JP3888824B2 - 火災警報器等とガスメータを利用した保安システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災警報器等とガスメータとを利用した保安システムに関し、警報器からの情報とガスメータからの情報を利用することにより、火災の可能性が高い場合などに、迅速に消防活動につなげることができる保安システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロコンピュータを利用したガスメータが広く普及している。かかるガスメータは、ガス流量を計測する機能に加えて、ガスの使用状況、感震器からの情報を分析して、内部に設けたガス遮断弁の遮断制御を行う保安機能を有する。更に、ガスメータは、外付けの通信端末装置により、ガスセンタと一般公衆回線を利用した通信を行うことができ、ガスの使用状況の情報、遮断情報などをガスセンタに送信し、また、ガスセンタはガス遮断弁を遠隔操作する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のガスメータと通信端末装置を利用した保安システムは、単にガスの使用状況に基づいてガスに対する保安が行われるだけである。従って、従来の保安システムは、火災警報器などの火災情報との連携はなく、消防活動に結びつけることはできない。
【0004】
一方、従来、火災警報器からの警報に応答して、消防活動に結びつけるような保安システムは提案されているが、火災の原因に大いに関係するガス使用情報との連携はなく、検出温度だけから発する火災警報だけでは火災発生に対する誤報の可能性が高く、保安レベルに応じて迅速で適切な保安活動に結びつけることはできない。また、警報器として火災警報器以外に、一酸化炭素(CO)警報器やガス漏れ警報器などが普及しているが、それらを利用した保安システムでは、適切で迅速な保安活動に結びつけることができていない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ガス情報と火災情報とを利用してより迅速で適切な保安活動に結びつけることができる保安システムを提供することにある。
【0006】
更に、本発明の目的は、ガス情報とCO情報やガス漏れ情報を利用して、より適切で迅速な保安活動に結びつけることができる保安システムを提供することにある。
【0007】
更に、本発明の目的は、ガス情報から天ぷら調理中であることを検出することができるガスメータを提供することにある。
【0008】
更に、本発明の目的は、火災情報を利用して所謂天ぷら火災の火勢を弱めて消防活動に貢献し或いは天ぷら火災の発生率をも抑制することができる保安システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の保安システムは、顧客宅に設置されガス流量を測定するガスメータと、顧客宅に設置される火災警報器と、ガスメータと火災警報器に通信可能に接続され顧客宅に設置されるセキュリティ装置と、セキュリティ装置と通信回線を介して接続され、セキュリティ装置から火災情報とガス情報とを受信するガスセンタとを有する。ガスセンタは、セキュリティ装置が収集した火災情報とガス情報とを受信し、それらの情報から消防署に自動通報するか、顧客宅に電話し不在確認後自動通報するか等のセキュリティレベルに対応した迅速で適切な対応を行う。
【0010】
本発明によれば、ガス情報と火災情報とがガスセンタに集中されるので、例えば火災の最も高い原因の一つである所謂天ぷら火災の予知能力を高めることができ、より適切で迅速な消防の出動などの保安活動に結びつけることができる。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明の保安システムは、上記発明の保安システムの火災警報器に代わって、或いは火災警報器と共に、CO警報器が設置される。そして、ガスセンタでは、ガス情報とCO警報器からのCO情報とに従って、消防署に自動通報するか、顧客宅に電話し不在確認後自動通報するか等のセキュリティレベルに対応した適切な対応を行う。
【0012】
更に、上記の目的を達成するために、本発明の保安システムは、上記発明の保安システムの火災警報器に代わって、或いはそれと共にガス漏れ警報器が設置される。そして、ガスセンタでは、ガス情報とガス漏れ警報器からのガス漏れ情報とに従って、ガス保安部隊に出動を要請するか否かを行う。
【0013】
上記の目的を達成するためには、本発明は、消防署への緊急連絡を可能にする保安システムにおいて、顧客宅に設置され、ガス流量を測定するガスメータと、前記顧客宅に設置される火災警報器と、前記顧客宅に設置され、前記ガスメータと火災警報器に通信可能に接続され、前記ガスメータからガス情報を前記火災警報器から火災情報を受信するセキュリティ装置と、前記セキュリティ装置と通信回線を介して接続され、前記セキュリティ装置から前記火災情報及びガス情報と共に通報を受信するガスセンタとを有し、前記ガスセンタは、前記火災情報が火災警報用の設定温度より低い予備的温度以上であり、前記ガス情報がガス使用中であることを示す場合は、消防署に自動通報する第1の動作を行い、更に、前記火災情報が前記予備的温度未満であり、前記ガス情報がガス使用中であることを示す場合は、一旦顧客宅に電話し不在確認後に自動通報する第2の動作を行うことを特徴とする。
【0014】
更に、上記の目的を達成するために、別の発明では、消防署への緊急連絡を可能にする保安システムにおいて、顧客宅に設置され、ガス流量を測定するガスメータと、前記顧客宅に設置される火災警報器と、前記顧客宅に設置され、前記ガスメータと火災警報器に通信可能に接続され、前記ガスメータからガス情報を前記火災警報器から火災情報を受信するセキュリティ装置と、前記セキュリティ装置と通信回線を介して接続され、前記セキュリティ装置から前記火災情報及びガス情報と共に通報を受信するガスセンタとを有し、前記ガスセンタは、前記火災情報が火災警報用の設定温度より低い予備的温度以上であり、前記ガス情報が揚げ物調理中に対応するガス使用状態であることを示す場合は、消防署に自動通報する第1の動作を行い、更に、前記火災情報が前記予備的温度未満であり、前記ガス情報が揚げ物調理中に対応するガス使用状態であることを示す場合は、一旦顧客宅に電話し不在確認後に自動通報する第2の動作を行うことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
図1は、本実施の形態例における保安システムの構成図である。ここに示された保安システムは、顧客宅に設置されたガスメータ10と、警報器20と、セキュリティ装置30と、セキュリティ装置30と公衆電話回線などの通信回線36を介して接続されて通信可能なガスセンタ40とを有する。
【0018】
ガスメータ10は、ガスが供給されるガス導管12に接続され、また、顧客宅内に設置されたガス配管14に接続される。ガス配管14の先には、ガスを燃焼するガス器具16が接続される。ガスメータ10は、図示しないが、例えばガス流量を計測する計測手段と、ガスを遮断する遮断弁と、地震を感知する感震器と、ガス流量や感震器からの情報を解釈し、必要に応じてガス遮断弁の遮断制御を行うマイクロコンピュータなどを有する。通常のガスメータ10は、別途顧客宅に設置される通信端末装置32と接続され、顧客宅の電話回線を利用してガスセンタ40と通信を行うことができる。従って、ガスセンタ40では、この通信ネットワークにより、ガス使用状況を把握することができ、必要に応じてガス遮断をガスメータ10に命令することができる。或いは、ガスセンタ40では、ガスメータ10により自主的に行われたガス遮断に対して、必要に応じてガス開栓動作をガスメータ10に命じることもできる。
【0019】
顧客宅に設置される警報器20は、例えば、顧客宅内の温度や煙或いは炎を検出して火災警報用の設定温度を超えている場合や、火災警報用の所定濃度の煙や炎が発生している場合に、火災警報を発することができる火災警報器22を有する。この警報は、従来からの警報音に加えて、セキュリティ装置30に回線28を介して送信される。また、火災警報器22は、火災警報を発した原因となる火災情報、例えば検出温度や検出濃度、もセキュリティ装置30に送信することができる。
【0020】
警報器20は、更に、顧客宅内の一酸化炭素(CO)濃度を検出し、CO警報用の所定の濃度を超えている場合に、CO警報を発することができるCO警報器24を有する。この警報は、火災警報器の場合と同様に、セキュリティ装置30に送信され、また、CO警報に至った原因となるCO情報もセキュリティ装置30に送信することができる。
【0021】
警報器20は、更に好ましくは、ガス漏れ警報器26を有する。ガス漏れ警報器26は、メタンガスなどのガス導管12やガス配管14から漏れたガスが顧客宅内に充満しているか否かを検出することができる。そして、所定の警報レベルのガス濃度が検出されると、ガス漏れ警報を発することができ、その警報は上記と同様にセキュリティ装置30にも送信される。
【0022】
セキュリティ装置30は、例えば、顧客宅の居間などに設置され、内部にマイクロコンピュータを搭載し、所定のインテリジェンシを有する。そして、セキュリティ装置30は、ガスメータ10からのガスの使用に関する種々のガス情報と、警報器20からの警報器それぞれの情報とを収集し、それらの情報をガスセンタ40に送信することができる。セキュリティ装置30は、自ら通信機能を有する場合もあれば、従来からガスメータ10に接続して設置される通信端末32を利用してガスセンタ30と通信する場合もある。セキュリティ装置30とガスセンタ40との間は、通常は、一般の公衆電話回線36を介して通信される。従って、顧客の所有する電話回線を利用して通信される。
【0023】
セキュリティ装置30は、ガスメータ10と警報器20からのそれぞれの情報をそのままガスセンタ40に送信する場合もあれば、それらの情報からある程度の判断を行う機能を有し、その判断結果に従ってある程度加工されたガス情報及び警報器からの情報をガスセンタ40に送信する場合もある。前者の場合は、セキュリティ装置30からガスセンタ40に送信すべき情報量が多くなるので、迅速で誤りのない通報を行うためには、通信端末装置32の通信能力を比較的高くすることが必要である。また、後者の場合は、セキュリティ装置30の判断に従って、加工された少ないデータ量の情報がガスセンタ40に送信され、通信端末装置32の能力がそれほど高くなくても迅速で誤りの少ない通報を可能にする。
【0024】
ガスセンタ40は、セキュリティ装置30から送信されるガス情報と警報器の情報とから、迅速で且つ適切な保安措置をとることができる。最も典型的には、ガス情報と警報器の情報とから、火災の蓋然性が高いことが判断されると、ガスセンタ40内のコンピュータシステムは、所轄の消防署42に火災発生を知らせる自動通報を行う。この自動通報には、ガスセンタ40のコンピュータシステムが保持している顧客情報を加えることができ、消防出動に必要な顧客住所や建築物情報などを通報と共に正確に消防署42に伝えることができる。
【0025】
ガスセンタ40では、上記のガス情報や警報器からの情報によっては、至急消防署に出動を要請するほどの保安レベルではないが、顧客宅への連絡が必要な場合は、コンピュータシステムが顧客宅に電話をし不在か否かをチェックする。そして、電話応答がないことにより不在であることが確認される場合は、必要に応じて所轄の消防署に自動通報する。これらの操作は、人間が介することなく、全てコンピュータシステムにより機械的に行うことができる。
【0026】
ガス保安部隊44は、従来からもガスセンタ40からの出動要請に応じて、顧客宅に派遣される部隊である。本実施の形態例の保安システムでは、ガスセンタ40が、ガス情報に加えてガス漏れ情報などの警報器からの情報も収集することができるので、後述する通り、消防の出動要請は必要なくてもガス保安部隊44の出動は必要であると判断される場合は、自動通報によりガス保安部隊44の迅速な出動を行うことができる。
【0027】
図1に示された保安システムは、従来のガスメータ10と通信端末32及びガスセンタ40で構築されていたガスの使用状況に限定された保安システムに、警報器20と、それからの情報をガス情報と共に収集してガスセンタ40に送信するセキュリティ装置30とを追加することにより、ガス情報と警報器からの情報との組み合わせで、より広範で複数のセキュリティレベルに対応した適切な保安活動に迅速に結びつけることができるようになる。
【0028】
[火災警報器とガスメータ利用による保安システム]
図2は、火災警報とガス流量がある場合の保安システムの動作フローチャート図である。火災警報器22は、少なくとも温度検出機能を有し、例えば65℃などの火災警報用の設定温度を超える温度が検出される場合に、警報音を発する。また、火災警報器22は、好ましくは、検出した温度の情報をセキュリティ装置30に送信することができる。この点については、後に詳述する。
【0029】
図2において、縦軸は時間軸を示す、横方向には保安システムの構成要素がそれぞれ示される。図に示される通り、火災警報器22が予備的火災検知をすると、セキュリティ装置30に通知し(S10)、セキュリティ装置30が起動し(S12)、ガスメータ10に問い合わせを行って少なくともガス流量があるか否かのガス情報を収集する(S16)。そして、セキュリティ装置30は、火災警報器からの火災情報とガスメータからのガス情報から通報すべきか否かを判断する(S18)。この判断ロジックについては、後述する。また、セキュリティ装置30は、火災警報を受信してガス流量有りのガス情報を受信すると、ガスメータ10に対してガス遮断指令を送り、ガスメータ10にガス遮断弁の遮断を行わせる。ガス遮断が行われたことがガスメータ10から返信されると、セキュリティ装置30は、ガス情報と火災情報とを通報と共にガスセンタ40に送信する。この通報には、ガス遮断済みの情報も含まれる。この時、セキュリティ装置30は、顧客の電話回線を利用するので、もし顧客が電話回線を使用中であれば、その回線を一旦切断して割り込みで上記通報を行う。
【0030】
好ましい実施の形態例では、セキュリティ装置30は、火災警報器22からの火災情報やガスメータ10からのガス情報を、所定のデータ量の少ないデータに変換して、ガスセンタ40に送信する。このようにデータ量を少なくすることにより、公衆電話回線36を経由して送信する場合の送信エラーの発生確率を下げることができ、また送信時間を短くすることができ、通報を迅速に且つ正確に送信することができる。
【0031】
ガスセンタ40では、セキュリティ装置30から送られる通報と共にガス情報と火災情報とを受信する。従って、ガスセンタ40のコンピュータシステムは、これらの情報に従って、所轄の消防署に自動通報すべきか否かを判断する(S30)。ある程度加工された火災情報とガス情報を受信することにより、その判断工程を迅速に行うことができ、必要な場合の消防署への自動通報を迅速に行うことができる。
【0032】
この判断ロジックについても後述するが、例えば、火災情報が火災発生の蓋然性が非常に高いことを示す場合は、自動的に所轄の警察署42に顧客情報と共に通報する。或いは、ガス情報から顧客宅で天ぷら調理中である可能性が高いことが判明している場合は、火災情報が火災警報用の設定温度に達していなくても自動通報する。過去の火災データから、住宅火災の約80%は天ぷら調理中に油に引火したことが原因である所謂天ぷら火災であることが判明している。従って、ガスメータ10からのガス情報が天ぷら調理中に対応する情報の場合は、自動通報を行う(S32)。
【0033】
また、ガス情報と火災情報から自動通報するほどの保安レベルではない場合は、例えば、ガスセンタ30のコンピュータにより顧客宅の電話34に電話をする(S34)。そして、応答がない場合は、不在であると判断して(S36)、消防署42に自動通報を行う。また、応答が有る場合は、その後ガスセンタ40内の作業員により適切な顧客対応が行われる。
【0034】
消防署42に自動通報がされた場合、顧客情報が正確に伝えられ、また、すでにガス遮断操作は完了しているので、消防署は、それに対応した適切な消防活動体制で出動することができる。
【0035】
図3は、セキュリティ装置の動作例を示すフローチャート図である。図3には、セキュリティ装置30が火災情報やガス情報を収集し、それらの情報から通報すべきか否かの判断を行い、ガスセンタ40に通報するまでの動作例が示される。顧客宅に設置されるガスメータ10や警報器20及びセキュリティ装置30等は、それぞれが有する電池を主な電源としている。従って、その動作頻度を有る程度低く抑えて内蔵電池の電力の消耗を抑えることが要求される。そこで、図3の動作例では、最初に火災警報器22から予備的な火災検知信号がセキュリティ装置30に供給され、その後セキュリティ装置30がガスメータ10にガス情報の問い合わせをする。そして、セキュリティ装置30は、火災情報とガス情報とから、ガスセンタ40に通報すべきか否かの判断を行って、必要な場合にガスセンタ40に火災情報及びガス情報と共に通報する。
【0036】
図3のフローチャートに従って説明する。セキュリティ装置30は、火災警報器22から予備的火災検知の信号を受信すると(S10)、起動する(S12)。火災警報器22は、火災警報を発する設定温度が例えば65℃の場合、検出温度が例えば50℃の予備的温度を越える場合に上記の予備的火災検知の信号を送信する。火災警報器22は、予備的温度を超えた旨の信号と共に温度情報をセキュリティ装置30に送信する。火災警報器22が、温度検知と共に煙の濃度や炎の濃度を検出することができる場合は、上記の設定温度、予備的温度の代わりに、煙・炎に基づいて同様の動作を行うこともできる。
【0037】
起動されたセキュリティ装置30は、供給された火災情報である温度情報から、ガスメータ10にガス情報の問い合わせをするか否かを判断する。セキュリティ装置30は、上記の予備的火災検知を受信すると、火災の発生を検出するための監視体制に入る。そして、火災警報器22から供給される火災情報である検出温度Tが、設定温度(65℃)より低いが上記監視体制に入った温度(50℃)よりも高い予備的温度、例えば55℃、を越えたか否かを判断し(S14)、越えていれば、ガスメータ10にガス情報の問い合わせを行う(S16)。この問い合わせは、セキュリティ装置30が接続回線18を経由して行うポーリング操作により行われる。これにより、ガスメータ10は初めてセキュリティ装置30との通信を行う。
【0038】
ガスメータ10は、例えば、現在ガス流量が有るか否かのガス情報をセキュリティ装置30に返信する。或いは、ガスメータ10がより高度な機能を有する場合は、使用されるガスの流量の履歴から、天ぷら調理中の蓋然性が高いことを検出し、揚げ物調理中であることを示すガス情報が、セキュリティ装置30に供給される。或いは、ガスメータ10からはガス流量の履歴データがセキュリティ装置30に供給され、セキュリティ装置30において、ガス流量の履歴データから揚げ物調理中の蓋然性が高いか否かの判断をしてもよい。ガスメータ10またはセキュリティ装置30による揚げ物調理中(天ぷら調理中)の蓋然性が高いことを検出する方法は、後に詳述する。
【0039】
セキュリティ装置30は、ガス情報に揚げ物調理中を示す情報が含まれている場合は(S18)、最新の火災情報とそのガス情報と共に、火災通報をガスセンタ30に、通信回線36を介して送信する(S24)。図3には示されていないが、その場合、セキュリティ装置30は、図2に示した通り、一旦ガスメータ10にガス遮断を命令し、ガス遮断済みを確認してその情報も通報に加える。
【0040】
セキュリティ装置30は、ガス情報に揚げ物調理中を示す情報が含まれていない場合は(S18)、火災監視体制を継続し火災警報器22に火災情報の問い合わせを続ける(S20)。そして、火災情報の検出温度Tが火災警報を発する設定温度、例えば65℃、を越えている場合は(S22)、ガス情報から揚げ物調理中の情報が得られなくても、最新火災情報とガス情報を添付してガスセンタ40に通報する(S24)。
【0041】
ステップS24にてガスセンタ40に火災情報とガス情報を送信する場合、検出温度そのもののデータではなく、例えば55℃〜60℃、60℃〜65℃、65℃超に対応するデータ等に加工してデータ量を減らして送信する。
【0042】
図4は、ガスセンタでの動作例を示すフローチャート図である。ガスセンタ40は、セキュリティ装置30から通報を受けると(S30(1))、通報と共に送信された火災情報とガス情報に対応して、第1に所轄の消防署に自動通報するか、第2に顧客宅が不在であることを確認して所轄の消防署に自動通報するか、第3にガスセンタの監視員が電話などを通じて顧客対応をするかのいずれをすべきかを判断する。
【0043】
図4に示した動作例では、ガス情報から揚げ物調理中の蓋然性が高いとの判断ができなくても、火災情報から検出温度が設定温度(65℃)を越えている場合は(S30(2))、ガスセンタ40は所轄の消防署42に自動的に通報を行う(S32)。この通報には、住所や建物形態などの顧客情報とガス遮断情報などが含まれる。
【0044】
ガスセンタ40は、ガス情報から揚げ物調理中の蓋然性が高いとの判断ができる場合は、火災情報から検出温度が設定温度(65℃)より低い予備的な温度(60℃)を越えていれば(S30(3))、所轄の消防署に自動通報を行う(S32)。揚げ物調理中の蓋然性が高い場合は、住宅火災の約80%を示す所謂天ぷら火災の発生の蓋然性が高いので、かかる状況の場合は、保安レベルを高くして自動通報により消防署からの出動を要請することが望ましい。
【0045】
ガスセンタ40は、ガス情報から揚げ物調理中の蓋然性が高いとの判断ができる場合であるが、但し火災情報から検出温度が予備的火災検知用の温度(55℃)を越えている場合は(S30(4))、消防署に自動通報をするほどの保安レベルにないので、一旦顧客宅に電話する(S34)。この顧客宅への電話は、ガスセンタ40のコンピュータにより機械的に行うことが可能である。そして、顧客宅が不在か否かのチェックを行う。
【0046】
天ぷら火災の典型的な原因は、揚げ物調理中にかかってきた電話に応答しているうちに、油に引火してしまうことが多い。そして、一旦油に引火すると、ガス栓を遮断しても火勢は小さくなるものの火災を完全に防止できるとはいえない。そこで、ガスセンタ40から顧客宅に電話をし、話中であれば強制的に割り込みをかけるなどをして、顧客に火災に至る状況にあることを知らしめる。この場合、顧客宅の電話から応答が有る場合は、ガスセンタ40の監視員が適切な対応をすることができる(S38)。しかし、電話の応答がなく不在中であることが判明すると(S36)、ガスセンタ40のコンピュータは、所轄の消防署に自動通報する(S32)。
【0047】
図4のフローチャートは、ガスセンタ40の動作例を示す。セキュリティ装置30が、図3に示した様な判断機能を有しない場合は、セキュリティ装置30は、火災情報とガス情報を通報と共にガスセンタ40に送信し、ガスセンタ40にて、それらの情報に従って、上記図3、4と同様の判断を行うこともできる。
【0048】
図5は、セキュリティ装置の別の動作例を示すフローチャート図である。この例では、セキュリティ装置30がガスメータ10から揚げ物調理中の蓋然性が高いことを検知した旨の信号を受信したときから(S42)、起動して(S44)、火災監視体制に入る。そして、セキュリティ装置30は、火災警報器22に火災情報の問い合わせを行い(S46)、顧客宅の温度や煙が所定の予備的温度或いは濃度に達しているか否かのチェックを行う(S48)。図5の例では、火災情報の検出温度が予備的温度(55℃)を越えているか否かのチェックを行う。
【0049】
そして、火災情報の検出温度が予備的温度(55℃)を越えていることが検出されると(S48)、セキュリティ装置30は、電話回線36を介してガスセンタ40に最新の火災情報とガス情報と共に火災予知の警報を送信する(S50)。この時、図示しないが、セキュリティ装置30は、ガスメータ10にガス栓の遮断を命令し、ガス遮断情報もガスセンタ40に通知する。そして、セキュリティ装置30は、更に火災監視体制を継続し、火災警報器22に火災情報の問い合わせを一定の間隔で継続し(S52)、その都度最新火災情報をガスセンタ40に送信する(S50)。
【0050】
ガス栓を遮断したことに伴い、或いは別の何らかの原因で火災情報の検知温度が予備的温度(55℃)より低くなると、火災監視体制は解除される(S54)。
【0051】
図5に示したセキュリティ装置30の動作例の場合も、図4に示したガスセンタ40での動作に変更はない。ガスセンタ40では、通報と共に送信された最新火災情報とガス情報に従って、消防署42に自動通報、または、顧客宅の不在を確認してから自動通報、または電話による顧客対応のいずれかの動作が行われる。
【0052】
[揚げ物調理中の検知方法]
上記の保安システムにおいて、ガスメータ10がガス流量から顧客が揚げ物調理中の蓋然性が高いことを検出することを説明した。そこで、かかる検出の方法を説明する。
【0053】
図6は、揚げ物調理中を検知する方法を説明する図である。図中、横軸は時間を、縦軸は揚げ物の油の温度(℃)とガスコンロのガス使用量(Kcal)とを示す。図中Tは、一般的な揚げ物調理における油の温度の推移を示す。また、図中Gは、その場合のガス使用量の推移を示す。
【0054】
一般的な揚げ物調理では、時刻t0からt1まで、ガスコンロの最大ガス流量(例2800Kcal)またはそれに近いガス流量に制御して、油の温度を約180℃まで上昇させる。その後、ガスコンロのガス流量が最低レベル(例500Kcal)またはそれに近いガス流量にされ、油の温度の上昇が止まりやや下がり始める。時刻t2は、油の中に素材が入れられる時間であり、ガスコンロのガス流量は中程度(例1600Kcal)に制御されるが、素材を投入したことで油の温度の下降は大きくなる。そして、再度時刻t3でガス流量を最大またはそれに近い流量にすることで、油の温度Tは再度上昇し、最後は時刻t5で油の温度が約190℃に達した時点で素材が油のなかから取り出され、同時にガスコンロのガスも停止される。最後の油の温度を最初の180℃からやや高い190℃まで上昇させてから素材を取り出すことで、からっと感が出ることが知られている。
【0055】
但し、一般家庭での揚げ物調理におけるガス流量は、各家庭毎にまちまちである。しかしながら、最初に最大ガス流量で油の温度を180℃程度まで上昇させてから、一旦ガス流量を最小限に絞り、その後、最大が図流量と最小ガス流量との間で適宜ガス流量の制御が行われることは、多くの家庭での揚げ物調理において共通することである。時刻t2以降から最後の時刻t5までのガス流量の制御は、各家庭でまちまちであるが、少なくともガスコンロの最大ガス量と最小ガス量との間で、一定時間制御されることは、多くの家庭で共通である。
【0056】
次に、ガスコンロの最大ガス流量は、他の一般的なガス機器である、風呂給湯器やガスルームエアコンの使用するガス流量よりも小さい傾向にある。例えば、風呂給湯器のガス流量は、約40000Kcal以上であり、ガスルームエアコンのガス流量は、約5000Kcalである。従って、ガスコンロが単独で使用されている場合は、これらの他の大型のガス機器の使用ではなく、ガスコンロ単独の使用であることが、ある程度の精度を持って検出することができる。
【0057】
そこで、ガスメータ10或いはセキュリティ装置30が顧客宅で揚げ物調理中である蓋然性が高いことを検出するためには、ガスの使用量の推移を監視または分析し、ガスコンロの単独使用中にガス使用量が最初は最大ガス流量またはそれに近い流量に制御され、一定時間後に最小ガス流量またはそれに近い流量に一旦低下制御され、その後最小ガス流量と最大ガス流量との間のガス流量で比較的長い時間制御される場合に、揚げ物調理中の蓋然性が高いと判断することができる。或いは、揚げ物調理中に電話を受信して長時間ガスコンロから離れてしまう場合は、上記の最小ガス流量と最大ガス流量との間のガス流量で比較的長い時間制御される時に、継続して一定のガス流量に固定されてしまう。従って、この点も揚げ物調理中の判断材料にすることができる。
【0058】
従って、ガスメータ10に内蔵されるマイクロコンピュータが、ガス流量の履歴を記録し、そのガス履歴に上記のような一定のパターンのガス使用量の推移を検出すると、上記保安システムの如く揚げ物調理中の蓋然性が高い旨の警報を、セキュリティ装置30に送信することができる。或いは、セキュリティ装置30のマイクロコンピュータが、同様の判断をすることも可能である。
【0059】
上記の揚げ物調理中の検出ロジックは、他のガス使用態様時であっても、揚げ物調理中の蓋然性が高いと判断する可能性がある。しかしながら、住宅火災の約80%が天ぷら火災であることを考慮すると、多少の雑音は含まれていても、ガス使用量から揚げ物調理中の蓋然性が高いことが検出されると、そのガス情報と共に火災情報をガスセンタ40に送信することで、上記した如き自動通報、不在時の自動通報、電話による顧客対応などの、それぞれの保安レベルに応じたより適切な保安措置を講じることが可能になる。ガス情報を利用することにより、火災発生の検出確率を高くし、誤報の確率を低くしている。従って、この保安システムは、消防署への自動通報を可能にする。
【0060】
図7は、火災警報があるがガス流量がない場合の保安システムの動作フローチャート図である。保安システムは、図2に示した通りであり、各構成要素が有する機能も上述してきたのと同じである。
【0061】
図7の場合も、図示される通り、火災警報器22が予備的火災検知をすると、セキュリティ装置30に通知し(S10)、セキュリティ装置30が起動し(S12)、ガスメータ10に問い合わせを行って少なくともガス流量があるか否かのガス情報を収集する(S16)。ここでは、ガス流量が無いとのガス情報が、ガスメータ10から返信される。
【0062】
そこで、セキュリティ装置30は、火災警報器からの火災情報とガスメータからのガス流量なしとのガス情報から通報すべきか否かを判断する(S18)。この判断ロジックは、図3に示された判断論理と同じである。即ち、図3を参照すると、ガス流量がない場合でも火災警報器22からの予備的火災検知を受信していると、セキュリティ装置は火災監視体制になり、火災警報器22から最新の火災情報を収集する(S20)。そして、火災情報の検知温度が、設定温度(65℃)を越えたことが検出されると、セキュリティ装置は、最新火災情報とガス情報と共にガスセンタ40に通報する。なお、この通報に先立って、セキュリティ装置30は、火災発生の蓋然性が高くガスへの引火のおそれがあるので、ガスメータ10に対してガス栓の遮断命令を発する(S19)。そして、遮断情報が通報と共にガスセンタ40に送信される。
【0063】
ガスセンタ40への通報の方法は、火災警報があってガス流量があった場合の例と同様である。即ち、セキュリティ装置30がある程度情報を加工して、データ量を少なくしてガスセンタ40に電話回線36を通じて送信する。
【0064】
ガスセンタ40では、セキュリティ装置30から送られる通報と共にガス情報と火災情報とを受信し、ガスセンタ40のコンピュータシステムは、これらの情報に従って、所轄の消防署に自動通報すべきか否かを判断する(S30)。ここでの判断と、その後の警察署への自動通報、不在確認後に自動通報、または電話で顧客対応は、上述の例と同じである。但し、この例では、ガス流量が無いので揚げ物調理中の蓋然性が高い等のガス情報は存在しないので、例えば、火災情報の検出温度が設定温度(65℃)を大きく越えている等の火災が発生している蓋然性が非常に高いことを火災情報が知らせる場合は(S30)、消防署への自動通報(S32)に至る。
【0065】
また、火災情報から自動通報するほどの保安レベルではない場合は、ガスセンタ30のコンピュータにより顧客宅の電話34に電話をする(S34)。そして、応答がない場合は、不在であると判断して(S36)、消防署42に自動通報を行う。また、応答が有る場合は、その後ガスセンタ40内の人間により電話を通じて適切な顧客対応が行われる。
【0066】
図7の場合、火災警報などの火災情報と、ガス不使用中とのガス情報に従い、火災発生の蓋然性が高い場合は、引火防止のためにガス栓を遮断し、必要に応じてガスセンタ40から所轄の消防署に自動通報される。従って、火災情報とガス情報に基づく最適な保安活動を行うことができる。
【0067】
[火災警報器とガスメータ利用による保安システムの変形例]
図1などで説明した保安システムでは、火災警報器からの火災警報に応答して、セキュリティ装置がガスメータに対してガス遮断を命じている。しかしながら、かかる保安システムの変形例として、図1に示される通り、火災警報器とガスメータを直接接続して、火災警報器から火災警報が発せられる場合は、セキュリティ装置を介することなく、直接ガスメータのガス遮断弁を駆動させて、ガス流路を遮断することもできる。
【0068】
一般に普及しているガスメータには、ガス遮断弁を駆動させる為の外部端子を有する。従って、この外部端子に火災警報器からの警報の信号を与えることにより、直接ガス遮断弁を遮断することができる。そして、その場合は、上記した保安システムにおいては、単にセキュリティ装置によるガス遮断命令が省略される。従って、ガスメータからのガス遮断情報は、上記と同様にセキュリティ装置に送られ、セキュリティ装置はガスセンタにそのガス遮断情報を送信することができる。
【0069】
ガスメータによっては、ガス遮断機能を有しない場合がある。その場合は、ガスメータから顧客宅側のガス配管内にガス遮断装置を取り付け、火災警報器からの信号をこのガス遮断装置に与えて、ローカルにガス遮断を行うようにしても良い。或いは、天ぷら火災が火災の原因の一つであることから、天ぷら調理が行われるガスコンロのガス供給口のところにガス遮断装置を取り付けて、火災警報器からの警報信号に応答して、ガス遮断装置を駆動させても良い。即ち、ガス遮断機能を有しないガスメータであっても、上記の如くガス遮断装置を適宜設けることで、火災警報器との連携でガスを遮断させ、天ぷら火災の発生確率を抑えることができる。
【0070】
[CO警報器とガスメータ利用による保安システム]
図8は、CO警報とガス流量がある場合の保安システムの動作フローチャート図である。CO警報器24は、CO濃度検出機能を有し、例えば120PPMなどのCO警報用の設定濃度を超える濃度が検出される場合に、警報音を発する。また、CO警報器24は、好ましくは、検出したCO濃度の情報をセキュリティ装置30に送信することができる。かかる点は、火災警報器22が、火災警報を発することができると同時に火災情報をセキュリティ装置30に送信することができることと同様である。CO濃度が一定の値を超えている場合は、ガスを燃焼しているガス機器が不完全燃焼をしている場合、他の燃焼機器が不完全燃焼をしている場合、初期火災を起こしている場合等が可能性として考えられる。そこで、この保安システムでは、ガス情報とCO情報とに従って、適切な保安活動を行う。
【0071】
図8のフローチャートは、図2のフローチャートと類似し、対応する箇所には同じステップ番号をつけている。本保安システムでは、セキュリティ装置30は、図3に示したフローチャートに従って動作する。即ち、CO警報器24が検出したCO濃度が予備的火災につながる程度の値(例えば90PPM)に達していると、CO警報器24から予備的火災検知の信号がセキュリティ装置30に送信される(S10)。その結果、セキュリティ装置30が起動し、火災監視体制になる(S12)。そして、セキュリティ装置30は、CO警報器24によるCO値が予備的濃度(100PPM)を越えていることが判明すると(S14)、ガスメータ10に対してガス情報を問い合わせる(S16)。ガスメータ10は、例えばガス流量がある旨のガス情報を送信する。CO濃度と揚げ物調理中との間の関連性は、火災警報の場合よりも薄いが、揚げ物調理中の油への引火により初期火災が発生場合も考えられるので、ガスメータ10から揚げ物調理中の蓋然性が高いか否かの情報もガス情報として送信される。
【0072】
また、セキュリティ装置30は、CO情報とガス情報とからガスセンタ40に通報すべきか否かの判断を行う(S18)。例えば、ガス情報が揚げ物調理中の蓋然性が高い旨の情報を含む場合は、CO濃度が予備的濃度(例えば100PPM)しか越えていなくても、最新のCO情報とガス情報と共にガスセンタ30に自動的に通知する(S24)。また、ガス情報が揚げ物調理中の蓋然性が高い旨の情報を含まない場合は、引き続きCO警報器24にCO情報を問い合わせし(S20)、CO値が火災警報を発する原因となる程度の高い値(例えば120PPM)を越えると(S22)、最新CO情報及びガス情報と共に、ガスセンタ30に通報する(S24)。
【0073】
ガスメータ10からのガス情報に揚げ物調理中の蓋然性が高いか否かの情報が含まれない場合は、単にCO濃度が火災警報を発する原因となる程度に高い値(例えば120PPM)を越えると(S22)、ガスセンタ30に通報がなされる(S24)。
【0074】
更に、セキュリティ装置30は、CO情報が所定のCO濃度を超えていることを示す場合は、ガスメータ10にガス栓の遮断を命令する(S19)。そして、ガス遮断された旨の情報がガスメータ10から返信される。CO濃度が所定の値を超えていてガスが使用中である場合は、ガスの使用によりガス燃焼器が不完全燃焼を起こしている可能性がある。そこで、ガス栓の遮断によりガス燃焼機器の不完全燃焼が止まる可能性があり、セキュリティ装置30は、CO警報器24に対する監視を継続し、CO値が低下するか否かをチェックする(S25)。セキュリティ装置30は、CO値が低下した場合は、その情報もガスセンタ40に送信する。
【0075】
ガスセンタ40での動作例は、図4の例と同様である。但し、CO濃度の上昇に対しては、ガス流量が存在する場合は、ガス燃焼機器による不完全燃焼の可能性が高く、セキュリティ装置30からの指令によりガスメータ10がガス栓を遮断すれば、CO値が低下する場合がある。従って、ガスセンタ40は、CO濃度が非常に高い(例えば500PPM)場合は例外的に消防署に自動通報するが、それ以外の場合は、顧客宅に電話し(S34)、不在が確認された場合は(S36)、顧客情報と共に消防署に自動通報するか(S32)、或いは、不在でなければ適切な顧客対応がなされる(S38)。
【0076】
従って、図8中のステップS30でのガスセンタ40の判断フローは、第1にCO情報に非常に高いCO値の検出が含まれる場合は、所轄の消防署に自動通報を行い(S32)、第2にCO値が設定値(例えば120PPM)を越えている場合は、顧客宅に電話し、不在が確認された時のみ消防署42に自動通報を行う。そして、第3に、顧客宅と電話連絡がとれた場合は、電話による適切な対応がなされる。
【0077】
上記の保安システムにおいて、CO警報に応答して消防署への自動通報を行うことが好ましくない場合は、上記のステップS30からS32への経路を省略してもよい。この場合は、顧客宅が不在であることを確認した時のみ、所轄の消防署への自動通報が行われる。
【0078】
図9は、CO警報とガス流量がない場合の保安システムの動作フローチャート図である。図8と対応する部分には同じ引用番号を与えた。図9の例でも、最初にCO警報器24が、予備的な火災検知に対応するCO値(例えば100PPM)を検知すると、セキュリティ装置30に通知する。その結果、セキュリティ装置30は起動し火災監視体制になる(S12)。そして、セキュリティ装置30は、ガスメータ10にガス情報の問い合わせを行う(S16)。ガスメータ10は、ここの例ではガス流量なしとのガス情報を返信する。
【0079】
その結果、セキュリティ装置30は、図8の場合と同様に、図3のフローチャートに従って、その後のCO濃度の監視を継続し(S20)、CO濃度が設定濃度(例えば120PPM)を越えたことが検出されると(S22)、ガスセンタ40にガス情報及びCO情報と共に通報する(S24)。ガス流量がないので、セキュリティ装置30はガスメータにガス栓の遮断を命令することはない。
【0080】
CO濃度がある程度高いが、ガスが使用されていない場合は、ガス燃焼機器による不完全燃焼の可能性はなく、従って、初期火災が発生している可能性が比較的高くなる。そこで、ガスセンタ40のコンピュータは、CO濃度が非常に高い(例えば500PPM)場合は例外的に消防署に自動通報するが、それ以外の場合は、顧客宅に電話し(S34)、不在が確認された場合は(S36)、顧客情報と共に消防署に自動通報するか(S32)、或いは、不在でなければ適切な顧客対応がなされる(S38)。従って、図8中のステップS30でのガスセンタ40の判断フローは、図8の場合と同じである。この場合も、上記工程において、ステップS30からS32への自動通報の経路を省略してもよい。
【0081】
[ガス漏れ警報器とガスメータによる保安システム]
次に、ガス漏れ警報器26とガスメータ10による保安システムについて説明する。ガス漏れ警報器26は、ガスの配管14やガス導管12等が漏洩したり、ガス燃焼中だったガス機器の炎が立ち消えしてガス機器からガスが燃焼されずに漏洩したりすると、屋内のメタンガス濃度を検出し、ガス漏れ警報を発する。従って、ガス漏れは火災とは直接の関係は乏しい。従って、この保安システムでは、ガス使用中にガス漏れが検出されると、まずガスメータ10にガス栓の遮断を命じ、その後のガス漏れがなくなるか否かを監視する。また、ガス漏れが検出されるとガスセンタ40に通報され、ガスセンタ40から顧客宅に電話連絡され、適切な対応がなされる。一方、ガス漏れが検出されたがガスメータからガス流量なしとのガス情報が供給された場合は、ガス栓を遮断してもガス漏れの解決にならないので、ガスセンタ40からガス保安部隊46に出動要請がなされる。
【0082】
図10は、ガス漏れ警報がありガス流量がある場合の保安システムの動作フローチャート図である。ガス漏れ警報器26が、ガス漏れを検出すると、セキュリティ装置30に通知し、セキュリティ装置30は起動する(S12)。これによりセキュリティ装置30は、ガス漏れ監視体制に入る。そこで、セキュリティ装置30は、ガスメータ10にガス流量があるか否かのガス情報を問い合わせる(S16)。そして、ガス流量ありとのガス情報を受信すると、セキュリティ装置30は、ガスメータ10にガス遮断を命ずる(S19)。これに応答してガスメータはガス遮断弁を閉じ、ガス遮断情報を返信する。
【0083】
次に、セキュリティ装置30は、ガス情報、ガス漏れ情報及びガス遮断情報と共にガスセンタ40に通報する(S24)。そして、セキュリティ装置30は、その後、ガス濃度の低下がないか否かの監視を行う(S60)。ガス濃度の推移を適宜ガスセンタ40に通知する。ガスセンタ40は、顧客宅に電話連絡し、ガス漏れが発生していることを伝え、適切な措置或いは避難を要請する(S62)。この対応は、ガスセンタ40の作業員による。
【0084】
なお、ガス遮断後のガス濃度の低下の監視は、セキュリティ装置30ではなく、ガスセンタ40のコンピュータによって行われてもよい。その場合は、一定の時間後に、ガスセンタ40からセキュリティ装置30にガス濃度検出命令が出され、それに応答して、セキュリティ装置30がガス漏れ警報器26から検出されたガス濃度の情報を収集し、ガスセンタ40に通信により伝える。
【0085】
図11は、ガス漏れ警報がありガス流量がない場合の保安システムの動作フローチャート図である。この場合は、ガス漏れ検知からガス情報の取得までは、図10と同じである。ガス流量がないことが検出されると、セキュリティ装置30は、ガス情報、ガス漏れ情報、ガス遮断されていないことと共に、電話回線を通じてガスセンタ40に通報する(S24)。
【0086】
この場合は、顧客宅内のガス配管14やガス器具からのガス漏れではなく、ガス 導管12からの漏れたガスが屋内に進入している可能性があり、ガスメータ10によるガス遮断を行うことなく、ガスセンタ40は、ガス保安部隊46に出動を要請する(S64)。ガス保安部隊46は、これに応答して出動する(S66)。そして、ガスセンタ40は、更に顧客宅に電話にて連絡をし、避難要請などを行う(S62)。この顧客対応は、ガスセンタ40の作業員により行われる。
本発明におけるセキュリティ装置30とガスセンタ40のコンピュータとの機能の関係は、上記の実施の形態例に限定されない。ガスセンタ40が上記説明したセキュリティ装置30の一部の機能を有することもできる。一方、セキュリティ装置30が上記説明したガスセンタ40の一部の機能を有することもできる。
【0087】
[ガスセンタから消防署への自動通報]
次に、ガスセンタ40から消防署42への自動通報動作について説明する。図12は、自動通報動作のフローチャートである。図12において、ガスセンタ40のコンピュータシステムは、セキュリティ装置30から火災情報、ガス情報、ガス漏れ情報及びCO情報などの情報を受信し、消防署42への自動通報と判断すると(S70)、顧客情報データベース48から後述する通報用顧客情報を選択する(S71)。
【0088】
図13は、顧客情報データベース48の構成を示す図である。顧客情報データベース48は、ガスの利用契約をしている全顧客の顧客基本情報ファイル481(氏名、住所、電話番号、口座番号など)、全顧客の住所を含む地図データファイル482及び通報用顧客情報ファイル483を有する。通報用顧客情報ファイル483は、本実施の形態において特徴的なデータファイルであって、セキュリティ装置30を設置する各顧客毎にあらかじめ作成される顧客情報を格納する。
【0089】
通報用顧客情報ファイル483の各顧客情報は、例えば、顧客の氏名、住所、電話番号などの基本情報に加えて、住宅情報を有する。住宅情報は、例えば、顧客の家が、住居か商店か、或いはマンション又は一戸建てであるか、マンションならば何階建ての何階に住んでいるか、一戸建てであれば、何階建ての住宅か、木造か鉄骨か等の住宅の形状や構造に関する情報等である。また、家族構成情報を有していてもよい。さらに、通報用顧客情報ファイル483の各顧客情報は、地図データ482のうち、顧客の家及びその近隣部分を切り出した近隣地図データを有する。
【0090】
図14は、通報用顧客情報ファイル483内の顧客情報の近隣地図データの例である。図14では、例として建物aに住む顧客の近隣地図データが示される。
【0091】
図12に戻って、ガスセンタ40のコンピュータシステムは、上述したような通報用顧客情報ファイル483から対応する顧客情報を選択すると、その中に最低限必要な情報(氏名、住所、電話番号などの基本情報)が登録されているかどうかをチェックし(S72)、含まれていない場合は、ディスプレイにエラー表示をしたり、アラームを鳴らし、ガスセンタ40内の保安員がマニュアルで対応する(S73)。含まれている場合、顧客情報を以下の所定の通信手段で消防署42に自動通報する(S74a、S74b、S74c)。
【0092】
所定の通信手段は、具体的には、(1)顧客情報を音声データ化して電話による自動通報(S74a)、(2)FAXによる自動通報(S74b)、(3)電子メールによる自動通報(S74c)のいずれか一つ又は2つ以上の組み合わせである。顧客情報では、近隣地図データ以外の基本情報や住宅情報などはあらかじめテキストデータ化され、近隣地図データも汎用的なフォーマットで画像データ化されている。従って、(1)音声データ化による電話通報において、選択した顧客情報のうちの画像データである近隣地図データ以外の情報は、容易に音声データ化できるので、瞬時に消防署に音声によって自動通報することができる。なお、電話通報の場合は、近隣地図データはFAX又は電子メールで並行して送信される。また、(2)FAX通報及び(3)電子メール通報においても、選択した顧客情報は容易にFAXデータ化、電子メール化することができるので、瞬時に消防署に通報することができる。
【0093】
このように、本発明の実施の形態では、顧客毎に通報用の顧客情報を、送信可能なフォーマットであらかじめ作成し、顧客情報データベース48の通報用顧客情報ファイル483に登録しておく。これにより、自動通報する際に、対応する顧客の顧客情報を選択するだけで、顧客情報を消防署に通報することが可能となる。即ち、データベース内を検索して顧客情報を作成する時間や顧客情報を送信可能なフォーマットに変換する時間などを短縮することができるので、顧客情報を瞬時に消防署に通報することができる。
【0094】
なお、顧客の住所によって消防署の通報先が異なる。例えば、通報先は、消防本部の集中通報センタや、それぞれ所轄の消防署であったりする。通報先が集中通報センタである場合、通報は、集中通報センタから顧客の住所を管轄する消防署に転送され、そこから消防車が出動する。このように、複数の通報先が存在する場合、通報先に応じて、利用できる通信手段が異なる場合も想定される。従って、通報用の顧客情報には、通報先の名前や連絡番号、及びそこへの通信手段の種類などの通報先情報があらかじめ登録されていてもよい。
【0095】
通信手段は、音声データによる電話通報、FAX通報及び電子メール通報のいずれか一つであってもよいし、二つ以上の組み合わせであってもよい。例えば、電話通報とFAX通報が並行して同時に行われてもよいし、全ての通信手段を使って送信されてもよい。また、通報先が利用可能な通信手段が複数ある場合、通報先情報として、利用される通信手段の優先順位が登録されてもよい。例えば、第一順位として、電話通報とFAX通報の組み合わせが登録され、FAXが通じない場合、第二順位として、FAX通報の代わりに電子メール通報が登録されてもよい。
【0096】
また、通報先も、集中通報センタ及び所轄の消防署のいずれかに限定されず、消防サイドの依頼に応じて、両方に通報してもよい。さらには、無線通信(例えば、携帯電話やノートパソコンのような携帯端末によるインターネット通信)を利用して消防車に通報してもよい。
【0097】
また、上述の実施の形態では、通報用顧客情報ファイル483は、あらかじめ作成されてデータベース48に登録されているが、通報用顧客情報ファイル483は、自動通報の際に、顧客基本情報ファイル481及び地図データファイル482などに基づいて作成されてもよい。この場合、データベース48は、上述の各顧客の住宅情報及び家族構成情報などを格納するためのデータファイルを有し、基本情報ファイル481とともに、検索によって各情報が抽出され、所定の送信フォーマット(テキストファイル形式など)に変換される。さらに、地図データファイル482から、顧客宅を中心とした所定範囲の近隣地図が切り出され、所定の送信フォーマットに変換される。
【0098】
以上、本発明の保護範囲は、上記の実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物にまで及ぶものである。
【0099】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、ガス情報と火災情報、ガス情報とCO情報、またはガス情報とガス漏れ情報とを利用して迅速に最も適切な保安活動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例における保安システムの構成図である。
【図2】火災警報とガス流量がある場合の保安システムの動作フローチャート図である。
【図3】セキュリティ装置の動作例を示すフローチャート図である。
【図4】ガスセンタの動作例を示すフローチャート図である。
【図5】セキュリティ装置の別の動作例を示すフローチャート図である。
【図6】揚げ物調理中を検知する方法を説明する図である。
【図7】火災警報があるがガス流量がない場合の保安システムの動作フローチャート図である。
【図8】CO警報とガス流量がある場合の保安システムの動作フローチャート図である。
【図9】CO警報とガス流量がない場合の保安システムの動作フローチャート図である。
【図10】ガス漏れ警報がありガス流量がある場合の保安システムの動作フローチャート図である。
【図11】ガス漏れ警報がありガス流量がない場合の保安システムの動作フローチャート図である。
【図12】自動通報動作のフローチャートである。
【図13】顧客情報データベース48の構成を示す図である。
【図14】通報用顧客情報483の近隣地図データの例である。
【符号の説明】
10 ガスメータ
20 警報器
22 火災警報器
24 CO警報器
26 ガス漏れ警報器
30 セキュリティ装置
40 ガスセンタ
42 消防署
44 ガス保安部隊
48 顧客情報データベース
Claims (12)
- 消防署への緊急連絡を可能にする保安システムにおいて、
顧客宅に設置され、ガス流量を測定するガスメータと、
前記顧客宅に設置される火災警報器と、
前記顧客宅に設置され、前記ガスメータと火災警報器に通信可能に接続され、前記ガスメータからガス情報を前記火災警報器から火災情報を受信するセキュリティ装置と、
前記セキュリティ装置と通信回線を介して接続され、前記セキュリティ装置から前記火災情報及びガス情報と共に通報を受信するガスセンタとを有し、
前記ガスセンタは、前記火災情報が火災警報用の設定温度より低い予備的温度以上であり、前記ガス情報がガス使用中であることを示す場合は、消防署に自動通報する第1の動作を行い、更に、前記火災情報が前記予備的温度未満であり、前記ガス情報がガス使用中であることを示す場合は、一旦顧客宅に電話し不在確認後に自動通報する第2の動作を行うことを特徴とする保安システム。 - 消防署への緊急連絡を可能にする保安システムにおいて、
顧客宅に設置され、ガス流量を測定するガスメータと、
前記顧客宅に設置される火災警報器と、
前記顧客宅に設置され、前記ガスメータと火災警報器に通信可能に接続され、前記ガスメータからガス情報を前記火災警報器から火災情報を受信するセキュリティ装置と、
前記セキュリティ装置と通信回線を介して接続され、前記セキュリティ装置から前記火災情報及びガス情報と共に通報を受信するガスセンタとを有し、
前記ガスセンタは、前記火災情報が火災警報用の設定温度より低い予備的温度以上であり、前記ガス情報が揚げ物調理中に対応するガス使用状態であることを示す場合は、消防署に自動通報する第1の動作を行い、更に、前記火災情報が前記予備的温度未満であり、
前記ガス情報が揚げ物調理中に対応するガス使用状態であることを示す場合は、一旦顧客宅に電話し不在確認後に自動通報する第2の動作を行うことを特徴とする保安システム。 - 請求項1又は2において、
前記ガスセンタは、前記火災情報が火災警報用の設定温度以上であることを示す場合は、前記第1の動作を行うことを特徴とする保安システム。 - 請求項1又は2において、
前記ガスセンタは、前記火災情報が火災警報用の設定温度以上であり、前記ガス情報がガス使用中であることを示す場合は、前記第1の動作を行うことを特徴とする保安システム。 - 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記セキュリティ装置は、前記火災情報が前記設定温度以上であり、前記ガス情報がガス使用中であることを示す場合は、前記ガスメータに供給ガスの遮断をさせ、ガス遮断情報を前記ガス情報に含めて前記ガスセンタに送信することを特徴とする保安システム。 - 請求項1又は2において、
前記ガスセンタは、前記火災情報が火災警報用の設定温度以上であり、前記ガス情報がガス不使用中であることを示す場合は、前記第1の動作を行うことを特徴とする保安システム。 - 請求項1又は2において、
前記セキュリティ装置は、前記火災警報器からの所定の警報を受信した時に、前記ガスメータに前記ガス情報の問い合わせを行うことを特徴とする保安システム。 - 請求項7において、
前記セキュリティ装置は、前記ガス情報がガス使用中であることを示す場合は、前記火災情報及びガス情報と共に、前記ガスセンタに通報することを特徴とする保安システム。 - 請求項1又は2において、
前記セキュリティ装置は、前記ガスメータから所定のガス使用状況を示すガス情報を受信した時に、前記火災警報器に前記火災情報の問い合わせを行うことを特徴とする保安システム。 - 請求項9において、
前記セキュリティ装置は、前記火災情報が火災警報用の設定温度以上またはそれより低い予備的温度以上である場合は、前記火災情報及びガス情報と共に、前記ガスセンタに通報することを特徴とする保安システム。 - 請求項2において、
前記ガスメータは、ガス流量の履歴から、ガスコンロに対応する範囲のガス流量が検出され、前記ガスコンロの使用開始から第1の所定期間の間当該ガスコンロの最大ガス流量またはそれに近い流量の使用が行われ、その後、第2の所定期間の間当該ガスコンロの最小ガス流量またはそれに近い流量の使用が行われ、その後、第3の所定期間の間前記ガスコンロの最大ガス流量と最小ガス流量との間でガス流量の制御が行われていることが検出されるとき、揚げ物調理中に対応するガス使用状態を検出することを特徴とする保安システム。 - 請求項2において、
前記ガスメータは、ガス流量の履歴から、ガスコンロに対応する範囲のガス流量が検出され、前記ガスコンロの使用開始から第1の所定期間の間当該ガスコンロの最大ガス流量またはそれに近い流量の使用が行われ、その後、第2の所定期間の間当該ガスコンロの最小ガス流量またはそれに近い流量の使用が行われ、その後、第3の所定期間の間前記ガスコンロの最大ガス流量と最小ガス流量との間で一定のガス流量の制御が継続して行われていることが検出されるとき、揚げ物調理中に対応するガス使用状態を検出することを特徴とする保安システム。
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