JP2014129445A - 表面処理粉体 - Google Patents

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JP2014129445A JP2012287028A JP2012287028A JP2014129445A JP 2014129445 A JP2014129445 A JP 2014129445A JP 2012287028 A JP2012287028 A JP 2012287028A JP 2012287028 A JP2012287028 A JP 2012287028A JP 2014129445 A JP2014129445 A JP 2014129445A
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Abstract

【課題】汗や皮脂による色変化の抑制効果に優れると共に、汗や皮脂をはじく機能を有する表面処理粉体、及び当該表面処理粉体を含有する、テカリ防止効果と色ぐすみ防止効果に優れ、かつ使用感に優れた化粧料の提供。
【解決手段】粉体100質量部に対して、分岐型シリコーン5〜25質量部、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン2〜10質量部によって被覆処理され、更にパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含むフッ素化合物2〜10質量部によって被覆処理されてなる表面処理粉体、及び当該表面処理粉体を含有する化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理粉体及びそれを含有する化粧料に関する。
粉体を含む化粧料における大きな課題の1つに、肌から分泌される汗や皮脂によって生じるテカリという問題がある。これは、時間の経過と共に増える汗や皮脂の中に、化粧料中の粉体が埋没してしまい、汗や皮脂の鏡面反射光が支配的になることで生じる現象である。
また、粉体を含む化粧料においては、配合される粉体が汗や皮脂に濡れることによって、粉体表面の光散乱状態が変化し、色が変化する(くすむ)ということも常に問題となる。この問題は、粉体を含有する乳化型化粧料や油性化粧料においても存在するが、特に、液状成分の配合量の少ない粉末化粧料においては、製剤中における粉体の濡れ具合が低いため、皮膚上において皮脂や汗で濡れることによる粉体表面の光散乱状態の変化が大きく、そのため、くすみはより顕著となる。
これらの問題を解決するためのアプローチとしては、フッ素化合物を用いた粉体表面処理がある(特許文献1、2、3)。フッ素化合物による粉体表面処理は、一般に広く使用されており、粉体に撥水性と撥油性を与え、汗や皮脂をはじくことで化粧料の変化を防ぐ技術である。これは非常に有効な技術であるが、粉体が高い撥水性と撥油性をもつと、製剤中の油剤等で濡れることが少なく、塗布時に非常に強い光散乱をもつ(白く見える)ことも特徴として同時に現れる。これが原因となって、肌上で長時間置かれた際に、撥水・撥油性の消失等の要因によって粉体の光散乱(白さ)が失われた場合、通常の撥水・撥油性の低い顔料よりもフッ素化合物で表面処理された粉体の方が色ぐすみが大きくなるという問題があった。
色ぐすみを解決するためのアプローチとしては、シリコーンを用いた表面処理技術がある。例えば、汗や皮脂などと比較的近い屈折率をもったメチルハイドロジェンポリシロキサンを高濃度処理により粉体上に被膜として形成することで、粉体が初めから濡れているような光散乱状態とする試みがされている(特許文献4)。しかしながら、単体のシリコーンの場合、架橋反応が進みすぎると硬さが際立つ感触となり、また、架橋反応が進んでいないと、未架橋のシリコーンなどによって粉体の凝集を引き起こし、べたついた感触となるといった問題があった。この問題を解決するために、分岐型シリコーンとメチルハイドロジェンポリシロキサンという熱に対する架橋反応の反応性が異なる2種類のシリコーンを用い、架橋反応進行度を調整するという試みもされている(特許文献5)。
特開2001-2524号公報 特開昭62-250074号公報 特開平2-218603号公報 特開平5-221828号公報 特開2006-176557号公報
特許文献5の技術は、架橋度を小さく抑えた分岐型シリコーンの被膜が、汗や皮脂に濡れたときと同じ粉体表面の光散乱状態を作り出し、架橋度を高くしたメチルハイドロジェンポリシロキサンが、架橋度の小さい分岐型シリコーンのべたつきを抑えることで、くすみ防止効果と適度なすべり感となめらかな感触を与える技術である。しかし、本発明者は、特許文献5におけるシリコーン被膜は撥油性をもたないために、皮脂との馴染みが早く、テカリを生じてしまう傾向があることを見出した。
従って本発明は、汗や皮脂による色変化の抑制効果に優れると共に、汗や皮脂をはじく機能を有する表面処理粉体、及び当該表面処理粉体を含有する、テカリ防止効果と色ぐすみ防止効果に優れ、かつ使用感に優れた化粧料に関する。
本発明者は、上記事情に鑑み、テカリと色ぐすみを同時に抑える技術を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の高濃度のシリコーン処理による表面処理被膜の上から、適正な量でフッ素化合物による表面処理を行うことによって得られる表面処理粉体が前記要求を満たすものであり、化粧料用粉体として、使用感触に優れ、テカリ防止機能と色ぐすみ防止機能に優れるものであることを見出した。
すなわち本発明は、粉体100質量部に対して、下記一般式(1)で表される分岐型シリコーン5〜25質量部、及び下記一般式(4)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン2〜10質量部によって被覆処理され、更にパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含むフッ素化合物2〜10質量部によって被覆処理されてなる表面処理粉体を提供するものである。
Figure 2014129445
〔式中、R1及びR2は同一又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は下記一般式(2)
Figure 2014129445
(R5及びR6は同一又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示し、r及びsはそれらの合計が1以上1000以下となる正の整数を示す。)
で表される基を示し、R4は水素原子又は下記一般式(3)
Figure 2014129445
(R7は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
で表される基を示し、n及びmはこれらの合計が0以上1000以下となる0以上の整数を示し、p及びqはそれぞれ1以上1000以下の整数を示す。〕
Figure 2014129445
〔式中、aは0〜40、bは8〜40の数を示す。〕
更に本発明は、前記の表面処理粉体を含有する化粧料を提供するものである。
本発明の表面処理粉体は、汗や皮脂による色変化の抑制効果に優れると共に、汗や皮脂をはじく機能を有し、当該表面処理粉体を含有する本発明の化粧料は、テカリ防止効果と色ぐすみ防止効果に優れ、また使用感にも優れる。
〔分岐型シリコーン〕
本発明において粉体の被覆処理に用いる一方のシリコーン化合物は、下記一般式(1)で表される分岐型シリコーンである。
Figure 2014129445
〔式中、R1及びR2は同一又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は下記一般式(2)
Figure 2014129445
(R5及びR6は同一又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示し、r及びsはそれらの合計が1以上1000以下となる正の整数を示す。)
で表される基を示し、R4は水素原子又は下記一般式(3)
Figure 2014129445
(R7は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
で表される基を示し、n及びmはこれらの合計が0以上1000以下となる0以上の整数を示し、p及びqはそれぞれ1以上1000以下の整数を示す。〕
一般式(1)において、n及びmの合計は、好ましくは0以上500以下であり、またp及びqは好ましくはそれぞれ1以上500以下である。また、一般式(2)において、r及びsの合計は、好ましくは1以上500以下である。
一般式(1)で表される分岐型シリコーンの具体的な例としては、信越化学工業社製KF-9908(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)、信越化学工業社製KF-9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)等が挙げられる。
〔メチルハイドロジェンポリシロキサン〕
本発明において粉体の被覆処理に用いるもう一方のシリコーン化合物は、下記一般式(4)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサンである。
Figure 2014129445
〔式中、aは0〜40、bは8〜40の数を示す。〕
一般式(4)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサンの具体的な例としては、信越化学工業社製KF-99P、KF-9901、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製TSF-484等が挙げられる。
〔フッ素化合物〕
本発明において、前記分岐型シリコーン及びメチルハイドロジェンポリシロキサンにより被覆処理を行った粉体に対し、更にパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含むフッ素化合物により被覆処理を行う。かかるフッ素化合物の具体例としては、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルナトリウム塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルカリウム塩、パーフルオロアルキルリン酸アンモニウム塩、パーフルオロアルキルホスホン酸ナトリウム塩、パーフルオロアルキルホスホン酸カリウム塩、パーフルオロポリエーテル変性ポリウレタン、カルボキシル変性パーフルオロポリエーテル、アルコール変性パーフルオロポリエーテル、イソシアネート変性パーフルオロポリエーテル、エステル変性パーフルオロポリエーテル、トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸、フルオロプロピルメチコン等が挙げられる。これらのうち、炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を含むフッ素化合物が望ましいが、特に限定されるものではない。
〔粉体〕
本発明で用いる粉体の例としては、赤色104号、赤色102号、赤色226号、赤色201号、赤色202号、黄色4号、黒色401号等の色素;青色1号アルミニウムレーキ、黄色4号アルミニウムレーキ、黄色5号アルミニウムレーキ、黄色203号バリウムレーキ等のレーキ色素;ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子;黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料;タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料;雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、紺青被覆雲母チタン、黒酸化鉄被覆雲母チタン等のパール顔料;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩;シリカ、アルミナ等の無機粉体;その他ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素、ラウロイルリジン、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。
これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)、大きさに特に制限はない。これら各種の粉体は、単独で又は2種以上を用いることができ、2種以上を用いる場合、それぞれ単独で被覆処理したものを混合してもよく、また、混合物としてまとめて被覆処理してもよい。また、混合物の色を肌色などに調色したものを被覆処理することも可能である。更に、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等の紫外線散乱成分を使用することで紫外線防御機能を有する処理粉体とすることも可能である。
また、上記各種の粉体をそのまま本発明における被覆処理に用いてもよく、また、他の従来公知の表面処理を施した処理粉体を本発明における被覆処理に用いてもよい。他の表面処理としては、例えば前記パーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含むフッ素化合物以外のフッ素化合物による処理、前記分岐型シリコーン及びメチルハイドロジェンポリシロキサン以外のシリコーンによる処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等が挙げられる。また、本発明における被覆処理を施した後で、配合する化粧料の剤型やその目的に応じて、本願発明の効果を損なわない範囲で、前記各種の表面処理を施してもよい。
〔被覆処理〕
本発明の表面処理粉体を調製するには、まず、粉体に対し、分岐型シリコーンとメチルハイドロジェンポリシロキサンによる被覆処理を行う。これら2種のシリコーン化合物による被覆処理は同時に行ってもよいが、べたつきを抑制する観点より、分岐型シリコーンによる被覆処理を行った後にメチルハイドロジェンポリシロキサンによる被覆処理を行うことがより好ましい。
分岐型シリコーンは熱による架橋反応が進みにくいためその被膜は架橋度が低く、粉体表面を濡れたときと同様な光散乱状態にする。被覆処理に用いる分岐型シリコーンの量は、濡れ色を出す効果の観点より、粉体100質量部に対して5質量部以上、好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また、凝集、べたつきを抑制する観点から、粉体100質量部に対して25質量部以下、好ましくは20質量部以下、更に好ましくは18質量部以下である。
また、メチルハイドロジェンポリシロキサンは熱による架橋反応が進みやすく、分岐型シリコーンと合わせて使用することで、そのべたつきを抑える効果がある。被覆処理に用いるメチルハイドロジェンポリシロキサンの量は、分岐型シリコーンによるべたつきを抑制する効果の観点より、粉体100質量部に対して2質量部以上、好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、また、シリコーン被膜が硬い感触となるのを抑制する観点より、粉体100質量部に対して10質量部以下、好ましくは9質量部以下、更に好ましくは8質量部以下である。
次いで、上記2種のシリコーン化合物による被覆処理を行った粉体に対し、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含むフッ素化合物による被覆処理を行う。
被覆処理に用いるフッ素化合物の量は、内層のシリコーン被膜による影響を考慮し、十分な撥水性と撥油性が得られるようにする観点より、前記被覆粉体に対し、2質量部以上、好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、また、コストや内層のシリコーン被膜による効果の発現を考慮し、10質量部以下、好ましくは8質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
一般式(1)で表される分岐型シリコーンに対する一般式(4)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサンの質量比(4)/(1)は、優れた感触が得られるようにする観点より、好ましくは0.2/1以上、より好ましくは0.25/1以上、更に好ましくは0.3/1以上であり、また、色変化抑制の観点より、好ましくは1/1以下、より好ましくは0.9/1以下、更に好ましくは0.8/1以下である。
また、前記2種のシリコーン化合物の合計量に対する前記フッ素化合物の質量比(フッ素化合物)/(シリコーン化合物の合計量)は、十分な撥水性と撥油性を付与する観点より、好ましくは0.1/1以上、より好ましくは0.15/1以上、更に好ましくは0.2/1以上であり、また、コストや内層のシリコーン被膜による効果の発現を考慮し、好ましくは1/1以下、より好ましくは0.8/1以下、更に好ましくは0.6/1以下である。
被覆処理の方法としては、
(a)溶剤を用いず、粉体と表面処理剤を攪拌、混合する乾式被覆処理
(b)少量の溶剤に表面処理剤を溶解させたものを、粉体と共に攪拌、混合する乾式被覆処理
(c)多量の溶剤に表面処理剤を溶解させたものと粉体類とのスラリーを形成させた後、溶剤を留去する湿式被覆処理
などから選ばれるが、(c)の湿式被覆処理を用いると、より均一な被覆処理を行うことができ、(a)又は(b)の乾式被覆処理を用いると、先に被覆処理された表面処理剤との相溶を抑えることができる。従ってこれらを踏まえ、より必要とする特性を考慮して、適宜被覆方法を選択することが好ましい。
被覆処理に用いる溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の低級アルコール;フッ素系溶剤;トリクロロエチレン、ジクロロメタン等のハロゲン系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、イソパラフィン等の石油系溶剤などが挙げられるが、低コストで入手が容易な低級アルコール、石油系溶剤が好ましい。
2種のシリコーン化合物による被覆処理の終了後と、フッ素化合物による被覆処理の終了後には、それぞれ加熱工程を入れることが好ましい。また、2種のシリコーン化合物を順次被覆処理する場合は、更にその間にも加熱工程を入れてもよい。加熱条件としては、それぞれ100〜180℃で2〜20時間の範囲が好ましい。また、それぞれの加熱工程の条件は同一でも異なっても構わない。2種のシリコーン化合物の被覆処理が終了した後の加熱工程は、その後に被覆されるフッ素化合物と相溶しない程度に架橋が進むまで行うことが望ましい。
前記の表面処理により得られる表面処理粉体が、どの程度の色変化防止効果を有しているかについては、例えば、本発明の表面処理を施したセリサイト89.6質量部、赤色酸化鉄0.4質量部、スクワラン10質量部を攪拌混合したものを、丸型金皿容器に打型した際の表面色と、その混合物に吸油点までスクワランを加えたものを同じ容器に充填した際の表面色との色差(ΔE)を計測する方法により確認することができる。ΔEはL***表色系における3次元での距離をもって表す。本発明の表面処理粉体の場合、ΔEを10.0以下とすることが可能である。
また、前記の表面処理により得られる表面処理粉体が、どの程度の撥水性、撥油性を有しているかについては、接触角の測定によって確認することができる。本明細書においては、接触角計として、協和界面化学社製のFACE接触角計CA-DTを用い、撥油性の測定には、SONNEBORN社製の流動パラフィン(カーネーション70)を用いた。
〔化粧料〕
本発明の表面処理粉体を含有する化粧料は、2種のシリコーン化合物とフッ素化合物による被覆処理の効果により、液体で濡れた状態と同じような光散乱状態としつつも、撥水性と撥油性が高く、使用感に優れたものとなる。化粧料中における表面処理粉体の含有量は、化粧料の総量を基準として、好ましくは5質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、また、99質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。また、化粧料中の全粉体量に対する、本発明の表面処理粉体の比率は、好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上である。
本発明の表面処理粉体を用いた化粧料には、本発明の表面処理粉体以外に、通常化粧料に用いられる油剤、粉体(顔料、色素、樹脂)、溶剤、界面活性剤、粘剤、樹脂、防腐剤、香料、紫外線吸収剤(有機系、無機系を含み、UV-A、UV-Bのいずれに対応していても構わない)、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、保湿剤、塩類、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤等の成分を使用することができる。
上記の油剤としては、通常化粧料に用いられるものであって、揮発性又は不揮発性のいずれであっても構わず、更には常温で液体、ペースト、固体のいずれであっても構わない。油剤の例としては、例えばセチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類;流動パラフィン、パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素;ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ、キャンデリラロウ、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス等のロウ;ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂;ポリエチレンワックス、エチレン・α-オレフィン・コオリゴマー、エチレンプロピレンポリマー;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物;パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール等のフッ素化合物等が挙げられる。
粉体の例としては、前述の本発明における被覆処理に用いられる粉体として挙げたもの、及びそれらの一般的な表面処理物が挙げられる。
溶剤の例としては、精製水、環状シリコーン、軽質流動イソパラフィン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。
粘剤、樹脂の例としては、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン系ポリマー(カチオン化ガーガム等)、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、ガーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体、合成ラテックス等が挙げられる。
本発明における化粧料とは、粉体を構成成分として含有する化粧料を指し、例えばファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、口紅、ネイルカラー等のメイクアップ化粧料や、ボディパウダー、ベビーパウダー等のボディ用化粧料等が挙げられる。特に、パウダーファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイブロー、チーク、ボディパウダー、ベビーパウダー等の、粉体を主な構成成分とする粉末化粧料において、より大きなテカリ防止効果、及び色変化の抑制効果が得られる。
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
<1> 粉体100質量部に対して、下記一般式(1)で表される分岐型シリコーン5〜25質量部、及び下記一般式(4)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン2〜10質量部によって被覆処理され、更にパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含むフッ素化合物2〜10質量部によって被覆処理されてなる表面処理粉体。
Figure 2014129445
〔式中、R1及びR2は同一又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は下記一般式(2)
Figure 2014129445
(R5及びR6は同一又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示し、r及びsはそれらの合計が1以上1000以下となる正の整数を示す。)
で表される基を示し、R4は水素原子又は下記一般式(3)
Figure 2014129445
(R7は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
で表される基を示し、n及びmはこれらの合計が0以上1000以下となる0以上の整数を示し、p及びqはそれぞれ1以上1000以下の整数を示す。〕
Figure 2014129445
〔式中、aは0〜40、bは8〜40の数を示す。〕
<2> 一般式(1)で表される分岐型シリコーンが、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン及び/又はトリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコンである<1>に記載の表面処理粉体。
<3> パーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含むフッ素化合物が、好ましくはトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、パーフルオロアルキルトリメトキシシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルナトリウム塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルカリウム塩、パーフルオロアルキルリン酸アンモニウム塩、パーフルオロアルキルホスホン酸ナトリウム塩、パーフルオロアルキルホスホン酸カリウム塩、パーフルオロポリエーテル変性ポリウレタン、カルボキシル変性パーフルオロポリエーテル、アルコール変性パーフルオロポリエーテル、イソシアネート変性パーフルオロポリエーテル、エステル変性パーフルオロポリエーテル、トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸、及びフルオロプロピルメチコンから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは炭素数6以下のパーフルオロアルキル基を含むフッ素化合物である<1>又は<2>に記載の表面処理粉体。
<4> 被覆処理に用いる分岐型シリコーンの量が、粉体100質量部に対して、好ましくは8質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、また、粉体100質量部に対して、好ましくは20質量部以下、更に好ましくは18質量部以下である<1>〜<3>のいずれかに記載の表面処理粉体。
<5> 被覆処理に用いるメチルハイドロジェンポリシロキサンの量が、粉体100質量部に対して、好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、また、粉体100質量部に対して、好ましくは9質量部以下、更に好ましくは8質量部以下である<1>〜<4>のいずれかに記載の表面処理粉体。
<6> 被覆処理に用いるフッ素化合物の量が、分岐型シリコーン及びメチルハイドロジェンポリシロキサンによって被覆処理された被覆粉体に対し、好ましくは2.5質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは8質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である<1>〜<5>のいずれかに記載の表面処理粉体。
<7> 一般式(1)で表される分岐型シリコーンに対する一般式(4)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサンの質量比(4)/(1)が、好ましくは0.2/1以上、より好ましくは0.25/1以上、更に好ましくは0.3/1以上であり、また、好ましくは1/1以下、より好ましくは0.9/1以下、更に好ましくは0.8/1以下である<1>〜<6>のいずれかに記載の表面処理粉体。
<8> 前記2種のシリコーン化合物の合計量に対する前記フッ素化合物の質量比(フッ素化合物)/(シリコーン化合物の合計量)が、好ましくは0.1/1以上、より好ましくは0.15/1以上、更に好ましくは0.2/1以上であり、また、好ましくは1/1以下、より好ましくは0.8/1以下、更に好ましくは0.6/1以下である<1>〜<7>のいずれかに記載の表面処理粉体。
<9> 分岐型シリコーンとメチルハイドロジェンポリシロキサンによる被覆処理が、分岐型シリコーンによる被覆処理の後、メチルハイドロジェンポリシロキサンによる被覆処理の順で行われたものである<1>〜<8>のいずれかに記載の表面処理粉体。
<10> 分岐型シリコーンとメチルハイドロジェンポリシロキサンによる被覆処理の後、加熱処理され、かつ、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含むフッ素化合物による被覆処理の後、加熱処理されたものである<1>〜<9>のいずれかの表面処理粉体。
<11> <1>〜<10>のいずれかに記載の表面処理粉体を含有する化粧料。
<12> 化粧料中における表面処理粉体の含有量が、化粧料の総量を基準として、好ましくは5質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、また、99質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である<11>に記載の化粧料。
<13> 化粧料中における全粉体量に対する、表面処理粉体の比率が、好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは8質量%以上である<11>又は<12>に記載の化粧料。
<14> 粉末化粧料である<11>〜<13>のいずれかに記載の化粧料。
実施例1
セリサイト100質量部に対し、信越化学工業社製KF-9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)15質量部をイソプロピルアルコール300質量部に溶解したものを加えてスラリー化し、湿式処理にて被覆処理した後、減圧乾燥にてイソプロピルアルコールを留去した。次いで信越化学工業社製KF-9901(メチルハイドロジェンポリシロキサン)5質量部をヘキサン5質量部に溶解したものと攪拌、混合して、乾式処理にて被覆処理した。その後、乾熱オーブンにて140℃で8時間加熱した。その粉体を、パーフルオロヘキシルエチルホスホン酸塩5質量部をイソプロピルアルコール10質量部に溶解したものと攪拌、混合して、乾式処理にて被覆した。その後、乾熱オーブンにて140℃で8時間加熱し、表面処理粉体を得た。
実施例2
セリサイト100質量部に対し、信越化学工業社製KF-9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)15質量部をイソプロピルアルコール300質量部に溶解したものを加えてスラリー化し、湿式処理にて被覆処理した後、減圧乾燥にてイソプロピルアルコールを留去した。次いで信越化学工業社製KF-9901(メチルハイドロジェンポリシロキサン)10質量部をヘキサン5質量部に溶解したものと攪拌、混合して、乾式処理にて被覆処理した。その後、乾熱オーブンにて140℃で8時間加熱した。その粉体を、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン5質量部をイソプロピルアルコール10質量部に溶解したものと攪拌、混合して、乾式処理にて被覆した。その後、乾熱オーブンにて140℃で4時間加熱し、表面処理粉体を得た。
実施例3
セリサイト100質量部に対し、信越化学工業社製KF-9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)15質量部と信越化学工業社製KF-9901(メチルハイドロジェンポリシロキサン)5質量部をイソプロピルアルコール300質量部に溶解したものと攪拌、混合して、湿式処理にて被覆処理した後、減圧乾燥にてイソプロピルアルコールを留去した。その後、乾熱オーブンにて160℃で10時間加熱した。その粉体を、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3質量部をイソプロピルアルコール10質量部に溶解したものと攪拌、混合して、乾式処理にて被覆した。その後、乾熱オーブンにて160℃で6時間加熱し、表面処理粉体を得た。
比較例1
セリサイト100質量部に対し、信越化学工業社製KF-9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)20質量部をイソプロピルアルコール300質量部に溶解したものを加えてスラリー化し、湿式処理にて被覆処理した後、減圧乾燥にてイソプロピルアルコールを留去した。その後、乾熱オーブンにて140℃で10時間加熱し、表面処理粉体を得た。
比較例2
セリサイト100質量部に対し、信越化学工業社製KF-9901(メチルハイドロジェンポリシロキサン)25質量部をイソプロピルアルコール300質量部に溶解したものを加えてスラリー化し、湿式処理にて被覆処理した後、減圧乾燥にてイソプロピルアルコールを留去した。その後、乾熱オーブンにて140℃で8時間加熱し、表面処理粉体を得た。
比較例3
セリサイト100質量部と、パーフルオロヘキシルエチルホスホン酸塩5質量部をイソプロピルアルコール10質量部に溶解したものとを攪拌、混合して、乾式処理にて被覆した。その後、乾熱オーブンにて150℃で4時間加熱し、表面処理粉体を得た。
比較例4
セリサイト100質量部に対し、信越化学工業社製KF-9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)15質量部をイソプロピルアルコール300質量部に溶解したものを加えてスラリー化し、湿式処理にて被覆処理した後、減圧乾燥にてイソプロピルアルコールを留去した。次いで信越化学工業社製KF-9901(メチルハイドロジェンポリシロキサン)5質量部をヘキサン5質量部に溶解したものと攪拌、混合して、乾式処理にて被覆処理した。その後、乾熱オーブンにて140℃で8時間加熱し、表面処理粉体を得た。
比較例5
セリサイト100質量部に対し、信越化学工業社製KF-9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)20質量部をイソプロピルアルコール300質量部に溶解したものを加えてスラリー化し、湿式処理にて被覆処理した後、乾熱オーブンにて140℃で8時間加熱した。その粉体を、パーフルオロヘキシルエチルホスホン酸塩5質量部をイソプロピルアルコール10質量部に溶解したものと攪拌、混合して、乾式処理にて被覆した。その後、乾熱オーブンにて140℃で8時間加熱し、表面処理粉体を得た。
比較例6
セリサイト100質量部に対し、信越化学工業社製KF-9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)15質量部をイソプロピルアルコール300質量部に溶解したものを加えてスラリー化し、湿式処理にて被覆処理した後、減圧乾燥にてイソプロピルアルコールを留去した。次いで信越化学工業社製KF-9901(メチルハイドロジェンポリシロキサン)5質量部をヘキサン5質量部に溶解したものと攪拌、混合して、乾式処理にて被覆処理した。その後、乾熱オーブンにて140℃にて8時間加熱した。その粉体を、パーフルオロヘキシルエチルホスホン酸塩1質量部をイソプロピルアルコール10質量部に溶解したものと攪拌、混合して、乾式処理にて被覆した。その後、乾熱オーブンにて140℃で8時間加熱し、表面処理粉体を得た。
比較例7
セリサイト100質量部と、信越化学工業社製KF-9909(トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン)5質量部と信越化学工業社製KF-9901(メチルハイドロジェンポリシロキサン)15質量部をイソプロピルアルコール300質量部に溶解したものと攪拌、混合して、湿式処理にて被覆処理した。その後、乾熱オーブンにて160℃で10時間加熱した。その粉体を、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン2質量部をイソプロピルアルコール10質量部に溶解したものと攪拌、混合して、乾式処理にて被覆した。その後、乾熱オーブンにて160℃で6時間加熱し、表面処理粉体を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜7で得られた表面処理粉体について、以下の方法及び基準に基づいて、表面処理粉体の色変化抑制効果、撥油性、及び感触を評価した。この結果を表1に示す。
(表面処理粉体の色変化抑制効果の評価)
表面処理を施したセリサイト89.6質量部、赤色酸化鉄0.4質量部、スクワラン10質量部を攪拌混合したものを、丸型金皿容器に打型した際の表面色と、その混合物に吸油点までスクワランを加えたものを同じ容器に充填した際の表面色との色差(ΔE)を計測した。ΔEはL***表色系における3次元での距離をもって表した。
(表面処理粉体の撥油性の評価)
撥油性の評価は、接触角測定により行った。接触角測定は、協和界面科学社製のFACE接触角計(CA-DT型)を用い、流動パラフィン(SONNEBORN社製,カーネーション70)を用いて測定を行った。測定サンプルとしては、表面処理を施したセリサイトを2cm四方のアルミ金皿にプレス成形したものを使用した。
(表面処理粉体の感触の評価)
専門パネラーを10名用意し、以下の評価基準に従って感触(さらさら感)の官能評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価が高いことを示す(満点:50点)。
5:感触(さらさら感)がとても優れている
4:感触(さらさら感)が優れている
3:感触(さらさら感)がやや優れている
2:感触(さらさら感)がやや悪い
1:感触(さらさら感)が悪い
Figure 2014129445
表1の結果より、各実施例の表面処理粉体は、比較例の表面処理粉体と比べ、高い評価を示していることがわかった。
実施例1〜3の表面処理粉体は、各評価項目に関して高い評価を得た。
比較例1は分岐型シリコーンのみで表面処理した粉体であり、ΔEは低い値を示しているが、撥油性が無く、また架橋度が低いために官能評価(さらさら感)が低い。
比較例2は、メチルハイドロジェンポリシロキサンのみで表面処理した粉体であり、さらさら感は得られているが、ΔEが高く、また撥油性が無い。
比較例3は、フッ素化合物のみで表面処理した粉体であり、撥油性とさらさら感は得られているが、散乱を抑える被膜が存在しないため、ΔEが高く色変化抑制効果が無い。
比較例4は分岐型シリコーンとメチルハイドロジェンポリシロキサンのみで表面処理した粉体であり、ΔEが低く、また、2種のシリコーン化合物のバランスが良いため、さらさら感が得られているが、撥油性は低い。
比較例5は、分岐型シリコーンとフッ素化合物のみで表面処理した粉体であり、ΔEは低いが、シリコーンの架橋度が低いため、フッ素化合物が分岐型シリコーンの層に混ざりこんでしまい、撥油性が低く、またさらさら感も劣っている。
比較例6は、フッ素化合物の量が少なすぎる粉体であり、ΔEは低いが、撥油性が低く、またさらさら感も劣っている。
比較例7は、メチルハイドロジェンポリシロキサンの量が多すぎる粉体であり、撥油性とさらさら感は得られているが、ΔEが高い。
実施例4
以下に示す処方と下記製造方法に従い、ファンデーションを調製した。
成分名 含有量(質量%)
(成分A)
ベンガラ 0.56
黄酸化鉄 2.00
黒酸化鉄 0.28
酸化チタン 10.00
実施例1の表面処理粉体 62.16
酸化亜鉛被覆雲母チタン 10.00
球状ナイロンパウダー(*1) 5.00
(成分B)
ジメチルポリシロキサン(*2) 4.00
α-オレフィンオリゴマー(*3) 3.00
ワセリン 2.00
ジカプリル酸プロピレングリコール 1.00

*1:SP-500(東レ社製)
*2:KF-96A-20CS(信越化学工業社製)
*3:ノムコートHP-100(日清オイリオグループ社製)
(製造方法)
成分Aをミキサーにて混合した。次いで、均一に混合・溶解した成分Bを成分Aに加えて更に混合した。得られた粉末をアトマイザーにて粉砕し、メッシュを通した後、金型を用いて金皿に打型して製品を得た。
実施例5
実施例4で用いた実施例1の表面処理粉体の代わりに、実施例2で製造した表面処理粉体を用いた以外は全て実施例4と同様に行い、ファンデーションを得た。
実施例6
実施例4で用いた実施例1の表面処理粉体の代わりに、実施例3で製造した表面処理粉体を用いた以外は全て実施例4と同様に行い、ファンデーションを得た。
比較例8
実施例4で用いた実施例1の処理粉体の代わりに、比較例1で製造した表面処理粉体を用いた以外は全て実施例4と同様に行い、ファンデーションを得た。
比較例9
実施例4で用いた実施例1の処理粉体の代わりに、比較例2で製造した表面処理粉体を用いた以外は全て実施例4と同様に行い、ファンデーションを得た。
比較例10
実施例4で用いた実施例1の処理粉体の代わりに、比較例3で製造した表面処理粉体を用いた以外は全て実施例4と同様に行い、ファンデーションを得た。
比較例11
実施例4で用いた実施例1の処理粉体の代わりに、比較例4で製造した表面処理粉体を用いた以外は全て実施例4と同様に行い、ファンデーションを得た。
比較例12
実施例4で用いた実施例1の処理粉体の代わりに、比較例5で製造した表面処理粉体を用いた以外は全て実施例4と同様に行い、ファンデーションを得た。
比較例13
実施例4で用いた実施例1の処理粉体の代わりに、比較例6で製造した表面処理粉体を用いた以外は全て実施例4と同様に行い、ファンデーションを得た。
比較例14
実施例4で用いた実施例1の処理粉体の代わりに、比較例7で製造した表面処理粉体を用いた以外は全て実施例4と同様に行い、ファンデーションを得た。
実施例4〜6及び比較例8〜14で得られたファンデーションについて、以下の方法及び基準に基づいて、くすみ抑制効果、テカリ抑制効果、及び皮膚上での伸びの良さを評価した。この結果を表2に示す。
(化粧料の皮膚有用性の評価)
専門パネラーを評価項目ごとに10名ずつ用意し(但し、項目によりパネラーが重複する場合もある)、以下の評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す(満点:50点)。
5:効果が高く感じられる
4:効果が感じられる
3:効果はやや感じられる
2:効果はわずかしか感じられない
1:効果が感じられない
Figure 2014129445
表2の結果より、各実施例のファンデーションは比較例のファンデーションと比べ、高い効果を示していることがわかった。
実施例4〜6のファンデーションは、各評価項目に関して高い評価を得た。
比較例8は、分岐型シリコーンのみで表面処理した粉体を用いたファンデーションであり、くすみ抑制効果では優れた評価を得たが、粉体の凝集性が高く、ケーキングを起こしてしまっていた。またテカリ抑制効果も低かった。比較例12に関しても、比較例8と同様の傾向が見られた。
比較例9は、メチルハイドロジェンポリシロキサンのみで表面処理した粉体を用いたファンデーションであり、くすみ抑制効果、テカリ抑制効果が不十分である。
比較例10は、フッ素化合物のみで表面処理した粉体を用いたファンデーションであり、テカリ抑制効果が高く、伸びの良さも優れていたが、くすみ抑制効果が不十分である。メチルハイドロジェンポリシロキサンの量が多い粉体を用いた比較例14にも同様の結果が見られる。
比較例11は、分岐型シリコーンとメチルハイドロジェンポリシロキサンのみで表面処理した粉体を用いたファンデーションであり、テカリ抑制効果が不十分である。フッ素化合物の少ない比較例13についても、比較例11と同様の傾向が見られた。
下記実施例7〜13についても、上記試験において優れた結果を示すものである。
Figure 2014129445
Figure 2014129445
Figure 2014129445
本発明の表面処理粉体は、汗や皮脂による色変化の抑制効果に優れると共に、汗や皮脂をはじく機能を有し、当該表面処理粉体を含有することで、テカリ防止効果と色ぐすみ防止効果に優れ、かつ使用感に優れた化粧料を提供することができる。

Claims (7)

  1. 粉体100質量部に対して、下記一般式(1)で表される分岐型シリコーン5〜25質量部、及び下記一般式(4)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン2〜10質量部によって被覆処理され、更にパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含むフッ素化合物2〜10質量部によって被覆処理されてなる表面処理粉体。
    Figure 2014129445
    〔式中、R1及びR2は同一又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示し、R3は下記一般式(2)
    Figure 2014129445
    (R5及びR6は同一又は異なる炭素数1〜8のアルキル基を示し、r及びsはそれらの合計が1以上1000以下となる正の整数を示す。)
    で表される基を示し、R4は水素原子又は下記一般式(3)
    Figure 2014129445
    (R7は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
    で表される基を示し、n及びmはこれらの合計が0以上1000以下となる0以上の整数を示し、p及びqはそれぞれ1以上1000以下の整数を示す。〕
    Figure 2014129445
    〔式中、aは0〜40、bは8〜40の数を示す。〕
  2. 一般式(1)で表される分岐型シリコーンに対する一般式(4)で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサンの質量比(4)/(1)が、0.2/1以上1/1以下である請求項1に記載の表面処理粉体。
  3. 前記2種のシリコーン化合物の合計量に対する前記フッ素化合物の質量比(フッ素化合物)/(シリコーン化合物の合計量)が、0.1/1以上1/1以下である請求項1又は2に記載の表面処理粉体。
  4. 分岐型シリコーンとメチルハイドロジェンポリシロキサンによる被覆処理が、分岐型シリコーンによる被覆処理の後、メチルハイドロジェンポリシロキサンによる被覆処理の順で行われたものである請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理粉体。
  5. 分岐型シリコーンとメチルハイドロジェンポリシロキサンによる被覆処理の後、加熱処理され、かつ、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテル基を含むフッ素化合物による被覆処理の後、加熱処理されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理粉体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理粉体を含有する化粧料。
  7. 粉末化粧料である請求項6に記載の化粧料。
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