JP3887906B2 - 電磁クラッチの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は動力伝達を断続する電磁クラッチの製造方法において、特に、電磁コイルをコイルハウジング内に絶縁固定するコイル固定方法の改良に関するもので、自動車用空調装置の冷凍サイクルの圧縮機駆動用として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用空調装置の冷凍サイクルの圧縮機は、電磁クラッチを介してエンジンに連結され、電磁クラッチによりエンジンからの動力伝達が断続されるようになっている。
この種の電磁クラッチにおけるコイル固定構造として、特開昭64−26032号公報にて提案されたものがあり、この従来技術では、環状に巻線した電磁コイルの円周方向の複数箇所に、接着剤付きの絶縁テープを部分的に巻き付けて、電磁コイルの巻線形状を維持するとともに、電磁コイルをコイルハウジング内に収納したときに、電磁コイル表面とコイルハウジングの内壁面との間に所定の間隙を確保するようにしている。そして、この間隙部に絶縁性の樹脂を成形することにより、電磁コイルを鉄系金属(強磁性体)からなるコイルハウジング内に絶縁固定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、電磁コイルの円周方向の複数箇所に部分的に巻き付けた絶縁テープにて、電磁コイル表面とコイルハウジングの内壁面との間に所定の間隙を確保するようにしているので、この所定間隙の確保のために、薄い絶縁テープの巻き付け回数を多くしなければならない。これは、絶縁テープの巻き付け回数を減らすと、絶縁テープの巻き付け部高さが減少するので、電磁コイルの巻線形状の変形、バラツキ等の理由で、電磁コイルのうち、絶縁テープの巻き付けられていない部分がコイルハウジングの内壁面に直接接触して、電磁コイルの絶縁不良を生じるからである。
【0004】
上記のように、絶縁テープの巻き付け回数が増えるため、絶縁テープの巻き付け工数が増加するとともに、接着剤付き絶縁テープの材料費が高くつくという不具合があった。
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、電磁コイルをコイルハウジング内に低コストで良好に絶縁固定できる電磁クラッチを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、電磁クラッチの電磁コイル(5)を断面コの字形状の2重円筒形状からなるコイルハウジング(4)内に収納し、固定するに当たって、
変形容易な、かつ、樹脂部材(6)の材料が浸透可能な電気絶縁材料からなる絶縁部材(14)を、断面コの字形状の2重円筒形状からなるコイルハウジング(4)の開口端(4c)上にコイルハウジング(4)の径方向内側および径方向外側にはみ出すように載置する工程と、
次に、電磁コイル(5)により絶縁部材(14)を押圧して、コイルハウジング(4)の内壁面に沿って断面コの字形状となるように絶縁部材(14)を変形し、電磁コイル(5)と絶縁部材(14)を同時にコイルハウジング(4)内に収納する工程と、
次に、この絶縁部材(14)により電磁コイル(5)の表面とコイルハウジング(4)の内壁面との間に所定の間隙(A)を保持した状態にて、電磁コイル(5)の表面とコイルハウジング(4)の内壁面との間に樹脂部材(6)を注入して成形する工程とを備えることを特徴としている。
【0006】
これによると、コイルハウジング(4)内に樹脂部材(6)を成形する際に、樹脂部材(6)の材料を上記間隙(A)の存在により、コイルハウジング(4)内の電磁コイル(5)の表面に行き渡らせることができる。この結果、電磁コイル(5)の表面とコイルハウジング(4)の内壁面との間に確実に樹脂部材(6)を介在させることができる。
しかも、絶縁部材(14)を、樹脂部材(6)の材料が浸透可能な材料で構成しているから、絶縁部材(14)の内部にも樹脂材料が浸透する。これらのことが相俟って、電磁コイル(5)をコイルハウジング4内に良好に電気絶縁して固定できる。
【0007】
しかも、変形容易な絶縁部材(14)を変形させてコイルハウジング(4)内に収納するだけで、電磁コイル(5)の表面とコイルハウジング(4)の内壁面との間に所定の間隙(A)を形成できるので、従来技術のように、薄い絶縁テープを多数回巻いて所定間隙を形成するという煩雑な作業を廃止でき、電磁コイル5の組付作業の生産性を大幅に向上できる。
【0008】
さらに、接着材付き絶縁テープに比して、絶縁部材(14)は接着機能不要な安価な材質で構成できるから、材料費も低減できる。
そして、請求項記載の発明では、電磁コイル(5)により絶縁部材(14)を押圧して、コイルハウジング(4)の内壁面に沿って断面コの字形状となるように絶縁部材(14)を変形し、電磁コイル(5)と絶縁部材(14)を同時にコイルハウジング(4)内に収納しているから、電磁コイル(5)の収納作業自体を利用して、絶縁部材(14)の収納を行うことができ、電磁コイル5の組付作業の生産性をさらに向上できる。
【0009】
また、請求項記載の発明のように、絶縁部材(14)として紐状のものを用い、絶縁部材(14)を真っ直ぐな紐状の形態からコイルハウジング(4)の内壁面に沿う形態に変形させるようにすれば、紐状という簡素な形状であるため、絶縁部材(14)の材料費を一層低減できる。
また、請求項記載の発明のように、絶縁部材(14)としてシート状のものを用い、絶縁部材(14)をシート状の形態からコイルハウジング(4)の内壁面に沿う形態に変形させるようにすれば、コイルハウジング(4)の内壁面と電磁コイル(5)の表面との間の間隙(A)の全域にわたって、絶縁部材(14)を介在させることができる。そのため、電磁コイル(5)の電気絶縁をより確実に行うことができる。
【0010】
また、請求項記載の発明のように、請求項において、電磁コイル(5)には、その環状の巻線状態を保持する保持部材(13)が円周方向の複数個所に装着されており、この複数の保持部材(13)相互の中間部位に位置するように、前記紐状の絶縁部材(14)を配置すれば、絶縁部材(14)が紐状であっても、コイル巻線状態保持用の保持部材(14)との共同作用により間隙(A)を形成できるので、電磁コイル(5)の巻線形状に若干の変形があっても、間隙(A)を形成しやすい。
また、請求項5記載の発明のように、請求項2または4において、電磁コイル(5)と紐状の絶縁部材(14)を同時にコイルハウジング(4)内に収納する工程において、具体的には、電磁コイル(5)により紐状の絶縁部材(14)の中央部位を押圧するようにすればよい。
【0012】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1実施形態)
先ず、最初に、本発明を適用する電磁クラッチの全体構造を図1に基づいて説明する。1は駆動側プーリで、図示しないベルトを介して自動車エンジンから回転力を受けて回転するものである。このプーリ1は多重Vベルトが係合される多重V溝を持ったプーリ部1aが一体形成されており、鉄系金属で製作されている。
【0014】
2は断面コの字形状の2重円筒形状に形成された駆動側ロータで、鉄系金属(強磁性体)で製作されており、プーリ1とは溶接等の接合手段で一体に接合されている。このロータ2の内周部には、ベアリング3が配置され、このベアリング3によりロータ2は図示しない圧縮機のフロントハウジングの円筒突出部上に回転自在に支持されるようになっている。ここで、圧縮機は自動車用空調装置の冷凍サイクルの冷媒圧縮用のものである。
【0015】
4は固定磁極部材としての役割を果たすコイルハウジングで、断面コの字形状の2重円筒形状に鉄系金属(強磁性体)で形成されている。このコイルハウジング4の内周側円筒部4aと外周側円筒部4bとの間の内側空間に電磁コイル5が樹脂部材6により絶縁固定されている。この樹脂部材6はエポキシ樹脂、不飽和ポリエステルのような比較的低温(130〜140°C)で成形できる樹脂材料をコイルハウジング4の内部空間に注入し成形したものである。
【0016】
また、コイルハウジング4はロータ2の断面コの字形状の内部空間内に微小隙間を介して配設されており、このコイルハウジング4の背面部には鉄系金属でリング状に形成されたステー7が点溶接等により接合されている。このステー7を介してコイルハウジング4は前記圧縮機のフロントハウジングに固定されるようになっている。
【0017】
ロータ2の半径方向に延びる摩擦面2aには円周方向に延びる円弧状の磁気遮断溝2b、2cが形成してあり、さらに半径方向外方の磁気遮断溝2bの部位には摩擦材2dが配設され、伝達トルクの向上を図るようにしてある。
8はロータ2の摩擦面2aに対向して配設されたアーマチャで、リング状に鉄系金属(強磁性体)で形成されている。このアーマチャ8は電磁コイル5の非通電時には後述する弾性部材9の弾性力によりロータ2の摩擦面2aから所定の微小距離離れた位置に保持されるようになっている。このアーマチャ8にも、円周方向に延びる円弧状の磁気遮断溝8aが形成されている。
【0018】
電磁コイル5への通電により発生する磁束が流れる磁気回路は、上記ロータ2、コイルハウジング4およびアーマチャ8により構成されている。
10は鉄系金属からなるリベットで、アーマチャ8を鉄系金属からなるリング状の保持部材11に固定するものである。弾性部材9は保持部材11の円筒部11aの内周面と、ハブ12の外側円筒部12aの外周面との間に配置され、この両部材11、12に対して一体成形されて一体に結合されている。
【0019】
弾性部材9は前記両部材11、12の間に円筒状に成形されており、その材質としては、自動車の使用環境温度範囲(−30°C〜120°)に対して、トルク伝達およびトルク変動吸収の面で優れた特性を発揮するゴムを用いることが好ましく、具体的には、塩素化ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム等のゴムがよい。
【0020】
ハブ12は鉄系金属にて形成されており、ハブ12の中心円筒部12bの内周には、前記圧縮機の回転軸(図示せず)がスプライン結合等により回り止め嵌合され、そしてハブ12と圧縮機の回転軸は図示しないボルトにより一体に締めつけ固定されている。
次に、上記構成を持つ電磁クラッチにおいて、第1実施形態の特徴とする電磁コイル5のコイルハウジング4への固定構造を具体的に説明する。
【0021】
図2〜図4は電磁コイル5の組付方法を示すもので、電磁コイル5は図2に示すように環状に巻線した後に、その環状の巻線状態を保持するために、電磁コイル5の円周方向の複数個所(図2の例では4箇所)に、接着材付きの紙質系テープ(電気絶縁材料)からなる保持部材13を巻き付けている。
そして、断面コの字形状の2重円筒形状に形成されたコイルハウジング4の開口端4c上に、紙質系材料(電気絶縁材料)からなる紐状の真っ直ぐな絶縁部材14を載置する。ここで、絶縁部材14は紙質系の紐状であるから変形容易なものであり、また、紐状の絶縁部材14は、複数の保持部材13相互の中間部位に位置するように配置する。
【0022】
次に、電磁コイル5をコイルハウジング4の開口端4cの上方から紐状の絶縁部材14の中央部位に押し当てて、電磁コイル5により紐状の絶縁部材14を下方へ押し曲げながら、電磁コイル5を紐状の絶縁部材14とともにコイルハウジング4の環状の内側空間4d内に収納する。図3はこの電磁コイル5および紐状の絶縁部材14をコイルハウジング4内に収納した後の状態を示している。
【0023】
ここで、絶縁部材14は例えば、直径2.5mm程度の太さを有する紐状の形状であって、この紐状の絶縁部材14の直径は、図3に示すように、絶縁部材14および電磁コイル5をコイルハウジング4の環状の内側空間4d内に収納した状態において、電磁コイル5の表面とコイルハウジング4の内壁面との間に所定の間隙Aを形成するために必要な大きさに設定してある。
【0024】
また、絶縁部材14の紐状形状の長さLは上記間隙Aにおいて電磁コイル5の表面に沿うコの字状形状のほぼ全長にわたって行き渡る長さに設定してある。
このような紐状の絶縁部材14を電磁コイル5の円周方向において4箇所配置することにより、上記間隙Aを確実に確保できる。この場合、紐状の絶縁部材14を複数の保持部材13相互の中間部位に位置させているから、コイル巻線状態保持のための複数の保持部材13を上記間隙Aの確保にも利用できる。そのため、電磁コイル5の巻線形状(環状)に若干の変形があっても、上記間隙Aを確保しやすい。
【0025】
次に、コイルハウジング4の環状の内側空間4d内に、開口端4c側から樹脂部材6の溶融状態の材料を注入して、樹脂部材6を図4に示すように成形する。ここで、樹脂部材6の溶融状態の材料は上記間隙Aの存在により、コイルハウジング4内の電磁コイル5表面の全域に行き渡るとともに、絶縁部材14および保持部材13がともに紙質系の材料からなり、樹脂材料が浸透可能なものであるから、これらの両部材13、14の内部にも樹脂材料が浸透する。
【0026】
この結果、電磁コイル5の表面とコイルハウジング4の内壁面との間に確実に、樹脂部材6を介在させることができ、電磁コイル5をコイルハウジング4内に良好に電気絶縁して固定できる。
また、以上の説明から理解されるように、変形容易な紐状の絶縁部材14を電磁コイル5により変形させながら、コイルハウジング4の内側空間4d内に収納することにより、電磁コイル5の表面とコイルハウジング4の内壁面との間に所定の間隙Aを形成できるので、従来技術のように、薄い絶縁テープを多数回巻いて所定間隙を形成するという煩雑な作業を廃止でき、電磁コイル5の組付作業の生産性を大幅に向上できる。
【0027】
また、接着材付き絶縁テープに比して、紙質系の紐状絶縁部材14ははるかに安価であるから、材料費のコストも低減できる。
次に、電磁クラッチとしての作動を簡単に説明すると、自動車エンジンの運転時には、エンジンのクランクプーリの回転が図示しないベルトを介してプーリ1に伝達され、このプーリ1と一体にロータ2は常時回転している。
【0028】
上記の状態において、自動車用空調装置を作動させるため、電磁コイル5に通電されると、コイルハウジング4からロータ2、およびアーマチャ8を経てコイルハウジング4に戻る磁気回路に磁束が流れる。これにより、ロータ2の摩擦面2aとアーマチャ8との間に電磁吸引力が発生するので、アーマチャ8は弾性部材9の軸方向弾性力(図1の左方向への力)に抗してロータ2の摩擦面2aに吸引、吸着される。
【0029】
この結果、ロータ2とアーマチャ8が一体となって回転し、さらにアーマチャ8からリベット10、保持部材11、および弾性部材9を介してハブ12に回転が伝達される。このハブ12には圧縮機の回転軸が一体に結合されているので、この圧縮機の回転軸にプーリ1の回転が伝達され、圧縮機が作動する。ここで、圧縮機4の正常運転時には、ゴム製の弾性部材9が圧縮機の作動によるトルク変動を吸収する役割を果たしている。
【0030】
そして、電磁コイル5への通電を遮断すれば、電磁吸引力が消滅するので、アーマチャ8は弾性部材9の軸方向弾性力によってロータ2の摩擦面2aから開離し、圧縮機の回転軸への回転伝達が遮断されて、圧縮機は停止状態となる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、絶縁部材14として、紙質系材料からなる紐状のものを用いているが、第2実施形態では、図5に示すように絶縁部材14としてリング状のシート形状のものを用いている。このシート状の絶縁部材14の材質は例えば、綿布製である。第1実施形態の紙質系のものと同様に、綿布は変形が容易で、かつ、樹脂部材6の樹脂材料が浸透可能な電気絶縁材である。絶縁部材14のリング形状の内周部には、4本の切れ目14aを入れて内周部の変形をよりスムーズに行うようにしてある。
【0031】
第2実施形態によると、図6に示すように、シート状の綿布からなる絶縁部材14を2重円筒形状のコイルハウジング4の開口端4c上に載置した後、電磁コイル5をコイルハウジング4の開口端4cの上方から絶縁部材14のリング形状の半径方向の中央部位を下方へ押し曲げながら、電磁コイル5をシート状の絶縁部材14とともにコイルハウジング4の環状の内側空間4d内に収納する。図6の右側部はこの電磁コイル5およびシート状絶縁部材14をコイルハウジング4内に収納した後の状態を示している。
【0032】
ここで、絶縁部材14は例えば、厚さ0.2〜0.3mm程度のシート状の形状であって、このシート状絶縁部材14の厚さは、図6の右側部に示すように、絶縁部材14および電磁コイル5をコイルハウジング4の環状の内側空間4d内に収納した状態において、電磁コイル5の表面とコイルハウジング4の内壁面との間に所定の間隙Aを形成するために必要な大きさに設定してある。
【0033】
また、絶縁部材14のリング形状の外径および内径は上記間隙Aにおいて電磁コイル5の表面に沿うコの字状形状のほぼ全長にわたって絶縁部材14が行き渡るために必要な大きさに設定してある。
電磁コイル5およびシート状絶縁部材14の収納後に、コイルハウジング4の環状の内側空間4d内に、開口端4c側から樹脂部材6の溶融状態の材料を注入して、樹脂部材6を成形する。
【0034】
第2実施形態においても、従来技術における、薄い絶縁テープを多数回巻いて所定間隙を形成するという煩雑な作業を廃止でき、電磁コイル組付作業の生産性を大幅に向上できる。また、第2実施形態によると、シート状の絶縁部材14を用いているので、コイルハウジング4の内壁面と電磁コイル5の表面との間の間隙Aの全周にわたって、絶縁部材14を介在させることができる。そのため、電磁コイル5の電気絶縁をより確実に行うことができる。
【0035】
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、絶縁部材14として平坦なシート形状のものを使用しているが、図7に示すごとく第3実施形態では、絶縁部材14として平坦なシート形状に多数の凹凸部14bを付加している。この凹凸部14bの付加により前述した電磁コイル5の表面とコイルハウジング4の内壁面との間の間隙Aを絶縁部材14のシート基材の厚さより大きい寸法に拡大できる。
【0036】
(第4実施形態)
前述した第1実施形態では、絶縁部材14として紐状のものを使用しているが、図8に示すごとく第4実施形態では、絶縁部材14として長方形の波形状に曲げ形成したものを用い、この長方形の波形状の絶縁部材14を紐状の絶縁部材14と同様に複数用いる。これによれば、絶縁部材14の波形状により、間隙Aを絶縁部材14のシート基材の厚さより大きい寸法に拡大できる。
【0037】
(他の実施形態)
▲1▼上記した第2、第3実施形態においては、絶縁部材14を、コイルハウジング4の開口端4cを全域覆う大きさを持った1つのリング状のシート形状にしているが、絶縁部材14を円周方向において複数個に分割された扇形として、コイルハウジング4の開口端4cを円周方向において部分的に覆うようにしてもよい。
【0038】
▲2▼絶縁部材14の材料としては、上記した紙質系、あるいは綿布の他にも種々の材料が使用可能であり、例えば、ガラス繊維、フェルト、ゴム系、合成繊維、ウレタンフォームのような多孔質材料等からなるシート状あるいは紐状のものを用いることができる。要は、変形が容易で、かつ、樹脂部材6の材料が浸透可能な電気絶縁材であればよい。
【0039】
▲3▼前述の第1実施形態は、自動車用空調装置の圧縮機に用いられる電磁クラッチについて説明したが、本発明はこのような用途に限らず、種々な用途に用いられる電磁クラッチに対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する電磁クラッチを例示する縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における電磁コイル組付方法を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態において電磁コイルおよび紐状絶縁部材をコイルハウジング内に収納した状態を示す断面図である。
【図4】図3の状態からコイルハウジング内に樹脂部材を成形した後の状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態における電磁コイル組付方法を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態の電磁コイル組付方法を示す断面図である。
【図7】第3実施形態によるシート状の凹凸部付きの絶縁部材を示す斜視図である。
【図8】第4実施形態によるシート状の波形絶縁部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、2…プーリ、ロータ(駆動側回転部材)、4…コイルハウジング、
5…電磁コイル、6…樹脂部材、8…アーマチャ、9…弾性部材、10…リベット、11…保持部材、12…ハブ(従動側回転部材)、13…保持部材、
14…絶縁部材。

Claims (5)

  1. 磁性体により形成され、回転駆動源からの回転力を受けて回転する駆動側回転部材(2)と、
    従動側機器の回転軸に連結される従動側回転部材(12)と、
    通電により電磁吸引力を発生する電磁コイル(5)と、
    磁性体により断面コの字形状の2重円筒形状に形成され、前記電磁コイル(5)を収納し、固定するコイルハウジング(4)と、
    磁性体により形成され、前記電磁コイル(5)の発生する電磁吸引力により前記駆動側回転部材(2)の摩擦面(2a)に吸着されるアーマチャ(8)と、
    前記従動側回転部材(12)と前記アーマチャ(8)との間を連結するように配設され、前記電磁コイル(5)の非通電時には前記アーマチャ(8)を前記駆動側回転部材(2)の摩擦面(2a)から開離した位置に保持する弾性連結機構(9、10、11)とを備える電磁クラッチの製造方法において、
    変形容易な、かつ、樹脂部材(6)の材料が浸透可能な電気絶縁材料からなる絶縁部材(14)を、前記断面コの字形状の2重円筒形状からなるコイルハウジング(4)の開口端(4c)上に前記コイルハウジング(4)の径方向内側および径方向外側にはみ出すように載置する工程と、
    次に、前記電磁コイル(5)により前記絶縁部材(14)を押圧して、前記コイルハウジング(4)の内壁面に沿って断面コの字形状となるように前記絶縁部材(14)を変形し、前記電磁コイル(5)と前記絶縁部材(14)を同時に前記コイルハウジング(4)内に収納する工程と、
    次に、前記絶縁部材(14)により前記電磁コイル(5)の表面と前記コイルハウジング(4)の内壁面との間に所定の間隙(A)を保持した状態にて、前記電磁コイル(5)の表面と前記コイルハウジング(4)の内壁面との間に前記樹脂部材(6)を注入して成形する工程とを備えることを特徴とする電磁クラッチの製造方法
  2. 前記絶縁部材(14)として紐状のものを用い、前記絶縁部材(14)を真っ直ぐな紐状の形態から前記コイルハウジング(4)の内壁面に沿う形態に変形させることを特徴とする請求項に記載の電磁クラッチの製造方法
  3. 前記絶縁部材(14)としてシート状のものを用い、前記絶縁部材(14)をシート状の形態から前記コイルハウジング(4)の内壁面に沿う形態に変形させることを特徴とする請求項に記載の電磁クラッチの製造方法
  4. 前記電磁コイル(5)には、その環状の巻線状態を保持する保持部材(13)が円周方向の複数個所に装着されており、この複数の保持部材(13)相互の中間部位に位置するように、前記紐状の絶縁部材(14)を配置したことを特徴とする請求項に記載の電磁クラッチの製造方法
  5. 前記電磁コイル(5)と前記紐状の絶縁部材(14)を同時に前記コイルハウジング(4)内に収納する工程において、前記電磁コイル(5)により前記紐状の絶縁部材(14)の中央部位を押圧することを特徴とする請求項2または4に記載の電磁クラッチの製造方法
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