JP3888856B2 - 多孔質樹脂微粒子およびそれを配合した外用剤 - Google Patents

多孔質樹脂微粒子およびそれを配合した外用剤 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は多孔質樹脂微粒子および該樹脂微粒子を配合した外用剤に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、化粧料等の外用剤に配合された場合、該外用剤の効果を効率よく発揮させるように有効成分を放出し得る多孔質樹脂微粒子および該樹脂微粒子を配合した外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧用粉体を含有する化粧料として、ファンデーション、白粉、ほほ紅等のメイクアップ化粧品、ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボディー化粧品、プレシェーブローション、ボディローション等のローション等が広く使用されている。
これらの化粧料には、肌上での伸びや感触を向上させ、皺隠し効果等の機能を付与することを目的として、ナイロン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコン粒子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、シリカ粒子等の樹脂粒子が化粧用粉体として配合されている。
【0003】
また、このような樹脂粒子として、多孔質粒子を用いることも知られており、薬用効果を有する成分を含浸させて徐放効果をもたせ得る多孔質架橋ポリスチレン球状微粒子からなる化粧品用配合剤が特開平2−290804号公報に提案され、また特定の徐放性を有する環状シリコーンと、アクリルコポリマーまたは多孔質ビニルポリマー等の高吸油粉体とを配合し、皮脂の発生速度と環状シリコーンの揮発速度が近いことで皮脂をバランスよく吸収して、皮脂に起因する化粧くずれの「テカリ」現象を防止し、さっぱりとした良好な使用感を与え、塗布初期の状態を持続する化粧料が特開平4−117315号公報に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の多孔質粒子からの成分等の放出は、細孔中に保持された成分等が毛細管現象などで粒子表面に滲出することにより行われる。したがって、その放出速度は、もっぱら細孔の径や成分の粘性等の性状によって決まり、例えば使用初期に一時的に多量に放出させる等、放出速度を任意にコントロールすることができなかった。
しかしながら、薬用効果等を有する成分は、外用剤の塗布初期に有効に作用する濃度にいち早く到達するよう多量に放出され、その後、濃度を維持するように継続的に少量ずつ放出されることで、効率よく効果を発揮できることが知られている。したがって、このようなパターンの放出速度をもたらす多孔質粒子の開発が望まれていた。
【0005】
本発明は、有効成分の効果が効率よく発揮されるように、使用初期とその後の成分の放出速度を適度に調節できる多孔質樹脂微粒子と、該樹脂微粒子を含有してなる外用剤を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、圧縮強度および荷重を1gfから0.2gfまで減少させたときの復元率が特定の値を示す架橋アクリル酸エステル系樹脂からなる多孔質樹脂微粒子が、理想的な成分の放出速度をもたらすことを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明の多孔質樹脂微粒子を例えば化粧料に配合した場合に、化粧料を塗布するときの擦り付けや押し付けなどによって微粒子が変形して、微粒子内の細孔中に保持された成分が微粒子表面に滲出することにより、有効成分の効果を発揮させるに充分な初期量が満たされる。その後で、微粒子中に残った有効成分が毛細管現象等により徐々に滲出して効果を持続させ得る。また、本発明の樹脂微粒子は軟質素材であるため、外部からの力が取り除かれると元の形状に回復するという性質を有する。そのため、例えば球状である場合には、化粧料等として用いると肌への塗布が伸びよく滑らかであり、ソフトで優れた感触を与える。さらに、元の形状に回復する際に、肌上の余剰成分が再び微粒子の細孔に吸収されるので、べたつきを抑え、極めて優れた使用感を与える。
【0007】
かくして、本発明によれば、炭素原子数1〜8のアルコールのアクリル酸エステルから得られる橋アクリル酸エステル系樹脂からなり、圧縮強度が0.05〜0.6kgf/mm2であり、荷重を1gfから0.2gfまで減少させたときの復元率が3〜40%であることを特徴とする多孔質樹脂微粒子が提供される。
また、本発明によれば、上記の多孔質樹脂微粒子を1〜40重量%配合してなる外用剤が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の多孔質樹脂微粒子は、架橋アクリル酸エステル系樹脂からなり、圧縮強度が0.05〜0.6kgf/mm2、好ましくは0.1〜0.4kgf/mm2であり、荷重を1gfから0.2gfまで減少させたときの復元率が3〜40%、好ましくは4〜30%である。
圧縮強度が0.05kgf/mm2を下回ると、例えば化粧料に配合された場合、粒子の触感が感じられないため、化粧料の触感を向上させることができず、また、化粧料として使用しないとき、例えば化粧料を調製する操作中にも有効成分が滲出してしまい、好ましくない。また、圧縮強度が0.6kgf/mm2を超えると、粒子の触感が硬く感じられ、化粧料に充分なソフト感を与えることができなくなり、また化粧料を塗布する際に、有効成分の初期滲出量が少ないため、強く擦り付けたり押し付けたりしなければならず、好ましくない。
また、復元率が3%を下回ると、多孔質樹脂微粒子は化粧料使用時の変形から元の形状に回復し難いため、伸びが悪く、滑らかな塗布が行えない。さらに微粒子形状の回復に伴う余剰成分の細孔への再吸収が充分に行われないので、べたつき感を防ぐことができない。
【0009】
本発明の多孔質樹脂微粒子は、通常、球状か略球状である。特に、外用剤に配合したときに、外用剤に優れた伸びや感触等が得られるという点で、本発明の多孔質樹脂微粒子は球状であるのが好ましい。
本発明の多孔質樹脂微粒子は、平均粒子径が0.5〜100μm程度であり、好ましくは0.5〜30μmである。平均粒子径が0.5μmより小さかったり、100μmより大きかったりすると、外用剤に配合した場合、外用剤の感触が低下するので好ましくない。
本発明の多孔質樹脂微粒子は、比表面積が1〜300m2/g程度であり、吸油量が0.8〜10ml/gであるのが好ましい。比表面積および/または吸油量が上記の範囲外であるときは、外用剤に配合した場合、有効成分を十分に吸収することができず、したがって塗布時の成分放出量も少なくなり、十分な効果を得ることができないため好ましくない。
【0010】
本発明の多孔質樹脂微粒子は、炭素原子数1〜8のアルコールのアクリル酸エステル系単量体と架橋性単量体と非重合性有機溶媒との混合物(油相)を、水中(水相)で重合し、重合反応終了後、反応生成物から非重合性有機溶媒を除去することにより製造できる。
上記水中での重合方法は特に限定されず、例えば懸濁重合、乳化重合、シード重合等のいずれであってもよいが、本発明の多孔質樹脂微粒子が得られやすいという点で懸濁重合が特に好ましい。
【0011】
本発明に用いられるアクリル酸エステル系単量体としては、その単量体の重合物が20℃(293K)以下のガラス転移温度(Tg)を有するものが挙げられる。このアクリル酸エステル系単量体は、単独で、または2種類以上を組合わせて用いることができるが、2種類以上を組合わせて用いる場合は、次式より算出される共重合物のガラス転移温度推算値を20℃以下にしなければならない。
共重合物のガラス転移温度Tg(K)=1/(Σ(Wn/Tgn))
[但し、Wnは共重合物中のn成分の重量分率であり、Tgnはn成分の
単独重合物のガラス転移温度(K)である]
【0012】
重合物のガラス転移温度が20℃を超えるアクリル酸エステル系単量体を単独で用い、または共重合物のガラス転移温度推算値が20℃を超える2種以上のアクリル酸エステル系単量体を用いると、多孔質樹脂微粒子が硬くなる傾向が見られ、圧縮強度が増大し、復元率が減少するので好ましくない。
重合体のガラス転移温度が20℃以下となるアクリル酸エステル系単量体としては、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルなどが挙げられる。
【0013】
また、上記のアクリル酸エステル系単量体と共に用いることができる他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸へプタデカフロオロデシル等が挙げられる。
【0014】
これらの単量体の中でも、微粒子の機械的強度の向上、例えば化粧料などとして使用するときの擦り付けや押し付け等による多孔質樹脂微粒子の破壊を充分に防ぐには、炭素原子数1〜8のアルコールのアクリル酸エステルを50〜95重量%、より好ましくは60〜80重量%使用するのがよく、炭素原子数1〜4のアルコールのアクリル酸エステルを50〜95重量%、より好ましくは60〜80重量%使用するのがさらによい。これらのアクリル酸エステル系単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
なお、得られる樹脂微粒子の性能が低下しない範囲内であれば、アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な単量体を併用することも可能である。共重合可能な単量体としては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等のビニル基を有するものが挙げられる。これらの単量体は、単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
【0015】
本発明の多孔質樹脂微粒子に良好な多孔形状をもたせるために、架橋性単量体の存在下に重合が行われる。
架橋性単量体としては、ビニル基を複数個有するものであれば特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびこれらの誘導体である芳香族ジビニル系単量体が挙げられる。中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のメタアクリル酸エステル系架橋剤およびカプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート等が皮膚刺激性が低く、化粧品用途に好適に使用できるという点で好ましい。
これらの架橋性単量体は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0016】
架橋性単量体は、全単量体中の5〜50重量%使用される。
架橋性単量体の使用割合が多くなると、多孔形状の形成や比表面積、吸油特性に問題は生じないが、微粒子が硬くなりソフトな触感が得られない、圧縮強度が増大する、復元率が減少する、塗布時の有効成分の初期滲出量が減少する等の傾向が見られるため、架橋性単量体の使用割合が50重量%を超える場合は好ましくない。
また、架橋性単量体の使用割合が少なくなると、粒子による触感が充分に感じられない、多孔形状が形成され難く比表面積や吸油特性が減少する、復元率が減少する、塗布時の余剰な有効成分の再吸収が充分ではなくべたつき感が残る等の傾向が見られ、架橋性単量体の使用割合が5重量%に満たない場合は好ましくない。
したがって、架橋性単量体の使用割合は、所望の圧縮強度、復元率、比表面積、吸油量に応じて適宜調整される。
【0017】
本発明の多孔質樹脂微粒子に良好な多孔形状をもたせるために、非重合性有機溶媒の存在下に重合が行われる。
非重合性有機溶媒としては、溶解度パラメーターが6〜11であり、より好ましくは7〜10のものが挙げられる。溶解度パラメーターが6未満または11を超える非重合性有機溶媒を使用すると、粒子形状や多孔形状が良好に形成されず、比表面積、吸油量が減少するので好ましくない。
非重合性有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−ヘキサン、n−オクタン、n−ドデカン等の飽和脂肪族炭化水素類などが挙げられる。これらの非重合性有機溶媒は、それぞれ単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
【0018】
非重合性有機溶媒の使用割合は、油相中、30〜90重量%が好ましい。
油相中の非重合性有機溶媒の使用量が30重量%未満では、得られる樹脂粒子の比表面積、吸油量が減少するので好ましくない。また、使用量が90重量%を超えると得られる樹脂粒子内の空隙率が大きくなり過ぎて、樹脂粒子を使用したときに粒子の変形、破壊等が起こり、良好な感触が得られないので好ましくない。
懸濁重合では重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の油溶性アゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、または2種以上組合わせて用いることができる。
【0019】
重合開始剤の使用割合は、油相に対して0.1〜1重量%程度である。
また、懸濁重合では、分散剤および/または界面活性剤等を用いてもよい。分散剤としては、例えばリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機塩、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子等が挙げられる。界面活性剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイドのような両性界面活性剤等が挙げられる。
【0020】
これらの分散剤および界面活性剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、分散安定性の点から、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性リン酸塩等の分散剤と、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤とを組み合わせて用いるのが好ましい。
分散剤の使用割合は、油相に対して0.5〜10重量%程度であり、界面活性剤の使用割合は、水相に対して0.01〜0.2重量%程度である。
【0021】
重合反応は、油相(例えば単量体、重合開始剤、非重合性有機溶媒など)と水相(例えば水、分散剤、界面活性剤など)とを混合した後、攪拌しながら昇温することにより開始させる。水相は油相100重量部に対し100〜1000重量部用いられる。重合開始温度は40〜90℃程度が好ましい。反応混合物を重合開始温度に保持しながら重合させる時間は、通常、1〜10時間程度である。
多孔質樹脂微粒子の平均粒子径は油相と水相との割合や分散剤、界面活性剤の使用量等および攪拌条件、分散条件を調整することにより適宜制御することができる。
【0022】
油相を水相中に微細な液滴で分散させるには、例えばプロペラ翼等の攪拌力によったり、ホモジナイザー、回転羽根と器壁あるいは回転羽根同士のギャップにかかる高シェアーを利用した乳化分散機を使用したり、超音波分散機、高圧噴射型分散機等を用いる等の方法を適宜選択することにより行うことができる。例えば、ホモジナイザーの場合、回転数が大きく、分散時間が長いと得られる液滴径が小さくなる傾向が見られる。
重合反応終了後、所望により分散剤を酸などで分解し、濾過、洗浄、乾燥、粉砕、分級を行うことにより、目的とする多孔質樹脂微粒子が得られる。
なお、得られる多孔質樹脂微粒子の合着を防止するために、樹脂微粒子の表面に無機粉体を付着させてもよい。このような無機粉体としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、酸化鉄、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0023】
本発明の多孔質樹脂微粒子の圧縮強度および復元率は、島津製作所(株)製の微小圧縮試験器HCTM200で測定して得られる値である。なお、ここでいう圧縮強度とは、樹脂微粒子1個に対し、一定の負荷速度で1gfの荷重をかけたときの樹脂微粒子の変形量と荷重を測定し、粒子径が10%変形したときの荷重と圧縮前の粒子径を式圧縮強度(kgf/mm2)=2.8×荷重(kgf)/{π×粒子径(mm)×粒子径(mm)}に算入して得られる値である。
また、復元率は、樹脂微粒子に荷重1gfをかけた後、荷重を0.2gfまで減少させたときの変位の復元量に基づいて、式(復元量÷粒子径×100%=復元率)により算出される。
【0024】
本発明の多孔質樹脂微粒子の平均粒子径は、コールター社製のコールターマルチサイザーによって測定した重量平均粒子径である。なお、測定に際して用いられるアパチュアーチューブは、平均粒子径が10μm未満の試料に対しては細孔径50μmのものが、平均粒子径が10〜30μmの試料に対しては細孔径100μmのものが、平均粒子径が30μmを超える試料に対しては細孔径280μmのものがそれぞれ使用される。
本発明の多孔質樹脂微粒子の比表面積は、BET法により測定した値である。
また、本発明の多孔質樹脂微粒子の吸油量は、JIS K5101に準じて測定される。具体的には、試料1gをガラス板上に取り、アマニ油をビュレットから徐々に滴下し、その都度全体をヘラで練り合わせる。試料が全体的にペースト状になり、ヘラで螺旋形状に巻くことのできる状態になったときを終点として、試料1g当たりに要したアマニ油量(ml)を吸油量とする。
【0025】
本発明の多孔質樹脂微粒子は、例えば外用医薬品や化粧料等の外用剤の配合成分として用いられ、外用剤の中でも特に化粧料に好適に用いられる。
外用医薬品としては、皮膚に適用するものであれば特に限定されず、例えばクリーム、軟膏剤、乳剤等が挙げられる。
また、化粧料としては、例えばおしろい類、ファンデーション、口紅などのメークアップ化粧料、化粧水、クリーム、乳液、パック類などの基礎化粧料、制汗剤、日焼け止め製品、ボディーパウダー、ベビーパウダー等のボディー用化粧料、ひげ剃り用クリーム、プレシェーブローション、ボディローション等のローション用化粧料等が挙げられる。
【0026】
本発明の多孔質樹脂微粒子は、通常、1〜40重量%の範囲で外用剤に配合される。多孔質樹脂微粒子の配合割合が1重量%未満であると、樹脂微粒子が少なすぎて配合効果が明確に認められず、また40重量%を超えるとそれ以上配合量を増しても配合量の増加に見合った効果の増進が認められないので好ましくない。
【0027】
本発明の多孔質樹脂微粒子は、そのまま化粧料等に配合してもよいが、あらかじめ有効成分等を吸収させてから、化粧料に配合することもできる。そのような有効成分は、液状であればそのまま用いられ、また固体状であれば水溶液や油溶液にしたものが用いられる。油溶液を調製する際の溶剤としては、例えば柔軟剤やエモリエント剤として利用されるエステル油や高級アルコール、保湿剤として利用されるグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、多価アルコールなどが挙げられる。その他、油状の紫外線吸収剤や香料など各種の液状成分も溶剤として用いられる。有効成分は、希釈剤により希釈した状態で使用することもできる。また、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等の無機物をあらかじめ油性基剤に分散させたものを本発明の多孔質樹脂微粒子に吸収させて利用することもできる。
【0028】
本発明の多孔質樹脂微粒子に上記の成分を吸収させる場合は、あらかじめ樹脂微粒子の吸油量に応じて有効成分を吸収させた上で、外用剤製造の最終段階で再び同じ有効成分を添加して吸収させるのが望ましい。
また、本発明の外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品、医薬品等に一般に用いられている成分を目的に応じて適宜配合することができる。そのような成分としては、例えば水、低級アルコール、油脂およびロウ類、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、ステロール、脂肪酸エステル、金属石鹸、保湿剤、界面活性剤、高分子化合物、色材原料、香料、防腐・殺菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、特殊配合成分等が挙げられる。
【0029】
低級アルコールとしては、例えばエタノール、プロパノール等が挙げられる。
油脂およびロウ類としては、例えばアボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、牛脂、ゴマ脂、小麦胚芽油、サフラワー油、シアバター、タートル油、椿油、パーシック油、ひまし油、ブドウ油、マカダミアナッツ油、ミンク油、卵黄油、モクロウ、ヤシ油、ローズヒップ油、硬化油、シリコン油、オレンジラフィー油、カルナバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ホホバ油、モンタンロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。
炭化水素としては、例えば流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン等が挙げられる。
【0030】
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、オキシステアリン酸、リノール酸、ラノリン脂肪酸、合成脂肪酸等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えばラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。
ステロールとしては、例えばコレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトコレステロール等が挙げられる。
【0031】
脂肪酸エステルとしては、例えばリノール酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸デシル、トリミリスチン酸グリセリン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジオレイン酸プロピレングリコール、トリイソステアリン酸グリセリン、トリイソオクタン酸グリセリン、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリルや、イソステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル等の環状アルコール脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0032】
金属石鹸としては、例えばラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリグリセリン、キシリット、マルチトール等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば高級脂肪酸石鹸、高級アルコール硫酸エステル、N−アシルグルタミン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アミン塩、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ベタイン型、アミノ酸型、イミダゾリン型、レシチン等の両性界面活性剤、脂肪酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酸化エチレン縮合物等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0033】
高分子化合物としては、例えばアラビアゴム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼイン等の天然高分子化合物、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等の半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミド樹脂、シリコーン油、ナイロン粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子、シリコン粒子、ウレタン粒子、ポリエチレン粒子、シリカ粒子等の樹脂粒子等の合成高分子化合物等が挙げられる。
【0034】
色材原料としては、例えば酸化鉄、群青、コンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、マンガンバイオレット、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、雲母、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー等の無機顔料、アゾ系、ニトロ系、ニトロソ系、キサンテン系、キノリン系、アントラキノリン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、フタロシアニン系、ピレン系等のタール色素等が挙げられる。
【0035】
これら高分子化合物の粉体原料や色材原料などの粉体原料は、予め表面処理を行って使用することもできる。表面処理方法としては、従来公知の表面処理技術を利用でき、例えば炭化水素油、エステル油、ラノリン等による油剤処理、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等によるシリコーン処理、パーフルオロアルキル基含有エステル、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロポリエーテルおよびパーフルオロアルキル基を有する重合体等によるフッ素化合物処理、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等によるシランカップリング剤処理、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート等によるチタンカップリング剤処理、金属石鹸処理、アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理、水添卵黄レシチン等によるレシチン処理、コーラーゲン処理、ポリエチレン処理、保湿性処理、無機化合物処理、メカノケミカル処理等の処理方法が挙げられる。
【0036】
香料としては、例えばラベンダー油、ペパーミント油、ライム油等の天然香料、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、エチルフェニルアセテート、ゲラニオール等の合成香料が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えばメチルパラペン、エチルパラペン、プロピルパラペン、ベンザルコニウム、ベンゼトニウム等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、トコフェロール等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化鉄、微粒子酸化ジルコニウム等の無機系吸収剤、安息香酸系、パラアミノ安息香酸系、アントラニル酸系、サルチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系、ジベンゾイルメタン系等の有機系吸収剤等が挙げられる。
【0037】
特殊配合成分としては、例えばエストラジオール、エストロン、エチニルエストラジオール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン等のホルモン類、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン類、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム・カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルムニウム、パラフェノールスルホン酸亜鉛、硫酸亜鉛等の皮膚収斂剤、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、センブリエキス、ニンニクエキス、ヒノキチオール、塩化カルプロニウム、ペンタデカン酸グリセリド、ビタミンE、エストロゲン、感光素等の発毛促進剤、リン酸−L−アスコルビン酸マグネシウム、コウジ酸等の美白剤等が挙げられる。
これらの成分は所望により適宜選択して配合することができる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[樹脂粒子の製造]
実施例1
(油相)
アクリル酸ブチル 33重量部
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 17重量部
n−ヘキサン 50重量部
過酸化ベンゾイル 0.3重量部
(水相)
脱イオン水 400重量部
ポリビニルアルコール(鹸化度85%) 8重量部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.04重量部
【0039】
ホモミキサー(特殊機化工業社製、卓上型TKホモミキサー)により、回転数5000rpmで、上記の油相を水相に分散させた後、この分散液を、攪拌機および温度計を備えた重合反応器に入れ、60℃で6時間攪拌を続けて懸濁重合を行った。この懸濁液をろ過し、得られた反応生成物を洗浄、乾燥、粉砕して、平均粒子径8.2μmの球状多孔質樹脂微粒子を得た。この球状多孔質樹脂微粒子は、比表面積が45m2/g、吸油量が1.3ml/g、圧縮強度が0.20kgf/mm2、復元率が5.3%であった。
【0040】
実施例2
(油相)
アクリル酸2−エチルヘキシル 24重量部
ジエチレングリコールジメタクリレート 16重量部
酢酸エチル 60重量部
過酸化ベンゾイル 0.3重量部
(水相)
脱イオン水 400重量部
複分解ピロ燐酸マグネシウム 6重量部
ラウリル硫酸ナトリウム 0.04重量部
【0041】
卓上型TKホモミキサーにより、回転数6000rpmで、上記の油相を水相に分散させた後、この分散液を、攪拌機および温度計を備えた重合反応器に入れ、60℃で6時間攪拌を続けて懸濁重合を行った。この懸濁液をろ過し、得られた反応生成物を洗浄、乾燥、粉砕して、平均粒子径5.3μmの球状多孔質樹脂微粒子を得た。この球状多孔質樹脂微粒子は、比表面積が62m2/g、吸油量が1.6ml/g、圧縮強度が0.35kgf/mm2、復元率が4.7%であった。
【0042】
比較例1
アクリル酸ブチルをメタクリル酸メチルに代えた以外は、実施例1と同様にして平均粒子径8.5μmの球状樹脂粒子を得た。この球状樹脂粒子は、比表面積が58m2/g、吸油量が1.45ml/g、圧縮強度が1.30kgf/mm2、復元率が0.2%であった。
【0043】
比較例2
アクリル酸ブチルの量を67重量部に、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートの量を33重量部に変え、n−ヘキサンを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、平均粒子径9.4μmの球状樹脂粒子を得た。この球状樹脂粒子は、比表面積が0.8m2/g、吸油量が0.7ml/g、圧縮強度が0.36kgf/mm2、復元率が8.2%であった。
【0044】
[化粧料の作成]
実施例3
[油性ファンデーションの製造]
実施例1で得られた球状多孔質樹脂微粒子(吸油量1.3ml/g)100重量部に、スクワラン104重量部を、卓上ミキサーで混合しながら添加して調製した複合樹脂粒子を用いて、以下の方法で油性ファンデーションを得た。
【0045】
(粉体部)
複合樹脂粒子 21.0重量部
酸化チタン 15.0重量部
赤色酸化鉄 2.5重量部
黄色酸化鉄 2.0重量部
黒色酸化鉄 0.1重量部
(オイル部)
流動パラフィン 24.0重量部
パルミチン酸イソプロピル 15.0重量部
ラノリンアルコール 2.0重量部
酢酸ラノリン 3.0重量部
マイクロクリスタリンワックス 7.0重量部
オゾケライト 8.0重量部
キャンデリラロウ 0.4重量部
防腐剤 適量
香料 適量
【0046】
粉体部をヘンシェルミキサーで混合した後、あらかじめ加熱溶解しておいたオイル部を添加混合し、この混合物をロールミルで十分に練り混ぜた。練り混ぜた混合物を加熱、攪拌しながら融解させ、60℃に冷却し、香料を添加した後、金皿に流し込み、放冷して油性ファンデーションを得た。
【0047】
実施例4
実施例2で得られた球状多孔質樹脂微粒子(吸油量1.6ml/g)100重量部に、スクワラン144重量部を、卓上ミキサーで混合しながら添加して調製した複合樹脂粒子を用いて、実施例3と同様にして油性ファンデーションを得た。
【0048】
比較例3
比較例1で得られた球状樹脂粒子(吸油量1.45ml/g)100重量部に、スクワラン116重量部を、卓上ミキサーで混合しながら添加して調製した複合樹脂粒子を用いて、実施例3と同様にして油性ファンデーションを得た。
【0049】
比較例4
比較例2で得られた球状樹脂粒子(吸油量0.7ml/g)100重量部に、スクワラン56重量部を、卓上ミキサーで混合しながら添加して調製した複合樹脂粒子を用いて、実施例3と同様にして油性ファンデーションを得た。
以上のようにして製造した油性ファンデーションを用いて、パネラー10名による官能試験を行った。この試験における評価項目は、伸び、ソフト感、塗布直後のしっとり感、塗布直後のべた付き感、塗布後3時間経過後のしっとり感であり、各々の項目について、次のような基準で5段階評価を行った。
1・・・・悪い
2・・・・やや悪い
3・・・・普通
4・・・・やや良い
5・・・・良い
【0050】
官能試験の結果を表1に示す。なお、表中の数値はパネラー10名の評価結果の平均値である。
総合判定は、各項目の平均値を合計し、次の基準で行った。但し、総合判定が計算上○または△であったとしても、評価項目のうち1つでも平均値が3.0〜3.5のものがあれば△に、2.9以下のものがあれば×とした。
○・・・・合計20.0以上
△・・・・合計15.0〜20.0未満
×・・・・合計15.0未満
【0051】
【表1】
Figure 0003888856
【0052】
表1に示されるように、本発明の多孔質樹脂微粒子を配合した油性ファンデーション(実施例3および4)は、微粒子中に吸収された有効成分、例えばスクワランが塗布時の摩擦などにより多量に放出したと考えられ、スクワランによるしっとり感を肌に与えるとともに、粒子が球状で軟質であるため塗布時の滑らかな伸び、ソフト感などの極めて優れた感触を付与し、さらに塗布後は粒子形状の回復とともに余剰の成分を細孔中に効率よく再吸収すると考えられ、化粧後の肌のべたつきが少ないなど、従来の粒子にはない優れた効果をもたらす。
他方、比較例3で得られた油性ファンデーションは圧縮強度および復元率が本発明で規定する範囲外の樹脂粒子を配合しており、また比較例4の油性ファンデーションは多孔質ではない球状樹脂粒子を配合しているのでそれぞれ好ましくない結果を示した。
【0053】
【発明の効果】
本発明の多孔質樹脂微粒子を配合した外用剤は、塗布時の擦り付けや押し付け等で微粒子が変形することにより、細孔中の有効成分が微粒子外へ放出されて、初期の迅速な効果を奏することができる。
また、本発明の多孔質樹脂粒子は軟質であるため優れた感触を有し、外部からの力が取り除かれると微粒子が元の形状に回復し、余剰成分が再び細孔に吸収されるので、べたつき感がない。さらに、多孔質樹脂微粒子中に残る有効成分が毛細管現象によって徐々に放出されるので持続的な効果が期待できる。

Claims (4)

  1. 炭素原子数1〜8のアルコールのアクリル酸エステルから得られる橋アクリル酸エステル系樹脂からなり、圧縮強度が0.05〜0.6kgf/mm2であり、荷重を1gfから0.2gfまで減少させたときの復元率が3〜40%であることを特徴とする多孔質樹脂微粒子。
  2. 微粒子の形状が球状である請求項1に記載の多孔質樹脂微粒子。
  3. 微粒子の平均粒子径が0.5〜30μm、比表面積が1〜300m2/g、吸油量が0.8〜10ml/gである請求項1または2に記載の多孔質樹脂微粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質樹脂微粒子を1〜40重量%配合してなる外用剤。
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