JP3320945B2 - 改質粉体および配合化粧料 - Google Patents

改質粉体および配合化粧料

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JP3320945B2
JP3320945B2 JP11775895A JP11775895A JP3320945B2 JP 3320945 B2 JP3320945 B2 JP 3320945B2 JP 11775895 A JP11775895 A JP 11775895A JP 11775895 A JP11775895 A JP 11775895A JP 3320945 B2 JP3320945 B2 JP 3320945B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥油性を有するフッ素
化合物含有基と、親水性基を一分子内に同時に有するシ
リコーン系ハイブリット型高分子の一種であるパーフル
オロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーン
(以後、FPD変性シリコーンと言う)にて表面処理さ
れた改質粉体を化粧料に配合することで、撥水撥油性、
耐久性に優れた化粧料に関する。
【0002】さらに詳しくは、FPD変性シリコーン被
覆粉体が水を保持した場合、撥水撥油性を失わずに、粉
体自身が皮膚との密着性を有するようになる現象を利用
することで、耐皮脂性、耐水性、耐久性に優れた化粧料
に関する。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
米国特許632744号公報や特公昭61−55481
号公報にあるように、粉体を種々のフッ素化合物にて表
面処理することで、粉体表面にフルオロアルキル鎖を導
入し、粉体に撥水撥油性の性質を導入することが行われ
ている。
【0004】これらのフッ素処理粉体を用いた化粧料、
例えばファンデーションでは、粉体が皮脂や汗に濡れな
いことを利用して、従来に比べて化粧持続性に富んだラ
スティングタイプファンデーションの開発が行われてき
た。
【0005】ここで、従来、ファンデーションでは皮膚
と粉体の結合をバインダーオイルと物理的付着力によっ
て得ている場合が多かったが、これらのフッ素処理粉体
は、フッ素系の油剤や高粘性の油剤としか馴染まないた
め、これらの油剤を使用しない場合では、皮膚とフッ素
処理粉体との間の結合は、物理的な付着力が中心となっ
ていた。
【0006】この物理的付着力を利用した場合、夏場や
運動時に発生する大量の汗、皮脂に対してフッ素処理粉
体は皮膚との結合を維持できず、皮膚から徐々に脱落
し、結果として経時で化粧が薄くなるといった問題が発
生することがあった。
【0007】この問題に対して、特公平6−10260
7号公報にあるように、フッ素処理粉体とフッ素系油剤
を組み合わせることで問題を解決したとの報告もある
が、実際には、フッ素処理顔料は極めて低い表面自由エ
ネルギーを有することを特徴としており、さらにフッ素
系油剤も同様の低い表面自由エネルギーを有することを
特徴とすることから、フッ素処理顔料の濡れの問題を解
決しても皮膚との結合力という点では弱く、化粧持続性
を飛躍的に向上させるものではなかった。
【0008】以上の問題に鑑み、本発明人は鋭意努力し
た結果、FPD変性シリコーンが水を保持した場合に、
増粘またはゲル化する性能を有すること、そして一定量
の水を保持した後は、強い撥水撥油性を有することを見
いだし、この性質を表面処理によって粉体自身に与える
ことで、耐皮脂性、耐水性、耐久性に優れた化粧料が得
られることを見いだした。
【0009】さらに、水を使用しないファンデーション
やアイシャドウ等の商品においては、塗布時にはFPD
変性シリコーンは粉体表面の油剤の一部として働き、塗
布時の感触調整剤としての役割を果たすが、一定時間、
皮膚から水分を供給された後では、増粘して皮膚との結
合力を増すことで、化粧持続性向上のための役割を果た
していることが判った。
【0010】また、FPD変性シリコーンは分子内にポ
リオキシアルキレン鎖、パーフルオロアルキル鎖、シロ
キサン鎖を有することから、これらの構成成分と親和性
のある表面処理、例えば未処理粉体の表面水酸基を利用
したり、フッ素化合物処理、、シリコーン処理、アミノ
酸処理などを事前に行った後にFPD変性シリコーンを
表面処理することによっても、感触面や持続性の面で特
徴が得られることを見いだした。
【0011】尚、特開平1−180810号公報及び特
開平1−180811号公報には、パーフルオロアルキ
ル鎖とオキシアルキレン基やヒドロキシル基を有する化
合物にて粉体を被覆する技術が開示されている。これら
は、本発明の化合物が撥水性を有するシリコーン骨格を
主鎖として有するのに対して、ポリオキシアルキレン基
や多価アルコール等の親水性骨格を主鎖としている。そ
のため、同公報中に述べられている通り、この技術は洗
剤により容易に除去可能な化粧料を得ることを目的とし
ており、界面活性機能を有する皮脂成分に対する耐久性
は乏しい。したがって、本発明の改質粉体とは類似の目
的を有するものの、製品品質に於いては異なった性能を
有するものである。
【0012】この点を補足するとすれば、同公報の実施
例では、化粧効果が持続しにくいグリセリン等の湿潤剤
を配合した化粧料を比較例として試験しており、これは
フッ素を導入したことによる効果が得易い試験系での評
価であることから、同じ化粧持続性の記載はあっても、
耐久性に勝るシリコーン油やフッ素系油剤を比較対象と
した本発明の評価系に比べて持続性のレベルが劣ること
は明かである。
【0013】したがって、本発明は、FPD変性シリコ
ーンにて表面処理された改質粉体および改質粉体を配合
した化粧料に関する。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の請求
項1は、化3の構造を有するパーフルオロアルキル・ポ
リオキシアルキレン共変性シリコーンにて表面処理され
た改質粉体である。
【0015】
【化3】
【0016】(但し、l、m、nは整数であって、l=
0〜500、m=1〜500、n=1〜500であり、
1 は同種または異種の非置換炭素数1〜20のアル
キル基またはアリール基、R2 は炭素数1〜10のフッ
素置換アルキル基であり、R3は−Cp2pO(C24
O)a (C36 O)b5 で示されるポリオキシア
ルキレン基であり、R4 はR1 またはR2 またはR3
いずれかであり、R5 は水素原子または炭素数1〜5の
アルキル基またはアセチル基またはリン酸基または硫酸
基であり、a、b、pは整数であって、a=0〜10
0、b=0〜100、a+bは1以上であり、p=2〜
6である。)
【0017】本発明の請求項2は、粉体をシリコーン化
合物、フッ素化合物から選ばれる化合物にて表面処理し
た後、さらに化4の構造を有するパーフルオロアルキル
・ポリオキシアルキレン共変性シリコーンにて表面処理
された改質粉体である。
【0018】
【化4】
【0019】(但し、l、m、nは整数であって、l=
0〜500、m=1〜500、n=1〜500であり、
1 は同種または異種の非置換または置換の炭素数1〜
20のアルキル基またはアリール基、R2 は炭素数1〜
10のフッ素置換アルキル基であり、R3 は−Cp 2p
O(C2 4 O)a (C3 6 O)b 5 で示されるポ
リオキシアルキレン基であり、R4 はR1 またはR2
たはR3 のいずれかであり、R5 は水素原子または炭素
数1〜5のアルキル基またはアセチル基またはリン酸基
または硫酸基であり、a、b、pは整数であって、a=
0〜100、b=0〜100、a+bは1以上であり、
p=2〜6である。)
【0020】本発明の請求項3は、請求項1および2に
記載の改質粉体を配合した化粧料である。
【0021】以下に本発明の構成を詳説する。
【0022】本発明で言うFPD変性シリコーンとは、
前記化3に示す構造を有するパーフルオロアルキル・ポ
リオキシアルキレン共変性シリコーンの総称である。
【0023】FPD変性シリコーンの合成方法として
は、特開平6−246144号公報に記載した方法を用
いることができる。
【0024】本発明で言う粉体とは、従来化粧品に使用
される無機または有機粉体を指し、形状、粒子径、結晶
型は問わないが、例えば形状としては、板状、棒状、針
状、紡錘状、球状、不定型状、偏平状、燐粉状等が挙げ
られ、また粒子径としては、平均一次粒子径として5n
m〜100μmの範囲にある粉体を用いることができ、
さらに結晶型としては固有の結晶型以外にアモルファス
型なども使用可能である。
【0025】本発明で用いる粉体の例としては、赤色1
04号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色40
1号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色203号Ba
レーキ等のレーキ色素、染料、ナイロンパウダー、シル
クパウダー、ウレタンパウダー、テフロンパウダー、シ
リコーンパウダー、セルロースパウダー等の高分子、黄
酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、低次酸化チタン、酸化
クロム、カーボンブラック、群青、紺青、酸化セリウム
等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料、タ
ルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲
母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネ
シウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ス
テアリン酸亜鉛等の金属石鹸、微粒子酸化チタン、微粒
子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄、アルミナ処理微粒子酸化チ
タン、シリカ処理微粒子酸化チタン等が挙げられる。
【0026】これらの粉体は事前に表面処理が行ってあ
ってもなくても構わない。表面処理の種類としては、従
来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコー
ン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、
チタンカップリング剤処理、油剤処理、N−アシル化リ
ジン処理、ポリカルボン酸処理、金属石鹸処理、アミノ
酸処理、無機化合物処理、生体抽出成分処理、プラズマ
処理、メカノケミカル処理等が挙げられるが、FPD変
性シリコーンとの相性が良いものとして、シリコーン化
合物、フッ素化合物による処理が好ましい。シリコーン
化合物の例としてはメチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチ
ルポリシロキサン、アルキルアルコキシシラン、末端変
性ジメチルポリシロキサンが、またフッ素化合物の例と
しては、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロア
ルキルリン酸エステル及びその塩及びその金属石鹸、テ
フロン、パーフルオロアルキルカルボン酸及びその金属
石鹸が挙げられる。
【0027】本発明で用いる表面処理の方法としては、
湿式法、乾式法、メカノケミカル法等が挙げられるが、
均一被覆処理が容易で、かつ分解物の発生しない湿式法
が好ましい。メカノケミカル手法、例えばボールミルを
使用する方法でフッ素化合物を処理した場合には、まれ
にパーフルオロアルキル鎖の切断によるフッ化水素の発
生が生じる場合があるので注意が必要である。本発明で
言う湿式法とは、FPD変性シリコーンと粉体または事
前処理粉体を有機溶剤中に投入し、撹拌混合後に溶媒を
除去し、乾燥、場合によって粉砕して得られる方法を指
す。有機溶媒の例としては、塩化メチレン、ヘキサン、
トルエン等の低い表面張力を有するものが好ましい。ま
た、乾式法とは単純にFPD変性シリコーンと粉体を撹
拌混合する方法である。その他、スプレードライ法、流
動造粒法などが挙げられるが、いかなる方法であれ、F
PD変性シリコーンが粉体の周囲に被覆されていれば構
わない。
【0028】本発明で用いる表面処理に於いて、FPD
変性シリコーンと粉体または事前処理粉体との混合割合
は、粉体の吸油量や比表面積によって異なるが、粉体ま
たは事前処理粉体の重量を100部とした場合に、0.
3〜100部が好ましく、さらに好ましくは、3〜15
重量部である。0.3部未満では処理が充分でなく、1
00部を超えると造粒が激しくなり、感触が悪化する場
合がある。
【0029】本発明の改質粉体を化粧料に配合する場合
の配合量は、剤型により異なるが、化粧料100重量部
に対して改質粉体を1〜99重量部が好ましく、可能な
らば化粧料中の全粉体重量の30%以上を本改質粉体で
占めることが好ましい。
【0030】本発明の化粧料の例としては、ファンデー
ション、白粉、頬紅、プレストパウダー、チークカラ
ー、アンダーカバー、口紅、アイシャドウ、アイライナ
ー、ネイルカラー、化粧下地等が挙げられる。
【0031】本発明の化粧料では、上記の各成分に加
え、従来化粧料に用いられてきた粉体、樹脂、油剤、シ
リコーン油、紫外線吸収剤、界面活性剤、香料、防腐
剤、殺菌剤、保湿剤、溶剤、粘剤、生理活性成分等を同
時に配合することができる。
【0032】粉体の例としては、前記の粉体例に準じ、
また表面処理が行われていてもいなくても構わない。
【0033】油剤の例としては、例えばグリセリン、ジ
グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール、
セチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリ
ルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデ
カノール等の高級アルコール、イソステアリン酸、ウン
デシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸、ミリスチン酸ミリ
スチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリ
スチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデ
シル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチ
ル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステ
アリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、ワ
セリン、スクワラン等の炭化水素類、ラノリン、還元ラ
ノリン、カルナバロウ等のロウ類、ミンク油、カカオ
脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ
油、オリーブ油等の油脂類、エチレン・α−オレフィン
・コオリゴマー、流動イソパラフィン、パラフィン等が
挙げられる。
【0034】また、別の形態の油剤の例としては、例え
ばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリ
シロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエー
テル変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガ
ノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、
フッ素変性オルガノポリシロキサン、FPD変性シリコ
ーン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロ
キサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメ
チルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコ
ーン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッ
チ、フルオロカーボン、フルオロアルコール等のフッ素
化合物が挙げられる。
【0035】界面活性剤としては、例えばアニオン型界
面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性
剤、ベタイン型界面活性剤を用いることができる。
【0036】有機系紫外線吸収剤としては、例えばパラ
メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラジメチルア
ミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイド
ロケイ皮酸 ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香
酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロ
ピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメ
ンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチル
ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、オクチルジメチルPABA、メトキシケイ皮酸オク
チル、サリチル酸オクチル、PABA、2−フェニル−
ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノ
ールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフ
ル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノ
ン、4−イソプロピル ジベンゾイルメタン、ブチルメ
トキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシ
フェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾ
リジンプロピオン酸 2−エチルヘキシル等が挙げられ
る。
【0037】溶剤の例としては、水、エタノール、イソ
プロピルアルコール等の低級アルコール、LPG、ジメ
チルエーテル、石油エーテル、N−メチルピロリドン等
が挙げられる。
【0038】生理活性成分の例としては、抗炎症剤、チ
ロシナーゼ活性阻害剤、植物抽出エキス、ビタミン類、
硫黄、尿素等が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
細に説明する。
【0040】実施例及び比較例で用いた化粧料の崩れ、
感触に関する評価は、24〜33歳の女性計10名のパ
ネラーに対して、実施例及び比較例で作製した化粧料を
使用してもらい、その結果をアンケート方式で解答させ
る方法で行った。アンケートは評価項目に対して評価者
の内、何割のパネラーが同意したかで示す。例えば、ス
コアが100ならばパネラー全員が、スコアが50なら
ばパネラーの半数が、比較例に対して実施例の方が化粧
料が崩れにくい、落ちにくいと評価したことを示す。
尚、本評価では、耐皮脂性、耐久性のレベルを化粧料の
崩れ、落ちとして評価した。
【0041】また、耐水性の過酷評価として、室内プー
ルでの実用試験(2時間)を行い、試験部位をセロテー
プにて剥離し、セロテープ表面を30倍に拡大した時の
状態から、耐水性のレベルを評価した。評価結果は、前
記同様のスコア表記を採っている。
【0042】実施例1 セリサイト95部を塩化メチレン300部に分散させた
後、化5に示す構造を有するFPD変性シリコーン5部
を加え、さらに良く撹拌した。塩化メチレンを加熱しな
がら減圧留去し、改質セリサイトを得、得られた粉体を
粉砕した。同様にして、5%FPD変性シリコーン処理
酸化チタン、タルク、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒色酸化
鉄を得た。
【0043】
【化5】
【0044】実施例2 3%メチルハイドロジェンポリシロキサン処理セリサイ
ト92部を塩化メチレン300部に分散させた後、化6
に示す構造を有するFPD変性シリコーン8部を加え、
さらに良く撹拌した。塩化メチレンを加熱しながら減圧
留去し、改質セリサイトを得、得られた粉体を粉砕し
た。同様にして、8%FPD変性シリコーン・シリコー
ン処理酸化チタン、タルク、黄色酸化鉄、ベンガラ、黒
色酸化鉄を得た。
【0045】
【化6】
【0046】実施例3 大東化成工業(株)製、パーフルオロアルキルリン酸エ
ステル塩5%処理セリサイト96部を塩化メチレン30
0部に分散させた後、化7に示す構造を有するFPD変
性シリコーン4部を加え、さらに良く撹拌した。塩化メ
チレンを加熱しながら減圧留去し、改質セリサイトを
得、得られた粉体を粉砕した。同様にして、4%FPD
変性シリコーン・PF処理酸化チタン、タルク、黄色酸
化鉄、ベンガラ、黒色酸化鉄を得た。
【0047】
【化7】
【0048】実施例4 ファンデーション 実施例1の改質粉体を使用し、表1の処方でファンデー
ションを作製した。
【0049】
【表1】
【0050】粉体成分をヘンシェルミキサーにて混合し
た後、液体成分を加え、さらに撹拌、混合した。つい
で、アトマイザーを用いて粉砕を行った後、金型を用い
て打型し、製品とした。
【0051】実施例5 ファンデーション 実施例2の改質粉体を使用し、表2の処方でファンデー
ションを作製した。
【0052】
【表2】
【0053】粉体成分をヘンシェルミキサーにて混合し
た後、液体成分を加え、さらに撹拌、混合した。つい
で、アトマイザーを用いて粉砕を行った後、金型を用い
て打型し、製品とした。
【0054】実施例6 ファンデーション 実施例3の改質粉体を使用し、表3の処方でファンデー
ションを作製した。
【0055】
【表3】
【0056】粉体成分をヘンシェルミキサーにて混合し
た後、液体成分を加え、さらに撹拌、混合した。つい
で、アトマイザーを用いて粉砕を行った後、金型を用い
て打型し、製品とした。
【0057】比較例1 ファンデーション 実施例4で用いた改質粉体の代わりに、未処理粉体を使
用した他は全て同様にしてファンデーションを作製し
た。
【0058】比較例2 ファンデーション 実施例5で用いた改質粉体の代わりに、3%メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン処理粉体を使用した他は全て
同様にしてファンデーションを作製した。
【0059】比較例3 ファンデーション 実施例6で用いた改質粉体の代わりに、大東化成工業
(株)製、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩5%
処理粉体を使用した他は全て同様にしてファンデーショ
ンを作製した。
【0060】実施例および比較例を用いて化粧料の崩れ
にくさ、落ちにくさ、耐水性、感触に関する評価を行っ
た。結果を表4に示す。
【0061】
【表4】
【0062】実施例と比較例の比較から、実施例は比較
例に比べて化粧料が崩れにくく、耐久性、耐皮脂性に富
み、かつ感触に優れていることがわかる。また、耐水性
試験の結果からも、実施例の方が比較例よりも耐水性に
優れていることが判る。
【0063】実施例4と比較例1の比較では、FPD変
性シリコーン処理粉体と未処理粉体との比較を行った。
未処理粉体は濡れによる影響が大きく、すぐ崩れてしま
った。
【0064】実施例5と比較例2の比較では、FPD変
性シリコーン・シリコーン処理粉体とシリコーン処理粉
体の比較を行った。シリコーン処理粉体は、未処理粉体
と比較すれば強い耐水性を維持していたが、実施例と比
較した場合では耐久性に劣っていた。
【0065】実施例6と比較例3の比較では、FPD変
性シリコーン・PF処理粉体と、フッ素処理粉体との比
較を行った。この組み合わせでは、実施例が本発明の改
質粉体とフッ素系油剤の一種であるフッ素変性シリコー
ンの組み合わせであり、また、比較例はフッ素処理粉体
とフッ素変性シリコーンの組み合わせとなっており、比
較例の撥水撥油性、耐久性のレベルは高いことが知られ
ている。この組み合わせに対しても、実施例は各評価項
目に対して比較例よりも優れた結果を示した。特にO肌
(脂性肌)のパネラーの経時の状態に差が認められた。
評価値が低いのは、D肌(乾性肌)及びOD肌(混合
肌)のパネラーの評価の差が少なかったことが原因であ
った。
【0066】
【発明の効果】以上のことから、本発明は、耐皮脂性、
耐水性、耐久性、感触に優れた化粧料を提供することは
明かである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−206637(JP,A) 特開 平7−207187(JP,A) 特開 平7−206638(JP,A) 特開 平7−126126(JP,A) 特開 平6−246144(JP,A) 特開 平8−208425(JP,A) 特開 平1−180810(JP,A) 特開 平4−91008(JP,A) 特開 平6−23262(JP,A) 特開 平8−59447(JP,A) 特開 平7−330544(JP,A) 特開 平8−217989(JP,A) 特開 平7−118562(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 1/00 - 3/12 A61K 7/00 - 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1の構造を有するパーフルオロアルキ
    ル・ポリオキシアルキレン共変性シリコーンにて表面処
    理された改質粉体。 【化1】 (但し、l、m、nは整数であって、l=0〜500、
    m=1〜500、n=1〜500であり、R1 は同種ま
    たは異種の非置換炭素数1〜20のアルキル基または
    アリール基、R2 は炭素数1〜10のフッ素置換アルキ
    ル基であり、R3は−Cp2pO(C24 O)a (C3
    6 O)b5 で示されるポリオキシアルキレン基で
    あり、R4 はR1 またはR2 またはR3 のいずれかであ
    り、R5 は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基ま
    たはアセチル基またはリン酸基または硫酸基であり、
    a、b、pは整数であって、a=0〜100、b=0〜
    100、a+bは1以上であり、p=2〜6である。)
  2. 【請求項2】 粉体をシリコーン化合物、フッ素化合物
    から選ばれる化合物にて表面処理した後、さらに化2の
    構造を有するパーフルオロアルキル・ポリオキシアルキ
    レン共変性シリコーンにて表面処理された改質粉体。 【化2】 (但し、l、m、nは整数であって、l=0〜500、
    m=1〜500、n=1〜500であり、R1 は同種ま
    たは異種の非置換または置換の炭素数1〜20のアルキ
    ル基またはアリール基、R2 は炭素数1〜10のフッ素
    置換アルキル基であり、R3 は−Cp2pO(C24
    O)a (C36 O)b5 で示されるポリオキシアル
    キレン基であり、R4 はR1 またはR2 またはR3 のい
    ずれかであり、R5 は水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基またはアセチル基またはリン酸基または硫酸基
    であり、a、b、pは整数であって、a=0〜100、
    b=0〜100、a+bは1以上であり、p=2〜6で
    ある。)
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の改質粉体を配
    合した化粧料。
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