JP4136916B2 - 熱源システム - Google Patents
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その貯湯手段の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
その運転制御手段が、前記貯湯タンクの湯水を浴槽に供給する湯張りが実際に行われた実湯張り時刻を蓄積した蓄積実湯張り時刻データに基づいて予測湯張り時刻を求めて、その予測湯張り時刻よりも設定余裕時間前に前記貯湯タンクの蓄熱量が目標蓄熱量となるように前記貯湯手段の運転を制御するように構成された熱源システムに関する。
又、前記特許文献1には、明確には記載されていないが、前記設定余裕時間は一定の値に固定的に設定されていると考えられる。
そして、予測湯張り時刻を求めるための蓄積実湯張り時刻データに、前述のように通常の湯張り発生時間範囲からずれたデータが含まれる場合、そのデータに基づいて求められた予測湯張り時間は通常の湯張り発生時間範囲からずれることになる。
そして、予測当日実湯張り時刻が予測湯張り時刻に対して時間的に後の方にずれた場合は、貯湯タンクに目標蓄熱量又はそれに近い蓄熱量にて貯湯された状態で放置される時間が長くなるので、放熱ロスが大きくなってエネルギー効率が低下することになり、逆に、予測当日実湯張り時刻が予測湯張り時刻に対して時間的に前の方にずれた場合は、実際に湯張りが行われるときには、貯湯タンクに未だ目標蓄熱量にて湯が貯湯されていない状態になって、湯が不足して適切に湯張りを行えない場合が生じ得ることになる。
しかしながら、従来では、設定余裕時間が一定であるため、湯張り発生時間範囲の広さが異なることにより、以下に説明するように、エネルギー効率が低下する問題や、適切に湯張りを行えない場合が生じ得るという問題が発生していた。
一方、湯張り発生時間範囲が狭い場合に、貯湯タンクに目標蓄熱量又はそれに近い蓄熱量にて貯湯された状態で放置される時間が長くなってエネルギー効率が低下するのを抑制するために、設定余裕時間を短く設定すると、湯張り発生時間範囲が広い場合には、湯張り時には未だ貯湯タンクに目標蓄熱量にて湯が貯湯されていない状態になって、湯が不足して適切に湯張りを行うことができなくなる場合が生じ得ることになる。
その貯湯手段の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
その運転制御手段が、前記貯湯タンクの湯水を浴槽に供給する湯張りが実際に行われた実湯張り時刻を蓄積した蓄積実湯張り時刻データに基づいて予測湯張り時刻を求めて、その予測湯張り時刻よりも設定余裕時間前に前記貯湯タンクの蓄熱量が目標蓄熱量となるように前記貯湯手段の運転を制御するように構成されたものであって、
第1特徴構成は、前記運転制御手段が、前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて、前記予測湯張り時刻の許容範囲を設定して、前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻が前記許容範囲外のときは、その予測湯張り時刻を前記許容範囲に近づけるべく補正するように構成されている点を特徴とする。
そして、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻が許容範囲外のときは、その予測湯張り時刻を許容範囲に近づけるべく補正するので、予測湯張り時刻とその予測当日に実際に湯張りが行われた予測当日実湯張り時刻とのズレを小さくすることが可能になる。
例えば、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻が許容範囲よりも時間的に前の方にずれたときは、その予測湯張り時刻をそのまま用いると、貯湯タンクに目標蓄熱量又はそれに近い蓄熱量にて貯湯された状態で放置される時間が長くなる虞があるが、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻を許容範囲に近づけるべく時間的に後の方に補正するので、貯湯タンクに目標蓄熱量又はそれに近い蓄熱量にて貯湯された状態で放置される時間を短くすることが可能になって、エネルギー効率を向上することが可能になる。
又、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻が許容範囲よりも時間的に後の方にずれたときは、その予測湯張り時刻をそのまま用いると、湯張り時には未だ貯湯タンクに目標蓄熱量にて湯が貯湯されていない状態に成り得るのであるが、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻を許容範囲に近づけるべく時間的に前の方に補正するので、湯張り時には貯湯タンクに目標蓄熱量にて湯が貯湯されているようにすることが可能になって、適切に湯張りを行うことが可能になる。
前記運転制御手段が、前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて、湯張りが発生する確率が設定確率となる時間範囲を実湯張り時刻の平均値を中央にして求めて、その求めた時間範囲を前記許容範囲として設定するように構成されている点を特徴とする。
つまり、許容範囲を、蓄積実湯張り時刻データに基づいて、実湯張り時刻の平均値を中央にして、湯張りが発生する確率が設定確率となる時間範囲に設定するので、蓄積実湯張り時刻データにおける実湯張り時刻の分布が、正規分布又はそれに近い分布になっているときは勿論のこと、発生頻度の高い実湯張り時刻が実湯張り時刻の分布時間範囲の一方側に偏った分布になっていても、許容範囲を、熱源システムの設置箇所において湯張りが行われる確率が高いと予測される時間範囲に設定することが可能になる。
従って、予測湯張り時刻と予測当日実湯張り時刻とのズレをより小さくする上で好適な手段を得ることができた。
前記運転制御手段が、前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻が前記許容範囲外のときは、前記予測湯張り時刻を前記許容範囲における前記予測湯張り時刻に近い方の限界値に補正するように構成されている点を特徴とする。
つまり、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻が許容範囲外のときに、予測湯張り時刻を許容範囲に近づけるべく補正するにしても、許容範囲における予測湯張り時刻に近い方の限界値に補正するようにすると、その限界値は許容範囲を設定するために既に求められたものであるので、予測湯張り時刻を補正するための演算処理が不要になって、制御構成を簡略化することが可能になる。
ちなみに、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻を、許容範囲に近づける状態で許容範囲外の時刻に補正する場合や、許容範囲の限界値よりも許容範囲中央側の時刻に補正する場合が考えられるが、それらの場合は、予測湯張り時刻を補正するための演算処理が必要になり、制御構成が複雑化する。
従って、予測湯張り時刻を補正するための制御構成を簡略化する上で好適な手段を得ることができた。
前記運転制御手段が、前記蓄積実湯張り時刻データにおける前記実湯張り時刻の分布範囲、前記予測湯張り時刻を蓄積した蓄積予測湯張り時刻データにおける前記予測湯張り時刻の分布範囲、又は、前記実湯張り時刻と前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻との時刻偏差を蓄積した蓄積時刻偏差データにおける前記時刻偏差の分布範囲に基づいて、前記設定余裕時間を前記分布範囲が狭いほど短く変更設定するように構成されている点を特徴とする。
又、蓄積予測湯張り時刻データにおける予測湯張り時刻の分布範囲が狭いということは、熱源システム設置箇所における湯張り発生時間範囲が狭いことを反映し、逆に、蓄積予測湯張り時刻データにおける予測湯張り時刻の分布範囲が広いということは、熱源システム設置箇所における湯張り発生時間範囲が広いことを反映している。
又、熱源システム設置箇所において日々の湯張りが比較的狭い時間範囲内で行われると、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻と予測当日実湯張り時刻とのズレの大きさのばらつきが小さくなり、逆に、熱源システム設置箇所において日々の湯張りが比較的広い時間範囲でばらついて行われると、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻と予測当日実湯張り時刻とのズレの大きさのばらつきが大きくなる。つまり、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻と予測当日実湯張り時刻との時刻偏差を蓄積した蓄積時刻偏差データにおいて、時刻偏差の分布範囲が狭いということは、熱源システム設置箇所における湯張り発生時間範囲が狭いことを反映し、逆に、蓄積時刻偏差データにおいて、時刻偏差の分布範囲が広いということは、熱源システム設置箇所における湯張り発生時間範囲が広いことを反映している。
即ち、湯張り発生時間範囲が狭い場合には、設定余裕時間を短く設定するので、湯張り時には未だ貯湯タンクに目標蓄熱量にて湯が貯湯されていない状態になるのを回避しながらも、貯湯タンクに目標蓄熱量又はそれに近い蓄熱量にて貯湯された状態で放置される時間を極力短くすることが可能になる。
又、湯張り発生時間範囲が広い場合には、設定余裕時間を長く設定するので、湯張りが行われる時刻が広い範囲にばらついても、貯湯タンクに目標蓄熱量又はそれに近い蓄熱量にて貯湯された状態で放置される時間を極力短くしながらも、湯張り時には未だ貯湯タンクに目標蓄熱量にて湯が貯湯されていない状態になるのを回避することが可能になる。
従って、エネルギー効率の向上を図りながらも、湯張りを適切に行い得る熱源システムを提供することができるようになった。
前記運転制御手段が、前記蓄積実湯張り時刻データにおける実湯張り時刻を設定重み付け条件にて重み付けして、前記予測湯張り時刻を求めるように構成されている点を特徴とする。
つまり、蓄積実湯張り時刻データには、曜日、季節、予測当日に対する時間間隔(前日、2日前等)等、種々の属性を持った日の実湯張り時刻が含まれており、そして、日の属性が異なると湯張り時刻が異なるのが通常である。
そこで、予測湯張り時刻を求めるに当たって、蓄積実湯張り時刻データにおける実湯張り時刻を夫々の属性に応じた設定重み付け条件にて重み付けして求めることにより、予測湯張り時刻を、予測当日に湯張りが行われる可能性がある時刻に極力近づけるように求めることが可能になる。
従って、予測湯張り時刻と予測当日実湯張り時刻とのズレをより小さくする上で好適な手段を得ることができた。
前記湯張りを指令する湯張り指令手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記湯張り指令手段にて前記湯張りが指令され且つその指令に基づく前記貯湯タンクから前記浴槽への湯水の供給量が設定供給量以上になると、前記湯張りが指令されたと判断するように構成されている点を特徴とする。
つまり、湯張り指令手段は、本来の湯張りの指令だけでなく、湯張り以外の浴槽への湯水の供給、例えば、浴槽の湯が少なくなったときに湯を補充する足し湯を指令するためにも用いられる場合があり、そして、そのような足し湯等の湯張り以外の浴槽への湯水の供給の場合、貯湯タンクから浴槽への湯水の供給量は湯張りの場合に比べて少ないものである。
そこで、湯張り指令手段にて湯張りが指令され且つその指令に基づく貯湯タンクから浴槽への湯水の供給量が設定供給量以上になると、湯張りが指令されたと判断するようにすることにより、湯張り指令手段が湯張り以外の浴槽への湯水供給の指令のための用いられても、それを湯張りの指令と判断しないようにして、蓄積実湯張り時刻データに、本来の湯張り時刻以外のデータが含まれるのを防止することが可能になる。
そして、そのような本来の湯張り時刻以外のデータが含まれていない蓄積実湯張り時刻データに基づいて、予測湯張り時刻を求めることができるので、予測湯張り時刻を熱源システム設置箇所における湯張り発生時間範囲に合わせて、適正に求めることが可能になる。
従って、予測湯張り時刻と予測当日実湯張り時刻とのズレをより小さくする上で好適な手段を得ることができた。
前記貯湯手段が、熱電併給装置から発生する熱にて前記貯湯タンクに貯湯するように構成されている点を特徴とする。
つまり、熱電併給装置を備えて、その熱電併給装置にて電力を発生するのに伴って発生する熱を利用するようにしたコジェネレーションシステムは、エネルギー効率の高いものである。
従って、コジェネレーションシステムにおいて本発明を実施することにより、エネルギー効率を更に高いものとしながらも、湯張りを適切に行い得るようにすることができた。
前記商用系統9は、例えば、単相3線式100/200Vであり、商業用電力供給ライン10を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷11に電気的に接続されている。
また、インバータ8は、コージェネ用供給ライン12を介して商業用電力供給ライン10に電気的に接続され、発電装置2からの発電電力がインバータ8およびコージェネ用供給ライン12を介して電力負荷11に供給するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ8により発電装置2から商業用電力供給ライン10に供給される電力が制御され、発電電力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ14に供給されるように構成されている。
また、作動スイッチ16は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ14の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ14の消費電力を調整するように構成されている。
前記熱源用熱交換器25においては、熱電併給装置3にて発生する熱を回収した冷却水循環路15の冷却水を通流させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
また、熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁40が設けられている。
そして、分流弁30は、冷却水循環路15の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させたり、冷却水循環路15の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させることもできるように構成されている。
前記熱消費端末5は、床暖房装置や浴室暖房装置などの暖房端末にて構成されている。
前記リモコン50には、湯張り運転を指令する湯張り指令手段としての湯張りスイッチ50aが設けられている。
前記貯湯運転は、熱電併給装置3の運転中で、分流弁30にて貯湯用熱交換器24側に冷却水が通流するように調整した状態での冷却水循環ポンプ17の作動により、貯湯用熱交換器24において、冷却水循環路15を通流する冷却水にて湯水循環路18を通流する湯水を加熱させることができる状態で行われる。
そして、湯水循環ポンプ19を作動させて、貯湯タンク4の下部から湯水を湯水循環路18に取り出し、その湯水を、貯湯用熱交換器24を通過させて貯湯用設定温度に加熱したのち、貯湯タンク4の上部に戻して、貯湯タンク4内に貯湯用設定温度の湯水を貯湯するようにしている。
つまり、前記貯湯手段Hが、熱電併給装置3、電気ヒータ14、冷却水循環路15、冷却水循環ポンプ17、湯水循環路18、湯水循環ポンプ19及び貯湯用熱交換器24等により構成される。
尚、湯張り運転の実行中、浴槽32の水位が設定湯張り水位になるまでに、スイッチ50aがオフされると、前記湯張り弁35を閉弁して湯張り運転を終了するようにしている。
前記湯張り路34には、貯湯タンク4からの湯水と給水源からの水とを混合させると共に、その混合比を調節自在なミキシング弁と、そのミキシング弁にて混合された湯水の温度を検出するミキシング温度センサが設けられていて、湯張り温度の調節は、前記ミキシング温度センサの検出温度が前記設定湯張り温度になるように前記ミキシング弁を運転制御部7にて制御することにより行われる。
又、浴槽32の水位を検出する水位センサが設けられ、前記湯張り水位の調節は、前記水位センサの検出情報に基づいて行われる。
また、熱電併給装置3からの冷却水だけでは熱消費端末5で要求されている現暖房熱負荷を賄えない場合や、熱電併給装置3の非運転中の場合には、補助加熱手段Mを加熱状態にて作動させることにより、補助加熱用熱交換器29において熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
すなわち、運転制御部7は、放熱運転において、補助加熱手段Mを前記放熱状態で作動させかつ熱源用循環ポンプ21を作動させることにより、熱電併給装置3にて発生する熱を放熱するように構成されている。
即ち、貯湯タンク蓄熱量制御は、貯湯タンク4の湯水を浴槽32に供給する湯張りが実際に行われた実湯張り時刻を蓄積した蓄積実湯張り時刻データに基づいて予測湯張り時刻を求めて、その予測湯張り時刻よりも設定余裕時間前に貯湯タンク4の蓄熱量が目標蓄熱量となるように貯湯手段Hの運転を制御するようにしている。
そして、本発明では、前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて、前記予測湯張り時刻の許容範囲を設定して、前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻が前記許容範囲外のときは、その予測湯張り時刻を前記許容範囲に近づけるべく補正し、又、前記蓄積実湯張り時刻データにおける前記実湯張り時刻の分布範囲に基づいて、前記設定余裕時間を前記分布範囲が狭いほど短く変更設定するようにしている。
運転制御部7は、予測湯張り時刻、予測湯張り熱負荷及び設定余裕時間からなる熱電併給装置3を運転するための運転条件を設定する運転条件設定処理を実行して、その運転条件設定処理にて設定した設定運転条件に基づいて、予測湯張り時刻よりも設定余裕時間前に貯湯タンク4の蓄熱量が目標蓄熱量となるように熱電併給装置3を運転する。つまり、運転制御部7により、所謂熱主運転が行われることになる。
運転制御手段7は、前記湯張りスイッチ50aがオンされ、且つ、そのオン以降、給湯負荷計測手段31の流量センサの検出情報に基づいて検出される浴槽32への湯水の供給量が設定供給量以上になると、湯張りが指令されたと判断し、そして、湯張りが指令されたと判断すると、湯張りスイッチ50aがオンされた時点の時刻を1分単位で計測して、その計測時刻を実湯張り時刻(湯張りが開始された時刻)として検出し、その検出した実湯張り時刻を曜日と対応付けて記憶する。
そして、かけ湯にて浴槽32の湯が減少した分を前記湯張りスイッチ50aを操作して補充して足し湯をする場合、その供給量はシャワーによる湯の消費量よりも少ないと考えられる。
又、浴槽32の湯温が低下したときに湯温を上げるために、前記湯張りスイッチ50aを操作して湯を補充して足し湯をするにしても、その供給量もシャワーによる湯の消費量よりも少ないと考えられる。従って、前記設定供給量として例えば60リットルに設定すると、前記湯張りスイッチ50aが足し湯のために操作されても、湯張りが指令されたと誤って判断するのを回避することができるので、実際に湯張りが行われた実湯張り時刻を蓄積して記憶することが可能になる。
例えば、図3に示すように、当日が火曜日であれば、当日の実湯張り時刻T(0−tue)、その前日の月曜日の実湯張り時刻T(0−mon)、……………、4週間前の水曜日の実湯張り時刻T(4−wed)の如く、28個の実湯張り時刻を曜日及び時間的前後関係を対応付けた状態で記憶する。
そして、その実湯張り熱負荷の記憶に当たっては、実湯張り熱負荷検出当日以前の4週間分、即ち、28個の実湯張り熱負荷を曜日及び時間的前後関係を対応付けた状態で、更新して記憶する。
例えば、図4に示すように、当日が火曜日であれば、当日の実湯張り熱負荷Q(0−tue)、その前日の月曜日の実湯張り熱負荷Q(0−mon)、……………、4週間前の水曜日の実湯張り熱負荷Q(4−wed)の如く、28個の実湯張り熱負荷を曜日及び時間的前後関係を対応付けた状態で記憶する。
この予測湯張り時刻導出処理について説明を加えると、下記の式1に示すように、予測日の前日の実湯張り時刻である前日実湯張り時刻Tyと、予測日より前の3週間の予測日と同じ曜日の実湯張り時刻を平均した同曜日平均実湯張り時刻Taとを夫々の重み付け条件にて重み付けして、予測湯張り時刻Tpを求める。
但し、kは、重み付け条件設定用係数であり、予めk=0.6に固定的に設定されている。
この予測湯張り熱負荷導出処理について説明を加えると、下記の式2に示すように、予測日の前日の実湯張り熱負荷である前日実湯張り熱負荷Qyと、予測日より前の3週間の予測日と同じ曜日の実湯張り熱負荷を平均した同曜日平均実湯張り熱負荷Qaとを夫々の重み付け条件にて重み付けして、予測湯張り熱負荷Qpを求めることになるが、先ず、前日実湯張り熱負荷Qy及び同曜日平均実湯張り熱負荷Qa夫々の重み付け条件を設定するための重み付け条件設定用係数mを下記のように設定する。
但し、0≦m≦1である。
又、Qy≦Qa、且つ、Qr>Qpのときは、mを0.1大きくするように変更設定し、Qy≦Qa、且つ、Qr≦Qpのときは、mを0.1小さくするように変更設定する。
又、前日実湯張り熱負荷Qyが同曜日平均実湯張り熱負荷Qaよりも大きい場合に、当日実湯張り熱負荷Qrが予測湯張り熱負荷Qp以下になったときは、翌日の実湯張り熱負荷は更に小さくなる可能性が高いとして、重み付け条件設定用係数mを0.1大きくして、翌日は当日よりも前日実湯張り熱負荷Qyの重み付けを小さくすることにより、予測湯張り熱負荷Qpを実際の湯張り熱負荷に合わせるようにしているのである。
又、前日実湯張り熱負荷Qyが同曜日平均実湯張り熱負荷Qa以下の場合に、当日実湯張り熱負荷Qrが予測湯張り熱負荷Qp以下になったときは、翌日の実湯張り熱負荷は更に小さくなる可能性が高いとして、重み付け条件設定用係数mを0.1小さくして、翌日は当日よりも同曜日平均実湯張り熱負荷Qaの重み付けを小さくすることにより、予測湯張り熱負荷Qpを実際の湯張り熱負荷に合わせるようにしているのである。
この許容範囲設定処理について説明を加える。
運転制御部7は、上述したように、実データ記憶処理にて、実湯張り時刻検出当日以前の4週間分の実湯張り時刻を曜日及び時間的前後関係を対応付けた状態で更新して記憶しているが、その実湯張り時刻検出当日以前の4週間よりも前の実湯張り時刻も記憶しており、この許容範囲設定処理では、その実湯張り時刻検出当日以前の4週間よりも前の実湯張り時刻も含めた蓄積実湯張り時刻データを用いる。
そして、運転制御部7は、蓄積実湯張り時刻データに基づいて、湯張りが発生する確率が設定確率となる時間範囲を実湯張り時刻の平均値を中央にして求めて、その求めた時間範囲を前記許容範囲として設定する。
つまり、図5に示す如き実湯張り時刻の分布において、実湯張り時刻が分布している時間間隔Wを実湯張り時刻の分布範囲Wとして求めることになる。
例えば、以下のように、実湯張り時刻分布範囲Wに応じて、その実湯張り時刻分布範囲Wが短いほど設定余裕時間Tsを短く変更設定する。
2時間10分<W≦2時間30分:Ts=40分
2時間30分<W≦2時間50分:Ts=50分
2時間50分<W≦3時間10分:Ts=60分
3時間10分<W≦3時間30分:Ts=70分
3時間30分<W≦3時間50分:Ts=80分
W>3時間50分 :Ts=90分
又、設定余裕時間Tsを30分よりも短く設定すると、実際に湯張りが指令される時刻のバラツキにより、湯張りが指令されたときに、貯湯タンク4に目標蓄熱量にて湯が貯留されていない事態が起こり得ると考えられることから、設定余裕時間Tsの下限を30分に設定した。
実湯張り時刻及び実湯張り熱負荷を記憶する実データ記憶処理、実湯張り時刻を設定重み付け条件にて重み付けして予測湯張り時刻を求める予測湯張り時刻導出処理、実湯張り熱負荷を設定重み付け条件で重み付けして予測湯張り熱負荷を求める予測湯張り熱負荷導出処理を順次実行し、その予測湯張り熱負荷導出処理にて求めた予測湯張り熱負荷を運転用として設定する(ステップ#1〜#3)。
つまり、この予測湯張り時刻設定処理では、予測湯張り時刻導出処理にて導出した予測湯張り時刻が許容範囲設定処理にて設定した許容範囲内か否かを判断して、許容範囲内のときは、予測湯張り時刻導出処理にて導出した予測湯張り時刻を運転用として設定し、許容範囲外のときは、予測湯張り時刻補正処理を実行して、予測湯張り時刻導出処理にて導出した予測湯張り時刻を前記許容範囲における予測湯張り時刻導出処理にて導出した予測湯張り時刻に近い方の限界値に補正し、その補正した予測湯張り時刻を運転用として設定する(ステップ#5、#6)。
運転制御部7は、電力負荷計測手段13の計測情報に基づいて、曜日の属性に対応させた状態で、予測電力負荷データを1日分の電力負荷の時系列データとして求める。この予測電力負荷データは、周知の種々の方法を用いて求めることが可能である。ちなみに、予測電力負荷データを求めるための周知の方法の例を簡単に説明すると、例えば、予測日と同曜日の過去の所定日数の実電力負荷データを平均して求めることができる。あるいは、上述の予測湯張り時刻導出処理と同様の方法、即ち、予測日の前日の実電力負荷データと、予測日より前の3週間の予測日と同じ曜日の実電力負荷データを平均した実電力負荷データとを夫々の重み付け条件にて重み付けして求めることができる。
ちなみに、図7の(イ)に、予測電力負荷デーを示している。
又、目標蓄熱量として、運転条件設定処理にて設定した予測湯張り熱負荷Qpに設定熱負荷Qsを加えた熱量に設定する。尚、設定熱負荷Qsは、湯張り以外の一般給湯用の熱負荷と暖房用の熱負荷の両方に対応して設定した暖房時設定熱負荷Qsと、一般給湯用の熱負荷のみに対応して設定した非暖房時設定熱負荷Qsとがある。そして、運転制御部7は、気温の計測情報に基づいて、暖房のための熱媒供給運転が実行されるか否か予測して、熱媒供給運転が実行されると予測したときは、暖房時設定熱負荷Qsを用い、熱媒供給運転が実行されないと予測したときは非暖房時設定熱負荷Qsを用いる。
定格出力電力と予測電力負荷データとに基づいて、余剰電力を求めると共に、その余剰電力が電気ヒータ14にて消費されることにより熱として回収される余剰電力回収熱量を求める。
そして、定格出力熱量と余剰電力回収熱量とを、予測湯張り時刻Tpよりも設定余裕時間Ts前の時刻から時間をさかのぼる方向に積算して、その積算熱量が目標蓄熱量となる時刻を運転開始時刻Tkとして設定する。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態においては、運転制御部7を、蓄積実湯張り時刻データにおける実湯張り時刻の分布範囲に基づいて、設定余裕時間を前記分布範囲が狭いほど短く変更設定するように構成する場合について例示したが、予測湯張り時刻を蓄積した蓄積予測湯張り時刻データにおける予測湯張り時刻の分布範囲に基づいて、設定余裕時間を前記分布範囲が狭いほど短く変更設定するように構成しても良い。
この場合は、予測湯張り時刻を予測する度に、予測湯張り時刻を蓄積するように記憶して、その記憶情報に基づいて、予測湯張り時刻の分布範囲を求めることになる。
つまり、予測湯張り時刻は、図5に示す如き実湯張り時刻の分布と略同様に分布することになり、そのような分布において、予測湯張り時刻が分布している時間間隔Wを予測湯張り時刻の分布範囲Wとして求めることになる。
そして、以下のように、予測湯張り時刻分布範囲Wに応じて、その予測湯張り時刻分布範囲Wが短いほど設定余裕時間Tsを短く変更設定する。
2時間10分<W≦2時間30分:Ts=40分
2時間30分<W≦2時間50分:Ts=50分
2時間50分<W≦3時間10分:Ts=60分
3時間10分<W≦3時間30分:Ts=70分
3時間30分<W≦3時間50分:Ts=80分
W>3時間50分 :Ts=90分
この場合は、予測湯張り時刻を予測する度に、その予測湯張り時刻と、予測当日の実湯張り時刻との時刻偏差を求めると共に、その時刻偏差を蓄積するように記憶して、その記憶情報に基づいて、時刻偏差の分布範囲を求めることになる。
つまり、時刻偏差は、図8に示すように分布することになり、そのような分布において、時刻偏差が分布している時間間隔Wを時刻偏差の分布範囲Wとして求めることになる。ちなみに、図7において、実線は、時刻偏差の分布範囲が標準的なものを例示し、一点鎖線は、時刻偏差の分布範囲が狭いものを例示し、破線は、時刻偏差の分布範囲が広いものを例示している。
そして、以下のように、時刻偏差分布範囲Wに応じて、その時刻偏差分布範囲Wが短いほど設定余裕時間Tsを短く変更設定する。
30分<W≦40分:Ts=40分
40分<W≦50分:Ts=50分
50分<W≦60分:Ts=60分
60分<W≦70分:Ts=70分
70分<W≦80分:Ts=80分
W>80分 :Ts=90分
例えば、蓄積実湯張り時刻データにおける実湯張り時刻の分布範囲の中央値を中央にして、湯張りが発生する確率が設定確率となる時間範囲を求めて、その求めた時間範囲を許容範囲として設定しても良い。
あるいは、蓄積実湯張り時刻データにおける実湯張り時刻の分布範囲において、その分布範囲両端夫々における所定の範囲を除いて、湯張りが発生する確率が設定確率となる時間範囲を求めて、その求めた時間範囲を許容範囲として設定しても良い。
例えば、蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻を、許容範囲に近づける状態で許容範囲外の時刻に補正したり、許容範囲の限界値よりも許容範囲中央側の時刻に補正してもよい。
又、貯湯手段Hを熱電併給装置から発生する熱を熱源とするように構成する場合、熱電併給装置の具体例として、ガスエンジンやガソリンエンジン等により発電機を駆動するように構成した回転式の発電装置以外に、燃料電池を適用することが可能である。
4 貯湯タンク
7 運転制御手段
32 浴槽
50a 湯張り指令手段
H 貯湯手段
Claims (7)
- 貯湯タンクに貯湯する貯湯手段と、
その貯湯手段の運転を制御する運転制御手段とが設けられ、
その運転制御手段が、前記貯湯タンクの湯水を浴槽に供給する湯張りが実際に行われた実湯張り時刻を蓄積した蓄積実湯張り時刻データに基づいて予測湯張り時刻を求めて、その予測湯張り時刻よりも設定余裕時間前に前記貯湯タンクの蓄熱量が目標蓄熱量となるように前記貯湯手段の運転を制御するように構成された熱源システムであって、
前記運転制御手段が、前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて、前記予測湯張り時刻の許容範囲を設定して、前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻が前記許容範囲外のときは、その予測湯張り時刻を前記許容範囲に近づけるべく補正するように構成されている熱源システム。 - 前記運転制御手段が、前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて、湯張りが発生する確率が設定確率となる時間範囲を実湯張り時刻の平均値を中央にして求めて、その求めた時間範囲を前記許容範囲として設定するように構成されている請求項1記載の熱源システム。
- 前記運転制御手段が、前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻が前記許容範囲外のときは、前記予測湯張り時刻を前記許容範囲における前記予測湯張り時刻に近い方の限界値に補正するように構成されている請求項1又は2記載の熱源システム。
- 前記運転制御手段が、前記蓄積実湯張り時刻データにおける前記実湯張り時刻の分布範囲、前記予測湯張り時刻を蓄積した蓄積予測湯張り時刻データにおける前記予測湯張り時刻の分布範囲、又は、前記実湯張り時刻と前記蓄積実湯張り時刻データに基づいて求めた予測湯張り時刻との時刻偏差を蓄積した蓄積時刻偏差データにおける前記時刻偏差の分布範囲に基づいて、前記設定余裕時間を前記分布範囲が狭いほど短く変更設定するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱源システム。
- 前記運転制御手段が、前記蓄積実湯張り時刻データにおける実湯張り時刻を設定重み付け条件にて重み付けして、前記予測湯張り時刻を求めるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱源システム。
- 前記湯張りを指令する湯張り指令手段が設けられ、
前記運転制御手段が、前記湯張り指令手段にて前記湯張りが指令され且つその指令に基づく前記貯湯タンクから前記浴槽への湯水の供給量が設定供給量以上になると、前記湯張りが指令されたと判断するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱源システム。 - 前記貯湯手段が、熱電併給装置から発生する熱にて前記貯湯タンクに貯湯するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱源システム。
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