JP4783691B2 - 家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置 - Google Patents
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Description
運転制御は、家庭用ガスエンジンコジェネにおいても実施されており、その方法としては過去の家庭のエネルギー負荷データから翌日のエネルギー使用パターンを類推し、所定の方法に基づいて運転方法を決定するものである。そのため、省エネ効果を得るためには、(1)翌日のエネルギー使用パターンの予測、(2)FCの運転方法決定ロジック、の2つについての精度を向上させる必要がある。しかし、家庭のエネルギー負荷は外気環境だけでなく、住人の主観や生活パターンの変化によって日々変化するもので、(1)翌日のエネルギー負荷の予測精度を向上させるのは実質的に困難である。
特許文献2は、ある基準に基づいてエネルギー負荷データの採用の可否を決定し、採用した数日分のエネルギー負荷データに重み係数を掛けて予測値としたものである。そのため、データ量は少ないが、エネルギー負荷データの採用条件がエネルギー負荷の変化が急激に発生しないということを前提に置いているため、季節の変わり目など、エネルギー負荷が大きく変化する場合には、重み係数を乗じた結果、図11のとおり実際値(実践で示す。)と予測値(点線で示す。)が大きくずれることになり、精度が著しく低下する。
特許文献4は、過去のエネルギー負荷の平均値を用いたものであるため、特許文献2と同様、季節の変化に伴う外気温の変化、生活パターンの変化、等による急激なエネルギー負荷の変化時には実際の値との間にズレが生じる。
特許文献6は、家庭用コジェネの基本制御ロジック一つと考えられる。1日および2日の予測電力及び熱負荷をもとに、どの起動時刻から運転を開始した場合が最も省エネであるかを計算し、決定する方法である。しかし、熱負荷(家庭用では、主として風呂負荷+給湯負荷である。)に合わせた運転のため、熱負荷が小さい家庭については燃料電池の1回あたりの運転時間が短くなり、省エネ効果が得られない。
従来技術で取り組んでいる予測方法を用いても期待される予測精度を得ることは困難である。特に、熱負荷(給湯負荷+風呂負荷)に関しては、使用時刻が短いため、電力負荷と比較して使用時刻(発生時刻)の予測精度が低下する傾向にあり、予測精度の低い熱負荷を基準に燃料電池システムを運転させても期待される省エネ効果を得ることは困難である。
また、翌日熱負荷の予測を精度よく行えても、従来技術で取り組んでいる「熱負荷に合わせた運転」では、熱負荷の需要量が少ないとき、燃料電池の1回当りの運転時間が短くなり、十分な省エネ効果を得られない。また、翌日負荷の予測を精度よく行えても、エネルギー負荷の需要量が大きいとき、家庭の熱負荷を賄うためには貯湯タンクの満タン近くまで蓄熱する必要があり、また発電出力が高く蓄熱速度が早くなるため、熱負荷の使用時刻が僅かに遅れただけで満タンになり、燃料電池システムを停止することになる。結果として燃料電池システムの稼働時間が減少し期待される省エネ効果を得ることができなくなる。
(1)その家庭の過去の電力負荷データから翌日の電力負荷パターンを類推し、給湯負荷データ及び風呂負荷データから翌日の給湯負荷パターン及び風呂負荷パターンを類推し、家庭用燃料電池システムの運転方法を決定する家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置において、(a)過去の電力負荷、給湯負荷、及び風呂負荷をデータベースに蓄積し、その蓄積データに基づいて、前記(給湯負荷+風呂負荷)の発生時刻の偏差を算出したときに、前記算出した(給湯負荷+風呂負荷)の発生時刻の偏差が所定値より大きい場合、(b)または、過去の電力負荷、給湯負荷、及び風呂負荷をデータベースに蓄積し、その蓄積データに基づいて、翌日の電力負荷、給湯負荷、及び風呂負荷を算出予測して、前記算出した翌日の(給湯負荷+風呂負荷)が所定値より小さい場合には、(c)前記家庭用燃料電池システムの効率を高める運転方法を行うことを特徴とする。
(2)(1)に記載する家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置において、前記算出した翌日の風呂負荷の発生確率が所定値より高いときに、前記風呂負荷を前記家庭用燃料電池システムで賄うことを特徴とする。
(4)(3)に記載する家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置において、前記算出した翌日の風呂負荷の発生確率が所定値より高いときに、前記風呂負荷を前記家庭用燃料電池システムで賄うことを特徴とする。
例えば、3交代勤務のような変則的な勤務形態の家庭では、給湯時間等、大きなバラツキを有している場合が多い。また、子どもが小さい家庭は、比較的規則正しい熱負荷を有しているが、子どもが大学生以上になると、生活時間が大きく変化して、風呂負荷の発生時刻等のバラツキが大きくなる傾向が強い。このようなケースでは、熱負荷の発生時刻、発生確率等が大きく相違するため、熱負荷予測が特に困難である。
しかし、請求項1または2に記載する発明によれば、熱負荷予測が困難な家庭に関して、燃料電池のハード性能の高い時間帯に運転することにより、省エネ効果の高い運転を実施できる。すなわち、本来、熱負荷が予測できるならば、その熱負荷発生に合わせて燃料電池システムを運転することがエネルギ効率が良いが、熱負荷予測が困難な家庭では、次善の策として、燃料電池システムを最も効率よく運転できる条件で運転することが、全体システムの効率を高くすることができるのである。
それを回避することを目的として、請求項3または4に記載する発明によれば、エネルギー負荷の大きな家庭に関して、予測外れに起因したタンク満タン停止時刻を遅らせ、燃料電池の稼働時間を延長することで、省エネ効果の高い運転を実施できる。
(第1実施例)
(コージェネレーションシステムの概略構成)
図11に示すコージェネレーションシステム1は、容量が100〜200Lの貯湯タンク2を備える。貯湯タンク2は、底部に接続する水道管3から水道水を供給されて常時満水状態にされている。貯湯タンク2の底部と頂部には、循環配管4が接続し、循環配管4に設置された第1ポンプ5を駆動することにより、貯湯タンク2の水を底部から取り出して上部に戻すようになっている。循環配管4は、第1ポンプ5の下流側に熱交換器6が設置され、熱交換器6を介して熱回収用循環配管7と連結している。熱回収用循環配管7は、発電機8に接続し、第2ポンプ9を駆動することにより熱回収用循環配管7を循環する循環水が発電機8の排熱を回収するようになっている。従って、発電機8が発電しているときに、第1ポンプ5と第2ポンプ9を駆動すれば、発電機8の排熱により熱回収用循環配管7の循環水を加熱し、熱交換器6において熱回収用循環配管7の循環水から循環配管4の水に熱伝達して、給湯水を貯湯タンク2に貯めることができる。
貯湯タンク2の上部には、給湯管10が接続している。給湯管10は、汎用給湯管10Aと風呂専用給湯管10Bとを備える。
なお、第1実施形態において、汎用給湯負荷と風呂負荷とを合わせたものを「給湯負荷」というものとする。
一方、貯湯タンク2の貯湯量は、給湯水と水道水の境界面を貯湯温度センサ20で感知することにより検出される。また、水道水の温度は、水道管3に取り付けられた水温計21によって検出されている。
上記発電機8、給湯温度センサ12、三方弁13、ガスボイラ14、流量計15、三方弁18、流量計19、貯湯温度センサ20、水温計21、分電盤23、電力計26等には、運転制御装置30Aが接続している。
図12は、運転制御装置30の電気ブロック図である。
運転制御装置30は、周知のマイクロコンピュータであって、入出力インターフェース31、CPU32、ROM33、RAM34を内蔵する。入出力インターフェース31は、給湯温度センサ12、流量計15、流量計19、貯湯温度センサ20、水温計21、電力計26などに接続し、信号を入力する。ここで、「入力データ」とは、エネルギー負荷データ、貯湯温度データ、給湯量データ、水温(外気温)データ、給湯温度データ等の各センサが検出したデータ、及び、初期データなど使用者等によって入力されたデータをいうものとする。 「エネルギー負荷データ」には、電力負荷を測定した電力負荷データと給湯負荷を測定した給湯負荷データが含まれるものとする。
また、入出力インターフェース31は、発電機8、三方弁13、ガスボイラ14、三方弁18、分電盤23などに接続し、信号を出力する。ここで、「出力データ」とは、発電機8を運転制御する運転制御データ、三方弁13,18やガスボイラ14、分電盤23など制御機器の動作を制御するデータ、他の制御装置に送信される送信データなど、運転制御装置30Aの外部に出力されるデータをいうものとする。
RAM34は、ROM33のプログラム等を実行する上で必要なデータやプログラムを一時的に格納したり、各種データを蓄積して記憶する読み書き可能な揮発性メモリである。
HDD37は、データやプログラムを読み書き可能な不揮発性メモリである。HDD37には、データベース36が設けられている。データベース36には、電力負荷データや給湯負荷データ、風呂負荷データなど各種データが蓄積して記憶される。この意味で、データベース36は、「データ蓄積手段」に相当する。
図1〜図6は、図12に示す第1実施例の運転制御プログラムのフロー図である。
運転制御装置30は、予測対象日前日の所定時間になると、運転制御プログラム35AをROM33から読み出して実行する。
図1〜図6に本発明を具体化した1実施例である家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置の制御内容をフローチャートで示す。図5、6は、風呂が発生しないときの計算フローチャートを示す。第1実施例の内容をフローチャートに沿って説明する。
(ステップ1)データベース作成
各家庭における電力負荷、給湯負荷、及び風呂負荷について、30min〜2hour程度の時間単位で、各単位時間当たりの積算(平均)データとして電力負荷、給湯負荷、風呂負荷を蓄積してDB化する(S1)。このデータは、月日及び曜日も含まれている。
翌日と同曜日の電力負荷、給湯負荷、風呂負荷、(過去4〜12週分)をDBから読み込む。或いは喫緊の1週間のデータをDBから読み込む(S2)。読み込んだデータに対して所定の方法を用いて、翌日の電力負荷、給湯負荷、風呂負荷を算出する(S3)。なお、所定の方法とは、本実施例では、移動平均、または加重平均を用いている。
(ステップ3)熱負荷のバラツキの検討
算出した熱負荷(風呂負荷+給湯負荷)の発生時刻の偏差を算出する。偏差(バラツキ)が所定の値を上回る、或いは1日トータルの熱負荷が所定の値を下回るとき(S4;YES)、電力負荷と風呂負荷に着目して、S5へ進む。そうでない場合は(S4;NO)、通常運転に戻る。
例えば、3交代勤務等により(給湯負荷+風呂負荷)の使用時間が大きなバラツキを有する家庭では、熱負荷を予測することが極めて困難なので、予測制御は無理であると判断する。
すなわち、風呂の発生時刻のデータの偏差を算出し、その偏差が所定の値を超えたときバラツキが大きいと判断する。
さらに、同曜日の風呂使用率が所定%以上の場合、または1週間の風呂使用率が所定%以上の場合には(S6;YES)、同じくS7へ進む。
同曜日の全日風呂使用がなく、または1週間全日風呂使用もない場合で(S5;NO)、かつ、同曜日の風呂使用率が所定%以上でない場合、または1週間の風呂使用率が所定%以上でない場合には(S6;NO)、風呂使用の可能性が低いと判断して、風呂が発生しないときの計算に進む。
タンク満タン分を発電させると仮定したとき、1日の中で、最も高い効率で燃料電池システムを運転できる時間帯を探索する。一般的に燃料電池システムは定格出力が最も効率が高く出力低減とともに効率が減少するので、発電出力の高い時間帯の運転、つまり電力負荷の高い時間帯の運転を選択することになる。具体的な探索方法は以下のとおりである。
(ステップ4−1)
風呂負荷の発生が確実なとき、仮の起動時刻を現在時刻に設定し(S7)、そのときのタンク残熱量=(タンク残熱−給湯負荷)×放熱損を算出して、記憶する(S10)。タンク残熱量の計算は、現在時刻から仮の起動時刻まで計算する(S9〜S11)。
タンク残熱量が風呂負荷より大きいときは、発熱を必要としないからである。また、燃料電池システムの運転によるタンク満タン時刻が予測風呂時間の前に起きるときは、燃料電池システムで発生する熱が無駄になる恐れがあるからである。また、予測風呂時刻の前に湯切れが発生すると、燃料電池の熱で風呂負荷をまかなえない可能性が高い。
一方、破棄されなかったときは(S27;YES)、仮の起動時刻を採用する可能性があるので、熱回収累積値を算出する(S31)。熱回収累積値がタンク満タンHsMax以上となると(S32;YES)、燃料電池システムが運転したときの平均効率、すなわち次に、タンク満タンになるまでの燃料電池システムの平均効率を算出する(S34)。
(ステップ4−2)
次に、仮の起動時刻を1時間遅らせて(S35)、同様の計算を実施する。そして、仮の起動時刻が風呂時間になるまで繰り返し計算を実施する。次に、繰り返し計算した結果の中で、平均効率の高い時間を起動時刻として採用する(S37)。そして、その仮の起動時刻のとき、給湯タンクが満タンになるときの時刻を停止時刻とする(S45)。
そして、破棄されなかったとき(S64;NO)、タンク満タンになるまでの燃料電池システムの平均効率を算出する(S80)。
(ステップ4−4)次に、仮の起動時刻を1時間遅らせて(S62)、同様の計算を実施する(S61〜S63)。仮の起動時刻が24時になるまで繰り返し計算を実施する。次に、繰り返し計算した結果の中で、平均効率の高い時間を起動時刻とし(S67)、そのとき満タンになるときの時刻を停止時刻とする(S75)。
(ステップ5)起動後は、タンク満タンになるまで運転を継続する。ただし、予定の停止時刻を超えて運転を継続しているときは、運転によって増エネにならないことが必須条件である。
横軸が時刻を表し、縦軸は電力(W)を表している。実線で示すG1は、電力負荷を示し、点線で示すG2は実際の発電出力を示し、一点鎖線のG3は予測した発電出力を示している。G4で示す棒グラフは、風呂負荷の予測を示し、G5で示す棒グラフは、実際の風呂負荷を示している。
図に示すように、風呂負荷の予測はずれにより、熱負荷(風呂負荷)が、G4からG5へと2時間弱遅れたため、燃料電池システムが、給湯タンクが満タンになったため停止してしまい(G2がゼロとなり)、結果として、効率の高い時間帯において燃料電池システムを運転することができなかった。
すなわち、図13では、風呂負荷を予測して、午前5時ごろから燃料電池システムの運転を開始して、風呂負荷発生時刻までに給湯タンクを満タンにしている。これに対して、図14では、燃料電池システムの効率を第1にしているため、運転開始時刻が11時ごろとなり、風呂負荷発生時刻が2時間弱遅れても、給湯タンクが満タンにならないのである。
さらに、上記家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置において、前記算出した翌日の風呂負荷の発生確率が所定値より高いときに(S6)、前記風呂負荷を前記家庭用燃料電池システムで賄うこと(S7〜S57)を採用しているので、風呂負荷のみをターゲットとして燃料電池システムの発熱を利用できる可能性が高まるため、全体システムの効率をより高くできる可能性がある。
図7〜図10に本発明を具体化した第2実施例である家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置の制御内容をフローチャートで示す。第2実施例の内容をフローチャートに沿って説明する。
第2実施例の作用を具体的な手順に沿って説明する。
(ステップ1)データベース作成
各家庭における電力負荷、給湯負荷、及び風呂負荷について、30min〜2hour程度の時間単位で、各単位時間当たりの積算(平均)データとして電力負荷、給湯負荷、風呂負荷を蓄積してDB化する(S101)。このデータは、月日及び曜日も含まれている。
翌日と同曜日の電力負荷、給湯負荷、風呂負荷、(過去4〜12週分)をDBから読み込む。或いは喫緊の1週間のデータをDBから読み込む(S102)。読み込んだデータに対して所定の方法を用いて、翌日の電力負荷、給湯負荷、風呂負荷を算出する(S103)。なお、所定の方法とは、本実施例では、移動平均、または加重平均を用いている。
(ステップ3)電気負荷と熱負荷の検討
算出した1日のトータルの電力負荷が所定の値より大きく、かつ1日のトータルの熱負荷(風呂負荷+給湯負荷)も所定の値より大きいとき(S104;YES)、熱負荷に着目するため、S106に進む。そうでない場合は、通常運転に戻る(S104;NO)。
特に、風呂負荷は給湯負荷と比較して発生時刻や発生の有無の予測精度が高く、また熱量が大きいことから、燃料電池システムで賄うことが省エネ効果向上に繋がることに着目する。すなわち、同曜日の全日風呂使用があったか、または1週間全日風呂使用があった場合には、翌日も風呂使用の可能性が高いので、S109へ進む(S106;YES)。
さらに、同曜日の風呂使用率が所定%以上の場合、または1週間の風呂使用率が所定%以上の場合には、同じくS109へ進む(S107;YES)。
同曜日の全日風呂使用がなく、または1週間全日風呂使用もない場合(S106;NO)で、かつ、同曜日の風呂使用率が所定%以上でない場合、または1週間の風呂使用率が所定%以上でない場合には、風呂使用の可能性が低いと判断して(S107;NO)、風呂が発生しないときの計算に進む(S108)。
(ステップ4−1)風呂負荷の発生が確実なとき、仮の起動時刻を現在時刻に設定し、そのときのタンク残熱量=(タンク残熱−給湯負荷)×放熱損を算出する(S113)。
現在時刻が風呂負荷時刻以前のときで、仮の起動時刻における残熱量が風呂負荷より大きいとき(S115;YES)、或いは燃料電池システムの運転によるタンク満タン時刻が風呂時刻の前に起きるとき(S131;NO)、この起動時刻については破棄する(S132)。燃料電池システムの運転によるタンク満タン時刻が予測風呂時間の前に起きるときは、燃料電池システムで発生する熱が無駄になる恐れがあるからである。
また、現在時刻が風呂時刻以降のとき、仮の起動時刻から12時間以前に満タンになるときは結果を破棄する。燃料電池システムで発生する熱が無駄になる恐れがあるからである。
破棄されなかったとき、仮の起動時刻からタンク満タンになるまでの累積熱負荷を算出する(S133)。
仮の起動時刻を1時間遅らせて、同様の計算を実施する(S134)。
現在時刻が風呂時刻以前のときには、仮の起動時刻が風呂時刻になるまで繰り返し計算を実施する(S135)。そして、現在時刻が風呂時刻以降のときには、仮の起動時刻が24時になるまで繰り返し計算を実施する。
そして、累積熱負荷の高い時刻を起動時刻とし(S136)、満タンになるときの時刻を停止時刻とする。
(ステップ4−4)仮の起動時刻を1時間遅らせて(S156)、同様の計算を実施する。仮の起動時刻が24時になるまで繰り返し計算を実施し、累積熱負荷の高い時間を起動時刻とし(S159)、満タンになるときの時刻を停止時刻とする。
(ステップ4−5)決定した起動時刻から順に1時間ずつ起動時刻を遅らせるか否かの判定を行う(S160〜S162)。判定基準はその時間帯を発電させると増エネになるか否かである(S160)。増エネになると判定されたときは(S160;YES)、起動時刻を1時間遅らせ(S161)、次の時間帯を調べる。増エネにならないと判定されたときを(S160;NO)、起動時刻とする。停止時刻に関しても同様に順に1時間ずつ停止時刻を早め、増エネにならないと判定された時刻を停止時刻とする(S164〜S166)。
(ステップ5)起動後は、タンク満タンになるまで運転を継続する。ただし、予定の停止時刻を超えて運転を継続しているときは、運転によって増エネにならないことが必須条件である。
横軸が時刻を表し、縦軸は電力(W)を表している。実線で示すG1は、電力負荷を示し、点線で示すG2は実際の発電出力を示し、一点鎖線のG3は予測した発電出力を示している。G4で示す棒グラフは、風呂負荷の予測を示し、G5で示す棒グラフは、実際の風呂負荷を示している。
図に示すように、熱負荷が集中していない時間から燃料電池システムを運転しているため、わずかな時間のずれで給湯タンクが満タンになってしまう。そして、燃料電池システムが、給湯タンクが満タンになったため停止してしまい(G2がゼロとなり)、結果として、効率の高い時間帯において燃料電池システムを運転することができなかった。
すなわち、図15では、午前5時ごろから燃料電池システムの運転を開始しているため、わずかな時間のずれで給湯タンクが満タンになってしまい、電力負荷の大きいときに、燃料電池システムが停止してしまう問題がある。
これに対して、図16では、運転開始時刻が11時ごろとなり、熱負荷が集中している時間帯に燃料電池システムを運転しているので、給湯タンクが満タンにならないのである。
さらに、上記家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置において、前記算出した翌日の風呂負荷の発生確率が所定値より高いときに、前記風呂負荷を前記家庭用燃料電池システムで賄うことを採用するので、風呂負荷のみをターゲットとして燃料電池システムの発熱を利用できる可能性が高まるため、全体システムの効率をより高くできる可能性がある。
12 給湯温度センサ
14 ガスボイラ
16 風呂
20 貯湯温度センサ
21 水温計
30 運転制御装置
35 運転制御プログラム
Claims (2)
- その家庭の過去の電力負荷データから翌日の電力負荷パターンを類推し、給湯負荷データ及び風呂負荷データから翌日の給湯負荷パターン及び風呂負荷パターンを類推し、家庭用燃料電池システムの運転方法を決定する家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置において、
過去の電力負荷、給湯負荷、及び風呂負荷をデータベースに蓄積し、その蓄積データに基づいて、前記(給湯負荷+風呂負荷)の発生時刻の偏差を算出したときに、前記算出した(給湯負荷+風呂負荷)の発生時刻の偏差が所定値より大きい場合、
または、過去の電力負荷、給湯負荷、及び風呂負荷をデータベースに蓄積し、その蓄積データに基づいて、翌日の電力負荷、給湯負荷、及び風呂負荷を算出予測して、前記算出した翌日の(給湯負荷+風呂負荷)が所定値より小さい場合には、
類推した前記翌日の電力負荷パターンのうち、電力負荷の高い時間帯に、前記家庭用燃料電池システムを運転すること、
を特徴とする家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置。 - 請求項1に記載する家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置において、
前記算出した翌日の風呂負荷の発生確率が所定値より高いときに、前記風呂負荷を前記家庭用燃料電池システムで賄うことを特徴とする家庭用燃料電池コジェネシステムの運転制御装置。
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