JP4063439B2 - 粉末化粧料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は粉末形態の化粧料でありながら、使用時これを塗擦すると液化してリキッド様の特性が生じ、粉っぽさの無さやエモリエント感等の良好な使用感及び仕上り感を有し、且つ使用時のきしみ感が無い粉末化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、粉末形態の化粧料として、白粉、美白パウダー等が知られているが、使用中に粉が飛散する、仕上りが粉っぽい、肌が乾燥する等の問題があった。また、薬剤の肌への浸透促進、水分、油分、保湿性、エモリエント性の付与等を目的として、使用時に粉末化粧料を水、油、液状化粧料等と混合して使用する方法も行われているが、使用性などの点で問題があった。
【0003】
この様な問題点を解消する技術として、特開平5−65212号公報、特開平6−166611号公報、特開平6−211620号公報に開示されるが如く、特定の表面積を有する疎水化無水ケイ酸とパーフルオロアルキルリン酸エステル等の特定のフツ素化合物で被覆処理した化粧料用粉体、油性成分及び水を特定量組み合わせて、塗擦により液化する粉末化粧料が開発されている。しかしながら、これら粉末化粧料は、上記問題点を解決するものであったが、粉っぽさの無さとエモリエント感及び使用時のきしみ感において、必ずしも満足できる水準では無かった。
【0004】
このため、粉末形態でありながら使用性に優れ、リキッド様の特性と粉っぽさの無さやエモリエント感等の良好な使用感及び仕上り感を有し、且つ使用時のきしみ感が無い粉末化粧料が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、特定の疎水化無水ケイ酸及び特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で処理した粉体及び水性成分とを粉末化して用いれば、粉末形態の化粧料でありながら、使用中に清涼感与え、肌への親和性が高く、肌へ水分を付与できる等のリキッド様の特性を有し、粉っぽさの無さやエモリエント感等の使用感及び仕上がり感に優れ、しかも使用時のきしみ感が無い粉末化粧料が得られることを見出し本発明を完成した。更には、上記成分に加えて油性成分を配合すれば、エモリエント感やきしみ感の無さ等の使用感がより向上することを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(a)〜(c):
(a)表面積80m2/g以上の疎水化無水ケイ酸 0.1〜7重量%(以下、単に「%」と略す)
(b)パーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキルカルボン酸及びその塩から選択される、分子量が300以上であるパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で処理した粉体 1〜50%
(c)水性成分 30〜90%
を含有し、更には、上記成分(a)〜(c)に加えて、成分(d)として油性成分を0.5〜40%含有する、塗擦により液化することを特徴とする粉末化粧料を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる成分(a)の疎水化無水ケイ酸は、微粒子無水ケイ酸の表面がオルガノシラン系化合物、シリコーン化合物、フッ素化合物等で覆われているものであり、例えばトリメチルシロキシル化無水ケイ酸(キャボット社製、キャボジルTS−530、表面積325m2/g)、ジメチルシロキシル化無水ケイ酸(日本アエロジル社製、アエロジルR−972、表面積110±20m2/g)、オクチルシロキシル化無水ケイ酸(日本アエロジル社製、アエロジルR−805、表面積150±25m2/g)、シリコーンオイル処理無水ケイ酸(日本アエロジル社製、アエロジルR−202、表面積100±20m2/g)等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。これら疎水化無水ケイ酸はBET法による表面積が80m2/g以上であることが必要であり、表面積がこれより少ないと、水性成分の表面に多量に配向することができず、水性成分を安定に粉末化することができなくなる。
【0008】
本発明に使用される成分(b)は、特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で粉体を処理したものであり、この特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物とは、パーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキルカルボン酸及びその塩から選択されるものである。これらの化合物はパーフルオロポリエーテル基を含有し、かつ粉体表面と親和性を持つためのリン酸基及び硫酸基及びカルボキシル基から選択される極性基を二個有するものである。極性基が、一個のものより、二個のものの方が、肌との親和性が良好であるため、粉っぽさがより低減される。また、パーフルオロポリエーテル基とは、パーフルオロアルキレン又はパーフルオロアルキルと結合しているエーテル酸素が少なくとも2以上有する基をいうこととする。従って、本発明に係るパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩には、特開平5−39209号公報及び特開平5−58841号公報に記載のようなエーテル酸素を一つしか持たないパーフルオロオキシアルキル基を含有する化合物は含まれない。
パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、好ましくは500以上であり、好ましい上限は概ね7000程度である。300未満では、撥水・撥油性の付与を十分に行うことができない。
【0009】
パーフルオロポリエーテル部分を構成する好ましいパーフルオロオキシアルキレン基には、例えばパーフルオロオキシメチレン基、パーフルオロオキシエチレン基、パーフルオロオキシイソプロピレン基、パーフルオロオキシn−プロピレン基等が挙げられる。これらから少なくとも一種以上が選択され、且つ重合してパーフルオロポリエーテル基を構成する。
この中で、特に好ましいパーフルオロポリエーテル基は下記一般式(1)、(2)で表わされる基である。
【0010】
【化1】
(但し、分子量は300以上であり、より好ましくは500以上であり、l、mは0以上の整数を示し、nは1以上の整数を示し、l=m≠0であり、l/n=1〜100であり、より好ましくは20〜40であり、m/n=0.1〜50であり、より好ましくは0.2〜20であり、Xは同一又は異なっても良く、F又はCF3である。)
【0011】
尚、パーフルオロポリエーテル基が二種以上のパーフルオロオキシアルキレン基を含有する場合において、それぞれ同種のものが連続重合している場合に限られず、ランダム重合或いはブロック重合でも構わない。
【0012】
更に、成分(b)に用いられる特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物は、粉体との固着力の観点から、前記化合物から粉体との親和性を有する極性基が容易に離脱しないことが必要であり、そのために前記化合物には、少なくとも1以上のオキシアルキレン基を含むことが好ましい。より好ましくは、1〜2である。3以上のオキシアルキレン基が存在すると前記化合物の撥水・撥油性が劣ったものとなるからである。同様に固着力の点で、オキシアルキレン基に加え更に、アルキレン基を含ませてもよい。アルキレン基の好ましい炭素数は2以下である。
【0013】
成分(b)のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物は、パーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルジアルキルカルボン酸及びその塩が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。この中でも好ましくは、パーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸又はその塩である。より好ましくは下記一般式(3)、(4)で表わされる化合物である。
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
(但し、パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、より好ましくは500以上であり、m/n=0.1〜50であり、より好ましくは0.2〜20であり、rは1〜2であり、qは1又は2である。)
【0017】
成分(b)に用いられる特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で処理される粉体としては、化粧品一般に使用される粉体として用いられている粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造、等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類、等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、カルバミン酸エチルパウダー、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】
粉体を特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で処理する方法は、特に制限されず、通常の粉体処理方法を適用することができる。例えば、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物を溶剤(有機媒体あるいは極性溶媒)に溶解または分散し、粉体と混合し、その後溶剤を除去、乾燥することによって容易に処理粉体を得ることができる。
尚、上記処理後、粉体にパーフルオロポリエーテル基を有する化合物をより強く吸着させるために、高温で焼き付けても良い。また、処理にあっては粉体を同時に二種以上混合して処理することもできる。
【0019】
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他のフッ素系化合物、シリコーン、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックスなどの公知のコーティング剤で同時に又は重ねて処理してもよい。
【0020】
成分(b)において、特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物による処理量は、その種類によって異なるが、粉体の0.1〜50%、特に1〜20%が好ましい。少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎると粉体本来の特性が失われてしまう恐れがあるからである。
【0021】
本発明に用いられる成分(c)の水性成分は、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0022】
本発明に用いられる成分(d)の油性成分は、化粧品一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、親油性界面活性剤類、油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モクロウ、モンタンワックス、フィッシュトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、ラノリン、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレスレテロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ロジン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、セスキオレイン酸ソルビタン等の親油性界面活性剤類、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、グリセリンモノステアレート、ソルビタントリステアレート等の親油性界面活性剤類、パラアミノ安息香酸エチル、p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等の油溶性紫外線吸収剤類、等が挙げら、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0023】
本発明における成分(a)〜(c)の全組成に対する配合割合は次のとおりである。成分(a)の配合量は0.1〜7%、好ましくは2〜4%であり、0.1%未満では充分に水性成分を粉末化できず、意図する粉末形態を得ることができなくなる。また、7%を超えると多量の成分(c)を粉末化することができるようにはなるが、使用時塗擦しても液化せずリキッド的な感触を有さない。成分(b)の配合量は1〜50%であり、50%を超えると使用時にリキッド様の特性が得られなくなる。成分(c)の水性成分の配合量は、成分(a)及び(b)の組成比及び配合量によって異なるが、30〜90%であり、30%より少ないと塗擦した時に液化せず、また90%を超えると粉末化できなくなり、官能上好ましくない。各成分が上記の範囲であると、塗擦すると液化してリキッド様の特性が生じ、粉っぽさの無さやエモリエント感等の良好な使用感及び仕上り感を有し、且つ使用時のきしみ感が無い等の本発明の効果を有する粉末化粧料が実現できる。
更には、上記成分(a)〜(c)に加えて、成分(d)を0.5〜40%配合すると、エモリエント感がより向上し、また使用時のきしみ感がより無くなるため好ましい。
【0024】
本発明の粉末化粧料には、上記必須成分以外に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、界面活性剤、水溶性紫外線吸収剤、被膜形成剤、リパーゼやプロテアーゼ等の酵素類、水溶性アスコルビン酸誘導体、レゾルシンやイオウ等の薬剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料、等を本発明の効果を妨げない範囲で配合することもできる。
【0025】
本発明の粉末化粧料は、成分(a)に成分(c)が吸着した状態で存在するものであり、塗擦により力を加えると、この吸着状態が破壊され、粉末化されていた成分(c)がにじみ出して液化するものである。
【0026】
本発明の粉末化粧料は、例えば、成分(a)と成分(b)を混合して、これに成分(c)を混合する方法や、成分(b)と成分(d)を混合して粉末化し、これに成分(a)を混合した後、成分(c)を混合して粉末化する方法等により製造される。
【0027】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0028】
製造例1:処理マイカ
ビーカーに2−プロパノール500gを入れ、下記一般式(5)に示すパーフルオロポリエーテルジアルキルリン酸5gを加え、攪拌しながらマイカ95gを添加する。室温で十分攪拌した後、80℃にて1時間混合後、減圧乾燥し、パーフルオロポリエーテル化合物処理マイカを得た。
【0029】
【化4】
(式中、m/n=1.8、r=1〜2、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸の平均分子量は1050であり、パーフルオロポリエーテル基の平均分子量は606である。)
【0030】
製造例2〜:8
製造例1のマイカをタルク、酸化チタン、ベンガラ、黄酸化鉄、雲母チタン、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー(トレフィルE506、東レ・ダウ・コーニングシリコーン社製)、セリサイトに各々代えて、同様の方法で処理して、パーフルオロポリエーテル化合物処理タルク(製造例2:処理タルク)、パーフルオロポリエーテル化合物処理酸化チタン(製造例3:処理酸化チタン)、パーフルオロポリエーテル化合物処理ベンガラ(製造例4:処理ベンガラ)、パーフルオロポリエーテル化合物処理黄酸化鉄(製造例5:処理黄酸化鉄)、パーフルオロポリエーテル化合物処理雲母チタン(製造例6:処理雲母チタン)、パーフルオロポリエーテル化合物処理オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー(製造例7:処理オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー)、パーフルオロポリエーテル化合物処理セリサイト(製造例8:処理セリサイト)を得た。
【0031】
製造比較例1:処理マイカ
ビーカーに水500mlを入れ、攪拌しながらマイカ95gを加え、室温で十分攪拌した。このマイカ分散液に、攪拌しながら下記一般式(6)に示すパーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩の20%水溶液25gを徐々に添加し、添加後1時間半攪拌を行った。酸で中和した後、吸引瀘過を行い、乾燥してパーフルオロアルキル化合物5%処理マイカを得た。
(CmF2m+1CH2CH2O)nP(=O)[ONH2(CH2CH2OH)2]3-n…(6)
(式中、m、nはそれぞれm=6〜18、2≧n≧1であり、平均分子量は954であり、パーフルオロアルキル基の平均分子量は619である。)
【0032】
製造比較例2〜5:
製造比較例1のマイカをタルク、酸化チタン、ベンガラ、黄酸化鉄、に各々代える以外は同様の方法で処理して、パーフルオロアルキル化合物処理タルク(製造比較例2:処理タルク)、パーフルオロアルキル化合物処理酸化チタン(製造比較例3:処理酸化チタン)、パーフルオロアルキル化合物処理ベンガラ(製造比較例4:処理ベンガラ)、パーフルオロアルキル化合物処理黄酸化鉄(製造比較例5:処理黄酸化鉄)を得た。
【0033】
実施例1〜7、比較例1〜7:粉白粉
表1及び表2に示す組成の粉白粉を製造した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
注1:キャボジルTS−530、比表面積325m2/g〔キャボット社製〕
注2:アエロジルR−972、比表面積110m2/g〔日本アエロジル社製〕
注3:アエロジル300、比表面積300m2/g〔日本アエロジル社製〕
注4:融点120℃のフィッシュトプシュワックスの微粉末〔平均粒径3μ〕
注5:ポリトラップQ5−6603(アクリレートコポリマー:ジメチルポリシロキサン=1:3)〔ダウ・コーニング社製〕
注6:マツモトマイクロスフェア〔松本油脂製薬社製〕
【0036】
(製法)
A:4〜18を混合粉砕する。
B:19〜22を加熱溶解しAと混合し、23〜25を加えて混合攪拌する。
C:Bと1〜3を混合攪拌する。
D:Cに26〜27を混合し、容器に充填して粉白粉とする。
【0037】
(評価方法)
実施例1〜7及び比較例1〜7の粉白粉を試料とし、化粧歴10年以上の女性40人をパネルに用いて、粉末化状態及び使用時の液化状態、清涼感、粉っぽさのなさ、エモリエント感、きしみ感の無さ、化粧持続性の各項目について、良いと感じた人数により、以下の基準に従って評価し、結果を表1に併せて示した。
【0038】
(評価基準)
良いとした人数
31〜40名:◎
21〜30名:○
11〜20名:△
10名以下 :×
【0039】
表1及び表2の結果から明かなように、本発明品の実施例1〜7の粉白粉は、比較例1〜7の粉白粉と比較して、全ての項目で優れたものであった。尚、比較例3〜4は、粉末化できなかったため、使用時評価はできなかった。
【0040】
【0041】
(製法)
A.8〜10を混合、粉砕する。
B.11〜12を混合してAに加え、1と混合する。
C.2〜7を混合、溶解する。
D.BとCを混合し、容器に充填する。
【0042】
実施例8の美白パウダーは、粉末でありながら塗擦によってスムーズに液化し、使用中に清涼感を与え、肌への親和性、水分等を付与できる等のリキッド様の特性を有し、粉っぽさの無さやエモリエント感等の使用感及び仕上がり感が良好で、しかも使用時のきしみ感が無く、また、リン酸L−アスコルビルマグネシウムの経時安定性も良好であった。
【0043】
【0044】
(製法)
A.2〜8を混合、粉砕する。
B.9〜11を混合してAに加え、1を混合する。
C.12〜16を混合、溶解する。
D.BとCを混合し、容器に充填する。
【0045】
実施例9の粉末状ファンデーションは、粉末でありながら塗擦によってスムーズに液化し、使用中に清涼感を与え、肌への親和性、水分等を付与できる等のリキッド様の特性を有し、粉っぽさの無さやエモリエント感等の使用感及び仕上がり感が良好で、しかも使用時のきしみ感が無い、優れたものであった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の粉末化粧料は粉末形態の化粧料でありながら使用時塗擦によって液化し、使用中に清涼感を与え、肌への親和性、水分等を付与できる等のリキッド様の特性を有し、粉っぽさの無さやエモリエント感等の使用感及び仕上がり感が良好で、しかも使用時のきしみ感が無い優れたものである。
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