JP2005291563A - 熱源システム - Google Patents

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雄治 澤田
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剛至 富尾
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Abstract

【課題】 当日の天候に応じた空調装置の使用形態の変化に対応した加熱手段の運転を行うことで、エネルギ効率の維持が達成される熱源システムを提供する。
【解決手段】 貯湯槽4と、加熱手段Hの計画運転を行って貯湯槽4に湯水を貯える計画運転処理を実行する運転制御手段7とが設けられている熱源システムであって、日射の強さの時間経過に伴う積算量に対応する太陽エネルギ量を測定する太陽エネルギ量測定手段Eが設けられ、運転制御手段7が、加熱手段Hによって生成された熱を消費する空調装置5bの予測空調負荷を、太陽エネルギ量測定手段Eによって測定された設定基準時刻における太陽エネルギ量が大きいほど小さくなる設定関係で求めて、予測熱負荷データ中の負荷投入用設定時間帯に予測空調負荷を加えた予測空調負荷付きの予測熱負荷データに基づいて、加熱手段Hの計画運転を行うように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、加熱手段にて生成された湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽に貯えられている湯水の熱を消費する熱負荷装置の時系列的な予測熱負荷データに基づいて、前記加熱手段の計画運転を行って前記貯湯槽に湯水を貯える計画運転処理を実行する運転制御手段とが設けられている熱源システムに関する。
かかる熱源システムは、使用者の時系列的な実績熱負荷データから予測される予測熱負荷データに基づいて加熱手段の計画運転を行うことで、その加熱手段にて生成された湯水を貯える貯湯槽には、使用者の生活パターンに適合した量の湯水が予め貯湯されるようになるというものである。その結果、この熱源システムでは、湯水の余剰や不足の発生が抑制されることで、エネルギ効率が向上することとなる。(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−5525号公報
上述の熱源システムでは、使用者の過去の実績熱負荷データのみに基づいて当日の予測熱負荷を導出しているが、当日の天候によって予測熱負荷が大きく変化する、つまり当日の天候によって使用者による熱使用形態が大きく変化することもある。そのため、当日の天候によっては、使用者による実際の熱負荷が予測熱負荷から大きく逸脱し、湯水の余剰や不足が発生して、熱源システムのエネルギ効率が低下するという問題が生じる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、当日の天候に応じた空調装置の使用形態の変化に対応した加熱手段の運転を行うことで、エネルギ効率の維持が達成される熱源システムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る熱源システムの第1特徴構成は、加熱手段にて生成された湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽に貯えられている湯水の熱を消費する熱負荷装置の時系列的な予測熱負荷データに基づいて、前記加熱手段の計画運転を行って前記貯湯槽に湯水を貯える計画運転処理を実行する運転制御手段とが設けられている熱源システムであって、日射の強さの時間経過に伴う積算量に対応する太陽エネルギ量を測定する太陽エネルギ量測定手段が設けられ、前記運転制御手段が、前記加熱手段によって生成された熱を消費する空調装置の予測空調負荷を、前記太陽エネルギ量測定手段によって測定された設定基準時刻における前記太陽エネルギ量が大きいほど小さくなる設定関係で求めて、前記予測熱負荷データ中の負荷投入用設定時間帯に前記予測空調負荷を加えた予測空調負荷付きの予測熱負荷データに基づいて、前記加熱手段の計画運転を行うように構成されている点にある。
上記第1特徴構成によれば、運転制御手段が、加熱手段によって生成された熱を消費する空調装置の予測空調負荷を、太陽エネルギ量測定手段によって測定された設定基準時刻における太陽エネルギ量が大きいほど小さくなる設定関係で求めて、予測熱負荷データ中の負荷投入用設定時間帯に上記予測空調負荷を加えた予測空調負荷付きの予測熱負荷データに基づいて、加熱手段の計画運転を行うように構成されることになる。その結果、空調装置の使用形態が天候によって変化したとしても、その変化による予測熱負荷を正確に予測することが可能となる。つまり、天候に応じて変化する空調装置の空調負荷が、太陽エネルギ量測定手段で測定された上記太陽エネルギ量によって表される当日の天候に応じた予測空調負荷として予測されるように構成されているので、天候の変化が考慮された正確な予測熱負荷データが導出された上で、加熱手段の計画運転が行われることになる。その結果、使用者による実際の熱負荷が予測熱負荷データから逸脱しなくなり、加熱手段を計画運転したときの熱余りや熱不足の発生を防止することが可能となる。
従って、当日の天候に応じた空調装置の使用形態の変化に対応した加熱手段の運転を行うことで、エネルギ効率の維持が達成される熱源システムが提供されることになる。
本発明に係る熱源システムの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記運転制御手段が、前記太陽エネルギ量測定手段にて測定される太陽エネルギ量の増加率に基づいて、前記設定基準時刻及び負荷投入用設定時間帯を変更するように構成されている点にある。
上記第2特徴構成によれば、空調装置の使用形態に影響を及ぼすことになる当日の天候が時間的にどのように変化したのかということを、太陽エネルギ量の一度の測定結果によってではなく、太陽エネルギ量の増加率という継続的な測定結果によって知ることができるので、当日の天候に応じた空調装置の予測空調負荷を精度良く求めた上で、加熱手段の計画運転を実行することが可能となる。
本発明に係る熱源システムの第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、前記空調装置が、浴室暖房乾燥装置である点にある。
上記第3特徴構成によれば、太陽エネルギ量測定手段によって測定された太陽エネルギ量が大きいときには洗濯物が良く乾くため空調装置としての浴室暖房乾燥装置での予測空調負荷が小さくなり、太陽エネルギ量測定手段によって測定された太陽エネルギ量が小さいときには洗濯物があまり乾かないため空調装置としての浴室暖房乾燥装置での予測空調負荷が大きくなるという関係の下で、空調装置としての浴室暖房乾燥装置での予測空調負荷を適切に予測することが可能となる。
本発明に係る熱源システムの第4特徴構成は、上記第1から第3の何れかの特徴構成に加えて、前記加熱手段が、前記計画運転される熱電併給装置が発生する熱により湯水を生成する排熱式加熱手段を用いて構成されている点にある。
上記第4特徴構成によれば、加熱手段として上記熱電併給装置の排熱式加熱手段を用いて本発明の熱源システムを構成する場合にも、その入力指令に基づいて自動的に熱電併給装置の計画運転に用いる予測熱負荷パターンを変更して、貯湯槽内の貯湯量を、使用者の実際の生活パターンに対応させて、貯湯槽内の貯湯量の過不足を抑制してエネルギ効率の向上を図ることができる。
以下に図面を参照して本発明の熱源システムについて説明する。
この熱源システムは、図1及び図2に示すように、ガスエンジン1によって発電装置2を駆動するように構成された熱電併給装置3と、その熱電併給装置3にて発生する熱を利用しながら、回収した熱を貯留する貯湯槽としての貯湯タンク4への貯湯及び熱負荷装置への熱媒供給を行う貯湯ユニット6と、熱電併給装置3及び貯湯ユニット6の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部7と、日射の強さの時間経過に伴う積算量に対応する太陽エネルギ量を測定する太陽エネルギ量測定手段Eと、リモコンRなどから構成されている。前記熱負荷装置は、給湯端末5a、空調装置としての浴室暖房乾燥端末5b、床暖房などの暖房端末5cなどにて構成されている。
前記発電装置2の出力側には、熱電併給装置3を備える電力系統を外部電力系統としての商用電力系統(以下、単に「商用系統」と表記することもある)9に連系するためのインバータ8が設けられ、そのインバータ8は、発電装置2の出力電力を商用系統9から供給される電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されている。
前記商用系統9は、例えば、単相3線式100/200Vであり、商業用電力供給ライン10を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷装置11に電気的に接続されている。
また、インバータ8は、コージェネ用供給ライン12を介して商業用電力供給ライン10に電気的に接続され、発電装置2からの出力電力がインバータ8及びコージェネ用供給ライン12を介して電力負荷装置11に供給されるように構成されている。
前記商業用電力供給ライン10には、この商業用電力供給ライン10にて供給される商業用電力を計測する商用電力計測部P1が設けられ、コージェネ用供給ライン12には、熱電併給装置3の発電電力を計測する発電電力計測部P2が設けられている。前記商用電力計測部P1は、商業用電力供給ライン10を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否か、即ち、余剰電力が発生するか否かをも検出するように構成されている。
また、熱電併給装置3の余剰電力を消費して熱を発生し、その熱により貯湯タンク4への貯湯を行うことで、エネルギの回収を行う電気ヒータ14が接続されている。そして、コージェネ用供給ライン12の途中には、余剰電力の商用系統9への逆潮流を防止するために、その余剰電力を電気ヒータ14にて消費させて回収可能に構成されている。
前記電気ヒータ14は、複数の電気ヒータから構成され、冷却水循環ポンプ17の作動により冷却水循環路15を通流するガスエンジン1の冷却水を加熱するように設けられ、発電装置2の出力側に接続された作動スイッチ16によりON/OFFが切り換えられている。
よって、夫々の作動スイッチ16のON/OFFを切り換えることにより、電気ヒータ14の電力負荷を調整可能に構成されている。ちなみに、電気ヒータ14の電力負荷は、電気ヒータ1本当たりの電力負荷(例えば100W)にオンされている作動スイッチ16の個数を乗じた電力量になる。そして、運転制御部7は、夫々の作動スイッチ16のON/OFFを切り換えて、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ14の電力負荷を大きくすることになる。
前記ガスエンジン1には、エンジン燃料路21を通じて設定流量(例えば、0.433m3/h)でガス燃料が供給されて、前記熱電併給装置3が定格運転されるようになっており、その定格運転では、前記熱電併給装置3の発電電力は定格発電電力(例えば1kW)で略一定になるようになっている。
前記貯湯ユニット6は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する前記貯湯タンク4、湯水循環路18を通して貯湯タンク4内の湯水を循環させたり熱負荷装置へ供給される熱媒を加熱する湯水を循環させる湯水循環ポンプ19、熱媒循環路22を通して熱媒を熱負荷装置に循環供給させる熱媒循環ポンプ23、冷却水循環路15を通流する冷却水にて湯水循環路18を通流する湯水を加熱させる排熱式熱交換器24、湯水循環路18を通流する湯水にて熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱させる熱媒加熱用熱交換器26、バーナ27bの燃焼により湯水循環路18を通流する湯水を加熱させる熱源機としての補助加熱器27などを備えて構成されている。この補助加熱器27はガスを燃料として熱を直接発生させる装置であり、加熱対象の湯水を通流させる熱交換器27aと、その熱交換器27aを加熱する前記バーナ27bと、そのバーナ27bに燃焼用空気を供給する燃焼用ファン27cとを備えて構成されている。
バーナ27bへガス燃料を供給する補助燃料路28には、バーナ27bへのガス燃料の供給を断続する補助燃料用電磁弁29と、バーナ27bへのガス燃料の供給量を調節する補助燃料用比例弁30とが設けられている。
前記貯湯タンク4には、貯湯タンク4の貯湯量を検出する4個のタンクサーミスタTtが上下方向に間隔を隔てて設けられている。つまり、タンクサーミスタTtが設定温度以上の温度を検出することにより、その設置位置に湯が貯湯されているとして、検出温度が設定温度以上であるタンクサーミスタTtのうちの最下部のタンクサーミスタTtの位置に基づいて、貯湯量を4段階に検出するように構成され、4個のタンクサーミスタTt全ての検出温度が前記設定温度以上になると、貯湯タンク4の貯湯量が満杯であることが検出されるように構成されている。
以上のようにして、加熱手段Hが、熱電併給装置3、電気ヒータ14、冷却水循環路15、冷却水循環ポンプ17、湯水循環路18、湯水循環ポンプ19及び貯湯用熱交換器24により構成され、湯水を貯湯タンク4に貯湯するように構成されている。
前記湯水循環路18には、貯湯タンク4の下部と連通する取り出し路35と貯湯タンク4の上部と連通する貯湯路36が接続され、貯湯路36には、電磁比例弁37にて構成されて、湯水の通流量の調整及び通流の断続を行う貯湯弁37が設けられている。
そして、湯水循環路18には、取り出し路35との接続箇所から湯水の循環方向の順に、前記排熱式熱交換器24、前記湯水循環ポンプ19、前記補助加熱器27、電磁比例弁37にて構成されて、湯水の通流量の調整及び通流の断続を行う暖房弁39、前記熱媒加熱用熱交換器26が設けられている。
この熱源システムに設けられる補機には、この熱源システム固有の補機と、この熱源システムにおいて本来必要な補機があり、固有の補機としては、前記冷却水循環ポンプ17及び前記湯水循環ポンプ19などが含まれ、本来必要な補機としては、前記熱媒循環ポンプ23などが含まれ、本来必要な補機の電力負荷は、前記電力負荷装置11と同様に、使用者にて消費される電力として扱われる。
前記運転制御部7は、熱電併給装置3を運転するときには、熱電併給装置3及び冷却水循環ポンプ17の作動状態を制御し、そして、湯水循環ポンプ19、熱媒循環ポンプ23の作動状態を制御することによって、貯湯タンク4内に湯水を貯湯する貯湯運転や、給湯端末5aに湯水を給湯する給湯運転や、浴室暖房乾燥端末5b及び暖房端末5cなどに熱媒を供給する熱媒供給運転を行うように構成されている。さらに、運転制御部7は、後述の如く、予測負荷演算処理及びデータ更新処理等を実行するように構成されている。
また、湯水循環路18には、前記補助加熱器27に流入する湯水の温度を検出する入口サーミスタTi、補助加熱器27から流出する湯水の温度を検出する出口サーミスタTeが設けられている。
ちなみに、図示しない給湯端末5aの給湯栓が開栓されると、貯湯タンク4の上部から湯水が取り出されて、給湯路20を通じて給湯するように構成され、前記給湯栓が開栓されたときに、貯湯タンク4内に湯が貯湯されていないときには、湯水循環ポンプ19が作動され、貯湯弁37が開弁されると共に、補助加熱器27が加熱作動されて、その補助加熱器27にて加熱されて、貯湯路36を通じて給湯路20に給湯されるように構成されている。
また、浴室暖房乾燥端末5b及び暖房端末5cの運転開始がリモコンRによって指令されると、運転制御部7は熱電併給装置3の運転を行って、熱電併給装置3によって生成された熱が湯水循環路18、熱媒加熱用熱交換器26及び熱媒循環路22を経て、浴室暖房乾燥端末5b及び暖房端末5cに対して熱供給される熱媒供給運転が実行されるように構成されている。
そして、給湯路20には給湯端末5aでの給湯熱負荷量を計測する給湯熱負荷計測手段31aが設けられ、熱媒循環路22には浴室暖房乾燥端末5bでの浴室暖房熱負荷量を計測する浴室暖房乾燥熱負荷計測手段31bと、暖房端末5cでの暖房熱負荷量を計測する暖房熱負荷計測手段31cとが設けられている。
次に、運転制御部7による熱電併給装置3の計画運転処理について説明を加える。
まず運転制御部7は、実際の電力及び熱の使用状況に基づいて、1日分の過去負荷データを曜日と対応付ける状態で補正して記憶するデータ更新処理を行い、日付が変わるごとに、記憶されている1日分の過去負荷データから、その日1日分の予測負荷データを求める予測負荷演算処理を行うように構成されている。
前記データ更新処理について説明を加えると、1日のうちのどの時間帯にどれだけの電力負荷量、給湯熱負荷量及び暖房熱負荷量があったかの1日分の過去負荷データを曜日と対応付ける状態で補正して記憶するように構成されている。
まず、過去負荷データについて説明すると、過去負荷データは、電力負荷装置11での電力負荷量データ、給湯端末5aでの給湯熱負荷量データ、暖房端末5cでの暖房熱負荷量データの3種類の負荷データからなり、図3に示すように、1日分の過去負荷データが日曜日から土曜日までの曜日ごとに区分けした状態で記憶するように夫々構成されている。後述するようにこの予測負荷演算処理では、浴室暖房乾燥端末5bでの浴室暖房乾燥熱負荷は取り扱われない。
そして、1日分の過去負荷データは、24時間のうち1時間を単位時間として、単位時間当たりの電力負荷量データの24個、単位時間当たりの暖房熱負荷量データの24個及び単位時間当たりの給湯熱負荷量データの24個から構成されている。
上述のような過去負荷データを補正する構成について説明を加えると、実際の使用状況から、単位時間当たりの電力負荷量、暖房熱負荷量及び給湯熱負荷量の夫々を計測し、その計測した負荷データを記憶する状態で1日分の実負荷データを曜日と対応付けて記憶させる。
そして、1日分の実負荷データが1週間分記憶されると、曜日ごとに、過去負荷データと実負荷データとを所定の割合で足し合わせることにより、補正された過去負荷データを求めて、その補正された過去負荷データを記憶して、過去負荷データを更新するように構成されている。
日曜日を例に挙げて具体的に説明すると、図3に示すように、過去負荷データのうち日曜日に対応する過去負荷データ(過去分)D1mと、日曜日に対応する当日の実負荷データ(当日分)A1とから、下記の〔数式1〕により、日曜日に対応する補正された過去負荷データ(補正された分)D1(m+1)が求められ、その求められた過去負荷データD1(m+1)を記憶する。
尚、下記の〔数式1〕において、D1mを、日曜日に対応する過去負荷データとし、A1を、日曜日に対応する実負荷データとし、Kは0〜1の間の定数であって、例えば0.75であり、D1(m+1)を、補正された過去負荷データとする。
〔数式1〕
D1(m+1)=(D1m×K)+{A1×(1−K)}
前記予測負荷演算処理について説明を加えると、日付が変わって午前0時になるごとに実行され、その日のどの時間帯にどれだけの電力負荷量、暖房熱負荷量及び給湯熱負荷量が予測されているかの1日分の予測負荷データを求めるように構成されている。
すなわち、曜日ごとの7つの過去負荷データのうち、その日の曜日に対応する過去負荷データと前日の実負荷データとを所定の割合で足し合わせることにより、どの時間帯にどれだけの電力負荷量、暖房熱負荷量及び給湯熱負荷量が予測されているかのその日1日分の予測負荷データを求めるように構成されている。
月曜日1日分の予測負荷データを求める場合を例に挙げて具体的に説明すると、図3に示すように、曜日ごとの7つの過去負荷データD1m〜D7mと曜日ごとの7つの実負荷データA1〜A7とが記憶されているので、月曜日に対応する過去負荷データD2mと、前日の日曜日に対応する実負荷データA1とから、下記の〔数式2〕により、月曜日の1日分の予測負荷データBを求める。
そして、1日分の予測負荷データBは、図4に示すように、1日分の予測電力負荷量データ、1日分の予測暖房熱負荷量データ及び1日分の予測給湯熱負荷量データからなり、図4の(イ)は、1日分の予測電力負荷量を示しており、図4の(ロ)は、1日分の予測暖房熱負荷量を示しており、図4の(ハ)は、1日分の予測給湯熱負荷量を示している。そして、予測暖房熱負荷量及び予測給湯熱負荷量を併せて予測熱負荷量と呼ぶ。
尚、下記の〔数式2〕において、D2mを、月曜日に対応する過去負荷データとし、A1を、日曜日に対応する実負荷データとし、Qは0〜1までの定数であって、例えば0.25とすることができ、Bは、予測負荷データとする。
〔数式2〕
B=(D2m×Q)+{A1×(1−Q)}
以上のようにして、運転制御部7による予測負荷演算処理によって、1日分の予測電力負荷量データ、1日分の予測暖房熱負荷量データ及び1日分の予測給湯熱負荷量データを含む予測熱負荷量データが予測され、加熱手段Hの上記貯湯運転及び上記熱媒供給運転などの計画運転が行われることになる。
次に、浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥熱負荷の予測と、予測浴室暖房乾燥熱負荷付きの予測熱負荷量データに基づいて行われる加熱手段Hの計画運転について、図5のフローチャートを参照して説明する。
ステップ100において運転制御部7は、上述のようにして導出した予測熱負荷量データに基づいて加熱手段Hの計画運転を行いながら、設定基準時刻に到達しているか否かを判定している。この設定基準時刻は、浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥熱負荷量データを上記予測熱負荷量データに対して含めるための計算を行う時刻であり、浴室暖房乾燥端末5bが使用されると予測される後述の負荷投入用設定時間帯に先立つ時刻である。
従って、ステップ102において運転制御部7は、設定基準時刻になると太陽エネルギ測定手段Eによって測定された上記太陽エネルギ量を参照して、空調装置の予測空調負荷としての浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥負荷を求める。浴室暖房乾燥端末5bの特徴として、天候が良好であるときには負荷量が小さくなり、天候が不良であるときには負荷量が大きくなることが挙げられる。具体的には、日中の日射の強さの時間経過に伴う積算量に対応する太陽エネルギ量が大きいときには洗濯物が良く乾くため、浴室暖房乾燥端末5bの負荷量は小さくなるが、上記太陽エネルギ量が小さいときには洗濯物があまり乾かないため、例えば日没後の浴室暖房乾燥端末5bの負荷量が大きくなる。
図6に例示するのは、日射の強さにともなう積算量に対応する太陽エネルギ量を1日の時間変化と共に示す3パターンのグラフである。この太陽エネルギ量測定手段Eは、例えば太陽光発電装置(図示せず)の発電電力量を測定するための電力量測定手段を用いて実現可能であり、その場合の日中の日射の強さの時間経過に伴う積算量に対応する設定基準時刻での太陽エネルギ量とは、1日の設定基準時刻までの発電電力量の積算量である。
図6のパターンAの場合、発電電力量の積算量は大きく、ほぼ1日中にわたって日射があったことが示されている。他方で、図6のパターンCの場合、発電電力量の積算量は小さく、ほぼ1日中にわたって大きな日射が受けられなかったことが分かる。
そして表1に示すのは、太陽エネルギ量測定手段Eによって測定された設定基準時刻における太陽エネルギ量を参照して導出される、浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥熱負荷量であり、設定基準時刻における太陽エネルギ量が大きくなるほど、浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥負荷量が小さくなる設定関係で示されている。この設定関係は、太陽エネルギ量測定手段Eによって測定された過去の太陽エネルギ量の積算量と浴室暖房乾燥熱負荷計測手段31bによって測定された過去の浴室暖房乾燥熱負荷量とに基づいて定めることができる。
Figure 2005291563
従って、運転制御部7は、設定基準時刻までの太陽エネルギ量測定手段Eによって測定された発電電力量の積算量(太陽エネルギ量)が閾値P1未満であるときには、浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥熱負荷量がQ1であると求め、発電電力量の積算量が閾値P1以上P2未満であるときには、浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥熱負荷量がQ2(<Q1)であると求め、発電電力量の積算量が閾値P2以上P3未満であるときには、浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥熱負荷量がQ3(<Q2)であると求め、発電電力量の積算量が閾値P3以上であるときには、浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥熱負荷量がQ4(<Q3)であると求める。つまり、設定基準時刻までの発電電力量の積算量に基づいて、つまり太陽エネルギ量測定手段Eにて測定される発電電力量(太陽エネルギ量)の増加率に基づいて上記予測浴室暖房乾燥熱負荷量が導出されるので、上述したような浴室暖房乾燥端末5bの使用形態に影響を及ぼすことになる当日の天候が時間的にどのように変化したのかということを、太陽エネルギ量の一度の測定結果によってではなく、太陽エネルギ量の増加率という継続的な測定結果によって予測されるようになっている。
そして、ステップ104において運転制御部7は、上述した1日分の予測暖房熱負荷量データ及び1日分の予測給湯熱負荷量データを含む予測熱負荷量データに対して、ステップ102で求められた予測浴室暖房乾燥熱負荷量を加算した、予測浴室暖房乾燥熱負荷付きの予測熱負荷量データに基づいて加熱手段Hの運転を実施する。具体的には、図4(ロ)に例示した予測暖房熱負荷量のグラフの負荷投入用設定時間帯に対して、ステップ102に求められた予測浴室暖房乾燥熱負荷量の加算を行った上で、熱電併給装置3の計画運転が行われる。負荷投入用設定時間帯は、浴室暖房乾燥端末5bの運転が行われると予測される時間帯であり、浴室暖房乾燥端末5bの運転開始がリモコンRのオン操作によって指令され、運転停止がリモコンRのオフ操作によって指令された過去の実績運転時間帯に基づいて導出することができる。或いは、洗濯物の自然乾燥が中止される時刻としての日没時刻を上記負荷投入用設定時間帯の開始時刻とし、その開始時刻から設定時間を上記負荷投入用設定時間帯としてもよい。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態において上記設定基準時刻を複数設定しておいてもよい。例えば、設定基準時刻を午前9時、午前12時、午後3時の3個設定しておき、その設定基準時刻となる度に図5のフローチャートで説明した浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥負荷量の導出を行って、加熱手段Hの計画運転を行ってもよい。上記設定基準時刻を複数設定し、1日の内の早い時刻から浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥負荷量の導出を行って、貯湯タンク4への貯湯を開始する加熱手段Hの計画運転を時間的な余裕を持って行うことが可能となるので、貯湯タンク4での熱不足が発生しないようにすることができる。
<2>
上記実施形態では、熱電併給装置としてガスエンジンと発電装置とを備えた熱源システムを例示したが、熱と電気とを併せて発生させることのできる装置であれば燃料電池などの他の装置を用いて熱源システムを構築することもできる。
<3>
上記実施形態では、太陽エネルギ量測定手段Eが太陽光発電装置(図示せず)の発電電力量を測定する装置とした場合の例について説明したが、その太陽光発電装置は電力負荷装置11に対して電力を供給する目的で設置された大型の太陽光発電装置であってもよく、或いは、単に発電電力量を測定する目的で設置された小型の太陽光発電装置であってもよい。
<4>
上記実施形態及び別実施形態では、太陽エネルギ量測定手段Eが太陽光発電装置の発電電力量を測定する装置である場合の例について説明したが、日射の強さの時間経過に伴う積算量に対応する太陽エネルギ量を測定可能な装置であれば他の装置を用いてもよい。例えば、気温が日射の強さの時間経過に伴う積算量に対応して変化することを利用して、洗濯物と同様の条件下に曝されている温度計を用いて太陽エネルギ量測定手段Eを実現してもよい。
<5>
上記実施形態では、空調装置の例として浴室暖房乾燥端末5bを示し、太陽エネルギ量と浴室暖房乾燥端末5bの予測浴室暖房乾燥熱負荷量との設定関係に基づいた予測について説明したが、日射の強さの時間経過に伴う積算量に対応する太陽エネルギ量に応じて使用形態が変化する装置であれば他の装置であってもよい。例えば、空調装置が通常の空気調整機であってもよい。
熱源システムの全体構成を示すブロック図 熱源システムの制御構成を示すブロック図 データ更新処理を説明する図 1日分の予測負荷量を示す図 運転制御のフローチャート 時間経過に伴う発電電力量の積算量を示す図
符号の説明
4 貯湯タンク(貯湯槽)
5b 浴室暖房乾燥端末(空調装置)
7 運転制御部(運転制御手段)
E 太陽エネルギ量測定手段
H 加熱手段

Claims (4)

  1. 加熱手段にて生成された湯水を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽に貯えられている湯水の熱を消費する熱負荷装置の時系列的な予測熱負荷データに基づいて、前記加熱手段の計画運転を行って前記貯湯槽に湯水を貯える計画運転処理を実行する運転制御手段とが設けられている熱源システムであって、
    日射の強さの時間経過に伴う積算量に対応する太陽エネルギ量を測定する太陽エネルギ量測定手段が設けられ、
    前記運転制御手段が、
    前記加熱手段によって生成された熱を消費する空調装置の予測空調負荷を、前記太陽エネルギ量測定手段によって測定された設定基準時刻における前記太陽エネルギ量が大きいほど小さくなる設定関係で求めて、前記予測熱負荷データ中の負荷投入用設定時間帯に前記予測空調負荷を加えた予測空調負荷付きの予測熱負荷データに基づいて、前記加熱手段の計画運転を行うように構成されている熱源システム。
  2. 前記運転制御手段が、
    前記太陽エネルギ量測定手段にて測定される太陽エネルギ量の増加率に基づいて、前記予測空調負荷を変更するように構成されている請求項1記載の熱源システム。
  3. 前記空調装置が、浴室暖房乾燥装置である請求項1又は2記載の熱源システム。
  4. 前記加熱手段が、前記計画運転される熱電併給装置が発生する熱により湯水を生成する排熱式加熱手段を用いて構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱源システム。
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