JP5134872B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が用いられてなる多孔質粒子とリン酸カルシウム粒子とが含有されている化粧料に関する。
従来、リン酸カルシウム粒子は、皮脂などの吸着性能に優れることから化粧料に広く用いられている。
リン酸カルシウム粒子は、この吸着性能により化粧くずれの防止に優れた効果を奏する反面その吸着力により化粧料の使用感を低下させるおそれがある。
このことを防止すべく種々の検討がなされており、特許文献1には、所定の粒径を有する球状のハイドロキシアパタイトを化粧料に用いることが記載されている。
また、このような方法以外にも雲母などの鱗片状の粒子の表面にリン酸カルシウムを担持させて使用感を向上させることも試みられている。
また、一方で、肌上での伸びや、感触を向上させ、皺隠し効果を付与することを目的として、架橋ポリスチレン粒子、ポリアミド粒子、ポリメタクリル酸メチル粒子等の球状の樹脂粒子が化粧料に用いられたりもしている。
この球状の樹脂粒子は、化粧料の使用感を向上させる効果を有する反面皮膚への吸着力が低く化粧くずれを起こしやすいという問題を有する。
そして、特許文献2には、多孔質な状態の樹脂粒子を化粧料に含有させることが記載されており、このような多孔質な樹脂粒子を用いることにより化粧くずれの抑制に効果を奏することが記載されている。
しかし、このリン酸カルシウム粒子における使用感の向上と、樹脂粒子における化粧くずれの抑制とは、いずれも十分な対策がなされていない。
このことに対して、これらリン酸カルシウム粒子と樹脂粒子とが併用された化粧料も検討されており、特許文献3には、球状のポリマー粒子の表面に結合剤を用いてハイドロキシアパタイトを付着させることが記載されている。
しかし、このような方法を採用しても化粧くずれを抑制しつつ使用感を十分向上させることは困難であり、従来、化粧くずれを抑制しつつ使用感に優れた化粧料を得ることが困難であるという問題を有している。
特開平1−96104号公報 特開平4−51522号公報 特開昭62−273907号公報
本発明は、上記問題に鑑み、化粧くずれを抑制しつつ使用感に優れた化粧料の提供を課題としている。
リン酸カルシウム粒子は、通常、リン酸水溶液に石灰乳を加えてpH12程度のアルカリ性の懸濁液を作製した後、この懸濁液にリン酸水溶液を加えてpHを低下させることにより形成され、しかも、リン酸水溶液を加えた後のpH値などによって第一リン酸カルシウム(Ca(H2PO42・H2O)、第二リン酸カルシウム (CaHPO4・2H2O)、第三リン酸カルシウム (Ca3(PO42 ・nH2O) などの態様で粒子を形成することが知られている。
本発明者らは、リン酸カルシウム粒子の形成条件に着目して鋭意検討を行った結果、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が用いられてなる多孔質粒子の存在下において、所定のプロセスにより形成されたリン酸カルシウム粒子とこの多孔質粒子とをともに化粧料に含有させることにより、化粧くずれを抑制しつつ使用感を向上させ得ることを見出し本発明の完成に到ったのである。
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべく、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が用いられてなる多孔質粒子とリン酸とが含有されているpH1.5以下の樹脂粒子混合リン酸水溶液を作製する混合液作製工程と、該混合液作製工程で作製された前記樹脂粒子混合リン酸水溶液を水で希釈してpH2.0以上の希釈液を作製する希釈工程と、該希釈工程で作製された前記希釈液と水酸化カルシウムとを混合してアルカリ性の懸濁液を作製する懸濁液作製工程と、該懸濁液作製工程で作製された懸濁液とリン酸とを混合し、第二リン酸カルシウム粒子を析出させて、該第二リン酸カルシウム粒子と前記多孔質粒子とが含有されている混合粒子含有液を作製するリン酸カルシウム粒子析出工程とが実施されて作製された前記第二リン酸カルシウム粒子ならびに前記多孔質粒子が含有されていることを特徴とする化粧料を提供する。
本発明によれば、化粧料を、化粧くずれを抑制しつつも使用感に優れたものとし得る。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本実施形態の化粧料には、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が用いられてなる多孔質粒子(以下、単に「多孔質粒子」ともいう)とリン酸カルシウム粒子とが含有されている。
しかも、前記リン酸カルシウム粒子と前記多孔質粒子とは、(1)架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が用いられてなる多孔質粒子とリン酸とが含有されているpH1.5以下の樹脂粒子混合リン酸水溶液を作製する混合液作製工程と、(2)該混合液作製工程で作製された前記樹脂粒子混合リン酸水溶液を水で希釈してpH2.0以上の希釈液を作製する希釈工程と、(3)前記混合液作製工程で作製された樹脂粒子混合リン酸水溶液を含む前記希釈液と水酸化カルシウムとを混合してアルカリ性の懸濁液を作製する懸濁液作製工程と、(4)該懸濁液作製工程で作製された懸濁液とリン酸とを混合し、第二リン酸カルシウム粒子または第三リン酸カルシウム粒子のいずれかのリン酸カルシウム粒子を析出させて、該リン酸カルシウム粒子と前記多孔質粒子とが含有されている混合粒子含有液を作製するリン酸カルシウム粒子析出工程とが実施されて作製されたものである。
本実施形態の化粧料における前記多孔質粒子と前記リン酸カルシウム粒子との含有量(配合量)は、前記多孔質粒子と前記リン酸カルシウム粒子の合計を化粧料全体の質量に対して0.1〜99質量%とすることができ、1〜95質量%とすることが好ましい。
配合量が0.1質量%未満の場合には、リン酸カルシウム粒子や多孔質粒子の量が少なすぎて、リン酸カルシウム粒子などに期待される皮脂、細菌、ウィルスなどのいわゆる老廃物を吸着、除去する効果が得られにくくなる。
一方で、99質量%を超えて配合する場合には、後述する他の粉末成分、油性成分、機能性成分など化粧料として必要な成分を含有させる余地がなく、化粧料とすることが困難となる。
また、配合量は1〜95質量%であることが好ましいのは、上記に加えて、化粧効果の持続性ならびに粉っぽさ、白っぽさといった不自然な仕上がりとなることを抑制して自然な仕上がりとし得る点において好適なためである。
このリン酸カルシウム粒子と多孔質粒子との比率については、(リン酸カルシウム粒子/多孔質粒子)=1/99〜50/50(質量比)とすることができる。
また、触感に優れた化粧料を作製し得る点から、リン酸カルシウム粒子と多孔質粒子との比率については、3/97〜30/70であることが好ましく、5/95〜20/80であることが好ましい。
前記多孔質粒子は、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が用いられてなるものであれば特に限定されないが、通常、前記混合液作製工程に供する前の初期状態(以下「初期多孔質粒子」ともいう)で平均粒径1〜100μm、比表面積10〜300m2/gのものを採用することができる。
なお、この平均粒径については、例えば、レーザー回折法により累積粒度分布を示す曲線を求め、50vol%における値を算定して求めることができ、日本レーザー株式会社から「ロドス」の商品名にて市販のレーザー回折式粒度分布測定装置などにより測定することができる。
また、比表面積については、JIS Z 8830に準じて測定することができ、例えば、流動式比表面積自動測定装置を用いてBET一点法により測定することができる。
また、混合液作製工程に供する前の初期多孔質粒子は、例えば、炭素原子数1〜8のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル系単量体と架橋性単量体と非重合性有機溶媒との混合物(油相)を、水中(水相)で重合し、重合反応終了後、反応生成物から非重合性有機溶媒を除去することにより製造できる。
なお、上記水中での重合方法は特に限定されず、例えば懸濁重合、乳化重合、シード重合等のいずれであってもよいが、上記のような初期多孔質粒子をより形成させやすい点において懸濁重合が特に好ましい。
前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えばアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
また、上記以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸へプタデカフロオロデシル等が挙げられる。
これらの単量体の中でも、微粒子の機械的強度の向上、例えば、化粧料として使用するときの擦り付けや押し付け等による多孔質粒子の破壊を十分に防ぐには、炭素原子数1〜8のアルコールのアクリル酸エステルを50〜95質量%、より好ましくは60〜80質量%使用するのが好ましく、炭素原子数1〜4のアルコールのアクリル酸エステルを50〜95質量%、より好ましくは60〜80質量%使用するのがさらに好ましい。
これらの(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
なお、(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な単量体を併用することも可能であり、この共重合可能な単量体としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等のビニル基を有するものが挙げられる。
これらの単量体は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
初期多孔質粒子に良好な多孔形状を付与させるべく架橋性単量体の存在下に重合が行われ得る。架橋性単量体としては、ビニル基を複数個有するものを用いることができ、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンおよびこれらの誘導体である芳香族ジビニル系単量体が挙げられる。
中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のメタアクリル酸エステル系架橋性単量体およびカプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート等は、皮膚刺激性が低く、化粧品用途に好適に使用できる。
これらの架橋性単量体は、単独で、または2種以上を組み合せて用いることもできる。
架橋性単量体は、通常、全単量体中の5〜50質量%使用される。
架橋性単量体の使用割合が多くなると、多孔形状の形成や比表面積、吸油特性に問題は生じないが、微粒子が硬くなりソフトな触感が得られない、圧縮強度が増大する、復元率が減少する等の傾向が見られるため、架橋性単量体の使用割合が50質量%を超える場合は好ましくない。
また、架橋性単量体の使用割合が少なくなると、粒子による触感が充分に感じられない、多孔形状が形成され難く比表面積や吸油特性が減少する、復元率が減少する、塗布時の余剰な有効成分の再吸収が充分ではなくべたつき感が残る等の傾向が見られ、架橋性単量体の使用割合が5質量%に満たない場合は好ましくない。
したがって、架橋性単量体の使用割合は、所望の圧縮強度、復元率、比表面積、吸油量に応じて適宜調整され得る。
初期多孔質粒子に良好な多孔形状をもたせるために、例えば、非重合性有機溶媒の存在下に重合が行われ得る。
非重合性有機溶媒としては、溶解度パラメーターが6〜11であり、より好ましくは7〜10のものが挙げられる。
溶解度パラメーターが6未満または11を超える非重合性有機溶媒を使用すると、粒子形状や多孔形状が良好に形成されず、比表面積、吸油量が減少するので好ましくない。
非重合性有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−ヘキサン、n−オクタン、n−ドデカン等の飽和脂肪族炭化水素類などが挙げられる。これらの非重合性有機溶媒は、それぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
非重合性有機溶媒の使用割合は、油相中、30〜90質量%が好ましい。
油相中の非重合性有機溶媒の使用量が30質量%未満では、得られる初期多孔質粒子の比表面積、吸油量が減少するので好ましくない。また、使用量が90質量%を超えると得られる初期多孔質粒子内の空隙率が大きくなり過ぎて、初期多孔質粒子を使用したときに粒子の変形、破壊等が起こり、良好な感触が得られないので好ましくない。
懸濁重合では重合開始剤を用いてもよい。
重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性過酸化物、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の油溶性アゾ化合物が挙げられる。
これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、または2種以上組合せて用いることができる。
重合開始剤の使用割合は、通常、油相に対して0.1〜1質量%程度である。
また、懸濁重合では、分散剤および/または界面活性剤等を用いてもよい。
分散剤としては、例えばリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機塩、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子等が挙げられる。界面活性剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイドのような両性界面活性剤等が挙げられる。
これらの分散剤および界面活性剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、分散安定性の点から、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性リン酸塩等の分散剤と、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤とを組み合わせて用いるのが好ましい。
分散剤の使用割合は、通常、油相に対して0.5〜10質量%程度であり、界面活性剤の使用割合は、水相に対して0.01〜0.2質量%程度である。
重合反応は、油相(例えば単量体、重合開始剤、非重合性有機溶媒など)と水相(例えば水、分散剤、界面活性剤など)とを混合した後、攪拌しながら昇温することにより開始させ得る。
水相は、通常、油相100質量部に対し100〜1000質量部用いられる。
重合開始温度は、40〜90℃程度が好ましい。
反応混合物を重合開始温度に保持しながら重合させる時間は、通常、1〜10時間程度である。
多孔質樹脂微粒子の平均粒子径は油相と水相との割合や分散剤、界面活性剤の使用量等および攪拌条件、分散条件を調整することにより適宜制御することができる。
油相を水相中に微細な液滴で分散させるには、例えばプロペラ翼等の攪拌力によったり、ホモジナイザー、回転羽根と器壁あるいは回転羽根同士のギャップにかかる高シェアーを利用した乳化分散機を使用したり、超音波分散機、高圧噴射型分散機等を用いる等の方法を適宜選択することにより行うことができる。
例えば、ホモジナイザーの場合、回転数が大きく、分散時間が長いと得られる液滴径が小さくなる傾向が見られる。
重合反応終了後、所望により分散剤を酸などで分解し、濾過、洗浄、乾燥、粉砕、分級を行うことにより、目的とする初期多孔質粒子が得られる。
このようにして形成される初期多孔質粒子存在下で作製されるリン酸カルシウム粒子(および多孔質粒子)は、以下の(1)〜(4)の工程が実施されて形成される。
(1)初期多孔質粒子とリン酸とが含有されているpH1.5以下の樹脂粒子混合リン酸水溶液を作製する混合液作製工程。
(2)該混合液作製工程で作製された前記樹脂粒子混合リン酸水溶液を水で希釈してpH2.0以上の希釈液を作製する希釈工程。
(3)前記混合液作製工程で作製された樹脂粒子混合リン酸水溶液を含む前記希釈液と水酸化カルシウムとを混合してアルカリ性の懸濁液を作製する懸濁液作製工程。
(4)該懸濁液作製工程で作製された懸濁液とリン酸とを混合し、第二リン酸カルシウム粒子または第三リン酸カルシウム粒子のいずれかのリン酸カルシウム粒子を析出させて、該リン酸カルシウム粒子と前記多孔質粒子とが含有されている混合粒子含有液を作製するリン酸カルシウム粒子析出工程。
以下に、それぞれの工程について詳述する。
(1)混合液作製工程
該混合液作製工程においては、通常、前記初期多孔質粒子とpH1.5以下のリン酸水溶液とを混合することで、pH1.5以下の樹脂粒子混合リン酸水溶液を作製させ得る。
この混合液作製工程は、前記初期多孔質粒子にリン酸を吸収させるとともに水に対する濡れ性が悪い初期多孔質粒子の濡れ性を改善させるべく実施される。
この樹脂粒子混合リン酸水溶液の作製方法としては、特に限定されず、初期多孔質粒子にpH1.5以下のリン酸水溶液などをシャワーリングしつつ混合する方法や、pH1.5以下のリン酸水溶液が貯留された槽などに初期多孔質粒子を投入して含浸させる方法などを採用することができる。
初期多孔質粒子を全体的に均一かつ十分に処理し得る点から、リン酸水溶液に初期多孔質粒子を含浸させる方法を採用することが好ましい。
なお、この含浸時にリン酸水溶液に分散させる初期多孔質粒子の固形分濃度としては、0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることがさらに好ましい。
この固形分濃度がこのような範囲であることが好ましいのは、固形分濃度が50質量%を超えると、初期多孔質粒子がリン酸水溶液吸着して全体が固化してしまい、後段の工程が手間のかかるものとなるおそれを有し、0.1質量%未満の固形分濃度としても、使用する設備が大掛かりとなり、使用するリン酸の量に対して得られるリン酸カルシウム粒子の量が少なくなることなど生産性が低下するおそれを有するためである。
このとき用いるpH1.5以下のリン酸水溶液としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されている75〜89質量%の濃度のものを水などで適宜希釈して用いたりすることができる。
この樹脂粒子混合リン酸水溶液に用いるリン酸水溶液は、pH1.5以下であれば特にそのpH値を限定されるものではない。
また、この樹脂粒子混合リン酸水溶液は、作製後、数時間以上、好ましくは、24時間以上の期間を設けて次段の希釈工程に移行させることが望ましい。
(2)希釈工程
前記混合液作製工程後には、作製された樹脂粒子混合リン酸水溶液を水で希釈してpHが2.0以上の希釈液を作製する。
この希釈工程の方法については、特に限定されるものではなく、例えば、樹脂粒子混合リン酸水溶液が貯留されている槽にイオン交換水を添加する方法など、全体を水で希釈する方法を採用することができる。
また、要すれば、樹脂粒子混合リン酸水溶液に含まれているリン酸水溶液の一部を除去した後に水を加えることにより、樹脂粒子混合リン酸水溶液中のリン酸水溶液のみを水で希釈して、全体に占める多孔質樹脂粒子の割合が樹脂粒子混合リン酸水溶液と同等の希釈液を作製したり、あるいは全体に占める多孔質樹脂粒子の割合が樹脂粒子混合リン酸水溶液よりも増大された希釈液を作製したりすることも可能である。
さらに、要すれば、遠心脱水法などにより樹脂粒子混合リン酸水溶液を多孔質樹脂粒子とリン酸水溶液とに分離して多くのリン酸水溶液を除去させた後に多孔質樹脂粒子に水を加えて多孔質樹脂粒子に付着して残留しているリン酸を水で希釈することも可能であり、この脱水分離と水の添加とを複数回繰り返して希釈液を作製することもできる。
この混合液作製工程と懸濁液作製工程との間に、この希釈工程を設けることにより、希釈液中の多孔質粒子の濡れ性をさらに改善をさせ得る。
このとき、多孔質粒子が固形分濃度0.1〜50質量%、好ましくは1〜50質量%で含有されている希釈液を作製することが好ましい。
この希釈工程は、pH2.0未満の状態で、後段の懸濁液作製工程を実施すると水酸化カルシウムとの混合時における反応が激しくなって制御が困難となり、リン酸カルシウム粒子析出工程で形成されるリン酸カルシウム粒子の粒径が粗大なものとなるおそれがあるために混合液作製工程と懸濁液作製工程との間に設けられている。
すなわち、この希釈工程を設けることにより粗大粒子の形成を防止でき肌触りなどといった化粧料の使用感が向上される。
また希釈工程では、後段の懸濁液作製工程やリン酸カルシウム粒子析出工程における制御を容易とし且つ得られる化粧料の使用感を向上させ得る点においてpHが2.0〜4.0の希釈液を作製することが好ましい。
(3)懸濁液作製工程
次いで、前記混合液作製工程で作製された樹脂粒子混合リン酸水溶液を含む希釈液と、水酸化カルシウムとを混合して、アルカリ性の懸濁液を作製する懸濁液作製工程を実施する。
この懸濁液作製工程における希釈液と水酸化カルシウムとの混合方法については特に限定されず、一般的なリン酸カルシウム粒子作製方法を同様に実施することができ、例えば、水中に水酸化カルシウムをホモジナイザーなどで分散させた石灰乳を、全体がpH12程度となるまで希釈液中に投入してアルカリ性の懸濁液を作製する方法などを採用し得る。
なお、このとき希釈液(懸濁液)の液温を50℃以下に維持することが好ましい。
このときの液温を50℃以下に維持することでリン酸カルシウムの粗大粒子の形成を抑制することができ化粧料の使用感を向上させ得る。
(4)リン酸カルシウム粒子析出工程
このリン酸カルシウム粒子析出工程においては、前記懸濁液作製工程で作製されたアルカリ性の懸濁液とリン酸水溶液とを混合して、第二リン酸カルシウム粒子または第三リン酸カルシウム粒子のいずれかのリン酸カルシウム粒子を析出させ、該リン酸カルシウム粒子と多孔質粒子とが混合されて含有されている混合粒子含有液を作製する。
この第二リン酸カルシウム粒子を析出させるには、例えば、アルカリ性の懸濁液にリン酸水溶液添加後のpHが5程度となるようにしてリン酸水溶液を加える方法が挙げられる。
また、第三リン酸カルシウム粒子を析出させるには、例えば、アルカリ性の懸濁液にリン酸水溶液添加後のpHが10程度となるようにしてリン酸水溶液を加える方法が挙げられる。
このとき、一部のリン酸カルシウムは、多孔質粒子の表面上を被覆した状態で析出し、単にリン酸カルシウム粒子と多孔質粒子とを混合したものとは異なる触感を化粧料に与え、優れたソフト感ならびに滑らかさを化粧料に付与し得る。
なお、第二リン酸カルシウム粒子は第三リン酸カルシウム粒子に比べてソフトな感触が得られやすく化粧料を肌触りの良いものとさせ得るのみならず、このようにして形成される第二リン酸カルシウム粒子は、平板状に形成させることができることから、化粧料を滑りのよいキシミ感の抑制されたものとさせ得る。
このような効果を奏する点からは、このリン酸カルシウム粒子析出工程において多孔質粒子存在下で析出させるリン酸カルシウム粒子としては、第二リン酸カルシウム粒子が好適である。
なお、本発明の効果を損ねない限りにおいては、上記リン酸カルシウム粒子は、例えば、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの元素が固溶してカルシウムの一部が置き換えられていたり、あるいは、(PO4)の一部が、(VO4)、(SiO4)、(CO3)などの原子団の1種によりイオン交換または置換されていたりしても良い。
さらに、リン酸カルシウムが、1種または2種以上の金属酸化物と複合してもよい。
金属酸化物としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどがあげられる。
以上のようにして作製されたリン酸カルシウム粒子と多孔質粒子とが含有されている混合粒子含有液は、噴霧乾燥やケーキ乾燥など一般的な乾燥手段を採用して乾燥粉末とすることができる。
このとき、解砕などの工程を必要とせず、解砕時にリン酸カルシウム粒子(あるいは、リン酸カルシウムが被覆された多孔質粒子)同士が擦れあって、リン酸カルシウム粒子が微細化してしまうことを抑制し得る点から、噴霧乾燥による乾燥手段を採用することが好ましい。
また、このように形成された多孔質粒子とリン酸カルシウム粒子との混合粉末は、表面処理を施して化粧料に含有させることも可能であり、表面処理の例としては、シリコーン、アクリルシリコーン、金属石鹸、レシチン、アミノ酸、コラーゲン、カップリング剤、フッ素系化合物などの化粧料で従来用いられている材料による処理が挙げられる。
もちろん、表面処理せずに化粧料に使用してもよい。
本実施形態の化粧料には、他の粉末成分として、酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、酸化セリウム、タルク、マイカ(白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、合成雲母)、セリサイト、カオリン、ベントナイト、クレー、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、含フッ素金雲母、合成タルク、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、チッ化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、カラミン、炭酸マグネシウムおよびこれらの複合体などの無機粉体や、シリコーン粉末、シリコーン弾性粉末、ポリウレタン粉末、セルロース粉末、ポリアミド粉末、アクリル系樹脂粉末、スターチ、ポリエチレン粉末およびこれらの複合体などの有機粉末を、それぞれ1種または2種以上必要に応じて配合することができる。
また、本実施形態の化粧料には、油性成分として、流動パラフィン、スクワラン、エステル油、ジグリセライド、トリグリセライド、パーフルオロポリエーテル、ワセリン、ラノリン、セレシン、カルナバロウ、固形パラフィン、脂肪酸、多価アルコール、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ビニルピロリドンなどを1種または2種以上必要に応じて配合することができる。
また、本実施形態の化粧料には、機能性成分として、色素、pH調整剤、保湿剤、増粘剤、界面活性剤、分散剤、安定化剤、着色剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料なども本発明の効果を損ねない範囲において適宜配合することができる。
また、本実施形態の化粧料の剤型としては、たとえば乳化ファンデーション、パウダーファンデーション、油性ファンデーション、固形乳化ファンデーション、アイシャドウ、チークカラー、ボディパウダー、パフュームパウダー、ベビーパウダー、フェースパウダー、乳液、美容ローション、化粧水、美容クリーム、日焼け防止ローションなどがあげられる。
特に、前記(1)混合液作製工程、(2)希釈工程、(3)懸濁液作製工程、(4)リン酸カルシウム粒子析出工程を実施して作製された多孔質粒子とリン酸カルシウム粒子とを配合する場合、単なる多孔質粒子とリン酸カルシウム粒子との混合物を配合する場合に比べて、プレス成形品に割れや欠けが生じることを抑制させる効果も奏する。
したがって、プレス成形により固形化されて用いられる粉末化粧料などにおいて、その含有量に制限が加えられることを抑制でき好適に用い得る。
なお、化粧料として、乳化ファンデーション、パウダーファンデーション、油性ファンデーション、固形乳化ファンデーションにおいては、配合されるリン酸カルシウム粒子、架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が用いられてなる多孔質粒子の平均粒径は、1〜50μmであることが、感触面において好ましく、アイシャドウ、チーク、ネイルカラーにおいては、それらの化粧が施された部位にきらめきを与え美観を向上させ得る点においては、平均粒径が、50〜100μmであることが好ましい。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
(リン酸カルシウム粒子の製造)
(製造例1)
イオン交換水1リットルに、基体材料としての架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が用いられてなる初期多孔質粒子(積水化成品工業株式会社製「テクポリマーMBP−8」:平均粒径約8μm)450gを入れ、攪拌下で7.5質量%リン酸水溶液を1500g加えて10分間攪拌して樹脂粒子混合リン酸水溶液を作製する混合液作製工程を実施した。
この樹脂粒子混合リン酸水溶液を一昼夜静置してpHをpHメーターにて測定したところ、0.1であった。
次いで、樹脂粒子混合リン酸水溶液を、吸引ろ過により多孔質粒子をろ別し、該ろ別された多孔質粒子を固形分濃度20%でpHが2.0以上となるまでイオン交換水を加えて希釈し、pH2.0の希釈液を作製した。
次いで、ホモミキサーを用いて水酸化カルシウム37.3gをイオン交換水1リットル
に分散させた水酸化カルシウム懸濁液を作製し、前記希釈液に対して、水酸化カルシウム懸濁液添加後のpHが12.5となるように水酸化カルシウム懸濁液を加えてアルカリ性の懸濁液を作製する懸濁液作製工程を実施した。
さらに、このアルカリ性の懸濁液の液温を、50℃以下になるよう維持しつつ、7.5質量%リン酸水溶液を最終的なpHが5.0となるまで加え30分間攪拌し第二リン酸カルシウム粒子を多孔質粒子との混合状態で析出させるリン酸カルシウム粒子析出工程を実施した。
さらに、第二リン酸カルシウム粒子と多孔質粒子とが混合状態で含有されている液体をスプレードライヤー(大川原化工機械株式会社製「L−8」)を用いて、噴霧乾燥造粒を行い、多孔質粒子とリン酸カルシウム粒子との混合粉末を作製した。
(製造例2)
リン酸カルシウム粒子析出工程において、7.5質量%リン酸水溶液を加え、最終的なpHが10.0となるまで加えて第三リン酸カルシウム粒子を析出させたこと以外は製造例1と同様に多孔質粒子が混合された状態のリン酸カルシウム粒子を製造した。
(製造例3)
リン酸カルシウム粒子析出工程において、アルカリ性の懸濁液の液温を80℃に維持しつつ、7.5質量%リン酸水溶液を最終的なpHが8.5となるまで加え30分間攪拌しハイドロキシアパタイト粒子(Ca10(PO46(OH)2)を析出させたこと以外は製造例1と同様に多孔質粒子が混合された状態のリン酸カルシウム粒子を製造した。
(製造例4)
混合液作製工程において、7.5質量%リン酸水溶液1500gを加えず、2.5リットルのイオン交換水に多孔質粒子を分散させた。
この結果、リン酸カルシウム粒子析出工程においては、多孔質粒子が攪拌により泡状となり液表面に浮き上がり均一な分散状態が得られなかった。
これを製造例1と同様に乾燥し、多孔質粒子が混合された状態のリン酸カルシウム粒子を製造した。
(顕微鏡観察)
製造例1、2の走査型電子顕微鏡写真を図1a)、b)、および図2に示す。
また、製造例4において分離した沈殿物の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。
さらに、製造例1〜4に用いた多孔質粒子単体(初期多孔質粒子)の走査型電子顕微鏡写真を図4に示す。
その結果、製造例1(図1a、b)の場合は、平板状と球状の粒子が存在していることが観察され、製造例2(図2)の場合は、球状粒子が微細な粒子で凝集しているものが観察された。
これに対し、製造例4(図3)では塊状の粒子が観察され、球状の粒子は観察されなかった。
さらに、多孔質粒子単体はnmレベルの粒子が集合したような真球状の粒子が観察された。
(元素分析)
走査型電子顕微鏡 S−2380N((株)日立製作所製)とエネルギー分散型X線分析装置(エダックス・ジャパン社製:EMAX−700) にてカルシウムとリンの分布を観察したところ、図1、図2で平板状に観察されたものがリン酸カルシウム粒子であることが確認された。
(粉末X線回折分析)
製造例1、2及び3の粉末X線回折を実施した。得られた、X線回折パターンを図5に示す。
(実験例1:実施例1、参考例2、比較例1〜3)
表1に示す組成のパウダーファンデーションを製造し、各比較試験を行った。
(製法)
それぞれの粉体成分をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて撹拌混合し、トリエチルヘキサノイン、防腐剤の加熱混合物を加えて更に混合し、均一にした。
これをアトマイザー(東京アトマイザー社製)で処理し、ふるいを通した後、金皿中に圧縮成型して、パウダーファンデーションを得た。成型性については、圧縮成型時に問題が無いことを確認してから官能評価を実施した。
(官能評価)
試験例1:専門パネラー20名により、使用テストを行い、のび、つき、化粧持ちについて官能評価を行い、以下の基準で判定した。結果を表2に示す。
(判定基準)
◎:15名以上が良好と回答
○:10名以上、15名未満が良好と回答
△:5名以上、10名未満が良好と回答
×:4名以下が良好と回答
(実験例2:実施例3、参考例4、比較例4〜6)
表3に示す組成のアイカラーを製造し、各比較試験を行った。
(製法)
それぞれの粉体成分をヘンシェルミキサー(三井三池社製)にて撹拌混合し、トリエチルヘキサノイン、防腐剤の加熱混合物を加えて更に混合し、均一にした。これをアトマイザー(東京アトマイザー社製)で処理し、ふるいを通した後、金皿中に圧縮成型して、アイカラーを得た。成型性については、圧縮成型時に問題が無いことを確認してから官能評価を行った。
(官能評価)
試験例2:専門パネラー20名により、使用テストを行い、のび、つき、化粧持ちについて官能評価を行い、以下の基準で判定した。結果を表4に示す。
(判定基準)
◎:15名以上が良好と回答
○:10名以上、15名未満が良好と回答
△:5名以上、10名未満が良好と回答
×:4名以下が良好と回答
以上に示したように、本発明の化粧料は、成形性に優れ、のび、つき等の使用感に優れ、且つ化粧持ちに優れたものであった。
(成形品の強度評価)
(試料の作製)
実施例1、参考例2、比較例1乃至3のパウダーファンデーションを半自動油圧プレス機にて50kgf/cm2の圧力で加圧して、直径46mm、厚み4mmの円柱状に固形化し、割れ評価用試料を作製した。
このとき各実施例、比較例のパウダーファンデーションについて、それぞれ5個ずつの割れ評価用試料を作製した。
(評価)
作製された割れ評価用試料を50cm高さから鉄板上に落下させ、落下後の割れ評価用試料に割れ、欠け、ひびなどの異常が発生していないかどうかを目視にて観察した。
そして、この落下および目視観察を、割れ評価用試料に上記のような異常が観察されるまで繰り返して実施し、この繰り返し回数によりプレス成形品の強度を評価した。
結果を表5に示す。
この表5からも、本発明によれば、プレス成形により固形化されて用いられる粉末化粧料などにおいて、割れや欠けの発生が抑制されたプレス成形品を形成させ得ることがわかる。
製造例1のリン酸カルシウム粒子ならびに多孔質粒子の走査顕微鏡写真(×500)。 製造例1のリン酸カルシウム粒子ならびに多孔質粒子の走査顕微鏡写真(×1000)。 製造例2のリン酸カルシウム粒子ならびに多孔質粒子の走査顕微鏡写真(×1000)。 製造例4のリン酸カルシウム粒子の走査顕微鏡写真(×10000)。 初期多孔質粒子の走査顕微鏡写真(×1000)。 製造例1〜3で作製されたリン酸カルシウム粒子の粉末X線回折チャート。

Claims (2)

  1. 架橋(メタ)アクリル酸エステル系樹脂が用いられてなる多孔質粒子とリン酸とが含有されているpH1.5以下の樹脂粒子混合リン酸水溶液を作製する混合液作製工程と、
    該混合液作製工程で作製された前記樹脂粒子混合リン酸水溶液を水で希釈してpH2.0以上の希釈液を作製する希釈工程と、
    該希釈工程で作製された前記希釈液と水酸化カルシウムとを混合してアルカリ性の懸濁液を作製する懸濁液作製工程と、
    該懸濁液作製工程で作製された懸濁液とリン酸とを混合し、第二リン酸カルシウム粒子を析出させて、該第二リン酸カルシウム粒子と前記多孔質粒子とが含有されている混合粒子含有液を作製するリン酸カルシウム粒子析出工程とが実施されて作製された前記第二リン酸カルシウム粒子ならびに前記多孔質粒子が含有されていることを特徴とする化粧料。
  2. プレス成形により固形化されて用いられる粉末化粧料である請求項1に記載の化粧料。
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