JP5745883B2 - 熱供給システム - Google Patents
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Description
太陽熱を集める太陽熱集熱器と、
熱媒を貯え、前記太陽熱集熱器が集めた熱を前記熱媒を用いて蓄える蓄熱装置と、
前記蓄熱装置が貯えている前記熱媒を、それぞれが熱消費装置を有する複数の消費者の消費者設備に循環させる熱媒循環路と、
前記熱媒循環路における前記熱媒の循環状態を調節する循環状態調節装置と、
前記循環状態調節装置の動作を制御する運転制御装置と、を備える熱供給システムであって、
前記消費者設備は、前記熱媒循環路を通流する前記熱媒と前記消費者設備の内部で供給される低温の給水とが熱交換可能な熱交換器を有し、
前記運転制御装置は、前記循環状態調節装置の動作を制御して前記熱媒循環路での前記熱媒の循環を開始した後、循環停止条件が満たされたと判定すると前記循環状態調節装置の動作を制御して前記熱媒循環路での前記熱媒の循環を停止させるものであって、さらに
前記運転制御装置は、前記蓄熱装置から前記熱媒循環路へ供給されて循環される前記熱媒の温度が設定温度以下になったとき前記循環停止条件が満たされたと判定するものであり、さらに
前記設定温度は、前記給水の温度よりも所定温度だけ高く設定される点にある。
従って、消費者への熱供給を行いつつ、エネルギーロスを抑制可能な熱供給システムを提供できる。
また、蓄熱装置から熱媒循環路へ供給されて循環される熱媒の温度が低い場合には、各消費者設備に対して実質的に熱供給を行うことができておらず、熱媒循環路に熱媒を循環させること自体がエネルギーロスになってしまう。
ところが、本特徴構成によれば、運転制御装置は、蓄熱装置から熱媒循環路へ供給されて循環される熱媒の温度が設定温度以下になったとき、熱媒循環路での熱媒の循環を停止させる。例えば、上記設定温度を、給水温度よりも所定温度だけ高い温度に設定しておけば、熱媒の循環中に熱媒循環路へ供給されて消費者設備に流入する湯水の温度は、給水の温度よりもほぼ所定温度以上は高くなる。つまり、各消費者設備では、給水の加熱が確実に行われるという効果が発揮される。これに対して、熱媒循環路へ供給されて消費者設備に流入する湯水の温度が給水の温度より所定温度以上高くない場合(即ち、循環停止条件が満たされる場合)、各消費者設備では給水の加熱が実質的に行われなくなる。以上のように、本特徴構成では、実質的に消費者設備に対する熱供給とならないような熱媒循環が停止されて、エネルギーロスの発生が効果的に抑制される。
図1は、第1実施形態の熱供給システムS1(S)の構成を説明する図である。
図1に示す熱供給システムS1は、太陽熱集熱器1と蓄熱装置2と熱媒循環路3と循環状態調節装置Cとそれら各装置の動作を制御する運転制御装置4とを備え、集合住宅などに居住する複数の消費者に対して熱を供給するシステムである。特に、本実施形態の熱供給システムS1は、太陽熱集熱器1で集められた熱を、複数の消費者によって有効に活用させることを目的としている。
消費者設備10は、熱媒循環路3を通流する湯水と消費者設備10の内部で供給される低温の給水とが熱交換可能な熱交換器13を有している。具体的には、熱交換器13には熱媒循環路3の往路3aが引き込まれ、熱交換器13から出た部分が熱媒循環路3の復路3bとなる。消費者設備10が有する熱消費装置11には、給水が熱交換器13で加熱された後に得られる湯水が供給される。その際、必要に応じて、熱交換器13で加熱された後に得られる湯水に対してミキシングユニット14で給水が加えられた上で、或いは、熱交換器13で加熱された後の湯水に対して熱源機12で更に加熱された上で熱消費装置11に供給される。熱源機12としては、例えばガスなどの燃料を燃焼した際の燃焼熱を利用する湯沸器などを利用できる。
以上のように、図1に示す収集手段5は、複数の消費者における過去の熱消費量に関する情報を収集する熱消費量情報収集手段として機能する。また、図1に示す記憶手段6は、熱消費量情報収集手段が収集した熱消費量に関する情報を記憶する熱消費量情報記憶手段として機能する。尚、公知の他の手法を用いて複数の消費者における過去の熱消費量に関する情報を収集することも可能である。
図2に例示したように、通常、太陽熱集熱器1は昼間(朝方〜夕方)の時間帯に太陽熱を集め、その熱が蓄熱装置2へ供給されて蓄熱される。これに対して、図3に例示したように、通常、消費者が熱を大量に消費するのは夕方から夜の時間帯である。従って、昼間の時間帯に太陽熱集熱器1で集められた熱を蓄熱装置2に蓄熱し、それと同時に蓄熱装置2から熱媒循環路3へと湯水の循環を常時行わせていると、多くの消費者が夜の時間帯に熱消費を行うまでの間、熱媒循環路3を循環通流する湯水はほとんど消費されることなく単に放熱されるだけとなる。
本実施形態の熱供給システムS1において、運転制御装置4は、湯水の循環開始タイミングになると循環状態調節装置Cの動作を制御して熱媒循環路3に湯水を循環させ、循環開始タイミング以前では循環状態調節装置Cの動作を制御して熱媒循環路3に湯水を循環させない(即ち、循環停止させる)ような動作制御を行う。この循環開始タイミングは、複数の消費者による合計の熱消費量が設定量以上に増加するタイミングに対応する。つまり、熱媒循環路3での湯水循環を開始させる循環開始タイミングは、複数の消費者における過去の熱消費量に関する情報を参照して導出される、複数の消費者による合計の予測熱消費量が設定量以上に増加するタイミングに決定される。このように、複数の消費者における過去の熱消費量に関する情報を参照することで、実際に複数の消費者の熱消費量が大きくなるタイミングを正確に把握できることとなる。
図3に示した例では、複数の消費者による合計の予測熱消費量が設定量以上に増加するのは、時刻18時になるタイミングである。そこで、運転制御装置4は、時刻18時になると循環状態調節装置Cの動作を制御して熱媒循環路3での湯水循環を開始させる。
運転制御装置4は、熱媒循環路3での湯水循環を停止させる循環停止タイミングか否かの判定も行う。なぜならば、例えば蓄熱装置2から熱媒循環路3へ供給されて循環される熱媒の温度が設定温度以下の低い温度である場合には、各消費者設備10に対して実質的に熱供給を行うことができておらず、熱媒循環路3に熱媒を循環させること自体がエネルギーロスになってしまうからである。具体的には、運転制御装置4は、循環状態調節装置C(ポンプP1及び定流量弁V1)の動作を制御して熱媒循環路3での湯水の循環を開始した後、所定の循環停止条件が満たされたと判定(循環停止タイミングであると判定)すると循環状態調節装置Cの動作を制御して熱媒循環路3での湯水の循環を停止させる。
<1>
上記実施形態において、熱媒循環路3での湯水循環を開始させる循環開始タイミングを別の手法で決定してもよい。例えば、運転制御装置4は、記憶手段6が記憶している複数の消費者における熱消費装置11の予約運転に関する設定情報(例えば、風呂湯張り時刻、湯温、湯量など)を参照して、複数の消費者における熱消費装置11の予約運転が実行された場合の複数の消費者による合計の予測熱消費量を導出し、その合計の予測熱消費量が設定量以上に増加するタイミングを、熱媒循環路3での湯水循環を開始させる循環開始タイミングとして決定してもよい。
以上のように、第2実施形態では、図1に示した収集手段5は、複数の消費者における熱消費装置11の予約運転に関する設定情報を収集する設定情報収集手段として機能する。また、図1に示した記憶手段6は、設定情報収集手段が収集した設定情報を記憶する設定情報記憶手段として機能する。
上記実施形態において、太陽熱集熱器1が集めた熱以外の熱を蓄熱装置2で蓄えるように改変してもよい。例えば、図5は、別の熱供給システムS2(S)の構成を説明する図である。図5に示す熱供給システムS2は、熱源装置として、熱と電気とを併せて発生する熱電併給装置20を備え、その熱電併給装置20が発生した熱が蓄熱装置2に蓄えられるように構成されている。具体的には、図5に記載の熱供給システムS2では、熱媒循環路3の途中に三方弁8を設けることで、熱媒循環路3から熱媒路21を分岐させている。熱媒路21には熱電併給装置20が接続されることで、蓄熱装置2から熱電併給装置20へ湯水が供給可能となっている。また、それとは別に熱電併給装置20と蓄熱装置2とを接続する熱媒路22を設けることで、熱電併給装置20で加熱された湯水が蓄熱装置2へと帰還するようになっている。蓄熱装置2に貯留されている湯水が熱電併給装置20へと流入し、その後、蓄熱装置2へと帰還する際の湯水の流れは、熱媒路22に設けられているポンプP3によって形成される。熱電併給装置20としては、燃料電池や、原動機と発電機とを組み合わせた装置などを採用できる。また、熱源装置として、熱電併給装置20ではなくヒートポンプ装置やガスボイラーなどを設けてもよい。或いは、1台の熱源装置ではなく、複数の熱源装置(熱電併給装置20、ヒートポンプ装置、ガスボイラーなどの組み合わせ)を併設してもよい。
以上のように、熱供給システムS2が、太陽熱集熱器1が集めた熱以外の熱を蓄熱装置2で蓄えることで、蓄熱装置2の蓄熱量を大きく確保できる。その結果、より規模の大きい集合住宅にも対応可能な熱供給システムとなる。
上記実施形態において、様々な種類の太陽熱集熱器1や蓄熱装置2を用いることができる。例えば、図1では、太陽熱集熱器1として強制循環型の平板型集熱器を想定した図を描いているが、現在用いられている様々な種類の太陽熱集熱器1を本発明の熱供給システムSで利用できる。また、図1では、蓄熱装置2として開放式の貯水タンクを想定した図を描いているが、密閉式の貯水タンクを用いてもよい。そして、蓄熱装置2の内部で温度成層が形成されるように湯水を貯めてもよい。その場合、蓄熱装置2に貯えられている高温部分の湯水が熱媒循環路3へ供給され、且つ、温度センサT1は、その蓄熱装置2から熱媒循環路3に供給される湯水の温度を測定できる位置に設けておくことが好ましい。
上記実施形態では、図3及び図4に例示したように、循環開始タイミングを決定する際に参照する、複数の消費者による合計の予測熱消費量を1時間単位で管理した例を説明したが、その時間単位は適宜変更可能である。例えば、10分単位や30分単位などで複数の消費者による合計の予測熱消費量を管理し、循環開始タイミングであるかどうかをその時間単位で判定してもよい。
上記実施形態では、運転制御装置4が、上記循環開始タイミングになると循環状態調節装置Cの動作を制御して熱媒循環路3に湯水を循環させる例を説明したが、上記循環開始タイミングになっても熱媒循環路3に湯水を循環させないような条件を追加してもよい。例えば、運転制御装置4が、温度センサT1によって測定される、蓄熱装置2に蓄えられている湯水の温度が所定温度未満であれば、上記循環開始タイミングになっても循環状態調節装置Cの動作を制御して熱媒循環路3に湯水を循環させないような制御を行ってもよい。
2 蓄熱装置
3 熱媒循環路
4 運転制御装置
10 消費者設備
11 熱消費装置
C 循環状態調節装置
S 熱供給システム
Claims (1)
- 太陽熱を集める太陽熱集熱器と、
熱媒を貯え、前記太陽熱集熱器が集めた熱を前記熱媒を用いて蓄える蓄熱装置と、
前記蓄熱装置が貯えている前記熱媒を、それぞれが熱消費装置を有する複数の消費者の消費者設備に循環させる熱媒循環路と、
前記熱媒循環路における前記熱媒の循環状態を調節する循環状態調節装置と、
前記循環状態調節装置の動作を制御する運転制御装置と、を備える熱供給システムであって、
前記消費者設備は、前記熱媒循環路を通流する前記熱媒と前記消費者設備の内部で供給される低温の給水とが熱交換可能な熱交換器を有し、
前記運転制御装置は、前記循環状態調節装置の動作を制御して前記熱媒循環路での前記熱媒の循環を開始した後、循環停止条件が満たされたと判定すると前記循環状態調節装置の動作を制御して前記熱媒循環路での前記熱媒の循環を停止させるものであって、さらに
前記運転制御装置は、前記蓄熱装置から前記熱媒循環路へ供給されて循環される前記熱媒の温度が設定温度以下になったとき前記循環停止条件が満たされたと判定するものであり、さらに
前記設定温度は、前記給水の温度よりも所定温度だけ高く設定される熱供給システム。
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