JP3877384B2 - 粉体含有スプレー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体を含有し、かつその分散が安定している粉体含有スプレー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
制汗剤、消炎剤、紫外線防止剤等を人体に塗布できるようにしたエアゾール組成物として、従来より様々なものが提案されている。また、そのエアゾール組成物の噴射により人体に塗布される前記制汗剤、消炎剤や紫外線防止剤等については、その効果を持続させるため、皮膚上でこれらの薬剤が保持できるように、エアゾール組成物中に粉体を配合することが提案されている。
従来、前記エアゾール組成物を散布するための噴射剤にはフロン11(トリクロロモノフルオロメタン)やフロン12(ジクロロジフルオロメタン)のような各種フロンが使用されていたが、環境保護のために噴射剤を他のもの、例えばLPGやジメチルエーテルなどの液化ガスに代替されている。
【0003】
また、薬剤効果を持続させる目的をもってエアゾール組成物中に粉体を配合する場合には、エアゾール組成物が皮膚に噴射された時、粉体が被噴射面上で白くみえる状態(白化状態)が発生し易く、これを防止するため、エアゾール組成物中への粉体の添加量、噴射剤の組成を調整したり、その他の添加剤について検討されている。
また、エアゾール組成物中に粉体を配合する場合、スプレーの噴射ノズルに詰まりが生じることを防止するため、エアゾール組成物中に噴射剤に対して溶解性の悪い非イオン界面活性剤を添加することに関する技術が提案されている。
また、従来既知の製品としてLPGやジメチルエーテルなどの液化ガスを用いたエアゾール製品には、そのエアゾール組成物中に種々の分散剤を使用しているものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の形式の、原液と液化ガスの噴射剤からなるエアゾール組成物をスプレー缶に充填し、噴射ノズルから噴射して使用する場合においては、その噴射力を前記の噴射剤によっているため、缶内圧力が高いので噴射力が強く、それによりノズルから噴射される薬剤の飛散が多くなり、首のまわりなどに噴射する時には、口や鼻に入ることがあり、不快感を伴い、害虫忌避剤などを含む場合には、健康上好ましくない。
【0005】
前記したような欠点のない製品として、圧縮ガスを用いることが考えられるが、それを用いてスプレー組成物を噴射するとした場合、噴射すべき原液を均一にスプレーされるか問題となることが予想される。特に、従来の液化ガスを用いる場合には、缶内にスプレー組成物と液化ガスを合わせた量の液体が存在するために、スプレー組成物に含まれる粉体の分散が良く行われやすいものであるが、圧縮ガスを用いる場合には缶内の液体量としてはスプレー組成物中の液体成分だけの量になるために、液体/粉体の比率が低下することになるので、粉体の分散安定性が悪くなることになり、特に圧縮ガスを用いた場合には、スプレー組成物中の粉体の分散安定性が良くないと、均一な噴射をすることができないという点が問題となってくる。
本発明の目的は、圧縮ガスを用いたとき、静置状態においても粉末の分散が安定して維持される粉体含有スプレー組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、長期にわたって粉体の分散を安定に維持することができる条件について鋭意研究した結果、静止状態においても長時間粉体の分散が安定して維持される粉体含有スプレー組成物を見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明の前記課題は、以下に示す本発明の粉体含有スプレー組成物によって達成される。
(1)液化ガスの噴射剤による噴射手段以外の噴射手段により噴射して使用する粉体含有スプレー組成物であって、粉体の凝集を防ぐ物質としてエチレンオキシド付加モル数が30〜100であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくとも1種を0.2〜5.0w/v%配合した液体中に、粉体を分散せしめたことを特徴とする粉体含有スプレー組成物。
(2)薬剤を含有することを特徴とする前記(1)記載の粉体含有スプレー組成物。
【0007】
(3)前記薬剤として害虫忌避剤を用いることを特徴とする前記(2)記載の粉体含有スプレー組成物。
【0008】
本発明の骨子は、液化ガスの噴射剤を用いずに噴射して使用するものであり、有効成分を担持できる粉体を、原液の中に安定して分散させるために、粉体の凝集を防止する物質、好ましくはエチレンオキシド付加モル数が30〜100であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類から選ばれる少なくとも1種を含有する液体、または粉体の凝集を防止する物質からなる液体、好ましくはペンタン中に分散することにより、静止状態においても粉体の分散が安定して維持された粉体含有スプレー組成物を得たものであり、それにより該組成物をフロンのような液化ガスの噴射剤による噴射手段以外の噴射手段による噴射器から、噴射圧の低い条件でも噴射詰まりを起こさず適用できるようにしたことにある。
このようにして、本発明は、分散安定性のよい製品を提供できるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明においては、圧縮ガスを噴射剤とする場合、容器内に収容する粉体含有スプレー組成物(以下「原液」ということがある)とガスの割合については、実施できる限り任意であるが、原液/ガス比の範囲が、50/50〜30/70(容量比)の範囲が好ましい。また、ポンプディスペンサー用として使用する場合には、ポンプディスペンサー内に原液を収容して人力などによるポンプの動作により噴射されるため、原液のみが使用される。
本発明において使用する粉体としては、多孔性の粉体であって有効成分を内部に吸臧できるものが好ましい。
本発明におけるように、噴射剤の使用量が少なく、かつ噴射圧が低いスプレーで使用する粉体含有スプレー組成物では、粉体の分散安定性が悪くなり易く、その上噴射詰まりが起き易いので、原液での粉体の分散安定性が高いスプレー組成物を調製することが重要である。
【0010】
本発明において使用する、液化ガスの噴射剤によらない噴射手段としては、ポンプディスペンサーや、圧縮ガス、ドライアイス、ガス発生剤による噴射手段を挙げることができる。前記スプレー組成物の噴射にポンプディスペンサーを用いる場合には、ポンプアクションにより組成物を噴射する。また、噴射に圧縮ガスを使用する場合には、そのためのガスとしては、圧縮窒素ガス、圧縮空気、圧縮炭酸ガスなどを使用する。これらの圧縮ガスは圧力容器など使用目的に合わせた容器に原液とともに入れて使用する。
【0011】
本発明においては、前記粉体の凝集を防止するのに使用される物質としては、液化ガス以外の噴射手段においては、ポリオキシエチレン(30モルから100モル)硬化ヒマシ油を用いる。粉体を分散するのに使用される物質、一般に分散剤としては多くのものが知られているが、液化ガス以外の噴射手段においては、特にポリオキシエチレン(30モルから100モル)硬化ヒマシ油を選択使用することにより、原液中での粉体の十分な分散を行うことができることを見いだしたものである。
本発明では、実施に当たっては、例えば害虫忌避剤をアルコールに溶解し、その溶液を多孔性の粉体に吸収させ、この粉体を原液中に分散剤としてポリオキシエチレン(30モルから100モル)硬化ヒマシ油を用いて分散することによって、静止状態で(すなわち静置しても)長時間安定に分散している組成物を得ることができる。
その配合量としては0.2〜5.0w/v%であり、好ましくは0.5〜5.0w/v%である。そして凝集を防ぐ物質の配合量が上記の範囲より少ないと、粉体の分散が不十分となったり、それ以上であればべとつき感を生じることがあり好ましくない。
【0012】
前記の粉体を溶媒中に分散させるためには、前記した粉体の凝集を防止する物質とともに従来知られた分散剤を併用することもできる。このような分散剤としては、例えば各種の界面活性剤が用いられる。
例えばトリオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、トリポリオキシエチレンアルキルエーテル、1,3−ブチレングリコール、デカグリセリンモノオレエート、ジオレイン酸プロピレングリコール、ポリオキシエチレン(16モルから20モル)ステアリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸が例示できる。
その他にもステアリルアルコール、ポリビニルピロリドン、ラノリン脂肪酸が例示できる。これらの1種または2種以上を配合することが可能である。
【0013】
また、液体中で粉体が十分分散させるために、液体中で粉体が凝集するのを防ぐためにペンタンを用いることができ、このペンタンとしては、n−ペンタンやイソペンタンのいずれでもよいが、イソペンタンを用いることが好ましい。このペンタンは、その作用上からも純粋であることを必要とするものではない。
ペンタンの使用量としては、本発明のスプレー組成物ではこのペンタンは溶剤としてではなく、粉体を安定して分散させるための物質として使用される関係から、原液における溶剤として用いられるものではなく、例えば害虫忌避成分を溶解するための溶剤としてエチルアルコールを使用した場合、全体の50〜75%(重量)が好ましい。
【0014】
本発明の有効成分の溶剤としてはアルコール類(多価アルコールを含む)が好ましく、アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコール、多価アルコールとしてはブチルジグリコールなどを挙げることができる。これらのうちメチルアルコールとエチルアルコールが特に好ましい。
アルコール類は、単なる溶剤としての作用の外に、本発明の効果をより良くするための成分として添加してもよい。
このような点から、本発明は、液化ガスを噴射剤とし、害虫忌避剤を溶解するために灯油などの溶剤を使用して調製した原液を用いる従来のエアゾール組成物とは全く異なるものである。
【0015】
また、本発明の組成物の有効成分としては、害虫に対して忌避作用あるいは吸血阻害作用を示す害虫忌避剤、香料、消臭剤および防臭剤、日焼け止めなどが例示でき、それら有効成分を添加した粉体含有スプレー組成物が提供できる。
以下にそれらの具体例を示す。
【0016】
1.害虫忌避剤
害虫忌避剤としては、害虫に対して忌避作用あるいは吸血阻害作用を有する合成あるいは天然の各種の化合物が挙げられる。例えば、ユーカリプトール、α−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、カンファー、リナロール、p−メンタン−3,8−ジオール、テルペノール、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、N,N−ジエチル−m−トルアミド、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ブチル 3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−4−オキソ−2H−ピラン−6−カルボキシレート(インダロン)、n−ヘキシルトリエチレングリコールモノエーテル、メチル 6−n−ペンチル−シクロヘキセン−1−カルボキシレート、ジメチルフタレート(DMP)、3,7−ジメチル−6−オクテナル(シトロネラル)、ナフタレン、シトロネール酸、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,3,4,5−ビス(Δ2 −ブチレン)テトラハイドロフルフラール、ジ−m−プロピルイソシンコメロネート、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェキシベンジルエーテル、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2−ジメチル−3−(2′−メチル−1′−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートなどが例示できる。
【0017】
さらに天然物としては、桂皮、樟脳、レモングラス、クローバ、タチジャコウソウ、ジェラニウム、ベルガモット、月桂樹、松、アカモモ、ペニーロイヤル、ユーカリおよびインドセンダンなどから取れる精油、抽出液などが例示でき、これらの1種または2種以上を選択して用いることができる。
上記化合物や天然物の中、特にN,N−ジエチル−m−トルアミド(以下「DEET」)が好ましい。
【0018】
2.香料
2−1 天然香料
天然香料としては、じゃ香、霊猫香、竜延香などの動物性香料;アビエス油、アジョクン油、アーモンド油、アンゲリカルート油、ページル油、ベルガモット油、パーチ油、ボアバローズ油、カヤブチ油、ガナンガ油、カプシカム、キャラウエー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シンナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、キュペブ油、クミン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、ジュニパーベリー油、ローレルリーフ油、レモン油、レモングラス油、ロページ油、メース油、ナツメグ油、マンダリン油、タンゼリン油、カラシ油、はつか油、燈花油、玉ねぎ油、こしょう油、オレンジ油、セイジ油、スターアニス油、テレピン油、ウォームウッド油、ワニラ豆エキストラクトなどの植物性香料を含む。
【0019】
2−2 人造香料
人造香料は合成又は抽出香料であり、ピネン、リモネンなどの炭化水素類;リナロール、ゲラニオール、ジトロネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、β−フェニルエチルアルコールなどのアルコール類;アネトール、オイゲノールなどのフェノール類;n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、ワニリンなどのアルデヒド類;メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセチルブチリル、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、イオノンなどのケトン類;アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シネオールなどのラクトン又はオキシド類;メチルフォーメート、イソプロピルフォーメート、リナリールフォーメート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ吉草酸グラニル、カプロン酸アリル、ヘプチル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン酸メチル、ペラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチル酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルピルベート、エチルα−ブチルブチレートなどのエステル類などを含む。
香料は一種類のみでもよいし、二種類以上を調合した調合香料でもよい。
【0020】
動物、昆虫、ダニ、ゴキブリ、微生物などの忌避もしくは死滅させるもので、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、IGR、ホルモン剤などがある。
3.殺菌剤、殺虫剤
3−1 殺虫剤
殺虫剤としては安全性の観点からピレスロイド系の化合物を用いることが好ましく、代表的なものを例示すると、次のとおりである。
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名アレスリン:商品名ピナミン:住友化学工業株式会社製)
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製、以下「ピナミンフォルテ」という)
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名バイオアレスリン:ユクラフ社製)
・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名エキスリン:住友化学工業株式会社製、商品名エスバイオール:ユクラフ社製、以下「エスバイオール」という)
【0021】
・(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名レスメトリン、商品名クリスロンフォルテ:住友化学工業株式会社製、以下「クリスロンフォルテ」という)
・5−プロパギル−2−フリルメチル− d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フラメトリン、商品名ピナミンDフォルテ:住友化学工業株式会社製、以下「ピナミンDフォルテ」という)
・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名プラレトリン、商品名エトック:住友化学工業株式会社製、以下「エトック」という)
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル−dl−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボシキラート(一般名テラレスリン:住友化学工業株式会社製、以下「テラレスリン」という)
【0022】
・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フタルスリン、商品名ネオピナミン:住友化学工業株式会社製)
・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ネオピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製)
・3−フェノキシベンジル−d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フェノトリン、商品名スミスリン:住友化学工業株式会社製)
・3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボオキシラート(一般名ペルメトリン、商品名エクスミン:住友化学工業株式会社製)
・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名シフェノトリン、商品名ゴキラート:住友化学工業株式会社製)
・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル dl−シス/トランス−3−(2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名サイパーメスリン)
【0023】
2,4,4′−トリクロロ−2′−ハイドロキシジフェニル エーテル、2,3,5,6−テトラクロロ−4(メチルスルフォニル)ピリジン、アルキルベンジル ジメチルアンモニウム クロライド、ベンジルジメチル{2−[2−(p−1,1,3,3−テトラメチル ブチルフェノキシ)エトキシ]エチル}アンモニウム クロライド、4−イソプロピルトロポロン、N,N−ジメチル−N−フェニル−N′−(フルオロジクロロメチルチオ)スルフォンアミド、2−(4′−チアゾリル)ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタ−ルイミド、6−アセトキシ−2,4−ジメチル−m−ジオキシン等。
【0024】
3−2 殺菌剤
エチレンビス(ジチオカルバミド酸)亜鉛、エチレンビス(ジチオカルバミド酸)マンガン、亜鉛、マンネブ錯化合物、ビス(ジメチルジチオカルバミド酸)エチレンビス(ジチオカルバミド酸)二亜鉛、ビス(ジメチルチオカルバモイル)ジスルフィルド、クロトン酸 2,6−ジニトロ−4−オクチルフェニル反応異性体混合物、N−トリクロロメチルチオテトラヒドロフタルイミド、2,3−ジシアノ−1,4−ジチアアントラキノン、2,4−ジクロロ−6−(o−クロロアニリノ)−S−トリアジン、S−n−ブチル S′−p−ターシャリ−ブチルベンジル N−3−ピリジルジオチカルボンイミデート等が挙げられる。
【0025】
4.消臭剤および防臭剤
消臭剤および防臭剤としては、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトネート、ミリスチル酸アセトフェノン、パラメチルアセトフェノンベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、アミルシンナミックアルデヒド、アニシックアルデヒド、ジフェニルオキサイド、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、ネオリン、サフロール、セダウッド油、セダ菜油、シトロネラ油、ラバンテン油、ペテイグレイン油、レモングラス油等が挙げられる。
【0026】
5.紫外線遮断剤
紫外線防止に使用する紫外線遮蔽剤としては、有機物質、無機物質のいずれでもよく、200〜400nmの波長の紫外線を吸収して、人体に対する有害な作用を防止し、さらにその遮断剤により皮膚の日焼けを防止する目的に使用されるものである。その具体的例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−オキシ−5−メトキシアセトフェノンなどのベンゾフェノン系が例示できる。また、エチル−p−アミノベンゾエート、サリシレートエステル、p−オクチルフェニルサリシレート、フェニルサリシレートなどの安息香酸エステル系などの有機物質、酸化チタンなどの無機物質が例示できる。
【0027】
本発明において好ましい実施態様の一つは、粉体の凝集を防ぐ物質としてペンタンを用いるものであり、特にイソペンタンを用いることが好ましい。本発明において前記有効成分をアルコールに溶解し、その溶液に粉体を分散させる際に、イソペンタンを添加して粉体を分散させることによって、静置しても安定に分散している組成物を得ることができる。n−ペンタン単独、あるいはイソペンタンとn−ペンタンの混合物にも同様の効果が見出されている。その際有効成分が前記粉体に吸着されるなどして保持されることが好ましい。なお、このペンタンを用いる場合には、有効成分を溶解する溶媒を別にもいないで、ペンタン単独を用いて原液を形成してもよい。もちろん非極性溶媒であれば、粉体の凝集を防ぐものでしれば特に制限はされない。
【0028】
本発明の粉体としては、吸油量が250ミリリットル/100g以下の粉体が使用時のべとつき感を抑え、さらさら感を向上させるのに良く適している。吸油量がこの範囲を越えるとべとつき感があり適当ではない。さらに、害虫忌避効果の点から、使用する粉体に均質に有効成分を保持させることが好ましい。
前記の粉体としては、紫外線吸収剤を兼ねる無機物質でもよく、例えば酸化チタン粉体を用いると両方の作用を兼ねることができるので好ましい。
【0029】
ここで、粉体としては、多孔質のケイ酸化合物が特に好ましく、その他酸化アルミニウム、カオリン、タルク、アルミニウムクロロハイドロキシオキサイド、酸化チタン、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、雲母チタン、マイカ、でんぷん、合成高分子物質(ポリアミド、ポリウレタンその他)、ステアリン酸のマグネシウム塩、カルシウム塩もしくはアルミニウム塩などの塩、ベンガラ、ベントナイト等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み併せて使用できる。その配合量としては、0.3〜10w/v%であり、好ましくは0.5〜7.5w/v%であり、この中でも使用感に優れ白化が抑えられ、またコストなどの点からケイ酸化合物を用いることが良い。例えば、疎水性シリカ、ケイ酸カルシウム、無水ケイ酸などが挙げられ、さらにこの中でも無水ケイ酸が好適である。
【0030】
さらに、本発明の人体用害虫忌避スプレー製品などに用いるスプレー容器としては、ガラス、プラフチック、アルミニウム製、中でもポリエチレンフタレート、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの樹脂製のものが好ましく用いられる。 粉体の分散を高めるために、金属あるいはガラス製の球を耐圧容器内に入れるなど各種の工夫を凝らしたものが好ましい。
【0031】
以下に本発明の作用を説明する。
本発明の最も好ましい態様は、有効成分をアルコールを主成分とする溶剤に溶解し、多孔質の無水ケイ酸などからなる粒子に前記溶液を吸収させ、この粉体をアルコールを主成分とする溶剤(原液)中にエチレンオキシド付加モル数が30〜100であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類から選ばれる少なくとも1種またはペンタンを粉体の凝集を防止する物質として添加して分散することによって、そのアルコールを主成分とする原液中に分散させるものであり、これによって前記粉体を安定に分散させることができる。
この場合、粉体の凝集を防止する物質であるエチレンオキシド付加モル数が30〜100であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類から選ばれる少なくとも1種またはイソペンタンの作用についてはなお良くわかっていない。ただ、その原液中において、粉体が荷電をもたないようになるために、粉体の凝集が防がれるのではないかと推測される。
【0032】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
【0033】
実施例1
下記組成のポンプ原液を作成した。
(ポンプ原液)
前記各成分をホモジナイザー中に仕込んで分散した。原液は半日以上安定であった。なお、前記の*「POE(100)硬化ヒマシ油」は、ポリオキシエチレン(100モル)硬化ヒマシ油をいう。
【0034】
実施例2
下記組成のポンプ原液を作成した。
(ポンプ原液)
前記各成分をホモジナイザー中に仕込んで分散した。原液は半日以上安定であった。
【0035】
実施例3
下記組成のポンプ用原液を作成した。
1.ポンプ用原液の調製
2.評価
内容積が30mlの形式のポンプデイスペンサー中に前記原液20mlを入れ、ポンプを作動させて分散液をスプレーした。分散の安定性の評価は◎であった。5日間放置の後ポンプデイスペンサーを作動させて分散液をスプレーしたが、分散の安定性の評価は◎と変わらなかった。
前記の評価における基準は、分散の安定性が最良の場合を◎、以下○、△とし、最も悪い場合を×としたものである。以下同様とする。
【0036】
実施例4
下記組成の分散液を作成した。
1.分散液の調製
2.評価
噴射ノズルを有し、内容積が80mlの圧力容器に前記分散液の30mlを入れ、さらに炭酸ガスを加圧充填して7kg/cm2 の圧力を有するように充填した。噴射ノズルを作動させて分散液をスプレーした。分散の安定性の評価は◎であった。5日間放置の後噴射ノズルを作動させて分散液をスプレーした。分散の安定性の評価は◎と変わらなかった。
【0037】
実施例5
第1表に示すように、粉体の凝集を防ぐ物質を変更した以外は実施例1と同様にして粉体の分散物を調製し、粉体の分散状態を評価した。結果は第1表に記した。
【0038】
【表1】
【0039】
前記第1表に示したように、イソペンタンあるいはPOE(100)硬化ヒマシ油を使用した分散物の分散状態の評価は◎で良好であった。POE(60)硬化ヒマシ油を使用した分散物の分散状態は2時間放置までは◎で良好であったが、半日経過した後、容器の底にやや粉体が沈殿し、分散状態の評価は○であった。
これに比して、従来の液化ガスを噴射剤とするエアゾール組成物においては、粉体の分散に有効であるという結果を得ているPOE(10)硬化ヒマシ油やPOE(120)硬化ヒマシ油については、2時間静止安定性においても悪かった。
【0040】
実施例6
第2表に示すように、粉体の凝集を防ぐ物質としてPOE(100)硬化ヒマシ油を使用し、その添加量を変更する以外は実施例1と同様にして分散液を調製し、粉体の分散状態を6日間常温に静置した後、正立倒立を繰り返して粉体の分散状態を評価した。結果は第2表中に併記した。評価基準は第2表の下に示す。前記第2表に示したように、POE(100)硬化ヒマシ油を3〜5wt%使用した分散物の分散状態の評価は◎で良好であった。すなわち、POE(100)硬化ヒマシ油の配合量は3〜5wt%が良い。
【0041】
【表2】
【0042】
実施例7
第3表に示すように、粉体の凝集を防ぐ物質のポリオキシシエチレン硬化ヒマシ油の種類を変更した以外は実施例1と同様にして分散液を調製し、粉体の分散状態を評価した。試料No.1〜4について評価した。結果は第3表に記した。粉体としては無水ケイ酸粉体を用いた。
【0043】
【表3】
【0044】
実施例8
第4表に示すように、粉体の凝集を防ぐ物質としてPOE(100)硬化ヒマシ油を使用し、その添加量を変更する以外は実施例1と同様にして分散液を調製し、粉体の分散状態を6日間常温に静置して、2時間後、12時間後及び6日後における粉体の分散状態を評価した。試料No.5〜10について評価した。結果は第4表に記した。
【0045】
【表4】
【0046】
参考例1
第5表に示すように、粉体の凝集を防ぐ物質としてイソペンタンを使用し、その添加量を変更する以外は実施例1と同様にして分散液を調製し、粉体の分散状態を6日間常温に静置して、2時間後、12時間後及び6日後における粉体の分散状態を評価した。試料No.11〜20について評価した。結果は第5表に記した。
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】
本発明の粉体含有スプレー組成物は、静置状態においても粉体の分散状態が維持される。
本発明の粉体含有スプレー組成物は、噴射剤に液化ガスを使用していないので、環境への影響が軽減でき、安心して使用できる。
また、使用時の噴射力が強過ぎることがないので、飛散が少なく、口や鼻に入ることがないので人体への悪影響がなく、使用感が快適であり、必要とされる原液のみスプレーするので、適用箇所のみに被着され、害虫忌避などの効果を有効に得ることができる。
Claims (3)
- 液化ガスの噴射剤による噴射手段以外の噴射手段により噴射して使用する粉体含有スプレー組成物であって、粉体の凝集を防ぐ物質としてエチレンオキシド付加モル数が30〜100であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の少なくとも1種を0.2〜5.0w/v%配合した液体中に、粉体を分散せしめたことを特徴とする粉体含有スプレー組成物。
- 薬剤を含有することを特徴とする請求項1記載の粉体含有スプレー組成物。
- 前記薬剤として害虫忌避剤を用いることを特徴とする請求項2記載の粉体含有スプレー組成物。
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