暖房熱交換器27を介して接続する配管で、温水循環配管23と暖房出力循環配管26により途中に排熱回収熱交換器24と暖房熱交換器27の2つの熱交換器を配した循環回路が構成される。暖房熱交換器27は、暖房出力循環配管26内を循環する温水と暖房端末循環配管29内を循環する熱媒体(温水)の間の熱交換を行う熱交換器であり、1次側に暖房出力循環配管26が接続し、2次側に暖房端末循環配管29が接続する。暖房端末循環配管29は、暖房熱交換器27と、床暖房配管や浴室暖房乾燥機等の暖房端末51間を連絡する往路と復路を構成する循環回路である。以上の構成によって、温水循環配管23と暖房出力循環配管26内の温水を循環ポンプ34で循環させ、暖房端末循環配管29内の熱媒体(温水)を循環ポンプ35で循環させることで、排熱回収熱交換器24で加熱された高温水により、暖房熱交換器27において、暖房端末循環配管29内を循環する熱媒体を加熱して暖房端末51に供給することができる。つまり、回収された発電ユニット10の排熱が、暖房端末51で消費され、有効利用されることになる。
本実施形態では、排熱回収冷却液循環配管22の往路と復路の夫々に三方弁37,38を介装し、また、暖房端末循環配管29の復路の途中に開閉弁36を介装し、暖房端末分岐配管30を、三方弁37と開閉弁36の上流側の間と、三方弁38と開閉弁36の下流側の間に夫々配している。これにより、発電ユニット10内の熱交換器14において排熱回収して加熱された冷却水を熱媒体として暖房端末循環配管29に直接供給可能となるため、温水循環配管23と暖房出力循環配管26を経由する場合に比べて高効率で、発電ユニット10の排熱が回収され暖房端末51に供給可能となる。
排熱回収制御装置32は、マイクロコンピュータ等を用いて構成され、各配管及び貯湯タンク21に介装された温度センサ、圧力センサ、流量計等の計測信号、その他の入力信号及び内部の制御情報に基づいて、発電ユニット10の運転の開始及び停止制御を行うとともに、各配管に介装された循環ポンプ33、34の運転制御や、開閉弁36及び三方弁37,38等の開閉及び開度の制御を行い、各配管内の流体の循環を制御する。更に、本実施形態においては、排熱回収制御装置32は、後述するように、発電ユニット10の強制運転時の排熱利用給湯暖房ユニット20及び暖房端末51の制御を行う。このため、排熱回収制御装置32は、暖房端末51側からの制御信号を受け取るとともに、暖房端末51側に制御信号を発信する必要から、暖房端末51の制御装置(図示せず)との間で制御信号の双方向通信が可能に接続されている。
尚、図1中において、説明の簡単のため、暖房端末51は1台だけを図示しているが、暖房端末51は1台に限定されるものではなく、また、後述する発電ユニット10の強制運転時における排熱回収制御装置32からの制御対象となる暖房端末51の台数も1台に限定されるものではない。
図2に示すように、発電ユニット10は、都市ガスを燃料として作動するガスエンジン11、ガスエンジン11によって駆動される発電機12、発電機12の発電電力を所定の電気方式の出力電圧と周波数の交流電力に変換するインバータ13、ガスエンジン11の排熱との熱交換により冷却水を加熱して排熱利用給湯暖房ユニット20側に供給する熱交換器14、及び、発電ユニット10の運転並びに出力制御を行う発電制御装置15を備えて構成されている。
本実施形態では、発電ユニット10は一般家庭用に単相3線式正弦波出力の100V/200Vを出力する。また、インバータ13は双方向に交流電力の電圧及び周波数を変換する機能を有し、発電ユニット10の電力端子10aは発電ユニットの定常運転時は発電電力の出力端子として機能し、発電ユニット10の起動時は、ガスエンジン11の始動用電源の供給を外部から受けるための入力端子として機能する。また、発電ユニット10の起動時は、発電機12がガスエンジン11のスタータモータとして機能し、外部から入力される交流電力を、インバータ13を介して発電機12に供給し、発電機12の回転運動によりガスエンジン11の始動を行うように構成されている。発電制御装置15はマイクロコンピュータ等を用いて構成され、発電ユニット10の定常運転時の出力制御や起動時のガスエンジン11の始動制御等を行う。
本実施形態では、発電ユニット10の発電電力は、商用交流電源(単相3線式100V/200V)60と系統連系して、電力負荷61,62に電力供給可能に構成されている。具体的には、商用交流電源60と発電ユニット10は、第1分電盤40と第2分電盤41を介して相互に接続している。第1分電盤40には、商用交流電源60の停電時(系統停電時)に使用不可となる第1電力負荷61が接続し、第2分電盤41には、系統停電時に使用可能となる第2電力負荷61が接続する。第2電力負荷61には、系統停電時に使用可能であることが望まれる家電製品(照明、冷蔵庫、テレビ等)、及び、排熱利用給湯暖房ユニット20の排熱回収制御装置32及び電動装置(循環ポンプ33、34等)が含まれる。
第1分電盤40には、単相3線式電力線(1φ3W)の両端に主幹ブレーカ(MCB)42とブレーカ(MCB)43が設けられ、その途中に複数の分岐ブレーカ44と2つの電流トランス45が設けられている。主幹ブレーカ(MCB)42側に商用交流電源60が接続し、ブレーカ(MCB)43側に第2分電盤41が接続し、各分岐ブレーカ44に第1電力負荷61が接続する。電流トランス45は、発電ユニット10から商用交流電源60に向けた逆潮流と系統停電の検出に用いられ、検出信号は発電制御装置15に入力される。
第2分電盤41には、2つのスイッチ47、48と複数の分岐ブレーカ46が設けられている。スイッチ47はオンオフスイッチ(開閉スイッチ)で、1次側が単相3線式電力線(1φ3W)を介して第1分電盤40のブレーカ(MCB)43に接続し、2次側が単相3線式電力線(1φ3W)を介して発電ユニット10の系統正常時に使用する電力端子10aに接続している。スイッチ48は2入力切替スイッチで、一方の入力端が単相2線式電力線(1φ2W)を介してスイッチ47の1次側と接続し、他方の入力端が単相2線式電力線(1φ2W)を介して発電ユニット10の系統停電時に使用する電力端子10bに接続し、出力端が単相2線式電力線(1φ2W)を介して各分岐ブレーカ46と接続する。発電ユニット10は、系統正常時には、電力端子10aから単相3線式100V/200Vを出力し、系統停電時には、電力端子10bから単相2線式100Vを出力する。
系統停電時に発電ユニット10を強制的に運転させるための操作スイッチ(強制運転スイッチ)49が備えられ、利用者の手動操作によって発生する強制運転信号が操作スイッチ49から発電ユニット10の発電制御装置15に入力される。2つのスイッチ47、48の切り替えは、強制運転信号の入力に応じて発電制御装置15側からの制御によって行われる。
系統正常時には、スイッチ47はオン状態(閉状態)となり商用交流電源60と発電ユニット10の電力端子10aが系統連系接続し、スイッチ48は一方の入力端が出力端と接続し、スイッチ47の1次側、つまり、商用交流電源60と発電ユニット10の電力端子10aが分岐ブレーカ46と接続する。これに対し、系統停電時には、スイッチ47はオフ状態(開状態)となり商用交流電源60と発電ユニット10の間の接続が遮断され、スイッチ48は他方の入力端が出力端と接続し、発電ユニット10の電力端子10bが分岐ブレーカ46と接続する。
発電ユニット10の運転開始及び停止は、排熱利用給湯暖房ユニット20の排熱回収制御装置32からの制御信号と、操作スイッチ49からの強制運転信号によって制御される。系統正常時には、強制運転信号は出力されずに排熱回収制御装置32からの制御に従う。排熱回収制御装置32は、給湯負荷50と暖房端末51等での熱需要を予測した結果に基づいて熱需要の発生する所定時間前に発電ユニット10の運転開始を行い、熱需要を充足するに十分な排熱を回収できる期間中、発電ユニット10の運転を継続する、熱需要の時間変動パターンに応じた制御(熱主運転という)を行う。
発電制御装置15は、排熱回収制御装置32からの制御信号より、操作スイッチ49からの強制運転信号を優先的に受け付けるため、排熱回収制御装置32からの通常の運転停止制御があっても、強制運転に入る。発電制御装置15は、強制運転に入ると、その旨の状態信号を排熱回収制御装置32に出力する。排熱回収制御装置32は、発電ユニット10が強制運転中であることを認識すると、系統正常時の熱主運転時とは異なる排熱回収制御を、排熱利用給湯暖房ユニット20及び暖房端末51に対して行う。
以下、発電ユニット10が強制運転時における、排熱回収制御装置32の行う制御について説明する。排熱回収制御装置32は、発電制御装置15から発電ユニット10が強制運転状態である旨の状態信号を受け取ると、発電ユニット10が強制運転時における制御モードになり、以下の要領で、排熱利用給湯暖房ユニット20及び暖房端末51に対する制御を実行する。
排熱回収制御装置32は、貯湯タンク21の貯湯量検出手段からの検出信号に基づいて、貯湯量が満タン付近の所定量以上であるか否かを判断する。貯湯量が所定量以上である場合には、発電ユニット10の排熱を回収して貯湯タンク21へ蓄熱することは不可能であると判断し、開閉弁36及び三方弁37,38を、以下の要領で切り替える。
開閉弁36は、熱主運転時、または、貯湯量が所定量以上でない場合には開弁され、強制運転時で貯湯量が所定量以上の場合には、閉弁される。三方弁37,38は、熱主運転時、または、貯湯量が所定量以上でない場合には、排熱回収冷却液循環配管22が、発電ユニット10内の熱交換器14と排熱回収熱交換器24間を連絡する往路と復路を形成するように制御され、暖房端末分岐配管30への流路は遮断される。これに対して、三方弁37,38は、強制運転時で貯湯量が所定量以上の場合には、熱交換器14から排熱回収熱交換器24への排熱回収冷却液循環配管22が遮断され、暖房端末分岐配管30への流路が形成されるように制御され、熱交換器14から暖房端末51までの循環回路が形成される。以上の制御により、強制運転時において貯湯量が所定量以上の場合には、発電ユニット10内の熱交換器14において排熱回収して加熱された冷却水を熱媒体として暖房端末循環配管29に直接供給可能となる。
更に、排熱回収制御装置32は、強制運転時で貯湯量が所定量以上の場合には、暖房端末51の暖房端末循環配管29上の循環ポンプ35を作動させるべく、暖房端末51の制御装置(図示せず)に対して運転指示を与える。また、暖房端末51が浴室暖房乾燥機等の送風ファンを備えている場合には、循環ポンプ35と送風ファンを作動させるべく、暖房端末51の制御装置(図示せず)に対して運転指示を与える。従って、暖房端末51の電動装置(循環ポンプ35、送風ファン等)は、系統停電時に使用可能となる第2電力負荷61として、第2分電盤41の分岐ブレーカ46に接続しておく。
強制運転時において、給湯需要が発生して貯湯タンク21の貯湯量が所定量を下回ると、排熱回収制御装置32は、暖房端末51の制御装置(図示せず)に対して運転停止を指示するとともに、開閉弁36及び三方弁37,38を元の制御位置に切り替える。これにより、排熱回収冷却液循環配管22が、発電ユニット10内の熱交換器14と排熱回収熱交換器24間を連絡する往路と復路を形成するように制御され、発電ユニット10の排熱を回収して貯湯タンク21へ蓄熱することになる。
〈第2実施形態〉
図3は、第2実施形態における本発明システム2の排熱回収及び給湯及び暖房負荷に対する熱供給に係るシステム構成を示すブロック図である。尚、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明する。また、本発明システム2の電力供給に係るシステム構成、並びに、発電ユニット10の構成は、第1実施形態と同じであるので、重複する説明は割愛する。
図3に示すように、排熱利用給湯暖房ユニット20は、貯湯タンク21と、排熱回収冷却液循環配管22と、温水循環配管23と、排熱回収熱交換器24と、給湯出力配管25と、給水配管28と、補助熱源31と、排熱回収制御装置32と、風呂給湯分岐配管71と、風呂追い炊き循環配管72と、風呂追い炊き熱交換器73と、浴槽循環配管74を備えて構成される。また、各配管には、必要に応じて、循環ポンプ33、34、75、開閉弁76、三方弁77、78、逆止弁、圧力調整弁、温度センサ、圧力センサ、流量計等が介装されており、図3中においてその一部に符号を付して示している。
第2実施形態では、排熱利用給湯暖房ユニット20は、発電ユニット10の運転時に発生する排熱を回収して専ら給湯負荷50に供給する場合を説明する。従って、第1実施形態の排熱利用給湯暖房ユニット20に装備されていた暖房出力循環配管26、暖房熱交換器27、暖房端末循環配管29、暖房端末分岐配管30、開閉弁36、三方弁37,38等は具備されていない。しかしながら、第2実施形態においても、暖房出力循環配管26、暖房熱交換器27、暖房端末循環配管29、及び、開閉弁36を装備して、系統正常時において暖房端末51に熱供給可能に構成しても構わない。
第2実施形態では、給湯出力配管25の途中から分岐する風呂給湯分岐配管71が設けられ、給湯負荷50の1つである風呂の浴槽70への自動給湯可能な構成となっている点、風呂追い炊き循環配管72と風呂追い炊き熱交換器73と浴槽循環配管74が設けられ、浴槽70内の冷めた温水の追い炊きが構成となっている点、及び、排熱回収制御装置32の発電ユニット10の強制運転時における排熱利用給湯暖房ユニット20及び給湯負荷50に対する制御方法において、第1実施形態と相違する。その他の構成要素は、第1実施形態の排熱利用給湯暖房ユニット20と同じであるので、重複する説明は割愛する。
風呂給湯分岐配管71は、給湯出力配管25と浴槽70の間を連絡する配管で、途中に開閉弁76と三方弁77と三方弁78が介装されている。開閉弁76は、浴槽70への自動給湯のオンオフを切り替え、三方弁77は、給水配管28の給水と混合して給湯温度を調整し、三方弁77は浴槽給湯と追い炊きを切り替える。開閉弁76のオンオフ制御、三方弁77の開度調整による給湯温度調整、及び、三方弁78の切替制御は、風呂制御装置52によって行われる。以上の構成によって、発電ユニット10の排熱によって加熱され貯湯タンク21に貯湯された温水を浴槽70内に供給することができ、回収された発電ユニット10の排熱が有効利用される。
風呂追い炊き循環配管72は、温水循環配管23の下流側の貯湯タンク21の上部付近の上部分岐点と、温水循環配管23の上流側の貯湯タンク21の下部付近の下部分岐点との間を、風呂追い炊き熱交換器73を介して接続する配管で、温水循環配管23と風呂追い炊き循環配管72により途中に排熱回収熱交換器24と風呂追い炊き熱交換器73の2つの熱交換器を配した循環回路が構成される。風呂追い炊き熱交換器73は、風呂追い炊き循環配管72内を循環する温水と浴槽循環配管74内を循環する浴槽70内の温水の間の熱交換を行う熱交換器であり、1次側に風呂追い炊き循環配管72が接続し、2次側に浴槽循環配管74が接続する。浴槽循環配管74は、風呂追い炊き熱交換器73と浴槽70間を連絡する往路と復路を構成する循環回路である。以上の構成によって、温水循環配管23と風呂追い炊き循環配管72内の温水を循環ポンプ34で循環させ、浴槽循環配管74内の温水を循環ポンプ75で循環させることで、排熱回収熱交換器24で加熱された高温水により、風呂追い炊き熱交換器73において、浴槽循環配管74内を循環する温水を加熱して浴槽70内に供給することができる。つまり、回収された発電ユニット10の排熱が、浴槽70内の冷めた温水の追い炊きに有効利用されることになる。
排熱回収制御装置32は、後述するように、発電ユニット10の強制運転時の排熱利用給湯暖房ユニット20及び風呂制御装置52の制御を行う。このため、排熱回収制御装置32は、風呂制御装置52側からの制御信号を受け取るとともに、風呂制御装置52側に制御信号を発信する必要から、風呂制御装置52との間で制御信号の双方向通信可能に接続されている。
次に、発電ユニット10が強制運転時における排熱回収制御装置32の制御について説明する。排熱回収制御装置32は、発電制御装置15から発電ユニット10が強制運転状態である旨の状態信号を受け取ると、発電ユニット10が強制運転時における制御モードになり、以下の要領で、排熱利用給湯暖房ユニット20及び浴槽70への自動給湯に対する制御を実行する。
排熱回収制御装置32は、貯湯タンク21の貯湯量検出手段からの検出信号に基づいて、貯湯量が満タン付近の所定量以上であるか否かを判断する。貯湯量が所定量以上である場合には、発電ユニット10の排熱を回収して貯湯タンク21へ蓄熱することは不可能であると判断し、貯湯タンク21から浴槽70への給湯を開始するために、風呂制御装置52に対して自動給湯を行うように指示する制御信号を出力する。
風呂制御装置52は、上記制御信号を受け付けると、浴槽70が自動給湯可能な状態、つまり、まだ給湯されていない空の状態であることを確認した後に、通常のリモコン装置からの自動給湯開始指示を受け付けた場合と同様の制御を行う。具体的には、風呂制御装置52は、排熱回収制御装置32からの自動給湯開始指示に応答して、自動給湯可能な状態の確認後に、排熱回収制御装置32に対して、浴槽70への自動給湯開始の状態信号を出力するとともに、三方弁78を風呂給湯分岐配管71側に切り替え、開閉弁76を開弁して、貯湯タンク21から浴槽70への給湯を開始するとともに、風呂給湯分岐配管71の浴槽70付近の温水温度を温度センサで検知しながら、当該温水温度が所定の設定温度に維持されるように三方弁77の開度調整による給湯温度調整を行う。風呂制御装置52は、これらの制御とともに、浴槽70の水位を風呂給湯分岐配管71に設けられた圧力センサで検知しながら、所定の設定水位に達するまで、自動給湯制御を継続し、浴槽70の水位が所定の設定水位に達したのを検知すると、開閉弁76を閉弁し、三方弁77の給水側を閉弁して、浴槽70への自動給湯を停止し、排熱回収制御装置32に対して浴槽70への自動給湯完了状態を通知する状態信号を出力する。
浴槽70への自動給湯が行われると、貯湯タンク21の貯湯量が低下するため、排熱回収制御装置32は、貯湯タンク21の貯湯量検出手段からの検出信号に基づいて、貯湯量が満タン付近の所定量以上でないと判断して、循環ポンプ33、34を作動させる。これにより、排熱回収冷却液循環配管22内のジャケット冷却水を循環ポンプ33で循環させ、温水循環配管23内の温水を循環ポンプ34で循環させることができ、熱交換器14において発電ユニット10内の排熱を回収して冷却水を加熱し、更に、排熱回収熱交換器24において加熱された冷却水の熱を回収して温水循環配管23を循環する温水を加熱して貯湯タンク21に供給することができる。
浴槽70への自動給湯が停止すると、他の給湯需要が無い限り、貯湯タンク21からの温水の放出が停止するので、貯湯タンク21の貯湯量は、やがて満タン付近の所定量以上となるため、排熱回収制御装置32は、排熱回収制御を停止することになり、発電ユニット10の発電制御装置15に対して、強制運転の停止指示を与える制御信号を出力し、循環ポンプ33、34の作動を停止する。
発電ユニット10の発電制御装置15の制御は、排熱回収制御装置32からの強制運転の停止指示を受け付けて強制運転を停止する以外は、第1実施形態と同じであるので、重複する説明は割愛する。
〈第3実施形態〉
図4は、第3実施形態における本発明システム3の排熱回収及び給湯及び暖房負荷に対する熱供給に係るシステム構成を示すブロック図である。尚、第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明する。また、本発明システム3の電力供給に係るシステム構成、並びに、発電ユニット10の構成は、第1実施形態と同じであるので、重複する説明は割愛する。
図4に示すように、排熱利用給湯暖房ユニット20は、貯湯タンク21と、排熱回収冷却液循環配管22と、温水循環配管23と、排熱回収熱交換器24と、給湯出力配管25と、暖房出力循環配管26と、暖房熱交換器27と、給水配管28と、暖房端末循環配管29と、暖房端末分岐配管30と、補助熱源31と、排熱回収制御装置32と、風呂給湯分岐配管71と、風呂追い炊き循環配管72と、風呂追い炊き熱交換器73と、浴槽循環配管74を備えて構成される。また、各配管には、必要に応じて、循環ポンプ33〜35、75、開閉弁36、76、三方弁37,38、77、78、逆止弁、圧力調整弁、温度センサ、圧力センサ、流量計等が介装されており、図4中においてその一部に符号を付して示している。
第3実施形態は、図4に示すように、第1実施形態と第2実施形態における排熱利用給湯暖房ユニット20を統合した構成となっている。つまり、系統停電時において、発電ユニット10を強制運転させる場合に、発電ユニット10の発生する排熱を、風呂の浴槽70への自動給湯と暖房端末51の強制運転の2つの手段により回収可能な構成となっており、排熱回収制御装置32は、後述するように、発電ユニット10の強制運転時の排熱利用給湯暖房ユニット20、風呂制御装置52及び暖房端末51の制御を行う。
次に、発電ユニット10が強制運転時における、排熱回収制御装置32の行う制御について説明する。排熱回収制御装置32は、発電制御装置15から発電ユニット10が強制運転状態である旨の状態信号を受け取ると、発電ユニット10が強制運転時における制御モードになり、以下の要領で、排熱利用給湯暖房ユニット20、風呂制御装置52及び暖房端末51に対する制御を実行する。
排熱回収制御装置32は、貯湯タンク21の貯湯量検出手段からの検出信号に基づいて、貯湯量が満タン付近の所定量以上であるか否かを判断する。貯湯量が所定量以上である場合には、排熱回収制御装置32は、先ず浴槽70への自動給湯による排熱回収を実行すべく、風呂制御装置52に対して自動給湯を行うように指示する制御信号を出力する。尚、当該制御信号を受け取った風呂制御装置52の制御は、第2実施形態で既に説明した通りであるので、重複する説明は省略する。
浴槽70への自動給湯が行われると、貯湯タンク21の貯湯量が低下するため、排熱回収制御装置32は、貯湯タンク21の貯湯量検出手段からの検出信号に基づいて、貯湯量が満タン付近の所定量以上でないと判断して、循環ポンプ33、34を作動させる。これにより、排熱回収冷却液循環配管22内のジャケット冷却水を循環ポンプ33で循環させ、温水循環配管23内の温水を循環ポンプ34で循環させることができ、熱交換器14において発電ユニット10内の排熱を回収して冷却水を加熱し、更に、排熱回収熱交換器24において加熱された冷却水の熱を回収して温水循環配管23を循環する温水を加熱して貯湯タンク21に供給することができる。
浴槽70への自動給湯が停止すると、他の給湯需要が無い限り、貯湯タンク21からの温水の放出が停止するので、貯湯タンク21の貯湯量は、やがて満タン付近の所定量以上となるため、排熱回収制御装置32は、次に、暖房端末51の強制運転による排熱回収制御を実行すべく、開閉弁36及び三方弁37,38を切り替えるとともに、暖房端末51の制御装置(図示せず)に対して運転指示を与える。開閉弁36及び三方弁37,38に対する制御、及び、暖房端末51の制御装置に対する制御は、第1実施形態で既に説明した通りであるので、重複する説明は省略する。
以上のように、第3実施形態では、発電ユニット10の強制運転時における排熱回収手段が複数あるため、1つの排熱回収手段において回収能力に限度がある場合には、他の手段に引き継ぐことで、発電ユニット10の強制運転を長期に継続することが可能となる。また、複数の排熱回収手段(給湯負荷50、暖房端末51)の実行順序に優先順位を予め設定しておくことで、発電ユニット10の排熱をより有効利用できる排熱回収手段から優先的に運転させることができる。尚、当該優先順位は、排熱回収制御装置32の制御用プログラム中で設定されるが、外部入力によって設定可能或いは設定変更可能に構成してもよい。
〈第4実施形態〉
図5は、第4実施形態における本発明システム4の排熱回収及び給湯及び暖房負荷に対する熱供給に係るシステム構成を示すブロック図である。尚、第1実施形態乃至第3実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明する。また、本発明システム4の電力供給に係るシステム構成、並びに、発電ユニット10の構成は、第1実施形態と同じであるので、重複する説明は割愛する。
図5に示すように、第4実施形態の排熱利用給湯暖房ユニット20は、第3実施形態の構成に対して、貯湯タンク21への上水道等の給水源からの給水が遮断されている断水状態を検知可能な断水検知手段を追加した構成となっている。具体的には、断水検知手段は、温水循環配管23内の圧力を検知する圧力センサ79で構成される。つまり、断水状態で貯湯タンク21から給湯出力配管25への温水放出があると、貯湯タンク21内の水位が下がり、温水循環配管23内の圧力が低下するため、断水状態が検知される。また、断水状態のままで時間が経過すると、貯湯タンク21内及び温水循環配管23内の温水温度が低下するため、温水容積が減少して温水循環配管23内の圧力が低下するため、断水状態が検知される。
また、第4実施形態では、排熱回収制御装置32は、発電ユニット10が強制運転時において、断水検知を確認すると、上記第1乃至第3実施形態とは異なる制御を行う。以下、発電ユニット10が強制運転時における、排熱回収制御装置32の行う制御について説明する。尚、排熱利用給湯暖房ユニット20の構成、及び、排熱回収制御装置32の非断水時における制御は、上記第1乃至第3実施形態と同じであるので、重複する説明は省略する。
排熱回収制御装置32は、貯湯タンク21の貯湯量検出手段からの検出信号に基づいて判断される貯湯量に関係なく、圧力センサ79からの検知信号によって断水状態を確認すると、断水状態確認時の状態に応じて以下の制御を行う。
第1に、風呂の浴槽70への自動給湯開始前で、貯湯タンク21の貯湯量が満タン付近の所定量以上でない場合において、断水前の状態では、貯湯タンク21の貯湯量検出手段からの検出信号に基づいて、貯湯量が満タン付近の所定量以上でないと判断され、排熱回収冷却液循環配管22内のジャケット冷却水が循環ポンプ33で循環し、温水循環配管23内の温水が循環ポンプ34で循環している。この状態で、熱交換器14において発電ユニット10内の排熱を回収して冷却水を加熱し、更に、排熱回収熱交換器24において加熱された冷却水の熱を回収して温水循環配管23を循環する温水を加熱されて貯湯タンク21に供給している。この状態で、断水状態を確認すると、排熱回収制御装置32は、循環ポンプ33、34の作動を停止して、貯湯タンク21への貯湯を停止するとともに、排熱回収手段を暖房端末51の強制運転に切り替える制御を行う。即ち、暖房端末51の強制運転による排熱回収制御を実行すべく、開閉弁36及び三方弁37,38を切り替えるとともに、暖房端末51の制御装置(図示せず)に対して運転指示を与える。開閉弁36及び三方弁37,38に対する制御、及び、暖房端末51の制御装置に対する制御は、第1実施形態で既に説明した通りであるので、重複する説明は省略する。
尚、排熱回収制御装置32は、断水状態が回復して給水可能状態になったこと検知すると、貯湯タンク21の貯湯量が満タン付近の所定量以上でないので、循環ポンプ33、34の作動を開始して、元の貯湯タンク21を貯湯する制御状態に復帰する。
第2に、貯湯タンク21の貯湯量が満タン付近の所定量以上で、風呂の浴槽70への自動給湯を実行中において、断水前の状態では、自動給湯により貯湯タンク21の貯湯量が低下するため、排熱回収制御装置32は、貯湯タンク21の貯湯量検出手段からの検出信号に基づいて、貯湯量が満タン付近の所定量以上でないと判断して、循環ポンプ33、34を作動させるため、上記第1の場合と同様に、発電ユニット10の排熱を回収して加熱された温水が貯湯タンク21に供給されている。この状態で、断水状態を確認すると、排熱回収制御装置32は、循環ポンプ33、34の作動を停止して、貯湯タンク21への貯湯を停止するとともに、排熱回収手段を暖房端末51の強制運転に切り替える制御を行う。
尚、排熱回収制御装置32は、断水状態が回復して給水可能状態になったこと検知すると、貯湯タンク21の貯湯量が満タン付近の所定量以上でないので、循環ポンプ33、34の作動を開始して、先ず、貯湯タンク21を貯湯する制御状態に復帰する。
第3に、排熱回収手段を暖房端末51の強制運転に切り替えた後に、断水状態を確認すると、排熱回収制御装置32は、断水状態が回復するまで、暖房端末51の強制運転による排熱回収制御状態を維持する。暖房端末51の強制運転による排熱回収制御は、第1実施形態で既に説明した通りであるので、重複する説明は省略する。
尚、排熱回収制御装置32は、断水状態が回復して給水可能状態になったこと検知すると、貯湯タンク21の貯湯量が満タン付近の所定量以上であるか否かを判断し、貯湯量が所定量以上である場合には、風呂の浴槽70への自動給湯が完了しているので、暖房端末51の強制運転による排熱回収制御を続行し、貯湯量が所定量以上でない場合には、循環ポンプ33、34の作動を開始して、貯湯タンク21を貯湯する制御状態に戻る。
次に、本発明システムの別実施形態について説明する。
〈1〉上記各実施形態において、発電ユニット10が強制運転を開始すると、排熱回収制御装置32は、発電制御装置15から発電ユニット10が強制運転状態である旨の状態信号を受け取り、上述の通りの排熱回収制御を行う場合を説明したが、排熱回収制御装置32が、上記排熱回収制御に加えて、どのように排熱回収制御を行っているかを利用者に報知する構成も好ましい実施形態である。具体的には、排熱回収制御装置32が、排熱回収制御の状態を示す報知信号を、排熱利用給湯暖房ユニット20のリモコン装置等の所定の出力端末39(図1〜図5参照)に出力する。報知信号は、発電ユニット10が強制運転中である旨の情報と、排熱回収制御下にある給湯負荷50或いは暖房端末51を特定する情報を含む。出力端末39は、当該報知信号を受け付けると、当該報知信号に基づいて、出力端末39の表示画面上に、所定の暖房端末51の運転或いは浴槽70の自動給湯が開始される旨の表示を行う。また、上記表示に代えて、或いは、追加して、音声による同様の通知を行うようにしてもよい。
〈2〉上記第1、第3及び第4実施形態では、発電ユニット10が強制運転時における排熱回収制御対象となる暖房端末51が1台である場合を想定して説明したが、例えば、図6に示すように、排熱回収制御対象となる暖房端末51は複数であって、個別に運転制御可能な構成であるのも好ましい。この場合、複数の暖房端末51に対して運転順序の優先順位を予め設定しておくのが好ましい。また、暖房端末51毎に、排熱回収制御の対象となり得るか否かの設定を可能として、不用意に運転状態となるのが不都合な暖房端末51において、上記排熱回収制御対象となるのを予め禁止できる構成とするのも好ましい。
排熱回収制御対象となる暖房端末51が複数の場合に、1台の暖房端末51の運転では、排熱回収が十分でない場合に、2台、3台と排熱回収制御対象となる暖房端末51の台数を増やす制御を行うようにしてもよい。
〈3〉上記各実施形態では、発電ユニット10の強制運転は、操作スイッチ49を利用者が手動操作することにより発生する強制運転信号が発電ユニット10の発電制御装置15に入力され起動される場合を説明したが、発電ユニット10の強制運転の起動は、利用者の手動操作によらずに、系統停電を検知して自動的に起動可能に構成するのも好ましい実施形態である。この場合、発電制御装置15は、第1分電盤40に設けられた電流トランス45の検出信号によって系統停電を検出して、自動的に発電ユニット10の強制運転を行う。ここで、系統停電を検出してから発電ユニット10の強制運転を開始するまでに所定の遅延時間(例えば、1〜5分程度)を設けることで、当該遅延時間未満の短い停電に対して、発電ユニット10の強制運転が開始するのを防止できる。発電ユニット10の強制運転開始後の動作は、上記各実施形態と同様である。
〈4〉上記各実施形態で説明した排熱利用給湯暖房ユニット20の各配管や熱交換器等の回路構成は、一例であり、上記各実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、第1、第3及び第4実施形態において、系統正常時における暖房端末51への熱供給を、貯湯タンク21に貯湯された温水を利用する実施形態としても構わない。この場合は、例えば、暖房出力循環配管26は、暖房熱交換器27を介して貯湯タンク21の上部と下部を連絡する配管で、貯湯タンク21の温水を循環させる循環回路が構成される。或いは、暖房出力循環配管26を設けずに、暖房熱交換器27を貯湯タンク21内に設置しても構わない。更に、暖房端末循環配管29に都市ガス等を燃料とする給湯器等の補助熱源を設けても構わない。
更に、第1、第3及び第4実施形態において、系統正常時における暖房端末51への熱供給を、都市ガス等を燃料とする給湯器等の別熱源によるものとしても構わない。この場合には、暖房出力循環配管26と暖房熱交換器27は設けずに、暖房端末循環配管29を別熱源に直接接続する構成となる。
更に、第1、第3及び第4実施形態において、暖房端末循環配管29と暖房端末分岐配管30の接続個所は、暖房端末循環配管29の復路の途中に介装された開閉弁36の上流側と下流側に限定されるものではない。例えば、暖房端末循環配管29の往路と復路に夫々三方弁を設けて、暖房端末分岐配管30を、三方弁37と暖房端末循環配管29の復路上の三方弁の間と、三方弁38と暖房端末循環配管29の往路上の三方弁の間に夫々配して構成する。また、暖房端末分岐配管30を、直接、暖房端末循環配管29に接続するのではなく、途中に熱交換器を介して接続するようにしても構わない。
〈5〉上記第2乃至第4実施形態において、風呂給湯分岐配管71、浴槽循環配管74、循環ポンプ75、開閉弁76、及び、三方弁77、78等を排熱利用給湯暖房ユニット20側の設備として説明したが、これは、給湯負荷50側の設備として捉えても構わない。
また、上記第2乃至第4実施形態において、風呂給湯分岐配管71、浴槽循環配管74、循環ポンプ75、開閉弁76、及び、三方弁77、78等を排熱利用給湯暖房ユニット20側の設備として説明したので、風呂制御装置52を排熱利用給湯暖房ユニット20側に設け、例えば、排熱回収制御装置32と一体で構成しても構わない。
〈6〉上記各実施形態で説明した発電ユニット10の構成は、一例であり、上記各実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、発電ユニット10はガスエンジン11によって駆動される発電機12を具備する構成ではなく、燃料電池を備えた構成であっても構わない。
〈7〉上記各実施形態で説明した発電ユニット10と商用交流電源60と電力負荷61,62との接続関係、及び、系統正常時と系統停電時の接続関係の切り替えは、一例であり、上記各実施形態に限定されるものではない。
〈8〉上記各実施形態では、系統停電時において、発電ユニット10を商用交流電源60と切り離して強制運転する場合を想定して説明したが、発電ユニット10の強制運転は、必ずしも系統停電時に限定されるものではない。例えば、系統正常時において、発電ユニット10と商用交流電源60間の系統連系接続を切り離して、発電ユニット10を強制運転するようにしても構わない。
〈9〉上記各実施形態では、発電ユニット10に排熱を大気放熱するための放熱器を備えていない熱電併給システムを想定して説明したが、当該放熱器を備えた場合についても、本発明システムは有効に機能する。即ち、当該放熱器を複数の排熱回収手段の1つとして捉え、例えば、当該放熱器の動作の優先順位を、他の排熱回収手段(貯湯タンク21の貯湯、風呂の浴槽70への自動給湯、暖房端末51の強制運転、等)に対して、設定することで、当該放熱器より優先順位の高い他の排熱回収手段による排熱回収が不可能となった場合に、当該放熱器を作動させる制御を行えばよい。