JPH0978057A - エアゾール組成物及びその製造方法、並びにそれを用いたエアゾール製品 - Google Patents

エアゾール組成物及びその製造方法、並びにそれを用いたエアゾール製品

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JPH0978057A
JPH0978057A JP23804095A JP23804095A JPH0978057A JP H0978057 A JPH0978057 A JP H0978057A JP 23804095 A JP23804095 A JP 23804095A JP 23804095 A JP23804095 A JP 23804095A JP H0978057 A JPH0978057 A JP H0978057A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エアゾール組成物の改良を行い、徐放機能を有
し、さらにアクリル酸重合体と薬剤とを用いることによ
り、薬剤剤と溶解しにくい水または有機分散液の中に均
一に薬剤を分散させ、さらに、薬剤を担持させた無機多
孔質微粒子も均一に分散させることのできるエアゾール
組成物及びその製造方法、並びにそれを用いたエアゾー
ル製品を提供すること。 【解決手段】薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と、分
散液と、アクリル酸重合体と、アルカリ塩と、界面活性
剤と、からなるエアゾール組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬剤をエアゾール
製品に用いる充填剤に関し、詳しくは無機多孔質微粒子
に薬剤を担持させて、さらに分散液に分散させたエアゾ
ール組成物、その製造方法並びにそれを用いたエアゾー
ル製品に関する。
【0002】
【従来の技術】水溶性または非水溶性の薬剤の一般的な
使用形態としては、エアゾール製品として市販されてい
るものが多く、その配合としては、例えば、90〜16
0ml容量のエアゾール缶に、香料や忌避剤等の薬剤を
2〜15重量%、イソプロピルアルコールを25〜35
重量%、フロンガスを60重量%の配合により作製し
て、適当な箇所に散布していた。また、特開昭62−5
352号公報に記載されているマイクロカプセルを含有
するスプレー組成物が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのために様々な問題
があった。一般に比較的気温の高い時期に薬剤を用いる
ことが多い。そのために従来の配合によるスプレーを用
いて人間の生活空間に散布または塗布すると、夏期等の
気温の高い環境下で薬剤がすぐに揮発してしまい、その
効力が数時間と短く持続性に問題があった。さらに乳化
液にした状態でも、同様にすぐに揮発するなどの問題も
抱えていた。また、従来の液体に無機多孔質微粒子を分
散させると、攪拌直後は分散しているが、時間の経過と
ともに沈降してしまい、ポンプ等で移送しても液体と分
離した状態となっており、均一でないという問題を抱え
ていた。この問題を解決するために特開昭62−535
2号公報に記載されているマイクロカプセルを含有する
スプレー組成物が提案されているが、この場合には、マ
イクロカプセルには合成樹脂を用いており、アルコール
等の分散液を選択しなければならず、合成樹脂を溶解す
るものでは無理があり、汎用性に欠けていた。
【0004】そこで本発明はエアゾール組成物の改良を
行い、徐放機能を有し、さらにアクリル酸重合体と薬剤
とを用いることにより、薬剤と溶解しにくい水または有
機分散液の中に均一に薬剤を分散させ、さらに、無機多
孔質微粒子も均一に分散させることが可能で、汎用性も
あるエアゾール組成物及びその製造方法並びにそれを用
いたエアゾール製品を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の前記課題は、以
下のエアゾール組成物及びその製造方法、並びにそれを
用いたエアゾール製品によって解決することができる。
即ち、薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と、分散液
と、アクリル酸重合体と、アルカリ剤と、界面活性剤
と、からなるエアゾール組成物である。前記分散液が、
アルコール類または水の少なくとも一方である。前記無
機多孔質微粒子が界面反応法で得られたものである。
0.01〜60重量%の前記無機多孔質微粒子を含むも
のである。前記無機多孔質微粒子に、1〜500重量%
の薬剤を担持させたものである。分散液に、アクリル酸
重合体とアルカリ剤とを加えて増粘させるとともに、さ
らに薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と薬剤とを加え
て分散させるエアゾール組成物の製造方法である。前記
エアゾール組成物と噴射剤を耐圧容器に収容するととも
に密閉したエアゾール用製品である。前記噴射剤が、窒
素ガスまたは炭酸ガスである。
【0006】
【発明の実施例の形態】本発明のエアゾール組成物と
は、スプレーまたはエアゾール製品に用いる噴射剤を除
いた充填剤である。本発明に用いられる薬剤としては、
特に10℃〜100℃で、好ましくは25℃〜50℃の
環境下において揮発しやすい化合物を用いることができ
る。その具体的な薬剤としては、香料、忌避剤、農薬、
消臭剤、植物エキス剤、紫外線遮蔽剤、酸化防止剤、止
痒剤、発毛促進剤、ビタミン剤、制汗剤、日やけ止め
剤、防腐剤、保湿剤、収斂剤、油性剤等である。また、
香料、忌避剤、農薬、消臭剤、植物エキス剤、紫外線遮
蔽剤、酸化防止剤、止痒剤、発毛促進剤、ビタミン剤、
制汗剤、日やけ止め剤、防腐剤、保湿剤、収斂剤、油性
剤等の中から選ばれた1種または2種以上のものも用い
ることができる。
【0007】香料としては、匂いを漂わせる物質であ
り、人体に害をおよぼさないないものである。例えば、
天然香料や合成香料に分けられ、さらに天然香料は植物
性香料、動物性香料に分けられる。そして、この前記香
料を混合して調合香料としたのもも本発明に用いること
ができる。また、熱に対して不安定なものも本発明の無
機多孔質微粒子に担持させることができる。
【0008】その天然香料としては、アカシア油、アニ
スシード油、アビエス油、アプシンス油、アルモンドビ
ッター油、アンゲリカ油、アンブレットシード油、イノ
ンド油、イランイラン油、イリス油、ういきょう油、ウ
ィンターグリーン、ウォームウッド油、エストラゴン
油、エレミ油、オークモス油、オコチア油、オニオン
油、オポパナックス油、オランダセリ油、オリス油、オ
リバナム油、オレンジ油、カシア油(桂油、桂皮油)、
カシー油、カナンガ油、カミツレ油、カモミル油、ガヤ
ックウッド油、カヤプテ油、カラシ油、カラムス油、ガ
ーリック油、カルダモン油、ガルバナム油、黄ずいせん
油、キャラウエー油、苦へんとう油、クミン油、クラリ
ーセージ油、グレープフルーツ油、クローブ油、ローレ
ル葉油、コエンドロ油、コスタス油、コランダー油、サ
ンダルウッド油、シダーウッド油、シトロネラ油、ジャ
スミン油、ショウガ油、しょうぶ根油、ジル油、、ジン
ジャー油、ジンジャークラス油、シンナモン油、すいせ
ん油、スターアニス油、スパイク油、スペアミントオイ
ル、セージ油、ゼラニウム油、タイム油、タンジェリン
油、チュベローズ油、テレビン油、ナーシサス油、ナツ
メグ油、ニオガヨモギ油、にくずく油、ネロリ油、パイ
ン油、パセリ油、バジル油、バーチ油、パチュリ油、ハ
ッカ油、バラ油、パルマローザ油、白檀油、ヒヤシンス
油、ベイ油、ベイ葉油、ベチバー油、ペニーロイヤル
油、ヘノポジ油、ペパーミント油、ベリラ油、芳油、芳
しょう葉油、ホップ油、ポライ油、ミモザ油、ミルテ
油、ミルトル油、ミル油、ミント油、メース油、ユーカ
リ油、ライム油、ラバンジン油、ラベンダー油、リセア
キュベバ油、リナロエ油、レモングラス油、レモン油、
ローズウッド油、ローズマリー油、ローズ油、ロベージ
油等が例示できる。そして、この例示された天然香料の
中から選んだ1種または2種以上のものも用いることが
できる。
【0009】また、合成香料としては、α−ピネン、β
−ピネン、カンフェン、d−リモネン、ジペンテン、テ
ルピノーレン、アロオシメン、オシメン、p−サイメ
ン、β−カリオフィレン、青葉アルコール、3−オクテ
ノール、9−デセノール、リナロール、ゲラニオール、
ネロール、シトネロール、l−シトロネロール、ジメチ
ルオクタノール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒ
ドロリナロール、ラバンジュロール、アロシメロール、
ミルセノール、α−ピネオール、抱水テルピン、l−メ
ントール、ボルネオール、イソプレゴール、ノポール、
ボルニルメトキシシクロヘキサノール、メロリドール、
ファルネソール、サンタロール、イソ・イ・スーパー、
サンダロール、セドロール、ベチベロール、パチュリア
ルコール、ベンジルアルコール、β−フェニルアルコー
ル、γ−フェニルプロピルアルコール、シンナミックア
ルコール、アニスアルコール、α−アミルシンナミック
アルコール、ジメチルベンジルカルビノール、メチルフ
ェニルカルビノール、β−フェニルエチルジメチルカル
ビノール、ジメチルフェニルカルビノール、β−フェニ
ルエチルメチルエチルカルビノール、フェノキシエチル
アルコール、フェニルグリコール、tert−ブチルシ
クロヘキサノール、アニソール、p−アセチルアニソー
ル、ジフェニルオキサイド、ジメチルハイドロキノン、
p−クレゾールメチルエーテル、アネトール、ジヒドロ
アネトール、チモール、カルバクロール、オイゲノー
ル、イソオイゲノール、メチルオイゲノール、メチルイ
ソオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール、サフロー
ル、イソサフロール、β−ナフトールメチルエーテル、
β−ナフトールエチルエーテル、バニトロープ、n−ヘ
プチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニ
ルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、n−ウンデシル
アルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、ドデシルアルデ
ヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、n−トリデシル
アルデヒド、n−テトラデシルアルデヒド、n−ヘキサ
デシルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シト
ロネラール、ヒドロキシシトロネラ−ル、ペリラアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、
フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒ
ド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシル
シンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンア
ルデヒド、ヘリオトロピン、ヘリオナール、サイクラメ
ンアルデヒド、p−tert−α−メチルヒドロシンナ
ミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、ヒドロトロパ
アルデヒド、バニリン、エチルバニリン、γ−ウンデカ
ラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニ
ルラクトン、p−メチル−β−フェニルグリシド酸エチ
ル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、リラール、
マイラックアルデヒド、シトロネリルオキシアセトアル
デヒド、シトラールジメチルアセタール、シトラールジ
エチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチル
アセタール、メチル−n−アミルケトン、エチル−n−
アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−
n−ノニルケトン、メチルヘプテン、ジアセチル、l−
カルボン、d−カルボン、メントン、d−プレゴン、ピ
ペリトン、しょう脳、メチルセドリン、アセトフェノ
ン、p−メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフ
ェノン、ベンゾフェノン、ベンジリデンアセトン、メチ
ルナフチルケトン、ヨノン、ダマスコン、ダマセノン、
メチルヨノン、イロン、マルトール、エチルマルトー
ル、ヒドキシフラン、ネロン、ヒドロキシフェニルブタ
ノン、アニシルアセトン、ジャスモン、ヒドロジャスモ
ン、ヌートカトン、ムスコン、ジベトン、シクロペンタ
デカン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリ
ド、アンブレットリド、シクロヘキサデカノリド、エチ
レンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、12
−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノ
リド、10−オキサヘキサデカノリド、ムスクキシロー
ル、ムスク・ケトン、ムスク・アンブレット、ムスク・
チベテン、モスケン、ファントリド、セレストリド、ト
ラセオライド、ベルサリド、トナリド、ガラクソリド、
ローズオキサイド、オキサイドケトン、3,3,6−ト
リメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン、ジヒドロメ
チルペンテニルピラン、リナロールオキサイド、シネオ
ール、ビシクロジヒドロホモファルネシルオキサイド、
フェニルエチルイソアミルエーテル、ギ酸ゲラニル、ギ
酸ベンジル、ギ酸フェニル、酢酸エチル、酢酸イソアミ
ル、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、
酢酸メンチル、酢酸ボルニル、酢酸イソボルニル、酢酸
テルピニル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸
メチルフェニルカルビニル、酢酸シンナミル、酢酸アニ
シル、酢酸パラクレジル、酢酸イソオイゲノール、酢酸
ミルセニル、酢酸第3級ブチルシクロヘキシル酢酸ジヒ
ドロテルピニル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イ
ソアミル、プロピオン酸シトロネリル、プロピオン酸リ
ナリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸テルピニ
ル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸シンナミル、
酪酸エチル、酪酸イソアミル、酪酸ゲラニル、酪酸リナ
リル、イソ酪酸リナリル、酪酸シトロネリル、イソ酪酸
シトロネリル、イソ酪酸ベンジル、イソ吉草酸n−プロ
ピル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸ゲラニル、イ
ソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸シンナミル、ヘプチンカ
ルボン酸メチル、ヘプチンカルボン酸イソアミル、ヘプ
チンカルボン酸エチル、ピルビン酸イソアミル、オクチ
ンカルボン酸メチル、アセト酢酸エチル、レブリン酸エ
チル、β−メチルメルカプトプロピオン酸メチル、安息
香酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸イソブチル、安
息香酸イソアミル、安息香酸ゲラニル、安息香酸リナリ
ル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル
酢酸エチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イ
ソアミル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸ベンジ
ル、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸シンナミ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、サリチル酸
メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸イソブチル、サ
リチル酸イソアミル、サリチル酸アリル、サリチル酸ベ
ンジル、サリチル酸フェニルエチル、アニス酸メチル、
アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、メチルアンス
ラニル酸メチル、アンスラニル酸エチル、ジヒドロジャ
スモン酸メチル、ジャスモン酸メチル、合成オークモ
ス、安息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、
クマリン、インドール、スカトール、2−メチルテトラ
ヒドロキノリン、6−メチルキノリン、6−メチルテト
ラヒドロキノリン、7−メチルキノリン、イソブチルキ
ノリン、6−イソプロピルキノリン、テトラメチルピラ
ジン、アセチルピロール、ゲラニルトリル、ブロムスチ
ール、酢酸トリクロルメチルフェニルカルビニル、フル
フリルメルカプタン等が例示できる。そして、この例示
された合成香料の中から選んだ1種または2種以上のも
のも用いることができる。
【0010】その農薬としては、農業用の薬剤であり、
動物、昆虫、ダニ、線虫、微生物等を忌避もしくは死滅
させるものである。それには殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ
剤、殺線虫剤等がある。その殺菌剤としては、植物病原
菌等の様々な細菌類、真菌類を死滅させることができる
薬剤である。その具体的な殺菌剤としては、ヂチオカー
バメイト剤(マンゼブ、マンネブ、ポリカバメート
等)、有機硫黄系剤(キャプタン、カプタホル、フォル
ベット等)、有機リン剤(O,O−ジイソプロピル−S
−ベンジルチオホスフェ−ト、O−エチル−S,S−ジ
フェニルジチオホスフェート等)、有機塩素剤(ペンタ
クロロフェノール、クロロスロニル等)、有機ヒ素剤
(メチルアルセニックヂメチルカーバメイト、ドデシル
硫酸)、脂肪族ハロゲン剤(臭化メチル、クロルピクリ
ン等)、その他にベノミル、オキシカルボキシン、フェ
ナジンオキサイド、アニラジン、硫酸オキシキノリン、
水酸化トリフェニルスズ、ヒドロキシイソキサゾール、
ピナパクリル、ブチオベート、無機硫黄剤(硫黄、多硫
化石灰等)、銅剤(ボルドー液)、抗生物質(ストレプ
トマイシン、ノボビオシン、クロラムフェニコール、ブ
ラストサイジンS、カスガマイシン、バリダマイシン
A、ポリオキシン、シクロヘキシミド等)、その他植物
由来の殺菌成分(ヒュムロン(humulon)、ルプ
ロン(lupulon)、アリシン、アリルイソチアネ
ート(allyl isotiocyanate))、
クロロゲン酸、ソラニン、タンゲリチン(tanger
itin)、ベルベリン、ヒノキチオール、ヨウ素等が
例示できる。そして、この例示された殺菌剤の中から選
んだ1種または2種以上のものも用いることができる。
【0011】また殺虫剤としては、ゴキブリ、カ、ノ
ミ、ダニ等の衛生害虫、農業害虫を死滅させることがで
きる薬剤である。その具体的な殺虫剤としては、有機リ
ン殺虫剤(ジクロルボス、サイノフォス、O−エチル−
O−フェニルホスフォチオネート、マラソン、パラチオ
ン等)やカーバメイト系殺虫剤(1−ナフチル−N−メ
チルカーバメイト、イソプロカーブ等)、有機ハロゲン
系殺虫剤(ディーディーティ、ベンザヘキサクロライ
ド、エルドリン、アルドリン、ジエルドリン等)、ニコ
チン類(ニコチン、ノルニコチン等)、フルオロ酢酸ア
ミド、ピレスロイド類(ピレスリン、アレスリン等)、
植物由来の精油(シネオール、ディルオイル、日本ハッ
カオイル、ユーカリオイル、ターペンティンオイル
等)、ホウ酸等が例示できる。そして、この例示された
殺虫剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用い
ることができる。
【0012】その殺ダニ剤としては、ハダニ、コナダニ
等のダニ類を死滅させることができる薬剤である。その
具体的な殺ダニ剤としては、ケルセン、プロクロノー
ル、クロルベジレート、クロルプロピレート、フェニソ
ブロモレート、クロルフェンソン(chlorfens
on)、テトラジホン、プロパルギト(proparg
ito)、ピナパクリル、水酸化トリシクロヘキシルス
ズ、酸化フェンブタスズ、キノチオメート、アミトラ
ズ、ベンゾメート、ポリナクチオンズ(polynac
tions)、ラベンダーオイル、メリッサオイル、ペ
パーミントオイル、サルビアオイル、ローズマリーオイ
ル等が例示できる。そして、この例示された殺ダニ剤の
中から選んだ1種または2種以上のものも用いることが
できる。
【0013】その殺線虫剤としては、マツノザイセンチ
ュウ、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ等を死滅
させることができる薬剤である。具体的な殺線虫剤とし
ては、メスルフェンホス、酒石酸モランテル、クロルピ
クリン、2,3−ジクロロプロパンと1,3−ジクロロ
プロペンの混合物、1,2−ジブロモメタン、メチルイ
ソシアネート等が例示できる。そして、この例示された
殺線虫剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用
いることができる。
【0014】その抗菌剤としては、殺菌剤とは異なり、
死滅させずに細菌類や真菌類の生育を抑制させることが
できる薬剤である。その具体的な抗菌剤としては、メチ
ルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ワニ
リン、シンナミックアルデヒド、p−ヒドロキシ安息香
酸エステル、d−リモネン、エチルアルコール、カンフ
ァー、フェニルオキシド、p−ジクロルベンゼン、ジメ
チルフマレート、ヒバオイル、アスナロオイル、タイワ
ンヒノキオイル、カシアオイル、ディルオイル、レモン
オイル、シトロネラオイル、クローブオイル、タイムオ
イル、リナロール、トランス−ピノカルベオール、p−
イソプロピルシクロヘキサノール、カンフェレニックア
ルデヒド、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン等
が例示できる。そして、この例示された抗菌剤の中から
選んだ1種または2種以上のものも用いることができ
る。
【0015】その忌避剤としては、動物、衛生害虫、農
業害虫または昆虫を特定の箇所に接近もしくは付着しな
いようにすることができる薬剤である。その具体的な忌
避剤としては、レモングラスオイル、レモングラス、合
成ムスク、シンナミックアルデヒド、パインオイル、オ
イゲノール、ターピネオール、木酢、バニリン、アセト
キシフェニルブタン、ヘキサナール、ギ酸ゲラニル、
α,β−ピネン、リモネン、サフロール、アネトール、
アニスアルデヒド、γ−ラクトン、1,8−シネオー
ル、ナフタリン、アンゲリカ、環状テルペンアルコー
ル、メントール、N,N−ジエチル−m−トルアミド、
エチルチオメトン、イソチオネート、クレゾール、香辛
料(コショウ、トウガラシ、ハッカ、シソ、チョウジ
等)、バニラ、ノニルラクトン、シトライル、リナロー
ル、2−ブトキシエタノール、ビスエーテル、シクロヘ
キサノン、イソホロン、スペアミントオイル、青葉アル
コール、桂皮アルコール、メチルノニルケトン、メチル
フェニルケトン、しょう脳、シトラール、ユーカリプト
ール、アリルイソチアネート、カプサイシン、シクロヘ
キシミド等が例示できる。そして、この例示された忌避
剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用いるこ
とができる。
【0016】その消臭剤としては、不快な臭いを芳香
性、マスキング、中和してその臭いの原因を消すもので
ある。そのような消臭剤の具体的な例の芳香性よる消臭
剤としては、ローズ油、スズラン油、キンモクセイ油、
ジャスミン油、レモン油、クチナシ油、ミント油、バイ
オレット油等の香料を用いることができる。またマスキ
ングには前記香料の中でもシンナミックアルデヒド、バ
ニリン、ヘリオトロピン、クマリン、カルボン、カナフ
ァー、ボネオール等が例示できる。さらに中和して消臭
する消臭剤としては、テレピン油、丁子油、桂皮油、シ
ダー油、オレンジ油、レモン油、橙皮油等が例示でき
る。また、その他にフラボノイド等も用いることができ
る。そして、この例示された消臭剤の中から選んだ1種
または2種以上のものも用いることができる。
【0017】その植物エキス剤としては、各種の薬効を
もつものがあり、例えば、アロエエキス、カモミラエキ
ス、オレンジエキス、海藻エキス、オランダカラシエキ
ス、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、オウバ
クエキス、オウレンエキス、アンズエキス、キイチゴエ
キス、キズタエキス、キナエキス、クチナシエキス、ク
ワエキス、ゲンノショウコエキス、ゴボウエキス、混合
果実抽出液、混合植物抽出液、コンフリーエキス、シャ
クヤクエキス等が例示できる。そして、この例示された
植物エキス剤の中から選ばれた1種または2種以上のも
のも用いることができる。
【0018】その紫外線遮蔽剤としては、200〜40
0nmの波長の紫外線を吸収して、人体や香粧品に対す
る有害な作用を防止し、さらにその遮蔽剤により皮膚の
日焼け、香粧品の劣化等の現象の発生を防止する目的で
使用されるものである。その具体的な例としては、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノ
ン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,
4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−オキシ−5−メト
キシアセトフェノン等のベンゾフェノン系が例示でき
る。エチル−p−グルコシルイミドベンゾエート、グル
コシル−p−アミノベンゾエート、サリシレートエステ
ル、p−オクチルフェニルサリシエート、フェニルサリ
シアート等の安息香酸エステル系が例示できる。そし
て、この例示された紫外線遮蔽剤の中から選ばれた1種
または2種以上のものも用いることができる。
【0019】その酸化防止剤としては、物質が酸素によ
る酸化変質するのを防ぐ薬剤である。その酸化防止剤の
具体的なものとしては、ノルジヒドログアヤレチン酸、
グアヤク脂、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニ
ゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、α−トコフェロ
ール(ビタミンE)等が例示できる。また、亜硫酸ナト
リウム、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、イソ
アスコルビン酸、チオソルビトール、塩酸システイン、
チオグリコール酸、チオ硫酸ナトリウム等の水溶性酸化
防止剤が例示できる。そして、この例示された酸化防止
剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いる
ことができる。
【0020】その止痒剤としては、局所麻酔と清涼刺激
作用により痒みを防止するものであり、具体的なものと
してはカンフル、チモール、メントール、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル、抗ヒスタミン剤、アミノ安息
香酸エチル等が例示できる。そして、この例示された止
痒剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用い
ることができる。
【0021】その発毛促進剤としては、毛根部によく浸
透して、毛乳頭の血流を促進し、毛母細胞の分裂を盛ん
にして、毛髪の生長を促すものであり、具体的なものと
しては、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウ
キョウチンキ、セファランチン、レシチン、ヒノキチオ
ール、感光素301号、エストロゲン、パントテン酸、
センブリエキス、グリチルリチン等が例示できる。そし
て、この例示された発毛促進剤の中から選ばれた1種ま
たは2種以上のものも用いることができる。
【0022】そのビタミン剤としては、人体に栄養とし
て供給されるものであり、水溶性または脂溶性のビタミ
ンを用いることができる。そのビタミンの具体的なもの
としては、水溶性ビタミンでは、ビタミンB1 、ビタミ
ンB2 、ビタミンB6 、ビタミンB12のビタミンB群
や、ビタミンC等が例示できる。さらに脂溶性ビタミン
としてはビタミンA、ビタミンE、ビタミンD等が例示
できる。そして、この例示されたビタミン剤の中から選
ばれた1種または2種以上のものも用いることができ
る。
【0023】その制汗剤としては、発汗を抑制する作用
のあるものであり、具体的には、塩化アルミニウム、ア
ラントイン、クロルヒドロキシアルミニウム、硫酸アル
ミニウム、ミョウバン、アルミニウムクロロハイドロオ
キシド等が例示できる。そして、この例示されたビタミ
ン剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用い
ることができる。
【0024】その日焼け止め剤としては人体の日焼けを
防ぐものであり、上述の紫外線吸収剤と紫外線散乱剤と
を混合して用いられるものである。その紫外線散乱剤の
具体的なものとしては、酸化亜鉛、酸化チタン等が例示
できる。そして、この例示された紫外線散乱剤の中から
選ばれた1種または2種以上のものも用いることができ
る。
【0025】その防腐剤としては、微生物等の繁殖を抑
えて、薬剤等の品質を劣化せずに保存する目的で用いら
れるものであり、具体的には安息香酸、サリチル酸、デ
ヒドロ酢酸、ソルビン酸、ホウ酸、クロルキシレノー
ル、レゾルシン、パラオキシ安息香酸エステル、フェノ
キシエタノール、チモール、ヒノキチール、チオキソロ
ン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゾトニウム、ラウ
リルジ(アミノエチル)グリシン、グルコン酸クロルヘ
キシジン、クロロブタノール等が例示できる。そして、
この例示された防腐剤の中から選ばれた1種または2種
以上のものも用いることができる。
【0026】その保湿剤としては、皮膚に対して保湿
し、うるおいを保つ作用のあるものであり、その具体的
には、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビッ
ト、1,3−ブチレングリコール、dl−ピロリドンカ
ルボン酸、乳酸ナトリウム等が例示できる。そして、こ
の例示された保湿剤の中から選ばれた1種または2種以
上のものも用いることができる。
【0027】その収斂剤としては、香粧品等に用いられ
皮膚を引き締めるものであり、具体的には、クエン酸、
酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、
硫酸カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニ
ウム、アラントインクロルジヒドロキシアルミニウム、
アルミニウムフェノオールスルフォン酸、パラフェノー
ルスルフォン亜鉛、硫酸亜鉛、アルミニウムクロロヒド
ロオキシド等が例示できる。そして、この例示された収
斂剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用い
ることができる。
【0028】その油性剤としては、香粧品等では、皮膚
に対して、柔軟性、清浄化、摩擦効果、保湿効果、光沢
効果等の様々な作用を与えるものである。それには、油
脂類、ロウ類、高級脂肪酸、炭化水素等であり、具体的
には、アルモンド油、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ
油、モクロウ、ヤシ油、ラノリン、セタノール、液状ラ
ノリン、パラフィン、ワセリン、スクワラン、オレイン
酸、ラウリル酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、
パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデ
シル等が例示できる。そして、この例示された収斂剤の
中から選ばれた1種または2種以上のものも用いること
ができる。
【0029】このような薬剤を含浸もしくは担持させる
無機多孔質微粒子としては、以下のものが用いられる。
この無機多孔質微粒子としては、無機化合物より形成さ
れた多孔質なものであり、形状としては、不定型等の様
々な形のものを用いることができるが、特に好ましくは
略球形状のものを用いることが望ましい。その無機化合
物としては、アルカリ土類金属の炭酸塩、珪酸塩、燐酸
塩、硫酸塩や金属酸化物、金属水酸化物、その他の金属
珪酸塩、あるいはその他の金属炭酸塩等が使用可能であ
る。具体的なアルカリ土類金属の炭酸塩としては炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネウム等が、アルカ
リ土類金属の珪酸塩としては珪酸カルシウム、珪酸バリ
ウム、珪酸マグネシウム等が、またアルカリ土類金属の
燐酸塩としては燐酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸マ
グネシウム等が、そしてまたアルカリ土類金属の硫酸塩
としては硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシ
ウム等がそれぞれ挙げられる。さらに金属酸化物として
はシリカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜
鉛、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化アルミニウム等
が、金属水酸化物としては水酸化鉄、水酸化ニッケル、
水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム
等がそれぞれ挙げられる。そしてその他の金属珪酸塩と
しては珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム等が、その他の金属
炭酸塩としては炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、炭酸銅等
がそれぞれ挙げられる。
【0030】そして、無機多孔質微粒子は、特に界面反
応法で得られた無機系の材料を用いたものを用いること
が可能であり、例えば珪酸カルシウム等の無機多孔質な
るものを用いることができる。そして、特に特公昭57
−55454号公報に記載されている界面反応法によっ
て得られた球形の無機多孔質微粒子を好適に用いること
ができる。具体的なものとしては、既に商品化されてい
るこのような球形の無機多孔質微粒子(商品名:ゴット
ボール、鈴木油脂工業株式会社製)を用いることができ
る。
【0031】その無機多孔質微粒子の具体的な製造方法
としては以下の方法により行う。即ち、無機化合物とし
てシリカを用いる場合、一例としてまず水ガラス溶液を
ソルビタンモノステアレートとポリオキシエチレンソル
ビタンモノオレエート混合物の局方流動パラフィン溶液
と共に乳化し、油中水滴型乳濁液を調整し、さらに硫酸
アンモニウム溶液に加えて反応させて放置する。続いて
濾過、洗浄、乾燥を行うことにより、壁物質が無水珪酸
からなる中空の多孔質微粒子が得られるのである。
【0032】次いで、図1に示す如き機器構成のもと
で、前記工程により得られた図2に示す無機多孔質微粒
子1の空隙部2に、薬剤3を導入した。本装置は、排気
バルブ4とリークバルブ5を設けた真空チャンバー6と
薬剤3の溶液が入ったタンク7とが、導入バルブ8を介
して接続されているものであり、真空チャンバー6内で
無機多孔質微粒子1を減圧することによって、常圧状態
下にある薬剤3の溶解液を圧力差を利用して空隙部2に
導入した。そしてその概略工程の一例が以下に示される
のである。
【0033】まず無機多孔質微粒子1を真空チャンバー
6内にセットし、リークバルブ5、導入バルブ8を閉じ
るとももに排気バルブ4を開いて、真空チャンバー6内
を10〜10-3torrに減圧する。つぎに排気バルブ
4を閉じて真空チャンバー6内の排気を終了し、導入バ
ルブ8を開く。この時、薬剤3の溶解液の入ったタンク
7内は大気圧であるため、圧力差によって薬剤3が真空
チャンバー6内に導入される。真空チャンバー6内の排
気によって無機多孔質微粒子1の空隙部2も減圧状態に
あるので、真空チャンバー6内に導入された薬剤3は無
機多孔質微粒子1内部の空隙部2に浸透する。続いてリ
ークバルブ5を開いて真空チャンバー6を大気圧に戻し
た後に濾過等によって過剰の薬剤3の溶解液を分離し、
薬剤3を担持させた無機多孔質微粒子が得られるのであ
る。ここで用いられる無機多孔質微粒子1は、例えば粒
径で0.1〜300μm、壁厚で0.05〜150μ
m、空孔径で2nm〜2μm、そして嵩密度で0.1〜
5cc/g程度のものである。また無機多孔質微粒子1
に薬剤3を担持させる量としては1〜500重量%程度
とすることが望ましく、好ましくは10〜130重量%
にするのが良い。即ち1重量%未満であると、薬剤3の
持続力が短く、また500重量%より多いと過剰となり
無機多孔質微粒子から流出するので前記範囲にするのが
望ましい。
【0034】こうして薬剤3を担持させた無機多孔質微
粒子1の概略断面構造が図2として示される。図例のも
のは壁物質が無水珪酸からなる非中空の無機多孔質微粒
子1内に、薬剤3が担持されているものであり、壁面に
存在する無数の空隙部2・・・より薬剤3が徐々に蒸散
し、薬剤3の持つ忌避作用を、長時間にわたって持続さ
せることができるのである。尚、図3に示しているよう
な、中空の無機多孔質微粒子1の中空部9に前記薬剤3
を含浸させることもできる。
【0035】そして、薬剤を担持させた前記無機多孔質
微粒子は、エアゾール組成物中に0.01〜60重量%
を、好ましくは1〜30重量%を含有させることができ
る。即ち0.01重量%未満であると、薬剤の持続力が
短く、また60重量%以上であると分散液に流動性が損
なわれて、分散させることができないので、前記範囲に
するのが望ましい。
【0036】本発明の分散液としては、薬剤を分散させ
ることができる液体であり、0〜50℃の環境下で液体
状態であるものが望ましく、用途に応じて水または有機
溶媒や、さらには混合物も用いることができる。その有
機溶媒では、アルコール類、エーテル類、ケトン類、ア
ルデヒド類などを特に好適に用いることができる。そし
て、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール等が例示できる。さらに、エーテル類に
は、石油エーテル、ジエチルエーテル等が例示できる。
ケトン類にはアセトン、メチルエチルケトン等が例示で
きる。アルデヒド類にはホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド等が例示できる。好ましくはアルコール類を用い
ることが望ましく、特に好ましくは炭素数が1〜3のメ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール等を用いることができる。
また、分散液の特に好ましい使用形態としては、人間の
生活空間に用いることとからアルコール類と水との混合
物を用いることが望ましく、そのアルコール類の含有量
としては75〜95重量%を含むものが好適であり、よ
り均一に薬剤を分散させることができる。
【0037】次に、アクリル酸重合体としては、ポリア
クリル酸とも呼ばれアクリル酸を2以上重合したもの
で、特に架橋型アクリル酸重合体を用いることができ
る。そのアクリル酸重合体の具体的な例は、日本純薬
(株)製のジュンロンPW−110、ジュンロンPW−
150、昭和電工(株)製のカーボポール907、カー
ボポール910、カーボポール934、カーボポール9
34P、カーボポール940、カーボポール941、製
鉄化学工業(株)製のアクペックHV−505、和光純
薬(株)製のハイビスワコー103、ハイビスワコー1
04、ハイビスワコー105、ハイビスワコー204、
ハイビスワコー304等が例示できる。そのアクリル酸
重合体のエアゾール組成物中の含有量としては、0.0
001〜6重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%
とするのが望ましい。即ち、0.0001未満である
と、粘度が低すぎて均一に分散することができず、また
6重量%より多いと粘度が高すぎて均一に分散すること
ができなくなるので、前記範囲にするのが望ましい。
【0038】前記アルカリ剤としては、アクリル酸重合
体を中和して、分散液を増粘させる水不溶性もしくは水
難溶性のものである。その具体的なアルカリ剤として
は、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエ
チレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンプロピレ
ンアミン、ポリオキシエチレンプロピレンジアミン、ポ
リオキシエチレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンヤシ
アミン、ジブチルアミン、トリ−(2−エチル)ヘキシ
ルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジブチル−2−
エチルヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジアリル
アミン、ジ−sec−イソブチルアミン、トリアリルア
ミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチ
ルアリルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、N
−メチルジアリルアミン、N−エチル−1,2−ジメチ
ルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミ
ン、ヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルヘ
キシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジ−n−オク
チルアミン、2−エチルヘキシルオキシプロピルアミ
ン、トリ−n−オクチルアミン、ジブチルアミノプロピ
ルアミン、N−メチル−ジ−n−オクチルアミン、2−
エチルヘキシルアミン、ジ−(2−エチル)ヘキシルア
ミン等が例示できる。そして、そのアルカリ剤の含有量
としては、アクリル酸重合体を中和するのに必要となる
ものであり、アクリル酸重合体の含有量にもよるが0.
00001〜20重量%を、好ましくは0.01〜0.
5重量%とするのが望ましい。即ち、0.00001重
量%未満であると、中和が不十分であるために均一に分
散することができず、また20重量%より多いと過剰と
なるので、前記範囲にするのが望ましい。
【0039】界面活性剤としては、陰イオン界面活性
剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界
面活性剤等を用いることが可能であり、特に人体に用い
るために、化粧品原料基準に記載のものが望ましい。さ
らに、界面活性剤は、HLB値が1〜20のものを用い
ることができ、好ましくは5〜15のものを用いるのが
望ましい。そのHLB値が5〜15のものを用いると、
より均一に薬剤及び無機多孔質微粒子を分散させること
ができる。その界面活性剤のエアゾール組成物中には、
0.01〜5重量%の量を含有させることができる。即
ち、0.01重量%未満であると分散しにくくなり、5
重量%より多いと界面活性剤が過剰となるので、前記範
囲にするのが望ましい。その具体的な界面活性剤として
は、以下のものが例示できる。陰イオン界面活性剤とし
ては、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン
酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリン酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリ
エタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル燐酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンチセルエーテル燐酸、ポリ
オキシエチレンチセルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンステアリルエーテル燐酸、ポリオキシエチ
レンオレイルエーテル燐酸、ポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル燐酸、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル燐酸トリエタノールアミン、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸ナトリウム、
ラウロイルサルコシンナトリウム、大豆リン脂質等が例
示できる。
【0040】陽イオン界面活性剤としては、塩化ステア
リルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチ
ルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼン
トニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウ
ム、塩化セチルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリ
ニウム、臭化ドミフェン等が例示できる。
【0041】両イオン界面活性剤としては、β−ラウリ
ルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジメチルア
ミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチ
ル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等
が例示できる。
【0042】非イオン界面活性剤としては、自己乳化型
モノステアリン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸
グリセリン、親油型モノオレイン酸グリセライド、モノ
ステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プ
ロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコー
ル、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソル
ビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸
ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイ
ン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、ウンデシレン
酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミ
ド、ヤシ油脂脂肪ジエタノールアミド、モノラウリン酸
ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレ
ングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコー
ル、乳酸ミリスチル、乳酸チセル、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオク
チルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸アミ
ド、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、モノラ
ウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチ
ン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸
ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリ
オキシエチレン、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレ
ンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソル
ビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタ
ン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、
ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエ
チレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポ
リオキシエチレンラノリン等が例示できる。
【0043】また、本発明の薬剤は、揮発性を調整する
ためにも特に保湿作用が得られる化合物を混合すること
ができる。その保湿作用が得られる化合物としてはグリ
セリン、油脂等を用いることができる。その混合する量
としては、0.01〜50重量%を、好ましくは1〜1
0重量%を混合することができる。
【0044】そして、本発明に依るエアゾール組成物の
製造方法は、分散液に、アクリル酸重合体とアルカリ剤
とを加えて増粘させるとともに、さらに薬剤を担持させ
た無機多孔質微粒子と界面活性剤とを加えて分散させる
ものである。そして、本発明の製造方法では、特に10
〜35℃の室温で行うことが望ましく、アクリル酸重合
体を攪拌しながら添加して、均一に分散する。そして、
アルカリ剤を加えて分散液を中和することにより、分散
液に粘性を与えることができる。そして、B型粘度計等
の粘度計で測定した粘性の値としては、10〜3000
00cps、好ましくは400〜1000cpsに調整
するのが望ましい。即ち、前記範囲外の粘性の値である
と均一に分散することができないので、前記範囲にする
のが望ましい。そして、このように粘性、即ち増粘した
分散液には、前記薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と
界面活性剤とを添加して、攪拌して均一に分散させるこ
とによりエアゾール組成物が得られる。その均一に分散
させる手段としてはホモジナイザーにより、10〜13
000rpm/分、好ましくは5000〜8000rp
m/分の回転数により高速攪拌してホモジナイズするこ
とが望ましい。即ち、10rpm/分未満であると、均
一に薬剤を分散させることができず、また13000r
pm/分より回転数が高いとアクリル酸重合体を剪断し
てしまい薬剤を分散させることができないので、前記範
囲にするのが望ましい。
【0045】本発明のエアゾール製品に用いる耐圧容器
としては、次の様な容器を用いる事ができる。即ち、5
0℃の環境下において、容器内の圧力に対して容器外か
ら1.5倍の圧力を加えたときに変形せず、且つ容器内
の圧力に対して容器外から1.8倍の圧力を加えた時に
容器が破裂しない容器を用いることが可能であり、ある
いは、圧力が13Kg/cm2 の環境下で容器が変形せ
ず、且つ圧力が15Kg/cm2 で破裂しない容器も用
いることができる。尚、これらは、通商産業省告示第2
03号に適するものを用いるのが望ましい。このような
容器に用いる材質としては鋼、軽金属、ガラス、合成樹
脂等を使用するのが好適であり、具体的な軽金属として
は、鉄板、ブリキ、アルミニウム等が例示できる。そし
て密閉する方法としてはエアゾール用バルブ、通常の場
合には、専用に作製された缶用バルブ、瓶用バルブ等の
エアゾール用バルブを用いることができる。
【0046】本発明のエアゾール製品に用いる噴射剤と
しては、液化石油ガス、ジメチルエーテル、フロン、圧
縮ガス等を用いることができる。その圧縮ガスとして
は、炭酸ガス、窒素ガス、笑気ガス(亜酸化窒素ガ
ス)、酸素ガス、空気ガス等が例示できる。そして、特
に比較的安全で無公害の窒素ガス、炭酸ガス等を用いる
のが望ましい。
【0047】またエアゾール製品に本発明のエアゾール
組成物を充填する量としては、噴射材の種類にもよる
が、30〜98重量%を充填することが可能であり、好
ましくは液化石油ガス、ジメチルエーテル、フロン等を
用いた場合には30〜90重量%を、特に好ましくは3
5〜75重量%を混合することができる。また圧縮ガス
を用いた場合には、70〜99重量%を、特に好ましく
は80〜99重量%を混合することができる。即ち、エ
アゾール組成物が30重量%未満であると、噴射剤の量
が多すぎると、エアゾール組成物と噴射剤との相溶性の
問題が起る心配があったり、噴射したスプレー液が不必
要にドライになり塗布効果が低下することになる。また
99重量%より多いと噴射剤の量が少なく、耐圧容器に
収容したエアゾール組成物を残らず噴射することが出来
ないので、前記範囲にするのが望ましい。
【0048】本発明の作用は以下に示すものである。即
ち、本発明のエアゾール組成物によれば、アクリル酸重
合体とアルカリ剤によって形成される増粘作用により、
薬剤を担持させた無機多孔質微粒子を均一に分散させ
て、さらに分散液が揮発すると、無機多孔質微粒子の表
面にアクリル酸重合体の皮膜を形成させることができ
る。分散液にアルコール類を用いた本発明のエアゾール
組成物は、分散液を早急に揮発させることができる。前
記無機多孔質微粒子を界面反応法で得られたものである
と、より均一に分散させることができ、さらに優れた徐
放効果を得ることができる。0.01〜60重量%の前
記無機多孔質微粒子を含むエアゾール組成物であると、
より均一に分散させることができる。前記無機多孔質微
粒子に、1〜500重量%の薬剤を担持させたものであ
ると、効率よく薬剤を担持させることができる。また、
本発明の製造方法によれば、分散液に、アクリル酸重合
体とアルカリ剤とを加えて増粘させることにより、薬剤
を担持させた無機多孔質微粒子と薬剤とを、均一に分散
させることができる。本発明のエアゾール組成物と噴射
剤を耐圧容器に収容するとともに密閉すると、均一に散
布することができる。前記噴射剤が、窒素ガスまたは炭
酸ガスであると、不燃性であり且つ無害である。
【0049】
【実施例】本発明の詳細を図例を参照しながら説明す
る。 (実施例1)実施例1としては、薬剤のうち蚊に対して
忌避効果のあるN,N−ジエチル−m−トルアミドを忌
避剤として用いて下記に示す表1の配合によりエアゾー
ル組成物を作製した。即ち、エチルアルコールに、アク
リル酸重合体を加えて混合し、さらに粘性を与えるため
にポリオキシエチレンヤシアミン(商品名:エソミン−
45、ライオン株式会社製)を添加した。さらに、アク
リル酸重合体の液にグリセリンと、水と、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル(非イオン界面活性剤)との混
合液を作製した。そして、予めN,N−ジエチル−m−
トルアミドを担持させたシリカの無機多孔質微粒子を、
前記混合液に加えて、室温下でホモジナイザーにより、
毎分6000rpmの回転数により5分間ホモジナイズ
してエアゾール組成物を作製した。その配合を表1に示
した。
【0050】(実施例2)実施例2としては、薬剤のう
ち天然香料の1つであるユーカリ油を用いて、表1に示
す配合により実施例1と同様の操作を行いエアゾール組
成物を作成した。
【0051】(比較例1)比較例1としては、実施例1
に用いたN,N−ジエチル−m−トルアミドを表1に示
す配合によりエアゾール組成物を作製した。即ち、エチ
ルアルコールに、アクリル酸重合体を加えて混合し、さ
らに粘性を与えるためにポリオキシエチレンヤシアミン
を添加して、アクリル酸重合体の液を作製した。さら
に、アクリル酸重合体の液にグリセリンと、水と、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル(非イオン界面活性
剤)を添加混合して、前記混合液に加えて、室温下でホ
モジナイザーにより、毎分6000rpmの回転数によ
り5分間ホモジナイズしてエアゾール組成物を作製し
た。この場合は、実施例とは異なり無機多孔質微粒子を
用いずにN,N−ジエチル−m−トルアミドをそのまま
混合液に混合して、比較例を作製した。
【0052】(比較例2)比較例2としては、実施例2
と同様の香料を用いて、表1の配合により比較例1と同
様の操作及び同様のエアゾール組成物を作製した。
【0053】
【表1】
【0054】(応用例1)実施例1のエアゾール組成物
を用いてエアゾール製品を作製した。即ち、耐圧容器と
して直径40mm、高さ140mmの最大充填量が15
4mlのものを用い、75gの実施例1と4gの炭酸ガ
スを充填するとともに、密閉するために、JS0443
6(ステムオリフィス 2×0.33mm)のバルブ
と、MBタイプ(0.33mm)のボタンからなるエア
ゾール用バルブを取り付けて、噴射圧が7.3(Kg/
cm2 )であるエアゾール製品を作製し応用例1とし
た。
【0055】(応用例2)実施例2のエアゾール組成物
を応用例1と同様の操作及び同様のエアゾール製品を作
製した。
【0056】(参考例1)参考例1としては応用例1に
用いた実施例1を比較例1に置き換えた以外は応用例1
と同様の操作を行い、エアゾール製品を作製した。
【0057】(参考例2)参考例2としては、応用例1
に用いた実施例1を比較例2に置き換えた以外は応用例
1と同様の操作を行い、エアゾール製品を作製した。
【0058】(応用例1と参考例1の比較試験)直径1
10mmの定量濾紙(商品名:NO.3、アドバンテッ
ク東洋株式会社製)に、エアゾール用バルブの先端から
100mmの距離から噴射して約5gを塗布して、吸着
させて、さらにその濾紙を庫内温度が25℃の恒温槽内
に設置して徐放試験を行った。そして、中を2分割し
て、分割した部屋を双方に通過できるように設計された
30×30×30cmの飼育ケースの一方に、徐放試験
中の濾紙を入れてアカイエカに対する忌避効力を確認し
た。その確認方法は、徐放試験中の濾紙を設置した飼育
ケースの一方に20匹のアカイエカを入れて、濾紙を設
置していない方に移動する数を日数ごとに観察し、その
数を表2に示しアカイエカに対する忌避効果を確認し
た。
【0059】
【表2】
【0060】その結果、表2より明らかなように、応用
例1は参考例1と比較して、蚊に対して長い持続忌避効
果を有していた。
【0061】(応用例2と参考例2の比較試験)直径1
10mmの定量濾紙(商品名:NO.3、アドバンテッ
ク東洋株式会社製)に、エアゾール用バルブの先端から
100mmの距離から噴射して約5gを塗布して、吸着
させて、さらにその濾紙を庫内温度が25℃の恒温槽内
に設置して徐放試験を行った。そして、人間の臭覚によ
り芳香性の効果の確認を行った。その結果を表3に示し
た。
【0062】
【表3】
【0063】表3から明らかなように応用例2の方が優
れた効果を有していた。
【0064】
【発明の効果】本発明のエアゾール組成物によれば、ア
クリル酸重合体とアルカリ剤によって形成される増粘作
用により、薬剤を担持させた無機多孔質微粒子を均一に
分散させて、さらに分散液が揮発すると、無機多孔質微
粒子の表面にアクリル酸重合体の皮膜を形成させること
ができるので、長期間に亙って蚊に対する忌避効果を保
つことができる。分散液にアルコール類を用いた本発明
のエアゾール組成物は、分散液を早急に揮発させること
ができるので、塗布または散布した後には、効率良く薬
剤を均一に揮発させることができる。前記無機多孔質微
粒子を界面反応法で得られたものであると、より均一に
分散させることができ、さらに優れた徐放効果を得るこ
とができるので、長期間に亙って徐放効果を有すること
ができる。0.01〜60重量%の前記無機多孔質微粒
子を含むエアゾール組成物であると、より均一に分散さ
せることができるので、優れた徐放効果を有することが
できる。前記無機多孔質微粒子に、1〜500重量%の
薬剤を担持させたものであると、効率よく薬剤を担持さ
せることができるので、優れた徐放効果を有することが
できる。上述のように本発明のエアゾール組成物は、薬
剤を均一に分散させることが可能となり、また優れた徐
放機能を有するので、蚊に対して忌避効果を長期間に亙
って維持することができる。
【0065】また、本発明の製造方法によれば、分散液
に、アクリル酸重合体とアルカリ剤とを加えて増粘させ
ることにより、薬剤を担持させた無機多孔質微粒子を、
均一に分散させることができるので、従来無機多孔質微
粒子では不可能であったものが、手間も掛からずに簡単
に分散させてコストダウンを計ることができる。
【0066】本発明のエアゾール組成物と噴射剤を耐圧
容器に収容するとともに密閉すると、均一に散布するこ
とができるので、人体に簡単に塗布することができ、し
かも持続力が長いものが得られる。前記噴射剤が、窒素
ガスまたは炭酸ガスであると、不燃性であり且つ無害で
あるので、より安全なエアゾール製品を供給することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機多孔質微粒子への薬剤を注入する
方法の説明図
【図2】本発明に用いる中実の無機多孔質微粒子の説明
【図3】本発明に用いる中空の無機多孔質微粒子の説明
【符号の説明】
1.無機多孔質微粒子 9.中空部 2.空隙部 3.薬剤 4.排気バルブ 5.リークバルブ 6.真空チャンバー 7.タンク 8.導入バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 別井 晴美 大阪市東淀川区井高野2丁目1番37号 鈴 木油脂工業株式会社内 (72)発明者 飯島 和男 西宮市甲陽園西山町5番26号 キョーワ工 業株式会社内 (72)発明者 西尾 凱光 西宮市甲陽園西山町5番26号 キョーワ工 業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と、分
    散液と、アクリル酸重合体と、アルカリ剤と、界面活性
    剤と、からなるエアゾール組成物。
  2. 【請求項2】前記分散液が、アルコール類または水の少
    なくとも一方である請求項1記載のエアゾール組成物。
  3. 【請求項3】前記無機多孔質微粒子が界面反応法で得ら
    れたものである請求項1または2記載のエアゾール組成
    物。
  4. 【請求項4】0.01〜60重量%の前記無機多孔質微
    粒子を含むものである請求項1、2または3記載のエア
    ゾール組成物。
  5. 【請求項5】前記無機多孔質微粒子に、1〜500重量
    %の薬剤を担持させたものである請求項1、2、3また
    4記載のエアゾール組成物。
  6. 【請求項6】分散液に、アクリル酸重合体とアルカリ剤
    とを加えて増粘させるとともに、さらに薬剤を担持させ
    た無機多孔質微粒子と薬剤とを加えて分散させるエアゾ
    ール組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4または5記載のエア
    ゾール組成物と噴射剤を耐圧容器に収容するとともに密
    閉したエアゾール用製品。
  8. 【請求項8】前記噴射剤が、窒素ガスまたは炭酸ガスで
    ある請求項7記載のエアゾール製品。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11279522A (ja) * 1998-03-30 1999-10-12 Osaka Ship Building Co Ltd ゲル状製品の製法
JP2007022920A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Suzuki Yushi Kogyo Kk 害虫忌避剤組成物
KR100854568B1 (ko) * 2001-06-25 2008-08-26 다이니혼 죠츄기쿠 가부시키가이샤 탈취, 제균, 방향 에어졸제
WO2023204686A1 (ko) * 2022-04-22 2023-10-26 주식회사 이엠텍 다공성 비드를 포함하는 에어로졸 매질 집합체 및 이를 포함하는 가열식 흡연 물품
WO2023204687A1 (ko) * 2022-04-22 2023-10-26 주식회사 이엠텍 다공성 비드를 포함하는 에어로졸 매질 집합체 및 이를 포함하는 가열식 흡연 물품

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