JP3881405B2 - 機械翻訳システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1言語の表現を第2言語の表現に翻訳する機械翻訳システムおよびその方法に関し、更に詳細には、翻訳結果で得られた訳語を変更する訳語選択に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
第1言語表現を第2言語表現に変換する機械翻訳では、2言語間の単語の概念が一対一に対応していないため、複数の訳語候補の中から一つの訳語を選ぶ訳語選択を行わなければならない。しかし、ある単語の最適な訳語がいつも同じ語であるとは限らない。また、下記に示す例の動詞「思う」のように、同じ文中に出現しても、文脈やニュアンスによって、最適な訳語が変わることもある。
【0003】
例 「私は彼が成功すると思う」の場合
1.“I believe that he will succeed. ”→成功を確信している場合
2.“I hope that he will succeed.”→成功を期待している場合
3.“I fear that he will succeed.”→成功を望まない場合
【0004】
現在の機械翻訳では、複数の訳語候補の中から最適な訳語を自動的に選択することは不可能であり、最適な訳語をユーザが決定する訳語選択の機能が、機械翻訳の実用化において、重要な位置を占めている。
【0005】
このような訳語選択に関する技術として、従来では、例えば、特開平5−89617号公報等に示されるものがあった。この技術は、ユーザから指示された単語の訳語候補の一覧を表示し、ユーザがその中から最適な訳語を選択することにより、訳語の変更を行うものである。例えば、動詞「思う」を例にとると、研究社の新和英大辞典(第4版)では、“think ”,“consider”,“suppose ”等、50以上の語が訳語として提示されている。そして、従来では、このような訳語候補を全て表示し、ユーザがその中から最も適切な訳語を選択するよう構成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ある単語の訳語候補が、いつも有効な候補語であるとは限らない。それは、複数の概念を合わせ持つ単語が、ある特定の意味で使用された時、その概念に対応する訳語だけが訳語候補として有効で、それ以外の概念に対応する訳語は不要となるからである。例えば、上記従来の例の場合、50以上ある「思う」の訳語候補のうち例3の意味で使われる「思う」の訳語候補は、“fear”,“be afraid ”等、数種類しかない。つまり、例3の「思う」の訳語候補として有効なものは数種類だけで、実際にはその中から訳語を選択すれば良いことになる。
【0007】
ところが、従来技術では、有効な訳語候補が全体の一部であるにもかかわらず、全ての候補から訳語を選択しなければならないため、訳語候補が多い場合や、作業者の第2言語に関する知識が少ない場合には、適切な語を選択するために多大な労力を要してしまい、作業効率が悪いという問題があった。このような点から、ユーザに対する負担を軽減し、作業効率を向上させることのできる機械翻訳システムの実現が望まれていた。
【0008】
更に、以下の例に示すように、翻訳結果の対応箇所に選択した訳語を入れるだけでは、最適な翻訳結果を得ることはできない。それは、単語によって、とり得る文型に制限があるからである。
【0009】
例 「私は事態が深刻だと思う」の翻訳結果で“I think that the situation is serious.”の“think ”を“regard”に変更する場合
× “I regard that the situation is serious. ”
○ “I regard the situation as serious.”
【0010】
しかしながら、従来では、訳語変更に伴う文の修正を自動的に行う機能がなく、翻訳結果の修正は、ユーザが行わなければならなかった。従って、このような点からも、ユーザの負担を軽減することのできる機械翻訳システムの実現が望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
<請求項1の構成>
第1言語で表された見出し語と、この見出し語と類似する意味を有するこの見出し語とは別の単語である第1言語で表された複数の言い換え語と、この複数の言い換え語の各々に対する第2言語で表された複数の訳語候補を格納する対応テーブルと、 第1言語の入力文を第2言語の出力文に翻訳した翻訳結果に対して、第1言語の入力文中の言い換え語を有する単語、又は、この単語に対応する第2言語の出力文中の訳語を指定した訳語変更要求があった場合は、対応テーブルを検索して、訳語変更要求のあった単語が見出し語として有する全ての言い換え語、又は、訳語変更要求のあった訳語に対応する単語が見出し語として有する全ての言い換え語を言い換え候補語として出力する候補語出力部と、候補語出力部で言い換え候補語を出力した結果、いずれかの言い換え候補語が指定された場合は、指定された言い換え候補語に対応する単語を見出し語とし、この単語が有する全ての訳語の一部から成る指定された言い換え候補語に対する第2言語で表された複数の訳語候補を格納する訳語バッファと、第1言語の入力文中の各単語に対して、その単語が前記訳語バッファの見出し語として格納されているかを検索し、格納されていた場合は見出し語の訳語候補を選択するためには満たさなければならない適用条件を入力文が満たしているかを確認し、満たしている訳語を抽出して適用条件を利用した翻訳を行う翻訳部と、翻訳結果を表示すると共に、ユーザからの訳語変更要求を受け付け、かつ、候補語出力部からの言い換え候補語を表示すると共に、この言い換え候補語の指定をユーザから受け付けるユーザインタフェースとを備えることを特徴とする機械翻訳システムである。
【0012】
〈請求項1の説明〉
翻訳結果に対して、ユーザがいずれかの訳語を変更したい場合、第2言語の訳語あるいはその訳語に対応する第1言語の単語を指定する。これにより、候補語出力部は、変更要求された訳語に対応する第1言語の単語をキーとして対応テーブルを検索し、その単語の言い換え語を抽出して、言い換え候補語として出力する。
【0013】
従って、ユーザは、いずれかの訳語を変更したい場合は、第1言語での言い換え候補語を選択することにより、単語の表す意味の範囲を狭め、訳語候補語を絞り込むことができる。また、ユーザが第2言語に精通していない場合でも、第1言語による選択を行うため、簡単かつ効率的に翻訳作業を行うことができる。
【0014】
訳語バッファは、候補語出力部で言い換え候補語を出力した結果に対して、いずれかの言い換え候補語が指定された場合、この言い換え候補語の訳語候補を格納する。ここで、その見出し語は、言い換え候補語の候補元となった単語である。翻訳部は、入力文の各単語に対して、その単語が訳語バッファの見出し語として格納されているかを検索し、格納されていた場合は、その訳語候補の中から適用条件を満たすいずれかの訳語を抽出し、この抽出した訳語と適用条件を利用して、入力文を翻訳する。
【0015】
従って、訳語変更に伴う文の修正をシステムが行うため、翻訳結果の修正をユーザが行う必要がなく、ユーザが第2言語に精通していない場合でも、更に、簡単かつ効率的に訳語を変更することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。尚、以下の具体例では、本発明を日英機械翻訳システムに適用した場合について説明する。
【0022】
《具体例1》
〈構成〉
図1は、本発明の具体例1による機械翻訳システムの構成図である。
図のシステムは、入出力装置10、処理装置20、記憶装置30から構成される。入出力装置10は、テキストの入力、単語の指定等を行う入力部11と、翻訳結果や候補語の表示等を行う出力部12からなる。
【0023】
処理装置20は、翻訳処理を行う翻訳実行部21と、入出力装置10と処理装置20のデータの受渡しを制御するユーザインタフェース制御部22と、検索対象の単語を指定する単語指定部23と、単語指定部23から受け取った単語をキーとして、後述する対応テーブル34を検索して、必要な情報を出力部12に出力する候補語出力部24と、選択された訳語を翻訳結果の変更対象の語と置き換える候補語選択部25とから構成される。また、入出力装置10と、ユーザインタフェース制御部22とで、ユーザインタフェース40を構成しており、このユーザインタフェース40は、翻訳実行部21の翻訳結果を表示すると共に、ユーザからの訳語変更要求を受け付け、かつ、翻訳実行部21からの言い換え候補語を表示すると共に、その言い換え候補語の指定をユーザから受け付ける機能を有するものである。
【0024】
記憶装置30は、入力テキストを保存する原文ファイル31と、翻訳結果を保存する訳文ファイル32と、翻訳辞書33と、対応テーブル34を備えている。
【0025】
図2は、翻訳辞書33の一例を示す説明図である。
図3は、対応テーブル34の一例を示す説明図である。
翻訳辞書33は、図2に示すように、見出し語101、見出し語の品詞102、訳語103、訳語の品詞104のスロットからなり、各スロットには、見出し語に対する訳語の優先度の順に格納されている。また、対応テーブル34は、図3に示すように、見出し語201、見出し語の言い換え語202、各言い換え語に対応する訳語203のスロットからなり、各スロットには、見出し語に対する訳語の優先度の順に格納されている。尚、図示の翻訳辞書33および対応テーブル34では、優先度は、上にいくに従って優先度が高いものとする。
【0026】
〈動作〉
次に、フローチャートに従って、処理の流れを説明する。
最初に、翻訳処理の全体的な流れを説明する。
【0027】
図4は、翻訳処理のフローチャートである。
ステップS1の形態素解析処理で、入力された原文を単語単位に分割し、品詞や活用形等の情報を解析する。次のステップS2の構文解析処理で、係り受け等の文章構造を決定する。そして、変換処理(ステップS3)で、原言語から対象言語への変換を行う。
【0028】
図5に変換処理の詳細をフローチャートで示す。
変換処理は、各単語に対して翻訳辞書33を検索し、対象言語の単語に変換する処理を行う。先ず、第1単語をセットし(ステップS301)、その第1単語に対して翻訳辞書33を検索して(ステップS302)、翻訳辞書33に訳語候補があるかを判定する(ステップS303)。このステップS303において、訳語候補が存在した場合は、優先度の高い候補語から順に適用条件のチェックを行い(ステップS304)、当てはまればそれを選択する(ステップS305、S306)。尚、適用条件とは、文法的制限等、その単語を選択するためには満たしていなければならない条件であるが、具体例1の特徴点には直接関係がないため、その詳細は後述する具体例2で説明する。
【0029】
ステップS305で、適用条件に当てはまらなかった場合は、ステップS308に進み、次候補があるかを判定して、あった場合はステップS304に戻って、その候補に対して適用条件のチェックを行う。このステップS305〜S304のループで、全ての候補に当てはまらなければ、デフォルト訳語を選択する(ステップS309)。そして、次の単語があるかを判定し(ステップS307)、単語が残っていない場合は、変換処理を終了し、単語が残っている場合は、ステップS302に戻って、上記の処理を繰り返す。
【0030】
図4に戻り、構文生成処理(ステップS4)は、対象言語の単語情報を用いて、対象言語での文章構造を生成する処理である。最後に、ステップS5の形態素生成処理で、活用や、単複情報、人称情報等の生成を行い、対象言語での文章を生成する。
【0031】
次に、具体例1の特徴的な動作を説明する。
図6は、具体例1の動作を示すフローチャートである。
先ず、入力部11から翻訳対象となるテキスト(日本文)を入力し(ステップS11)、次のステップS12〜S13で、翻訳実行部21が、そのテキストを翻訳辞書33を用いて翻訳し、その結果を出力部12に表示する。即ち、これらの処理が上述した図4、図5の翻訳処理に相当する。また、この時、訳し分け候補を持つ単語と、それに対応する訳語部分をアンダーラインで示したり、反転表示したりしても良い。これは、翻訳処理を行う際に、翻訳辞書33に複数の訳語が記述されていた単語およびその訳語にフラグを立て、出力部12で表示を制御することにより実現する。
【0032】
次に、ステップS14で、翻訳結果に訳語変更を行いたい単語があれば、即ち、入力部11にユーザから訳語変更要求があれば、次のステップS15に進み、なければ、そのまま処理を終了する。ステップS15で、ユーザが入力部11から訳語を変更したい単語を指定すると、その単語は単語指定部23から候補語出力部24に渡される。候補語出力部24は、対応テーブル34から指定された単語とマッチする見出し語を含むデータを検索し、言い換え語のリストを出力部12に表示する(ステップS16)。これにより、次のステップS17において、ユーザが入力部11より、いずれかの言い換え語を選択した場合は、次のステップS18に進み、変更処理を行う。
【0033】
ステップS17において、言い換えがない場合、あるいは言い換え語のリスト中に適切な候補語がない場合は、ステップS19に進み、入力部11から直接編集する等の方法で翻訳結果の修正を行って、処理を終了する。また、ステップS18の変更処理は、以下の二つの方法のいずれかを用いる。
【0034】
変更処理1:2段階に候補語を表示し、選択する方法
図7は、この変更処理1のフローチャートである。
先ず、ステップS1801で、ユーザが入力部11から言い換え候補語のリスト中の語を選択すると、その情報が単語指定部23から候補語出力部24に渡される。これにより、候補語出力部24は、対応テーブル34から指定された単語とマッチする言い換え語を含むデータを検索し、その訳語候補のリストを出力部12に表示する(ステップS1802)。表示された訳語候補のリスト中に適切な訳語があれば、ユーザは入力部11からそれを選択する(ステップS1803、S1804)。その結果、候補語選択部25は、翻訳結果の変更対象の単語を選択した訳語と置き換え(ステップS1805)、処理を終了する。一方、上記ステップS1803において、訳語候補のリスト中に適切な訳語がなければ、そのまま処理を終了する。
【0035】
変更処理2:言い換え候補語を選択し、訳語候補リストの中で優先度の高い訳語を提示する方法
【0036】
図8は、この変更処理2のフローチャートである。
先ず、ステップS1811で、ユーザが入力部11から言い換え候補語のリスト中の語を選択すると、その情報が単語指定部23から候補語出力部24に渡される。これにより、候補語出力部24は、対応テーブル34から指定された単語とマッチする言い換え語を含むデータを検索し、その訳語候補のリストのうち、最も優先度の高い訳語候補を出力部12に表示する(ステップS1812)。訳語が適切であれば、ユーザは入力部11からその訳語を選択する(ステップS1813、S1814)。そして、候補語選択部25が、翻訳結果の変更対象単語を、選択した訳語と置き換え(ステップS1815)、処理を終了する。一方、上記ステップS1813において、表示された訳語候補が適切でなければ、次候補語があるかを調べ(ステップS1816)、次候補語があった場合はステップS1812に戻り、候補語出力部24が次に優先度の高い訳語を提示する。このステップS1813〜S1816〜S1812の処理を、適切な訳語が提示されるまで繰り返し、ステップS1816で次候補がなくなれば、ステップS1817でその旨のメッセージを出力し、処理を終了する。
【0037】
図6の説明に戻り、ステップS13において、ステップS18の変更処理で得られた翻訳結果を表示する。以降、正しい翻訳結果が得られるまで、ステップS13〜S18の処理を繰り返す。
【0038】
次に、翻訳結果の表現の一例を用いて、処理の流れを具体的に説明する。
図9は、翻訳結果の一例を示す図である。
この例では、変更処理は図8に示した変更処理2の方法を用いる。A1が入力テキスト(原文)、A2が翻訳辞書33を使って訳語選択を行った場合の翻訳結果(訳文)の例である。
【0039】
本システムの入力部11にA1に示すテキストを入力すると、翻訳実行部21によって翻訳処理が実行され、A2に示す翻訳結果が出力部12に表示される。翻訳辞書33による訳語選択は、一般に以下の手順で行われる。「思う」の辞書を検索し、図2に示す“think 〜quess ”の訳語候補を得る。これらの候補語を、優先度の高いものから順に適用し、訳語の適用条件が満たされていればそれを訳語として選択する。この場合、第1候補の“think ”が訳語として選択されている。
【0040】
翻訳処理の結果、言い換え候補語を持つ動詞「思う」と、それに対応する訳語“think ”の部分が、反転表示されている。A2の翻訳結果に対して、訳語変更の要求があれば、変更したい訳語の単語指定を行う。ここで、単語指定は、原文・訳文のどちらを指定しても構わない。「思う」あるいは“think ”を指定すると、候補語出力部24によって、図3に示した対応テーブル34が参照され、次のような言い換え候補語のリストが表示される。
【0041】
図10は、言い換え候補語のリストを示す図である。
ユーザは、リストの中から「思う」の意味を適切に表す候補語を選択する。ここでは、「確信する」が最も適切であると考え、図10中の番号2を選択する。これにより、候補語出力部24が、対応テーブル34から、「確信する」の訳語候補のうち、最も優先度の高い“believe ”を訳語候補として提示する。“believe ”が適切であれば、ユーザはこれを選択する。適切でなければ、次候補語を要求する。すると、次に優先度の高い“be sure ”が訳語候補として提示される。適切な訳語が提示されるまで、このような処理を繰り返す。訳語が選択されると、翻訳結果の変更指定語“think ”が、候補語選択部25によって、選択された訳語と置き換えられる。“be sure ”を選択した場合、“think ”が“be sure ”と置き換えられる。
【0042】
図11に変更処理を行った後の翻訳結果を示す。
図11に示す訳文B2に対して、訳語変更の要求があれば、再度単語指定を行い、変更処理を繰り返す。なければ、処理を終了する。
【0043】
〈効果〉
以上のように、具体例1によれば、第1言語での言い換え候補語を選択することにより、単語の表す意味の範囲を狭め、訳語候補語を絞り込むことができる。これにより、選択候補の多い訳語でも、効率的に訳語変更を行うことが可能となる。また、ユーザが第2言語に精通していない場合でも、第1言語による選択を行うため、簡単かつ効率的に翻訳作業を行うことができる。
【0044】
《具体例2》
具体例2は、第1言語に対応した第2言語の表現を格納する訳語バッファを設け、この訳語バッファに格納した訳語のうち、優先度の高く、かつ、適用条件にあっているものを訳語として採用し、この訳語によって再翻訳処理を行うようにしたものである。
【0045】
〈構成〉
図12は、具体例2の機械翻訳システムの構成図である。
具体例2のシステムは、上記具体例1と同様に、入出力装置10、処理装置20a、記憶装置30から構成される。入出力装置10は、テキストの入力、訳語を変更したい単語の指定、候補語の選択等を行う入力部11と、翻訳結果や候補語の表示等を行う出力部12からなり、これらの構成は具体例1と同様である。
【0046】
処理装置20aは、翻訳実行部21a、ユーザインタフェース制御部22、単語指定部23、候補語出力部24aと、候補語選択部25と、訳語バッファ26から構成される。翻訳実行部21aは、訳語変更要求があった場合は、第1言語の入力文中の各単語に対して、その単語が訳語バッファ26の見出し語として格納されているかを検索し、格納されていた場合は、優先度の高い訳語の順に、適用条件をチェックし、適用条件があっていた訳語により再翻訳処理を行う機能を有している。また、訳語バッファ26は、候補語出力部24aで候補語を出力した結果、いずれかの候補語が指定された場合は、この候補語の候補元の単語を見出し語として、候補語に対応した第2言語の訳語を格納するためのバッファである。更に、候補語出力部24aは、ユーザからいずれかの候補語が指定された場合は、対応テーブル34から、その候補語に対応した訳語を抽出し、これを訳語バッファ26に格納する機能を有している。尚、処理装置20aにおいて、他の各構成は具体例1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0047】
記憶装置30は、入力テキストを保存する原文ファイル31と、翻訳結果を保存する訳文ファイル32と、翻訳辞書33と、対応テーブル34を備えている。
【0048】
図13は、翻訳辞書33の一例を示す図である。
図14は、対応テーブル34の一例を示す図である。
翻訳辞書33は、見出し語101、見出し語の品詞102、訳語103、訳語の品詞104、適用条件105のスロットから構成される。ここで、見出し語101〜訳語の品詞104は、具体例1で説明した通りである。そして、適用条件105とは、第1言語に対応した第2言語の訳語に対して、文法的制限等、その単語を選択するためには満たしていなければならない条件を示すものである。例えば、訳語“regard”の適用条件105としては、「AをBと思う−regard A as B」といった条件が記載されている。これは、regardの場合、「AをBと思う」という文に適用され、この場合の構文としては「regard A as B」となることを示している。
【0049】
また、対応テーブル34は、見出し語201、見出し語の言い換え語202、各言い換え語に対応する訳語203のスロットから構成されており、これらのスロットの構成は具体例1と同様である。
【0050】
〈動作〉
図15は、本具体例の動作フローチャートである。
先ず、入力部11から翻訳対象となるテキスト(日本文)を入力し(ステップS21)、次のステップS22〜S23で、翻訳処理の実行、および結果の表示を行う。この時、言い換え候補語を持つ単語とそれに対応する訳語部分に、アンダーライン等を表示してもよい。ステップS24で、訳語変更を行いたい単語があれば、次のステップS25に進み、なければそのまま処理を終了する。
【0051】
ステップS25で訳語を変更したい単語をユーザが指定すると、ステップS26で言い換え候補語のリストが表示される。ステップS27でリスト中に適切な候補語があればそれを選択する(ステップS28)。言い換え候補語がない場合、あるいは適切な候補語がない場合は、ステップS31に進み、直接編集する等の方法で翻訳結果の修正を行って、処理を終了する。
【0052】
ステップS28で言い換え候補語が選択されると、候補語出力部24aは、対応テーブル34を参照し、言い換え語に対応する訳語とその優先度を訳語バッファ26に格納し(ステップS29)、翻訳実行部21aが再翻訳処理を行う(ステップS30)。このステップS30の再翻訳処理は、上記具体例1の図5で示した変換処理とは異なっている。
【0053】
図16に再翻訳時の変換処理のフローチャートを示す。
再翻訳処理では、変換処理を行う際、ステップS41で第1単語をセットすると、先ず、訳語バッファ26を検索し(ステップS42)、見出し語があれば、優先度の高いものから順に翻訳辞書33を参照して訳語の適用条件をチェックし(ステップS43〜S45)、当てはまればそれを選択する(ステップS46)。ステップS43において、訳語バッファ26に訳語候補がなければ、次のステップS48に移行して変換処理(上述した図5のステップS302〜S309に示した一般的な変換処理)を行い、翻訳辞書の訳語候補に対して、訳語選択処理を行い、訳語を決定する。ステップS46で訳語を決定すると、次単語があるかを判定し(ステップS47)、次単語があった場合は、ステップS42に戻り、その単語に対して訳語バッファ26を検索する。このようにして、第1言語の入力文中の各単語に対して、順次変換処理を行う。
【0054】
図15に戻り、ステップS30の再翻訳処理が終了すると、ステップS23に戻り、翻訳結果を表示する。以降、正しい翻訳結果が得られるまで、ステップ23〜S30の処理を繰り返す。
【0055】
次に、例文を用いて、処理の流れを具体的に説明する。
図17は、翻訳結果の一例を示す図である。
図中、C1が入力テキスト、C2が翻訳辞書33を使って訳語選択を行った場合の翻訳結果の例である。
【0056】
入力テキストC1を入力すると、翻訳処理が実行され、C2に示す翻訳結果が表示される。ここで、言い換え候補語を持つ動詞「思う」と、それに対応する訳語“think ”の部分が、反転表示されており、第1候補の“think ”が訳語として選択されたことが分かる。
【0057】
翻訳結果C2に対して、訳語変更の要求があれば、変更したい訳語の単語指定を行う。単語指定は、原文・訳文のどちらを指定しても構わない。「思う」あるいは“think ”を指定すると、図14で示した対応テーブル34を参照し、次のような言い換え候補語のリストを表示する。
【0058】
図18は、言い換え候補語のリストを示す図である。
ユーザは、リストの中から「思う」の意味を適切に示す候補語を選択する。ここでは、「みなす」が最も適切であると考え、図中の番号3を選択する。これにより、候補語出力部24aが、対応テーブル34から、「みなす」の訳語候補を訳語バッファ26に格納する。
【0059】
図19は、「みなす」の訳語候補を格納した訳語バッファ26の内容説明図である。
ここでは、「みなす」の見出し語である「思う」が見出し語301のスロットに格納され、訳語302のスロットには、regard、look upon 、considerが格納されている。
【0060】
次に、再翻訳処理(図15のステップS30)を行う。再翻訳処理では、形態素解析処理、構文解析処理(図4に示す一般的な翻訳処理におけるステップS1、S2)を行った後、図16に示す変換処理を行う。「思う」が訳語バッファ26に存在するので、訳語は訳語バッファ26から選択される。これらの訳語候補のうち、優先度の高いものから順に適用条件のチェックを行い、当てはまれば、それを選択する。
【0061】
ここでは、訳語バッファ26の第1候補が“regard”であるので、翻訳辞書33を参照して適用条件をチェックし、当てはまれば、“regard”を訳語として選択する。当てはまらなければ、第2候補の“look upon ”の適用条件をチェックする。ここでは、“regard”が適用条件に当てはまったものとする。即ち、入力テキストD1「私は事態が深刻だと思う」では、事態(=A)、深刻(=B)とすると、「AをBと思う」に適用しているため、適用条件に当てはまったものとする。その後は、翻訳辞書33の情報を用いて、構文生成処理および形態素生成処理(図4におけるステップS4、S5)を行い、翻訳結果を出力する。
【0062】
図20は、変更処理後の翻訳結果の例を示す図である。
図示のように、“regard”の辞書に、「AをBと思う」を“regard A as B ”と訳すという情報があるため、これを用いて、D2に示す翻訳結果を得ることができる。そして、この翻訳結果D2に対して、訳語変更の要求があれば、再度単語指定を行い、変更処理を繰り返す。なければ処理を終了する。
【0063】
以上の例では、言い換え候補語を選択し、訳語候補を限定して再翻訳を行うことにより、適切な訳語を訳出する方法について述べた。これ以外にも、本具体例をプリエディット支援や、訳語指定翻訳に適用することもできる。プリエディット支援は、言い換え語の選択を翻訳前の原文に対して行うことにより、簡単に実現することができる。また、訳語指定翻訳は、言い換え語選択の後、言い換え語に対応する訳語を表示し、それを選択することで、訳語バッファ26の訳語候補を更に絞り込み、再翻訳することで実現できる。
【0064】
〈効果〉
以上のように、具体例2によれば、具体例1の効果に加えて、更に訳語変更に伴う文の修正が自動的に行え、翻訳作業におけるユーザの負担を更に軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機械翻訳システムの具体例1の構成図である。
【図2】本発明の機械翻訳システムの具体例1における翻訳辞書の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の機械翻訳システムの具体例1における対応テーブルの一例を示す説明図である。
【図4】翻訳処理の全体的な流れのフローチャートである。
【図5】変換処理の詳細なフローチャートである。
【図6】本発明の機械翻訳システムの具体例1のフローチャートである。
【図7】本発明の機械翻訳システムの具体例1の変更処理1のフローチャートである。
【図8】本発明の機械翻訳システムの具体例1の変更処理2のフローチャートである。
【図9】本発明の機械翻訳システムの具体例1の翻訳結果の一例を示す図である。
【図10】本発明の機械翻訳システムの具体例1の言い換え候補語のリストを示す図である。
【図11】本発明の機械翻訳システムの具体例1の変更処理を行った後の翻訳結果の一例を示す図である。
【図12】本発明の機械翻訳システムの具体例2の構成図である。
【図13】本発明の機械翻訳システムの具体例2の翻訳辞書の一例を示す図である。
【図14】本発明の機械翻訳システムの具体例2における対応テーブルの一例を示す説明図である。
【図15】本発明の機械翻訳システムの具体例2の動作フローチャートである。
【図16】本発明の機械翻訳システムの具体例2における再翻訳時の変換処理のフローチャートである。
【図17】本発明の機械翻訳システムの具体例2の翻訳結果の一例を示す図である。
【図18】本発明の機械翻訳システムの具体例2の言い換え候補語のリストを示す図である。
【図19】本発明の機械翻訳システムの具体例2における訳語バッファの一例を示す図である。
【図20】本発明の機械翻訳システムの具体例1の変更処理を行った後の翻訳結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
21、21a 翻訳実行部
24、24a 候補語出力部
25 候補語選択部
26 訳語バッファ
34 対応テーブル
40 ユーザインタフェース
Claims (1)
- 第1言語で表された見出し語と、該見出し語と類似する意味を有する該見出し語とは別の単語である第1言語で表された複数の言い換え語と、該複数の言い換え語の各々に対する第2言語で表された複数の訳語候補を格納する対応テーブルと、
第1言語の入力文を第2言語の出力文に翻訳した翻訳結果に対して、第1言語の入力文中の言い換え語を有する単語、又は、該単語に対応する第2言語の出力文中の訳語を指定した訳語変更要求があった場合は、前記対応テーブルを検索して、該訳語変更要求のあった単語が見出し語として有する全ての言い換え語、又は、該訳語変更要求のあった訳語に対応する単語が見出し語として有する全ての言い換え語を言い換え候補語として出力する候補語出力部と、
前記候補語出力部で言い換え候補語を出力した結果、いずれかの言い換え候補語が指定された場合は、該指定された言い換え候補語に対応する単語を見出し語とし、該単語が有する全ての訳語の一部から成る該指定された言い換え候補語に対する第2言語で表された複数の訳語候補を格納する訳語バッファと、
第1言語の入力文中の各単語に対して、該単語が前記訳語バッファの見出し語として格納されているかを検索し、格納されていた場合は該見出し語の訳語候補を選択するためには満たさなければならない適用条件を該入力文が満たしているかを確認し、満たしている訳語を抽出して該適用条件を利用した翻訳を行う翻訳部と、
前記翻訳結果を表示すると共に、ユーザからの訳語変更要求を受け付け、かつ、前記候補語出力部からの言い換え候補語を表示すると共に、該言い換え候補語の指定をユーザから受け付けるユーザインタフェースと
を備えることを特徴とする機械翻訳システム。
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JP17299896A JP3881405B2 (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 機械翻訳システム |
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