JP4030446B2 - コージェネレーションシステム - Google Patents

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  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱と電力を発生する熱電併給装置と、その熱電併給装置にて発生する熱にて貯湯タンクに貯湯する貯湯手段と、前記熱電併給装置にて発電される電力の余剰電力を前記貯湯タンクに貯湯する熱に変換する電気ヒータと、前記貯湯タンク内の貯湯量が設定下限貯湯量未満のときに給湯要求があると給湯作動する補助給湯器と、運転を制御する運転制御手段とが設けられたコージェネレーションシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるコージェネレーションシステムは、電力負荷に応じて出力電力を調整するように熱電併給装置を制御する、所謂電主熱従運転を行い、熱電併給装置にて発生する熱にて貯湯手段により貯湯タンクに貯湯し、熱電併給装置にて発電される電力の余剰電力を電気ヒータにて貯湯タンクに貯湯する熱に変換して、貯湯タンク内の湯水を給湯先に給湯するものであり、貯湯タンク内の貯湯量が設定下限貯湯量未満のときに給湯要求があると、補助給湯器により給湯するようになっている。ちなみに、熱電併給装置としては、燃料電池を備えて構成したり、発電機とその発電機を駆動するエンジンとを備えて構成する。
【0003】
このようなコージェネレーションシステムでは、基本的には電力負荷に応じて出力電力を調整するように熱電併給装置を運転するのであるが、そのように基本的には電力負荷に応じて出力電力を調整するように熱電併給装置を運転しながらも、予測給湯熱負荷に応じた給湯量ができるだけ得られるべく熱を発生するように熱電併給装置を運転するようにして、給湯熱負荷にできるだけ対応できるようにすることが、省エネルギー性の向上の面で望まれる。
【0004】
そこで、従来では、電力負荷が定格出力未満のため熱電併給装置が定格出力よりも小さい出力電力にて運転されているときに、熱出力が現在不足しているか又は近い将来に不足すると予測される場合に、熱電併給装置を出力電力を高くするように運転して熱出力を多くすると共に余剰電力を電気ヒータにて貯湯用の熱に変換することにより熱出力不足に対応する場合の総合熱効率と、補助給湯器を給湯作動させて熱出力不足に対応する場合の総合熱効率とを演算して、総合熱効率の高い方を選択して行わせるように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8‐14104号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、給湯熱負荷に対して熱出力が不足する状況のみに対処しようとするものであり、給湯熱負荷に対して熱出力が余剰となる状況に対処することができるものではなかった。
従って、従来では、電力負荷に応じて出力電力を調整するように運転しながらも、給湯熱負荷に対する適応性及び省エネルギー性の向上を図る上で、未だ改善の余地が有った。
特に、コージェネレーションシステムの設置箇所が一般の住居である場合等では、コージェネレーションシステムの設置箇所での時間経過に伴う湯の消費量の変動と時間経過に伴う電力の消費量の変動との関係が、季節によって変化し易く、又、日によっても変化し易いので、電力負荷に応じて出力電力を調整するように運転することにより、給湯熱負荷に対して熱出力が対応しなくなる状況が発生し易く、給湯熱負荷に対する適応性及び省エネルギー性の向上を図ることが課題となっていた。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力負荷に応じて出力電力を調整するように運転しながらも、給湯熱負荷に対する適応性及び省エネルギー性の向上を図り得るコージェネレーションシステムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1記載の発明〕
請求項1に記載のコージェネレーションシステムは、熱と電力を発生する熱電併給装置と、その熱電併給装置にて発生する熱にて貯湯タンクに貯湯する貯湯手段と、前記熱電併給装置にて発電される電力の余剰電力を前記貯湯タンクに貯湯する熱に変換する電気ヒータと、前記貯湯タンク内の貯湯量が設定下限貯湯量未満のときに給湯要求があると給湯作動する補助給湯器と、運転を制御する運転制御手段とが設けられたものであって、
前記運転制御手段が、
給湯の時系列消費データ及び電力の時系列消費データに基づいて給湯熱負荷の時系列変動である予測給湯熱負荷及び電力負荷の時系列変動である予測電力負荷を求めるように構成され、且つ、
電力負荷に応じて前記熱電併給装置の出力電力を調整する運転形態として、電力の出力状態を異なる状態に制限する複数の出力制限運転形態を備えて、それら複数の出力制限運転形態のうちで、前記予測電力負荷に応じて運転したときに、省エネ性が優れ且つ前記予測給湯熱負荷に応じた給湯量を得るのに優れたものを選択して、その選択した出力制限運転形態にて前記熱電併給装置を運転するように構成され
前記複数の出力制限運転形態として、前記熱電併給装置の出力電力の調整範囲が異なる複数の調整範囲変更運転形態が含まれる点を特徴構成とする。
即ち、運転制御手段は、給湯の時系列消費データ及び電力の時系列消費データに基づいて給湯熱負荷の時系列変動である予測給湯熱負荷及び電力負荷の時系列変動である予測電力負荷を求め、電力の出力状態を異なる状態に制限する複数の出力制限運転形態のうちで、予測電力負荷に応じて運転したときに、省エネ性が優れ且つ予測給湯熱負荷に応じた給湯量を得るのに優れたものを選択して、その選択した出力制限運転形態にて熱電併給装置を運転する。
つまり、複数の出力制限運転形態として、予測給湯熱負荷に対して熱出力が不足するのを抑制して、熱出力が不足する状況(以下、熱出力不足状況と略記する場合がある)に対処することが可能なもの、予測給湯熱負荷に対して熱出力が余剰となるのを抑制して、熱出力が余剰となる状況(以下、熱出力余剰状況と略記する場合がある)に対処することが可能なものを備えさせて、それら複数の出力制限運転形態から、予測電力負荷に応じて運転したときに、省エネ性が優れ且つ予測給湯熱負荷に応じた給湯量を得るのに優れたものを選択して、その選択した出力制限運転形態にて熱電併給装置を運転することから、熱出力不足状況及び熱出力余剰状況のいずれにも対処することが可能となると共に、省エネルギー性を向上することが可能となる。
従って、電力負荷に応じて出力電力を調整するように運転しながらも、給湯熱負荷に対する適応性及び省エネルギー性の向上を図り得るコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
又、運転制御手段は、熱電併給装置の出力電力の調整範囲が異なる複数の調整範囲変更運転形態から、省エネ性が優れ且つ予測給湯熱負荷に応じた給湯量を得るのに優れたものを選択する。
つまり、熱出力不足状況に対処することが可能な調整範囲のもの、熱出力余剰状況に対処することが可能な調整範囲のものを備えさせておくことにより、熱出力不足状況及び熱出力余剰状況のいずれにも対処することが可能となる。
そして、熱電併給装置の出力電力の調整範囲を異ならせることから、熱出力の発生量を熱出力の不足を十分抑制できるように増加させたり、熱出力の余剰を十分に抑制するように減少させたりするように、出力電力の調整範囲を設定することが可能となるので、熱出力の不足又は余剰を十分に抑制することが可能となる。
従って、給湯熱負荷に対する適応性を一層向上することが可能となった。
【0010】
〔請求項記載の発明〕
請求項に記載のコージェネレーションシステムは、請求項において、前記複数の調整範囲変更運転形態の一つとして、予め設定された設定調整範囲の上限値よりも低く設定した制限上限値以下の範囲で出力電力を調整する上限絞り運転形態が含まれる点を特徴構成とする。
即ち、上限絞り運転形態では、予め設定された設定調整範囲の上限値よりも低く設定した制限上限値以下の範囲で出力電力が調整される。
つまり、設定調整範囲の上限値よりも低く設定した制限上限値以下の範囲で出力電力が調整されるので、設定調整範囲内で出力電力が調整される場合に比べて熱出力を少なくすることが可能となり、熱出力の余剰を抑制することが可能となる。
従って、熱出力の余剰を適切に抑制することが可能な出力制限運転形態を提供することができるようになった。
【0011】
〔請求項記載の発明〕
請求項に記載のコージェネレーションシステムは、請求項1又は2において、前記複数の調整範囲変更運転形態の一つとして、予め設定された設定調整範囲の下限値よりも高く設定した制限下限値以上の範囲で出力電力を調整する下限絞り運転形態が含まれる点を特徴構成とする。
即ち、下限絞り運転形態では、予め設定された設定調整範囲の下限値よりも高く設定した制限下限値以上の範囲で出力電力が調整される。
つまり、設定調整範囲の下限値よりも高く設定した制限下限値以上の範囲で出力電力が調整されるので、設定調整範囲内で出力電力が調整される場合に比べて熱出力を多くすることが可能となり、熱出力の不足を抑制することが可能となる。
従って、熱出力の不足を適切に抑制することが可能な出力制限運転形態を提供することができるようになった。
【0012】
〔請求項記載の発明〕
請求項に記載のコージェネレーションシステムは、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記複数の調整範囲変更運転形態の一つとして、予め設定された設定調整範囲の中間部分を除いた範囲で出力電力を調整する中間除去運転形態が含まれる点を特徴構成とする。
即ち、中間除去運転形態では、予め設定された設定調整範囲の中間部分を除いた範囲で出力電力が調整される。
つまり、中間除去運転形態として、前記中間部分に対応する電力負荷に対する出力電力調整を、設定調整範囲における前記中間部分よりも高電力側の範囲で行うように構成することにより、熱出力を多くすることが可能となり、熱出力の不足を抑制することが可能となる。
又、中間除去運転形態として、前記中間部分に対応する電力負荷に対する出力電力調整を、設定調整範囲における前記中間部分よりも低電力側の範囲で行うように構成することにより、熱出力少なくすることが可能となり、熱出力の余剰を抑制することが可能となる。
従って、設定調整範囲における中間部分に対応する範囲に電力負荷が発生する場合に、熱出力不足状況又は熱出力余剰状況に対処することが可能となった。
【0013】
〔請求項記載の発明〕
請求項に記載のコージェネレーションシステムは、請求項1〜のいずれかにおいて、前記複数の出力制限運転形態の一つとして、前記熱電併給装置を停止させる停止許容形態が含まれる点を特徴構成とする。
即ち、運転制御手段は、複数の出力制限運転形態の一つとして、熱電併給装置を停止させる停止許容形態を選択することができる。
つまり、例えば、電力負荷が予め設定された熱電併給装置の出力電力の設定調整範囲の下限値よりも小さく、しかも、給湯熱負荷がない場合に、熱電併給装置を出力電力が設定調整範囲の下限値になるように運転すると、出力電力が低い分、熱電併給装置のエネルギー効率が悪く、しかも、給湯熱負荷がないにもかかわらず、余剰電力にて貯湯タンクに貯湯されて放熱ロスが大きくなるので、極めて省エネルギー性が低下することになる。
そこで、そのように、電力負荷が予め設定された熱電併給装置の出力電力の設定調整範囲の下限値よりも小さく、しかも、給湯熱負荷がない場合に、停止許容形態を実行して、熱電併給装置を停止させるようにすることにより、省エネルギー性を向上することが可能となる。
従って、電力負荷が小さく、しかも、給湯熱負荷がないような負荷状態のときに、省エネルギー性を向上することが可能な出力制限運転形態を提供することができるようになった。
【0014】
〔請求項記載の発明〕
請求項に記載のコージェネレーションシステムは、熱と電力を発生する熱電併給装置と、その熱電併給装置にて発生する熱にて貯湯タンクに貯湯する貯湯手段と、前記熱電併給装置にて発電される電力の余剰電力を前記貯湯タンクに貯湯する熱に変換する電気ヒータと、前記貯湯タンク内の貯湯量が設定下限貯湯量未満のときに給湯要求があると給湯作動する補助給湯器と、運転を制御する運転制御手段とが設けられたものであって、
前記運転制御手段が、
給湯の時系列消費データ及び電力の時系列消費データに基づいて給湯熱負荷の時系列変動である予測給湯熱負荷及び電力負荷の時系列変動である予測電力負荷を求めるように構成され、且つ、
電力負荷に応じて前記熱電併給装置の出力電力を調整する運転形態として、電力の出力状態を異なる状態に制限する複数の出力制限運転形態を備えて、それら複数の出力制限運転形態のうちで、前記予測電力負荷に応じて運転したときに、省エネ性が優れ且つ前記予測給湯熱負荷に応じた給湯量を得るのに優れたものを選択して、その選択した出力制限運転形態にて前記熱電併給装置を運転するように構成され、
前記複数の出力制限運転形態として、前記熱電併給装置の出力電力の調整速度が異なる複数の調整速度変更運転形態が含まれる点を特徴構成とする。
即ち、運転制御手段は、給湯の時系列消費データ及び電力の時系列消費データに基づいて給湯熱負荷の時系列変動である予測給湯熱負荷及び電力負荷の時系列変動である予測電力負荷を求め、電力の出力状態を異なる状態に制限する複数の出力制限運転形態のうちで、予測電力負荷に応じて運転したときに、省エネ性が優れ且つ予測給湯熱負荷に応じた給湯量を得るのに優れたものを選択して、その選択した出力制限運転形態にて熱電併給装置を運転する。
つまり、複数の出力制限運転形態として、予測給湯熱負荷に対して熱出力が不足するのを抑制して、熱出力が不足する状況(以下、熱出力不足状況と略記する場合がある)に対処することが可能なもの、予測給湯熱負荷に対して熱出力が余剰となるのを抑制して、熱出力が余剰となる状況(以下、熱出力余剰状況と略記する場合がある)に対処することが可能なものを備えさせて、それら複数の出力制限運転形態から、予測電力負荷に応じて運転したときに、省エネ性が優れ且つ予測給湯熱負荷に応じた給湯量を得るのに優れたものを選択して、その選択した出力制限運転形態にて熱電併給装置を運転することから、熱出力不足状況及び熱出力余剰状況のいずれにも対処することが可能となると共に、省エネルギー性を向上することが可能となる。
従って、電力負荷に応じて出力電力を調整するように運転しながらも、給湯熱負荷に対する適応性及び省エネルギー性の向上を図り得るコージェネレーションシステムを提供することができるようになった。
又、運転制御手段は、熱電併給装置の出力電力の調整速度が異なる複数の調整速度変更運転形態から、省エネ性が優れ且つ予測給湯熱負荷に応じた給湯量を得るのに優れたものを選択する。
つまり、出力電力の上昇速度を速くすると、出力電力の増加が促進されることになるので、その分熱出力が増加して、熱出力不足状況に対処することが可能となり、逆に、出力電力の上昇速度を遅くすると、出力電力の増加が抑制されることになるので、その分熱出力が減少して、熱出力余剰状況に対処することが可能となる。
又、出力電力の下降速度を遅くすると、出力電力の減少が抑制されることになるので、その分熱出力の減少が抑制されて、熱出力不足状況に対処することが可能となり、逆に、出力電力の下降速度を速くすると、出力電力の減少が促進されることになるので、その分熱出力の減少が促進されて、熱出力余剰状況に対処することが可能となる。
そして、熱電併給装置の出力電力の調整速度を異ならせることから、上記の請求項1〜5に記載の出力制限運転形態のように電力負荷の範囲を特定して出力状態を制限する場合に比べて、出力状態の制限を電力負荷の大小に拘らず実行することが可能となるので、種々の電力負荷の発生状況に対応して、熱出力不足状況や熱出力余剰状況に対処することができるようになった。
【0015】
〔請求項記載の発明〕
請求項に記載のコージェネレーションシステムは、請求項1〜のいずれかにおいて、前記運転制御手段が、電力負荷に応じて、前記熱電併給装置の出力電力を予め段階的に設定された複数の設定出力電力のいずれかに調整するように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、運転制御手段は、電力負荷に応じて、熱電併給装置の出力電力を予め段階的に設定された複数の設定出力電力のいずれかに調整する。
つまり、熱電併給装置の出力電力を段階的に変更させるので、出力電力の変更回数を少なくすることが可能となり、その分、熱電併給装置の耐久性を向上することができる。
従って、熱電併給装置の耐久性を向上するようにする上で好ましい具体構成を提供することができるようになった。
【0016】
〔請求項記載の発明〕
請求項に記載のコージェネレーションシステムは、請求項1〜のいずれかにおいて、前記運転制御手段が、電力負荷に応じて、前記熱電併給装置の出力電力を無段階に調整するように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、転制御手段は、電力負荷に応じて、熱電併給装置の出力電力を無段階に調整する。
つまり、電力負荷に対する熱電併給装置の出力電力の追従性を向上することが可能となるので、省エネルギー性を一段と向上することができる。
従って、省エネルギー性を更に促進するようにする上で好ましい具体構成を提供することができるようになった。
【0017】
〔請求項記載の発明〕
請求項に記載のコージェネレーションシステムは、請求項1〜のいずれかにおいて、前記運転制御手段が、負荷平均用設定時間の間電力の時系列消費データを平均し、その平均値である平均電力負荷を電力負荷に応じて出力電力を調整するための対象となる電力負荷とするように構成されている点を特徴構成とする。
即ち、運転制御手段は、負荷平均用設定時間の間電力の時系列消費データを平均し、その平均値である平均電力負荷を電力負荷に応じて出力電力を調整するための対象となる電力負荷とする。
つまり、例えば、電力負荷に応じて、熱電併給装置の出力電力を予め段階的に設定された複数の設定出力電力のいずれかに調整するように運転する場合は、負荷平均用設定時間が経過する毎に、その負荷平均用設定時間での平均電力負荷に等しいか又は最も近い設定出力電力に熱電併給装置の出力電力が調整されることになる。
又、電力負荷に応じて、熱電併給装置の出力電力を無段階に調整するように運転する場合は、負荷平均用設定時間が経過する毎に、その負荷平均用設定時間での平均電力負荷に熱電併給装置の出力電力が調整されることになる。
そして、負荷平均用設定時間が経過する毎に熱電併給装置の出力電力が調整されると共に、出力電力変更調整幅を小さくすることが可能となるので、その分、熱電併給装置の耐久性を向上することができる。
従って、熱電併給装置の耐久性を向上するようにする上で好ましい具体構成を提供することができるようになった。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるコージェネレーションシステムの実施形態を図面に基づいて説明する。
このコージェネレーションシステムは、図1および図2に示すように、燃料電池発電装置にて構成される熱電併給装置3と、その熱電併給装置3にて発生する熱を利用しながら、貯湯タンク4への貯湯を行う貯湯ユニット6(貯湯手段に相当する)と、熱電併給装置3および貯湯ユニット6の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部7などから構成されている。
【0019】
前記熱電併給装置3を構成する前記燃料電池発電装置は、周知であるので詳述はしないが、例えば、固体高分子膜を電解質層とするセルの複数を積層状態に設けた固体高分子型に構成し、各セルの燃料極に燃料ガスとして水素含有ガスを供給し、各セルの酸素極に空気を供給して、水素と酸素との電気化学的な反応により発電を行うように構成してあり、セルの積層体(セルスタック)等を冷却してそれらから発生する熱を回収した冷却水が冷却用循環路15を通じて前記貯湯ユニット6に循環供給されるようになっている。
各セルの燃料極に供給される前記燃料ガスは、改質装置にて天然ガス等の炭化水素系の原燃料が水素含有ガスに改質されて生成されるようになっている。
【0020】
前記熱電併給装置3の出力側には、系統連係用のインバータ8が設けられ、そのインバータ8は、熱電併給装置3の出力電力を商用系統9から供給される電力と同じ電圧および同じ周波数にするように構成されている。
前記商用系統9は、例えば、単相3線式100/200Vであり、商業用電力供給ライン10を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷11に電気的に接続されている。
また、インバータ8は、コージェネ用供給ライン12を介して商業用電力供給ライン10に電気的に接続され、熱電併給装置3からの発電電力がインバータ8およびコージェネ用供給ライン12を介して電力負荷11に供給されるように構成されている。
コージェネ用供給ライン12の途中には、コージェネレーションシステムの後述する各種補機、熱電併給装置3の発電電力の余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ14が接続され、各種補機が熱電併給装置3の発電電力にて駆動され、熱電併給装置3の余剰電力が電気ヒータ14にて消費されるようになっている。
【0021】
前記商業用電力供給ライン10には、この商業用電力供給ライン10にて供給される商業用電力を計測する商用電力計測部P1が設けられ、コージェネ用供給ライン12には、熱電併給装置3の発電電力を計測する発電電力計測部P2が設けられ、前記商用電力計測部P1は、商業用電力供給ライン10を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否かをも検出するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ8により熱電併給装置3から商業用電力供給ライン10に供給される電力が制御され、発電電力の余剰電力は、その余剰電力を貯湯タンク4に貯湯するための熱として回収する電気ヒータ14に供給されるように構成されている。
前記電気ヒータ14は、複数の電気ヒータから構成され、前記冷却用循環路15を通流する熱電併給装置3の冷却水を加熱するように設けられ、熱電併給装置3の出力側に接続された作動スイッチ16によりON/OFFが切り換えられている。
また、作動スイッチ16は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ14の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ14の消費電力を調整するように構成されている。
【0022】
前記貯湯ユニット6は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する前記貯湯タンク4、貯湯用熱交換器24を備えた貯湯用循環路18を通して貯湯タンク4内の湯水を循環させる貯湯用循環ポンプ19、前記冷却用循環路15を通して熱電併給装置3を冷却する冷却水を前記貯湯用熱交換器24に循環させる冷却用循環ポンプ17、貯湯タンク4内から取り出した湯水を加熱させる補助給湯器27などを備えて構成されている。
その補助給湯器27は、加熱対象の湯水を通流させる熱交換部27a、その熱交換部27aを加熱するバーナ27b、そのバーナ27bに燃焼用空気を供給するファン27cなどから構成されている。
前記補機には、前記冷却用循環ポンプ17や前記貯湯用循環ポンプ19等が含まれる。
【0023】
そして、前記貯湯用熱交換器24においては、熱電併給装置3にて発生する熱を回収した冷却用循環路15の冷却水を通流させることにより、貯湯用循環路18を通流する貯湯タンク4の湯水を加熱させるように構成されている。
【0024】
また、貯湯タンク4から取り出した湯水を給湯するときの給湯熱負荷を計測する給湯熱負荷計測手段31が設けられている。
前記貯湯タンク4には、貯湯タンク4の貯湯量の検出用として、4個のタンクサーミスタTtが上下方向に間隔を隔てて設けられている。つまり、タンクサーミスタTtが設定温度以上の温度を検出することにより、その設置位置に湯が貯湯されているとして、検出温度が設定温度以上であるタンクサーミスタTtのうちの最下部のタンクサーミスタTtの位置に基づいて、貯湯量を4段階に検出するように構成され、4個のタンクサーミスタTt全ての検出温度が前記設定温度以上になると、貯湯タンク4の貯湯量が満杯であることが検出され、4個のタンクサーミスタTtのいずれの検出温度も前記設定温度未満のときは、貯湯タンク4の貯湯量が設定下限貯湯量未満であることが検出されるように構成されている。
又、前記補助給湯器27の入口には、その補助給湯器27に流入する湯水の温度を検出する入口サーミスタTiが設けられ、補助給湯器27の出口には、その補助給湯器27から流出する湯水の温度を検出する出口サーミスタTeが設けられている。
【0025】
前記運転制御部7は、電力負荷に応じて出力電力を調整するように熱電併給装置3を制御する出力調整運転を実行し、その熱電併給装置3の運転中には、冷却用循環ポンプ17を作動させる状態で、熱電併給装置3の運転および冷却用循環ポンプ17の作動状態を制御するとともに、貯湯用循環ポンプ19の作動状態を制御することによって、貯湯タンク4内に湯水を貯湯する貯湯運転を行うように構成されている。
【0026】
ちなみに、給湯するときには、貯湯タンク4から取り出した湯水を給湯するように構成され、貯湯タンク4の貯湯量が前記設定下限量以上のときに、給湯栓等が開栓されて給湯要求があると、補助給湯器27にて加熱させずに貯湯タンク4の湯水を給湯し、貯湯タンク4の貯湯量が前記設定下限量未満のときに給湯要求があると、出口サーミスタTeの検出温度が設定温度になるように、入口サーミスタTi及び出口サーミスタTe夫々の検出温度に基づいてバーナ27bの燃焼量を調節することにより、補助給湯器27を給湯作動させて、貯湯タンク4から取り出した湯水を補助給湯器27にて加熱して給湯するように構成されている。
【0027】
以下、運転制御部7による各運転制御について説明を加える。
先ず、運転制御部7による貯湯運転について説明を加える。
前記貯湯運転は、熱電併給装置3の運転中に、冷却用循環ポンプ17の作動により、貯湯用熱交換器24にて、冷却用循環路15を通流する冷却水にて貯湯用循環路18を通流する湯水を加熱させることができる状態で行われる。
そして、貯湯用循環ポンプ19を作動させて、貯湯タンク4の下部から湯水を貯湯用循環路18に取出し、その湯水を貯湯用熱交換器24を通過させて貯湯用設定温度に加熱したのち、貯湯タンク4の上部に戻して、貯湯タンク4内に貯湯用設定温度の湯水を貯湯するようにしている。
【0028】
次に、運転制御部7による出力調整運転について説明を加える。
このコージェネレーションシステムは、出力調整運転として、電力負荷に応じて、熱電併給装置3の出力電力を予め段階的に設定された複数の設定出力電力のいずれかに調整する出力調整運転を実行するステップ式調整タイプか、出力調整運転として、電力負荷に応じて、熱電併給装置3の出力電力を無段階に調整する出力調整運転を実行する無段階式調整タイプかを、予め、ディップスイッチ等により設定するように構成してある。
又、後述する複数の出力制限運転形態の一つとして、熱電併給装置3を停止させる停止許容形態が含まれる停止許容形態可能タイプか、その停止許容形態が含まれない停止許容形態不可能タイプかを、予め、ディップスイッチ等により設定するように構成してある。
又、後述する負荷平均用設定時間を予め、ディップスイッチ等により設定するように構成してある。その負荷平均用設定時間としては、例えば、15分間、30分間のうちのいずれか一方が前記ディップスイッチにて設定可能なように構成されている。
そして、前記運転制御部7は、ステップ式調整タイプで停止許容形態可能タイプか、ステップ式調整タイプで停止許容形態不可能タイプか、無段階式調整タイプで停止許容形態可能タイプか、無段階式調整タイプで停止許容形態不可能タイプかを判定すると共に、設定されている負荷平均用設定時間を読み込んで、判定したタイプの出力調整運転を読み込んだ負荷平均用設定時間に基づいて実行するように構成されている。
【0029】
又、前記運転制御部7は、出力調整運転では、給湯の時系列消費データ及び電力の時系列消費データに基づいて給湯熱負荷の時系列変動である予測給湯熱負荷及び電力負荷の時系列変動である予測電力負荷を求める予測負荷演算処理を実行するように構成され、且つ、電力負荷に応じて熱電併給装置3の出力電力を調整する運転形態として、電力の出力状態を異なる状態に制限する複数の出力制限運転形態を備えて、それら複数の出力制限運転形態のうちで、前記予測電力負荷に応じて運転したときに、省エネ性が優れ且つ前記予測給湯熱負荷に近づく熱出力を出力することになるものを選択する運転形態選択処理を実行して、その運転形態選択処理にて選択した出力制限運転形態にて熱電併給装置3を運転するように構成されている。
【0030】
又、前記運転制御部7は、負荷平均用設定時間の間電力の時系列消費データを平均し、その平均値である平均電力負荷を電力負荷に応じて出力電力を調整するための対象となる電力負荷とするように構成され、前記負荷平均用設定時間が経過する度に、前記運転形態選択処理を実行するように構成されている。ちなみに、前記電力の時系列消費データは、電力負荷11の消費電力であり、商用電力計測部P1+発電電力計測部P2−電気ヒータ14の消費電力となる。
【0031】
先ず、前記ステップ式調整タイプの出力調整運転について説明を加えると、ステップ式調整タイプでは、例えば、定格出力電力が1kWの熱電併給装置3の場合、複数の設定出力電力として、250W、500W、750W、1000Wの4段階設定されている。つまり、この場合は、熱電併給装置3の予め設定された出力電力の設定調整範囲は、250〜1000Wになる。
そして、負荷平均用設定時間の間電力の時系列消費データを平均し且つその平均電力負荷に基づいて次の負荷平均用設定時間中、出力電力を調整するための出力目標値を設定する処理を、繰り返すように構成されている。ちなみに、前記出力制限運転形態が実行されない無制限運転形態では、平均電力負荷に等しいか又は最も近い設定出力電力が前記出力目標値として設定されることになる。
【0032】
前記無段階式調整タイプの出力調整運転では、例えば、定格出力電力が1kWの熱電併給装置3の場合、熱電併給装置3の出力電力の設定調整範囲として、予め、250〜1000Wの範囲に設定される。
そして、負荷平均用設定時間の間電力の時系列消費データを平均し且つその平均電力負荷に基づいて次の負荷平均用設定時間中に出力電力を調整するための出力目標値を設定する処理を、繰り返すように構成されている。ちなみに、前記出力制限運転形態が実行されない無制限運転形態では、平均電力負荷が前記出力目標値として設定されることになる。
【0033】
前記負荷平均用設定時間は、短い方が電力負荷により近づけることが可能となって、省エネ性を向上することが可能となり、一方、長い方が各負荷平均用設定時間で設定される出力目標値の差が小さくなって、出力電力の変更幅を小さくすることが可能となって、熱電併給装置3の耐久性を向上することが可能となるので、省エネ性及び熱電併給装置3の耐久性を鑑みて、負荷平均用設定時間が予め設定されることになる。ちなみに、ステップ調整式タイプの出力調整運転では、異なる設定出力電力に出力電力を調整する場合には、出力電力の変更幅が大きくなるので、負荷平均用設定時間としては例えば長い時間である30分間に設定され、無段階式調整タイプの出力調整運転では、出力電力の変更幅がステップ調整式タイプに比べて小さいので短い時間の15分間に設定される。
【0034】
次に、予測負荷演算処理について説明を加える。
前記運転制御部7は、実際の使用状況に基づいて、1日分の過去負荷データを曜日と対応付ける状態で更新して記憶するデータ更新処理を行い、日付が変わるごとに、記憶されている1日分の過去負荷データから、その日1日分の予測負荷データを求める予測負荷演算処理を行うように構成されている。
【0035】
前記データ更新処理について説明を加えると、1日のうちのどの時間帯にどれだけの電力負荷、給湯熱負荷があったかの1日分の過去負荷データを曜日と対応付ける状態で更新して記憶するように構成されている。
まず、過去負荷データについて説明すると、過去負荷データは、電力負荷データ、給湯熱負荷データの2種類の負荷データからなり、図3に示すように、1日分の過去負荷データが日曜日から土曜日までの曜日ごとに区分けした状態で記憶するように構成されている。
そして、1日分の過去負荷データは、24時間のうち1時間を単位時間として、単位時間当たりの電力負荷データの24個及び単位時間当たりの給湯熱負荷データの24個から構成されている。
【0036】
上述のような過去負荷データを更新する構成について説明を加えると、実際の消費状況から、単位時間当たりの電力負荷及び給湯熱負荷の夫々を、商用電力計測部P1、発電電力計測部P2及び給湯熱負荷計測手段31にて計測し、その計測した負荷データを記憶する状態で1日分の実負荷データを曜日と対応付けて記憶させる。
そして、1日分の実負荷データが1週間分記憶されると、曜日ごとに、過去負荷データと実負荷データとを所定の割合で足し合わせることにより、新しい過去負荷データを求めて、その求めた新しい過去負荷データを記憶して、過去負荷データを更新するように構成されている。
【0037】
日曜日を例に挙げて具体的に説明すると、図3に示すように、過去負荷データのうち日曜日に対応する過去負荷データD1mと、実負荷データのうち日曜日に対応する実負荷データA1とから、下記の〔数1〕により、日曜日に対応する新しい過去負荷データD1(m+1)が求められ、その求められた過去負荷データD1(m+1)を記憶する。
なお、下記の〔数1〕において、D1mを、日曜日に対応する過去負荷データとし、A1を、日曜日に対応する実負荷データとし、Kは、0.75の定数であり、D1(m+1)を、新しい過去負荷データとする。
【0038】
【数1】
D1(m+1)=(D1m×K)+{A1×(1−K)}
【0039】
前記予測負荷演算処理について説明を加えると、1日のどの時間帯にどれだけの電力負荷、給湯熱負荷が予測されているかの予測負荷データを求めるように構成されている。
すなわち、曜日ごとの7つの過去負荷データのうち、その日の曜日に対応する過去負荷データと前日の実負荷データとを所定の割合で足し合わせることにより、どの時間帯にどれだけの電力負荷、給湯熱負荷が予測されているかの予測負荷データを求めるように構成されている。
【0040】
月曜日1日分の予測負荷データを求める場合を例に挙げて具体的に説明すると、図3に示すように、曜日ごとの7つの過去負荷データD1m〜D7mと曜日ごとの7つの実負荷データA1〜A7とが記憶されているので、月曜日に対応する過去負荷データD2mと、前日の日曜日に対応する実負荷データA1とから、下記の〔数2〕により、月曜日の1日分の予測負荷データBを求める。
そして、1日分の予測負荷データBは、図4に示すように、1日分の予測電力負荷データ、1日分の予測給湯熱負荷データからなり、図4の(イ)は、1日分の予測電力負荷を示しており、図4の(ロ)は、1日分の予測給湯熱負荷を示している。
なお、下記の〔数2〕において、D2mを、月曜日に対応する過去負荷データとし、A1を、日曜日に対応する実負荷データとし、Qは、0.25の定数であり、Bは、予測負荷データとする。
【0041】
【数2】
B=(D2m×Q)+{A1×(1−Q)}
【0042】
次に、運転形態選択処理について説明を加える。
先ず、複数の出力制限運転形態について説明する。
前記複数の出力制限運転形態として、熱電併給装置3の出力電力の調整範囲が異なる複数の調整範囲変更運転形態、熱電併給装置3の出力電力の調整速度が異なる複数の調整速度変更運転形態が含まれ、更に、前記停止許容形態可能タイプでは、熱電併給装置3を停止させる停止許容形態が含まれることになる。
【0043】
前記複数の調整範囲変更運転形態としては、予め設定された前記設定調整範囲の上限値よりも低く設定した制限上限値以下の範囲で出力電力を調整する上限絞り運転形態、前記設定調整範囲の下限値よりも高く設定した制限下限値以上の範囲で出力電力を調整する下限絞り運転形態、及び、前記設定調整範囲の中間部分を除いた範囲で出力電力を調整する中間除去運転形態が含まれる。
その中間除去運転形態には、平均電力負荷が前記中間部分のときは、前記設定調整範囲のうちの前記中間部分よりも高電力側の部分内に出力電力を調整する調整範囲上昇運転形態、平均電力負荷が前記中間部分のときは、前記設定調整範囲のうちの前記中間部分よりも低電力側の部分内に出力電力を調整する調整範囲下降運転形態が含まれる。
又、前記複数の調整速度変更運転形態としては、熱電併給装置3の出力電力の上昇速度が異なる高上昇速度運転形態と低上昇速度運転形態、及び、熱電併給装置3の出力電力の下降速度が異なる高下降速度運転形態と低下降速度運転形態が含まれる。
【0044】
次に、各出力制限運転形態について説明を加える。
先ず、図5及び図6に基づいて、上限絞り運転形態、下限絞り運転形態について説明する。
図5はステップ式調整タイプの出力調整運転について示し、図5の(イ)において、細線は電力負荷を示し、太線は、無制限運転形態にて電力負荷に応じて複数の設定出力電力のいずれかに出力電力が調整される状態を示し、図5の(ロ)において、細線は電力負荷を示し、太実線は、下限絞り運転形態にて出力電力が調整される状態を示し、太破線は、上限絞り運転形態にて出力電力が調整される状態を示す。
【0045】
つまり、無制限運転形態では、250W、500W、750W、1000Wの4段階の設定出力電力のうち、平均電力負荷に等しいか又は最も近い設定出力電力が出力目標値として設定されて、その出力目標値に出力電力が調整されることになる。
上限絞り運転形態では、前記4段階の設定出力電力のうちの最大の設定出力電力又はその最大の設定出力電力を含んで出力が小さくなる側に並ぶ複数の設定出力電力が除外設定出力電力とされ、その除外設定出力電力以外の設定出力電力のうち、平均電力負荷に等しいか又は最も近い設定出力電力が出力目標値として設定されて、その出力目標値に出力電力が調整されることになる。尚、本実施形態においては、具体的には、上限絞り運転形態では、前記4段階の設定出力電力のうちの最大の1000Wが除外設定出力電力とされる。この場合、750Wが設定上限値に相当する。
【0046】
下限絞り運転形態では、前記4段階の設定出力電力のうちの最小の設定出力電力又はその最小の設定出力電力を含んで出力が大きくなる側に並ぶ複数の設定出力電力が除外設定出力電力とされ、その除外設定出力電力以外の設定出力電力のうち、平均電力負荷に等しいか又は最も近い設定出力電力が出力目標値として設定されて、その出力目標値に出力電力が調整されることになる。尚、本実施形態においては、具体的には、下限絞り運転形態では、前記4段階の設定出力電力のうちの最小の250Wと、その次に小さい500Wの設定出力電力が除外設定出力電力とされる。この場合、750Wが設定下限値に相当する。
【0047】
図6は無段階式調整タイプの出力調整運転について示し、図6の(イ)において、細線は電力負荷を示し、太線は、無制限運転にて電力負荷に応じて出力電力が無段階に調整される状態を示し、図6の(ロ)において、細線は電力負荷を示し、太実線は、下限絞り運転形態にて出力電力が調整される状態を示し、太破線は、上限絞り運転形態にて出力電力が調整される状態を示す。
【0048】
つまり、無制限運転形態では、出力目標値は、平均電力負荷が250W〜1000Wの出力調整範囲内のときはその平均電力負荷に設定され、平均電力負荷が出力調整範囲よりも小さいときは、出力調整範囲の下限値、即ち250Wに設定され、平均電力負荷が出力調整範囲よりも大きいときは、出力調整範囲の上限値、即ち1000Wに設定される。
又、上限絞り運転形態では、設定調整範囲のうち750Wよりも高い範囲が除外調整範囲とされて、設定調整範囲のうちその除外調整範囲を除いた範囲に、出力目標値が設定される。この場合、750Wが設定上限値に相当する。
又、下限絞り運転形態では、設定調整範囲のうち500Wよりも低い範囲が除外調整範囲とされ、設定調整範囲のうちその除外調整範囲を除いた範囲に、出力目標値が設定される。この場合、500Wが設定下限値に相当する。
【0049】
夏期等、熱が余剰となるときに、出力調整運転において上限絞り運転形態を実行すると、熱出力の余剰が抑制され、又、省エネルギー性の向上が可能となり、一方、冬期等、熱が不足するときは、出力調整運転において下限絞り運転形態を実行すると、エネルギー効率の高い高出力状態での熱電併給装置3の運転を促進することが可能となると共に、出力電力の余剰分が電気ヒータ14にて貯湯用の熱に変換されて熱出力が増加する分、エネルギー効率が熱電併給装置3に比べて低くなり易い補助給湯器27にて補う熱量を抑制することが可能となり、又、省エネルギー性の向上が可能となる。
【0050】
図7に基づいて、ステップ式調整タイプの出力調整運転における調整範囲上昇運転形態について説明を加える。
図7の(イ)において、細線は電力負荷を示し、太線は、無制限運転形態にて出力電力が調整される状態を示し、図7の(ロ)において、細線は電力負荷を示し、太線は、調整範囲上昇運転形態にて出力電力が調整される状態を示す。
つまり、調整範囲上昇運転形態では、4段階の設定出力電力のうちの中間の500W及び750Wに出力目標値が設定されるべき平均電力負荷のときでも、1000Wに出力目標値が設定される。
【0051】
無段階式調整タイプの出力調整運転における調整範囲上昇運転形態については、図示を省略するが、250W〜1000Wの出力調整範囲のうちの中間の500〜750Wの範囲に出力目標値が設定されるべき平均電力負荷のときでも、750Wに出力目標値が設定される。
【0052】
図8の(イ)において、太線は、無制限運転形態において図7の(イ)に示すように出力電力が調整されるときに、貯湯タンク4に貯湯される状態を示し、図8の(ロ)において太線は、調整範囲上昇運転形態にて図7の(ロ)に示すように出力電力が調整されるときに、貯湯タンク4に貯湯される状態を示す。
【0053】
図8に示すように、例えば、冬期等、熱出力が不足するときにおいて、給湯負荷の発生する時間帯よりも前の時間帯の電力負荷が、出力目標値が設定調整範囲の中間に設定されるような値である場合に、調整範囲上昇運転形態を実行すると、熱電併給装置3がエネルギー効率の高い高出力運転される共に、余剰電力が電気ヒータ14にて貯湯用の熱に変換されて熱出力が増加する分、貯湯量の不足が抑制され、又、エネルギー効率が熱電併給装置3に比べて低くなり易い補助給湯器27にて補う熱量を抑制することが可能となり、省エネルギー性の向上が可能となる。
【0054】
図9に基づいて、ステップ式調整タイプの出力調整運転における調整範囲下降運転形態について説明を加える。
図9の(イ)において、細線は電力負荷を示し、太線は、無制限運転形態にて出力電力が調整される状態を示し、図9の(ロ)において、細線は電力負荷を示し、太線は、調整範囲下降運転形態にて出力電力が調整される状態を示す。
つまり、調整範囲下降運転形態では、4段階の設定出力電力のうちの中間の500Wに出力目標値が設定されるべき平均電力負荷のときでも、500Wに出力目標値が設定される。
【0055】
無段階式調整タイプの出力調整運転における調整範囲下降運転形態については、図示を省略するが、250W〜1000Wの出力調整範囲のうちの中間の500〜750Wの範囲に出力目標値が設定されるべき平均電力負荷のときでも、500Wに出力目標値が設定される。
【0056】
図10の(イ)において、太線は、無制限運転形態において図9の(イ)に示すように出力電力が調整されるときに、貯湯タンク4に貯湯される状態を示し、図10の(ロ)において太線は、調整範囲下降運転形態にて図9の(ロ)に示すように出力電力が調整されるときに、貯湯タンク4に貯湯される状態を示す。
【0057】
図10に示すように、例えば、夏期等、熱出力が余剰になるときにおいて、給湯負荷の発生する時間帯よりも前の時間帯での電力負荷が、出力目標値が設定調整範囲の中間に設定されるような値である場合、無制限運転形態では、給湯負荷の発生する時間帯よりもかなり手前の時間から多量の湯が貯湯されることになって、放熱ロスが大きくなるのに対して、調整範囲下降運転形態を実行すると、熱電併給装置3が給湯負荷の発生する時間帯よりも手前の時間帯では、出力電力が電力負荷に対応する設定出力電力よりも低い設定出力電力に調整されるので、貯湯タンク4への貯湯が抑制されて放熱ロスを抑制することが可能となり、省エネルギー性が向上する。
【0058】
図11に基づいて、高上昇速度運転形態、低上昇速度運転形態、高下降速度運転形態及び低下降速度運転形態について説明する。
図11は、無段階式調整タイプの出力調整運転について示し、図11の棒グラフは電力負荷を示し、(イ)の折れ線グラフは、高上昇速度運転形態にて出力電力が上昇され、低下降速度運転形態にて出力電力が低下される状態を示し、(ロ)の折れ線グラフは、低上昇速度運転形態にて出力電力が上昇され、高下降速度運転形態にて出力電力が低下される状態を示す。
【0059】
熱電併給装置3の出力電力の上昇速度や下降速度は、例えば、その熱電併給装置3を構成する燃料電池発電装置への原燃料ガスの供給量の増量率や減量率、及び、その原燃料ガスを改質する改質器のバーナへの燃焼用ガス燃料の供給量の増量率や減量率を変更調整することにより調整される。そして、例えば、出力電力の上昇速度を0〜15W/minの範囲で調整可能な場合、通常の上昇速度を12W/minとすると、高上昇速度運転形態の上昇速度は15W/minに設定し、低上昇速度運転形態の上昇速度は10W/minに設定する。又、例えば、出力電力の下降速度を0〜60W/minの範囲で調整可能な場合、通常の下降速度を35W/minとすると、高下降速度運転形態の下降速度は60W/minに設定し、低下降速度運転形態の下降速度は15W/minに設定する。
【0060】
冬期は、熱出力が不足する傾向となるため、高上昇速度運転形態と低下降速度運転形態とを採用すると、出力電力の増加が促進されると共に出力電力の減少が抑制されるので、熱出力不足を抑制することが可能となり、又、エネルギー効率の高い高出力状態での熱電併給装置3の運転を促進することが可能となるので、省エネルギー性を向上することが可能となる。一方、熱が余剰傾向となる夏期は、低上昇速度運転形態と高下降速度運転形態とを採用すると、出力電力の増加が抑制されると共に出力電力の減少が促進されるので、熱出力の余剰を抑制することが可能となり、そして、放熱量を抑制することにより、省エネルギー性を向上することが可能となる。
【0061】
図示は省略するが、ステップ式調整タイプの出力調整運転では、出力電力を互いに異なる設定出力電力間で変更するときに、高上昇速度運転形態、低上昇速度運転形態、高下降速度運転形態、低下降速度運転形態が実行される。
【0062】
図12及び図13に基づいて、ステップ式調整タイプの出力調整運転における停止許容運転形態について説明する。
図12の(イ)において、細線は電力負荷を示し、太線は、無制限運転形態にて出力電力が調整される状態を示し、図12の(ロ)において、細線は電力負荷を示し、太実線は、停止許容運転形態にて出力電力が調整される状態を示す。
つまり、ステップ式調整タイプの出力調整運転での停止許容運転形態では、平均電力負荷に対応する設定出力電力が前記4段階の設定出力電力の最小の設定出力電力になるときは、熱電併給装置3を停止させる。
【0063】
図13の(イ)において太線は、無制限運転形態において図12の(イ)に示すように出力電力が調整されるときに、貯湯タンク4に貯湯される状態を示し、図13の(ロ)において太実線は、停止許容運転形態にて図12の(ロ)に示すように出力電力が調整されるときに、貯湯タンク4に貯湯される状態を示す。
【0064】
図13に示すように、例えば、夏期等、熱が余剰となるときで、給湯負荷の発生する時間帯よりも手前の時間帯での電力負荷が最小の設定出力電力よりも小さく、給湯負荷の発生する時間帯に近づくと電力負荷が大きくなるような負荷状態のときは、無制限運転形態では、給湯負荷の発生する時間帯よりも手前の時間から、熱電併給装置3が低出力電力にて運転されることから、貯湯タンク4には、給湯負荷の発生する時間帯よりも手前の時間から少量ずつ貯湯されることになって、放熱ロスが大きくなり、しかも、熱電併給装置3がエネルギー効率の低い低出力運転されることになる。これに対して、停止許容運転形態では、電力負荷に対応する設定出力電力が最小の設定出力電力になるときは熱電併給装置3を停止させ、給湯負荷の発生する時間帯に近づいた時点で、熱電併給装置3がエネルギー効率の高い高出力運転されることから、給湯負荷の発生する時間帯に近づいた時間帯で短時間に貯湯タンク4に貯湯されるので放熱ロスが抑制され、又、エネルギー効率の低い低出力での熱電併給装置3の運転が抑制されて、エネルギー効率の高い高出力での熱電併給装置3の運転が促進されることになるので、省エネルギー性が向上する。
【0065】
図示は省略するが、無段階式調整タイプの出力調整運転での停止許容運転形態では、電力負荷に対応する設定出力電力が設定運転停止用電力(例えば250W)以下の時は、熱電併給装置3を停止させる。
【0066】
次に、運転形態選択処理について説明を加える。
運転制御部7は、運転形態選択処理では、下記の如く運転形態を設定した複数の設定運転形態の全てについて、現在から先の省エネ評価用設定時間(例えば、6時間)にわたって、設定運転形態にて運転したときの貯湯タンク4の貯湯量の予測給湯熱負荷に対する不足量又は余剰量を演算すると共に、省エネ度を演算し、前記複数の設定運転形態の中から、省エネ度が最も大きく、且つ、不足量が極力少ないか又は余剰量が極力少ない設定運転形態を選択して、選択した設定運転形態に基づいて出力目標値を設定する。
【0067】
設定運転形態として、以下のように設定する。
・無制限運転形態を設定する設定運転形態
・上限絞り運転形態、下限絞り運転形態、調整範囲上昇運転形、調整範囲下降運転形態、高上昇速度運転形態、低上昇速度運転形態、高下降速度運転形態、低下降速度運転形態の各1形態ずつを設定する複数の設定運転形態
・上限絞り運転形態及び下限絞り運転形態の組、調整範囲上昇運転形態及び調整範囲下降運転形態の組、高上昇速度運転形態及び低上昇速度運転形態の組、高下降速度運転形態及び低下降速度運転形態の組の4組のうちから2組を選択する組の組み合わせを作成し、それらの組み合わせの夫々で運転形態を組み合わせて設定する複数の設定運転形態
・前記4組のうちから3組を選択する組の組み合わせを作成し、それらの組み合わせの夫々で運転形態を組み合わせて設定する複数の設定運転形態
・前記4組で運転形態を組み合わせて設定する複数の設定運転形態
【0068】
又、停止許容形態可能タイプの場合、図13に示すように、給湯負荷の発生する時間帯よりも手前の時間帯での電力負荷が最小の設定出力電力よりも小さくて、後述する電力利用率Reが停止許容形態実行用設定値(例えば0.3)未満の場合は、前述の如き設定運転形態を選択する処理を実行することなく、停止許容形態を無条件に選択して実行する。
【0069】
例えば、夏期等、熱が余剰となる場合は、省エネ度が最も大きく且つ余剰量が極力少ない設定運転形態として、上限絞り運転形態が選択されたり、上限絞り運転形態、低上昇速度運転形態及び高下降速度運転形態の組み合わせが選択されたりする。又、冬期等、熱出力が不足する場合は、省エネ度が最も大きく且つ不足量が極力少ない設定運転形態として、下限絞り運転形態が選択されたり、下限絞り運転形態、高上昇速度運転形態及び低下降速度運転形態の組み合わせが選択されたりする。
【0070】
前記省エネ度の演算について説明を加えると、前記省エネ度として、下記の〔数3〕に基づいて省エネ度I1を求める。
【0071】
【数3】
I1=Re×Rg×100
Re=(熱電併給装置3の発電電力−電気ヒータ14の消費電力)/熱電併給装置3の発電電力
Rg=A×B/(M×CB+A×B)
【0072】
但し、
A:熱電併給装置3への燃料供給量
M:補助加熱器27への燃料供給量
B:熱電併給装置3の排熱発生率(出力電力に応じて予め設定されている)
CB:補助加熱器27のボイラ効率(例えば0.85)
【0073】
ちなみに、電力利用率Reは、熱電併給装置3の発電電力のうち電気として利用される割合を示すものであり、その電力利用率Reは、電気ヒータ14の消費電力が少ないほど大きくなって、電気についての省エネルギーの程度が高くなることを示す。
また、排熱充当率Rgは、使用者が消費した熱量のうち熱電併給装置3の発生熱量で賄った割合を示すものであり、その排熱充当率Rgは、補助加熱器27にて補う熱量が少ないほど大きくなって、熱についての省エネルギーの程度が高くなることを示す。
そして、電力利用率Reと排熱充当率Rgとを乗じて得られる省エネ度I1が大きくなるほど、熱電併給装置3にて熱及び電力を供給することにより達成される省エネルギーの程度が大きくなることを示す。
【0074】
予測給湯熱負荷に対する貯湯タンク4の貯湯量の不足量又は余剰量の演算処理について説明を加える。
各設定運転形態にて熱電併給装置3の出力電力を調整したときに発生する熱量を求めると共に、予測電力負荷から余剰電力を求めて電気ヒータ14にて余剰電力を回収して発生する熱量を求める。続いて、熱電併給装置3の発生熱量、及び、電気ヒータ14から発生する熱量、その時点の貯湯タンク4の貯湯量、及び、予測給湯負荷に基づく貯湯タンク4からの出湯量とにより、貯湯タンク4に貯湯される貯湯量を求めて、貯湯量の不足量又は余剰量を求める。
【0075】
次に、図15及び図16に示すフローチャートに基づいて、運転制御部7が熱電併給装置3の運転を制御する制御動作について説明する。
図14に示すように、運転スイッチ(図示省略)にて運転開始指令が指令されると、ステップ式調整タイプか無段階式調整タイプかの判定、停止許容形態可能タイプか停止許容形態不可能タイプかの判定、及び、負荷平均用設定時間の読み込みを順次行い、続いて、電力負荷及び給湯熱負荷の計測を行い、前記運転スイッチにて運転停止指令が指令されるまで、出力調整運転を行い、運転停止指令が指令されると、熱電併給装置3を停止させる停止処理を実行して制御を終了する(ステップ1〜8)。
【0076】
図15に示すように、出力調整運転では、負荷平均用設定時間が経過して出力変更のタイミングになると、電力負荷及び給湯熱負荷を予測する処理を実行し、続いて、運転形態選択処理を実行して、複数の出力制限運転形態に基づいて設定される複数の設定運転形態の中から、省エネ度が最も大きく、且つ、不足量が極力少ないか又は余剰量が極力少ない設定運転形態を選択するとともに、選択した設定運転形態に基づいて出力目標値を設定し、続いて、出力電力が前記設定出力目標値になるように熱電併給装置3の運転を制御する処理を実行してリターンし(ステップ11〜14)、次の出力変更のタイミングになるまでは、出力電力が前記設定出力目標値になるように熱電併給装置3の運転を制御する処理を継続し(ステップ11,14)、次の出力変更のタイミングになると(ステップ11)、再度、ステップ12からの処理を実行する。
【0077】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 出力調整運転において、各設定運転形態における省エネ度としては、上記の実施形態のように〔数3〕に基づいて省エネ度I1を求める場合に限定されるものではない。
例えば、下記の〔数4〕に基づいて省エネ度I2を求めるようい構成しても良い。
【0078】
【数4】
省エネ度P2={(EK1+EK2)/熱電併給装置3の必要エネルギー}×100
【0079】
ただし、EK1は、有効発電出力E1を変数とする関数であり、EK2は、E2を変数とする関数であり、
Figure 0004030446
熱電併給装置3の必要エネルギー:熱電併給装置3への原燃料ガス供給量に基づいて求められる。
単位電力発電必要エネルギー:2.8kW
バーナ効率(給湯時):0.9
【0080】
また、有効発電出力E1、有効貯湯熱出力E2の夫々は、下記の〔数5〕、〔数6〕により求められる。
【0081】
【数5】
E1=電力負荷11での消費電力=熱電併給装置3の発電電力−(電気ヒータ14の消費電力+補機電力)
【0082】
【数6】
E2=(熱電併給装置3にて発生する熱量+電気ヒータ14の回収熱量)−放熱ロス
ただし、電気ヒータ14の回収熱量=電気ヒータ14の消費電力×ヒータの熱効率とする。
【0083】
(ロ) 熱電併給装置3から発生する熱を利用して、暖房対象域を暖房する暖房部を設けても良い。
この場合、運転形態選択処理においては、暖房部にて消費される熱も鑑みて、貯湯タンク4の貯湯量の予測給湯熱負荷に対する不足量又は余剰量を演算すると共に、省エネ度を演算することになる。
【0085】
) 省エネ評価用設定時間の具体的な設定時間としては、上記の実施形態において例示した6時間に限定されるものではなく、6時間より短い時間、例えば3時間や、長い時間、例えば12時間に設定しても良い。又、負荷平均用設定時間も、上記の実施形態において例示した15分間や30分間に限定されるものではなく、45分や60分でも良い。
【0086】
) 熱電併給装置3の具体例としては、上記の実施形態において例示した燃料電池発電装置に限定されるものではなく、例えば、エンジンにて駆動される発電装置でも良い。この場合、エンジンを冷却する冷却水が冷却水循環路15を通じて貯湯ユニット6に循環供給されることになる。
【0087】
) 上記実施形態では、電気ヒータ14がガスエンジン1の冷却水を加熱するように構成されているが、電気ヒータ14にて貯湯タンク4内の湯水を加熱するように構成して実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るコージェネレーションシステムのブロック図
【図2】実施形態に係るコージェネレーションシステムの制御構成を示すブロック図
【図3】データ更新処理を説明する説明図
【図4】1日分の予測負荷を示す図
【図5】上限絞り運転形態、下限絞り運転形態での出力電力調整を説明する図
【図6】上限絞り運転形態、下限絞り運転形態での出力電力調整を説明する図
【図7】調整範囲上昇運転形態での出力電力調整を説明する図
【図8】調整範囲上昇運転形態での貯湯タンクへの貯湯を説明する図
【図9】調整範囲下降運転形態での出力電力調整を説明する図
【図10】調整範囲下降運転形態での貯湯タンクへの貯湯を説明する図
【図11】高上昇速度運転形態、低上昇速度運転形態、高下降速度運転形態及び低下降速度運転形態夫々での出力電力調整を説明する図
【図12】停止許容形態での出力電力調整を説明する図
【図13】停止許容形態での貯湯タンクへの貯湯を説明する図
【図14】制御動作のフローチャートを示す図
【図15】制御動作のフローチャートを示す図
【符号の説明】
3 熱電併給装置
4 貯湯タンク
6 貯湯手段
7 運転制御手段
14 電気ヒータ
27 補助給湯器

Claims (9)

  1. 熱と電力を発生する熱電併給装置と、その熱電併給装置にて発生する熱にて貯湯タンクに貯湯する貯湯手段と、前記熱電併給装置にて発電される電力の余剰電力を前記貯湯タンクに貯湯する熱に変換する電気ヒータと、前記貯湯タンク内の貯湯量が設定下限貯湯量未満のときに給湯要求があると給湯作動する補助給湯器と、運転を制御する運転制御手段とが設けられたコージェネレーションシステムであって、
    前記運転制御手段が、
    給湯の時系列消費データ及び電力の時系列消費データに基づいて給湯熱負荷の時系列変動である予測給湯熱負荷及び電力負荷の時系列変動である予測電力負荷を求めるように構成され、且つ、
    電力負荷に応じて前記熱電併給装置の出力電力を調整する運転形態として、電力の出力状態を異なる状態に制限する複数の出力制限運転形態を備えて、それら複数の出力制限運転形態のうちで、前記予測電力負荷に応じて運転したときに、省エネ性が優れ且つ前記予測給湯熱負荷に応じた給湯量を得るのに優れたものを選択して、その選択した出力制限運転形態にて前記熱電併給装置を運転するように構成され
    前記複数の出力制限運転形態として、前記熱電併給装置の出力電力の調整範囲が異なる複数の調整範囲変更運転形態が含まれるコージェネレーションシステム。
  2. 前記複数の調整範囲変更運転形態の一つとして、予め設定された設定調整範囲の上限値よりも低く設定した制限上限値以下の範囲で出力電力を調整する上限絞り運転形態が含まれる請求項1記載のコージェネレーションシステム。
  3. 前記複数の調整範囲変更運転形態の一つとして、予め設定された設定調整範囲の下限値よりも高く設定した制限下限値以上の範囲で出力電力を調整する下限絞り運転形態が含まれる請求項1又は2記載のコージェネレーションシステム。
  4. 前記複数の調整範囲変更運転形態の一つとして、予め設定された設定調整範囲の中間部分を除いた範囲で出力電力を調整する中間除去運転形態が含まれる請求項1〜3のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
  5. 前記複数の出力制限運転形態の一つとして、前記熱電併給装置を停止させる停止許容形態が含まれる請求項1〜4のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
  6. 熱と電力を発生する熱電併給装置と、その熱電併給装置にて発生する熱にて貯湯タンクに貯湯する貯湯手段と、前記熱電併給装置にて発電される電力の余剰電力を前記貯湯タンクに貯湯する熱に変換する電気ヒータと、前記貯湯タンク内の貯湯量が設定下限貯湯量未満のときに給湯要求があると給湯作動する補助給湯器と、運転を制御する運転制御手段とが設けられたコージェネレーションシステムであって、
    前記運転制御手段が、
    給湯の時系列消費データ及び電力の時系列消費データに基づいて給湯熱負荷の時系列変動である予測給湯熱負荷及び電力負荷の時系列変動である予測電力負荷を求めるように構成され、且つ、
    電力負荷に応じて前記熱電併給装置の出力電力を調整する運転形態として、電力の出力状態を異なる状態に制限する複数の出力制限運転形態を備えて、それら複数の出力制限運転形態のうちで、前記予測電力負荷に応じて運転したときに、省エネ性が優れ且つ前記予測給湯熱負荷に応じた給湯量を得るのに優れたものを選択して、その選択した出力制限運転形態にて前記熱電併給装置を運転するように構成され、
    前記複数の出力制限運転形態として、前記熱電併給装置の出力電力の調整速度が異なる複数の調整速度変更運転形態が含まれるコージェネレーションシステム。
  7. 前記運転制御手段が、電力負荷に応じて、前記熱電併給装置の出力電力を予め段階的に設定された複数の設定出力電力のいずれかに調整するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
  8. 前記運転制御手段が、電力負荷に応じて、前記熱電併給装置の出力電力を無段階に調整するように構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
  9. 前記運転制御手段が、負荷平均用設定時間の間電力の時系列消費データを平均し、その平均値である平均電力負荷を電力負荷に応じて出力電力を調整するための対象となる電力負荷とするように構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載のコージェネレーションシステム。
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