JP3524658B2 - 化粧料用粉体及び化粧料 - Google Patents

化粧料用粉体及び化粧料

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JP3524658B2
JP3524658B2 JP33100495A JP33100495A JP3524658B2 JP 3524658 B2 JP3524658 B2 JP 3524658B2 JP 33100495 A JP33100495 A JP 33100495A JP 33100495 A JP33100495 A JP 33100495A JP 3524658 B2 JP3524658 B2 JP 3524658B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化粧料用粉体及び化
粧料に関する。具体的には、撥水性及び撥油性に優れた
化粧料用粉体及び当該化粧料用粉体を用いた化粧持続性
に優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】ファンデーション、口
紅、アイシャドーなどのメイクアップ化粧料は通常、顔
料や粉体原料をはじめとする化粧料用粉体及び油分を主
成分として構成されており、その性能として化粧持続
性、つまり化粧くずれを防ぐことは極めて重要である。
従来、化粧くずれの原因として汗や水などの水性成分が
注目され、かかる化粧くずれを防止するため、化粧料用
粉体の表面を金属石鹸、脂肪酸、リン脂質、シリコーン
油などで処理した顔料の配合が行われてきた。しかし、
これらの表面処理顔料を配合したメイクアップ化粧料
は、すぐれた撥水性を有するが撥油性に欠けるため、皮
脂等の油性成分による化粧くずれを防止することはでき
なかった。
【0003】これに対して近年、皮脂等の油性成分によ
る化粧くずれを防止する目的で、フッ素化合物で化粧料
用粉体を処理して、撥水性及び撥油性を付与することが
提案されている(特開昭55−167209号公報、特
開昭62−250074号公報、特開平1−18011
1号公報、米国特許第3632744号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の化粧料用粉体は撥水性、撥油性とも備えたものである
が、特に撥油性に関しては撥水性と比較してかなり劣る
ため、皮脂等の油性成分による化粧くずれを防止するこ
とは困難であった。
【0005】そこで本発明の発明者はさまざまな実験を
積み重ねた結果、金属アルコキシドを出発原料としたい
わゆるゾルーゲル法を適用して、化粧料用粉体に第1の
表面処理を行い、さらにフッ素化合物で第2の表面処置
を行なったところ、撥水性及び撥油性に優れた化粧料用
粉体を得ることができた。
【0006】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、撥水性及び
撥油性に優れた化粧料用粉体を提供し、化粧持続性に優
れた化粧料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧料用粉体
は、フッ素化合物による表面処理がされた化粧料用粉体
において、凹凸を有する被膜による第1の表面処理がさ
れ、さらにフッ素化合物による第2の表面処理によっ
て、前記化粧料用粉体の表面に凹凸が形成されたことを
特徴としている。
【0008】本発明において表面処理される粉体として
は、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定され
ず、例えばセリサイト、マイカ、ベンガラ、チタン被膜
雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウ
ム、酸化鉄、群青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミ
ン、カーボンブラックなどの無機顔料をはじめ、ケイ
酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリ
ン、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムなどの各種無機粉体及びこれらの複合体、さら
に、CIピグメントイエローやCIピグメントオレンジ
等の有機顔料をはじめ、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、シリコー
ン樹脂、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ
素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ジビニルベンゼン
・スチレン共重合体、シルクパウダー、セルロース等の
各種有機粉体及びこれらの複合体、並びに無機粉体及び
有機粉体の複合体が挙げられる。これらの粉体は単独で
または2種類以上の粉体を組合わせて用いられる。ま
た、これらの粉体の形状も特に限定されるものではな
く、平板状、塊状、鱗片状、球状等の各種の粉体を用い
ることができる。
【0009】
【0010】また凹凸を有する被膜は、例えば金属アル
コキシドを酸触媒及びアルカリ触媒による加水分解を行
なって形成することができる。このとき、金属アルコキ
シドを酸触媒による加水分解だけで第1の表面処理を行
っても、適度な凹凸を有する被膜を形成することができ
ず、撥水性及び撥油性に優れた化粧料用粉体を得ること
ができなかった。また、金属アルコキシドをアルカリ触
媒による加水分解だけでも均一な被膜を形成することが
できず、化粧料用粉体として使用に耐えがたいものしか
得られなかった。つまり、金属アルコキシドを酸触媒に
よって加水分解した後さらにアルカリ触媒で加水分解し
て被膜形成することによりはじめて表面に凹凸を有する
皮膜を形成することができ、撥水性及び撥油性を向上さ
せることができる。
【0011】酸触媒としては例えば、塩酸、硫酸、リン
酸、硝酸などの無機酸を用いることができる。また、ア
ルカリ触媒としては例えば、水酸化アンモニウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリを用
いることができる。また、これ以外にもゾルーゲル法と
して用いられる酸触媒、アルカリ触媒を用いることがで
きる。
【0012】この被膜形成にはゾルーゲル法として通常
用いられる種々の方法を採用することができる。例え
ば、ヘンシェルミキサー、振動ボールミル、回転式ボー
ルミル、スーパーミキサー等の混合攪拌装置内で、金属
アルコキシドのアルコール溶液若しくは含水アルコール
溶液を酸触媒及びアルカリ触媒による加水分解を行なっ
た後、その溶液中に粉体を加え均一に混合攪拌し、その
後室温あるいは加熱乾燥すればよい。また、混合攪拌装
置内で粉体を攪拌あるいは混合攪拌しながら、上記酸触
媒及びアルカリ触媒によって加水分解された金属アルコ
キシドの溶液を噴霧あるいは滴下して均一に被覆させた
後乾燥すればよい。
【0013】また、乾燥後さらに焼成することにより被
膜形成して第1の表面処理をするのが望ましく、乾燥後
粉砕して、例えば100℃以上の電気炉で10分以上焼
成するのがよい。なお、焼成温度は表面処理される粉体
の物性に応じて変化させるとよい。
【0014】金属アルコキシドによる被覆量は粉体10
0重量部に対して金属アルコキシド0.01重量部〜2
00重量部が好ましく、金属アルコキシドが0.01部
より少ないと凹凸を有する被膜が充分に得られず、20
0重量部以上にすると使用感の悪いものとなる。
【0015】フッ素化合物による表面処理の方法につい
ても特に制限されるものでもなく、上記表面処理された
粉体に、例えば上述したように通常のゾルーゲル法で用
いられる方法と同様な方法によりフッ素化合物の被膜を
形成させることができる。
【0016】前記フッ素化合物としては、CF3(C
22Si(OCH33、CF3(CF25(CH22
Si(OCH33、CF3(CF27(CH22i(O
CH33、CF3(CF27(CH22SiCH3(OC
32、CF3(CF23(CH22Si(OC
33、CF3(CF27(CH22SiCl3、CF3
(CH22SiCl3、CF3(CF23(CH22Si
Cl3、CF3(CF25(CH22SiCl3等のよう
な炭素数が1〜20 のパーフルオロアルキル基を含む
シラン化合物、若しくはこれらを加水分解した縮合体を
用いることができる。
【0017】さらにフッ素化合物として、パーフルオロ
アルキル基を含有するリン酸エステル(米国特許第36
32744号明細書参照)、フルオロアルキルジ(オキ
シエチル)アミンリン酸エステル(特開昭62−250
074号公報参照)、パーフルオロアルキル基を有する
樹脂(特開昭55−167209号公報参照)、四フッ
化エチレン樹脂、パーフルオロアルコール、パーフルオ
ロエポキシ化合物、スルホアミド型フルオロリン酸、パ
ーフルオロ硫酸塩、パーフルオロカルボン酸塩等が挙げ
られる。
【0018】フッ素化合物による表面処理も種々の方法
を用いることができ、例えば、ヘンシェルミキサー、振
動ボールミル、回転式ボールミル、スーパーミキサー等
の混合攪拌装置内で、フッ素化合物を適当な溶媒に溶解
させた溶液中に、粉体を加え均一に混合攪拌し、その後
室温あるいは加熱乾燥すればよい。また、混合攪拌装置
内で粉体を攪拌あるいは混合攪拌しながら、上記フッ素
化合物をそのままあるいは適当な溶媒に溶解させて噴霧
あるいは滴下して均一に被覆させた後乾燥すればよい。
【0019】さらにフッ素化合物による表面処理を行う
際に、酸触媒又はアルカリ触媒による金属アルコキシド
の加水分解溶液中でフッ素化合物による表面処理をする
ことが望ましく、より安定した撥水性及び撥油性が得ら
れる。これは、第2の表面処理を行う際、金属アルコキ
シドの加水分解溶液中の金属がフッ素化合物の被膜に取
り込まれ、第1の表面処理によって形成された被膜の金
属と強固に結合し、フッ素化合物による被膜がより安定
に形成されるためと考えられる。
【0020】金属アルコキシドとしては、ケイ素、アル
ミニウム、チタン、ジルコニウムなどの各種の金属アル
コキシドを用いることができる。特に、ケイ酸アルコキ
シドを用いれば、無機顔料等の粉体表面の水酸基とケイ
素が結合して安定に第1の表面処理を行うことができる
ため特に望ましい。また、アルコール残基としては、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プ
ロポキシ基など、通常ゾルーゲル法で用いられるような
各種のアルコール残基を用いることができる。特にテト
ラエトキシシランは安価でしかも入手容易であるため好
都合である。
【0021】本発明の化粧料用粉体には、適宜必要に応
じて通常の化粧料に配合される成分を配合することがで
き、種々の化粧料を提供することができる。例えば、ワ
セリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワ
ックス、カルナバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪
酸、高級アルコール等の固形、半固形油分やスクワラ
ン、流動パラフィン、エステル油、ジグリセライド、シ
リコン油等の流動油分、パーフルオロポリエーテル、パ
ーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン、フッ素変
性シリコン等のフッ素系油剤やエタノールや水などの水
性溶剤はもちろんのこと、水溶性及び油溶性ポリマー、
界面活性剤、防腐剤、増粘剤、pH調整剤、香料、紫外
線吸収剤、保湿剤、冷感剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等の各
種添加剤を、本発明の目的、効果を損わない質的、量的
範囲内で配合することができる。
【0022】本発明の化粧料は、本発明の化粧料用粉体
にこれらの適当な成分を配合し、通常の方法によって製
造することができ、例えばファンデーション、アイシャ
ドー、ほほ紅等のメイクアップ化粧料や乳液、クリーム
等の基礎化粧料など各種の化粧料を提供できる。
【0023】
【実施例】以下に本発明の化粧料用粉体及び化粧料の実
施例について詳細に説明するが、本発明はこれらの各実
施例に限定されるものではない。
【0024】〔実施例1〕フラスコにテトラエトキシシ
ラン1ml、エタノール191ml、水8ml、濃度3
6%の塩酸水溶液0.1mlを入れ約30分攪拌して加
水分解を行なった。その後、濃度29%の水酸化アンモ
ニウム水溶液0.05mlを加え、50℃で14時間加
水分解を行なった。これに粉体としてタルク〔食添タル
クMS 日本タルク(株)社製、以下同じ〕100gを
加え、50℃で4時間混合した。その後、40〜50℃
にてエタノールを減圧留去した後乾燥し、さらに250
℃10分間電気炉にて焼成して、タルクに第1の表面処
理を行なった。
【0025】次に別なフラスコにテトラエトキシシラン
1ml、エタノール191ml、水8ml、濃度36%
の塩酸水溶液0.1ml及びパーフルオロアルキルシラ
ン〔CF3(CF27(CH22Si(OCH33、K
BM−7803、信越化学工業(株)製 以下同じ〕
2.5mlを入れ、50℃14時間加水分解を行なっ
た。これに上記第1の表面処理を行なったタルク100
gを入れ、50℃で4時間混合した。その後、40〜5
0℃にてエタノールを減圧留去した後乾燥し、さらに2
50℃10分間電気炉にて焼成し、フッ素化合物で第2
の表面処理がされた白色粉末状の本発明の化粧料用粉体
(本発明粉体1)を得た。
【0026】〔実施例2〕フラスコにテトラエトキシシ
ラン1ml、エタノール191ml、水8ml、濃度3
6%の塩酸水溶液0.1ml及びパーフルオロアルキル
リン酸エステルジエタノールアミン塩〔AG530、旭
硝子(株)製〕1gを入れ、50℃14時間加水分解を
行なった。これに実施例1で得られた第1の表面処理を
行なったタルク100gを入れ、50℃で4時間混合し
た。その後、40〜50℃にてエタノールを減圧留去し
た後乾燥し、さらに250℃10分間電気炉にて焼成
し、フッ素化合物で第2の表面処理がされた白色粉末状
の本発明の化粧料用粉体(本発明粉体2)を得た。
【0027】次に比較例として、テトラエトキシシラン
を酸触媒及びアルカリ触媒による加水分解をして第1の
表面処理のみを行なった比較粉体1、テトラエトキシシ
ランによる表面処理を行なわずフッ素化合物による表面
処理のみを行なった比較粉体2、及びテトラエトキシシ
ランの酸触媒による加水分解溶液中でフッ素化合物によ
る表面処理を行なった比較粉体3を調整した。
【0028】〔比較例1〕フラスコにテトラエトキシシ
ラン1ml、エタノール191ml、水8ml、濃度3
6%の塩酸水溶液0.1mlを入れ、約30分攪拌して
加水分解を行なった。その後、濃度29%の水酸化アン
モニウム水溶液0.05mlを加え、50℃で14時間
加水分解を行なった。これに粉体としてタルク100g
を加え、50℃で4時間混合した。その後、40〜50
℃にてエタノールを減圧留去した後乾燥し、さらに25
0℃10分間電気炉にて焼成し、白色粉末状の処理粉体
(比較粉体1)を得た。
【0029】〔比較例2〕フラスコにイソプロピルアル
コール100ml、パーフルオロアルキルシラン2.5
mlを入れ、パーフルオロアルキルシランを溶解した
後、タルク100gを加え、室温下1時間攪拌した。つ
いでイソプロピルアルコールを留去して乾燥し、白色粉
末状の処理粉体(比較粉体2)を得た。
【0030】〔比較例3〕フラスコにテトラエトキシシ
ラン1ml、エタノール191ml、水8ml、濃度3
6%の塩酸水溶液0.1ml及びパーフルオロアルキル
シラン2.5mlを入れ、50℃14時間加水分解を行
なった。これにタルク100gを加え、50℃で4時間
混合した。その後、40〜50℃にてエタノールを減圧
留去した後乾燥し、さらに250℃10分間電気炉にて
焼成し、白色粉末状の処理粉体(比較粉体3)を得た。
【0031】[比較試験1]上記実施例1及び比較例
1、2、3で得られた各処理粉体(本発明粉体1及び比
較粉体1、比較粉体2、比較粉体3)について撥水性、
撥油性及び使用感触を下記評価方法(特開平6−805
36号公報参照)並びに水及びスクワランに対する接触
角を測定することにより評価した。その結果を表1に示
す。
【0032】
【表1】
【0033】〔撥水性の評価方法〕各処理粉体を約0.
05gを試験管に水30mlを入れた上に浮かせ、試験
管を揺すって水中への処理粉体の分散性を観察した。評
価は下記に示す基準によった。 0:処理粉体が水に分散した。 1:試験管を揺すると30秒以内に処理粉体が殆ど分散
した。 2:試験管を揺すると1分後に水が白く濁ったが、水に
浮いた処理粉体も見られた。 3:試験管を揺すると1分後に水が白く濁ったが、水に
浮いた処理粉体も多い。 4:試験管を揺すると1分後に水が白く濁らないし、水
に分散した粉体も認められなかった。 5:1分間以上試験管を揺すっても水に分散する処理分
粉体は認められなかった。
【0034】〔撥油性の評価方法〕水の代わりにスクワ
ランを試験管に入れた以外は、撥水性の評価方法と同様
にして評価を行なった。
【0035】〔使用感触の評価方法〕専門パネラー5名
によって処理粉体の平滑感、きしみ感、ざらつき感等か
ら処理粉体の感触を以下に示す1〜5の5段階に評価し
てもらい、その平均値で示した。 1:平滑感等の感触が悪い。 2:平滑感等の感触がやや悪い。 3:ふつう 4:平滑感等の感触がやや良い。 5:平滑感等の感触が良い。
【0036】〔接触角の測定〕 接触角は各処理粉体を500kg/cmの圧力下で圧
縮成形し、成形した各処理粉体の表面に50μlの水又
はスクワランを滴下し、滴下1分経遇後にエルマゴニオ
メータ式接触角測定器〔G−I型、常温用、(株)
マ社製〕を用いて測定した。
【0037】表1に示した結果から、本発明粉体1は、
比較粉体1、比較粉体2及び比較粉体3に比べて撥水性
及び撥油性が向上し、また使用感も向上した。また、水
に対する接触角は、比較粉体1では33°、比較粉体2
では96゜、比較粉体3では92°であったのに対し本
発明粉体1では138゜へと大幅に向上した。またスク
ワランに対する接触角も、比較粉体1では0°、比較粉
体2では35゜、比較粉体3では30°であったのに対
し本発明粉体1では74゜と大幅に向上した。
【0038】[比較試験2]次に、本発明粉体1及び比
較粉体2、比較粉体3について比表面積、細孔径分布及
び窒素吸着量を下記の方法により測定することにより表
面状態を観察した。なお、比較粉体1については撥水性
及び撥油性は殆ど見られなかったため、比較粉体1につ
いては測定を行なわなかった。
【0039】〔比表面積、細孔径分布及び窒素吸着量の
測定〕各処理粉体をそれぞれ200℃において2時間真
空乾燥を行い、吸着量測定器(SORPTOMATIC
SERIES 1800:CARLO ERBAST
RUMENTAZIONE社製)を用い、BET法によ
り常法に従ってそれぞれ比表面積、細孔径分布及び窒素
吸着量を求めた。
【0040】各処理粉体の比表面積はそれぞれ、本発明
による化粧料用粉体(本発明粉体1)では6.48(m
2/g)、比較粉体2では2.76(m2/g)、比較粉
体3では4.44(m2/g)となった。つまり、本発
明粉体1では比較粉体2に対し約2.3倍に増加し、比
較粉体3に対し約1.5倍に増加している。
【0041】図1は各処理粉体についての細孔径分布を
示す図、図2は各処理粉体について、細孔径ごとの累積
窒素吸着量を示す図である。各図の縦軸にはそれぞれ微
分した窒素吸着量〔cc/(g×オングストローム)〕
及び累積窒素吸着量(cc/g)を、横軸にはそれぞれ
処理粉体の細孔径(オングストローム)を示す。また各
図中、黒丸は本発明粉体1を示し、白抜き三角は比較粉
体2、白丸は比較粉体3を示している。図1から分かる
ように、比較粉体2では15オングストローム以下の微
細な細孔径のものが多く、15オングストローム以下の
細孔によって全吸着量の約70%を占めているのに対
し、本発明粉体1では細孔径は20オングストローム
上に分布しており、20オングストローム以下の細孔に
よって吸着されている窒素量はほとんど見られない。
【0042】以上のことより、比較粉体2では処理粉体
の表面はほとんどなめらかな状態であるのに対し、本発
明粉体1では表面に多数の凹凸が形成されていることが
分かる。
【0043】また、比較粉体3においても細孔径はほぼ
20オングストローム以上に分布しており、酸触媒によ
るテトラエトキシシランの加水分解溶液中においてフッ
素化合物による表面処理を行なった場合でも、表面に凹
凸を形成することができるが、本発明粉体1の窒素吸着
量は比較粉体3の窒素吸着量に比べて多く、このことよ
りもテトラエトキシシランによる第1の表面処理による
被膜表面に凹凸が形成されていることが裏付けられる。
【0044】なお、実施例2で得られた本発明粉体2に
ついても同様な比較試験1を実施したところ、撥水性及
び撥油性並びに使用感触ともに向上していることが確認
された。
【0045】以上に述べたように、本発明による化粧料
用粉体においては撥水性及び撥油性ともに向上し、使用
感も優れたものを提供することができた。
【0046】次に本発明の化粧料用粉体を用いて各種の
化粧料を調整した。
【0047】〔実施例3〕各種顔料(酸化チタン、セリ
サイト、マイカ、カオリン、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸
化鉄)をそれぞれ実施例1と同様な処理を施した各化粧
料用粉体を用いて、下記の組成に基づき、以下の調整法
によりパウダーファンデーションを調整した。 (組 成) (重量%) (1)化粧料用粉体 (下記粉体をそれぞれ上記実施例1と 同様に処理したもの) ・酸化チタン 10.0 ・セリサイト 30.0 ・マイカ 残 量 ・カオリン 5.0 ・ベンガラ 2.5 ・黄酸化鉄 2.0 ・黒酸化鉄 0.1 (2)ポリエチレン粉末 8.0 (3)スクワラン 5.0 (4)パーフルオロポリエーテル 0.8 (5)防腐剤 0.1 (6)香料 適 量
【0048】(調整法)所定量の各化粧料用粉体を混合
し、粉砕機を通して粉砕した。次にヘンシェルミキサー
に移し、これに残りの成分を加え均一になるまで混合し
た。これを粉砕機で処理し、ふるいを通して所定の粒度
にそろえた後、金皿に圧縮成型して目的のパウダーファ
ンデーションを得た。
【0049】〔実施例4〕各種顔料(カオリン、マイ
カ、酸化チタン、赤酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄)をそ
れぞれ実施例1と同様な処理を施した各化粧料用粉体を
用いて、下記の組成に基づき、実施例3と同様な調整法
によりほほ紅を調整した。なお組成中、酸化鉄(赤、
黒、黄)とあるのはそれぞれ実施例1と同様に処理され
た赤酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄を適当な組成比でもっ
て予め混合したものである。 (組 成) (重量%) (1)化粧料用粉体 (下記粉体をそれぞれ上記実施例1と 同様に処理したもの) ・カオリン 残 量 ・マイカ 13.0 ・酸化チタン 12.0 ・酸化鉄(赤、黒、黄) 5.0 (2)スクワラン 7.5 (3)パーフルオロポリエーテル 0.2 (4)防腐剤 0.1 (5)香料 適 量
【0050】〔実施例5〕顔料(雲母チタン、セリサイ
ト、マイカ、着色顔料)をそれぞれ実施例1と同様な処
理を施した各化粧料用粉体を用いて、下記の組成に基づ
き、以下の調整法によりパウダーアイシャドーを調整し
た。 (組 成) (重量%) (1)化粧料用粉体 (下記粉体をそれぞれ上記実施例1と 同様に処理したもの) ・雲母チタン 35.0 ・セリサイト 残 量 ・マイカ 10.0 ・着色顔料 15.0 (2)ステアリン酸亜鉛 5.0 (3)ラウリン酸亜鉛 3.0 (4)パーフルオロポリエーテル 0.5 (5)ジメチルポリシロキサン 2.0 (6)防腐剤 0.1 (7)香料 適 量
【0051】(調整法)雲母チタンを除く各化粧料用粉
体を混合し、粉砕した後、雲母チタンを混合した他は実
施例3と同様に調整してパウダーアイシャドーを得た。
【0052】〔実施例6〕顔料(マイカ、タルク、酸化
チタン、雲母チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニ
ウム、硫酸バリウム)及びポリエチレン粉末をそれぞれ
実施例1と同様な処理を施した各化粧料用粉体を用い
て、下記の組成に基づき、実施例5と同様の調整法によ
りパウダーファンデーションを調整した。なお組成中、
酸化鉄(赤、黒、黄)とあるのはそれぞれ実施例1と同
様に処理された赤酸化鉄、黒酸化鉄、黄酸化鉄を適当な
組成比でもって予め混合したものである。 (組 成) (重量%) (1)化粧料用粉体 (下記粉体をそれぞれ上記実施例1と 同様に処理したもの) ・マイカ 残 量 ・タルク 4.8 ・酸化チタン 14.0 ・雲母チタン 3.5 ・酸化鉄(赤、黒、黄) 8.2 ・酸化亜鉛 4.5 ・酸化アルミニウム 10.0 ・硫酸バリウム 5.0 ・ポリエチレン粉末 1.0 (2)ジメチルポリシロキサン 4.0 (3)ラノリン 5.0 (4)ワセリン 1.0 (5)パーフルオロポリエーテル 0.8 (6)イソプロピルミリステート 1.0 (7)防腐剤 1.5 (8)香料 適 量
【0053】〔実施例7〕 顔料(酸化チタン、タルク)をそれぞれ実施例1と同様
な処理を施した各化粧料用粉体を用いて、下記の組成に
基づき、以下の調整法によりクリームを調整した。 (組 成) (重量%) (1)化粧料用粉体 (下記粉体をそれぞれ上記実施例1と 同様に処理したもの) ・酸化チタン 2.0 ・タルク 1.5 (2)ワセリン 4.3 (3)ジメチルポリシロキサン 3.1 (4)トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.1 (5)流動パラフィン 10.9 (6)ステアリン酸カリウム 2.1 (7)ボリオキシエチレンセチルエーテル (20E.O.) 2.1 (8)グリセリン 10.1 (9)1、3−ブチレングリコール 5.1 (10)精製水 残 量 (11)香料 適 量
【0054】(調整法)(1)〜(5)を加熱溶解し
て、80℃に保ち油相とする。これとは別に(6)〜
(10)を加熱溶解して80℃に保ち、先に調整した油
相を加え乳化する。その後、攪拌しながら60℃で(1
1)を入れ、40℃まで冷却してクリームを調整した。
【0055】以上のようにして調整された実施例3〜7
の化粧料は、いずれも使用感に優れ、化粧持ちが極めて
良好なものであった。
【0056】なお、上記実施例にあっては各粉体ごとに
表面処理を行なったものを用いているが、あらかじめ各
粉体を混合した後に、表面処理を行なうことにしてもよ
いのはいうまでもない。もちろん、実施例2に示した本
発明粉体2を用いても同様にして本発明の化粧料を調整
することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明の化粧料用粉体は撥水性及び撥油
性に優れており、使用感も良好なものである。本発明の
化粧料用粉体を用いることにより、汗又は皮脂による顔
料等の化粧成分の消失防止効果及び高い化粧持続性を発
揮する化粧料を提供できる。また、肌に良好な感触を与
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の化粧料用粉体及び比較
例2、比較例3の化粧料用粉体における細孔径分布を示
す図である。
【図2】本発明の第1の実施例の化粧料用粉体及び比較
例2、比較例3の化粧料用粉体における細孔径ごとの累
積窒素吸着量を示す図である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素化合物による表面処理がされた化
    粧料用粉体において、凹凸を有する被膜による第1の表面処理がされ、さらに
    フッ素化合物による第2の表面処理によって、 前記化粧
    料用粉体の表面に凹凸が形成されたことを特徴とする化
    粧料用粉体。
  2. 【請求項2】 前記第1の表面処理において、金属アル
    コキシドを酸触媒及びアルカリ触媒により加水分解して
    前記凹凸を有する被膜を形成したことを特徴とする請求
    項1に記載の化粧料用粉体。
  3. 【請求項3】 前記第2の表面処理において、酸触媒又
    はアルカリ触媒による金属アルコキシドの加水分解溶液
    中でフッ素化合物による表面処理がされたことを特徴と
    する請求項1又は2のいずれかに記載の化粧料用粉体。
  4. 【請求項4】 前記金属アルコキシドは、ケイ酸アルコ
    キシドであることを特徴とする請求項2又は3のいずれ
    に記載の化粧料用粉体。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4のいずれかに
    載の化粧料用粉体を含有することを特徴とする化粧料。
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