JP5126345B2 - 貯湯式給湯システム - Google Patents

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本発明は、貯湯式給湯システムに関する。
従来、給湯負荷の発生に対して湯切れの生じることのないように、過去の給湯負荷実績から当日の給湯負荷を予測して、当該予測された給湯負荷において湯切れのないように沸き上げを行う貯湯式給湯システムが提案されている。具体的には、例えば、特許文献1には、時間帯別に給湯負荷を記憶し、出来るだけ少ないタンク蓄熱量で湯切れのないように沸き上げを制御する技術が提案されている。また、特許文献2には、入浴向けの給湯負荷とその他の給湯負荷を区別して記憶し、出来るだけ少ないタンク蓄熱量で湯切れのないように沸き上げを制御する技術が提案されている。更に、特許文献3には、出湯と追い焚きの給湯負荷を区別して記憶し、出来るだけ少ないタンク蓄熱量で湯切れのないように沸き上げを制御する技術が提案されている。
特許第3807930号公報 特開2008−32245号公報 特許第3868908号公報
しかしながら、上述した特許文献の給湯システムでは、加熱手段を利用した沸き上げ動作により貯湯タンク内に蓄えられた湯(熱量)を給湯端末に供給する給湯負荷と、加熱手段により加熱された湯の熱量を貯湯タンクに蓄えることなく給湯端末に供給する給湯負荷と、を区別していない。このため、上記従来の技術では、貯湯タンク内へ貯留すべき蓄熱量を判断する点において未だ改善の余地を残すものであり、貯湯タンク内の湯の湯切れ、湯余りによるシステムのエネルギ効率の低下を招くおそれがあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、貯湯タンク内に蓄える蓄熱量をできるだけ抑えつつ、湯切れのないように沸き上げを制御する貯湯式給湯システムを提供することを目的とする。
本発明に係る貯湯式給湯システムは、貯湯タンク内の水を加熱手段により加熱して湯にする沸き上げ動作と、沸き上げ動作により貯湯タンク内に蓄えられた熱量を給湯端末に供給する第1の給湯運転と、加熱手段により加熱された湯の熱量を貯湯タンクに蓄えることなく給湯端末に供給する第2の給湯運転と、を行う貯湯式給湯システムであって、沸き上げ動作により所定の蓄熱量を貯湯タンク内に一括して蓄える一括沸き上げ手段と、貯湯タンク内の蓄熱量が所定の必要蓄熱量を下回った場合に、沸き上げ動作により追加で熱量を蓄える追加沸き上げ動作を実行する追加沸き上げ手段と、第1の給湯運転による1日の給湯負荷(以下、第1の給湯負荷)の過去の実績に関する情報と、第2の給湯運転による1日の給湯負荷(以下、第2の給湯負荷)の過去の実績に関する情報とを、それぞれ記憶する記憶手段と、第1,第2の給湯負荷の記憶情報に基づいて、当日に必要とされる第1,第2の給湯負荷を第1,第2の給湯負荷予測値としてそれぞれ予測する予測手段と、を備え、一括沸き上げ手段は、第1,第2の給湯負荷予測値に基づいて、所定の蓄熱量を設定し、追加沸き上げ手段は、第1の給湯負荷予測値と第1の給湯負荷の現時点までの当日の実績値との差分値が貯湯タンク内の現時点での蓄熱量よりも所定量以上大きい場合に、追加沸き上げ動作を停止する停止動作を実行することを特徴とするものである。
本発明によれば、貯湯タンク内に蓄える蓄熱量をできるだけ抑えつつ、湯切れのないように沸き上げを制御する貯湯式給湯システムを提供することができる。
本発明の実施の形態1における貯湯式給湯システムの構成図である。 本発明の実施の形態1におけるシステムの制御系統を示す構成図である。 本実施の形態の給湯式貯湯システムが第1の給湯負荷と第2の給湯負荷の当日の値を予測する方法について説明ための図である。 本実施の形態1における貯湯式給湯システムの沸き上げ動作について説明するための図である。 本実施の形態1における貯湯式給湯システムの第1の給湯運転動作について説明するための図である。 本実施の形態1における貯湯式給湯システムの追焚運転動作について説明するための図である。 貯湯タンク3内の蓄熱量の時間変化を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。また、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[本実施の形態の構成]
図1は、本発明の実施の形態1における貯湯式給湯システムの構成図である。図1に示す貯湯式給湯システム10は、貯湯タンクユニット1と、ヒートポンプサイクルを利用するように構成されたヒートポンプユニット2とを備えている。2つのユニット1、2は、加熱用往き配管301aと加熱用戻り配管301bとによって接続されている。また、貯湯タンクユニット1には、制御部100が内蔵されている。貯湯タンクユニット1およびヒートポンプユニット2が備える各種の弁類、ポンプ類等の作動は、これらと電気的に接続された制御部100により制御される。以下、貯湯式給湯システム10の各構成要素について説明する。
ヒートポンプユニット2は、貯湯タンクユニット1から導かれた低温水を加熱する(沸き上げる)ための加熱手段として機能するものである。ヒートポンプユニット2は、詳細な図示は省略するが、圧縮機、沸き上げ用熱交換器、膨張弁、空気熱交換器を冷媒循環配管にて環状に接続し、冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)を構成している。沸き上げ用熱交換器は、ヒートポンプサイクルを構成する冷媒循環配管を流れる冷媒と貯湯タンクユニット1から導かれた低温水との間で熱交換を行うためのものである。また、沸き上げ温度センサ502は、沸き上げ用熱交換器で加熱した高温水の温度を検知するための温度センサであり、加熱用戻り配管301bに設けられている。ヒートポンプユニット2で高温水を得るためには、ヒートポンプサイクルは、冷媒として二酸化炭素を用い、臨界圧を越える圧力で運転することが好ましい。
一方、貯湯タンクユニット1には、以下の各種部品や配管などが内蔵されている。貯湯タンク3は、湯水を貯留するためのものである。貯湯タンク3の下部には、市水を供給するための給水用配管302が接続されており、貯湯タンク3の上部には、貯留した湯水を給湯機外部へ供給するための導出用配管303が接続されている。導出用配管303と貯湯タンク3の上部との接続部近傍には、該導出用配管303へ流れる湯水の温度を検出するための導出温度センサ503が配設されている。また、給水用配管302の途中には、当該給水用配管302を流れる市水の温度を検出するための給水温度センサ504が配設されている。尚、貯湯タンク3には、ヒートポンプユニット2を用いて加熱された高温水がタンク上部から流入されるとともに、給水用配管302を介して低温水をタンク下部から流入させることにより、タンク内の上部と下部で温度差が生じるように湯水が貯留される。また、貯湯タンク3の表面には、貯湯タンク3内の湯水の温度分布を検知するための6個の貯湯温度センサ501a〜501fがそれぞれ上方から順に取り付けられている。これらの貯湯温度センサ501a〜501fにより取得された温度分布に基づいて、貯湯タンク3内の残湯量(貯湯量)が把握され、ヒートポンプユニット2による貯湯タンク3内の湯水の沸き上げ運転の開始および停止などが制御される。
また、貯湯タンクユニット1内には、加熱用ポンプ4および追焚熱交換器5が内蔵されている。加熱用ポンプ4は、加熱用往き配管301aの途中に配設され、貯湯タンクユニット1内の後述する各種配管に湯水を循環させるためのポンプである。追焚熱交換器5は、貯湯タンク3やヒートポンプユニット2から供給される高温水を利用して、2次側の浴槽循環水を加熱(追焚)するための熱交換器である。追焚熱交換器5の2次側の入口および出口は、浴槽戻り配管306bおよび浴槽往き配管306aを介して浴槽6と接続されている。また、浴槽戻り配管306bの途中には、浴槽水を循環させるための浴槽用ポンプ7と、浴槽6から追焚熱交換器5へ流れ込む浴槽水の温度を検知するための浴槽戻り温度センサ506とが設置されている。
また、追焚熱交換器5の1次側の入口および出口は、追焚戻り配管307aおよび追焚往き配管307bの一端にそれぞれ接続されている。追焚戻り配管307aの他端は、加熱用戻り配管301bの途中に接続されている。また、追焚往き配管307bの他端は、加熱用往き配管301aにおける加熱用ポンプ4の上流側に接続されている。追焚往き配管307bと加熱用往き配管301aとの接続部には、三方弁として機能する運転切替弁8が設けられている。
貯湯タンクユニット1は、混合弁9を備えている。混合弁9の流入口には、上述した導出用配管303の他端と、給水用配管302の途中から分岐して設けられた混合用配管304の一端とが接続されている。混合弁9の流出口には、貯留した湯と市水との混合湯が流れる給湯用配管305の一端が接続されている。混合弁9は、制御部100により制御されることにより、導出用配管303から供給される湯と混合用配管304から供給される水との混合割合を任意の割合で調整し、給湯用配管305へ出湯するものである。給湯用配管305の途中には、当該給湯用配管305を流れる混合湯の流量を検出するための給湯流量センサ601が設置されている。また、給湯用配管305の他端は、浴槽6や蛇口やシャワー等の給湯端末に接続されている。更に、給湯用配管305の途中には、当該給湯用配管305を流れる混合湯の温度を検出するための給湯温度センサ505が配設されている。
尚、以下の説明において、ヒートポンプユニット(加熱手段)2を利用した沸き上げ動作により貯湯タンク3内に蓄えられた湯(蓄熱量)を負荷側の給湯端末に供給する運転を「第1の給湯運転」と称し、当該第1の給湯運転による給湯負荷を「第1の給湯負荷」と称することとする。また、ヒートポンプユニット(加熱手段)2により加熱された湯の熱量を貯湯タンク3に蓄えることなく負荷側の給湯端末に供給する運転を「第2の給湯運転」と称し、当該第2の給湯運転による給湯負荷を「第2の給湯負荷」と称することとする。
次に、図2および図3を参照しつつ、貯湯式給湯システム10の制御系統について説明する。図2は、本発明の実施の形態1におけるシステムの制御系統を示す構成図である。この図に示すように、本実施の形態のシステムは、貯湯式給湯システム10の運転状態を制御する制御部100を備えている。制御部100の入力側には、上述した貯湯温度センサ501a〜501f、沸き上げ温度センサ502、導出温度センサ503、給水温度センサ504、給湯温度センサ505、浴槽戻り温度センサ506、および給湯流量センサ601の他、時刻検出手段としてのタイマー701が電気的に接続されている。また、制御部100の出力側には、上述したヒートポンプユニット(加熱手段)2、運転切替弁8、混合弁(混合手段)9、加熱用ポンプ4、および浴槽用ポンプ7等のアクチュエータが電気的に接続されている。
制御部100は、入力された情報を用いて種々の演算を行う手段を有している。具体的には、蓄熱量算出手段101は、貯湯温度センサ501a〜501fの温度情報に基づいて、貯湯タンク3内の湯水の有する蓄熱量として、42℃の湯量に換算した貯湯タンク3内の蓄熱量Lqを算出する。
給湯負荷記憶手段102は、第1の給湯負荷Q1および第2の給湯負荷Q2の実績を、過去数日間にわたりそれぞれ記憶する。具体的には、例えば、給湯負荷記憶手段102は、時刻検出手段(タイマー)701と、給湯温度センサ505と、給湯流量センサ601との出力に基づいて、単位時間(例えば1秒)当たりに貯湯タンク3から負荷側に供給された熱量の実績を算出し、これを第1の給湯負荷Q1として記憶する。尚、この際の熱量の基準温度は、例えば0℃で固定としてもよいし、時々刻々の給水温度センサ504の出力を用いることとしてもよい。また、第1の給湯負荷は、時々刻々の給湯負荷を記憶してもよいし、一日合計の給湯負荷を記憶してもよい。
また、例えば、給湯負荷記憶手段102は、後述する追焚き運転動作による負荷を、浴槽6の湯量と追焚運転の開始時と終了時との温度差から算出される値によって算出し、これを第2の給湯負荷Q2として記憶する。尚、当該演算で使用する浴槽6の湯量は、例えば一般的な値(例えば200L)を使用することとしてもよいし、またユーザがリモコンで設定した値を使用することとしてもよい。また、貯湯タンク3から浴槽6に湯を直接放出するシステムの場合には、当該放出経路に流量計を設置し、流量の積算値によって浴槽の湯量を学習してもよい。また、例えば浴槽戻り配管306b内に圧力センサなどによる水位検出手段を設け、貯湯タンク3から浴槽6への湯の直接放出の際に、積算流量と水位の相間を初期学習しておき、その後は水位から浴槽6の湯量を推定してもよい。
また、第2の給湯負荷は、浴槽戻り配管306b或いは浴槽往き配管306aを循環する流量を、流量センサで直接的に或いは浴槽用ポンプへの制御信号から間接的に算出し、この流量と追焚熱交換器5の2次側の出入口の温度差とに基づいて算出することとしてもよい。更に、第2の給湯負荷は、時々刻々の追焚負荷を記憶してもよいし、一日合計の給湯負荷を記憶してもよい。
尚、上述した給湯負荷記憶手段102の説明では、第1の給湯負荷として直接出湯の給湯負荷を、第2の給湯負荷として追焚運転の給湯負荷を例示したが、第1,第2の給湯負荷はこれらに限るものではなく、第1の給湯運転としてタンクの湯を用いた追焚を含むシステムの場合、上述の方法で追焚の急騰負荷を算出して、これを第1の給湯負荷として記憶することができる。また、貯湯タンク3の蓄熱量として所定温度(例えば45℃)以上の湯の有する熱量しか有効と見なさないシステムの場合には、上述の方法で算出した追焚の給湯負荷に、当該追焚給湯負荷と追焚によってタンクの喪失する有効熱量の比率を乗算して第1の給湯負荷として記憶してもよい。この比率は、例えば2〜4倍程度の固定値としても良いし、その時々のタンク温度分布に基づいて決定してもよい。また、温度センサ501a〜501fから算出される貯湯タンク3内の蓄熱量の変化量を利用してタンクの喪失する有効熱量を算出し、第1の給湯負荷として記憶してもよい。また、第2の給湯運転としてヒートポンプユニット2からの直接出湯のみを行う運転を含むシステムの場合、同じく上述の方法で出湯の負荷を算出して、これを第2の給湯負荷として記憶することができる。
給湯負荷予測手段103は、給湯負荷記憶手段102に記憶された給湯負荷の過去の実績の情報に基づいて、当日の第1および第2の給湯負荷の予測値Q1_pre,Q2_preを算出する。図3は、本実施の形態の給湯式貯湯システムが第1の給湯負荷と第2の給湯負荷の当日の値を予測する方法について説明ための図である。この図に示す例では、給湯負荷記憶手段102は、過去数日間における一日合計の第1,第2の給湯負荷Q1,Q2をそれぞれ記憶している。給湯負荷予測手段103は、これら第1,第2の給湯負荷の情報に基づいて、当日一日の給湯負荷を予測する。この予測方法としては、例えば、給湯負荷記憶手段102の記憶情報の中の最大値を当日の予測値Q1_pre,Q2_preとして採用する方法や、平均値や最小値、或いは平均値+標準偏差といった値を採用する方法が考えられる。尚、第1,第2の給湯負荷の予測値を算出する際には、異なる方法で予測された値、すなわち、一方は平均値を採用、他方は最大値を採用のように異なる方法で予測された値を採用することとしてもよい。
また、必要蓄熱量予測手段104は、給湯負荷記憶手段102に記憶された給湯負荷の過去の実績の情報または所定の設計値に基づいて、貯湯タンク3内の湯切れを回避するために事前に必要な蓄熱量として、42℃の湯量に換算した必要蓄熱量Lreqを予測する。具体的には、第1,第2の給湯負荷の記憶情報に基づく場合、例えば、比較的短い時間帯毎(例えば1〜10分毎)の第1,第2の給湯負荷を記憶し、当該記憶した第1,第2の給湯負荷に基づいて、当日の第1,第2の給湯負荷を予測し、予測される第1,第2の給湯負荷と、ヒートポンプユニット2の加熱能力とに基づいて、湯切れが発生しないように必要蓄熱量Lreqを予測する方法がある。また所定の設計値に基づく場合、例えば、一般的に多量の給湯が予測される時間帯(例えば午後6時〜午後11時)は必要蓄熱量Lreqを大きく設計(例えば42℃換算300L)し、それ以外の時間帯は小さく設計(例えば42℃換算80L)する方法がある。
更に、加熱制御手段105は、ヒートポンプユニット(加熱手段)2の起動・停止を判定する。
[本実施の形態の基本動作]
次に、図4乃至図6を適宜参照して、以上説明した構成を備える本実施形態の貯湯式給
湯システム10の各種の基本動作について説明する。
(沸き上げ動作)
まず、本実施の形態1における貯湯式給湯システム10の沸き上げ動作について説明する。図4は、本実施の形態1における貯湯式給湯システムの沸き上げ動作について説明するための図である。沸き上げ動作とは、貯湯タンク3内の水をヒートポンプユニット2に導入して加熱することにより、貯湯タンク3内の水を所定温度に高める動作である。具体的には、図4に示すとおり、給水用配管302から給水された市水は、減圧弁(図示せず)によって所定圧に減圧され貯湯タンク3に給水される。ここで、貯湯タンク3は常に満水状態となっている。沸き上げ動作を実行すべき所定の条件が成立すると、貯湯タンク3内の低温の水が加熱用ポンプ4によって加熱用往き配管301aに引き込まれ、ヒートポンプユニット(加熱手段)2へ導かれる。ヒートポンプユニット2では、低温の水と冷媒との間で熱交換が行われ、高温(例えば80℃)に沸き上げられた湯が、加熱用戻り配管301bを通じて貯湯タンク3の上部からタンク内へ戻される。これにより、貯湯タンク3の上部より高温の湯が少量ずつ貯湯されていく。ヒートポンプ方式による沸き上げは、例えば、貯湯温度センサ501aの温度が所定温度(例えば60℃)以上になったら、貯湯タンク3が全量沸き上がったと判断して、その動作を終了する。上記沸き上げの動作は、システムの電力消費量の大部分(例えば80%)が電気料金の低い深夜時間帯(一般に23時から翌朝7時)に消費されることを狙い、係る深夜時間帯に一括して行われる。以下、このような深夜電力時間帯における沸き上げ動作を「一括沸き上げ動作」と称することとする。
(第1の給湯運転動作)
次に、本実施の形態1における貯湯式給湯システム10の第1の給湯運転動作について説明する。図5は、本実施の形態1における貯湯式給湯システムの第1の給湯運転動作について説明するための図である。この図に示すとおり、本実施の形態の貯湯式給湯システム10では、負荷側からの給湯要求に応じて、貯湯タンク3内の湯を給湯端末に供給する第1の給湯運転が行われる。第1の給湯運転では、具体的には、上述した沸き上げ動作によって沸き上げられた貯湯タンク3内の湯が、導出用配管303から流出して混合弁9に導かれる。混合弁9は、給水用配管302から分岐した混合用配管304を通じて水を導き、貯湯タンク3から導いた湯と混合させ、給湯用配管305を通じて適正な温度(例えば42℃)の湯が浴槽6等の負荷側へ供給される。
尚、第1の給湯運転は、上述した貯湯タンク3から給湯端末への出湯に限らず、貯湯タンク3内に事前に貯めた湯を主として使用する給湯であればよく、例えば、貯湯タンク3に貯めた高温の湯(例えば80℃)と浴槽6の冷めた湯を熱交換する追焚き運転が可能な構成を追加し、これを第1の給湯運転としてもよい。
(追加沸き上げ動作)
次に、本実施の形態1における貯湯式給湯システム10の追加沸き上げ動作について説明する。本実施の形態の貯湯式給湯システム10では、湯切れを回避するため、貯湯タンク3内の蓄熱量Lqが必要蓄熱量予測手段104によって予測される必要蓄熱量Lreqより小さくなった場合に、深夜時間帯か否かにかかわらず、追加で沸き上げ動作を実行する追加沸き上げ運転を実施する。尚、この追加沸き上げ動作は、貯湯タンク3内の蓄熱量が必要蓄熱量Lreqより所定量(例えば42℃換算30L)以上大きくなると停止する。
(第2の給湯運転動作)
次に、本実施の形態1における貯湯式給湯システム10の第2の給湯運転の一例として追焚き運転動作について説明する。図6は、本実施の形態1における貯湯式給湯システムの追焚運転動作について説明するための図である。この図に示すとおり、浴槽6には入浴用の40℃前後の湯が溜められる。本実施の形態の貯湯式給湯システム10では、この浴槽6内の湯が放熱によって冷めた時に、ユーザの操作により強制的に、或いは、浴槽戻り温度センサ506によって検出される浴槽温度が所定の保温開始温度よりも小さいときに自動的に、浴槽6の追焚運転が開始される。この時、ヒートポンプユニット2と加熱用ポンプ4とが起動されるとともに、追焚往き配管307bと加熱用往き配管301aとが連通するように運転切替弁8が切り替えられる。これにより、ヒートポンプユニット2によって加熱された湯が、加熱用戻り配管301b、追焚往き配管307b、追焚熱交換器5、追焚戻り配管307a、加熱用往き配管301a、ヒートポンプユニット2の順に循環される。またこのタイミングと概ね同時に、浴槽用ポンプ7が停止していれば起動し、浴槽の冷めた湯が浴槽戻り配管306bおよび浴槽往き配管306aを介して追焚熱交換器5に循環される。
浴槽6から導入された冷めた湯は、追焚熱交換器5において、ヒートポンプユニット2の生成する高温湯との熱交換によって温度が上昇した後、浴槽往き配管306aを通って浴槽6に戻る。一方、ヒートポンプユニット2から出湯された高温湯は、追焚熱交換器5において、浴槽6からの冷めた湯との熱交換によって温度が下降した後、追焚戻り配管307aを通ってヒートポンプユニット2に戻る。尚、この追焚き運転動作は、ユーザの操作により強制的に、或いは浴槽温度が所定の保温終了温度よりも大きいときに自動的に、終了される。このように、第2の給湯運転に係る追焚き運転動作により、貯湯タンク3内に事前に貯湯した湯を使用することなく浴槽6内の湯の温度を上昇させることができる。
尚、第2の給湯運転は、上述した追焚き運転に限らず、貯湯タンク3内に事前に貯めた湯を殆ど使用せず、同時運転するヒートポンプユニット(加熱手段)2の加熱量を主に使用する給湯であればよく、例えば、ヒートポンプユニット2の沸き上げた湯を貯湯タンク3に戻さずに、直接給湯端末へ出湯する構成を追加し、これを第2の給湯運転としてもよい。
[本実施の形態の特徴的動作]
次に、図7を参照して、本実施の形態の貯湯式給湯システム10の特徴的動作について説明する。本実施の形態の貯湯式給湯システム10は、第1および第2の給湯負荷情報に基づいて、深夜時間帯に行われる一括沸き上げ動作の沸き上げ量を決定する点、および第1の給湯負荷情報に基づいて、追加沸き上げ動作の沸き上げ停止時期を決定する点に特徴がある。以下、これらの特徴について順に説明する。
上述したとおり、給湯負荷予測手段103は、当日1日分の第1,第2の給湯負荷の予測値Q1_pre,Q2_preを予測する。制御部100は、この予測値Q1_pre,Q2_preと、システムの電力消費量の深夜の消費比率の目標値(例えば80%)に基づいて、例えば次式(1)に従い一括沸き上げ動作における蓄熱量L(42℃の湯量に換算した貯湯タンク3内の蓄熱量)を決定する。
蓄熱量L=(Q1_pre+Q2_pre)×80% ・・・(1)
尚、上記一括沸き上げ動作における蓄熱量は、第1,第2の給湯運転に対するヒートポンプユニット2の効率の相違を考慮して、次式(2)に従い決定することとしてもよい。
蓄熱量L=(Q1_pre+Q2_pre/第2の給湯運転に対する効率×第1の給湯運転に対する効率)×80% ・・・(2)
また、上記一括沸き上げ動作における蓄熱量は、最低限維持する蓄熱量(例えば42℃換算50L)が設計されている場合は、次式(3)に従い決定することとしてもよい。
蓄熱量=(Q1_pre+Q2_pre/第2の給湯運転に対する効率×第1の給湯運転に対する効率)×80%+最低限維持する蓄熱量 ・・・(3)
更に、上記一括沸き上げ動作における蓄熱量は、深夜沸き上げ動作を行った後に給湯で使用されるまでのタンク放熱を考慮して、次式(4)に従い決定することとしてもよい。
蓄熱量=(Q1_pre×放熱ロス補正(例えば1.2)+Q2_pre/第2の給湯運転に対する効率×第1の給湯運転に対する効率)×80%+最低限維持する蓄熱量 ・・・(4)
このように、本実施の形態の貯湯式給湯システム10によれば、第1の給湯負荷情報と第2の給湯負荷情報を別々に記憶し、これらの値に基づいて一括沸き上げ動作の蓄熱量L(沸き上げ量)が決定される。これにより、当該システムの消費電力のうちの深夜電力の比率を所望の比率に制御することができる。
次に、本実施の形態の貯湯式給湯システムの追加沸き上げ動作における沸き上げ停止時期を決定する動作について詳細に説明する。図7は、貯湯タンク3内の蓄熱量の時間変化を説明するための図である。この図に示すとおり、制御部100は、湯切れを回避するため、貯湯タンク3内の蓄熱量Lqが必要蓄熱量予測手段104によって予測される必要蓄熱量Lreqより小さくなった場合に、追加沸き上げ動作を実施する。
本実施の形態の貯湯式給湯システムにおける追加沸き上げ動作は、貯湯タンク3内の蓄熱量Lqが必要蓄熱量Lreqより所定量(例えば42℃換算30L)以上大きくなると停止する。しかしながら、例えば、第1の給湯負荷の当日の実績値Q1_tdyが該第1の給湯負荷の予測値Q1_preに達している場合等においては、更なる第1の給湯負荷が発生しないことも予測される。
そこで、本実施の形態の貯湯式給湯システム10では、給湯負荷予測手段103の予測する当日1日分の第1の給湯負荷の予測値Q1_preと当日現時点までの第1の給湯負荷の実績値Q1_tdyとの差を算出し、現時点の貯湯タンク3の蓄熱量Lqがこの差分値(Q1_pre−Q1_tdy)より所定量(例えば42℃換算30L)以上大きい場合には、貯湯タンク3の蓄熱量Lqが必要蓄熱量Lreqより所定量(例えば42℃換算30L)以上大きくなっていなくとも、追加沸き上げ動作を停止することとする。これにより、貯湯タンク3内に蓄える蓄熱量をできるだけ抑えつつ、湯切れのないように沸き上げを行うことが可能となる。
尚、上記追加沸き上げ動作を停止した以降は、必要蓄熱量予測手段104が予測する必要蓄熱量Lreqよりタンク蓄熱量Lqが減少しても、当日の追加沸き上げ運転を再度実行しないように制御してもよい。これにより、不要な追加沸き上げ動作が実行される事態を有効に抑止することができる。
また、給湯負荷予測手段103の予測する当日1日分の第1の給湯負荷の予測値Q1_preは、前述の一括沸き上げ動作に係る予測値と同じ値を用いてもよいし、例えば一括沸き上げ運転には平均値、追加沸き上げ運転には最大値のように異なる値を用いてもよい。
[本実施の形態の具体的処理]
次に、図8を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図8は、制御部100が、追加沸き上げ動作を行う際に実行するルーチンのフローチャートである。図8に示すルーチンでは、先ず、追加沸き上げ動作の開始判定が実行される(ステップ100)。ここでは、具体的には、42℃の湯量に換算した貯湯タンク3内の蓄熱量Lqが必要蓄熱量Lreq以下となったか否かが判定される。その結果、Lq≦Lreqの成立が認められない場合には、後述するステップ104に移行する。
一方、上記ステップ100において、Lq≦Lreqの成立が認められた場合には、湯切れのおそれがあると判断されて、次のステップに移行し、加熱手段としてのヒートポンプユニット2が駆動されて、追加沸き上げ動作が開始される(ステップ102)。
次に、追加沸き上げ動作の実行中か否かが判定される(ステップ104)。その結果、追加沸き上げ動作の実行中と判定された場合には、次のステップに移行し、追加沸き上げ動作の終了条件の成立有無が判定される(ステップ106)。ここでは、具体的には、
42℃の湯量に換算した貯湯タンク3内の蓄熱量Lqが必要蓄熱量Lreqよりも所定量(例えば30L)以上大きいか否かが判定される。その結果、Lq≧Lreq+30L(42℃換算)の成立が認められた場合には、湯切れのおそれはないと判断されて、次のステップに移行し、追加沸き上げ動作が終了される(ステップ108)。
一方、上記ステップ106において、Lq≧Lreq+30L(42℃換算)の成立が認められない場合には、未だ湯切れのおそれがあると判断されて、次のステップに移行し、追加沸き上げ動作の中途終了条件の成立有無が判定される(ステップ110)。ここでは、具体的には、先ず、第1の給湯負荷の当日1日分の予測値Q1_preと第1の給湯負荷の当日現時点までの実績値Q1_tdyとの差分値が算出される。そして、42℃の湯量に換算した貯湯タンク3内の蓄熱量Lqが差分値(Q1_pre−Q1_tdy)よりも所定量(例えば30L)以上大きいか否かが判定される。その結果、Lq≧(Q1_pre−Q1_tdy)+30L(42℃換算)の成立が認められた場合には、当日の残りの第1給湯負荷を予測した上で湯切れのおそれはないと判断されて、次のステップに移行し、追加沸き上げ動作が終了される(ステップ112)。一方、上記ステップ108において、Lq≧(Q1_pre−Q1_tdy)+30L(42℃換算)の成立が認められない場合には、未だ湯切れのおそれがあると判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
また、上記ステップ104において、追加沸き上げ運転の実行中でないと判定された場合には、次のステップに移行し、第2の給湯運転の開始要求が出されているか否かが判定される(ステップ114)。その結果、第2の給湯運転の開始要求が出されている場合には、ヒートポンプユニット2が駆動されて第2の給湯運転が開始される(ステップ116)。一方、上記ステップ114において、第2の給湯運転の開始要求が出されていない場合には、ヒートポンプユニット2が停止されて第2の給湯運転が終了される(ステップ118)。
以上説明したとおり、本実施の形態の貯湯式給湯システム10によれば、貯湯タンク3に事前に沸き上げた湯を主に使用する第1の給湯負荷と、貯湯タンク3内の蓄熱量を殆ど使用せず、同時運転するヒートポンプユニット2の加熱量を主に使用する第2の給湯負荷とを別々に記憶し、深夜の一括沸き上げ量は第1の給湯負荷と第2の給湯負荷の記憶情報に基づいて決定し、その後の追加沸き上げ運転は、タンク蓄熱量が第1の給湯負荷の当日予測値と当日実績値との差より所定量以上大きい時に終了する。
本実施の形態1によれば、第1の給湯負荷と第2の給湯負荷を別々に記憶するため、第2の給湯負荷に対応して事前に貯湯タンク3に沸き上げた蓄熱量が無駄に残留する状況を回避でき、できるだけ少ないタンク蓄熱量で湯切れのないように沸き上げを制御することができる。また、システムの電力消費量の深夜の消費比率の目標値を狙うことができる。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図9を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成および図2に示す制御構成を用いて、制御部100に後述する図9に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施の形態2のシステムは、第2の給湯負荷のために同時運転する際のヒートポンプユニット2の加熱能力が、第1の給湯負荷のために事前に沸き上げる際の加熱能力より小さいような貯湯式給湯システムにおいて、第2の給湯負荷が当日まだ残っているか否かの予測に基づいて、追加沸き上げ動作時のヒートポンプユニット2の加熱能力を制御する点に特徴がある。
すなわち、実施の形態1において上述したとおり、基本的な追加沸き上げ動作は、必要蓄熱量予測手段104が予測する必要蓄熱量Lreqより貯湯タンク3の蓄熱量Lqが減少した時に行われる。また、必要蓄熱量Lreqは、第1、第2の給湯負荷の記憶情報、または所定の設計値に基づいて予測される。しかしながら、本実施の形態2の貯湯式給湯システムのように、第2の給湯負荷のために同時運転する際のヒートポンプユニット2の加熱能力が第1の給湯負荷のために事前に沸き上げる際の加熱能力より小さいシステムでは、追加沸き上げの実行中に第2の給湯負荷が発生した場合に、該ヒートポンプユニット2の加熱能力が低下してしまう。
そこで、本実施の形態のシステムでは、追加沸き上げ動作の実行中に第2の給湯負荷が残っていると予測される場合には、第2の給湯負荷が残っていないと予測される場合よりも追加沸き上げ動作時の加熱能力を増加させることとする。これにより、第2の給湯負荷が発生するおそれのある状況において、第1の給湯運転に備えた貯湯タンク3内の蓄熱量を早期に増加させることができるので、湯切れ耐力を増加させることができる。
[本実施の形態2の具体的処理]
次に、図9を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図9は、制御部100が、追加沸き上げ動作を行う際に実行するルーチンのフローチャートである。図9に示すルーチンにおけるステップ200〜208では、図8に示すステップ100〜108と同様の処理が実行される。
上記ステップ206において、Lq≧Lreq+30L(42℃換算)の成立が認められない場合には、追加沸き上げ動作の継続が判断されて、次のステップに移行し、当日の第2の給湯負荷が残存しているか否かが判定される(ステップ208)。ここでは、具体的には、第2の給湯負荷の当日予測値Q2_preが当日実績値Q2_tdy以上か否かが判定される。尚、第2の給湯負荷の当日予測値Q2_preは、湯切れ耐力を優先して、第2の給湯負荷の記憶情報の中の最大値や平均値+標準偏差といった値を採用してもよいし、また、省エネを優先して平均値や平均値−標準偏差、或いは最小値などを採用してもよい。
上記ステップ208の処理の結果、予測値Q2_pre≧実績値Q2_tdyの成立が認められた場合には、当日の第2の給湯負荷は残っていると予測されて、次のステップに移行し、ヒートポンプユニット2の加熱能力が通常時よりも増大される(ステップ210)。一方、上記ステップ208において、予測値Q2_pre≧実績値Q2_tdyの成立が認められない場合には、当日の第2の給湯負荷は残ってないと予測されて、次のステップに移行し、ヒートポンプユニット2の加熱能力が通常レベルに制御される(ステップ212)。また、図9に示すルーチンにおけるステップ216〜220では、図8に示すステップ114〜118と同様の処理が実行される。
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、追加沸き上げ動作の実行中に、第2の給湯負荷の当日実績値Q2_tdyが当日予測値Q2_preより小さいときは第2の給湯負荷が残っていると予測し、追加沸き上げ動作時のヒートポンプユニット2の加熱能力を増加させる。これにより、第2の給湯負荷が発生するおそれのある状況において、第1の給湯運転に備えた貯湯タンク3内の蓄熱量を早期に増加させることができるので、湯切れ耐力を増加させることができる。
ところで、本実施の形態のシステムでは、追加沸き上げ動作の実行中に当日の第2の給湯負荷が残っていると予測された場合に、追加沸き上げ動作時のヒートポンプユニット2の加熱能力を増加させることとしているが、貯湯タンク3内の蓄熱量を増加させる手法はこれに限られない。すなわち、当日の第2の給湯負荷が残っていると予測された場合に、必要蓄熱量Lreqを増加側に補正することとしてもよい。これにより、より早期に追加沸き上げ動作を実行して第1の給湯運転に備えた貯湯タンク3内の蓄熱量を増加させることができるので、湯切れ耐力を増加させることができる。
実施の形態3.
[実施の形態3の特徴]
次に、図10を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成および図2に示す制御構成を用いて、制御部100に後述する図10に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施の形態3のシステムは、後述する浴槽6の自動保温運転を第2の給湯運転によって行う貯湯式給湯システムにおいて、自動保温運転と追加沸き上げ運転を連動して制御することにより、システムの高効率化を実現する点に特徴がある。以下、詳細に説明する。
先ず、本実施の形態3のシステムにおける基本的な追加沸き上げ動作は、実施の形態1に記載したとおり、必要蓄熱量予測手段104が予測する必要蓄熱量Lreqより貯湯タンク3の蓄熱量Lqが減少した時に開始され、また、蓄熱量Lqが必要蓄熱量Lreqより所定量(例えば42℃換算30L)以上大きくなると停止される。また、本実施の形態3のシステムにおける基本的な自動保温運転は、浴槽湯温Tb_nwが所定の保温開始温度Tb_stよりも小さいときに自動的に浴槽6の追焚運転を開始し、また、浴槽温度Tb_nwが所定の保温終了温度Tb_edtよりも大きいときに自動的に終了する。
しかしながら、例えば、ヒートポンプユニット2のように、特に起動時に比較的長時間低効率である加熱手段を備える貯湯式給湯システムにおいては、上述の基本的な追加沸き上げ動作と自動保温運転の開始/終了条件に従うよりも、ヒートポンプユニット2を継続して稼働した方がシステムを高効率化することができる。
そこで、本実施の形態のシステムでは、追加沸き上げ動作の終了条件に従って、ヒートポンプユニット2の停止が判定される時点で、浴槽湯温Tb_nwが保温開始温度Tb_st(例えば38℃)より僅かに大きい場合(例えば38.5℃以下)には、ヒートポンプユニット2を停止せずに、そのままヒートポンプユニット2を用いた保温運転に切り替えることとする。これにより、追加沸き上げ動作と自動保温運転とを個別に制御する場合に比べて、ヒートポンプユニット2の低効率な運転を避けることができるので、システムの効率を向上させることが可能となる。
[本実施の形態3の具体的処理]
次に、図10を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図10は、制御部100が、追加沸き上げ動作を行う際に実行するルーチンのフローチャートである。先ず、図10に示すルーチンにおけるステップ300〜306では、図8に示すステップ100〜106と同様の処理が実行される。
上記ステップ306において、Lq≧Lreq+30L(42℃換算)の成立が認められない場合には、追加沸き上げ動作の継続が判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。一方、上記ステップ306において、Lq≧Lreq+30L(42℃換算)の成立が認められた場合には、湯切れのおそれはないと判断されて、次のステップに移行し、追加沸き上げ動作が終了される(ステップ308)。ここでは、具体的には、ヒートポンプユニット2を駆動させたままの状態で、加熱用ポンプ4等のアクチュエータの動作が停止される。次に、浴槽6の自動保温開始条件が成立しているか否かが判定される(ステップ310)。ここでは、具体的には、浴槽湯温Tb_nwが保温開始温度Tb_stに所定温度(ここでは0.5℃)を加算した温度以下か否かが判定される。その結果、浴槽湯温Tb_nw≦(保温開始温度Tb_st+0.5℃)の成立が認められた場合には、ヒートポンプユニット2が継続運転されて、浴槽6の自動保温運転が前倒しで開始される(ステップ312)。
一方、上記ステップ308において、浴槽湯温Tb_nw≦(保温開始温度Tb_st+0.5℃)の成立が認められない場合には、浴槽6の自動保温運転が近々開始されることはないと判断されて、次のステップに移行し、ヒートポンプユニット2が停止される(ステップ314)。
また、上記ステップ304において、追加沸き上げ運転の実行中でないと判定された場合には、次のステップに移行し、浴槽6の自動保温運転の開始判定が実行される(ステップ316)。ここでは、具体的には、浴槽湯温Tb_nwが保温開始温度Tb_st以下か否かが判定される。その結果、浴槽湯温Tb_nw≦保温開始温度Tb_stの成立が認められた場合には、次のステップに移行し、浴槽6の自動保温運転が開始される(ステップ318)。
一方、上記ステップ316において、浴槽湯温Tb_nw≦保温開始温度Tb_stの成立が認められないた場合、または上記ステップ318の後には、浴槽6の自動保温運転の実行中か否かが判定される(ステップ320)。その結果、浴槽6の自動保温運転の実行中でないと判定された場合には、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ320において、浴槽6の自動保温運転の実行中であると判定された場合には、次のステップに移行し、浴槽6の自動保温運転の終了判定が実行される(ステップ322)。ここでは、具体的には、浴槽湯温Tb_nwが保温終了温度Tb_ed以上か否かが判定される。その結果、浴槽湯温Tb_nw≧保温終了温度Tb_edの成立が認められない場合には、自動保温運転が継続されたまま本ルーチンは速やかに終了される。一方、上記ステップ322において、浴槽湯温Tb_nw≧保温終了温度Tb_edの成立が認められた場合には、次のステップに移行し、ヒートポンプユニット2が停止されて、浴槽6の自動保温運転が終了される(ステップ324)。
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、追加沸き上げ動作の終了条件を満たした時に浴槽湯温Tb_nwが保温開始温度Tb_st(例えば38℃)より僅かに大きい場合(例えば38.5℃以下)には、ヒートポンプユニット2を停止せずにそのまま自動保温運転に移行する。これにより、ヒートポンプユニット2を一端停止させて再度起動する場合と比べて、ヒートポンプユニット2の低効率な運転を避けられるのでシステムの効率を向上させることができる。
ところで、上述した本実施の形態のシステムでは、追加沸き上げ動作の終了条件を満たした時に浴槽湯温Tb_nwが保温開始温度Tb_st(例えば38℃)より僅かに大きい場合(例えば38.5℃以下)に、ヒートポンプユニット2を継続運転させてそのまま自動保温運転に移行することとしているが、上記浴槽湯温の条件に加えて、更に当日の第2の給湯負荷の発生が残っていると判定される場合に自動保温運転に移行することとしてもよい。これにより、ヒートポンプユニット2の低効率な運転を避けるとともに、本来不要であった保温運転を実施する事態を有効に回避することができるので、更に確実にシステムの効率を向上させることができる。
1 貯湯タンクユニット
2 ヒートポンプユニット
3 貯湯タンク
4 加熱用ポンプ
5 追焚熱交換器
6 浴槽
7 浴槽用ポンプ
8 運転切替弁
9 混合弁
10 貯湯式給湯システム
100 制御部
301a 加熱用往き配管
301b 加熱用戻り配管
302 給水用配管
303 導出用配管
304 混合用配管
305 給湯用配管
306a 浴槽往き配管
306b 浴槽戻り配管
307a 追焚戻り配管
307b 追焚往き配管
501 貯湯温度センサ
502 沸き上げ温度センサ
503 導出温度センサ
504 給水温度センサ
505 給湯温度センサ
506 浴槽戻り温度センサ
601 給湯流量センサ

Claims (6)

  1. 貯湯タンク内の水を加熱手段により加熱して湯にする沸き上げ動作と、前記沸き上げ動作により前記貯湯タンク内に蓄えられた熱量を給湯端末に供給する第1の給湯運転と、前記加熱手段により加熱された湯の熱量を前記貯湯タンクに蓄えることなく前記給湯端末に供給する第2の給湯運転と、を行う貯湯式給湯システムであって、
    前記沸き上げ動作により所定の蓄熱量を前記貯湯タンク内に一括して蓄える一括沸き上げ手段と、
    前記貯湯タンク内の蓄熱量が所定の必要蓄熱量を下回った場合に、前記沸き上げ動作により追加で熱量を蓄える追加沸き上げ動作を実行する追加沸き上げ手段と、
    前記第1の給湯運転による1日の給湯負荷(以下、第1の給湯負荷)の過去の実績に関する情報と、前記第2の給湯運転による1日の給湯負荷(以下、第2の給湯負荷)の過去の実績に関する情報とを、それぞれ記憶する記憶手段と、
    前記第1,第2の給湯負荷の記憶情報に基づいて、当日に必要とされる第1,第2の給湯負荷を第1,第2の給湯負荷予測値としてそれぞれ予測する予測手段と、を備え、
    前記一括沸き上げ手段は、前記第1,第2の給湯負荷予測値に基づいて、前記所定の蓄熱量を設定し、
    前記追加沸き上げ手段は、前記第1の給湯負荷予測値と前記第1の給湯負荷の現時点までの当日の実績値との差分値が前記貯湯タンク内の現時点での蓄熱量よりも所定量以上大きい場合に、前記追加沸き上げ動作を停止する停止動作を実行することを特徴とする貯湯式給湯システム。
  2. 前記停止動作を実行した後は、前記追加沸き上げ手段による当日の追加沸き上げ動作の実行を制限する制限手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯システム。
  3. 前記第2の給湯負荷予測値が前記第2の給湯負荷の現時点までの当日の実績値よりも大きい場合に、前記追加沸き上げ動作における前記加熱手段の加熱能力を増大させる加熱能力増大手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2記載の貯湯式給湯システム。
  4. 前記第2の給湯負荷予測値が前記第2の給湯負荷の現時点までの当日の実績値よりも大きい場合に、前記必要蓄熱量を大蓄熱量側へ補正する補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の貯湯式給湯システム。
  5. 前記給湯端末は浴槽を含み、
    前記浴槽内の湯の温度が所定の保温開始温度を下回った場合に、前記第2の給湯運転により前記浴槽内の湯に熱量を供給する保温運転動作を実行する保温運転手段と、
    前記追加沸き上げ動作の停止時に、前記浴槽の湯温が前記所定の保温開始温度よりも大きい所定の温度以下である場合に、前記加熱手段を停止することなく前記沸き上げ動作から前記保温運転動作への切り替えを行う切替手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の貯湯式給湯システム。
  6. 前記切替手段は、前記追加沸き上げ動作の停止時に、前記浴槽の湯温が前記所定の保温開始温度よりも大きい所定の温度以下であり、且つ前記第2の給湯負荷予測値が前記第2の給湯負荷の現時点までの当日の実績値よりも大きい場合に、前記加熱手段を停止することなく前記沸き上げ動作から前記保温運転動作への切り替えを行うことを特徴とする請求項5記載の貯湯式給湯システム。
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