JP2007112771A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 タルク粒子を非晶質リン酸カルシウムで被覆した非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子が0.1〜50質量%配合され、且つ、前記非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子が酸処理工程、洗浄工程、アルカリ工程、リン酸カルシウム被覆工程が実施される製造方法により製造されたものであることを特徴とする化粧料を提供する。
【選択図】 なし
Description
またチタン雲母などの酸化チタン被覆粒子は、白雲母、金雲母などの粉砕物や、タルク、セリサイト、合成雲母などの表面に、屈折率の高い酸化チタンの細かな粒子を被覆した加工品で、チタン層の厚みによって多様な干渉色を生じ、それが真珠光沢として好まれている。さらに、近年、酸化チタンに代えて酸化鉄や酸化クロムなどを被覆したものや、酸化チタンにさらに酸化鉄や酸化クロムなどを被覆したもの、もしくはこれらに染料、顔料が複合されたものなどが開発され、それを称してパール顔料もしくはパール光沢顔料といわれている。このパール顔料は、チタン雲母、ベンガラ被覆雲母、ベンガラ被覆チタン雲母、黒酸化鉄被覆チタン雲母、カルミン被覆チタン雲母、コンジョウ被覆チタン雲母、カルミン・コンジョウ被覆チタン雲母、酸化クロム被覆チタン雲母、ベンガラ・黒酸化鉄被覆チタン雲母、黒酸化鉄カルミン被覆チタン雲母、黒酸化鉄コンジョウ被覆チタン雲母、チタン雲母+黄色4号、チタン雲母+赤色202号、チタン雲母+青色1号、チタン雲母+青色1号+黄色4号などがあげられる。
また、特許文献2には、顔料を分散させた水系中で、水可溶性カルシウム塩と水可溶性リン酸または水可溶性リン酸塩とを徐々に反応させて顔料表面に水酸化アパタイト及び/またはリン酸三カルシウムを沈着させる被覆顔料と該被覆顔料を用いた化粧料が記載されている。
そこで、発明者は、セリサイトなどの鱗片状または板状の基体粒子の表面を、非晶質リン酸カルシウムの微粒子で被覆したことを特徴とする非晶質リン酸カルシウム複合粒子およびこれを用いた化粧料を提案している(特許文献3)。
しかし、このような非晶質リン酸カルシウム複合粒子も基体粒子のみの場合に比べてキシミ感を発生させ易く、化粧料に多量に配合するとキシミ感が生じてしまうという問題を有している。一方、皮脂や細菌、ウィルスなどのいわゆる老廃物を吸着、除去する機能については、このような非晶質リン酸カルシウム複合粒子を化粧料に多く配合しなければ、十分満足するものとならないおそれを有している。
即ち、従来の化粧料においては、皮脂や細菌、ウィルスなどのいわゆる老廃物を吸着、除去する機能を維持しつつ、キシミ感を抑制することが困難であるという問題を有している。
そこで、タルクなど鱗片状または板状の基体粒子の表面を非晶質リン酸カルシウムの微粒子で、より均一に被覆することについて鋭意検討を行った結果、タルクに所定の方法で非晶質リン酸カルシウムを被覆することで、従来の非晶質リン酸カルシウム複合粒子に比べて非晶質リン酸カルシウムで被覆されない部分を減少させ得ることを見出し、本発明の完成に到ったのである。
したがって、この非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子が配合される化粧料を、皮脂や細菌、ウィルスなどのいわゆる老廃物を吸着、除去する機能を維持しつつキシミ感の抑制されたものとし得る。
まず本実施形態の化粧料に用いる非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子の製造方法について説明する。
本実施形態における非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子の基体粒子としては、タルク粒子が用いられる。
また、本実施形態の非晶質リン酸カルシウム被覆粒子の製造方法においては、前記タルク粒子とタルク粒子の0.1〜3倍の重量の水とを混練する水練り工程、前記タルク粒子と酸とを混合してタルク粒子の表面をpH1.5以下の酸で洗浄処理する酸処理工程、タルク粒子を固形分濃度0.1〜50質量%で水に分散させた懸濁液のpHが2.0以上となるように前記酸処理工程にて処理されたタルク粒子を洗浄する洗浄工程、該洗浄工程により洗浄されたタルク粒子と水酸化カルシウムとを混合したアルカリ性の懸濁液を作成するアルカリ工程、および、該アルカリ工程において作成されたアルカリ性懸濁液にリン酸を加えることによりタルク粒子の表面を非晶質リン酸カルシウムで被覆させるリン酸カルシウム被覆工程を実施して、タルク粒子の表面を非晶質リン酸カルシウムで被覆させる。
なお、この水練り工程には、通常、スラリーなどの混練に一般的に用いられる混練機を用いることができる。このとき、タルク粒子に対する水の量は、タルク粒子の重量に対する0.1〜3倍とされることが好ましい。
タルク粒子にこのような水練り工程を実施するのは、タルク粒子は、通常、鉱石から乾式粉砕により製造され、撥水性を呈する状態となっているため、このような水練り工程を実施することで親水性を高めて酸処理工程における酸性液体へのタルク粒子の分散性を高めることができるためである。
なお、湿式粉砕により製造されたタルク粒子は、通常、乾式粉砕により製造されたタルク粒子に比べて親水性が高められていることから、湿式粉砕により製造されたタルク粒子を用いることで、水練り工程を省略しつつ酸処理工程の作業性を向上させ得る。この湿式粉砕により製造されたタルクとしては、例えば、株式会社山口雲母工業所製のフィットパウダーFK−500S、FK−300S、FKG−30、CT−30、CT−35、AT−350EXなどの商品名で市販されているものを使用することができる。
また、この水練り工程が行われた乾式粉砕タルクや湿式粉砕により製造されたタルクが酸処理工程の作業性向上効果を奏するような親水性が備えられているか否かについては、例えば、常温で静置されたイオン交換水の水面に、乾燥状体のタルクを0.5g程度浮かべて、1時間経過後にその90%以上が水没するかどうかを確認することで判定できる。
なお、このような点において、漬け洗い時の酸に分散させるタルク粒子の固形分濃度としては、0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜50質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることがさらに好ましい。この固形分濃度がこのような範囲であることが好ましいのは、固形分濃度が50質量%を超えると、前述の付着物イオン除去、凝集の抑制などの効果が基体材料全体に均一かつ十分に得られないおそれを有し、0.1質量%未満の固形分濃度としても、前述の効果を、それ以上、均一かつ十分とすることが期待できないばかりでなく、使用する設備が大掛かりとなることや使用する酸の量に対して得られる非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子の量が少なくなることなど生産性が低下するおそれを有するためである。
さらに、リン酸を用いる場合には、リン酸以外の酸を用いた場合に比べてタルクの表面をより細かな非晶質リン酸カルシウムで被覆することができ、しかも、非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を被覆する非晶質リン酸カルシウムの構造を球に近い形とすることができキシミ感をさらに低減(すべり性を向上)させ得る点において好ましいものとなる。
また、このようなタルク粒子としては、通常、平均粒径が1〜100μmのものを用いることができる。なお、本明細書中における、前記平均粒径とは、レーザ回折法により求められる累積粒度分布を示す曲線の50vol%の値を意味し、例えば、日本レーザー株式会社から「ロドス」の商品名にて市販のレーザ回折式粒度分布測定装置などにより測定することができる。
また、このようなタルク粒子は、その寸法については特に限定されないが、前述した肌に対するすべり感を維持して、化粧料に使用した際にキシミ感を生じず良好な感触を持たせるためには、その平板平面における長径の平均値が1〜1000μm程度、短径の平均値が上記長径の平均値の1/2倍以上で、かつ厚みが、上記長径の平均値の1/1000倍以上、1/2倍未満程度であるのが好ましい。
なお長径の平均値は、上記の範囲内でも特に3〜500μm程度であるのが好ましい。また短径の比率の上限は、言うまでもなく長径の1倍である。さらに厚みは、上記の範囲内でも特に、長径の平均値の1/100〜1/5倍程度であるのが好ましい。平板平面における長径の平均値が上記の範囲未満では、全体としてのサイズが小さすぎて、たとえ全体形状として鱗片状、板状を維持していても、かかるタルク粒子を使用して製造された非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を化粧料に使用すると、肌に対するすべり感が不十分になるおそれがある。また逆にこの範囲を超えた場合には、大きくなりすぎたタルク粒子が割れたり折れたりして却ってそのサイズが小さくなりやすく、しかも割れたり折れたりしたものは、長径に対する短径および厚みの比率が前記の範囲を外れて、もはや鱗片状、板状とは言いがたいものとなってしまうために、かかるタルク粒子を使用して製造された複合粒子を化粧料に使用すると、やはり肌に対するすべり感が不十分になるおそれがある。
また、本発明の効果を損ねない限りにおいては、上記非晶質リン酸カルシウムのカルシウムの一部に、例えば、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、アルミニウム、チタンなどの元素が固溶していたり、あるいは、イオン交換または置換されていたりしてもよく、PO4の一部が、例えば、VO4、SiO4、CO2などの原子団の1種で置換されていても良い。
さらに、リン酸カルシウムが、1種または2種以上の金属酸化物と複合してもよい。金属酸化物としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどがあげられる。
このとき、洗浄後のタルク粒子を固形分濃度0.1〜50質量%、好ましくは1〜50質量%で水に分散させた懸濁液がpH2.0以上となるよう洗浄する。
この洗浄工程における洗浄方法としては、前述の漬け洗い状態のタルク粒子に単に水を加えることで洗浄してもよく、漬け洗い状態のタルク粒子から遠心脱水法などにより酸性液体とともに前述のような付着物イオンを系外に排出させ脱水した後にタルク粒子を分散させた懸濁液のpHが2.0以上となるまで水を加えてすすぐ方法などを用いることができ、要すれば、脱水/すすぎを繰り返し行う方法を採用することもできる。
前記アルカリ工程においては、前述の洗浄工程で洗浄されたタルク粒子と水酸化カルシウムとを混合したアルカリ性の懸濁液を作成する。ここで、タルク粒子と水酸化カルシウムとを混合して懸濁液をアルカリ性とするのは、酸性状態で後段のリン酸カルシウム被覆工程を行った場合には、加えたリン酸がリン酸水素カルシウムの形成に消費されて、タルク粒子表面を非晶質リン酸カルシウムで被覆することが困難となるためである。
本実施形態の化粧料としては、たとえば乳化ファンデーション、パウダーファンデーション、油性ファンデーション、固形乳化ファンデーション、口紅、アイシャドウなどの他、チーク、ネイルカラーなどのメイクアップ化粧料、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアートリートメントなどの頭髪化粧料、ボディパウダー、パフュームパウダー、ベビーパウダー、フェースパウダーなどのパウダー化粧料、乳液、ローション、クリーム、クレンジング、パック、サンスクリーン剤、化粧下地料などの基礎化粧料があげられる。
また、これらの化粧料には、前記非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子が0.1〜50質量%配合される。
(非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子の製造)
(製造例1)
イオン交換水1リットルに、湿式粉砕により製造されたタルク(株式会社山口雲母工業所製「フィットパウダーFK−300S」:平均粒径約15.40μm)を450g入れ、攪拌下で7.5質量%リン酸水溶液を1500g加えて10分間攪拌して懸濁液とした後に、この懸濁液を一昼夜静置することにより酸処理工程を実施した。このときの懸濁液のpHをpHメーターにて測定したところ、pH0.93であった。
さらに、吸引ろ過によりタルクをろ別し、固形分濃度20%でpHが2.0以上となるまでイオン交換水を加えて再懸濁液を作成することにより洗浄工程を実施した。
次いで、ホモミキサーを用いて水酸化カルシウム37.3gをイオン交換水1リットルに分散させた水酸化カルシウム懸濁液を作成し、前記再懸濁液に対して、該再懸濁液のpHが12.5となるまでこの水酸化カルシウム懸濁液を加えてアルカリ工程を実施しアルカリ懸濁液を作成した。
さらに、このアルカリ懸濁液の液温を、50℃以下になるよう維持しつつ、7.5質量%リン酸水溶液を最終的なpHが6.5となるまで加え30分間攪拌しリン酸カルシウム被覆工程を実施した。
さらに、前述のアルカリ工程とこのリン酸カルシウム被覆工程とを交互に2回ずつ(合計3回ずつ)実施したものをスプレードライヤー(大川原化工機械株式会社製「L−8」)を用いて、噴霧乾燥造粒を行い、非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を製造した。
イオン交換水0.9リットルに、乾式粉砕により製造されたタルク(浅田製粉株式会社製「JA−46R」:平均粒径約15.40μm)450g入れ、混練機にて10分間の混練を行い、水練り工程を実施したタルク粒子を湿式粉砕により製造されたタルク粒子に代えて用いた以外は、製造例1と同様に非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を製造した。なお、酸処理工程における懸濁液のpHをpHメーターにて測定したところ、0.9であった。
酸処理工程を実施せず、リン酸カルシウム被覆工程において、8.5質量%のリン酸水溶液を用い最終的なpHが9.0〜10.0のとなるまで加えた事以外は、製造例1と同様に非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を製造した。
酸処理工程をpH2.0で実施した以外は、製造例1と同様に非晶質リン酸カルシウム被覆粒子を製造した。
まず、ブランク試料として非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を350℃×1hの条件で乾燥させたものを準備した。次にこのブランク試料0.5gにオレイン酸4.5gを加え、37℃×24h静置しオレイン酸を吸着させた。さらに、ジエチルエーテル15mlで3回洗浄して風乾し吸着試料とした。
このブランク試料と吸着試料とを、それぞれ14〜17mg程度採取し、窒素ガス気流中にて30℃から600℃までの昇温速度20℃/minでのTG−DTA測定を行い吸油量を求めた。
被験者10人に対して、製造例1〜4にて作成した非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を顔に塗り伸ばした際の感触を下記の3段階で評価してもらった結果を表2に示す。
良好:キシミ感がなく、感触が良好である。
不良:キシミ感があり、感触が悪い。
普通:良好、不良のどちらでもなく、その中間。
製造例1、2、4の走査型電子顕微鏡写真を図1〜3に示す。
この図から、製造例1および製造例2の非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子には、タルク粒子の表面全体に均一に付着しているが、製造例4では、タルク粒子が露出している露出部が多く見られることがわかる。また、ここでは図を示してはいないが、製造例3の非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子の表面も製造例4の非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子と同様に露出部が多く見られた。
さらに、製造例2の非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子の表面についても、製造例1の非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子の表面と同様であることからここでは図を示してはいないが、製造例1、2の非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子の表面を拡大観察すると両者とも図1bのように細かな球状の非晶質リン酸カルシウムで均質に被覆されていた。
以上のように、製造例1、2で得られた非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子は、製造例3、4で得られた非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子に比べて、表面の非晶質リン酸カルシウムが均一で、吸着性能(老廃物を吸着、除去する機能)も高く、キシミ感も低下していることがわかる。即ち、タルク粒子とpH1.5以下の酸とを混合することにより、前記タルク粒子の表面をpH1.5以下の酸で処理させる酸処理工程、タルク粒子を固形分濃度0.1〜50質量%で水に分散させた懸濁液のpHが2.0以上となるように、前記酸処理工程にて処理されたタルク粒子を洗浄する洗浄工程、該洗浄工程により洗浄されたタルク粒子と水酸化カルシウムとを混合したアルカリ性の懸濁液を作成するアルカリ工程、該アルカリ工程において作成されたアルカリ性懸濁液にリン酸を加えることによりタルク粒子の表面を非晶質リン酸カルシウムで被覆させるリン酸カルシウム被覆工程、が実施される製造方法により製造された非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を用いることで、化粧料を皮脂や細菌、ウィルスなどのいわゆる老廃物を吸着、除去する機能が低下することを抑制しつつキシミ感の抑制されたものとし得ることがわかる。
製造例1の非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を用いて以下の配合1によりファンデーションを製造した。
(配合1)
成分 質量%
非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子 18
酸化鉄 4.5
セリサイト 15
板状硫酸バリウム 34
酸化チタン 8
タルク(無処理品) 10
パーフルオロポリエーテル 7
フッ素変成シリコーン 3
防腐剤および香料 0.5
上記ファンデーションは、感触に優れており、肌に塗り伸ばす際にキシミ感を生じなかった。
製造例1の非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を用いて以下の配合2によりファンデーションを製造した。なお、非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子含めて全ての無機粉体は、該無機粉体100重量部に対して、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩3重量部を用いて処理したものである。
(配合2)
成分 質量%
非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子 20
酸化鉄 4.5
セリサイト 12
板状硫酸バリウム 32
酸化チタン 8
微粒子酸化チタン 2
タルク(無処理品) 10
シリコーンエラストマー 3
有機系紫外線吸収剤 3
パーフルオロポリエーテル 5.5
グリセリン 0.5
白色ワセリン 1
防腐剤および香料 0.5
上記ファンデーションは、紫外線防止効果に優れるとともに、感触に優れており、肌に塗り伸ばす際にキシミ感を生じなかった。
製造例2の非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を用いて以下の配合3によりファンデーションを製造した。なお、はじめに成分Aと成分Bとを混合し、次いで成分Cを加えてさらに混合し、混合物を粉砕して金型を用いて金皿に打型して製品とした。
また、成分Aは、各々100重量部に対して、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩3重量部を用いて処理したものである。
(配合3)
成分A 質量%
非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子 10
酸化鉄 4.5
セリサイト 20
板状硫酸バリウム 34
酸化チタン 8
タルク(無処理品) 10
成分B 質量%
シリコーンエラストマー 3
成分C 質量%
パーフルオロポリエーテル 7
フッ素変成シリコーン 3
防腐剤および香料 0.5
上記ファンデーションは、紫外線防止効果、耐皮脂性(化粧持続性)に優れるとともに、感触に優れており、肌に塗り伸ばす際にキシミ感を生じなかった。
製造例1の非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子を用いて以下の配合4によりボディーパウダーフォームを製造した。なお、はじめに成分Aを混合し、次いで成分Bを加えてさらに混合し、成分Cの混合ガスを加えて容器に充填し製品とした。
(配合4)
成分A 質量%
スクワラン 1
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3
1,3−ブチレングリコール 1
エチルアルコール 12
ポリメチルシルセスキオキサン末 5
成分B 質量%
水 33
非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子 15
成分C 質量%
代替フロン 22
LPG 8
上記ボディーパウダーフォームは、とくにさっぱり感に優れており、且つ皮脂吸着効果に優れていた。
以上のように、非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子が、タルク粒子とpH1.5以下の酸とを混合することにより、前記タルク粒子の表面をpH1.5以下の酸で洗浄処理する酸処理工程、タルク粒子を固形分濃度0.1〜50質量%で水に分散させた懸濁液のpHが2.0以上となるように、前記酸処理工程にて処理されたタルク粒子を洗浄する洗浄工程、該洗浄工程により洗浄されたタルク粒子と水酸化カルシウムとを混合したアルカリ性の懸濁液を作成するアルカリ工程、該アルカリ工程において作成されたアルカリ性懸濁液にリン酸を加えることによりタルク粒子の表面を非晶質リン酸カルシウムで被覆させるリン酸カルシウム被覆工程が実施され製造されていることから非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子の表面に非晶質リン酸カルシウムで被覆されない部分が発生することを抑制することができ、この非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子が配合される化粧料を、皮脂や細菌、ウィルスなどのいわゆる老廃物を吸着、除去する機能を維持しつつキシミ感の抑制されたものとし得ることがわかる。
Claims (4)
- タルク粒子を非晶質リン酸カルシウムで被覆した非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子が0.1〜50質量%配合され、且つ、前記非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子が
(1)タルク粒子とpH1.5以下の酸とを混合することにより、前記タルク粒子の表面をpH1.5以下の酸で洗浄処理する酸処理工程、
(2)タルク粒子を固形分濃度0.1〜50質量%で水に分散させた懸濁液のpHが2.0以上となるように、前記酸処理工程にて処理されたタルク粒子を洗浄する洗浄工程、
(3)該洗浄工程により洗浄されたタルク粒子と水酸化カルシウムとを混合したアルカリ性の懸濁液を作成するアルカリ工程、
(4)該アルカリ工程において作成されたアルカリ性懸濁液にリン酸を加えることによりタルク粒子の表面を非晶質リン酸カルシウムで被覆させるリン酸カルシウム被覆工程、
が実施されることにより製造されてなることを特徴とする化粧料。 - 前記酸処理工程の酸としてリン酸が用いられている請求項1記載の化粧料。
- 前記酸処理工程の酸として塩酸、硝酸、硫酸または、クエン酸の何れかを用い、且つ、前記洗浄工程の洗浄として、タルク粒子を固形分濃度0.1〜50質量%で水に分散させた懸濁液のpHが6.0以上となるように洗浄が行われている請求項1記載の化粧料。
- 前記非晶質リン酸カルシウム被覆タルク粒子が、前記酸処理工程前に前記タルク粒子とタルク粒子の0.1〜3倍の重量の水とを混練する水練り工程が実施されて製造されている請求項1乃至3のいずれかに記載の化粧料。
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