JP2005140466A - コージェネレーションシステム及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温水発生手段(1)と、蓄熱手段(2)と、熱源機(3)と、需要を計測するための計測手段(1a、T1〜T10、F1〜F3)と、制御手段(4)とを備え、該制御手段は、記憶手段(4d)と、該記憶手段に格納されている過去の需要特性データに基づいて需要を予測する予測手段(41)と、予測された需要に基づいて運転計画を作成する運転計画作成手段(42)と、作成された運転計画や計測された需要によって温水発生手段の制御部に指令を送出する運転指令手段(43)とを備え、計測された需要と予測手段で予測された需要とが異なる場合に予測された需要に基づいて作成された運転計画を放棄して新たな運転計画を作成する制御を行う。
【選択図】図1
Description
需要の予測を行わず、燃料電池等の停止・起動をする成り行き運転では、家庭毎の需要パターンにうまく合致せず、エネルギの節約という趣旨にそぐわない結果となってしまう場合が多い。例えば電力需要の小さい時間帯である夜中や睡眠中に燃料電池を運転してしまい、そのような運転では電力需要が小さいため発電効率が低くなり、エネルギのロスが大きくなってしまう。
更に、成り行き運転では、貯湯槽の蓄熱量が満タンになる時間と、入浴時間との間が大きくずれてしまう場合があり、例えば、午前9時に満タンになってしまうと、電力需要の大きい夕方に発電出来ない事態が生じる。夕方に発電するためには、例えば、貯湯槽にせっかく貯めたお湯を放熱し続けて、エネルギを無駄に捨てざるを得ないと言う状態、すなわちエネルギの節約(省エネ)に逆行してしまう事態も発生する。
しかし、そのような研究では電力需要や熱に関する需要(例えば給湯需要等)の予測値と実際の需要との間に大きな差が生じてしまうケースが多かった。
その様な大きな差が生じてしまう原因としては、病気等により毎日行われていた風呂張りが為されない、或いは、突然の外出のため、昼間であるにも拘らず、夜中程度の電力需要しかない状態(低部分負荷運転の継続)が深夜まで続いてしまう等の計画外の事態発生が、制御に対して正確にフィードバックされていないことが挙げられる。
それに加えて、予測された需要に基づいて得られた起動時刻通りに燃料電池を起動するのが不都合な場合が存在することも、需要(例えば給湯需要等)の予測値と実際の需要との間に大きな差が生じてしまう要因である。
換言すると、需要が完全にパターン化された家庭でないと、或いは、(需要がパターン化された家庭であっても)急な外出等があると、予測された需要と実際の需要とが異なる。その様な状態で、予測された需要に基づいてコージェネを運転すると、エネルギの節約がさほど実現されていない事態が発生し得る。
ここで、前記制御手段(4)は、作成された運転計画や計測された需要によって温水発生手段(1:例えば燃料電池、ガスエンジン)の制御部に起動指令や停止指令や発電出力指令を送出する運転指令手段(43)を有していることが望ましい。
及び/又は、電力需要を計測して、所定値(例えば、前記温水発生手段が燃料電池であれば、その最低出力値)を下回っていれば、計測された需要と予測された需要とが異なると判定するのが好ましい。
及び/又は、浴槽の水位の有無により、計測された需要と予測された需要とが異なるか否かを判定するのが好ましい。
現実の需要に即して、出来る限り効率の良い運転計画を再度作成することが可能である。
したがって、予測通りの需要が無ければエネルギ消費効率が悪化することは避けられないが、エネルギ消費効率の下げ幅を減少することが可能となる。
先ず図1において、コージェネレーションシステムAは、燃料電池1と、貯湯槽2と熱源機3とを有する温水供給システム10と、家庭B内のコントロールユニット(コントロールパネル)4、とを有している。
給湯ラインLhの前記合流点Pg1とPb3の間の領域には分岐点Pb2が形成され、該分岐点Pb2と前記追い焚きラインLaの戻り側に形成された合流点Pg2とはラインLcで連通されている。
前記追い焚きラインLaの前記合流点Pg2の上流側には流過順に第3の温度センサT3と第2の流量計F2が介装されている。
給湯ラインLhと追い焚きラインLaとを接続する前記ラインLcには第3の流量計F3が介装されている。
また、追い焚きラインLaの合流点Pg2と浴槽5との間の領域には、浴槽5内の湯の量を計測するための水位計Mwが介装されている。
その水位センサMwは、浴槽5に溜まった水位の高低を圧力の大きさとして検知する、所謂「圧力センサ」である。
コージェネレーションシステムAのメンテナンス時には、ハンドヘルドコンピュータHのピンを回路基板のコネクタ31cの各々項目別に設けられた図示しない接続孔に接続して、種々の項目に関して故障診断又は、チェックすることでメンテナンス作業が行われる。
図2において、コントロールユニット4は、予測手段41と、運転計画作成手段42と、運転指令手段43とを有している。
該コントロールユニット4は、回路基板31を経由して、燃料電池1の制御部1aからの発電量情報(及び電力需要)及び熱源機側3の温度センサT1〜T3からの温度情報、流量センサF1〜F3からの当該回路を通過した給湯量の情報、及び水位センサWwからの風呂水位情報を信号回路Ltfを介して受信している。
更に、該コントロールユニット4は、給水側及び貯湯槽内の層別に装備された温度センサT4、T5〜T9と、浴槽5の追い焚きラインLaに介装された温度センサT10から当該箇所の上水又は温水の温度を信号ラインLtを介して受信している。
一方、コントロールユニット4の運転計画作成手段42は制御信号ラインLoによって燃料電池の前記制御部1aとも接続されている。
また運転指令手段43は、作成された運転計画や計測された需要によって、燃料電池1の制御部1aに、起動指令や停止指令や発電出力指令を送出する
及び/又は、電力需要を計測して、所定値(例えば、燃料電池の最低出力値である300W)を下回っていれば、計測された需要と予測された需要とが異なると判定する。
及び/又は、浴槽5の水位の有無(水位計により計測可能)により、計測された需要と予測された需要とが異なるか否かを判定する。
先ず、「運転判断」を開始する。
ここで、「運転判断」とは、需要予測値に基づいて作成された(1次エネルギ消費量が最も少なくなる様に計算された起動時刻等を決定されている)運転計画に基づいて、運転を開始出来る状態になっているか否かを判断することである。ここで、運転計画は、一日に一回、定刻(例えば午前3時)に作成される。
ステップS1のループでは運転予定時刻になったか否かをチェックしており、運転予定時刻(例えば午前10時)になったなら(ステップS1のYES)、貯湯槽2内の各層の温度を温度センサT5〜T9によって検出すると同時に、上水ラインLaの水温を温度センサT4によって検出する(ステップS2)。
ここで、起動予定時刻とは、予測された需要に基づいた運転計画における起動時刻を指す。
また、ステップS2の段階では(上水である水道水の温度を、例えば午前3時に計測した段階で)、下式にしたがって、満タン時の蓄熱量Qmaxを計算しておく。
最大蓄熱量(満タン時の蓄熱量)Qmax=(FCの排熱温度(例えば60℃)―上水温度(水道水温度tw))×蓄熱槽容積
ここでは、上水温度よりも高い温度について蓄熱しており、仮に、センサの誤差等によって上水温度よりも燃料電池の排熱温度が低ければ、貯湯槽では蓄熱したことにはならないと見做す。
Qt=((t1+t2)/2−tw)×50
+((t2+t3)/2−tw)×50
+((t3+t4)/2−tw)×50
+((t4+t5)/2−tw)×50
ここで、t1;温度センサT5で計測した温水温度
t2;温度センサT6で計測した温水温度
t3;温度センサT7で計測した温水温度
t4;温度センサT8で計測した温水温度
t5;温度センサT9で計測した温水温度
tw;温度センサT4で計測した上水の温度、である。
尚、図示の例では、タンク容量が200Lで、タンク内を5層に割り振った各所に計5個のサーミスタ(温度センサ)設置し、その温度センサT5〜T9の検出した水温と、湯量によって貯湯槽の貯熱量Qtを求めている。
そこで、図3の「運転計画再計算ルーチン開始」に進む(ステップS10)。
上述したように、ステップS4において、所定量(貯熱率)として、例えば70%では、燃料電池の運転を開始すると、貯湯槽2は直ちに満タンとなってしまい、ラジエータで放熱したり、温水需要が発生しないと、FCが運転出来なくなる。したがって、貯湯槽の蓄熱率が70%を越えているような場合は、FCを運転しない方が良い。
その意味で、例示した蓄熱率「50%」は、数字が大き過ぎない方がよく、小さい分には、(例えば、20%とか30%)には問題は無い。
尚、燃料電池の特性又は容量如何では、より大きな電力需要の値(最低発電可能出力以上の電力需要:例えば500W)を閾値にする可能性もある。
一方、風呂の水位が0でない場合(浴槽に水が張られているか、残り湯がある場合)は(ステップS8のNO)、図3の「運転計画再計算ルーチン開始」(ステップS10)に進む。
尚、予測されている需要パターンが「風呂の追い焚き」の場合は、ステップS8は、「追い焚きをして入浴するのに必要な水量があるか否か?」となる。その場合、そして、「追い焚きをして入浴するのに必要な水量がある」場合には「YES」、「追い焚きをして入浴するのに必要な水量がない」場合には「NO」と判断するように構成することも可能である。
貯湯槽2における蓄熱量が所定値を上回っている場合、
及び/又は、電力需要が所定値を下回っており、
及び/又は、浴槽の水位が「空」ではない(すなわち、浴槽内に水或いは湯が有る)場合、
(何れもステップS10になっている)に、計測された需要と予測された需要とが異なると判定して、運転計画を再度立て直すための制御ルーチンである。
即ち、図4のルーチンでは、初期値を代えて(データベースから取り出した)、1日先までの時系列の電力需要または熱に関する需要の予測値を利用して、エネルギ消費の最も少ない運転パターンを計算する。
一方、風呂の水位が0でない場合(浴槽に水が張られているか、残り湯がある場合)は(ステップS14のNO)、当日の風呂張り需要は無し、と設定して(ステップS15)、次のステップS17に進む。
前述のステップS14のNOでは、この時点で風呂に水位があるということが、風呂に入らない可能性が高いことを示している。
風呂に入ったとしても、「追い焚き」で済ますことが出来る。
「追い焚き」は補助熱源機3を使用するので、燃料電池1の貯湯槽2のお湯は使わない。したがって、貯湯槽2から見ると「お湯張り需要がゼロ」と考えて実質上構わない。
そしてその時刻で起動した場合の、1日の(24時間先の)総1次エネルギ消費量予測値を求める(ステップS18)。ここで、前記総1次エネルギ消費量予測値は、「24時間先までの家庭の電力需要から燃料電池の発電量を引いた値を発電所の効率(例えば36%)で除算した数値」に、「24時間先までの燃料電池の発電量を燃料電池の発電効率で除算して、燃料電池の排熱効率を乗算して、都市ガスの発熱量を乗算した数値」を加算することにより、算出できる。
ここで、上述の記述では比較対象は1次エネルギ消費量であったが、これに限定されるものではなく、光熱費やCO2 排出量等を比較対象としても良い。
ここで、計算例として、5時〜20時の範囲で、燃料電池を起動させる時間を変化させて、各単位時間毎の1次エネルギ消費量を求めた特性図が図5である。
図5の各ケースを比較すると、14時に起動した場合に1日の総消費エネルギは63kWhで最も少なく、最もエネルギを節約できることが理解される。
B・・・家庭
La・・・追い焚きライン
Lh・・・給湯ライン
T1〜T10・・・温度センサ
1・・・燃料電池
2・・・貯湯槽
3・・・熱源機
4・・・コントロールユニット
5・・・浴槽
6・・・給湯器
10・・・温水給湯システム
31・・・回路基板/インターフェース
31c・・・コネクタ
4d・・・データベース
41・・・予測手段
42・・・運転計画作成手段
43・・・運転指令手段
Claims (4)
- 温水発生手段と、蓄熱手段と、熱源機と、需要を計測するための計測手段と、制御手段とを備え、該制御手段は、記憶手段と、該記憶手段に格納されている過去の需要特性データに基づいて需要を予測する手段と、予測された需要に基づいて運転計画を作成する運転計画作成手段とを備え、計測された需要と予測手段で予測された需要とが異なる場合に予測された需要に基づいて作成された運転計画を放棄して新たな運転計画を作成する制御を行う様に構成されていることを特徴とするコージェネレーションシステム。
- 前記制御手段は、計測された需要に基づいてエネルギ消費量が最も少なくなる様に新たな運転計画を作成する制御を行う様に構成されている請求項1のコージェネレーションシステム。
- 請求項1記載のコージェネレーションシステムの制御方法において、計測された需要と予測手段で予測された需要とを比較する工程と、計測された需要と予測された需要とが異なる場合に予測された需要に基づいて作成された運転計画を放棄して新たな運転計画を作成する工程とを有することを特徴とするコージェネレーションシステムの制御方法。
- 前記新たな運転計画を作成する工程では、計測された需要に基づいて前記温水発生手段の運転開始時刻を種々変更して複数の運転計画を作成し、該複数の運転計画におけるエネルギ消費量を演算し、エネルギ消費量が最小な運転計画を選択する請求項3のコージェネレーションシステムの制御方法。
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