JP3878386B2 - 中間膜用粘着シート及び合わせガラス積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車、鉄道車両、船舶、建築、機械装置等の窓あるいは液晶表示装置に用いられる透明ガラス積層体を、オートクレーブによる高温・高圧処理を必要とせず、室温で製造することが可能な中間膜用粘着シート及び該シートを使用した合わせガラス積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板を車両や船舶、さらには建築用の窓材として用いることは一般的である。これらの窓材として耐衝撃性能の向上、衝突物の貫通防止のために、2枚のガラス板間にポリビニルブチラール(PVB)等からなる膜を挟んだ安全合わせガラスが一般的に用いられている。
【0003】
合わせガラスは、自動車用安全ガラス、公共施設や運動施設等のグレージング材、間仕切り、防犯用ドア等に広く用いられ、その構造としては、通常、複数枚の無機ガラス板(以下、「ガラス板」という)又は一部のガラス板を透明な合成樹脂板に替え、各々のガラス板同士又はガラス板と合成樹脂板の間に中間膜を介して合わせ加工した構成となっている。このような合わせガラスは重量が大きく、衝撃の際に貫通はし難いが、ガラス板にヒビ割れ等が発生することがある。
【0004】
そこで、割れ難い材料としてポリカーボネート(PC)板に代表される合成樹脂板を用い、衝撃が加わった際の破損を低減させる合成樹脂板/ガラス板の合わせ積層体が提案されている。
【0005】
合成樹脂板/ガラス板の積層体を得る方法としては、合成樹脂板とガラス板との間にPVB膜、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)膜、ウレタン系フィルム等の熱可塑性樹脂を挟み、オートクレーブを用いて高温・高圧条件下で貼り合わせるのが一般的である。
【0006】
しかしながら、上記PVB樹脂等の熱可塑性樹脂中間膜は、合わせガラスを製造する際、加熱仮接着した後、オートクレーブを用い高温・高圧条件下で行う必要があり、作業が煩雑になるという問題があった。
【0007】
また、合わせガラスに合成樹脂板を使用したものでは、上記PVB樹脂に使用した可塑剤が中間膜と合成樹脂板との界面に吹出し(ブリードアウト)、接着力を低下させたり、合成樹脂板の白化やクラックの原因になることがあり、さらにガラス板と合成樹脂板とでは線膨脹係数が異なるため高温条件下で合わせ加工した場合、合わせガラスが反ったり、割れ易いという問題があった。
【0008】
上記問題点を解決するための手段として、PVB樹脂に代えて、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を中間膜に使用することが提案され(特開平8一188453号公報)、また、液状樹脂をガラス板の間に注入した後、室温で硬化させる方法が提案されている(特開平7一290647号公報)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなる中間膜を使用すると、オートクレーブ処理の問題や、可塑剤による問題を解決できるが、真空条件下での仮接着工程と110℃以上での合わせ加工を必要とするために、合成樹脂板との合わせガラスでは、反りや割れの問題は解決できない。また、上記の液状樹脂を用いた方法では、室温で硬化させるので、反りや割れの問題を解決できるが、樹脂の注入方法や膜厚制御が容易でないという問題がある。
【0010】
また、この構成では積層体の反りや割れの問題は解決できるが、比較的高温(60〜80°C)下の環境で使用された場合、合成樹脂板から発生するアウトガスにより、粘着剤層との界面に気泡が発生し、合わせガラスとしての外観を大きく損ねる問題があった。なぜならば、ポリカーボネート、アクリル樹脂などのプラスチック材料は一般的に吸湿性が高く、水蒸気透過性も高いものとなっている。そして、気泡が発生する原因は、吸湿状態の合成樹脂板が加熱された際に揮発した水分が、柔らかい粘着剤層を変形させるためと考えられる。ここで、アウトガスとは保管中に合成樹脂板に吸収された水分が、高温下で使用された場合に合成樹脂板から外へ放出されたものである。
【0011】
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は加熱仮接着、オートクレーブによる高温・高圧処理を必要とすることなく、室温で合わせガラス積層体を製造することが可能で、かつ製造された合わせガラス積層体が冷熱サイクル下の条件で用いられても、反りや割れの発生を防止することができる中間膜用粘着シートを提供することにある。第2の目的は、さらに製造された合わせガラス積層体が高温・高湿度下の条件で用いられても、気泡の発生を防止することができる中間膜用粘着シートを提供することにある。また、第3の目的は前記中間膜用粘着シートを使用した合わせガラス積層体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、透明粘着シートであって、少なくとも下記(a)及び(b)の粘弾性特性を有する第1の感圧接着層と、下記(c)及び(d)の粘弾性特性を有する第2の感圧接着層とをそれぞれ少なくとも1層設けた。(a)測定温度20°C、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’(1Hz)が5×103 〜5×105 Pa。(b)基準温度20°C、周波数10-7Hzでの貯蔵弾性率G’(10-7Hz)が5×101 〜5×103 Pa。(c)測定温度20°C、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’(1Hz)が1×104 〜5×106 Pa。(d)基準温度20°C、周波数10-7Hzでの貯蔵弾性率G’(10-7Hz)が1×104 〜1×106 Pa。
【0013】
従って、この発明の中間膜用粘着シートを使用して製造された合わせガラス積層体では、特定範囲の粘弾性特性を有する軟タイプの第1の感圧接着層の存在により、合わせ加工後のガラス板及び感圧接着層自体の厚みの不均一による界面の凹凸を埋めるような流動(濡れ)が進行する。しかし、感圧接着層の経時的な寸法安定性は確保される。また、ヒートサイクル条件下に生じるガラス板と合成樹脂板の膨張率の差が吸収される。さらに、第1の感圧接着層より粘弾性の高い硬タイプの第2の感圧接着層がガラス板又は合成樹脂板と対向することで、その界面接着力が軟タイプの第1の感圧接着層がガラス板又は合成樹脂板と対向する場合より大きくなって耐久性が向上する。
【0014】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記各感圧接着層がアクリル系感圧接着剤で構成されている。従って、この発明では、合わせガラス積層体の耐候性や透明性が良くなる。
【0015】
また、第2の目的を達成するめため、請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1の感圧接着層と第2の感圧接着層との間に透明な水蒸気バリアー層を備えている。
【0016】
この発明の粘着シートをガラス板と合成樹脂板又は合成樹脂板同士の積層に使用する場合は、第2の感圧接着層が合成樹脂板と対向する状態で使用する。製造された合わせガラス積層体は、第1の感圧接着層より合成樹脂板側に存在する水蒸気バリアー層のため、高温下で使用されても合成樹脂板が加熱された場合に発生するアウトガスによる気泡の発生が抑制される。
【0017】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記バリアー層が金属酸化物、酸化珪素、窒化珪素等の無機物蒸着膜である。従って、樹脂フィルムのみでバリアー層を形成する場合に比較して、薄い膜厚で水蒸気バリアー性を確保できる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、請求項3に記載の発明において、前記バリアー層がポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂等の水蒸気透過性の小さい樹脂フィルムである。従って、この発明では、樹脂フィルムが両感圧接着層を形成する芯材の役割を果たし、粘着シートの取り扱い性が良くなる。
【0019】
また、第3の目的を達成するため、請求項6に記載の発明の合わせガラス積層体は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の中間膜用粘着シートを用いてガラス板同士、ガラス板と合成樹脂板又は合成樹脂板同士を少なくとも2枚積層してなる。従って、この発明の合わせガラス積層体は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明の中間膜用粘着シートに対応する作用効果を奏する。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を説明する。
【0021】
図1に示すように、中間膜用粘着シート(以下、単に粘着シートと呼ぶ)1は、第1の感圧接着層2と、その両面に形成された第2の感圧接着層3とを備え、両感圧接着層3の接着面に離型フィルム4が付着されている。
【0022】
第1の感圧接着層2は下記(a)及び(b)の粘弾性特性を有する感圧接着剤で構成されている。(a)測定温度20°C、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’(1Hz)が5×103 〜5×105 Pa。(b)基準温度20°C、周波数10-7Hzでの貯蔵弾性率G’(10-7Hz)が5×101 〜5×103 Pa。第2の感圧接着層3は下記(c)及び(d)の粘弾性特性を有する感圧接着剤で構成されている。(c)測定温度20°C、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’(1Hz)が1×104 〜5×106 Pa。(d)基準温度20°C、周波数10-7Hzでの貯蔵弾性率G’(10-7Hz)が1×104 〜1×106 Pa。
【0023】
粘弾性特性はレオメトリックス社製の粘弾性測定装置ダイナミックアナライザーRDAIIを用いて以下の条件で測定した。
・温度:20〜150°C
・角振動数:ω=0.005〜500rad/sec
・パラレルプレート:25mmφ
・歪み量:3%
RADIIで20°Cを基準温度として温度−時間換算のマスターカーブを作成し、(a)及び(b)の周波数f値はf(Hz)=ω/(2π)より算出し、それぞれ貯蔵弾性率G’を読み取った。
【0024】
各感圧接着層2,3は厚みtが0.05〜2mmが好ましい。厚みが0.05mm未満では接着性が劣り易くなり、2mmを超えるとコスト面で問題がある。厚みが0.05〜2mmであれば、ガラス板同士、ガラス板と合成樹脂板又は合成樹脂板同士を接合して合わせガラスを製造する際、ガラス板、合成樹脂板及び感圧接着層自身の表面の凹凸に確実に対応してガラス板及び合成樹脂板に対する接着性が良好に確保されるとともに、感圧接着層2,3を形成するための感圧接着剤の量が過多とならない。
【0025】
本発明の粘着シートに用いる感圧接着層では、長時間域の貯蔵弾性率を特定の範囲で制御することで感圧接着層の変形を適度に緩和する。従って、合わせ加工時に変形した感圧接着層は、合わせ後に厚みの凹凸に馴染んで緩和し、気泡のない合わせ外観を得ることができる。
【0026】
第1の感圧接着層2は、周波数10-7Hzの貯蔵弾性率G’(10-7Hz)が5×101 〜5×103 Paの範囲であることが重要である。貯蔵弾性率G’(10-7Hz)が5×101 Pa未満では流動しすぎて合わせガラス加工後、粘着シートがはみ出たり、ガラス板等がずれるという問題があり、5×103 Paを超えると合わせガラスに加工後、硬すぎて粘着シートの僅かな厚みむらの凹凸により、凹部に気泡が発生するという問題がある。また、貯蔵弾性率G’(1Hz)が5×103 〜5×105 Paの範囲であることも、常温貼り合わせ加工において重要である。即ち、貯蔵弾性率G’(1Hz)が5×103 Pa以下である場合は、貼り合わせ直後の形状保持が難しく、貯蔵弾性率G’(1Hz)が5×105 Pa以上である場合は、ガラス板又は合成樹脂板との濡れ性が悪く十分な接着力を確保できない。
【0027】
各感圧接着層2,3を形成する感圧接着剤は、前記粘弾性特性を満足するものであれば適宜選択できるが、耐候性及び透明性の良いアクリル系感圧接着剤を用いるのが好ましい。第1の感圧接着層2を形成するのに好適な軟タイプのアクリル系感圧接着剤としては、エチレンとα,β不飽和カルボン酸を含有した(メタ)アクリル酸エステル共重合体をイオン結合、水素結合又は配位結合可能な化合物で架橋させたものが好ましい。例えば、前記共重合体に金属化合物等を添加して金属イオン架橋したアイオノマー樹脂がある。金属化合物としては、亜鉛イオン、ナトリウムイオンなどを有するアセチルアセトン金属錯体、金属酸化物、脂肪酸金属塩等を用いる。アイオノマー樹脂は既にイオン架橋したものを使用してもよいが、粘着シートの製造時に共重合体へ金属化合物を添加してイオン架橋させたものの方が好ましい。
【0028】
また、第2の感圧接着層3は第1の感圧接着層2とは対照的に硬い粘着剤である。例えば感圧接着層2を用いてガラス板と合成樹脂板を積層した場合、前記に示すように適度に軟らかいため積層界面の凹凸に良く馴染み、透明で気泡のない良好な積層体が得られる。しかし、この積層体を耐熱性試験した場合、合成樹脂板からアウトガスが感圧接着層2を発泡させる。この現象は、感圧接着層2がアウトガスの蒸気圧で変形するためであり、これを解決する変形しない硬さの感圧接着層は請求項1記載の(c)、(d)の粘弾性特性を有する第2の感圧接着層3である。これを合成樹脂板に接する界面に積層することでアウトガスによる発泡を防止することができるのである。
【0029】
また、第2の感圧接着層3を形成するのに好適な硬タイプのアクリル系感圧接着剤としては、エチレンとα,β不飽和カルボン酸を含有した(メタ)アクリル酸エステル共重合体を、紫外線硬化型化合物、イソシアネート、エポキシ、メラミン等の化合物で架橋させたものが好ましい。
【0030】
次に前記粘着シート1を使用して合わせガラス積層体(以下、単に合わせガラスと呼ぶ)を製造する方法を図2に従って説明する。合わせ加工には種々の方法があるが、オートクレーブを用いずに接合できる次の方法が好適である。合わせガラスはガラス板同士、ガラス板と合成樹脂板又は合成樹脂板同士を接合する場合とがあるが、この実施の形態ではガラス板同士を接合する。
【0031】
図2(a)に示すように、先ずガラス板5に、片面の離型フィルム4を剥がした粘着シート1をニップロール6と駆動ゴムロール7間で、ガラス板5に初めて接触するようにロール間へ搬入し、ガラス板5の表面に粘着シート1を貼付する。次に図2(b)に示すように、粘着シート1が貼付されたガラス板5を粘着シート1を介して他のガラス板5と接触させずに向かい合わせ、残りの離型フィルム4を剥がしつつ、2枚のガラス板5をその端部をニップロール6と駆動ゴムロール7間で、初めて接触するように両ロール6,7間に送り込む。離型フィルム4はニップロール6の回転速度に合わせて剥離され、両ガラス板5間に粘着シート1が順次圧着される。そして、図2(c)に示すような合わせガラス8が完成する。なお、図2(a),(b)では粘着シート1は詳細を省いて図示している。
【0032】
ニップロール6には金属ロールか、好ましくは硬度JISA70°以上のゴムロールを用い、圧力は合わせる板の厚みによって選択されるが線圧力98〜490N/cm(ニュートン/cm)が好ましい。
【0033】
両ロール6,7の間隔は、2枚のガラス板5及び粘着シート1の自由状態での厚みの合計より小さく設定されているため、両ロール6,7によってガラス板5が粘着シート1とともに挟持されると、図2(b)に示すように、ニップロール6の線圧力により、ガラス板5はロール6,7よりガラス板5の進行方向後側において粘着シート1から浮く方向に撓む。従って、第2の感圧接着層3とガラス板5との界面から連続的に気泡が追い出される状態でガラス板5が粘着シート1を介して接着される。
【0034】
両ロール6,7によって挟持された両ガラス板5は挟持部より板状体の進行方向後側が互いに離れる方向に撓むが、自重によりガラス板5が第2の感圧接着層3に接触する可能性もあるため、支持ロール9でガラス板5を支持し、支持ロール9をガラス板5と共にロール6,7側へ向かって次第に低くなるように移動させるのが好ましい。支持ロール9を設ける場合は、離型フィルム4を予め全て剥がした状態から接合作業を行っても支障はない。
【0035】
硬タイプの感圧接着層3は軟タイプの感圧接着層2に比較してガラス板5の表面の凹凸に馴染み難いため、軟タイプの感圧接着層2が存在しない場合、感圧接着層3又はガラス板5の表面に凹凸10があると、図3(a)に示すように、貼り合わせ後に弾性回復して気泡を生じる。しかし、軟タイプの感圧接着層2が存在するため、図3(b)に示すように、第2の感圧接着層3の凹凸が内部、即ち第1の感圧接着層2で緩和され、気泡の発生が防止される。
【0036】
以下、実施例及び比較例により、更に詳しく説明する。
(実施例1)
アクリル酸エステル共重合体を金属化合物で架橋させて、第1の感圧接着層2として厚さ1.0mmの感圧接着シートを形成した。より詳細には、アクリル酸エステル共重合体100重量部に対し、金属化合物としてアセチルアセトン亜鉛塩:0.5重量部及びアセチルアセトンアルミ塩:0.7重量部を溶融攪拌した後、離型フィルム間に所定厚み(1.0mm)でシート状に成形して得た。
【0037】
また、未架橋のアクリル酸エステル共重合体を酢酸エチルで固形分40重量%に調整した溶液:100重量部に対し、架橋剤としてトリレンジイソシアネート(TDI)を酢酸エチルで25重量%に調整した溶液:9.0重量部を混合攪拌して、離型フィルムに所定の厚みに塗工した。そして、溶剤を乾燥後、前記感圧接着シートを挟むように重ね合わせて、厚み0.5mmの第2の感圧接着層3に第1の感圧接着層2が挟まれるとともに表裏両面に離型フィルム4を備えた粘着シート1を得た。
【0038】
前記アクリル酸エステル共重合体は、n−ブチルアクリレート:78.4重量%、2−エチルヘキシルアクリレート:19.6重量%及びアクリル酸:2.0重量%を共重合させたもので、アクリル酸エステル共重合体のGPCで測定した分子量及び分子量分布は、重量平均分子量(MW):2.27×106 、重量平均分子量(MW)/数平均分子量(MN):3.6であった。
【0039】
市販のフロートガラス板(厚さ3mm、幅200mm、長さ300mm)の一方の面に、片面の離型フィルムを剥がした粘着シート1をニップロールと駆動ゴムロール間で、初めて接触するようにロール間へ搬入させ、線圧力:9.8N/cm、速度:5m/分で貼った後、残りの雛型フィルムを剥がした。
【0040】
次に前記粘着シートを貼ったガラス板を粘着シート1を介して前記と同じ他方のガラス板に向かい合わせ、2枚のガラス板の端部をニップロールと駆動ゴムロール間で、初めて接触するように線圧力:196N/cm、速度0.5m/分で両ロールに挟んで合わせガラスを得た。
【0041】
(実施例2)
実施例1で得た未架橋のアクリル酸エステル共重合体を酢酸エチルで固形分40重量%に調整した溶液:100重量部に対し、架橋剤としてTDIを酢酸エチルで25重量%に調整した溶液:2.0重量部を混合攪拌して、離型フィルムに任意の厚みに塗工し、溶剤を乾燥後、重ね合わせて厚み1.0mmの感圧接着シートを形成した。この感圧接着シートに実施例1と同様に形成した第2の感圧接着層3が塗工された離型フィルム4を重ね合わせて粘着シート1を得た。この粘着シートを使用し、実施例1と同様の条件で合わせガラスを作製した。
【0042】
(比較例1)
実施例1で得た未架橋のアクリル酸エステル共重合体を酢酸エチルで固形分40重量%に調整した溶液:100重量部に対し、架橋剤としてTDIを酢酸エチルで25重量%に調整した溶液:9.0重量部を混合攪拌して、離型フィルムに任意の厚みに塗工し、溶剤を乾燥後、重ね合わせて厚み1.0mmの感圧接着剤層が離型フィルム間に挟まれた粘着シートを得た。この粘着シートを使用し、実施例1と同様の条件で合わせガラスを作製した。
【0043】
(比較例2)
実施例1で得た未架橋のアクリル酸エステル共重合体を離型フィルム間にシート状に成形して厚み1.0mmの粘着シートを得た。合わせガラスの作製方法は実施例1と同様の条件で行った。
【0044】
次に前記実施例及び比較例により得られた各々の合わせガラスを用いて、下記の項目について評価した。結果を表1に示した。問題がなかったものは(○)で示している。
【0045】
[合わせ直後]:合わせガラス作製直後の外観(気泡、剥離、板のずれ、粘着シートのはみ出し等の有無)を観察した。
[合わせ後1日]:合わせガラス作製後から合わせガラスを45°に傾斜させた状態で40°C×1日後の外観(気泡、剥離、板のずれ、粘着シートのはみ出し等の有無)を観察した。
【0046】
【表1】
表1の結果から明らかなように、本発明の粘着シートを用いた場合、室温での合わせ加工が可能で外観上満足できる合わせガラスを得ることができるのに対し、粘弾性特性が本発明の周波数で測定した貯蔵弾性率の範囲外である感圧接着剤から構成された粘着シートを用いた合わせガラスでは、観察項目のいずれかを満足することができないことが判る。
【0047】
この実施の形態では次の効果を有する。
(1) 粘着シート1が第1の感圧接着層2と第2の感圧接着層3とで構成されるため、加熱仮接着、オートクレーブによる高温・高圧処理を必要とすることなく、室温でガラス板5同士、ガラス板5と合成樹脂板あるいは合成樹脂板同士の合わせ加工が可能となる。
【0048】
(2) 長時間域の貯蔵弾性率が特定の範囲にあり、かつ軟タイプの第1の感圧接着層2が存在するため、合わせ加工時に変形した感圧接着層が、合わせ後に凹凸に馴染んで緩和し、気泡のない合わせ外観を得ることができる。
【0049】
(3) 感圧接着層2,3の厚みが0.05〜2mmのため、ガラス板5及び粘着シート1の表面の凹凸に確実に対応してガラス板5に対する接着性が良好に確保されるとともに、感圧接着層2,3を形成するための感圧接着剤の量が過多とならない。
【0050】
(4) 硬タイプの第2の感圧接着層3がガラス板5と接着するため、軟タイプの第1の感圧接着層2がガラス板5と接着するのに比較して、界面接着力が大きくなり、合わせガラス8の耐久性が向上する。
【0051】
(5) 感圧接着剤がアクリル系感圧接着剤であるため、耐候性や透明性が良くなる。
(6) 粘着シート1は表裏両接着面に離型フィルム4が貼付された構成のため、一方の離型フィルム4を剥がした状態で先ず一方のガラス板5に作業性良く貼付でき、次に他方の離型フィルム4を剥がして他方のガラス板5に作業性良く貼付できる。また、感圧接着剤を直接ガラス板に塗布して感圧接着層2,3を形成する場合に比較して、所定の厚さに形成するのが容易になる。
【0052】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を図4及び図5に従って説明する。この実施の形態では粘着シートが、第1の感圧接着層2と第2の感圧接着層3との間に透明な水蒸気バリアー層を備えている点と、粘着シートの一方の面に第1の感圧接着層2が露出し、他方の面に第2の感圧接着層3が露出する点が前記実施の形態と大きく異なっている。第1の実施の形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0053】
図4に示すように、粘着シート11は芯材12を挟んで、一方の面に第1の感圧接着層2が、他方の面に第2の感圧接着層3がそれぞれ形成され、両感圧接着層2,3の接着面に離型フィルム4が付着されている。芯材12は水蒸気透過性の小さい透明な樹脂フィルムで形成されている。即ち、粘着シート11は、第1の感圧接着層2と第2の感圧接着層3との間に透明な水蒸気バリアー層13を備えている。前記樹脂フィルムは水蒸気透過率(JISK7129):1.5×10-3(kg/m2 ・24hr)以下のものを用いるのが好ましい。
【0054】
水蒸気透過性の小さい透明な樹脂フィルムとしては、樹脂自身が水蒸気透過性の小さな材質で形成されたものや、水蒸気透過性が小さくない樹脂フィルム(例えば、ポリエステルフィルム)に金属酸化物、酸化珪素、窒化珪素等の透明な無機物蒸着膜を形成した水蒸気バリアー層を備えたものが使用される。水蒸気透過性の小さな材質には例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂が使用される。
【0055】
無機物蒸着膜の厚みは前記透過性を満足する範囲で薄い方が好ましい。また、無機物を蒸着するフィルムの厚みは10〜50μm程度が好ましい。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムは無機物の蒸着処理を施しても変質せず、形態安定性が良いので好適である。
【0056】
図5はこの粘着シート11を使用して、ガラス板5と合成樹脂板14とを積層した合わせガラス8の模式断面図である。合成樹脂板14には、例えば耐衝撃性及び耐熱性に優れたポリカーボネート板が使用される。合わせガラスの製造方法は第1の実施の形態と同様にして行われ、粘着シート11は、第1の感圧接着層2がガラス板5に接着され、第2の感圧接着層3が合成樹脂板14に接着される。
【0057】
前記のように構成された合わせガラス8は自動車、鉄道車両等の窓ガラスとして使用される。合わせガラス8は粘着シート11に感圧接着層2,3が存在し、感圧接着層2,3が広い温度域で粘弾性を有しているため、ヒートサイクル条件下に生じるガラス板5と合成樹脂板14との膨張率の差が大きくても感圧接着層2,3で吸収され、反りや割れの発生が防止される。また、軟タイプの第1の感圧接着層2より合成樹脂板14側に設けられた水蒸気バリアー層13の存在により、合成樹脂板14が加熱された場合に発生するアウトガスが第1の感圧接着層2に到達するのが大幅に抑制され、アウトガスが第1の感圧接着層2を変形させることに起因する気泡の発生が防止される。
【0058】
合成樹脂板14に市販のポリカーボネート板(UVカット、ハードコート処理板)を、ガラス板5に市販のフロート板ガラスをそれぞれ使用するとともに、粘着シートの種類を代えて合わせガラス8を製造した。酸化ケイ素を片面に蒸着した市販の厚み12μmのポリエステルフィルムを水蒸気バリアー性の無機物蒸着膜を有する芯材12として使用した粘着シート11と、ポリ塩化ビニリデンフィルムを芯材12として使用した粘着シート11とを使用して合わせガラスを第1の実施の形態と同様にして製造した。また、比較例として芯材12を設けずに、第1及び第2の感圧接着層2,3が積層された粘着シートを使用して合わせガラスを製造した。
【0059】
そして、各実施例及び比較例により得られた、各々の合わせガラスを用いて下記項目について評価した。
[耐熱性試験]
80°Cで8週間放置した後、合わせガラスの層間剥離、割れ、気泡等の有無を観察した。
【0060】
[ヒートサイクル試験]
−40°C〜80°C×80%RH(4サイクル/日)で100サイクル後の層間剥離、割れ、気泡等の有無を観察した。
【0061】
[耐候性試験]
サンシャインウェザーメーターで2000時間後の層間剥離、割れ、気泡等の有無を観察した。
【0062】
軟タイプの第1の感圧接着層2より合成樹脂板14側に水蒸気バリアー層13の存在する粘着シート11を使用した両実施例の合わせガラス8では、試験項目の全てが良好であった。水蒸気バリアー層13と合成樹脂板14との間に第2の感圧接着層3が存在するが、第2の感圧接着層3は硬タイプの感圧接着剤で形成されているため、吸湿状態の合成樹脂板14が加熱された際に揮発した水分によっては変形せず、第2の感圧接着層3の界面で気泡が発生することがないことが確認された。
【0063】
一方、水蒸気バリアー層13が存在せず、第1及び第2の感圧接着層2,3を積層した粘着シートを用いた比較例の合わせガラスでは、耐熱性試験及びヒートサイクル試験の項目を満足できなかった。即ち、合成樹脂板14に第2の感圧接着層3が対向する場合でも、水蒸気バリアー層13が存在しない場合は、気泡の発生を抑えることができないことが確認された。
【0064】
また、前記両実施例及び比較例で製作した合わせガラス8を、40°C、相対湿度(RH)80%に4日保存したものと、製作直後の比較例の合わせガラスについて、80°Cの加熱試験を行い気泡の発生の有無を調べた。その結果、実施例の各合わせガラスは、合成樹脂板が吸湿し易い条件で保存した後に、80°Cの加熱試験を行っても気泡の発生は観察できなかった。一方、比較例の合わせガラスは、合成樹脂板が吸湿し易い条件で保存した後に80°Cの加熱試験を行った場合は気泡が発生し、合わせガラスの製作直後に80°Cの加熱試験を行った場合は気泡が発生しなかった。
【0065】
この結果から、水蒸気バリアー層のない合わせガラスは、乾燥状態の合成樹脂板を用いて合わせガラスを作製した後、吸湿しない状態で使用すれば、高温条件化での気泡の発生を防止できるが、吸湿する条件に保存された後は、高温条件化での気泡の発生を防止できないことが確認された。
【0066】
この実施の形態では前記実施の形態の(1)〜(3),(5),(6)の効果の他に次の効果を有する。
(7) 第1の感圧接着層2と合成樹脂板14との間に水蒸気バリアー層13が存在するため、合成樹脂板14に吸湿された水分が水蒸気となって放出されても、水蒸気が軟タイプの感圧接着層2の界面に感圧接着層2を変形させるほど溜まることがない。従って、合わせガラス8が冷熱サイクル下及び高温・高湿度下の条件で用いられても、反り、割れ及び気泡の発生を防止することができる。
【0067】
(8) 粘着シート11の芯材12としての樹脂フィルムが水蒸気バリアー層13としての機能を果たす。従って、合成樹脂板14に水蒸気バリアー層として透明無機蒸着膜を形成する構成に比較して、粘着シート11の構成及び製造が簡単になる。
【0068】
(9) 合成樹脂板14としてポリカーボネート板が使用されているため、厚みが薄くて耐衝撃性及び耐熱性に優れた板を入手し易く、合わせガラス8の薄肉化に寄与する。
【0069】
(10) 樹脂フィルムに蒸着処理を施して透明な無機蒸着膜を形成した場合は、薄い膜厚で必要な水蒸気バリアー性を確保できる。また、蒸着用フィルムとしてポリエステルフィルムを使用すると、蒸着処理時に変質せず、形態安定性の良い薄いフィルムを入手し易い。
【0070】
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 図6(a)に示すように、粘着シート11として第1の感圧接着層2を挟んで両側に水蒸気バリアー層13及び第2の感圧接着層3がそれぞれ積層された構成とする。第1の実施の形態の粘着シート1は水蒸気バリアー層13が存在しないため、ガラス板5と合成樹脂板14又は合成樹脂板14同士を積層する合わせガラスの場合は、高温下の条件で使用するとアウトガスにより第1の感圧接着層2の界面に気泡が発生する。また、第2の実施の形態の粘着シート11は合成樹脂板14同士を積層する合わせガラスの場合に、前記アウトガスの問題が生じる。しかし、図6(a)の構成の粘着シート11を使用した合わせガラス8では、両面に合成樹脂板14を積層しても、第1の感圧接着層2と合成樹脂板14との間に必ず水蒸気バリアー層13が存在するため、アウトガスの問題は発生しない。また、この粘着シート11は硬タイプの第2の感圧接着層3が積層すべきガラス板5又は合成樹脂板14と対向するため、界面接着力が大きくなって合わせガラス8の耐久性が向上する。
【0071】
○ 水蒸気バリアー層13を有さない粘着シート1において、図7に示すように、芯材12を挟むように第1及び第2の感圧接着層2,3を形成してもよい。芯材12としては例えばポリエステルフィルムが使用される。この場合、感圧接着剤のみで粘着シート1を構成したものに比較して、取り扱い性が良くなる。
【0072】
○ 本願発明では粘着シートとはある程度の可撓性を有する薄い平面状のものを意味し、芯材12はフィルムに限らず、薄板、シートあるいは繊維で形成された網状のものであってもよい。
【0073】
○ 粘着シートは表裏両側に感圧接着層の接着面が存在する構成に限らず、図8に示すように、薄板、シート、フィルム等の平面状の補強材15の片面に、第1及び第2の感圧接着層2,3を積層したものとしてもよい。片面に感圧接着層がない構成の場合、室温で合わせ加工するには一方の合わせるべき板の面に感圧接着剤を塗布して合わせ加工を行う。また、加熱は必要とするがオートクレーブを必要とするような高温・高圧の条件は不要な接着剤(例えば、従来のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のような接着剤)を使用して合わせ加工を行ってもよい。この場合、加熱接着で貼り合わせを行っても、本願発明の第1の感圧接着層2が存在することによって、両側の板の線膨張率の相違による寸法変化を吸収し、反り等を防ぐことができる。補強材15に水蒸気バリアー性を持たせてもよい。
【0074】
○ 表裏両側に感圧接着層の接着面が存在する構成の粘着シートの場合は、他の感圧接着剤を使用せずに表面の離型フィルムを剥がすだけで、合わせ加工ができる。従って、そのような構成の粘着シートは太陽電池の表面保護ガラスとシリコンセルとの間の接着、液晶表示装置の積層ガラスや充填材料等の加熱を嫌う用途に好適に用いることができる。
【0075】
○ 合わせガラス8を構成するガラス板5及び合成樹脂板14の合計枚数は2枚に限らず、3枚以上としてもよい。
○ 合成樹脂板14としてポリカーボネート板に代えて、アクリル板、硬質ポリ塩化ビニル板、ポリエステル板などを使用してもよい。
【0076】
○ 第1の感圧接着層2及び第2の感圧接着層3はそれぞれ少なくとも1層存在すればよく、粘着シート1の構成として、例えば、第1及び第2の感圧接着層2,3が1層ずつ積層された構成としてもよい。
【0077】
○ 粘着シート1,11を使用して合わせガラス8を製造する方法として、一対のロール間を通過させる方法以外の方法、例えば接合すべきガラス板5及び合成樹脂板14を減圧タンク内で粘着シート1,11を挟んでプレスする。
【0078】
○ 透明な無機蒸着膜が蒸着されたフィルムとして、PETフィルム以外のものを使用してもよい。
○ 粘着シートは無色透明に限らず、着色透明であってもよい。
【0079】
前記実施の形態から把握できる請求項記載以外の技術的思想(発明)について、以下にその効果とともに記載する。
(1) 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の粘着シートは、表裏両面にいずれか一方の感圧接着層が存在する。この場合、他の感圧接着剤を使用することなく当該粘着シートを使用して室温で合わせ加工を行うことができる。
【0080】
(2) 請求項1〜請求項5及び(1)のいずれか一項に記載の発明において、前記感圧接着層の接着面に離型フィルムが付着されている。この場合、粘着シート同士を重ねて保管でき、粘着シートの保管スペースが小さくて済む。また、使用時には離型フィルムを剥がすことにより簡単に接着面が露出する。
【0081】
(3) 請求項1に記載の発明において、前記感圧接着層はフィルム状の芯材の両面に形成されている。この場合、粘着シートの取扱い性(作業性)が良くなる。
【0082】
(4) 請求項6に記載の発明において、前記合成樹脂板にはポリカーボネート板が使用されている。この場合、厚みが薄くて耐衝撃性及び耐熱性に優れた板を入手し易く、合わせガラスの薄肉化に寄与する。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、加熱仮接着、オートクレーブによる高温・高圧処理を必要とすることなく、室温で合わせガラス積層体を製造することが可能で、かつ製造された合わせガラス積層体が冷熱サイクル下の条件で用いられても、反りや割れの発生を防止することができる。
【0084】
請求項2に記載の発明によれば、耐候性や透明性が良くなる。
請求項3に記載の発明によれば、製造された合わせガラス積層体が高温、高湿下で使用された場合においても気泡の発生を抑制できる。
【0085】
請求項4に記載の発明によれば、水蒸気バリアー性に優れた透明膜を容易に形成できる。
請求項5に記載の発明によれば、粘着シートの取扱い性が良くなる。
【0086】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜請求項5に記載の粘着シートに対応したいずれかの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の粘着シートの模式断面図。
【図2】合わせガラスの製造方法の一例を示す工程概略図。
【図3】(a)は第1の感圧接着層のない粘着シートを用いた合わせガラスの模式断面図、(b)は実施の形態の粘着シートを用いたものの模式断面図。
【図4】第2の実施の形態の粘着シートの模式断面図。
【図5】同じく合わせガラスの模式断面図。
【図6】(a)は別の実施の形態の粘着シートの模式断面図、(b)は合わせガラスの模式断面図。
【図7】別の実施の形態の粘着シートの模式断面図。
【図8】別の実施の形態の粘着シートの模式断面図。
【符号の説明】
1…粘着シート、2…第1の感圧接着層、3…第2の感圧接着層、5…ガラス板、8…合わせガラス、13…水蒸気バリアー層、14…合成樹脂板。
Claims (6)
- 透明粘着シートであって、少なくとも下記(a)及び(b)の粘弾性特性を有する第1の感圧接着層と、下記(c)及び(d)の粘弾性特性を有する第2の感圧接着層とをそれぞれ少なくとも1層設けたことを特徴とする中間膜用粘着シート。
(a)測定温度20°C、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’(1Hz)が5×103 〜5×105 Pa。
(b)基準温度20°C、周波数10-7Hzでの貯蔵弾性率G’(10-7Hz)が5×101 〜5×103 Pa。
(c)測定温度20°C、周波数1Hzでの貯蔵弾性率G’(1Hz)が1×104 〜5×106 Pa。
(d)基準温度20°C、周波数10-7Hzでの貯蔵弾性率G’(10-7Hz)が1×104 〜1×106 Pa。 - 前記各感圧接着層がアクリル系感圧接着剤で構成されている請求項1に記載の中間膜用粘着シート。
- 前記第1の感圧接着層と第2の感圧接着層との間に透明な水蒸気バリアー層を備えている請求項1又は請求項2に記載の中間膜用粘着シート。
- 前記バリアー層が金属酸化物、酸化珪素、窒化珪素等の無機物蒸着膜である請求項3に記載の中間膜用粘着シート。
- 前記バリアー層がポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂等の水蒸気透過性の小さい樹脂フィルムである請求項3に記載の中間膜用粘着シート。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の中間膜用粘着シートを用いてガラス板同士、ガラス板と合成樹脂板又は合成樹脂板同士を少なくとも2枚積層してなる合わせガラス積層体。
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