JP4914141B2 - コージェネレーションシステムの運転制御装置 - Google Patents
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Description
図1は、コージェネレーションシステム1の概略構成図である。
第1参考例に係るコージェネレーションシステム1の運転制御装置30Aは、予測対
象日の給湯負荷を予測して発電機8(燃料電池、ガスエンジンなど)の運転パターンを作成し、コージェネレーションシステム1の運転制御を行うものである。運転制御装置30Aは、特に、水温と給湯負荷との間に相関関係がないときに、喫緊の給湯負荷を平均処理して運転パターンを作成する点に特徴を有している。
図1に示すコージェネレーションシステム1は、容量が100〜200Lの貯湯タンク2を備える。貯湯タンク2は、底部に接続する水道管3から水道水を供給されて常時満水状態にされている。貯湯タンク2の底部と頂部には、循環配管4が接続し、循環配管4に設置された第1ポンプ5を駆動することにより、貯湯タンク2の水を底部から取り出して上部に戻すようになっている。循環配管4は、第1ポンプ5の下流側に熱交換器6が設置され、熱交換器6を介して熱回収用循環配管7と連結している。熱回収用循環配管7は、発電機8に接続し、第2ポンプ9を駆動することにより熱回収用循環配管7を循環する循環水が発電機8の排熱を回収するようになっている。従って、発電機8が発電しているときに、第1ポンプ5と第2ポンプ9を駆動すれば、発電機8の排熱により熱回収用循環配管7の循環水を加熱し、熱交換器6において熱回収用循環配管7の循環水から循環配管4の水に熱伝達して、給湯水を貯湯タンク2に貯めることができる。
尚、第1参考例において、汎用給湯負荷と風呂負荷とを合わせたものを「給湯負荷」というものとする。
図2は、運転制御装置30Aの電気ブロック図である。
運転制御装置30Aは、周知のマイクロコンピュータであって、入出力インターフェース31、CPU32、ROM33、RAM34を内蔵する。入出力インターフェース31は、給湯温度センサ12、流量計15、給湯温度センサ17、流量計19、貯湯温度センサ20、水温計21、電力計26などに接続し、信号を入力する。ここで、「入力データ」とは、エネルギー負荷データ、貯湯温度データ、給湯量データ、水温(外気温)データ、給湯温度データ等の各センサが検出したデータ、及び、初期データなど使用者等によって入力されたデータをいうものとする。 「エネルギー負荷データ」には、電力負荷を測定した電力負荷データと給湯負荷を測定した給湯負荷データが含まれるものとする。
RAM34は、ROM33のプログラム等を実行する上で必要なデータやプログラムを一時的に格納したり、各種データを蓄積して記憶する読み書き可能な揮発性メモリである。
HDD37は、データやプログラムを読み書き可能な不揮発性メモリである。HDD37には、データベース36が設けられている。データベース36には、電力負荷データや給湯負荷データ、風呂負荷データなど各種データが蓄積して記憶される。この意味で、データベース36は、「データ蓄積手段」に相当する。
図3は、図2に示す運転制御プログラムのフロー図である。
運転制御装置30Aは、予測対象日前日の所定時間になると、運転制御プログラム35AをROM33から読み出して実行する。
従って、第1参考例のコージェネレーションシステム1の運転制御装置30Aは、図15に示すように給湯負荷と水温又は外気温との相関関係が弱く、給湯負荷予測が外れる可能性が高い場合には、過去の給湯負荷を平均処理して求めた給湯負荷を賄うように発電機8の運転パターンを用いる(図3のS5:NO,S9、S10参照)。そのため、例え
ば、季節が春から夏へ移り変わる時期や、子供が夏休みに帰省して家族構成が変わった場合など、給湯負荷の変動が大きく、給湯負荷を予測しにくい場合でも、給湯負荷を平均処理したものを用いて発電機8の運転パターンを決定することにより、給湯負荷の予測が実際の給湯負荷から大きく外れることを防いで給湯負荷の予測精度を向上させ、コージェネレーションシステム1を効率よく運転することができる。
次に、本発明に係るコージェネレーションシステムの運転制御装置の第2参考例について図面を参照して説明する。図4は、第2参考例に係るコージェネレーションシステム1の運転制御装置30Bに格納される運転制御プログラム35Bのフロー図である。
第2参考例の運転制御装置30Bは、風呂負荷と水温との相関関係を基準に給湯負荷を予測する点が第1参考例と相違する。よって、ここでは、第1参考例と相違する点を中心に説明し、第1参考例と同一の構成には同一符号を図面に用いて説明を適宜省略する。
具体的には、運転制御プログラム10Bは、図4に示すS11において、流量計19の計測結果に基づいて、半日或いは1日の積算(平均)データとして風呂負荷を蓄積してデータベース化する。第1参考例と比べてデータ数が少なくてよいのは、風呂負荷は、1日に1回〜数回程度しか発生しないため、第1参考例のように給湯負荷を基準とする制御のように積算時間を細かく区分する必要がないからである。
家庭にコージェネレーションシステム1を導入した場合、風呂負荷が家庭の給湯負荷に対して大きな割合を占める。そのため、例えば、季節が春から夏に移行するときには、使用者が風呂16に湯張りをする入浴方法から湯張りしない入浴方法に移行し、風呂16の使用形態が変化するときがある。また例えば、季節が夏から秋に移行するときには、使用者が風呂16に湯張りをしない入浴方法から湯張りする入浴方法に移行し、風呂16の使用形態が変化するときがある。これら使用傾向の変化は、水温や外気温と必ずしも関係なく、使用者の感覚によるところが大きく、予測しにくい。
次に、本発明に係るコージェネレーションシステムの運転制御装置の第3参考例について図面を参照して説明する。図5は、第3参考例に係るコージェネレーションシステム1の運転を制御する運転制御装置30Cに格納される運転制御プログラム35Cのフロー図である。図6は、風呂負荷の実際値と予測値との関係の一例を示す図であり、縦軸に風呂負荷(MJ)を示し、横軸に日付を示す。
図5に示すように、運転制御プログラム35Bは、S21において、半日或いは1日の積算(平均)データとして風呂負荷データを蓄積してデータベース化する。そして、S22において、予測対象日と同曜日の風呂負荷データ(過去4〜12週分)をHDD37のデータベース36から読み込む。或いは喫緊の一週間の風呂負荷データをデータベース36から読み込む。そして、S23において、読み込んだ風呂負荷データの積算値(1日分)を算出する。
従って、第3参考例のコージェネレーションシステムの運転制御装置30Cは、例えば図6に示すように、7月16日までは風呂負荷があったにもかかわらず、7月17日以降は風呂負荷がなくなった場合には、予測対象日直前の3日間に発生した給湯負荷データの平均値を用いて予測対象日(7月20日)の給湯負荷を各時間帯毎に予測し、給湯負荷の予測値を賄うように発電機8の運転パターンを決定する(図5のS24:YES,S25:NO,S27〜S29,S24:NO,S30:YES、S27〜S29参照)。そのため、第3参考例のコージェネレーションシステムの運転制御装置30Cは、例えば図6に示すように、7月16日までは風呂負荷があったにもかかわらず、7月17日以降は風呂負荷がなくなった場合のように風呂16の使用傾向が変化した場合でも、予測対象日である7月20日に近似すると考えられる予測対象日直前の3日間(7月17,18,19日)に実際に発生した給湯負荷データを用いて、予測対象日の給湯負荷を精度良く予測することができ、コージェネレーションシステム1を効率良く運転することができる。
7の記憶容量が少ないでも給湯負荷の精度を向上させることができる。
次に、本発明に係るコージェネレーションシステムの運転制御装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。図7は、第1実施形態に係るコージェネレーションシステム1の運転を制御する運転制御装置30Dに格納される運転制御プログラム35Dのフロー図である。図8は、図5に示す運転制御プログラム35Dの実行時に予測対象日翌日の午前中に発生する給湯負荷HIAを賄う運転の概念図であり、縦軸に電力(W)を示し、横軸に時刻を示す。
図7に示すように、運転制御プログラム35Dは、S41において、30分〜2時間程度の積算(平均)データとして、流量計15,19が計測した給湯負荷データと、電力計26が計測した電力負荷データを蓄積してHDD37のデータベース36に保存する。そして、S42において、予測対象日の給湯負荷と電力負荷を各時間帯毎に予測する。この予測方法は、既知であるので説明を省略する。
従って、第1実施形態に係るコージェネレーションシステム1の運転制御装置30Dは、例えば図8に示すように予測対象日翌日の8:00から給湯負荷HIAがあるときに、その給湯負荷HIAを賄うように、予測対象日の最終給湯負荷時刻22:00から発電機8を運転した場合(図中Y1参照)の一次エネルギー消費量と、予測対象日翌日の午前中に給湯負荷HIAが発生する時刻8:00から遡って発電機8を運転した場合(図中Y2参照)の一次エネルギー消費量とを比較し、一次エネルギー消費量が小さくなる時間サイクル0:00〜36:00又は0:00〜24:00を選択して発電機8の運転パターンを決定する(図7のS43:YES、S44〜S49参照)。よって、第1実施形態に係るコージェネレーションシステム1の運転制御装置30Dによれば、少ない計算回数や取扱データ数で発電機8を運転する時間サイクルを可変としつつ、コージェネレーションシステム1を使用する使用者の生活パターンに合わせて発電機8の運転パターンを決定することができ、コージェネレーションシステムを効率よく運転することができる。
次に、本発明に係るコージェネレーションシステムの運転制御装置の第4参考例について図面を参照して説明する。図9は、本発明の第4参考例に係るコージェネレーションシステム1の運転を制御する運転制御装置30Eに格納される運転制御プログラム35Eのフロー図である。
第4参考例の運転制御装置30Eは、風呂時刻のバラツキが大きい場合、予測対象日当日に風呂時刻を再設定して貯湯タンク2が満タンになること或いは湯切れを防止する点で、第1参考例と相違する。よって、ここでは第1参考例と相違する点を中心に説明し、共通する点は図面に同一符号を付して説明を適宜省略する。
図9に示すように、運転制御プログラム35Eは、先ずS51において30分〜2時間程度の積算(平均)データとして給湯負荷データ、電力負荷データを蓄積してHDD37のデータベース36に蓄積する。そして、S52において、既知の方法に従って、予測対象日の給湯負荷及び電力負荷を各時間帯毎に予測し、発電機8の運転パターンを決定する。そして、S53において、所定時間が経過したか否かを判断する。この所定時間は、貯湯タンク2のタンク残熱を監視する時間を設定するものであり、この目的を達成し得れば任意に設定可能である。第4参考例では、タンク残熱を毎時間監視するように、直前の所定時間計測後から1時間を所定時間とする。1時間が経過するまでは(S53:NO)、待機する。
従って、第4参考例に係るコージェネレーションシステム1の運転制御装置30Eは、貯湯タンク2のタンク残熱を算出し、そのタンク残熱がタンク残熱の予測値と一定量を超えて乖離したときに、発電機8の出力を変更する(図9のS55:YES、S56〜S64参照)。そのため、第4参考例に係るコージェネレーションシステム1の運転制御装置30Eによれば、発電機8の出力を変更することにより風呂負荷の予測外れを事後的に是正し、コージェネレーションシステム1を効率よく運転することができる。
次に、本発明に係るコージェネレーションシステムの運転制御装置の第2実施形態について図面を参照して説明する。図10は、本発明の第2実施形態に係るコージェネレーションシステム1の運転を制御する運転制御装置30Fに格納される運転制御プログラム35Fのフロー図である。図11は、風呂時刻の標準正規分布の一例を示す図であり、縦軸に発生確率を示し、横軸に時刻を示す。図12は、図10に示す運転制御プログラム35Fにより決定された運転パターンの一例を示す図であり、縦軸にタンク残熱を示し、横軸に時刻を示す。図13は、図10に示す運転制御プログラム35Fにより決定された運転パターンの一例を示す図であり、縦軸にタンク残熱を示し、横軸に時刻を示す。
図10に示すように、運転制御プログラム35Fは、S71において、例えば、予測対象日と同曜日の風呂時刻(過去4〜12週間分)をHDD37のデータベース37から読み込み、過去の風呂時刻の偏差を算出する。そして、S72において、風呂時刻の偏差が所定値以下であるか否かを判断する。「所定値」は、風呂時刻が所定時刻に発生する確率を調べることができるように任意に設定可能である。風呂時刻の偏差が所定値以下であり、風呂時刻のバラツキが小さい場合には(S72:YES)、風呂16の発生時刻が安定し、過去の給湯負荷データを用いて予測対象日の給湯負荷を予測しても予測外れしにくいことを意味するので、そのまま処理を終了する。
従って、第2実施形態に係るコージェネレーションシステム1の運転制御装置30Fは、風呂時刻のバラツキが大きく、風呂時刻の予測が外れやすいときに、風呂時刻の平均値から標準偏差分だけ時間を減算して第1風呂候補時刻を算出し、第1風呂候補時刻を予測対象日の風呂時刻に設定して発電機8の運転パターンを決定する(図10のS72:YES、S73〜79、図12、図13参照)。これにより、第2実施形態に係るコージェネレーションシステム1の運転制御装置30Fは、発電機8の出力を頻繁に変更したり、発電機8の起動と停止を繰り返さなくても、湯切れやタンク満タン状態を回避でき、コージェネレーションシステム1を効率よく運転することができる。
貯湯タンク2のタンク残熱を算出し、その貯湯タンク2のタンク残熱が貯湯タンク2のタンク満タン量に対して所定の割合を常に超える場合には、第1風呂候補時刻に風呂負荷が発生しないと、貯湯タンク2が満タンになって放熱損を生じる恐れがある。この場合には、風呂時刻の平均値に標準偏差分だけ時間を加算して風呂時刻を遅らせた第2風呂候補時刻を設定し、第1風呂候補時刻から第2風呂候補時刻まで発電機を最低出力で運転する(図10のS75:NO,S78,S79、図13参照)。よって、第2実施形態に係るコージェネレーションシステム1の運転制御装置30Fによれば、湯切れとタンク満タン状態を防ぎつつ、予測対象日の電力負荷と給湯負荷をコージェネレーションシステム1で賄うことができ、高い省エネ性を確保できる。
例えば、上記参考例及び実施の形態では、家庭に設置したコージェネレーションシステムを対象にして運転制御装置3A〜30Fを説明したが、例えば、従業員数名の企業に設置したコージェネレーションシステムなど、給湯負荷や電力負荷が使用者の使用パターンに応じて変化しやすいものであっても、運転制御装置30A〜30F適用して予測精度の向上を図ることが可能である。
例えば、上記第1,2参考例では、給湯負荷と水温、又は、風呂負荷と水温との相関関係を基準に説明したが、給湯負荷と外気温、又は、風呂負荷と外気温との相関関係を基準にしてもよい。
例えば、上記第1参考例では給湯負荷を基準に、また、上記第2参考例では風呂負荷を基準に、予測対象日の給湯負荷又は風呂負荷を予測した。これに対して、給湯負荷から風呂負荷を除いた汎用給湯負荷を基準に予測対象日の汎用給湯負荷を予測し、発電機8の運転パターンを決定してもよい。例えば、季節の変わり目に、風呂16に湯張りするパターンからシャワーを使用するパターンに風呂16の使用パターンが変わっても、使用パターンの前後で給湯負荷全体の変化が乏しい場合には、給湯負荷や風呂負荷を基準にすると、予測対象日の給湯負荷予測を精度良く行うことができないが、汎用給湯負荷を基準にすれば、風呂16の使用パターンの変化に影響されずに給湯負荷を精度良く予測できる。よって、ユーザの生活パターンに応じて、給湯負荷、風呂負荷及び汎用給湯負荷の何れを基準にするか適宜決定すれば、給湯負荷をより一層精度良く予測できる。
8 発電機
30A,30B,30C,30D,30E,30F 運転制御装置
35A,35B,35C,35D,35E,35F 運転制御プログラム
36 データベース
Claims (3)
- 予測対象日のエネルギー負荷パターンを予測して発電機の運転パターンを決定するコージェネレーションシステムの運転制御装置において、
予測対象日翌日の午前中に給湯負荷があるときに、予測対象日の最終給湯負荷時刻から前記午前中の給湯負荷を賄うように前記発電機を運転した場合の一次エネルギー消費量と、前記午前中の給湯負荷が発生する時刻から遡って前記午前中の給湯負荷を賄うように前記発電機を運転した場合の一次エネルギー消費量とを比較し、前記一次エネルギー量が小さくなる時間サイクルを選択し、前記発電機の運転パターンを決定する運転制御プログラムを有することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転制御装置。 - 予測対象日のエネルギー負荷パターンを予測して発電機の運転パターンを決定するコージェネレーションシステムの運転制御装置において、
風呂時刻のバラツキが大きいときに、風呂時刻の平均値から標準偏差分だけ時間を減算して第1風呂候補時刻を算出し、前記第1風呂候補時刻を風呂時刻に設定して前記発電機の運転パターンを決定するものであって、前記風呂時刻の平均値を風呂時刻として前記発電機の運転パターンを仮決めしたときの貯湯タンクのタンク残熱を算出し、前記貯湯タンクのタンク残熱が、前記貯湯タンクのタンク満タン量に対して所定の割合を常に超えると判断したときに、前記第1風呂候補時刻から、前記風呂時刻の平均値に標準偏差分だけ時間を加算した第2風呂候補時刻まで、前記発電機を最低出力で運転する運転制御プログラムを有することを特徴とするコージェネレーションシステムの運転制御装置。 - 請求項2に記載するコージェネレーションシステムの運転制御装置において、
前記運転制御プログラムは、予測対象日当日に風呂負荷が発生した後、前記発電機を電力負荷追従運転に変更するものであることを特徴とするコージェネレーションシステムの運転制御装置。
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