JP5540472B2 - シリアルデータ受信機、利得制御回路および利得制御方法 - Google Patents
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Description
より特定的には、本発明は、伝送路を経由して連続して伝送されるシリアルデータの劣化を適正に補償してデータの再生を向上させることが可能なシリアルデータ受信機と、このシリアルデータ受信機に適用する利得制御回路と、利得制御方法に関する。
高速のパルス信号を長距離の伝送路2を介しても正しく伝達する目的で、受信機に伝送路特性とほぼ逆特性のハイパスフィルタ(HPF)回路3を終端抵抗4の後段に設けて信号源1が送出したデータにほぼ等しい劣化の少ないパルス波形を再現するイコライザー技術(等化技術)が用いられている。
イコライザー技術で重要なことは、伝送路2における劣化を補償するため、受信機におけるHPF回路の利得・周波数特性が正しく伝送路2の減衰特性の逆特性になっていることである。
図2(A)、(B)、(C)の上図において、実線はHPF回路の利得・周波数特性を示し、太い破線は伝送路の劣化を示す利得・周波数特性を示し、これら2つの間にある細い破線は、両者を合成した総合利得・周波数特性を示す。
この場合、図2(B)下図(b)に示すように信号源1から伝送されたシリアル・パルスデータを正確に再生できる。
この場合、図2(A)下図(b)に示すように、HPF回路3からの出力パルスは長いデータ「0」の連続の後の短いデータ「1」のパルス幅が極端に狭くなる、あるいは、消失するなどの波形歪をもつ。その結果、図2(A)下図(b)に示すようにパルスデータを正確に再生することができない。
この場合、図2(C)下図(b)に示すように、HPF回路3から出力されるパルス波形はオーバーまたはアンダーシュートが現れる変化の激しいものとなり、パルス幅に歪みが生じる。
図3(A)、(B)を参照してデジタルデータを2値に識別するためのアイパターンを述べる。
アイパターンが適切に開いていれば、デジタルデータを正確に2値に識別することができる。他方、アイパターンが適切に開いていないと、デジタルデータを正確に2値に識別することができない、または、不安定になる。その反面、アイの電圧が開きすぎても逆に時間方向の開口が狭まることがあり2値識別の確実性に問題が起こる。
種々の組み合わせのパルス列履歴により生じるパルス波形の電圧−時間軌跡は、図中の領域A、B、Cとして示された、開いたアイ(目)の外側部分に存在する。開いたアイ領域で分離された領域A、B、Cは連続する3ビットのデータを識別することができる閾値とトリガーの範囲をそれぞれ示している。
データが領域(または時間帯)BからCに遷移する電圧軌跡がパルス電圧のセンター値と交差する可能性があるのは時間tx1からtx2の間である。
以降、本明細書において、この交差の生じる時刻を遷移時刻と呼ぶ。
ここでデータが開いたアイ領域Cで再度、「0」に遷移した場合は時間tx1から時間tx2の中で比較的早い遷移時刻を持つ。
しかし、データが開いたアイ領域の時間帯A、Bでデータ「1」が連続していた場合には時間帯Bでの電圧は十分高くなっているから、その状態から領域Cの時間帯で「0」に遷移するとしたらその遷移点は比較的遅くなる。
HPF回路の利得が過剰な場合は出力のスルーレートが大きく、データが遷移するたびに電圧は本来のパルス振幅を超えてオーバーシュートあるいはアンダーシュートを生じる。従って、アイ領域(時間帯)Aでデータ「0」、時間帯Bでデータ「1」という遷移があると出力は時間帯Bではオーバーシュートから回復しきれずに高くなっている、そのため、それに続いて時間帯Cでデータ「0」に遷移する場合は時間tx1から時間tx2の中の比較的遅い遷移時刻を持つ。
すなわち、データパルスが「010」と遷移したときと「110」と遷移したときの「10」の遷移時刻は、HPFの利得が不足している場合は「010」のほうが「110」より早く、利得が過剰な場合は「110」のほうが「010」より早い。
AGC回路5は、ハイパスフィルタ(HPF)3の後段に設けられたコンパレータ51と、4個の遅延型フリップフロップ(D型FF)52a、52b、52x、52cと、論理回路53と、デジタル・アナログ(DA)変換器54とを有する。
4個のD型FF52a、52b、52x、52cはそれぞれ、クロックCKa、CKb、CKx、CKcの印加(入力)タイミングに応じて、コンパレータ51から出力された2値化データDを取り込む(保持する)。
論理回路53は、4個のD型FF52a、52b、52x、52cの出力(取り込んだ値)Qa,Qb,Qx,Qcの、たとえば、立ち上がり状態を参照して、受信したデータの劣化状態を判定して、HPF3の利得を変化させる利得制御信号D−AGCを生成する。
DA変換器54は、論理回路53で生成したデジタルの利得制御信号D−AGCをアナログ信号S−AGCに変換してHPF3に出力する。
HPF回路3は利得制御信号S−AGCの応じてその利得を制御して伝送路2から受信したシリアルデータを等化する。
このようにAGC回路5は、HPF回路3の利得を適切に制御するための利得制御信号S−AGCを生成する。
4個のD型FF52a、52b、52x、52cには4つの異なるタイミングのクロックCKa、CKb、CKx、CKcが供給されている。3個のクロックCKa、CKb、CKcは連続する3ビットのデータA,B,Cをリタイミングするクロックで、データアイパターンの時間中央に設定される。クロックCKxはクロックCKbとCKcの中間のクロックで、データBとデータCの間のデータ遷移に重なるクロックである。
表1は、論理回路53においてハイパスフィルタの利得制御の判定に使用する真理値表である。
論理回路53が上述した判定処理によって生成した(設定した)利得制御信号D−AGCはDA変換器によってHPF回路3を制御するアナログ信号S−AGCとなってHPF3の利得を調整する。
この構成によるAGC回路5によってHPF回路3はデータ遷移パターンによる遷移時刻の遅れ進みが小さい適正な利得に自動調整され、遷移時刻の遅れ進み、すなわちジッタの少ないデータパルスを再生する状態で安定する。
伝送路を伝送されたシリアル2値データの劣化特性を補償可能な利得・周波数特性を有し、利得が制御可能な補償回路と、
前記補償回路の出力信号を2値識別する2値識別回路と、
該2値識別回路から出力される連続するアイパターンの中央に位置する複数の2値シリアルデータ、および、前記複数の2値シリアルデータのうち少なくとも連続する2のデータの間に位置する遷移データを、それぞれ位相の異なる複数の所定のクロックに応じて保持する複数のデータ保持回路と、
前記複数のデータ保持回路に保持された前記複数のデジタルデータのパターンを判定して、少なくとも、前記補償回路の利得を増減させる利得制御信号を生成して前記補償回路に印加するとともに、前記複数のデータ保持回路に保持された前記複数のデジタルデータの値から判定されたクロックと前記2値識別回路から出力されたデータとの位相差に応じた信号を出力する、論理回路と、
前記複数のデータ保持回路および前記論理回路と位相同期回路を構成し、前記論理回路から出力される前記位相差に応じた信号の電圧に応じた周波数で発振して前記複数のデータ保持回路のそれぞれに印加する複数のクロックを発生して前記位相の異なる所定のクロックとして前記複数のデータ保持回路の対応するデータ保持回路に出力する、電圧制御型発振回路と
前記利得が制御可能な補償回路と前記2値識別回路との間に、オフセット補正用の加算回路と、
を有し、
前記複数のデータ保持回路は、前記2値識別回路から出力される連続するアイパターンの中央に位置する複数の2値シリアルデータ、および、当該複数の2値シリアルデータのうちの連続する2つの間の遷移データを前記電圧制御型発振回路から発振された複数のクロックに応じて保持可能に構成されており、
前記論理回路は、
前記複数のデータ保持回路で保持された全てのデータのパターンに基づいて前記利得が制御可能な補償回路の利得を制御する利得制御信号を生成して前記補償回路に印加し、 前記複数のデータ保持回路で保持された前記複数のデジタルデータの値から判定されたクロックと前記2値識別回路から出力されたデータとの位相差に応じた信号を前記電圧制御型発振回路に印加し、
前記複数のデータ保持回路で保持された前記遷移データが「1」および「0」それぞれの累計を求めて、前記補償回路を含むアナログ回路のオフセット補正量を算出してオフセット補正信号を生成して前記加算回路に印加する、
利得制御回路が提供される。
また好ましくは、前記利得集計回路は、連続する2ビットのアイパターンの中央で取り込んだ第1の値と、第1と第2の遷移領域の値と第2の値が「001」または「110」の場合は、前記電圧制御型発振回路の位相が進んでいると判断して前記電圧制御型発振回路の位相を遅らせる信号を出力し、連続する2ビットのアイパターンの中央で取り込んだ第1の値と、第1と第2の遷移領域の値と第2の値が「011」または「100」の場合は、前記電圧制御型発振回路の位相が遅れていると判断して前記電圧制御型発振回路の位相を進める信号を出力する。
また好ましくは、前記利得集計回路は、前記電圧制御型発振回路の周波数と位相を前記伝送路を伝送されたシリアルデータに同期させ、遷移領域で前記データ保持回路に取り込んだ値が「0」の場合は、前記補償回路のオフセットが負であると判断しオフセットをキャンセルする信号を出力し、遷移領域で前記データ保持回路に取り込んだ値が「1」の場合は、前記補償回路のオフセットが正であると判断しオフセットをキャンセルする信号を出力する。
本発明のシリアルデータ受信機およびこのシリアルデータ受信機に用いる自動利得制御回路およびその方法についての第1実施の形態を図6を参照して述べる。
図6において、シリアルデータ受信機は、ハイパスフィルタ(HPF)回路3Aと、自動利得制御(AGC)回路5Aとを有する。
HPF回路3Aは、差動型利得調整可能なハイパスフィルタであり、差動シリアルデータを伝送する1対の伝送路2A、2Bに接続されている。伝送路2A、2Bの受信端には終端抵抗4A、4Bが接続されている。
AGC回路5Aは、コンパレータ51と、4個並列に設けられた遅延型フリップフロップ(D型FF)52a、52b、52x、52cと、論理回路53Aと、デジタル・アナログ(DA)変換器54とを有する。
AGC回路5Aはさらに、チャージポンプ回路55と、ループフィルタ56と、電圧制御型発振器(VCO)57とを有する。
コンパレータ51はHPF回路3の後段にはD型FF52a、52b、52x、52cやラッチド・コンパレータの入力感度を補ったり、相対的なばらつきの効果を抑制するために挿入したものなので、それらの必要がなければ省略することもできる。
4個のD型FF52a、52b、52x、52cはそれぞれ、クロックCKa、CKb、CKx、CKcの印加タイミングに応じて2値化データDを取り込む(保持する)。すなわち、D型FF52a、52b、52x、52cまたはラッチド・コンパレータは、コンパレータ51の出力データを位相(タイミング)の異なるクロックCKa、CKb、CKx、CKcに応じて保持する(取り込む)ことが可能な回路として機能する。
論理回路53Aは、4個のD型FF52a、52b、52x、52cの出力(取り込んだ値)Qa,Qb,Qx,Qcの、たとえば、立ち上がり状態を判定して、HPF回路3Aの利得を変化させる利得制御信号D−AGCを生成する。
DA変換器54は、論理回路53Aで生成したデジタルの利得制御信号D−AGCをアナログ信号S−AGCに変換してHPF回路3Aに出力する。
HPF回路3Aは利得制御信号S−AGCの応じてその利得を制御する。
AGC回路5Aは、HPF回路3Aの利得を適切に制御するための利得制御信号S−AGCを生成する。
図7は、HPF回路3Aとして差動型利得制御型HPF回路を図解した図である。
図7に例示したHPF回路3Aは、差動型利得制御型HPFであり、差動増幅回路31と、利得可変ハイパスフィルタ回路32とを有する。
差動増幅回路31は、差動対増幅回路として構成された1対のトランジスタTR1,TR2と、トランジスタTR1,TR2の電流源I1,I2と、3個の抵抗素子R1〜R3とで構成されている。
利得可変ハイパスフィルタ回路32は、トランジスタTR3とTR5とが直列に接続された第1のトランジスタ列と、トランジスタTR4とTR6とが直列に接続された第2のトランジスタ列と、ノードN1,N2との間に接続されたハイパスフィルタとして機能するキャパシタC1とを有する。
差動増幅回路31は、トランジスタTR1,TR2のゲートに印加された伝送路2A、2Bから入力されたシリアルデータの差動入力信号を増幅して、ハイパスフィルタ回路32に出力する。
ハイパスフィルタ回路32のトランジスタTR3とTR4のゲートに伝送路2A、2Bから入力されたシリアルデータの差動入力信号が印加されている。トランジスタTR5,TR6のゲートには、AGC回路5Aから出力された利得制御信号S−AGCが印加されており、HPF回路3Aの出力端子としてのトランジスタTR3とTR4のドレインから利得制御信号S−AGCに応じて電圧、すなわち、差動入力信号の振幅を制御した差動出力が出力される。
しかしながら、伝送路2A、2Bの特性は状況に応じて種々変化し、HPF回路3Aの出力は、図2(A)または図2(C)に例示したアイパターンになることがある。そこで、AGC回路5Aで生成した利得制御信号S−AGCによってHPF回路3Aの利得を調整していく。
4個のD型FF52a、52b、52x、52cは一種の位相比較回路として機能する。
D型FF52a、52b、52x、52cは、コンパレータ51の出力をそれぞのクロックCKa、CKb、CKx、CKcで保持したとき(取り込んだとき)、コンパレータ51の出力とクロックCKa、CKb、CKx、CKcとの位相差に応じたタイミングでデータQa、Qb、Qx、Qcを保持していることを意味している。
論理回路53Aは、取り込んだデータQa、Qb、Qx、Qcの値から判定されたクロックとコンパレータ51からのデータ出力の位相差に応じて電圧信号を出力する。
ループフィルタ56はローパスフィルタであり、低周波成分、すなわち、直流成分を通過させてVCO57に印加する。
電圧制御型発振器であるVCO57は入力された電圧に応じた周波数の信号を発生する。すなわち、VCO57はクロックCKa、CKb、CKc、CKxをコンパレータ51の出力と相対的な位相差を保たせながら周波数可変で発生する。VCO57で発生された信号がクロックCKa、CKb、CKx、CKcとしてD型FF52a、52b、52x、52cに印加されて、データの取り込みに使用される。
以上の動作を繰り返すと、コンパレータ51の出力とクロックCKa、CKb、CKx、CKcとが位相差のない状態、すなわち、同期状態に引き込まれる。
もし、データ値Qxがデータ値Qbと不一致ならばデータの遷移はクロックCKxより前にあったことになる。他方、データ値Qcと不一致ならばデータ遷移はクロックCKxより後にあったことになる。
これは、いわゆる、Bang−Bang型位相比較器なので、図6に図解したAGC回路5Aは、コンパレータ51の出力から抽出したデータパルスとクロックの位相情報をフィードバックして、クロックCKa、CKb、CKc、CKxを再生する、クロック・リカバリPLL回路を構成している。
この場合、クロックCKcとCKaの中間クロックCyで取り込んだデータ値Qy、クロックCKaとCKbの中間クロックCKzで取り込んだデータ値Qzを用いてデータ値Qb、Qc、Qaの遷移パターンとデータ値Qyの組み合わせと、データ値Qc、Qa、Qbの遷移パターンと値Qzの組み合わせでも上記同様に、論理回路53AにおいてHPF回路3Aの利得の過不足を判定することができる。これらを併用することで判定の機会が増えてAGC回路5Aの応答を高速な応答にすることができる。
同様に4相のリタイミングクロックと4相の中間クロックによる構成、あるいは、5相のリタイミングクロックと5相の中間クロックによる構成なども可能である。
図9に図解したように、クロックがデータのアイパターンのセンターと遷移領域に交互に位置するようにクロックのタイミングを調整しておけば、複数並列に設けられるD型FFが次々に取り込む値を論理回路内で記憶しておいて同様の判定処理をすることができる。
図10に図解したAGC回路5Bを参照して本発明の第2実施の形態を述べる。
第2実施の形態のAGC回路5Bは、HPF回路3の利得制御に加えて、オフセット補正を行うAGC回路である。
本実施の形態においては、差動型利得制御型ではないHPF回路3を用いている。
AGC回路5Bは、第1実施の形態のAGC回路5Aの回路構成に、加算回路58と、第2DA変換器59を付加し、図6に図解した論理回路53Aに代えて論理回路53Bを設けている。
論理回路53Bは、論理回路53Aと同様、利得制御信号D−AGCを生成する他、オフセット補正信号D−OCを生成する。
その他の回路構成は、基本的に、第1実施の形態のAGC回路5Aと同様である。
たとえば、VCO57Bで4相のクロックCKa、CKb、CKx、CKcを生成させて4個並列に設けられたD型FF52Bによってコンパレータ51の出力を取り込むことができる。また、VCO57Bから6相クロックを発生させて6個並列に設けられたD型FF52Bでコンパレータ51の出力を取り込むこともできる。さらに、4相のリタイミングクロックと4相の中間クロックによる構成、あるいは、5相のリタイミングクロックと5相の中間クロックによる構成なども可能である。クロックを自由に多相化できるのと同様、単相クロックと1個のD型FFによってAGC5Bを構成することもできる。
図6を参照して述べた第1実施の形態のPLL回路を含むAGC回路5Aでは、HPF回路3Aおよびその後に位置するコンパレータ51のオフセットに正常な動作を阻害される可能性がある。たとえば、オフセットによりHPF回路3Aもしくはコンパレータ51の出力が「1」に偏る傾向があった場合、コンパレータ51の出力の遷移において「0」から「1」に立ち上がる遷移は早い時刻に分布し、データ「1」からデータ「0」に立ち下がる遷移は遅い時刻に分布するようになる。第1実施の形態のAGC回路5A内のPLL回路はこの2つの分布の平均時刻にリタイミング・クロックを同期させる。その結果、そのクロックで取り込まれる遷移領域の取り込み結果はほとんどが「1」になってしまい、論理回路53AにおいてHPF回路3Aの利得が適正であるか否かの判定ができなくなる可能性がある。
AGC回路がすべてのデータの遷移を漏れなく検出する中間クロックによって動作するD型FFを持つならば、中間(遷移)クロックが取り込んだ値はオフセットがないときには「0」と「1」の個数の累計は等しくなるはずである。累計に偏りが出るのはHPF回路3とコンパレータ51にオフセットがあるためである。
本実施の形態においては、AGC回路5Bにより「0」と「1」の累計からオフセット制御(補正)量を演算してオフセット補正信号D−OCを生成し、その信号D−OCを第2DA変換器59でアナログ信号S−OCにしてコンパレータ51の前段に設けた加算回路58にフィードバックする。これにより、HPF回路3などのアナログ回路のオフセットをキャンセルすることができる。
クロック発生回路6は、2組の3段インバータリング61、62、63から成り立っており、図中上半分のリング発振回路6AからクロックCKa、CKb、CKcを得る。図中、上半分のリング発振回路6Aと下半分のリング発振回路6Bは駆動力の弱いクロスカップル・インバーター6Cで連結されていて同じ周波数で位相が反転した状態で発振している。
図12はクロック発生回路6の動作の様子を示すタイミングチャートである。遷移(中間)クロックCKxはクロック発生回路6の下半分のリング発振回路6Bから得られる。
クロック発生回路6によれば時間的に等間隔のリタイミングクロックCKa、CKb、CKcと、クロックCKbとCKcの中間クロックである遷移クロックCKxが得られる。
なお、図11のクロック発生回路6の構成ではインバータは電流制御型になっており、制御入力によって電流を調整することで発振周波数を設定することが可能なVCO57Bとして機能する。
図13、図14を参照して本発明の第3実施の形態について述べる。
ケーブルデータ通信の中にはクロックそのものを伝送せず、データの伝送だけで広い範囲の伝送レートに自律的に対応することが要求される通信システムがある。
たとえば、特許文献1(特許第3596196号)に記載されているGVIFを例示すると、受信機の初期化および受信の異常を検出した時に送信機へ参照クロック送信を要求して送られてきた参照クロックでVCOを伝送レートに引き込むシーケンス・マシーンが組み込まれている。
図14のAGC回路5Cの回路例ではこのパルス列は12ビット長の繰返し周期を持ち、位相周波数決定(PFD)回路71の前置N分周器72、73を2分周器を用いて構成すればPFD回路71には12ビット周期のクロックが入力される。
VCO57Cの発振は3ビット周期であることから前置N分周器72、73を4分周器とすればPFD回路71にはやはり12ビット周期のクロックが入力されることになり、PFD回路71によって位相と周波数の比較を行ってVCO57Cを3ビットの周期発振に引き込むことができる。
図14のAGC回路5Cの回路構成ではデータ伝送がシングルエンドで行われているが、差動で行われてもよい。差動の場合でも、AGC、PLL、オフセットキャンセル処理はすべてコンパレータ51で2値化されたシングルエンド信号で行われている。これらの処理ではHPF回路3の出力のパルス遷移パターンとゼロクロス時刻情報だけを用いており、HPF回路3の出力波形の形状や振幅は用いていない。したがって、コンパレータ51でゼロクロスの時刻情報が保存されるならば、コンパレータ51の出力を「0/1」の2値シングルエンド信号に変換してしまってもかまわない。これは回路の単純化や省電力化に向いている。
本発明の第4実施の形態として、たとえば、第2および第3実施の形態における論理回路53B、53Cとして適用する論理回路53Dの回路構成の具体例を述べる。
図15は、6相のクロックCKa、CKb、CKcおよび遷移(中間)クロックCKx、CKy、CKzを使って6個のD型FF52a〜52yでHPF回路3の出力をコンパレータ51で2値化した後のデータを取り込んだ場合の論理回路の1例を示す図である。
図16はそのタイミング図である。
論理回路53Dの前段にコンパレータ51の出力を取り込む(保持する)6個のD型FF52a〜52yが設けられている。論理回路53Dの後段にDA変換器54が設けられている。DA変換器54から利得制御信号S−AGCがHPF回路3に出力される。
VCO57で生成されたクロックCKxは、クロックCKbとCKcの中間の遷移クロックで、データBとデータCの間のデータ遷移に重なるクロックである。クロックCKyは、クロックCKcとCKaの中間のクロックで、データCとデータAの間のデータ遷移に重なるクロックである。クロックCKzは、クロックCKaとCKbの中間のクロックで、データAとデータBの間のデータ遷移に重なるクロックである。
データ値Qa、Qb、Qcはそれぞれ、クロックCKa、CKb、CKcでD型FF52a〜52cに取り込まれたデータであり、データ値Qx、Qy、Qzはそれぞれ、クロックCKx、CKy、CKzでD型FF52x〜52zに取り込まれたデータである。
図15に図解した論理回路53Dでは、D型FF52a〜52yに取り込まれたデータ値Qa、Qb、Qc、Qx、Qy、Qzは、遅延回路81により遅延されたクロックCKyで取り込まれ、データ値QQa、QQb、QQc、QQx、QQy、QQzとして10個並列に設けられたD型FF82においてデシリアライズされる。データ値QQQb、QQQx、QQQc及び値QQQyは、デシリアライズされたデータ値QQb、QQx、QQc、QQyをクロックCKyにより取り込んだデータである。
それぞれの利得判定回路83〜85は、表2の真理値表に則り利得が不足の場合にはアップ(UP)信号を、利得が過剰の場合にはダウン(DN)信号をアサートする。
各利得判定回路83〜85から出力されたUP信号またはDN信号は、利得集計回路86で集計され、DA変換器54への入力データ、すなわち、利得制御信号D−AGCを決定する信号となる。
利得集計回路86は、各クロック周期でのUPの総和及びDNの総和を集計し、UPの総和とDNの総和の差(m)を求める。mの累積ΣmをMとする。
累積Mの値が固定値Kよりも大きくなったら、利得集計回路86は利得が過剰であると判断し、DA変換器54への入力を1ユニット下げる。そして、Mの値を(M−K)とする。または、M=0とする。
累積Mの値が−Kよりも小さくなったら、利得集計回路86は利得が不足であると判断し、DA変換器54への入力を1ユニット上げる。そして、Mの値を(M+K)とする。または、M=0とする。
利得集計回路86における上述した処理を繰り返すことにより、HPF回路3の利得は最適値に定まる。
本発明の第5実施の形態として、たとえば、第2および第3実施の形態における論理回路53B、53Cとして適用する論理回路53Eの回路構成の具体例を述べる。
図18は、VCO57から出力される6相クロックを使って6個のD型FF52a〜52yでHPF回路3の出力を取り込んだ場合のHPF回路3のオフセットをキャンセルするための論理回路の一例を示す図である。
クロックCKa、CKb、CKcは、連続する3ビットA、B、Cをリタイミングするクロックで、データのアイパターン中央に設定される。
クロックCKxは、クロックCKbとCKcの中間のクロックで、データBとデータCの間のデータ遷移に重なるクロックである。クロックCKyは、クロックCKcとCKaの中間のクロックで、データCとデータAの間のデータ遷移に重なるクロックである。クロックCKzは、クロックCKaとCKbの中間のクロックで、データAとデータBの間のデータ遷移に重なるクロックである。
データ値Qx、Qy、Qzはそれぞれデータの遷移領域に重なるクロックCKx、CKy、CKzでD型FF52a〜52yに取り込まれたデータである。
図18の回路例では、データ値Qx、Qy、Qzは、遅延回路81により取り込まれたクロックCKyで取り込まれ、6個並列に設けられたD型FF82Aにおいてデータ値QQx、QQy、QQzとしてデシリアライズされている。
図19にオフセット集計回路87が行うオフセットキャンセルの処理フローの一例を示す。
オフセット集計回路87は、各クロック周期でのデータの遷移領域の「1」の個数の総和及び「0」の個数の総和を集計し、「1」の個数の総和と「0」の個数の総和の差(n)を求める。nの累積ΣnをNとする。
累積Nの値が固定値Jよりも大きくなったら、オフセット集計回路87は、オフセットが正(+)側になっていると判断し、DA変換器54への入力を1ユニット下げる。そして、N=N−Jとする。または、N=0とする。
累積Nの値が−Jよりも小さくなったら、オフセット集計回路87は、オフセットが負(−)側になっていると判断し、DA変換器54への入力を1ユニット上げる。そして、N=N+Jとする。または、N=0とする。
このオフセット集計回路87がフローの処理を繰り返すことにより、HPF回路3のオフセットをキャンセルすることができる適切なオフセット補正信号S−OCが生成される。オフセット補正信号S−OCは、加算回路58に印加されて、HPF回路3のオフセットを補正するのに使用される。
上述のオフセットキャンセルの例では、オフセット集計回路87において、データの遷移領域のすべての「1」または「0」を集計していた。連続する2ビットのデータが変化しない場合は、オフセット判定の対象外とすることもできる。
その場合の真理値を表3に示す。
図20を参照して、本発明の第6実施の形態を述べる。
図20は基準クロックREF−CLKとNRZデータが減衰特性が同等の伝送線路を介して伝送される場合の応用例を示す。
AGC回路5Eは、コンパレータ51と、4個並列に設けられたD型FF52と、論理回路53Eとを有する。
AGC回路5Eはさらに、加算回路91と、高周波減衰推定回路92とを有する。
図20においては、図解の簡略化のため、たとえば、図10を参照して述べた、チャージポンプ回路55、ループフィルタ56およびVCO57Bを含むPLL回路の図解を割愛している。
4個並列に設けられたD型FF52には、上述した実施の形態と同様、図示しないVCO57からのクロックCKa、CKb、CKx、CKcが印加される。
HPF回路3は、第1伝送路2aを経由して伝送されるシリアルデータを等化する。
第1伝送路2aと第2伝送路2bとは同等の減衰特性を有し、終端抵抗4aと4bも同じ値とする。
クロックCLKは、NRZ周期と同一周期もしくはその整数倍で必ず「0」と「1」の遷移を繰り返すため、基準クロックREF−CLKの受信端(受信機)での振幅を観測することによって、伝送路2bの減衰特性を推定することができる。
なお、特許文献3(特開2005-86379号公報)には、基準クロックの受信端での振幅特性により推定された減衰特性に応じて、NRZ信号の伝送路減衰特性を補償する手法が示されている。
このように、第6実施の形態は、基準クロックREF−CLKの高周波減衰特性を推定した結果を反映して利得制御信号S−AGCを生成する。
図21を参照して、本発明の第7実施の形態を述べる。
図21は第6実施の形態と同様、基準クロックREF−CLKとNRZデータが減衰特性が同等の伝送路2a、2bを介して信号が伝送される場合の例を示す。
NRZパルス信号が伝送される伝送路2aには終端抵抗4aを介して上述したハイパスフィルタ(HPF)回路3aが接続されている。
AGC回路5Fは、図20に図解したAGC回路5Eと同様、HPF回路3aの後段に設けられたコンパレータ51と、4個並列に設けられたD型FF52と、論理回路53Eとを有する。
図21においても、図解の簡略化のため、たとえば、図10を参照して述べた、チャージポンプ回路55、ループフィルタ56およびVCO57を含むPLL回路の図解を割愛している。4個並列に設けられたD型FF52には、上述した実施の形態と同様、VCO57からのクロックCKa、CKb、CKx、CKcが印加される。
AGC回路5Fはさらに、加算回路91と、歪み検出回路93と、歪みの数を計数するカウンター94とを有する。
カウンター94は基準クロックREF−CLKの歪みの程度を第2利得制御信号D−AGC2として生成する。
第2利得制御信号D−AGC2は上述した実施の形態と同様、HPF回路3bの利得を制御する信号である。
たとえば、上述したように、図10を参照して述べたAGC回路5B内の論理回路53Bとして、図15〜図17を参照して述べた論理回路53を適用することができるし、図18および図19を参照して述べた論理回路53を適用することができる。
ハイパスフィルタ3は、図7を参照して述べた差動型であってもなくてもよい。
Claims (15)
- 伝送路を伝送されたシリアル2値データの劣化特性を補償可能な利得・周波数特性を有し、利得が制御可能な補償回路と、
前記補償回路の出力信号を2値識別する2値識別回路と、
該2値識別回路から出力される連続するアイパターンの中央に位置する複数の2値シリアルデータ、および、前記複数の2値シリアルデータのうち少なくとも連続する2のデータの間に位置する遷移データを、ぞれぞれ位相の異なる複数の所定のクロックに応じて保持する複数のデータ保持回路と、
前記複数のデータ保持回路に保持された前記複数のデジタルデータのパターンを判定して、少なくとも、前記補償回路の利得を増減させる利得制御信号を生成して前記補償回路に印加するとともに、前記複数のデータ保持回路に保持された前記複数のデジタルデータの値から判定されたクロックと前記2値識別回路から出力されたデータとの位相差に応じた信号を出力する、論理回路と、
前記複数のデータ保持回路および前記論理回路と位相同期回路を構成し、前記論理回路から出力される前記位相差に応じた信号の電圧に応じた周波数で発振して前記複数のデータ保持回路のそれぞれに印加する複数のクロックを発生して前記位相の異なる所定のクロックとして前記複数のデータ保持回路の対応するデータ保持回路に出力する、電圧制御型発振回路と
前記利得が制御可能な補償回路と前記2値識別回路との間に、オフセット補正用の加算回路と、
を有し、
前記複数のデータ保持回路は、前記2値識別回路から出力される連続するアイパターンの中央に位置する複数の2値シリアルデータ、および、当該複数の2値シリアルデータのうちの連続する2つの間の遷移データを前記電圧制御型発振回路から発振された複数のクロックに応じて保持可能に構成されており、
前記論理回路は、
前記複数のデータ保持回路で保持された全てのデータのパターンに基づいて前記利得が制御可能な補償回路の利得を制御する利得制御信号を生成して前記補償回路に印加し、 前記複数のデータ保持回路で保持された前記複数のデジタルデータの値から判定されたクロックと前記2値識別回路から出力されたデータとの位相差に応じた信号を前記電圧制御型発振回路に印加し、
前記複数のデータ保持回路で保持された前記遷移データが「1」および「0」それぞれの累計を求めて、前記補償回路を含むアナログ回路のオフセット補正量を算出してオフセット補正信号を生成して前記加算回路に印加する、
利得制御回路。 - 前記利得が制御可能な補償回路は、
前記伝送路を伝送されたシリアル2値データの劣化特性を補償可能な利得・周波数特性を有するハイパスフィルタと、
利得制御可能な増幅回路と
を有する、
請求項1に記載の利得制御回路。 - 前記電圧制御型発振回路は、
前記論理回路から出力される位相差に応じた信号に応じて、前記複数のデータ保持回路における前記2値識別回路から出力される連続する複数の2値シリアルデータを保持するのに用いるクロックを生成する第1リング発振回路と、
前記複数のデータ保持回路における前記データを保持するのに用いるクロックを生成する第2リング発振回路と、
前記第1および第2リング発振回路を接続するカップリング・インバータ回路と
を有する、
請求項1または2に記載の利得制御回路。 - 当該利得制御回路は、
前記伝送路と同等の第2伝送路を伝送された基準クロックを受信して該受信した基準クロックの減衰特性を推定する減衰特性推定回路と、
該減衰特性推定回路で推定した減衰特性信号を、前記論理回路で生成した利得制御信号に加算して前記補償回路に印加する加算回路と
をさらに有する、
請求項1〜3のいずれかに記載の利得制御回路。 - 当該利得制御回路は、
前記伝送路と同等の第2伝送路を伝送された基準クロックを受信して補償する第2補償回路の出力の歪みを検出する歪み検出回路と、
該歪み検出回路で検出した歪みを計数する計数回路と
該計数回路で計数した歪み検出信号を、前記論理回路で生成した利得制御信号に加算して前記補償回路に印加する加算回路と
をさらに有し、
前記計数回路で計数した歪み検出信号を前記第2補償回路に印加して当該第2補償回路の利得を制御する、
請求項1〜3のいずれかに記載の利得制御回路。 - 前記論理回路は、
前記複数のデータ保持回路において保持された複数のデータをデシリアル化する回路と、
前記デシリアル化された複数のデータと、前記複数のデータ保持回路において保持された前記複数のデータとのパターンを判定して前記補償回路の利得を増加または減少させるかの利得を決定する、複数の利得判定回路と、
前記複数の利得判定回路の結果を集計する利得集計回路と
を有し、
前記利得集計回路が、前記補償回路の利得制御信号を生成する、
請求項1〜5のいずれかに記載の利得制御回路。 - 前記伝送路を伝送されたシリアル2値データはNRZデータであり、
複数の利得判定回路はそれぞれ、連続する3ビットのデータと、第2および第3のデータとのパターンを判定して前記補償回路の利得を増加または減少させるかの利得を決定し、
前記利得集計回路は前記複数の利得判定回路の結果を集計する、
請求項6に記載の利得制御回路。 - 前記利得集計回路は、
連続する3ビットのアイパターンの中央で取り込んだ第1の値と、第2の値と第2と第3の遷移領域の値と第3の値が「0001、0100、1011及び1110」の場合は、前記補償回路の利得が不足していると判断しその利得を増大させる信号を出力し、
連続する3ビットのアイパターンの中央で取り込んだ第1の値と第2の値と、第2と第3の遷移領域の値と第3の値が「0011、0110、1001及び1100」の場合は、前記補償回路の利得が過剰であると判断しその利得を減少させる信号を出力する、
請求項7に記載の利得制御回路。 - 前記利得集計回路は、
連続する2ビットのアイパターンの中央で取り込んだ第1の値と、第1と第2の遷移領域の値と第2の値が「001」または「110」の場合は、前記電圧制御型発振回路の位相が進んでいると判断して前記電圧制御型発振回路の位相を遅らせる信号を出力し、
連続する2ビットのアイパターンの中央で取り込んだ第1の値と、第1と第2の遷移領域の値と第2の値が「011」または「100」の場合は、前記電圧制御型発振回路の位相が遅れていると判断して前記電圧制御型発振回路の位相を進める信号を出力する、
請求項7または8に記載の利得制御回路。 - 前記利得集計回路は、
前記電圧制御型発振回路の周波数と位相を前記伝送路を伝送されたシリアルデータに同期させ、遷移領域で前記データ保持回路に取り込んだ値が「0」の場合は、前記補償回路のオフセットが負であると判断しオフセットをキャンセルする信号を出力し、
遷移領域で前記データ保持回路に取り込んだ値が「1」の場合は、前記補償回路のオフセットが正であると判断しオフセットをキャンセルする信号を出力する、
請求項7〜9のいずれかに記載の利得制御回路。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の利得制御回路を有する、
シリアルデータ受信装置。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の利得制御回路の利得制御方法であって、
前記伝送路を伝送されたシリアル2値データの劣化特性を補償可能な利得・周波数特性を有し、利得が制御可能な前記補償回路の出力信号を2値識別する2値識別ステップと、 該2値識別ステップにより得られる連続するアイパターンの中央に位置する複数の2値シリアルデータ、および、複数の2値シリアルデータのうち少なくとも連続する2のデータの間に位置する遷移データを、位相の異なる所定の複数のクロックに応じて保持する複数のデータ保持ステップと、
前記保持された複数のデジタルデータのパターンを判定して、少なくとも、前記補償回路の利得を増減させる利得制御信号を生成し、前記保持された複数のデジタルデータの値から判定されたクロックと前記2値識別ステップで得られたデータとの位相差に応じた信号を出力する、論理処理ステップと、
前記論理処理ステップにより得られた前記位相差に応じた信号の電圧に応じた周波数で発振して前記複数のデータ保持ステップにおける複数のクロックを発生するクロック発生ステップと、
前記複数のデータ保持ステップで保持された全てのデータのパターンに基づいて前記利得が制御可能な補償回路の利得を制御する利得制御信号を生成して前記補償回路に印加し、前記複数のデータ保持ステップで保持された前記複数のデジタルデータの値から判定されたクロックと前記2値識別回路から出力されたデータとの位相差に応じた信号を前記電圧制御型発振回路に印加し、前記複数のデータ保持ステップで保持された前記遷移データが「1」および「0」それぞれの累計を求めて、前記補償回路を含むアナログ回路のオフセット補正量を算出してオフセット補正信号を生成して前記加算回路に印加するステップ、
を有する、
利得制御方法。 - 前記データ保持ステップにおいて、前記2値識別ステップにおいて得られた連続するアイパターンの中央に位置する複数の2値シリアルデータ、および、当該複数の2値シリアルデータのうちの連続する2つのデータ間の遷移データを前記複数のクロックに応じて保持し、
前記論理ステップにおいて、
前記保持された全てのデータのパターンに基づいて前記利得が制御可能な補償回路の利得を制御する利得制御信号を生成し、
前記保持された前記遷移データの両側のデータのパターンに基づいて求めた位相差信号に応じてクロックを生成し、
前記保持された前記遷移データが「1」および「0」それぞれの累計を求めて、前記補償回路を含むアナログ回路のオフセット補正量を算出してオフセット補正信号を生成して前記利得制御信号に加算する、
請求項12に記載の利得制御方法。 - 前記伝送路と同等の第2伝送路を伝送された基準クロックを受信して該受信した基準クロックの減衰特性を推定する減衰特性推定ステップと、
該減衰特性推定ステップで推定した減衰特性信号を、前記論理回路で生成した利得制御信号に加算して前記補償回路に印加するステップと
をさらに有する、
請求項12または13に記載の利得制御方法。 - 前記伝送路と同等の第2伝送路を伝送された基準クロックを受信して補償する第2補償回路の出力の歪みを検出する歪み検出ステップと、
該歪み検出ステップで検出した歪みを計数する計数ステップと
該計数ステップで計数した歪み検出信号を、前記論理処理ステップで生成した利得制御信号に加算して前記補償回路に印加するステップと
をさらに有し、
前記計数ステップで計数した歪み検出信号を前記第2補償回路に印加して当該第2補償回路の利得を制御する、
請求項12〜14のいずれかに記載の利得制御方法。
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