JP2006275478A - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 運転制御手段が、排熱回収手段で加熱された湯水の温度Tが適正湯水温度T1よりも低い場合に、熱電併給装置の設定出力Pを上昇させる設定出力上昇処理を実行する。
【選択図】 図3
Description
特に、熱電併給装置の出力が頻繁に出力設定範囲の下限界である最小設定出力に設定される場合には、熱電併給装置の発生熱が極めて少なくなるので、排熱回収手段で加熱された湯水の温度が適正な温度よりも低くなり易い。
そして、貯湯槽に貯湯される湯水の温度が適正な温度よりも低くなってしまうと、その湯水を熱消費部で利用する際に、補助加熱手段による再加熱が必要となって、熱効率の低下を招く恐れがあり、加えて、その湯水中において好ましくない微生物の繁殖等を招く恐れがある。
即ち、排熱回収手段で加熱された湯水の温度が適正な温度よりも低くなる場合には、上記ポンプの動力を低下側に調整して、排熱回収手段への湯水の供給量を減少させることで、貯湯槽に供給される湯水の温度を適正な温度以上に維持することができる。
従って、貯湯槽には供給されずに放熱された後に排熱回収手段に再供給される低温の湯水の生成ができるだけ抑制され、更には、排熱回収手段から貯湯槽に至るまでの湯水路における湯水の流速の過剰低下による温度低下が抑制されるので、結果、貯湯槽に高温且つ十分な量の湯水を貯留することができるコージェネレーションシステムを実現することができる。
尚、上記低出力範囲とは、最小設定出力に一定値を加えた出力よりも低い出力の範囲を示す。
即ち、排熱回収手段で生成される湯水の温度が低下しても、貯湯槽に高温の湯水が貯留されている場合には、貯湯槽にその低温の湯水を供給しても、貯湯槽に貯留されている湯水の温度が適正湯水温度よりも低くならない場合がある。そして、このような場合においては、設定出力上昇処理を実行せずに、効率を向上することができる。
前記貯湯槽の温度を計測する複数の貯湯槽温度センサが前記貯湯槽の上下方向に沿った複数箇所に配置され、
前記運転制御手段が、前記排熱回収手段で加熱された湯水の温度として、前記複数の貯湯槽温度センサの夫々の計測温度のうちの設定湯水温度以上であるものの平均値を用いる点にある。
図1に示すコージェネレーションシステムは、熱と電力とを併せて発生する熱電併給装置として燃料電池1を備え、その燃料電池1の発電電力を電力消費部37に供給すると共に、燃料電池1の排熱により加熱された湯水を、貯湯槽20に一旦貯留させて給湯部36に供給する。
燃料電池1は、循環ポンプ3を作動させて冷却水循環路2に冷却水を循環させることで冷却される。
また、この冷却水循環路2には、燃料電池1に流入する冷却水の温度である流入冷却水温度を検出する流入冷却水温度検出センサ4と、燃料電池1から流出した冷却水の温度である流出冷却水温度を検出する流出冷却水温度検出センサ5とが配置されている。
更に、制御装置40は、流入冷却水温度検出センサ4で検出される流入冷却水温度の大幅な変化を抑制するために、流入冷却水温度が所定の目標流入冷却水温度範囲内となるように、冷却水流量の補正を行うように構成されている。
また、湯水循環路13の上記流入部20aへの入口側には、貯湯槽20に供給される湯水の温度である供給湯水温度を検出する供給湯水温度センサ17が設けられている。
詳しくは、上記制御手段40は、供給湯水温度が目標貯湯温度以上であれば、三方切換弁26を貯湯状態としてその湯水を貯湯槽20に貯湯させ、供給湯水温度が目標貯湯温度未満であれば、三方切換弁26を非貯湯状態としてその湯水を貯湯槽20に貯湯させることなく、湯水循環路13に循環させる。
よって、貯湯槽20の上方には、常に目標貯湯温度以上の湯水が供給されることになり、貯湯槽20は、その目標貯湯温度以上の湯水を、温度成層を形成する状態で貯留することになる。
そして、この複数の貯湯槽温度センサ21の夫々の計測温度は、貯湯槽20が温度成層を形成する状態で湯水を貯留することから、上方に配置されたものほど高い値を示すことになり、これらの計測温度を用いて、例えば、所定温度以上の計測温度を示す温度センサ21の配置領域を知ることで、貯湯槽20に所定温度以上の湯水がどの程度貯湯されているかを知ることができる。
この放熱手段22は、通流する湯水の表面積が大きくなるように流路を形成した放熱用熱交換器23と、放熱用熱交換器20aに対して通風動作して、放熱用熱交換器23を通流する湯水が有する熱の放熱効果を高めるためのファン24とで構成されている。
よって、この放熱手段22を作動させて、湯水循環路13において排熱回収手段11に供給される湯水を放熱させることで、排熱回収手段11において冷却水循環路2を循環する冷却水を十分に冷却することができ、燃料電池1の異常昇温を防止することができる。
尚、冷却水循環路2の排熱回収手段11の出口側と燃料電池1の入口側との間に、上記のような放熱手段22のような燃料電池1に流入する冷却水を冷却するための放熱手段を設けるなどの別の手段により、燃料電池1の異常昇温が防止されている場合には、上記湯水循環路13の放熱手段22を省略しても構わない。
また、上記放熱手段22には、放熱手段22が作動するか否かに拘わらず、常時湯水を通流させておいても構わないが、放熱手段22を作動するときのみ放熱手段22に湯水を通流させ、放熱手段22を作動しないときには放熱手段22をバイパスさせて湯水を通流させても構わない。
更に、上記放熱手段22は、湯水循環路13の流入部20aの接続箇所よりも下流側且つ流出部20bの接続箇所よりも上流側に設けても構わない。
尚、上記電力負荷Dは、電力消費部37の全消費電力として求めることができるが、別に、その全消費電力から余裕分を差し引いた消費電力として求めても構わない。
尚、かかるヒータ25を省略して、余剰電力を例えば電力系統に逆潮流するなど、別の形態で利用しても構わない。
即ち、排熱回収手段11で加熱された湯水の温度として利用できる第1の温度としては、湯水循環路13の排熱回収手段11と貯湯槽20との間において、排熱回収湯水温度センサ16で検出された排熱回収湯水温度、又は、供給湯水温度センサ17で検出された供給湯水温度を、排熱回収手段11から貯湯槽20に導かれる湯水の温度として用いることができる。
また、上記排熱回収手段11で加熱された湯水の温度としてこのような貯湯槽20に貯留されている湯水の温度を用いる場合には、貯湯槽20の上下方向の複数箇所に配置された複数の貯湯槽温度センサ21の夫々の計測温度のうちの例えば30℃程度の設定湯水温度以上であるものの平均値を、上記排熱回収手段11で加熱された湯水の温度として用いることができる。
また、平均値ではなく、例えば最上位置に配置された貯湯槽温度センサ21の計測温度等の別の温度を、貯湯槽20に貯留されている湯水の温度としても構わない。
第1実施形態の制御フローについて、図3及び図4に基づいて説明する。尚、図3は、制御装置40による電主運転における制御フロー図、図4は、電力負荷及び設定出力の状態を示す図である。
即ち、上述した排熱回収手段11で加熱された湯水の温度Tが検出される(ステップ#12)と共に、電主運転において燃料電池1の出力を最小設定出力Pmin+ΔPに設定した運転時間の単位時間当りの割合である低出力運転割合Rが算出される。
よって、上記ステップ#22において、燃料電池1の設定出力Pが最小設定出力Pmin+ΔPに決定される際において、その最小設定出力Pmin+ΔPが設定量a分増加される形態で設定出力上昇処理が実行されることになるので、燃料電池1の出力がその最小設定出力Pmin+ΔPに設定される際の燃料電池1の発生熱が増加するので、湯水の温度Tの過剰な低下が抑制される。
尚、燃料電池1の設定出力Pの上昇を解除するにあたり、燃料電池1の最低設定出力Pmin+ΔPを上記設定量aづつ徐々に低下させるのではなく、一気に最低設定出力Pmin+ΔPまで低下させても構わない。
第2実施形態の制御フローについて、図5及び図6に基づいて説明する。尚、図5は、制御装置40による電主運転における制御フロー図、図6は、電力負荷及び設定出力の状態を示す図である。
尚、この係数kは、下記の数1に示すように、電力負荷Dが出力設定範囲の下限値Pminであるときを1とし、電力負荷Dが出力設定範囲の上限値であるときを0とするように、電力負荷Dが上昇するほど減少するように決定される。
k=(Pmax−D)/(Pmax−Pmin)
即ち、上述した排熱回収手段11で加熱された湯水の温度Tが検出される(ステップ#32)。
よって、上記ステップ#41及びステップ#42において、燃料電池1の設定出力Pが低いほど大幅に上昇される形態で設定出力上昇処理が実行されることになるので、燃料電池1の発生熱が過剰に低下することが抑制され、湯水の温度Tの過剰な低下が抑制される。
そして、上記設定期間において、設定出力上昇処理による燃料電池1の設定出力上昇を反映した形態で、予測した電力負荷に対する電主運転を実行したと仮定して、燃料電池1の発生熱を求め、その発生熱が予測した熱負荷に対して余る状態即ち熱余り状態となるか、又は、その発生熱が予測される熱負荷に対して不足する即ち熱不足状態となるかを判定する。
そして、上記熱余り状態となると判定した場合には、燃料電池1の出力を低下させたり、燃料電池1の運転を停止するなどにより、上記熱余り状態を回避し、一方、上記熱不足状態となると判定した場合には、燃料電池1の出力を上昇させるなどにより、上記熱不足状態を回避することができる。
(1)上記実施の形態では、熱電併給装置として燃料電池1を例にして本発明に係るコージェネレーションシステムの説明を行ったが、熱電併給装置としてエンジン駆動発電機を備えるなど、熱電併給装置の構造、熱電併給装置から排熱を回収する排熱回収手段の構成などは様々な形態に改変可能である。
例えば、60分毎に、上昇幅ΔPの増加のための湯水温度Tの判定を行って、上記湯水温度Tが適正湯水温度T1よりも低い場合には、上昇幅ΔPを増加させ、一方、30分毎に、上昇幅ΔPの減少のための湯水温度Tの判定を行って、上記湯水温度Tが設定湯水温度T2以上である場合には、上昇幅ΔPを減少させるように構成することもできる。
例えば、制御装置40は、将来の期間の電力負荷と熱負荷とを過去の夫々の負荷などを用いて予め予測し、その予め予測した電力負荷及び熱負荷に対して、省エネルギ性が向上される燃料電池1の設定出力を計画し、燃料電池1の出力をその計画した設定出力に設定する計画運転を実行するように構成することができる。
11:排熱回収手段
20:貯湯槽
21:貯湯槽温度センサ
40:制御装置(運転制御手段)
Claims (12)
- 熱と電力とを併せて発生する熱電併給装置と、前記熱電併給装置が発生した熱を回収して湯水を加熱する排熱回収手段と、前記排熱回収手段で加熱された湯水を貯留する貯湯槽と、前記熱電併給装置の出力を設定出力に設定する運転制御手段とが設けられているコージェネレーションシステムであって、
前記運転制御手段が、前記排熱回収手段で加熱された湯水の温度が適正湯水温度よりも低い場合に、前記熱電併給装置の設定出力を上昇させる設定出力上昇処理を実行するコージェネレーションシステム。 - 前記運転制御手段が、前記設定出力を、電力負荷に追従する出力とした電主運転を実行する請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記設定出力を、予め予測した電力負荷及び熱負荷に対して計画した出力とした計画運転を実行する請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記熱電併給装置の出力設定範囲の下限界である最小設定出力を上昇させる形態で、前記設定出力上昇処理を実行する請求項1〜3の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記熱電併給装置の出力を低出力範囲内に設定した運転時間の単位時間当りの割合である低出力運転割合を求め、前記排熱回収手段で加熱された湯水の温度が適正湯水温度よりも低く、且つ、前記低出力運転割合が設定運転割合よりも大きい場合に、前記設定出力上昇処理を実行する請求項4に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記排熱回収手段で加熱された湯水の温度として、前記排熱回収手段から前記貯湯槽に導かれる湯水の温度を用いる請求項1〜5の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記排熱回収手段で加熱された湯水の温度として、前記貯湯槽に貯留されている湯水の温度を用いる請求項1〜5の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記貯湯槽が、前記排熱回収手段で加熱された湯水を、温度成層を形成する形態で貯留し、
前記貯湯槽の温度を計測する複数の貯湯槽温度センサが前記貯湯槽の上下方向に沿った複数箇所に配置され、
前記運転制御手段が、前記排熱回収手段で加熱された湯水の温度として、前記複数の貯湯槽温度センサの夫々の計測温度のうちの設定湯水温度以上であるものの平均値を用いる請求項7に記載のコージェネレーションシステム。 - 前記運転制御手段が、前記設定出力上昇処理の実行を開始した時点から設定時間経過後に、前記排熱回収手段で加熱された湯水の温度が適正湯水温度よりも低い場合に、前記設定出力上昇処理における前記熱電併給装置の設定出力の上昇幅を増加させる請求項1〜8の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記設定出力上昇処理において、前記排熱回収手段で加熱された湯水の温度が前記適正湯水温度よりも高い設定湯水温度以上となった場合に、前記熱電併給装置の設定出力の上昇を解除する請求項1〜9の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記運転制御手段が、前記設定出力上昇処理において、前記熱電併給装置の設定出力の上昇を解除するにあたり、前記排熱回収手段で加熱された湯水の温度が前記適正湯水温度以上であることを判定しながら前記設定出力を徐々に低下させる請求項10に記載のコージェネレーションシステム。
- 前記電力負荷に対する前記熱電併給装置の発電電力の余剰分である余剰電力により前記排熱回収手段から前記貯湯槽に供給される湯水を加熱するヒータを備えた請求項1〜11の何れか一項に記載のコージェネレーションシステム。
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