JP3881891B2 - 位相同期ループ回路ならびに該回路を備える光中継装置、光端局装置および光通信システム - Google Patents

位相同期ループ回路ならびに該回路を備える光中継装置、光端局装置および光通信システム Download PDF

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Description

本発明は、光中継装置に使用される位相同期ループ回路に関し、特に、入力信号の変化点密度が変化した場合でも、ほぼ一定のタイミングクロックを発生することができる位相同期ループ回路を提供することを目的とする。さらに、このような位相同期ループ回路を使用した光中継装置、光端局装置および光通信システムを提供することを目的とする。
光通信システムを構成する光中継装置および光端局装置では、ディジタル信号の各ビットを再生するためにビット同期が必要である。ビット同期は、外部タイミング方式と自己タイミング方式に分類される。外部タイミング方式は、タイミング情報を主信号とは別の伝送路で送信する方式である。自己タイミング方式は、主信号からタイミング情報をタイミング回路で抽出する方式である。このタイミング回路としては、タンク回路とリミッタを用いる構成と位相同期ループ(以下、「PLL」と略記する。)回路を用いる構成とがある。
PLL回路をタイミング回路に用いた光受信装置の構成について説明する。
図16において、光伝送路を伝送した光信号は、光受信装置内の光電気変換回路(以下、「O/E」と略記する。)201で光信号から電気信号に変換され、等化増幅回路(以下、「EQL」と略記する。)202で波形が歪んだ受信信号が補償される。この波形の劣化は、光伝送路の伝送損失、波長分散および非線形光学効果によって生じる。EQL202からの出力は、受信信号を再生する識別回路(以下、「DEC」と略記する。)203およびタイミング回路に供給される。
タイミング回路は、位相比較器204および電圧制御発振器(以下、「VCO」と略記する。)205を備えて構成され、より具体的には、位相信号検出回路、レファレンス回路、増幅器およびVCO205を備えて構成される。
EQL202からの出力は、タイミング回路内で位相信号検出回路とレファレンス回路とに供給される。位相信号検出回路は、受信信号とタイミングクロックとの間の位相差に応じた電圧を出力する。レファレンス回路は、これらの位相差にかかわらず一定の電圧を出力する。この電圧値は、識別点にタイミングクロックの位相が合うように設定される。位相信号検出回路およびレファレンス回路の出力は、増幅器に出力される。増幅器は、これらの出力の差に応じた電圧をVCO205の発振周波数を制御する制御端子に出力する。このため、VCO205は、位相信号検出回路の出力がレファレンス回路の出力に一致するように、すなわち、タイミングクロックの位相が識別点に一致するように発振する。VCO205の出力は、位相信号検出回路およびDEC203に供給される。
このようにしてタイミング回路は、受信信号からタイミングクロックを生成する。そして、DEC203は、このタイミングクロックで与えられる識別点で信号を「1」であるか「0」であるかを識別し、受信信号を再生する。
このようなタイミング回路のより詳細な構成を図17に示す。
図17において、EQL202の出力は、Dフリップフロップ回路(以下、「D−FF」と略記する。)211および排他的論理和回路(exclusive or、以下、「EXOR」と略記する。)212にそれぞれ入力される。そして、VCO220の出力は、D−FF211のクロック入力に入力される。
D−FF211の出力は、EXOR212、EXOR216および遅延回路215にそれぞれ入力される。
遅延回路215は、入力を1/2周期だけ遅らせてEXOR216に出力する。EXOR212の出力は、出力部213およびLPF214を介して増幅器(以下、「AMP」と略記する。)219に出力される。位相信号検出回路は、これらEXOR212、出力部213およびLPF214から構成される。そして、EXOR216の出力は、出力部217およびLPF214を介してAMP219に出力される。レファレンス回路は、これら遅延回路215、EXOR216、出力部217およびLPF218から構成される。AMP219は、LPF214とLPF218との出力に応じた出力をVCO220の制御端子に出力する。
このようなタイミング回路では、「1010」や「11001100」などの様々なパターンの受信信号が受信されると、位相信号検出回路およびレファレンス回路の出力は、変化点密度に応じて変化する。
図18は、図17に示すタイミング回路のタイムチャートである。図18(a)は、変化点密度が1の場合を示し、図18(b)は、変化点密度が0.5の場合を示す。(a)および(b)において、上から図17における入力信号、VCO220の出力、D−FF211の出力、出力部213の出力および出力部217の出力を示す。
ここで、タイミングクロックの位相を0に設定した場合には、その変化は、両者同様の割合で変化するので、結局、変化点密度にかかわらずタイミングクロックの位相は、0にほぼ固定される。このため、識別点は、ほぼ固定されるので、所定の誤り率で受信信号が再生される。
変化点密度とは、信号がマーク(「1」)からスペース(「0」)に変化する確率(スペースからマークに変化する確率)をいう。
例えば、ディジタル信号が「11110000」の場合では、4ビットに1ビットの割合で変化するので、変化点密度は、0.25である。ディジタル信号が「11001100」の場合では、2ビットに1ビットの割合で変化するので、変化点密度は、0.5である。ディジタル信号が「10101010」の場合では、毎ビット変化するので、変化点密度は、1である。
ところで、識別点は、誤り率を改善するために、受信信号の波形劣化の状態に応じてタイミングクロックの位相を0からずらす必要がある。
なお、受信信号の波形劣化の状態は、アイパターン(アイダイヤグラム)のアイの縦の開きとアイの横の開きとから判断することができる。
識別点をタイミングクロックの位相の0を除く位相に設定した場合では、上述の回路において、変化点密度に応じて変化する位相信号検出回路の出力における変化の割合とレファレンス回路の出力における変化の割合とが相違する。このため、タイミングクロックの位相は、変化点密度が変化すると設定値から外れてしまう。すなわち、識別点が変化点密度の変化に応じて変化してしまう。
また、PLL回路の周波数引込み範囲(キャプチャレンジ)は、狭い。さらに、光信号の周波数(ビットレート)は、所定値で決まっているのに対し、VCOの自走発振周波数は、電源、温度および経年変化などの環境変化によって変動する。このため、光信号の周波数がPLLの周波数引込み範囲内から外れて存在する場合が生じる。この状態では、タイミングクロックが設計通りに生成されないので、光受信装置が正常に動作しない状態となる。
そして、EQLは、例えば、低域通過フィルタおよびこれに縦続接続する高域利得跳ね上げ回路を備えて構成される。このようなEQLにギガビットを超える信号を入力する場合では、低域通過フィルタや高域利得跳ね上げ回路などの間において、インピーダンス整合をとる必要がある。ところが、ベッセルトムソンフィルタなどの低域通過フィルタにおける通過帯域外では反射特性が悪く、そして、回路間をワイヤボンディングで接続すると、インピーダンス整合をとることが困難である。
図19は、従来のEQLの部分を詳細に示した光受信装置の構成を示す図である。(a)は、ブロック図であり、(b)は、回路の実装の様子を示す模式図である。
図19(a)において、電源231のマイナス端子は、接地され、そのプラス端子は、受光素子であるホトダイオード232、プリアンプ233、ベッセルトムソンフィルタ234および高域利得跳ね上げ回路235を介してAMP236に入力される。AMP236の出力は、タイミング回路238およびDEC237に入力され、タイミング回路は、クロック信号を抽出してDEC237に入力され、DEC237は、信号を再生して再生信号を出力する。
また、図19(b)において、プリアンプ233とベッセルトムソンフィルタ234とは、接続手段であるワイヤボンディング241および伝送線路であるマイクロストリップライン242を介して接続される。ベッセルトムソンフィルタ234と高域利得跳ね上げ回路235との間の接続および高域利得跳ね上げ回路235とAMP236との間の接続も、同様である。
そこで、本発明の第1の目的は、タイミングクロックの位相を0を外して設定したとしても、変化点密度にかかわらず識別点をほぼ一定に維持するPLL回路を提供することである。
発明、環境の変化にかかわらず確実にVCOをロックすることができる位相同期ループ回路ならびに該回路を備える光中継装置、光端局装置および光通信システムを提供することを目的とす
上述した目的は、入力信号がマークからスペースに変化する確率である変化点密度を検出する変化点密度検出手段と、電圧制御発振器の出力が所定の周波数および位相となるように、該変化点密度検出手段で検出された変化点密度に応じて相比較器の出力パルスの振幅または時間幅を調整する調整手段とを備えることを特徴とする位相同期ループ回路によって達成される。
また、上述した目的は、該入力信号は、パルスであって、該位相比較器は、該入力信号と電圧制御発振手段の出力との位相差に応じた出力を出力する位相信号検出手段と、該入力信号に応じた一定値の基準信号を出力するレファレンス手段とを備え、該調整手段は、該位相信号検出手段の出力パルスの振幅と時間との積と該レファレンス手段の出力パルスの振幅と時間との積とが等しくなるように、該変化点密度検出手段で検出された変化点密度に応じて、該位相信号検出手段の出力パルスおよび該レファレンス手段の出力パルスの振幅と時間幅との組み合わせを調整することを特徴とする請求項1に記載の位相同期ループ回路によって達成される。
さらに、上述した目的は、入力信号がマークからスペースに変化する確率である変化点密度を検出する変化点密度検出手段と、位相比較器の出力パルスの振幅または時間幅を調整する調整手段とを備えるPLL回路の位相調整方法であって圧制御発振器の出力が所定の周波数および位相となるように、入力信号がマークからスペースに変化する確率である変化点密度を検出させ、この検出させた変化点密度に応じて位相比較器の出力パルスの振幅または時間幅を調整させることを特徴とするPLL回路の位相調整方法によって達成される。
また、上述の目的は、PLL回路において、電圧制御発振器の出力が所定の周波数および位相となるように、入力信号の変化点密度に応じて位相比較器の出力を調整することで達成される。

位相比較器の出力の調整は、例えば、入力信号がパルスである場合に、パルスの振幅を調整することで行うことができる。また、例えば、入力信号がパルスである場合に、パルスの時間幅を調整することで行うことができる。
さらに、上述の目的は、上述のPLL回路において、電圧制御発振器の発振周波数を制御する制御端子に低周波信号を供給することで達成される。
また、上述の目的は、光中継装置、光端局装置および光通信システムがこのようなPLL回路を備えることで達成される。
さらに、上述の目的は、3R中継の等化増幅器に集積化に適した回路を適用することで達成される。
発明は、所望の誤り率で動作する光中継装置、光端局装置および光通信システム提供される。
また、発明は、ギガビットの信号を扱う光中継装置、光端局装置および光通信システム提供することである。
さらに発明は、PLL回路、光中継装置および光端局装置小型化される。
また発明は、PLL回路、光中継装置および光端局装置小電力化される。
さらに発明は、PLL回路、光中継装置および光端局装置低廉提供される。
以下に実施の形態を図面に基づいて説明するが、各図で同一の構成については同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
第1の実施形態について、説明する。
(第1の実施形態の構成)
第1の実施形態は、本発明を適用した光通信システムの実施形態である。
図1において、第1の実施形態の光通信システムは、光信号を送信する光送信装置21と、送信された光信号を伝送する光伝送路22と、伝送された光信号を受信する光受信装置24と、光伝送路22の間に光伝送路22の伝送損失や波長分散などによる波形劣化を補償する光中継装置23とを備えて構成される。
光中継装置23の設置個数は、光送信装置21と光受信装置24との伝送距離、光伝送路22の伝送損失および波長分散など並びに光通信システムが要求される誤り率などを考慮して決められる。
光送信装置21で生成された光信号は、光伝送路22を伝送して光中継装置23の光受信部で受信される。光受信部は、受信した光信号を3R中継する。再生された光信号は、光送信部で再び光伝送路22に伝送される。光伝送路22を伝送した光信号は、光受信装置24の光受信部で受信され、光信号から情報が取り出される。
ここで、3Rとは、波形整形(reshaping)、リタイミング(retiming)および識別再生(regenerating)のことである。
次に、上述の光中継装置23および光受信装置24に備えられる光受信部の構成について説明する。
図2において、受信された光信号は、O/E31に受光され、光信号から電気信号に変換される。O/E31は、例えば、ピンホトダイオードやアバランシェホトダイオードなど、光を電気に変換することができる素子を備えて構成することができる。
変換された信号は、AMP32に入力され、所定のレベルまで増幅される。AMP32は、光伝送路22で生じた伝送損失などを補償するプリアンプである。
増幅された信号は、EQL33に入力される。この入力される信号は、光伝送路22によって減衰し歪みを受けたパルス光信号を変換した信号であるので、波形が劣化している。このため、EQL33は、この信号を増幅するとともに、雑音と符号間干渉の効果が最小になるような識別に適した波形に等化する。
EQL33の出力は、帰還回路(以下、「FB」と略記する。)34、DEC35およびデューティ回路(以下、「DUTY」と略記する。)37に入力される。
FB34は、EQL33の出力を所定のレベルでAMP32に帰還する。
DEC35は、EQL33からの信号を識別点において所定の閾値より大きいか小さいかを識別することによって信号を再生する。この識別点は、後述するVCO42で生成されたタイミングクロックの位相で与えられる。
DUTY37は、アイパターンにおけるクロスポイントのレベルを「1」レベルと「0」レベルとのほぼ中央に調整することによって、マークとスペースとのパルス幅をほぼ等しくなるようにEQL33からの信号を整形する。このようにDUTY37で波形を整形するのは、後述する位相比較部38、SW41およびVCO42で構成されるPLL回路で主信号からタイミングクロックを正確に抽出することができるようにするためである。DUTY37の出力は、位相比較部38および周波数検出部39に入力される。
一方、位相比較部38および周波数検出部39には、VCO42の出力も入力される。VCO42は、制御電圧によって発振周波数が変化する発振器である。
周波数検出部39は、DUTY37の出力とVCO42の出力との周波数差を検出して、その周波数差に基づく出力をスイッチ(以下、「SW」と略記する。)41の制御端子に出力する。
位相比較部38は、位相信号検出回路61、レファレンス回路62および変化点密度検出回路63を備えて構成される。位相比較部38に入力されたDUTY37の出力は、位相信号検出回路61、レファレンス回路62および変化点密度検出回路63に入力される。そして、位相比較部38に入力されたVCO42の出力は、位相信号検出回路61に入力される。
変化点密度検出回路63は、DUTY37の出力に基づいて信号(O/E31で受光された光信号)の変化点密度を検出し、その検出結果に応じた出力をレファレンス回路62に出力する。
位相信号検出回路61は、DUTY37とVCO42との出力間の位相差に応じた電圧をAMP40に出力する。
レファレンス回路62は、DUTY37とVCO42との出力間の位相差には無関係であって、変化点密度検出回路63からの出力に応じた電圧をAMP40に出力する。
AMP40は、位相信号検出回路61とレファレンス回路62との出力電圧間の差に基づく電圧をSW41の端子Cに出力する。
SW41は、周波数検出部39の出力によって接続状態が制御される3端子のスイッチである。SW41の端子aは、VCO42の発振周波数を制御するための制御電圧が供給される制御電圧端子と接続される。SW41の端子bは、低周波発振器のスウィープ制御回路(以下、「SC」と略記する。)36の出力端子と接続される。SW41の端子cは、上述したようにAMP40の出力端子と接続される。
次に、このような構成の光受信部のEQL33について、その回路の一例を説明する。
図3において、EQL33は、抵抗器101、103、107、108、121、127、131、132、133、トランジスタ105、106、109、125、126、129、コンデンサ102、114、115、122、134、インダクタ111、112、113、電流源104、110、124、130を備えて構成される。
AMP32の出力は、トランジスタ106のベース端子に入力される。トランジスタ106のエミッタ端子は、抵抗器107を介して電源Veeに接続される。そして、トランジスタ106のコレクタ端子は、トランジスタ105のエミッタ端子に接続される。
トランジスタ105のベース端子には、このベース端子と電源Vccとの間で並列接続された抵抗器101およびコンデンサ102が接続されるとともに、電流源104を介して電源Veeに接続される。トランジスタ105のコレクタ端子は、抵抗器103を介して電源Vccに接続されるとともに、インダクタ111の1端に接続される。
インダクタ111の他端は、直列接続されたインダクタ112およびインダクタ113を介して、抵抗器108の1端およびトランジスタ109のベース端子に接続される。抵抗器108の他端は、電源Vccに接続される。
さらに、インダクタ111とインダクタ112との接続点は、コンデンサ114を介して接地され、インダクタ112とインダクタ113との接続点は、コンデンサ115を介して接地される。
すなわち、インダクタ111、112、113およびコンデンサ114、115は、L−C−L構成のT形5次ベッセルトムソンフィルタを構成する。5次ベッセルトムソンフィルタは、波形干渉の少ないガウス特性に近い利得周波数特性を持つので、低域通過フィルタとして好適である。
トランジスタ109のコレクタ端子は、電源Vccに接続され、そのエミッタ端子は、電流源110を介して電源Veeに接続されるとともに、トランジスタ126のベース端子に接続される。
トランジスタ126のエミッタ端子は、抵抗器127を介して電源Veeに接続される。トランジスタ126のコレクタ端子は、トランジスタ125のエミッタ端子に接続される。
トランジスタ125のベース端子には、このベース端子と電源Vccとの間で並列接続された抵抗器121およびコンデンサ122が接続されるとともに、電流源124を介して電源Veeに接続される。トランジスタ125のコレクタ端子は、抵抗器131を介して電源Vccに接続されるとともに、直列接続された抵抗器133および抵抗器132を介して電源Vccに接続される。すなわち、抵抗器131と直列に接続された抵抗器133、132とは、並列接続されている。さらに、コンデンサ134が抵抗器133に並列に接続される。つまり、コンデンサ134の1端は、トランジスタ125のコレクタ端子と接続されている。
また、抵抗器133と抵抗器132との接続点は、トランジスタ129のベース端子に接続される。トランジスタ129のコレクタ端子は、電源Vccに接続され、そのエミッタ端子は、電流源130を介して電源Veeに接続されるとともに、上述したようにDEC35などに接続される出力端子に接続される。
これら抵抗器131、132、133、127、コンデンサ134およびトランジスタ125、126が、高域利得跳ね上げ回路を構成する。
なお、L−C−L構成のT形5次ベッセルトムソンフィルタの代わりに、C−L−C構成のII形5次ベッセルトムソンフィルタを使用してもよい。さらに、EQLの周波数特性に応じて、ベッセルトムソンフィルタの次数および回路素子の定数が決められる。
また、抵抗器103およびトランジスタ105、106で構成される入力回路を差動増幅回路の構成としてもよい。さらに、抵抗器131、132、133、コンデンサ134およびトランジスタ125、126で構成される高域利得跳ね上げ回路を差動増幅回路の構成としてもよい。差動増幅回路の構成とすることで、EQL33は、電源雑音などの同相雑音に対する安定性、製造プロセスのばらつきに対する特性の安定性および温度変動などの環境変化に対する安定性などが向上される。
また、ベース接地トランジスタ105、125は、エミッタ接地トランジスタ106、126におけるミラー効果を抑制するものであるので、高速特性に余裕がああ留場合には、なくても構わない。この場合、ベース接地トランジスタ105、125のベース電位供給回路である、抵抗器101、コンデンサ102、電流源104、抵抗器121、コンデンサ122およびコンデンサ124は、不要である。
(第1の実施形態の作用効果)
次に、このような光受信部の作用効果について説明する。
光受信部を備える光中継装置23および光受信装置24を光通信システムに設置する際に、受信される光信号のアイパターンを参照して、タイミングクロックの位相が設定される。特に、タイミングクロックの位相は、アイの縦の開きおよび横の開きを参照して、アイの開きが最も大きい位相に設定すると識別余裕が大きくなるので、誤り率をより向上させることができる。
さらに、変化点密度検出回路63の出力値が、設定された位相に基づいて設定される。
光受信部が光信号を受信すると、周波数検出部39は、この受光した光信号に基づく信号の周波数とVCO42の発振周波数との差を検出する。そして、検出結果の差が所定の範囲を超えている場合には、周波数検出部39は、SW41にこの場合に応じた制御信号を出力して、端子aと端子bとを接続するようにSW41を制御する。一方、検出結果の差が所定の範囲を超えていない場合には、周波数検出部39は、SW41にこの場合に応じた制御信号を出力して、端子aと端子cとを接続するようにSW41を制御する。
この所定の範囲は、受光される光信号に対応する信号の周波数を含み、VCO42と位相比較部38とSW41とから構成されるPLL回路に固有の周波数引込み範囲に含まれるように設定される。
周波数検出部39が所定の範囲を超えていると判断して、SW41の端子aと端子bとが接続されると、SC36から出力される低周波電圧がVCO42の制御電圧端子に供給される。VCO42は、この低周波電圧によって発振周波数が上述のPLL回路に固有の周波数引込み範囲を超えた範囲で変化し、いずれかの時点で、VCO42の発振周波数は、所定の範囲内の周波数になる。
所定の範囲内の周波数になると、SW41は、周波数検出部39の制御信号によって端子aと端子cとを接続するように制御される。VCO42は、PLL回路に固有な周波数引込み範囲内で発振しているので、VCO42の出力は、初期設定されたタイミングクロックの位相で発振するようにロックされる。
このように周波数検出部39とSC36とSW41とによって、VCO42の周波数引込み範囲をPLL回路に固有な周波数引込み範囲を超えて拡大することができる。そして、拡大された周波数引込み範囲は、SC36の電圧振幅によって決定され、この電圧振幅は、光受信部の想定される使用環境によって設計される。このため、使用温度などの環境変化にかかわらず確実にVCO42をロックすることができる。
周波数検出部39が所定の範囲内であると判断すると、SW41の端子aと端子cとが接続され、位相比較部38およびAMP40は、次のように動作する。
図4は、タイミングクロックの位相と変化点密度との関係を示す図である。図4(a)は、タイミングクロックの位相を0からずらした位相に設定した場合を示す。図4(b)は、位相比較部38に変化点密度検出回路63がない構成、すなわち、従来の位相比較部の構成であって、タイミングクロックの位相を0に設定した場合を示し、そして、図4(c)は、位相比較部38に変化点密度検出回路63がない構成であって、タイミングクロックの位相を0からずらした位相に設定した場合を示す。
そして、図4の縦軸は、電圧を表し、横軸は、位相差を示す。また、図4の直線は、位相信号検出回路65の出力であり、一点鎖線は、レファレンス回路62の出力である。x1d、x1、x1bおよびy1は、変化点密度が0.25の場合であり、x2d、x2、x2bおよびy2は、変化点密度が0.5の場合であり、x3d、x3、x3bおよびy3は、変化点密度が1の場合である。さらに、各点は、各場合におけるVCO42がロックされる位相である。
なお、変化点密度が0.25、0.5、1の場合について図示したが、任意の変化点密度において、同様な図を描くことができる。
まず、位相比較部38に変化点密度検出回路63がない構成について、タイミングクロックの位相と変化点密度との関係について説明する。
タイミングクロックの位相を0に設定した場合では、図4(b)に示すように、変化点密度が0.25、0.5、1と変化すると、リファレンス回路62の出力は、変化点密度の変化に比例して、x1、x2、x3のように変化する。そして、位相信号検出回路61の出力は、[背景技術]欄で説明したように、レファレンス回路62が変化点密度の変化に従って変化するのと同様の比例関係で、y1、y2、y3のように変化する。
このため、変化点密度が変化しても、レファレンス回路62の出力と位相信号検出回路61の出力との位相に対する交点(●)は、相対的に変化しないので、位相差0のところである。
ここで、タイミングクロックの位相を0からずらした位相に設定する場合では、図4(c)に示すように、例えば、変化点密度が0.25の場合に設定された位相にロックするようにレファレンス回路62のバイアスを変更したとする。図4では、このタイミングクロックの位相の設定によるバイアスをVpで示す。
この場合は、変化点密度が0.25、0.5、1と変化すると、リファレンス回路62の出力は、変更したバアイスを基準にして、変化点密度の変化に比例して、x1b、x2b、x3bのように変化する。ところが、位相信号検出回路61の出力は、上述と同様のy1、y2、y3のように変化してしまう。
このため、変化点密度が変化すると、レファレンス回路62の出力と位相信号検出回路61の出力との位相に対する交点(●)は、変化点密度が0.25である場合を除いて、設定された位相からずれた位相差のところになってしまう。この結果、識別点は、変化点密度に従って変動することになる。
一方、本発明では、位相比較部38に変化点密度検出回路63を備え、レファレンス回路62の出力を変化点密度に従って調整するので、タイミングクロックの位相を0からずらした位相に設定した場合でも、レファレンス回路62の出力と位相信号検出回路61の出力との位相に対する交点(●)は、設定された位相差のところである。図4では、この変化点密度に従って調整される調整量をVdで示す。
すなわち、図4(a)に示すように、変化点密度が0.25、0.5、1と変化すると、リファレンス回路62の出力は、タイミングクロックの位相の設定によるバイアスVpにさらに変化点密度に応じて調整された調整量Vdを加算した値で、変化点密度の変化に応じて、x1d、x2d、x3dのように変化する。そして、位相信号検出回路61の出力は、上述と同様のy1、y2、y3のように変化する。
この結果、識別点は、変化点密度の変動にかかわらず一定であり、誤り率を向上させることができる。
次に、この変化点密度による調整量Vdについて、より具体的に図5に基づいて説明する。
図5において、図5(a)は、調整前の位相信号検出回路の出力およびレファレンス回路の出力である。図5(b)は、レファレンス回路の出力を調整する場合において、パルスの振幅を調整した後のレファレンス回路の出力である。そして、図5(c)は、レファレンス回路の出力を調整する場合において、パルス幅を調整した後のレファレンス回路の出力である。
タイミングクロックの位相を0からずらして設定した場合において、変化点密度の変動にかかわらず、設定した位相にするためには、1ビットの「1」レベルの時間と電圧との積において、位相信号検出回路61の出力とレファレンス回路62の出力とを等しくすればよい。
すなわち、位相信号検出回路61の1ビットの「1」レベルの時間および電圧をそれぞれTs、Vs、レファレンス回路62の1ビットの「1」レベルの時間および電圧をそれぞれTr、Vrとすると、
Ts×Vs=Tr×Vr ・・・・ (1)である。
(1式)を実現する方法として、図5(b)に示すように、レファレンス回路62のパルス幅(パルスの時間幅)を一定として振幅を変化点密度に従って調整する方法がある。また、図5(c)に示すように、レファレンス回路62のパルスの振幅を一定としてパルス幅を変化点密度に従って調整する方法がある。図5(b)、(c)の斜線部分は、変化点密度に従って調整された調整量を示す。
さらに、同様に、位相信号検出回路61の出力パルスの方を調整してもよい。
次に、パルス振幅を調整する回路の一例として、位相比較部38のより具体的な構成について説明する。
図6において、DUTY37(図2)の出力は、Dフリップフロップ回路(以下、「D−FF」と略記する。)71および排他的論理和回路(exclusive or、以下、「EXOR」と略記する。)73にそれぞれ入力される。そして、VCO42(図2)の出力は、D−FF71のクロック入力に入力される。
D−FF71は、VCO42からの出力によって与えられるタイミングクロックで、DUTY37の出力を1クロック遅らせて出力する。D−FF71の出力は、遅延回路72、EXOR73およびEXOR76にそれぞれ入力される。
遅延回路72は、入力を1/2周期だけ遅らせてEXOR76に出力する。EXOR76は、D−FF71の出力と遅延回路72の出力との排他的論理和をとって、その結果を可変増幅器77に出力する。EXOR73は、上述のDUTY37の出力とD−FF71の出力との排他的論理和をとって、その結果を増幅器74に出力する。
可変増幅器77は、抵抗器141、トランジスタ142および可変電圧源143から構成される。可変増幅器77に入力されるEXOR76の出力は、トランジスタ142のベース端子および可変電圧源143の制御端子にそれぞれ接続される。トランジスタ142のコレクタ端子は、抵抗器141を介して接地される。トランジスタ142のエミッタ端子は、可変電圧源143を介して電源Veeに接続される。
可変増幅器77の出力は、抵抗器141の端子間電圧として取り出されて、低域通過フィルタ(以下、「LPF」と略記する。)78に出力される。LPF78は、可変増幅器77の出力の平均電圧を位相比較部の出力としてAMP40に出力する。
AMP74は、抵抗器146、トランジスタ147および電圧源148から構成される。AMP74に入力されるEXOR73の出力は、トランジスタ147のベース端子に接続される。トランジスタ147のコレクタ端子は、抵抗器146を介して接地される。トランジスタ147のエミッタ端子は、電圧源148を介して電源Veeに接続される。
AMP74の出力は、抵抗器146の端子間電圧として取り出されて、LPF75に出力される。LPF75は、AMP74の出力の平均電圧を位相比較部の出力としてAMP40に出力する。
AMP74は、レファレンス回路62が可変増幅器77を備えて構成されることから、レファレンス回路62と位相信号検出回路61との対称性を維持するために備えられた回路である。このように回路の対称性を維持することにより信号対雑音比を向上させることができる。なお、このためAMP74は、省略可能である。
位相信号検出回路61(図2)は、EXOR73、AMP74およびLPF75から構成され、レファレンス回路62(図2)は、遅延回路72、EXOR76、可変増幅器77およびLPF78から構成される。さらに、変化点密度検出回路63(図2)は、遅延回路72およびEXOR76から構成される。すなわち、レファレンス回路62の一部分が、変化点密度検出回路63を兼ねている。
図7は、変化点密度が0.5の場合の位相比較部のタイムチャートである。
図7において、上から信号、クロック、D−FF71の出力、遅延回路72の出力、EXOR73の出力、EXOR76の出力および可変増幅器77の出力を示している。
図7に示すように、可変増幅器77は、EXOR76からの変化点密度に応じた制御信号で可変電圧源143の電圧が制御され、すなわち、利得が変更されて、図7で斜線で示す電圧だけ、トランジスタ142に入力されるEXOR76の出力を増幅する。
このため、上述したように、1ビットの「1」レベルの時間と電圧との積において、AMP74の出力と可変増幅器77の出力が等しくなる。
この結果、タイミングクロックの位相をどのように設定したとても、変化点密度に応じてパルス振幅が調整されるから、設定されたタイミングクロックの位相は、変化点密度の変動にかかわらずほぼ一定に維持される。
次に、パルス幅を調整する回路の一例として、位相比較部38のより具体的な構成について説明する。
図8において、DUTY37(図2)の出力は、D−FF71、EXOR73、遅延回路83および論理積回路(以下、「AND」と略記する。)84にそれぞれ入力される。そして、VCO42(図2)の出力は、D−FF71のクロック入力に入力される。
遅延回路83は、入力を1/2周期だけ遅らせてAND84に出力する。AND84は、DUTY37の出力と遅延回路83の出力との論理積をとって、その結果を可変遅延回路82の遅延時間を制御する制御端子に出力する。
D−FF71の出力は、可変遅延回路82、EXOR73およびEXOR76にそれぞれ入力される。
可変遅延回路82は、AND84からの制御信号に応じた周期だけ入力を遅らせてEXOR76に出力する。
EXOR76の出力は、AMP81で増幅されて、LPF78に出力される。LPF78の出力は、位相比較部の出力としてAMP40に入力される。EXOR73の出力は、AMP74で増幅されて、LPF75に出力される。LPF75の出力は、位相比較部の出力としてAMP40に入力される。なお、AMP81は、AMP74と同一の回路構成である。
位相信号検出回路61(図2)は、EXOR73、AMP74およびLPF75から構成され、レファレンス回路62(図2)は、可変遅延回路82、EXOR76、AMP81およびLPF78から構成される。さらに、変化点密度検出回路63(図2)は、遅延回路83およびAND84から構成される。
よって、AND84の出力は、変化点密度に従う信号であり、この信号により可変遅延回路82の遅延時間が制御される。したがって、図5(c)に示すように斜線で示す時間幅だけパルス幅が調整される。
このため、上述したように、1ビットの「1」レベルの時間と電圧との積において、AMP74の出力とAMP81の出力が等しくなる。
この結果、タイミングクロックの位相をどのように設定したとても、変化点密度に応じてパルス幅が調整されるから、設定されたタイミングクロックの位相は、変化点密度の変動にかかわらずほぼ一定に維持される。
次に、遅延時間を調整する回路の一例として、可変遅延回路82のより具体的な回路構成について説明する。
図9において、AND84(図8)の出力に基づく制御信号(Vcont)は、トランジスタ152のベース端子に入力され、制御信号Vcontを反転した反転出力は、トランジスタ157のベース端子に入力される。なお、図9において、この制御信号Vcontの反転出力をVcontにオーバーラインを付して示す。
また、D−FF71(図8)の出力(Vdata)は、トランジスタ153のベース端子に入力され、D−FF71の出力Vdataを反転した反転出力は、トランジスタ158のベース端子に入力される。なお、図9において、この出力Vdataの反転出力をVdataにオーバーラインを付して示す。
トランジスタ152のコレクタ端子は、抵抗器151を介して接地され、そのエミッタ端子は、トランジスタ153のコレクタ端子に接続される。トランジスタ157のコレクタ端子は、抵抗器156を介して接地され、そのエミッタ端子は、トランジスタ158のコレクタ端子に接続される。
トランジスタ153とトランジスタ158のコレクタ端子間は、コンデンサ154を介して相互に接続される。そして、トランジスタ153とトランジスタ158のエミッタ端子間は、相互に接続され、その接点は、電流源155を介して電源Veeに接続される。
このような回路では、遅延時間は、コンデンサ154の充電量に依存する。そして、この充電量は、Vdataのマークのタイミングに合わせて入力されるVcontの振幅に依存する。Vcontの振幅をAND84の出力に基づいて変化させると、変化点密度に応じて遅延時間が制御される。
なお、図6および図8では、レファレンス回路62に可変増幅器77および可変遅延回路82を備えることで、レファレンス回路62のパルス振幅およびパルス幅を調整したが、同様な可変増幅器および可変遅延回路を位相信号検出回路61に備えることで、位相信号検出回路61のパルス振幅およびパルス幅を調整することができる。このような構成で、本発明の目的を達成してもよい。
一方、上述の回路構成のEQL33では、入力信号は、ベッセルトムソンフィルタによって高周波成分がカットされ、高域利得跳ね上げ回路で増幅されて等化増幅される。
高域利得跳ね上げ回路では、入力信号の周波数が低域の場合には、コンデンサ134のインピーダンスが大きいので、トランジスタ125のコレクタ端子とトランジスタ129のベース端子間には、抵抗器133とコンデンサ134との並列回路の合成インピーダンスが生じる。また、入力信号の周波数が高域の場合には、コンデンサ134のインピーダンスが小さいので、トランジスタ125のコレクタ端子とトランジスタ129のベース端子間は、短絡状態となる。
したがって、高域利得跳ね上げ回路は、抵抗器133とコンデンサ134で決まる遮断周波数によって、この遮断周波数に対し低域の部分と高域の部分とでは、利得を変更することができ、高域の利得を大きくすることができる。
また、EQL33は、トランジスタ109および電流源110の回路により、ベッセルトムソンフィルタの反射の影響を除去することができ、トランジスタ129および電流源130の回路により、高域利得跳ね上げ回路の反射の影響を除去することができる。
そして、上述のような回路構成のEQL33では、半導体チップ上に形成することができる。このため、AMP32と同一の半導体チップ上に形成することができる。さらに、FB54、DUTY37、DEC35などの図2に示す他の回路も同一の半導体チップ上に形成してもよい。このようにEQL33は、他の回路とともに同一の半導体チップ上に形成できるから、回路間インタフェースの不整合点を減少することができる。このため、光受信部は、インピーダンス不整合による波形劣化が改善される。
次に、第2の実施形態について説明する。
(第2の実施形態の構成)
第2の実施形態は、本発明を適用した光通信システムの実施形態である。
第2の実施形態の光通信システムは、光信号を送信する光送信装置21と、送信された光信号を伝送する光伝送路22と、伝送された光信号を受信する光受信装置24と、光伝送路22の間に光中継装置23とを備えて構成される。
ここで、これらは、第1の実施形態の光通信システムと同様であるので、その説明を省略し、以下、光中継装置23および光受信装置24に備えられる光受信部の構成について説明する。
図10において、受信された光信号は、O/E31に受光され、光信号から電気信号に変換される。
変換された電気信号は、プリアンプであるAMP32を介してEQL33に入力される。入力された信号は、EQL33で等化増幅され、FB34、DEC35およびDUTY37に入力される。
FB34は、EQL33の出力をAMP32に帰還し、DEC35は、EQL33からの信号を再生する。DUTY37は、マークとスペースとのパルス幅をほぼ等しくなるようにEQL33からの信号を整形する。DUTY37の出力は、位相比較部51および周波数検出部39に入力される。
一方、位相比較部51および周波数検出部39には、VCO42の出力も入力される。
周波数検出部39は、DUTY37の出力とVCOの出力との周波数差を検出して、その周波数差に基づく出力をSW52に出力する。
位相比較部51は、位相信号検出回路64、レファレンス回路65および変化点密度検出回路66を備えて構成される。位相比較部51に入力されたDUTY37の出力は、位相信号検出回路64、レファレンス回路65および変化点密度検出回路66に入力される。そして、位相比較部51に入力されたVCO42からの出力は、位相信号検出回路64およびレファレンス回路65に入力される。
変化点密度検出回路66は、DUTY37からの出力に基づいて電気信号(O/E31で受光された光信号)の変化点密度を検出し、その検出結果に応じた出力をレファレンス回路65に出力する。
位相信号検出回路64は、DUTY37とVCO42との出力間の位相差に応じた電圧をさらに変化点密度検出回路66からの出力に応じて調整してAMP40に出力する。
レファレンス回路65は、DUTY37とVCO42との出力間の位相差には無関係な一定電圧をAMP40に出力する。 AMP40は、位相信号検出回路64とレファレンス回路65との出力電圧間の差に基づく電圧をミキサ53に出力する。
したがって、位相比較部51は、DUTY37の出力とVCO42の出力との位相差を検出して、その位相差に基づく出力をミキサ53に出力する。
SW52は、周波数検出部39の出力によって接続状態が制御される2端子のスイッチである。SW52の端子eは、SC36の出力端子と接続され、SW52の端子fは、ミキサ53に接続される。
ミキサ53は、SW52で端子eと端子fとが接続されている場合では、位相比較部51の出力にSC36の低周波電圧を重畳して、その出力をVCO42の制御電圧端子に供給する。一方、ミキサ53は、SW52で端子eと端子fとが接続されていない場合では、位相比較部51の出力をVCO42の制御電圧端子に供給する。
(第2の実施形態の作用効果)
次に、このような光受信部の作用効果について説明する。
光受信部を備える光中継装置23および光受信装置24を光通信システムに設置さする際に、受信される光信号のアイパターンを参照して、タイミングクロックの位相が設定される。さらに、変化点密度検出回路66の出力値が、設定された位相に基づいて設定される。
光受信部が光信号を受信すると、周波数検出部39は、この受光した光信号に基づく電気信号の周波数とVCO42の発振周波数との差を検出する。そして、検出結果の差が所定の範囲を超えている場合には、周波数検出部39は、SW52にこの場合に応じた制御信号を出力して、端子eと端子fとを接続するようにSW52制御する。一方、検出結果の差が所定の範囲を超えていない場合には、周波数検出部39は、SW52にこの場合に応じた制御信号を出力して、端子eと端子fとの接続を切り離すようにSW52を制御する。
周波数検出部39が所定の範囲を超えていると判断して、SW52の端子eと端子fとが接続されると、SC36から出力される低周波電圧が位相比較部51の出力に重畳されてVCO42の制御電圧端子に供給される。VCO42は、この低周波電圧によって発振周波数が上述のPLL回路に固有の周波数引込み範囲を超えた範囲で変化し、いずれかの時点で、VCO42の発振周波数は、所定の範囲内の周波数になる。
所定の範囲内の周波数になると、SW52は、周波数検出部39の制御信号によって端子eと端子fとを非接続状態に制御する。VCO42は、PLL回路に固有な周波数引込み範囲内で発振しているので、VCO42の出力は、初期設定されたタイミングクロックの位相で発振するようにロックされる。
このように周波数検出部39とSC36とSW52とによって、VCO42の周波数引込み範囲をPLL回路に固有な周波数引込み範囲を超えて拡大することができる。そして、拡大された周波数引込み範囲は、SC36の電圧振幅によって決定され、この電圧振幅は、光受信部の想定される使用環境によって設計される。このため、使用温度などの環境変化にかかわらず確実にVCOをロックすることができる。
一方、位相比較部51は、変化点密度検出回路66によって検出された変化点密度に従って(式1)を満たすように、位相信号検出回路64の出力を調整する。このため、第1の実施形態で説明したように、タイミングクロックの位相を0からずらした位相に設定した場合でも、レファレンス回路65の出力と位相信号検出回路64の出力との位相に対する交点は、変化点密度の変動にかかわらず設定された位相差のところになる。この結果、識別点は、変化点密度の変動にかかわらず一定であり、誤り率を向上させることができる。
次に、第3の実施形態について説明する。
(第3の実施形態の構成)
第3の実施形態は、本発明を適用した光通信システムの実施形態である。
第3の実施形態の光通信システムは、光信号を送信する光送信装置21と、送信された光信号を伝送する光伝送路22と、伝送された光信号を受信する光受信装置24と、光伝送路22の間に光中継装置23とを備えて構成される。
ここで、これらは、第1の実施形態の光通信システムと同様であるので、その説明を省略する。そして、光中継装置23および光受信装置24に備えられる光受信部の構成は、位相比較部38の代わりに位相比較部56を用いるほかは、同一なのでその説明を省略する。
次に、位相比較部56について説明する。
図11において、DUTY37(図2)の出力は、D−FF71、EXOR73、遅延回路86および論理和回路(以下、「OR」と略記する。)87にそれぞれ入力される。そして、VCO42(図2)の出力は、D−FF71のクロック入力に入力される。
遅延回路86は、入力を1/2周期だけ遅らせてOR87に出力する。OR87は、DUTY37の出力と遅延回路86の出力との論理和をとって、その結果を可変電圧源88の出力電圧を制御する制御端子に出力する。
D−FF71の出力は、遅延回路72、EXOR73およびEXOR76にそれぞれ入力される。遅延回路72は、1/2周期だけ入力を遅らせてEXOR76に出力する。EXOR76の出力は、AMP81で増幅されて、LPF78に出力される。LPF78の出力は、可変電圧源88の出力電圧が加算されて、位相比較部の出力としてAMP40に入力される。そして、EXOR73の出力は、AMP74で増幅されて、LPF75に出力される。LPF75の出力は、位相比較部の出力としてAMP40に入力される。
位相信号検出回路は、EXOR73、AMP74およびLPF75から構成され、レファレンス回路は、遅延回路72、EXOR76、AMP81およびLPF78から構成される。
さらに、変化点密度検出回路は、遅延回路86およびOR87から構成される。よって、OR87の出力は、変化点密度に従う信号であり、変化点密度に従い可変電圧源88の出力電圧値が制御される。
(第3の実施形態の作用効果)
第1および第2の実施形態においては、位相信号検出回路内およびレファレンス回路内のパルス波形を調整したが、第3の実施形態では、レファレンス回路出力を可変電圧源88で調整して、タイミングクロックの位相を制御するものである。
上述の位相比較部56では、レファレンス回路内において、パルスは、LPF78で直流電圧に平均されて出力される。よって、LPF78の出力は、パルスの振幅および時間幅ならびに変化点密度に依存している。
仮に、この状態のままでレファレンス回路の出力をAMP40に供給したのでは、第1の実施形態で図4(c)を用いて説明したように、タイミングクロックの位相を0を外して設定した場合では、変化点密度に応じてタイミングクロックの位相は、変動してしまう。
ところで、第3の実施形態の位相比較部56では、レファレンス回路の出力(LPF78の出力)は、可変電圧源88によって変化点密度に応じた電圧が加算される。このため、位相比較部56は、レファレンス回路の出力を(式1)を満たようにAMP40に入力させることができる。
この結果、タイミングクロックの位相をどのように設定したとても、設定されたタイミングクロックの位相は、変化点密度の変動にかかわらずほぼ一定に維持される。よって、識別点は、変化点密度の変動にかかわらず一定であり、誤り率を向上させることができる。
なお、第3の実施形態においてレファレンス回路の出力を可変電圧源88で調整したが、位相信号検出回路の出力(LPF75の出力)を調整するようにしてもよい。
次に、第4の実施形態について説明する。
(第4の実施形態の構成)
第4の実施形態は、本発明を適用した光通信システムの実施形態である。
第4の実施形態の光通信システムは、光信号を送信する光送信装置21と、送信された光信号を伝送する光伝送路22と、伝送された光信号を受信する光受信装置24と、光伝送路22の間に光中継装置23とを備えて構成される。
ここで、これらは、第1の実施形態の光通信システムと同様であるので、その説明を省略し、以下、光中継装置23および光受信装置24に備えられる光受信部の構成について説明する。
図12において、受信された光信号は、O/E31に受光され、光信号から電気信号に変換される。変換された信号は、プリアンプであるAMP32を介してEQL33に入力される。入力された信号は、EQL33で等化増幅され、FB34、DEC35およびDUTY37に入力される。
FB34は、EQL33の出力をAMP32に帰還し、DEC35は、EQL33からの信号を再生する。DUTY37は、マークとスペースとのパルス幅をほぼ等しくなるようにEQL33からの電気信号を整形する。DUTY37の出力は、位相比較部38および周波数検出部39に入力される。
一方、位相比較部38および周波数検出部39には、VCO42の出力も入力される。周波数検出部39は、DUTY37の出力とVCOの出力との周波数差を検出して、その周波数差に基づく出力をSW55の制御端子に出力する。位相比較部38は、DUTY37の出力とVCO42の出力との位相差を検出して、その位相差に基づく出力を出力端子に出力する。
位相比較部38の出力端子は、抵抗器161の一端に接続される。抵抗器161の他端は、オペアンプ162の入力端子に接続される。オペアンプ162の出力端子は、VCO42の制御電圧端子に接続されるとともに、直列接続されたコンデンサ164および抵抗器163を介してオペアンプ162の入力端子に接続され、出力が帰還される。ここで、抵抗器161、163、コンデンサ164およびオペアンプ162は、積分回路を構成する。
SW55は、周波数検出部39の出力によって接続状態が制御される2端子のスイッチである。SW55の端子gは、SC36の出力端子と接続され、SW55の端子hは、コンデンサ164と抵抗器163との間の接点kと接続される。
(第4の実施形態の作用効果)
次に、このような光受信部の作用効果について説明する。
なお、タイミングクロックの位相を0から外した位相に設定した場合においても、識別点が変化点密度の変動にかかわらず一定に維持されることについては、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
光受信部が光信号を受信すると、周波数検出部39は、この受光した光信号に基づく電気信号の周波数とVCO42の発振周波数との差を検出する。そして、検出結果の差が所定の範囲を超えている場合には、周波数検出部39は、SW55にこの場合に応じた制御信号を出力して、端子gと端子hとを接続するようにSW55制御する。一方、検出結果の差が所定の範囲を超えていない場合には、周波数検出部39は、SW55にこの場合に応じた制御信号を出力して、端子gと端子hとの接続を切り離すようにSW52を制御する。
周波数検出部39が所定の範囲を超えていると判断して、SW55の端子gと端子hとが接続されると、SC36から出力される低周波電圧が積分回路で位相比較部38の出力に重畳され、VCO42の制御電圧端子に供給される。VCO42は、この低周波電圧によって発振周波数が上述のPLL回路に固有の周波数引込み範囲を超えた範囲で変化し、いずれかの時点で、VCO42の発振周波数は、所定の範囲内の周波数になる。
所定の範囲内の周波数になると、SW55は、周波数検出部39の制御信号によって端子gと端子hとを非接続状態に制御する。VCO42は、PLL回路に固有な周波数引込み範囲内で発振しているので、VCO42の出力は、初期設定されたタイミングクロックの位相で発振するようにロックされる。
このように周波数検出部39とSC36とSW55とによって、VCO42の周波数引込み範囲をPLL回路に固有な周波数引込み範囲を超えて拡大することができる。このため、使用温度などの環境変化にかかわらず確実にVCOをロックすることができる。
なお、第4の実施形態においては、SW55の端子hは、接点kと接続されたが、抵抗器163がオペアンプ162の入力端子と接続される接点jと接続されるようにしてもよい。このように接続しても上述と同様に作用する。
また、第4の実施形態において、SW55の端子hと接点kとの間に、抵抗器を挿入してもよい。このように構成することにより、SW55の寄生容量と配線で生じるインダクタンスとの共振を防止することが可能である。
なお、第1の実施形態において、可変増幅器77の回路は、図6に示す回路に限定されるものではない。可変増幅器として、外部からの制御信号によって利得を可変にすることができる増幅器を利用することができる。例えば、可変増幅器の他の回路例を図13、図14および図15に3例示す。
図13において、可変増幅器は、抵抗器171、トランジスタ172、電圧源173および可変電圧源174から構成される。入力信号は、トランジスタ172のベース端子に入力され、制御信号は、可変電圧源173の制御端子に入力される。トランジスタ172のコレクタ端子は、抵抗器171を介して接地される。トランジスタ172のエミッタ端子は、直列接続の電圧源173および可変電圧源174を介して電源Veeに接続される。出力信号は、抵抗器171の端子間電圧として取り出される。
このような可変増幅器では、制御信号によって可変電圧源174の電圧を制御することができるので、これに応じてバイアスを変更することができる。そして、可変増幅器は、固定の電圧源173を備えているので、一定のバイアスを確保した上でさらにバイアスを変更することができる。
このため、入力信号および制御信号としてEXOR76の出力を供給するとともに出力信号をLPF68に出力することにより、この可変増幅器を図6に示す可変増幅器77に利用することができる。
また、図14において、可変増幅器は、抵抗器181、186、トランジスタ182、187、電圧源183および可変電圧源188から構成される。入力信号は、トランジスタ182のベース端子に入力され、制御信号は、可変電圧源188の制御端子に入力される。トランジスタ182のコレクタ端子は、抵抗器181を介して接地されるとともにトランジスタ187のベース端子に接続される。トランジスタ182のエミッタ端子は、電圧源183を介して電源Veeに接続される。そして、トランジスタ187のコレクタ端子は、抵抗器186を介して接地される。トランジスタ187のエミッタ端子は、可変電圧源188を介して電源Veeに接続される。出力信号は、抵抗器186の端子間電圧として取り出される。
このような可変増幅器では、制御信号によって可変電圧源188の電圧を制御することができるので、これに応じてバイアスを変更することができる。そして、2個のトランジスタ182、187をカスケードに接続するので、大きな利得を得ることができる。
このため、入力信号および制御信号としてEXOR76の出力を供給するとともに出力信号をLPF68に出力することにより、この可変増幅器を図6に示す可変増幅器77に利用することができる。
さらに、図15において、可変増幅器は、抵抗器191、193、トランジスタ192、194および可変電流源195から構成される。入力信号は、トランジスタ192のベース端子に入力され、入力信号の反転入力は、トランジスタ194のベース端子に入力され、制御信号は、可変電流源195の制御端子に入力される。
トランジスタ192のコレクタ端子は、抵抗器191を介して接地され、トランジスタ193のコレクタ端子は、抵抗器193を介して接地される。そして、トランジスタ192とトランジスタ194のエミッタ端子間は、相互に接続され、その接点は、可変電流源195を介して電源Veeに接続される。
このような可変増幅器では、制御信号によって可変電流源195の電流を制御することができるので、これに応じてバイアスを変更することができる。
このため、入力信号および制御信号としてEXOR76の出力を供給するとともに出力信号をLPF68に出力することにより、この可変増幅器を図6に示す可変増幅器77に利用することができる。
なお、入力信号の反転入力の代わりにレファレンス信号を用いることも可能である。
また、第1および第2の実施形態において、VCOの発振周波数を掃引する低周波信号をSC36でVCO42の制御端子に直接供給したが、AMP40の入力側に供給して、AMP40を介してVCO42の制御端子に供給するようにしてもよい。AMP40を介することによって、低周波信号の振幅がAMP40の飽和利得によって制限されるから、VCO42の破損を防止することができる。このように低周波信号の供給は、SC36の低周波信号によってVCOの発振周波数を掃引することができれば、SC36の出力端子とVCO42の制御端子間に、増幅器や低域通過フィルタなどの回路を介してもよい。
さらに、変化点密度検出回路は、図6において遅延回路72およびEXOR76で構成し、図8において遅延回路83およびAND84で構成し、そして、図11において遅延回路86およびOR87で構成したが、これらは、各図間で相互に代替可能である。
また、第1ないし第4の実施形態の光通信システムにおいて、光中継装置23は、光伝送路を伝送する波長分割多重光信号から光信号を分岐・挿入するADM(add/drop multiplexing)機能をさらに備えてもよい。
産業上の利用の可能性
以上、説明したように、本発明は、タイミングクロックの位相を0から外れて設定されたとしても、変化点密度にかかわらず識別点をほぼ一定に維持することができる。そして、本発明は、環境の変化にかかわらず確実にVCOをロックすることができる。さらに、本発明は、誤り率の向上、入力信号のギガビット化、小型化、省電力化または低廉化を達成することができる。
第1の実施形態の光通信システムの構成を示す図である。 第1の実施形態における光受信部のブロック図である。 第1の実施形態における等化増幅器の回路図である。 タイミングクロックの位相と変化点密度との関係を示す図である。 変化点密度によるバイアスの調整の考え方を示す図である。 第1の実施形態における位相比較部の構成を示す図である。 図6に示す位相比較部のタイムチャートである。 第1の実施形態における位相比較部の他の構成を示す図である。 可変遅延回路の1例の回路図である。 第2の実施形態における光受信部のブロック図である。 第3の実施形態における位相比較部のブロック図である。 第4の実施形態における光受信部のブロック図である。 可変増幅器の他の構成を示す回路図である。 可変増幅器の他の構成を示す回路図である。 可変増幅器の他の構成を示す回路図である。 従来の光受信装置のブロック図である。 従来のタイミング回路のブロック図である。 図17に示すタイミング回路のタイムチャートである。 従来のEQLの部分を詳細に示した光受信装置の構成を示す図である。
符号の説明
21 光送信装置
22 光伝送路
23 光中継装置
24 光受信装置
31,201 O/E
32,40,74,81,219 AMP
33,202 EQL
34 FB
35,203,237 DEC
36 SC
37 DUTY
38,51 位相比較部
39 周波数検出部
41,52,55 SW
42,205,220 VCO
53 ミキサ
61,64 位相信号検出回路
62,65 レファレンス回路
63,66 変化点密度検出回路
71,211 D−FF
72,83,86,215 遅延回路
73,212,216 EXOR
74,77 増幅器
75,78,214,218 LPF
82,90 可変遅延回路
84 AND
87 OR
88 可変電圧源
101,103,107,108,121,127,131,132,133,141,146,151,156,161,163,171,181,186,191,193 抵抗器
102,114,115,122,154,164 コンデンサ
104,110,124,130,155 電流源
105,106,109,125,126,129,152,153,157,158,172,182,187,192,194 トランジスタ
111,112,113 インダクタ
143,173,174,188 可変電圧源
148 電圧源
162 オペアンプ
195 可変電流源
204 位相比較器
213,217 出力部
231 電源
232 ホトダイオード
233 プリアンプ
236 AMP
234 ベッセルトムソンフィルタ
235 高利得跳ね上げ回路
238 タイミング回路
241 ワイヤボンディング
242 マイクロストリップライン

Claims (18)

  1. 入力信号がマークからスペースに変化する確率である変化点密度を検出する変化点密度検出手段と、
    電圧制御発振器の出力が所定の周波数および位相となるように、該変化点密度検出手段で検出された変化点密度に応じて相比較器の出力パルスの振幅または時間幅を調整する調整手段と
    を備えることを特徴とする位相同期ループ回路。
  2. 該入力信号は、パルスであって、
    該調整手段は、該パルスの振幅を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期ループ回路。
  3. 該入力信号は、パルスであって、
    該調整手段は、該パルスの時間幅を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期ループ回路。
  4. 該入力信号は、パルスであって、
    該位相比較器は、
    該入力信号と電圧制御発振手段の出力との位相差に応じた出力を出力する位相信号検出手段と、
    該入力信号に応じた一定値の基準信号を出力するレファレンス手段とを備え、
    該調整手段は、該位相信号検出手段の出力パルスの振幅と時間との積と該レファレンス手段の出力パルスの振幅と時間との積とが等しくなるように、該変化点密度検出手段で検出された変化点密度に応じて、該位相信号検出手段の出力パルスおよび該レファレンス手段の出力パルスの振幅と時間幅との組み合わせを調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期ループ回路。
  5. 該位相比較器は、該位相信号検出回路と該レファレンス回路とにおける回路の対称性を維持するように該調整手段と対称な回路をさらに備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の位相同期ループ回路。
  6. 該電圧制御発振器の発振周波数を制御する制御端子に低周波信号を供給する低周波供給手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期ループ回路。
  7. 該入力信号と該電圧制御発振器の出力との周波数差を検出する周波数検出手段と、
    該周波数検出手段の出力に応じて該低周波信号を供給するか否かを選択する選択手段とをさらに備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の位相同期ループ回路。
  8. 請求項1または請求項6に記載の位相同期ループ回路を備える
    ことを特徴とする光中継装置。
  9. 請求項1または請求項6に記載の位相同期ループ回路を備える
    ことを特徴とする光端局装置。
  10. 入力信号が入力される等化増幅器と、
    該等化増幅器の出力が入力され、該入力信号からタイミングクロックを抽出するタイミング回路と、
    該等化増幅器の出力から該タイミングクロックで入力信号を識別再生する識別回路とを備える光中継装置において、
    該等化増幅器は、同一半導体基板上に形成された低域通過フィルタまたは所定の周波数を境界に利得を変更する高域利得跳上げ回路またはその両方を備え、
    該タイミング回路は、請求項1または請求項6に記載の位相同期ループ回路を備える
    ことを特徴とする光中継装置。
  11. 該高域利得跳上げ回路は、並列接続された抵抗器とコンデンサとをエミッタ接地トランジスタの負荷抵抗として接続する回路である
    ことを特徴とする請求項10に記載の光中継装置。
  12. 入力信号が入力される等化増幅器と、
    該等化増幅器の出力が入力され、該入力信号からタイミングクロックを抽出するタイミング回路と、
    該等化増幅器の出力から該タイミングクロックで入力信号を識別再生する識別回路とを備える光端局装置において、
    該等化増幅器は、同一半導体基板上に形成された低域通過フィルタまたは所定の周波数を境界に利得を変更する高域利得跳上げ回路またはその両方を備え、
    該タイミング回路は、請求項1または請求項6に記載の位相同期ループ回路を備える
    ことを特徴とする光端局装置。
  13. 該高域利得跳上げ回路は、並列接続された抵抗器とコンデンサとをエミッタ接地トランジスタの負荷抵抗として接続する回路である
    ことを特徴とする請求項12に記載の光端局装置。
  14. 請求項1または請求項6に記載の位相同期ループ回路を備える光中継装置を備える
    ことを特徴とする光通信システム。
  15. 請求項10に記載の光中継装置を備える
    ことを特徴とする光通信システム。
  16. 請求項1または請求項6に記載の位相同期ループ回路を備える光端局装置を備える
    ことを特徴とする光通信システム。
  17. 請求項11に記載の光端局装置を備える
    ことを特徴とする光通信システム。
  18. 入力信号がマークからスペースに変化する確率である変化点密度を検出する変化点密度検出手段と、位相比較器の出力パルスの振幅または時間幅を調整する調整手段とを備えるPLL回路の位相調整方法であって、
    電圧制御発振器の出力が所定の周波数および位相となるように、入力信号がマークからスペースに変化する確率である変化点密度を検出させ、この検出させた変化点密度に応じて位相比較器の出力パルスの振幅または時間幅を調整させ
    ことを特徴とするPLL回路の位相調整方法。
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