JP4465168B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
前記運転制御手段は、現在要求されている現電力負荷を賄えるように、前記熱電併給装置の出力を調整する電力負荷追従運転を行うように構成されているコージェネレーションシステムに関する。
すなわち、例えば、冬季などのように、現電力負荷が小さくて、現熱負荷が大きい場合に、運転制御手段が電力負荷追従運転を行うと、熱電併給装置から出力される熱は小さいので、現熱負荷を賄うことができず、熱不足状態が発生することになる。
また、例えば、夏季などのように、現電力負荷が大きくて、現熱負荷が小さい場合に、運転制御手段が電力負荷追従運転を行うと、熱電併給装置から出力される熱は大きいので、現熱負荷に対して熱が余り、熱余り状態が発生することになる。
また、熱余り状態が発生すると、現熱負荷に対して余った熱が貯湯タンクに溜められるが、その貯湯タンクに溜められた熱は、使用されずにただ放熱するだけとなって、システムの効率が低下することになる。
前記運転制御手段は、現在要求されている現電力負荷を賄えるように、前記熱電併給装置の出力を調整する電力負荷追従運転を行うように構成されているコージェネレーションシステムであって、
前記運転制御手段は、電力負荷及び熱負荷を計測して記憶することにより、時系列的な電力負荷、及び、時系列的な熱負荷を管理するように構成され、かつ、管理している前記時系列的な電力負荷に基づいて予測される時系列的な電力負荷に対して前記電力負荷追従運転を行うことを想定したときに出力される熱では管理している前記時系列的な熱負荷に基づいて予測される時系列的な熱負荷に対して熱が不足する熱不足状態が予測される場合には、熱不足状態が予測される時間帯以前の所定の出力上昇対象時間帯において、現電力負荷を賄えるようにする前記電力負荷追従運転に代えて、現電力負荷よりも大きい出力側に前記熱電併給装置の出力を調整する出力上昇運転を行うように構成され、且つ、
前記予測される時系列的な電力負荷に対して前記電力負荷追従運転を行うことにより前記熱不足が予測されても、前記出力上昇対象時間帯において前記出力上昇運転を行うことにより前記予測される時系列的な熱負荷に対して熱が余る熱余り状態となる時間帯が予測される場合には、前記出力上昇対象時間帯において前記出力上昇運転を行うことを禁止するように構成されている点にある。
そして、運転制御手段は、時系列的な電力負荷に対して電力負荷追従運転を行うことにより時系列的な熱負荷に対して熱が不足する熱不足状態が予測される場合には、所定の出力上昇対象時間帯において出力上昇運転を行うので、電力負荷追従運転を行うよりも大きい熱を出力することができることになる。
したがって、出力上昇運転を行うことによって出力された大きい熱にて時系列的な熱負荷を賄うことができることになるので、熱不足状態の発生を抑制することができることになる。
前記運転制御手段は、現在要求されている現電力負荷を賄えるように、前記熱電併給装置の出力を調整する電力負荷追従運転を行うように構成されているコージェネレーションシステムであって、
前記運転制御手段は、電力負荷及び熱負荷を計測して記憶することにより、時系列的な電力負荷、及び、時系列的な熱負荷を管理するように構成され、かつ、管理している前記時系列的な電力負荷に基づいて予測される時系列的な電力負荷に対して前記電力負荷追従運転を行うことを想定したときに出力される熱では管理している前記時系列的な熱負荷に基づいて予測される時系列的な熱負荷に対して熱が余る熱余り状態が予測される場合には、熱余り状態が予測される時間帯以前の所定の出力下降対象時間帯において、現電力負荷を賄えるようにする前記電力負荷追従運転に代えて、現電力負荷よりも小さい出力側に前記熱電併給装置の出力を調整する出力下降運転を行うように構成され、且つ、
前記予測される時系列的な電力負荷に対して前記電力負荷追従運転を行うことにより前記熱余りが予測されても、前記出力下降対象時間帯において前記出力下降運転を行うことにより前記予測される時系列的な熱負荷に対して熱が不足する熱不足状態となる時間帯が予測される場合には、前記出力下降対象時間帯において前記出力下降運転を行うことを禁止するように構成されている点にある。
そして、運転制御手段は、時系列的な電力負荷に対して電力負荷追従運転を行うことにより時系列的な熱負荷に対して熱が余る熱余り状態が予測される場合には、所定の出力下降昇対象時間帯において出力下降運転を行うので、電力負荷追従運転を行うよりも小さい熱を出力することができることになる。
したがって、出力下降運転を行うことによって、時系列的な熱負荷に対して余剰に熱を出力することを防止できることになるので、熱余り状態の発生を抑制することができることになる。
したがって、現電力負荷を賄える出力を極力過不足なく出力することができることとなって、現電力負荷を的確に賄えることができることになる。
〔参考の第1実施形態〕
このコージェネレーションシステムは、図1及び図2に示すように、熱電併給装置としての燃料電池1と、その燃料電池1にて出力される熱を冷却水にて回収し、その冷却水を利用して、貯湯タンク2への貯湯及び熱消費端末3への熱媒供給を行う貯湯ユニット4と、燃料電池1及び貯湯ユニット4の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部5などから構成されている。
前記商用系統7は、例えば、単相3線式100/200Vであり、商業用電力供給ライン8を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷9に電気的に接続されている。
また、インバータ6は、コージェネ用供給ライン10を介して商業用電力供給ライン8に電気的に接続され、燃料電池1からの発電電力がインバータ6及びコージェネ用供給ライン10を介して電力負荷9に供給するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ6により燃料電池1から商業用電力供給ライン8に供給される電力が制御され、発電電力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ12に供給されるように構成されている。
また、作動スイッチ14は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ12の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ12の消費電力を調整するように構成されている。
そして、三方弁18を切り換えることにより、貯湯タンク2の下部から取り出した湯水がラジエター19を通過するように循環させる状態と、貯湯タンク2の下部から取り出した湯水がラジエター19をバイパスするように循環させる状態とに切り換えるように構成されている。
前記熱源用熱交換器25においては、燃料電池1にて出力される熱を回収した冷却水循環路15の冷却水を通流させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
そして、補助加熱手段Mが、ファン27、バーナ28、補助加熱用熱交換器29により構成されている。
また、熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁40が設けられている。
そして、分流弁30は、冷却水循環路15の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させたり、冷却水循環路15の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させることもできるように構成されている。
前記熱消費端末3は、床暖房装置や浴室暖房装置などの暖房端末にて構成されている。
したがって、貯湯タンク2では、貯湯タンク2の容量の範囲内で、燃料電池1の出力に応じて追加された湯水から、給湯用として取り出された湯水を差し引いた分の湯水が貯湯されていることになる。
前記運転制御部5は、現在要求されている現電力負荷を賄えるように、燃料電池1の出力を調整する電力負荷追従運転を行い、その電力負荷追従運転において、最小出力(例えば、250W)から最大出力(例えば、1kW)の範囲内で現電力負荷に応じて燃料電池1の出力を調整するように構成されている。
例えば、図3に示すように、現電力負荷が時間経過に伴って推移すると、現電力負荷よりもα(例えば、100W)だけ小さい出力にて、現電力負荷の推移に応じて燃料電池1の出力を調整するようにしている。
ちなみに、運転制御部5は、現電力負荷の設定時間帯(例えば、5分)の平均値に基づいて、燃料電池1の出力を変更するように構成されている。
また、運転制御部5は、時系列的な電力負荷に対して電力負荷追従運転を行うことにより時系列的な熱負荷に対して熱が余る熱余り状態が予測される場合には、所定の出力下降対象時間帯において、現電力負荷よりも小さい出力側に燃料電池1の出力を調整する出力下降運転を行うように構成されている。
また、熱余り状態とは、例えば、貯湯タンク2内に貯湯されている湯水が満杯であり、ラジエター19を作動させる状態や、熱媒供給運転中に燃料電池1から出力される熱が熱消費端末3で要求されている端末熱負荷よりも大きくて、貯湯タンク2内に貯湯されている湯水が満杯であり、ラジエター19を作動させる状態である。
前記運転制御部5は、例えば、設定周期を1日とし、設定時間帯を1時間とし、熱負荷を給湯熱負荷と端末熱負荷として、設定時間帯当たりの実電力負荷、実給湯熱負荷、及び、実端末熱負荷の夫々を、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測する。
そして、運転制御部5は、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測された値を記憶することにより、時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷を設定周期内において設定時間帯ごとに管理するように構成されている。
また、運転制御部5は、実際の使用状況に応じて時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷を更新する場合には、電力負荷計測手段11及びインバータ6の出力値、給湯熱負荷計測手段31、及び、端末熱負荷計測手段32にて計測された値と、既に記憶されている値とを所定の割合で足し合わせ、その足し合わせた値を記憶するように構成されている。
前記運転制御部5は、管理している時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷に基づいて、設定周期内において設定時間帯ごとの時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷を予測するように構成されている。
例えば、設定周期が1日で、設定時間帯が1時間である場合を例に挙げて説明を加えると、図4に示すように、1日のうちのどの時間帯にどれだけの電力負荷及び熱負荷があるかを予測するようにしている。
そして、運転制御部5は、予測された時系列的な電力負荷を賄うように、電力負荷追従運転を行うことを想定して、燃料電池1から出力される熱では予測された時系列的な熱負荷に対して熱が不足する設定時間帯を熱不足状態が予測される設定時間帯と特定し、燃料電池1から出力される熱では予測された時系列的な熱負荷に対して熱が余る設定時間帯を熱余り状態が予測される設定時間帯と特定するようにしている。
そして、図4に示すものでは、20時から22時までの設定時間帯が、熱不足状態が予測される設定時間帯T1と特定し、7時から12時までの設定時間帯及び13時から18時までの設定時間帯が、熱余り状態が予測される設定時間帯T2と特定している。
そして、先行して貯湯タンク2に溜めることができる熱分が不足する熱分に達するまで、出力上昇対象時間帯の選択を繰り返し、時系列的な熱負荷に対して不足する熱分を先行して貯湯タンク2に溜めることができるように、出力上昇対象時間帯として、ひとつ又は複数の設定時間帯を選択するようにしている。
説明を加えると、運転制御部5は、図5の(ロ)に示すように、現電力負荷が時間経過に伴って推移すると、熱余り状態が予測される設定時間帯T2以外の時間帯においては、現電力負荷を賄うように、燃料電池1の出力を調整し、熱余り状態が予測される設定時間帯T2を出力下降対象時間帯とし、その出力下降対象時間帯においては、現電力負荷にかかわらず、燃料電池1の出力を最小出力に調整するように構成されている。
そして、運転制御部5が、過去積算値と実積算値とを比較することにより、出力上昇運転及び出力下降運転を行うか否かなどの判別を行うように構成されている。
また、運転制御部5は、過去積算値と実積算値との偏差が設定範囲外でありかつ実積算値の方が過去積算値よりも許容値以上大きい場合には、予測されている時間帯よりも前倒しで熱負荷があったとして、選択設定時間帯T3であっても出力上昇運転を行うことを禁止し、熱余り状態が予測される設定時間帯T2等の出力下降対象時間帯についてはそれを所定期間延長するように構成されている。
まず、過去積算値と実積算値との偏差が設定範囲内であり、かつ、選択設定時間帯T3又は過去積算値と実積算値との比に基づいて選択設定時間帯T3を遅らせた設定時間帯等の出力上昇対象時間帯となると、出力上昇運転用条件を満たしているとして、出力上昇運転を行う(ステップ1,2)。
また、過去積算値と実積算値との偏差が設定範囲内であり、かつ、熱余り状態が予測される設定時間帯T2又は過去積算値と実積算値との比に基づいて熱余り状態が予測される設定時間帯T2を遅らせた設定時間帯等の出力下降対象時間帯となると、出力下降運転用条件を満たしているとして、出力下降運転を行う(ステップ3,4)。
そして、出力上昇運転用条件及び出力下降運転用条件の何れの条件も満たしていなければ、電力負荷追従運転を行う(ステップ1,3,5)。
前記貯湯運転は、燃料電池1の運転中で冷却水循環ポンプ15の作動により、排熱式熱交換器24において、冷却水循環路13を通流する冷却水にて湯水循環路16を通流する湯水を加熱させることができる状態で行われる。
そして、貯湯タンク2の下部から取り出した湯水がラジエター19をバイパスするように循環させる状態に三方弁18を切り換えて、湯水循環ポンプ17を作動させて、貯湯タンク2の下部から湯水を湯水循環路16に取出し、その湯水を排熱式熱交換器24を通過させて加熱したのち、貯湯タンク2の上部に戻して、貯湯タンク2内に貯湯用設定温度の湯水を貯湯するようにしている。
また、排熱式熱交換器24を通過した湯水の温度が貯湯設定温度になるように、貯湯弁29と断続弁30の開度を調整するように構成されている。
また、燃料電池1からの冷却水だけでは熱消費端末3で要求されている現端末熱負荷を賄えない場合や、燃料電池1の非運転中の場合には、補助加熱手段Mを加熱状態で作動させることにより、補助加熱用熱交換器29において熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
この参考の第2実施形態は、参考の第1実施形態における出力上昇運転及び出力下降運転についての別実施形態を示すものであるので、その点を中心に説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記参考の第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
そして、運転制御部5は、熱不足状態が予測される設定時間帯T1を出力上昇対象時間帯とし、その出力上昇対象時間帯においては、出力上昇用基準値よりも現電力負荷が大きい場合には、出力上昇運転として燃料電池1の出力を最大出力に調整し、出力上昇用基準値よりも現電力負荷が小さい場合には、現電力負荷よりもα(例えば、100W)だけ小さい出力になるように、燃料電池1の出力を調整するように構成されている。
そして、運転制御部5は、熱余り状態が予測される設定時間帯T2を出力下降対象時間帯とし、その出力下降対象時間帯においては、出力下降用基準値よりも現電力負荷が大きい場合には、現電力負荷よりもα(例えば、100W)だけ小さい出力になるように、燃料電池1の出力を調整し、出力下降用基準値よりも現電力負荷が小さい場合には、出力下降運転として燃料電池1の出力を最小出力に調整するように構成されている。
この参考の第3実施形態は、参考の第1実施形態における出力上昇運転及び出力下降運転についての別実施形態を示すものであるので、その点を中心に説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記参考の第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
そして、運転制御部5は、熱不足状態が予測される設定時間帯T1を出力上昇対象時間帯とし、その出力上昇対象時間帯においては、出力上昇運転として、現電力負荷よりもα(例えば、100W)だけ小さい出力よりも上昇用設定量だけ大きい出力に燃料電池1の出力を調整するように構成されている。
そして、運転制御部5は、熱余り状態が予測される設定時間帯T2を出力下降対象時間帯とし、その出力下降対象時間帯においては、出力下降運転として、現電力負荷よりもα(例えば、100W)だけ小さい出力よりも下降用設定量だけ小さい出力に燃料電池1の出力を調整するように構成されている。
この参考の第4実施形態は、参考の第1実施形態における出力上昇運転及び出力下降運転についての別実施形態を示すものであるので、その点を中心に説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記参考の第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
そして、運転制御部5は、熱不足状態が予測される設定時間帯T1を、出力上昇対象時間帯とし、その出力上昇対象時間帯においては、現電力負荷にかかわらず、出力上昇運転として、燃料電池1の出力を上昇用設定出力に調整するように構成されている。
そして、運転制御部5は、熱余り状態が予測される設定時間帯T2を出力下降対象時間帯とし、その出力下降対象時間帯においては、現電力負荷にかかわらず、出力下降運転として、燃料電池1の出力を下降用設定出力に調整するように構成されている。
この参考の第5実施形態は、参考の第1実施形態における出力下降運転についての別実施形態を示すものであるので、その点を中心に説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記参考の第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
すなわち、運転制御部5は、使用者の就寝などによって、設定周期である1日のうちに、時系列的な電力負荷が停止用設定値よりも小さい設定時間帯が存在する場合には、その設定時間帯においては、燃料電池1の運転を行わず、それ以外の時間帯においては、現電力負荷が賄えるように、燃料電池1の出力を調整する電力負荷追従運転を行うように構成されている。
この参考の第6実施形態は、参考の第1実施形態における出力下降運転についての別実施形態を示すものであるので、その点を中心に説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記参考の第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
説明を加えると、運転制御部5は、例えば、夏など、熱負荷が極端に小さくなる場合には、設定周期である1日中、燃料電池1を運転させずに、熱余り状態の発生を的確に抑制するとともに、余剰電力の発生をも抑制するように構成されている。
この発明の実施形態は、参考の第1実施形態における、熱不足状態又は熱余り状態が予測される設定時間帯の特定、及び、出力上昇運転及び出力下降運転を行うタイミングとそれを行うか否かの判定についての別実施形態を示すものであるので、その点を中心に説明を加える。
ちなみに、その他の構成については、上記参考の第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
以下、その詳細な処理方法について、図10〜図17に基づいて説明する。
なお、図10〜図12は、本実施形態の処理フローを示す図であり、図13〜図17において、(イ)は、各設定時間帯(i)における貯湯タンク2に貯えられるべき熱量(以下、「予測貯熱量」と呼ぶ。)の演算条件としての各設定時間帯(i)における燃料電池1の出力F(i)を示す図、及び、(ロ)は、その演算条件下での演算結果である各設定時間帯(i)における予測貯熱量T(i)を示す図である。なお、図13〜図17において、設定時間帯(i=0)に相当する貯熱量T(0)は、現時点で貯湯タンク2に貯えられている熱量を示すものである。
次に、運転制御手段5は、最早の設定時間帯(i=1)から順に選択する状態で、各設定時間帯(i)において、前の設定時間帯(i−1)が経過したときに貯湯タンク2に貯えられている熱量(最早の設定時間帯(i=1)においては現在貯湯タンク2に貯えられている熱量)に上記のように求めた追加熱量を加えた熱量を、上記予測貯熱量T(i)として求めるのである。
また、各設定時間帯(i)において貯湯タンク2に使用可能な状態で有効に貯えられる熱量(以下、「有効貯熱量」と呼ぶ。)T’(i)は、上記予測貯熱量T(i)が貯湯タンク2に貯えることができる最小貯熱量tmin以上且つ最大貯熱量tmax以下の範囲内であれば、予測貯熱量T(i)とされるが、その予測貯熱量T(i)が貯湯タンク2に貯えることができる最大貯熱量tmaxを超える場合には最大貯熱量tmaxとされ、その予測貯熱量が貯湯タンク2に貯えるべき最小貯熱量tminを下回る場合には最小貯熱量tminとされる。
図13(イ)に示すように、各設定時間帯(i)における燃料電池1の出力F(i)を電力負荷追従運転時に設定される出力fとする条件で、各設定時間帯(i)における予測貯熱量T(i)を求めた結果、図13(ロ)に示すように、各設定時間帯(i)において予測貯熱量T(i)が、最小貯熱量tmin以上且つ最大貯熱量tmax以下の範囲内となる場合、即ち、熱余り状態及び熱不足状態にならない場合には、最早の設定時間帯(i=1)において電力追従運転を行うように決定されるのである。
運転制御部5は、出力下降運転判定処理において、先ず、最早の設定時間帯(i=1)における燃料電池1の出力F(1)を出力下降運転時に設定される出力fminとし、その他の設定時間帯(i=2〜24)における燃料電池1の出力F(i=2〜24)を電力負荷追従運転時に設定される出力fとする条件で、各設定時間帯(i)における予測貯熱量T(i)を求める(ステップ101)。
そして、このように求めた予測貯熱量T(i)を参照して、最早の設定時間帯(i=1)において出力下降運転を行った場合に、熱不足状態となるか否かを判定し(ステップ102)、熱不足状態とならない場合には、最早の設定時間帯(i=1)において出力下降運転を行うことを決定し(ステップ103)、一方、熱不足状態となる場合には、最早の設定時間帯(i=1)において出力下降運転を行うことを禁止して電力追従運転を行うことを決定する(ステップ104)。
図14(イ)に示すように、各設定時間帯(i)における燃料電池1の出力F(i)を電力負荷追従運転時に設定される出力fとする条件で、各設定時間帯(i)における予測貯熱量T(i)を求めた結果、図14(ロ)に示す設定時間帯(i=17)の貯熱量T(17)のように、先に熱余り状態となる場合に、出力下降運転判定処理が行われる。
そして、出力下降運転判定処理において、図15(イ)に示すように、最早の設定時間帯(i=1)における燃料電池1の出力F(i)を出力下降運転時に設定される出力fminとする条件で、各設定時間帯(i)における予測貯熱量T(i)を求めた結果、図15(ロ)に示す設定時間帯(i=19,20)の貯熱量T(19),T(20)のように、熱不足状態となる場合には、最早の設定時間帯(i=1)においては、出力下降運転を行うことを禁止して、電力追従運転を行うように決定されるのである。
運転制御部5は、出力上昇運転判定処理において、最早の設定時間帯(i=1)から電力追従運転を行った場合に熱不足状態となった設定時間帯(i=emp)までの燃料電池1の出力F(1〜emp)を出力上昇運転時に設定される出力fmaxとし、その他の設定時間帯(i=emp+1〜24)における燃料電池1の出力F(emp+1〜24)を電力負荷追従運転時に設定される出力fとする条件で、各設定時間帯(i)における予測貯熱量T(i)を求める(ステップ201)。
そして、このように求めた予測貯熱量T(i)を参照して、最早の設定時間帯(i=1)から電力追従運転を行った場合に熱不足状態となった設定時間帯(i=emp)まで出力上昇運転を行った場合に熱余り状態となる設定時間帯が、各設定時間帯(i)において電力追従運転を行った場合に熱不足状態となった設定時間帯(i=emp)の前にあるか否かを判定する(ステップ202)。
そして、設定時間帯(i=1〜emp)において出力上昇運転を行った場合に熱余り状態となる設定時間帯が熱不足状態であった設定時間帯(i=emp)の前にない場合には、最早の設定時間帯(i=1)において出力上昇運転を行うことを決定し(ステップ203)、一方、設定時間帯(i=1〜emp)において出力上昇運転を行った場合に熱余り状態となる設定時間帯が熱不足状態であった設定時間帯(i=emp)の前にある場合には、最早の設定時間帯(i=1)において電力追従運転を行うことを決定する(ステップ204)。
図16(イ)に示すように、各設定時間帯(i)における燃料電池1の出力F(i)を電力負荷追従運転時に設定される出力fとする条件で、各設定時間帯(i)における予測貯熱量T(i)を求めた結果、図16(ロ)に示す設定時間帯(i=19,20)の貯熱量T(19),T(20)のように、先に熱不足状態となる場合に、出力上昇運転判定処理が行われる。
そして、出力上昇運転判定処理において、図17(イ)に示すように、最早の設定時間帯(i=1)から各設定時間帯(i)で電力追従運転を行った場合に熱不足状態となった設定時間帯(i=19)までの燃料電池1の出力F(1)〜F(19)を出力上昇運転時に設定される出力fmaxとする条件で、各設定時間帯(i)における予測貯熱量T(i)を求めた結果、図17(ロ)に示す設定時間帯(i=5)の貯熱量T(5)等のように、設定時間帯(i=1〜19)において出力上昇運転を行った場合に熱余り状態となる設定時間帯(i=5)が熱不足状態であった設定時間帯(i=19)の前にある場合には、最早の設定時間帯(i=1)においては、出力上昇運転を行うことを禁止して、電力追従運転を行うように決定されるのである。
また、本実施形態において、出力下降運転時に設定される燃料電池1の出力fminは、第1実施形態のように、燃料電池1の最小出力とすることができるが、別に、第3実施形態のように、各設定時間帯(i)で電力追従運転を行った場合に余る熱分に応じて設定された下降用設定量だけ電力追従運転時の現電力負荷よりも大きい出力とすることもできる。
(1)上記参考の第1〜第6実施形態及び発明の実施形態では、運転制御部5が、設定周期内において設定時間帯ごとの時系列的な電力負荷及び時系列的な熱負荷を予測して、熱不足状態が予測される設定時間帯及び熱余り状態が予測される設定時間帯を特定するようにしているが、熱不足状態や熱余り状態を特定する構成については、適宜変更が可能である。
そして、運転制御部5が、設定周期(例えば、1日)内においてラジエター19における放熱量を積算し、その積算値が設定値以上となることにより、設定周期内において熱余り状態を予測することができ、この場合には、設定周期中、出力下降運転を行うことになる。
そして、この場合には、例えば、6時間や12時間の一定時間を設定時間帯と設定したり、深夜時間帯(0時〜6時)、朝時間帯(6時〜11時)、昼時間帯(11時〜17時)、夜時間帯(17時〜24時)などのように、異なる長さの時間帯を設定時間帯と設定することが可能である。
ちなみに、この場合には、補助加熱手段Mを作動した状態での給湯量やラジエター19における放熱量が時系列的な熱負荷となり、設定周期内の現電力負荷の推移が時系列的な電力負荷となる。
例えば、設定周期については、1週間を設定周期と設定することも可能であり、設定時間帯についても、6時間や12時間の一定時間を設定時間帯と設定したり、深夜時間帯(0時〜6時)、朝時間帯(6時〜11時)、昼時間帯(11時〜17時)、夜時間帯(17時〜24時)などのように、異なる長さの時間帯を設定時間帯と設定することが可能である。
また、前記運転制御部5は、電力負荷追従運転における燃料電池1の出力の調整範囲は、最小出力から最大出力の範囲内とするのではなく、下限又は上限を、上記最小出力と最大出力との間の所定の出力とするように、制限を与えても構わない。
また、何れの構成においても、ラジエター19の設置位置を冷却水循環路13の流路中としてもよい。
2:貯湯タンク
5:運転制御手段
M:補助加熱手段
Claims (4)
- 電力と熱とを出力してその出力を調整可能な熱電併給装置と、その熱電併給装置から出力される熱にて加熱された湯水を貯湯する貯湯タンクと、運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
前記運転制御手段は、現在要求されている現電力負荷を賄えるように、前記熱電併給装置の出力を調整する電力負荷追従運転を行うように構成されているコージェネレーションシステムであって、
前記運転制御手段は、電力負荷及び熱負荷を計測して記憶することにより、時系列的な電力負荷、及び、時系列的な熱負荷を管理するように構成され、かつ、管理している前記時系列的な電力負荷に基づいて予測される時系列的な電力負荷に対して前記電力負荷追従運転を行うことを想定したときに出力される熱では管理している前記時系列的な熱負荷に基づいて予測される時系列的な熱負荷に対して熱が不足する熱不足状態が予測される場合には、熱不足状態が予測される時間帯以前の所定の出力上昇対象時間帯において、現電力負荷を賄えるようにする前記電力負荷追従運転に代えて、現電力負荷よりも大きい出力側に前記熱電併給装置の出力を調整する出力上昇運転を行うように構成され、且つ、
前記予測される時系列的な電力負荷に対して前記電力負荷追従運転を行うことにより前記熱不足が予測されても、前記出力上昇対象時間帯において前記出力上昇運転を行うことにより前記予測される時系列的な熱負荷に対して熱が余る熱余り状態となる時間帯が予測される場合には、前記出力上昇対象時間帯において前記出力上昇運転を行うことを禁止するように構成されているコージェネレーションシステム。 - 電力と熱とを出力してその出力を調整可能な熱電併給装置と、その熱電併給装置から出力される熱にて加熱された湯水を貯湯する貯湯タンクと、運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
前記運転制御手段は、現在要求されている現電力負荷を賄えるように、前記熱電併給装置の出力を調整する電力負荷追従運転を行うように構成されているコージェネレーションシステムであって、
前記運転制御手段は、電力負荷及び熱負荷を計測して記憶することにより、時系列的な電力負荷、及び、時系列的な熱負荷を管理するように構成され、かつ、管理している前記時系列的な電力負荷に基づいて予測される時系列的な電力負荷に対して前記電力負荷追従運転を行うことを想定したときに出力される熱では管理している前記時系列的な熱負荷に基づいて予測される時系列的な熱負荷に対して熱が余る熱余り状態が予測される場合には、熱余り状態が予測される時間帯以前の所定の出力下降対象時間帯において、現電力負荷を賄えるようにする前記電力負荷追従運転に代えて、現電力負荷よりも小さい出力側に前記熱電併給装置の出力を調整する出力下降運転を行うように構成され、且つ、
前記予測される時系列的な電力負荷に対して前記電力負荷追従運転を行うことにより前記熱余りが予測されても、前記出力下降対象時間帯において前記出力下降運転を行うことにより前記予測される時系列的な熱負荷に対して熱が不足する熱不足状態となる時間帯が予測される場合には、前記出力下降対象時間帯において前記出力下降運転を行うことを禁止するように構成されているコージェネレーションシステム。 - 前記運転制御手段は、時系列的な電力負荷、及び、時系列的な熱負荷を設定周期内において設定時間帯ごとに管理するように構成され、前記設定周期が1日に設定されている請求項1又は2に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段は、前記電力負荷追従運転において、最小出力から最大出力の範囲内で現電力負荷に応じて前記熱電併給装置の出力を調整するように構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載のコージェネレーションシステム。
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