JP3683012B2 - エアゾール組成物及びその製造方法、並びにそれを用いたエアゾール製品 - Google Patents

エアゾール組成物及びその製造方法、並びにそれを用いたエアゾール製品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤をエアゾール製品に用いる充填剤に関し、詳しくは無機多孔質微粒子に薬剤を担持させて、さらに分散液に分散させたエアゾール組成物、その製造方法並びにそれを用いたエアゾール製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
水溶性または非水溶性の薬剤の一般的な使用形態としては、エアゾール製品として市販されているものが多く、その配合としては、例えば、90〜160ml容量のエアゾール缶に、香料や忌避剤等の薬剤を2〜15重量%、イソプロピルアルコールを25〜35重量%、フロンガスを60重量%の配合により作製して、適当な箇所に散布していた。
また、特開昭62−5352号公報に記載されているマイクロカプセルを含有するスプレー組成物が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのために様々な問題があった。一般に比較的気温の高い時期に薬剤を用いることが多い。そのために従来の配合によるスプレーを用いて人間の生活空間に散布または塗布すると、夏期等の気温の高い環境下で薬剤がすぐに揮発してしまい、その効力が数時間と短く持続性に問題があった。さらに乳化液にした状態でも、同様にすぐに揮発するなどの問題も抱えていた。
また、従来の液体に無機多孔質微粒子を分散させると、攪拌直後は分散しているが、時間の経過とともに沈降してしまい、ポンプ等で移送しても液体と分離した状態となっており、均一でないという問題を抱えていた。
この問題を解決するために特開昭62−5352号公報に記載されているマイクロカプセルを含有するスプレー組成物が提案されているが、この場合には、マイクロカプセルには合成樹脂を用いており、アルコール等の分散液を選択しなければならず、合成樹脂を溶解するものでは無理があり、汎用性に欠けていた。
【0004】
そこで本発明はエアゾール組成物の改良を行い、徐放機能を有し、さらにアクリル酸重合体と薬剤とを用いることにより、薬剤と溶解しにくい水または有機分散液の中に均一に薬剤を分散させ、さらに、無機多孔質微粒子も均一に分散させることが可能で、汎用性もあるエアゾール組成物及びその製造方法並びにそれを用いたエアゾール製品を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の前記課題は、以下のエアゾール組成物及びその製造方法、並びにそれを用いたエアゾール製品によって解決することができる。
即ち、薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と、アルコール類と水との混合物である分散液と、アクリル酸重合体と、水不溶性もしくは水難溶性のアルカリ剤と、界面活性剤と、からなるエアゾール組成物
記無機多孔質微粒子が界面反応法で得られたものである。
1〜30重量%の前記無機多孔質微粒子を含むものである。
前記無機多孔質微粒子に、1〜500重量%の薬剤を担持させたものである。
アルコール類と水との混合物である分散液に、アクリル酸重合体と水不溶性もしくは水難溶性のアルカリ剤とを加えて増粘させるとともに、さらに薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と界面活性剤とを加えて分散させるエアゾール組成物の製造方法である。
前記エアゾール組成物と噴射剤を耐圧容器に収容するとともに密閉したエアゾール製品である。
前記噴射剤が、窒素ガスまたは炭酸ガスである。
【0006】
【発明の実施例の形態】
本発明のエアゾール組成物とは、スプレーまたはエアゾール製品に用いる噴射剤を除いた充填剤である。
本発明に用いられる薬剤としては、特に10℃〜100℃で、好ましくは25℃〜50℃の環境下において揮発しやすい化合物を用いることができる。
その具体的な薬剤としては、香料、忌避剤、農薬、消臭剤、植物エキス剤、紫外線遮蔽剤、酸化防止剤、止痒剤、発毛促進剤、ビタミン剤、制汗剤、日やけ止め剤、防腐剤、保湿剤、収斂剤、油性剤等である。また、香料、忌避剤、農薬、消臭剤、植物エキス剤、紫外線遮蔽剤、酸化防止剤、止痒剤、発毛促進剤、ビタミン剤、制汗剤、日やけ止め剤、防腐剤、保湿剤、収斂剤、油性剤等の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0007】
香料としては、匂いを漂わせる物質であり、人体に害をおよぼさないものである。例えば、天然香料や合成香料に分けられ、さらに天然香料は植物性香料、動物性香料に分けられる。そして、この前記香料を混合して調合香料としたものも本発明に用いることができる。また、熱に対して不安定なものも本発明の無機多孔質微粒子に担持させることができる。
【0008】
その天然香料としては、アカシア油、アニスシード油、アビエス油、アプシンス油、アルモンドビッター油、アンゲリカ油、アンブレットシード油、イノンド油、イランイラン油、イリス油、ういきょう油、ウィンターグリーン、ウォームウッド油、エストラゴン油、エレミ油、オークモス油、オコチア油、オニオン油、オポパナックス油、オランダセリ油、オリス油、オリバナム油、オレンジ油、カシア油(桂油、桂皮油)、カシー油、カナンガ油、カミツレ油、カモミル油、ガヤックウッド油、カヤプテ油、カラシ油、カラムス油、ガーリック油、カルダモン油、ガルバナム油、黄ずいせん油、キャラウエー油、苦へんとう油、クミン油、クラリーセージ油、グレープフルーツ油、クローブ油、ローレル葉油、コエンドロ油、コスタス油、コランダー油、サンダルウッド油、シダーウッド油、シトロネラ油、ジャスミン油、ショウガ油、しょうぶ根油、ジル油、、ジンジャー油、ジンジャークラス油、シンナモン油、すいせん油、スターアニス油、スパイク油、スペアミントオイル、セージ油、ゼラニウム油、タイム油、タンジェリン油、チュベローズ油、テレビン油、ナーシサス油、ナツメグ油、ニオガヨモギ油、にくずく油、ネロリ油、パイン油、パセリ油、バジル油、バーチ油、パチュリ油、ハッカ油、バラ油、パルマローザ油、白檀油、ヒヤシンス油、ベイ油、ベイ葉油、ベチバー油、ペニーロイヤル油、ヘノポジ油、ペパーミント油、ベリラ油、芳油、芳しょう葉油、ホップ油、ポライ油、ミモザ油、ミルテ油、ミルトル油、ミル油、ミント油、メース油、ユーカリ油、ライム油、ラバンジン油、ラベンダー油、リセアキュベバ油、リナロエ油、レモングラス油、レモン油、ローズウッド油、ローズマリー油、ローズ油、ロベージ油等が例示できる。そして、この例示された天然香料の中から選んだ1種または2種以上のものも用いることができる。
【0009】
また、合成香料としては、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、d−リモネン、ジペンテン、テルピノーレン、アロオシメン、オシメン、p−サイメン、β−カリオフィレン、青葉アルコール、3−オクテノール、9−デセノール、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトネロール、l−シトロネロール、ジメチルオクタノール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒドロリナロール、ラバンジュロール、アロシメロール、ミルセノール、α−ピネオール、抱水テルピン、l−メントール、ボルネオール、イソプレゴール、ノポール、ボルニルメトキシシクロヘキサノール、メロリドール、ファルネソール、サンタロール、イソ・イ・スーパー、サンダロール、セドロール、ベチベロール、パチュリアルコール、ベンジルアルコール、β−フェニルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、シンナミックアルコール、アニスアルコール、α−アミルシンナミックアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、メチルフェニルカルビノール、β−フェニルエチルジメチルカルビノール、ジメチルフェニルカルビノール、β−フェニルエチルメチルエチルカルビノール、フェノキシエチルアルコール、フェニルグリコール、tert−ブチルシクロヘキサノール、アニソール、p−アセチルアニソール、ジフェニルオキサイド、ジメチルハイドロキノン、p−クレゾールメチルエーテル、アネトール、ジヒドロアネトール、チモール、カルバクロール、オイゲノール、イソオイゲノール、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール、サフロール、イソサフロール、β−ナフトールメチルエーテル、β−ナフトールエチルエーテル、バニトロープ、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、n−ウンデシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、ドデシルアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、n−トリデシルアルデヒド、n−テトラデシルアルデヒド、n−ヘキサデシルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラ−ル、ペリラアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、アニスアルデヒド、クミンアルデヒド、ヘリオトロピン、ヘリオナール、サイクラメンアルデヒド、p−tert−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、サリチルアルデヒド、ヒドロトロパアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、γ−ウンデカラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、p−メチル−β−フェニルグリシド酸エチル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、リラール、マイラックアルデヒド、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、メチル−n−アミルケトン、エチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−ノニルケトン、メチルヘプテン、ジアセチル、l−カルボン、d−カルボン、メントン、d−プレゴン、ピペリトン、しょう脳、メチルセドリン、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジリデンアセトン、メチルナフチルケトン、ヨノン、ダマスコン、ダマセノン、メチルヨノン、イロン、マルトール、エチルマルトール、ヒドキシフラン、ネロン、ヒドロキシフェニルブタノン、アニシルアセトン、ジャスモン、ヒドロジャスモン、ヌートカトン、ムスコン、ジベトン、シクロペンタデカン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、アンブレットリド、シクロヘキサデカノリド、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、12−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノリド、10−オキサヘキサデカノリド、ムスクキシロール、ムスク・ケトン、ムスク・アンブレット、ムスク・チベテン、モスケン、ファントリド、セレストリド、トラセオライド、ベルサリド、トナリド、ガラクソリド、ローズオキサイド、オキサイドケトン、3,3,6−トリメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン、ジヒドロメチルペンテニルピラン、リナロールオキサイド、シネオール、ビシクロジヒドロホモファルネシルオキサイド、フェニルエチルイソアミルエーテル、ギ酸ゲラニル、ギ酸ベンジル、ギ酸フェニル、酢酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸メンチル、酢酸ボルニル、酢酸イソボルニル、酢酸テルピニル、酢酸ベンジル、酢酸フェニルエチル、酢酸メチルフェニルカルビニル、酢酸シンナミル、酢酸アニシル、酢酸パラクレジル、酢酸イソオイゲノール、酢酸ミルセニル、酢酸第3級ブチルシクロヘキシル酢酸ジヒドロテルピニル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸シトロネリル、プロピオン酸リナリル、プロピオン酸ゲラニル、プロピオン酸テルピニル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸シンナミル、酪酸エチル、酪酸イソアミル、酪酸ゲラニル、酪酸リナリル、イソ酪酸リナリル、酪酸シトロネリル、イソ酪酸シトロネリル、イソ酪酸ベンジル、イソ吉草酸n−プロピル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸ゲラニル、イソ吉草酸ベンジル、イソ吉草酸シンナミル、ヘプチンカルボン酸メチル、ヘプチンカルボン酸イソアミル、ヘプチンカルボン酸エチル、ピルビン酸イソアミル、オクチンカルボン酸メチル、アセト酢酸エチル、レブリン酸エチル、β−メチルメルカプトプロピオン酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸イソブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸ゲラニル、安息香酸リナリル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸ゲラニル、フェニル酢酸ベンジル、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸シンナミル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸アリル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸フェニルエチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、メチルアンスラニル酸メチル、アンスラニル酸エチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、ジャスモン酸メチル、合成オークモス、安息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、クマリン、インドール、スカトール、2−メチルテトラヒドロキノリン、6−メチルキノリン、6−メチルテトラヒドロキノリン、7−メチルキノリン、イソブチルキノリン、6−イソプロピルキノリン、テトラメチルピラジン、アセチルピロール、ゲラニルトリル、ブロムスチール、酢酸トリクロルメチルフェニルカルビニル、フルフリルメルカプタン等が例示できる。そして、この例示された合成香料の中から選んだ1種または2種以上のものも用いることができる。
【0010】
その農薬としては、農業用の薬剤であり、動物、昆虫、ダニ、線虫、微生物等を忌避もしくは死滅させるものである。それには殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤等がある。
その殺菌剤としては、植物病原菌等の様々な細菌類、真菌類を死滅させることができる薬剤である。その具体的な殺菌剤としては、ヂチオカーバメイト剤(マンゼブ、マンネブ、ポリカーバメイト等)、有機硫黄系剤(キャプタン、カプタホル、フォルベット等)、有機リン剤(O,O−ジイソプロピル−S−ベンジルチオホスフェート、O−エチル−S,S−ジフェニルジチオホスフェート等)、有機塩素剤(ペンタクロロフェノール、クロロスロニル等)、有機ヒ素剤(メチルアルセニックヂメチルカーバメイト、ドデシル硫酸)、脂肪族ハロゲン剤(臭化メチル、クロルピクリン等)、その他にベノミル、オキシカルボキシン、フェナジンオキサイド、アニラジン、硫酸オキシキノリン、水酸化トリフェニルスズ、ヒドロキシイソキサゾール、ピナパクリル、ブチオベート、無機硫黄剤(硫黄、多硫化石灰等)、銅剤(ボルドー液)、抗生物質(ストレプトマイシン、ノボビオシン、クロラムフェニコール、ブラストサイジンS、カスガマイシン、バリダマイシンA、ポリオキシン、シクロヘキシミド等)、その他植物由来の殺菌成分(ヒュムロン(humulon)、ルプロン(lupulon)、アリシン、アリルイソチオシアネート(allylisotiocyanate))、クロロゲン酸、ソラニン、タンゲリチン(tangeritin)、ベルベリン、ヒノキチオール、ヨウ素等が例示できる。そして、この例示された殺菌剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用いることができる。
【0011】
また殺虫剤としては、ゴキブリ、カ、ノミ、ダニ等の衛生害虫、農業害虫を死滅させることができる薬剤である。その具体的な殺虫剤としては、有機リン殺虫剤(ジクロルボス、サイノフォス、O−エチル−O−フェニルホスフォチオネート、マラソン、パラチオン等)やカーバメイト系殺虫剤(1−ナフチル−N−メチルカーバメイト、イソプロカーブ等)、有機ハロゲン系殺虫剤(ディーディーティ、ベンザヘキサクロライド、エルドリン、アルドリン、ジエルドリン等)、ニコチン類(ニコチン、ノルニコチン等)、フルオロ酢酸アミド、ピレスロイド類(ピレスリン、アレスリン等)、植物由来の精油(シネオール、ディルオイル、日本ハッカオイル、ユーカリオイル、ターペンティンオイル等)、ホウ酸等が例示できる。そして、この例示された殺虫剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用いることができる。
【0012】
その殺ダニ剤としては、ハダニ、コナダニ等のダニ類を死滅させることができる薬剤である。その具体的な殺ダニ剤としては、ケルセン、プロクロノール、クロルベジレート、クロルプロピレート、フェニソブロモレート、クロルフェンソン(chlorfenson)、テトラジホン、プロパルギト(propargito)、ピナパクリル、水酸化トリシクロヘキシルスズ、酸化フェンブタスズ、キノチオメート、アミトラズ、ベンゾメート、ポリナクチオンズ(polynactions)、ラベンダーオイル、メリッサオイル、ペパーミントオイル、サルビアオイル、ローズマリーオイル等が例示できる。そして、この例示された殺ダニ剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用いることができる。
【0013】
その殺線虫剤としては、マツノザイセンチュウ、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ等を死滅させることができる薬剤である。具体的な殺線虫剤としては、メスルフェンホス、酒石酸モランテル、クロルピクリン、2,3−ジクロロプロパンと1,3−ジクロロプロペンの混合物、1,2−ジブロモメタン、メチルイソシアネート等が例示できる。そして、この例示された殺線虫剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用いることができる。
【0014】
その抗菌剤としては、殺菌剤とは異なり、死滅させずに細菌類や真菌類の生育を抑制させることができる薬剤である。その具体的な抗菌剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ワニリン、シンナミックアルデヒド、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、d−リモネン、エチルアルコール、カンファー、フェニルオキシド、p−ジクロルベンゼン、ジメチルフマレート、ヒバオイル、アスナロオイル、タイワンヒノキオイル、カシアオイル、ディルオイル、レモンオイル、シトロネラオイル、クローブオイル、タイムオイル、リナロール、トランス−ピノカルベオール、p−イソプロピルシクロヘキサノール、カンフェレニックアルデヒド、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン等が例示できる。そして、この例示された抗菌剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用いることができる。
【0015】
その忌避剤としては、動物、衛生害虫、農業害虫または昆虫を特定の箇所に接近もしくは付着しないようにすることができる薬剤である。その具体的な忌避剤としては、レモングラスオイル、レモングラス、合成ムスク、シンナミックアルデヒド、パインオイル、オイゲノール、ターピネオール、木酢、バニリン、アセトキシフェニルブタン、ヘキサナール、ギ酸ゲラニル、α,β−ピネン、リモネン、サフロール、アネトール、アニスアルデヒド、γ−ラクトン、1,8−シネオール、ナフタリン、アンゲリカ、環状テルペンアルコール、メントール、N,N−ジエチル−m−トルアミド、エチルチオメトン、イソチオネート、クレゾール、香辛料(コショウ、トウガラシ、ハッカ、シソ、チョウジ等)、バニラ、ノニルラクトン、シトライル、リナロール、2−ブトキシエタノール、ビスエーテル、シクロヘキサノン、イソホロン、スペアミントオイル、青葉アルコール、桂皮アルコール、メチルノニルケトン、メチルフェニルケトン、しょう脳、シトラール、ユーカリプトール、アリルイソチアネート、カプサイシン、シクロヘキシミド等が例示できる。そして、この例示された忌避剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用いることができる。
【0016】
その消臭剤としては、不快な臭いを芳香性、マスキング、中和してその臭いの原因を消すものである。そのような消臭剤の具体的な例である芳香性よる消臭剤としては、ローズ油、スズラン油、キンモクセイ油、ジャスミン油、レモン油、クチナシ油、ミント油、バイオレット油等の香料を用いることができる。またマスキングには前記香料の中でもシンナミックアルデヒド、バニリン、ヘリオトロピン、クマリン、カルボン、カナファー、ボネオール等が例示できる。さらに中和して消臭する消臭剤としては、テレピン油、丁子油、桂皮油、シダー油、オレンジ油、レモン油、橙皮油等が例示できる。又、その他にフラボノイド等も用いることができる。そして、この例示された消臭剤の中から選んだ1種または2種以上のものも用いることができる。
【0017】
その植物エキス剤としては、各種の薬効をもつものがあり、例えば、アロエエキス、カモミラエキス、オレンジエキス、海藻エキス、オランダカラシエキス、オドリコソウエキス、オトギリソウエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、アンズエキス、キイチゴエキス、キズタエキス、キナエキス、クチナシエキス、クワエキス、ゲンノショウコエキス、ゴボウエキス、混合果実抽出液、混合植物抽出液、コンフリーエキス、シャクヤクエキス等が例示できる。そして、この例示された植物エキス剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0018】
その紫外線遮蔽剤としては、200〜400nmの波長の紫外線を吸収して、人体や香粧品に対する有害な作用を防止し、さらにその遮蔽剤により皮膚の日焼け、香粧品の劣化等の現象の発生を防止する目的で使用されるものである。その具体的な例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−オキシ−5−メトキシアセトフェノン等のベンゾフェノン系が例示できる。エチル−p−グルコシルイミドベンゾエート、グルコシル−p−アミノベンゾエート、サリシレートエステル、p−オクチルフェニルサリシエート、フェニルサリシアート等の安息香酸エステル系が例示できる。そして、この例示された紫外線遮蔽剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0019】
その酸化防止剤としては、物質が酸素による酸化変質するのを防ぐ薬剤である。その酸化防止剤の具体的なものとしては、ノルジヒドログアヤレチン酸、グアヤク脂、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、α−トコフェロール(ビタミンE)等が例示できる。また、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、イソアスコルビン酸、チオソルビトール、塩酸システイン、チオグリコール酸、チオ硫酸ナトリウム等の水溶性酸化防止剤が例示できる。そして、この例示された酸化防止剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0020】
その止痒剤としては、局所麻酔と清涼刺激作用により痒みを防止するものであり、具体的なものとしてはカンフル、チモール、メントール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、抗ヒスタミン剤、アミノ安息香酸エチル等が例示できる。そして、この例示された止痒剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0021】
その発毛促進剤としては、毛根部によく浸透して、毛乳頭の血流を促進し、毛母細胞の分裂を盛んにして、毛髪の生長を促すものであり、具体的なものとしては、カンタリスチンキ、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、セファランチン、レシチン、ヒノキチオール、感光素301号、エストロゲン、パントテン酸、センブリエキス、グリチルリチン等が例示できる。そして、この例示された発毛促進剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0022】
そのビタミン剤としては、人体に栄養として供給されるものであり、水溶性または脂溶性のビタミンを用いることができる。そのビタミンの具体的なものとしては、水溶性ビタミンでは、ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビタミンB12のビタミンB群や、ビタミンC等が例示できる。さらに脂溶性ビタミンとしてはビタミンA、ビタミンE、ビタミンD等が例示できる。そして、この例示されたビタミン剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0023】
その制汗剤としては、発汗を抑制する作用のあるものであり、具体的には、塩化アルミニウム、アラントイン、クロルヒドロキシアルミニウム、硫酸アルミニウム、ミョウバン、アルミニウムクロロハイドロオキシド等が例示できる。そして、この例示されたビタミン剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0024】
その日焼け止め剤としては人体の日焼けを防ぐものであり、上述の紫外線吸収剤と紫外線散乱剤とを混合して用いられるものである。その紫外線散乱剤の具体的なものとしては、酸化亜鉛、酸化チタン等が例示できる。そして、この例示された紫外線散乱剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0025】
その防腐剤としては、微生物等の繁殖を抑えて、薬剤等の品質を劣化せずに保存する目的で用いられるものであり、具体的には安息香酸、サリチル酸、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、ホウ酸、クロルキシレノール、レゾルシン、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、チモール、ヒノキチール、チオキソロン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゾトニウム、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール等が例示できる。そして、この例示された防腐剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0026】
その保湿剤としては、皮膚に対して保湿し、うるおいを保つ作用のあるものであり、その具体的には、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、1,3−ブチレングリコール、dl−ピロリドンカルボン酸、乳酸ナトリウム等が例示できる。そして、この例示された保湿剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0027】
その収斂剤としては、香粧品等に用いられ皮膚を引き締めるものであり、具体的には、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルジヒドロキシアルミニウム、アルミニウムフェノオールスルフォン酸、パラフェノールスルフォン亜鉛、硫酸亜鉛、アルミニウムクロロヒドロオキシド等が例示できる。そして、この例示された収斂剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0028】
その油性剤としては、香粧品等では、皮膚に対して、柔軟性、清浄化、摩擦効果、保湿効果、光沢効果等の様々な作用を与えるものである。
それには、油脂類、ロウ類、高級脂肪酸、炭化水素等であり、具体的には、アルモンド油、オリーブ油、ツバキ油、ヒマシ油、モクロウ、ヤシ油、ラノリン、セタノール、液状ラノリン、パラフィン、ワセリン、スクワラン、オレイン酸、ラウリル酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等が例示できる。そして、この例示された収斂剤の中から選ばれた1種または2種以上のものも用いることができる。
【0029】
このような薬剤を含浸もしくは担持させる無機多孔質微粒子としては、以下のものが用いられる。
この無機多孔質微粒子としては、無機化合物より形成された多孔質なものであり、形状としては、不定型等の様々な形のものを用いることができるが、特に好ましくは略球形状のものを用いることが望ましい。
その無機化合物としては、アルカリ土類金属の炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、硫酸塩や金属酸化物、金属水酸化物、その他の金属珪酸塩、あるいはその他の金属炭酸塩等が使用可能である。
具体的なアルカリ土類金属の炭酸塩としては炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネウム等が、アルカリ土類金属の珪酸塩としては珪酸カルシウム、珪酸バリウム、珪酸マグネシウム等が、またアルカリ土類金属の燐酸塩としては燐酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸マグネシウム等が、そしてまたアルカリ土類金属の硫酸塩としては硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等がそれぞれ挙げられる。
さらに金属酸化物としてはシリカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化アルミニウム等が、金属水酸化物としては水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム等がそれぞれ挙げられる。
そしてその他の金属珪酸塩としては珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム等が、その他の金属炭酸塩としては炭酸亜鉛、炭酸アルミニウム、炭酸銅等がそれぞれ挙げられる。
【0030】
そして、無機多孔質微粒子は、特に界面反応法で得られた無機系の材料を用いたものを用いることが可能であり、例えば珪酸カルシウム等の無機多孔質なるものを用いることができる。そして、特に特公昭57−55454号公報に記載されている界面反応法によって得られた球形の無機多孔質微粒子を好適に用いることができる。具体的なものとしては、既に商品化されているこのような球形の無機多孔質微粒子(商品名:ゴットボール、鈴木油脂工業株式会社製)を用いることができる。
【0031】
その無機多孔質微粒子の具体的な製造方法としては以下の方法により行う。即ち、無機化合物としてシリカを用いる場合、一例としてまず水ガラス溶液をソルビタンモノステアレートとポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート混合物の局方流動パラフィン溶液と共に乳化し、油中水滴型乳濁液を調整し、さらに硫酸アンモニウム溶液に加えて反応させて放置する。続いて濾過、洗浄、乾燥を行うことにより、壁物質が無水珪酸からなる中空の多孔質微粒子が得られるのである。
【0032】
次いで、図1に示す如き機器構成のもとで、前記工程により得られた図2に示す無機多孔質微粒子1の空隙部2に、薬剤3を導入した。本装置は、排気バルブ4とリークバルブ5を設けた真空チャンバー6と薬剤3の溶液が入ったタンク7とが、導入バルブ8を介して接続されているものであり、真空チャンバー6内で無機多孔質微粒子1を減圧することによって、常圧状態下にある薬剤3の溶解液を圧力差を利用して空隙部2に導入した。そしてその概略工程の一例が以下に示されるのである。
【0033】
まず無機多孔質微粒子1を真空チャンバー6内にセットし、リークバルブ5、導入バルブ8を閉じるとももに排気バルブ4を開いて、真空チャンバー6内を10〜10-3torrに減圧する。つぎに排気バルブ4を閉じて真空チャンバー6内の排気を終了し、導入バルブ8を開く。この時、薬剤3の溶解液の入ったタンク7内は大気圧であるため、圧力差によって薬剤3が真空チャンバー6内に導入される。真空チャンバー6内の排気によって無機多孔質微粒子1の空隙部2も減圧状態にあるので、真空チャンバー6内に導入された薬剤3は無機多孔質微粒子1内部の空隙部2に浸透する。続いてリークバルブ5を開いて真空チャンバー6を大気圧に戻した後に濾過等によって過剰の薬剤3の溶解液を分離し、薬剤3を担持させた無機多孔質微粒子が得られるのである。ここで用いられる無機多孔質微粒子1は、例えば粒径で0.1〜300μm、壁厚で0.05〜150μm、空孔径で2nm〜2μm、そして嵩密度で0.1〜5cc/g程度のものである。また無機多孔質微粒子1に薬剤3を担持させる量としては1〜500重量%程度とすることが望ましく、好ましくは10〜130重量%にするのが良い。即ち1重量%未満であると、薬剤3の持続力が短く、また500重量%より多いと過剰となり無機多孔質微粒子から流出するので前記範囲にするのが望ましい。
【0034】
こうして薬剤3を担持させた無機多孔質微粒子1の概略断面構造が図2として示される。図例のものは壁物質が無水珪酸からなる非中空の無機多孔質微粒子1内に、薬剤3が担持されているものであり、壁面に存在する無数の空隙部2・・・より薬剤3が徐々に蒸散し、薬剤3の持つ忌避作用を、長時間にわたって持続させることができるのである。尚、図3に示しているような、中空の無機多孔質微粒子1の中空部9に前記薬剤3を含浸させることもできる。
【0035】
そして、薬剤を担持させた前記無機多孔質微粒子は、エアゾール組成物中に0.01〜60重量%を、好ましくは1〜30重量%を含有させることができる。即ち0.01重量%未満であると、薬剤の持続力が短く、また60重量%以上であると分散液に流動性が損なわれて、分散させることができないので、前記範囲にするのが望ましい。
【0036】
本発明の分散液としては、薬剤を分散させることができる液体であり、0〜50℃の環境下で液体状態であるものが望ましく、用途に応じて水または有機溶媒や、さらには混合物も用いることができる。その有機溶媒では、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アルデヒド類などを特に好適に用いることができる。そして、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が例示できる。さらに、エーテル類には、石油エーテル、ジエチルエーテル等が例示できる。ケトン類にはアセトン、メチルエチルケトン等が例示できる。アルデヒド類にはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が例示できる。好ましくはアルコール類を用いることが望ましく、特に好ましくは炭素数が1〜3のメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等を用いることができる。
また、分散液の特に好ましい使用形態としては、人間の生活空間に用いることとからアルコール類と水との混合物を用いることが望ましく、そのアルコール類の含有量としては75〜95重量%を含むものが好適であり、より均一に薬剤を分散させることができる。
【0037】
次に、アクリル酸重合体としては、ポリアクリル酸とも呼ばれアクリル酸を2以上重合したもので、特に架橋型アクリル酸重合体を用いることができる。
そのアクリル酸重合体の具体的な例は、日本純薬(株)製のジュンロンPW−110、ジュンロンPW−150、昭和電工(株)製のカーボポール907、カーボポール910、カーボポール934、カーボポール934P、カーボポール940、カーボポール941、製鉄化学工業(株)製のアクペックHV−505、和光純薬(株)製のハイビスワコー103、ハイビスワコー104、ハイビスワコー105、ハイビスワコー204、ハイビスワコー304等が例示できる。そのアクリル酸重合体のエアゾール組成物中の含有量としては、0.0001〜6重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%とするのが望ましい。即ち、0.0001未満であると、粘度が低すぎて均一に分散することができず、また6重量%より多いと粘度が高すぎて均一に分散することができなくなるので、前記範囲にするのが望ましい。
【0038】
前記アルカリ剤としては、アクリル酸重合体を中和して、分散液を増粘させる水不溶性もしくは水難溶性のものである。その具体的なアルカリ剤としては、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンプロピレンアミン、ポリオキシエチレンプロピレンジアミン、ポリオキシエチレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンヤシアミン、ジブチルアミン、トリ−(2−エチル)ヘキシルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジブチル−2−エチルヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、ジアリルアミン、ジ−sec−イソブチルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、N,N−ジメチルアリルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、N−メチルジアリルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジ−n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルオキシプロピルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、N−メチル−ジ−n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジ−(2−エチル)ヘキシルアミン等が例示できる。そして、そのアルカリ剤の含有量としては、アクリル酸重合体を中和するのに必要となるものであり、アクリル酸重合体の含有量にもよるが0.00001〜20重量%を、好ましくは0.01〜0.5重量%とするのが望ましい。即ち、0.00001重量%未満であると、中和が不十分であるために均一に分散することができず、また20重量%より多いと過剰となるので、前記範囲にするのが望ましい。
【0039】
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等を用いることが可能であり、特に人体に用いるために、化粧品原料基準に記載のものが望ましい。さらに、界面活性剤は、HLB値が1〜20のものを用いることができ、好ましくは5〜15のものを用いるのが望ましい。そのHLB値が5〜15のものを用いると、より均一に薬剤及び無機多孔質微粒子を分散させることができる。その界面活性剤のエアゾール組成物中には、0.01〜5重量%の量を含有させることができる。
即ち、0.01重量%未満であると分散しにくくなり、5重量%より多いと界面活性剤が過剰となるので、前記範囲にするのが望ましい。
その具体的な界面活性剤としては、以下のものが例示できる。
陰イオン界面活性剤としては、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンチセルエーテル燐酸、ポリオキシエチレンチセルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル燐酸、ポリオキシエチレンオレイルエーテル燐酸、ポリオキシエチレンオレイルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、大豆リン脂質等が例示できる。
【0040】
陽イオン界面活性剤としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼントニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化ドミフェン等が例示できる。
【0041】
両イオン界面活性剤としては、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が例示できる。
【0042】
非イオン界面活性剤としては、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、親油型モノオレイン酸グリセライド、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂脂肪ジエタノールアミド、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、乳酸ミリスチル、乳酸チセル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン等が例示できる。
【0043】
また、本発明の薬剤は、揮発性を調整するためにも特に保湿作用が得られる化合物を混合することができる。その保湿作用が得られる化合物としてはグリセリン、油脂等を用いることができる。その混合する量としては、0.01〜50重量%を、好ましくは1〜10重量%を混合することができる。
【0044】
そして、本発明に依るエアゾール組成物の製造方法は、分散液に、アクリル酸重合体とアルカリ剤とを加えて増粘させるとともに、さらに薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と界面活性剤とを加えて分散させるものである。
そして、本発明の製造方法では、特に10〜35℃の室温で行うことが望ましく、アクリル酸重合体を攪拌しながら添加して、均一に分散する。そして、アルカリ剤を加えて分散液を中和することにより、分散液に粘性を与えることができる。そして、B型粘度計等の粘度計で測定した粘性の値としては、10〜300000cps、好ましくは400〜1000cpsに調整するのが望ましい。即ち、前記範囲外の粘性の値であると均一に分散することができないので、前記範囲にするのが望ましい。
そして、このように粘性、即ち増粘した分散液には、前記薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と界面活性剤とを添加して、攪拌して均一に分散させることによりエアゾール組成物が得られる。その均一に分散させる手段としてはホモジナイザーにより、10〜13000rpm/分、好ましくは5000〜8000rpm/分の回転数により高速攪拌してホモジナイズすることが望ましい。即ち、10rpm/分未満であると、均一に薬剤を分散させることができず、また13000rpm/分より回転数が高いとアクリル酸重合体を剪断してしまい薬剤を分散させることができないので、前記範囲にするのが望ましい。
【0045】
本発明のエアゾール製品に用いる耐圧容器としては、次の様な容器を用いる事ができる。即ち、50℃の環境下において、容器内の圧力に対して容器外から1.5倍の圧力を加えたときに変形せず、且つ容器内の圧力に対して容器外から1.8倍の圧力を加えた時に容器が破裂しない容器を用いることが可能であり、あるいは、圧力が13Kg/cm2 の環境下で容器が変形せず、且つ圧力が15Kg/cm2 で破裂しない容器も用いることができる。尚、これらは、通商産業省告示第203号に適するものを用いるのが望ましい。
このような容器に用いる材質としては鋼、軽金属、ガラス、合成樹脂等を使用するのが好適であり、具体的な軽金属としては、鉄板、ブリキ、アルミニウム等が例示できる。そして密閉する方法としてはエアゾール用バルブ、通常の場合には、専用に作製された缶用バルブ、瓶用バルブ等のエアゾール用バルブを用いることができる。
【0046】
本発明のエアゾール製品に用いる噴射剤としては、液化石油ガス、ジメチルエーテル、フロン、圧縮ガス等を用いることができる。その圧縮ガスとしては、炭酸ガス、窒素ガス、笑気ガス(亜酸化窒素ガス)、酸素ガス、空気ガス等が例示できる。そして、特に比較的安全で無公害の窒素ガス、炭酸ガス等を用いるのが望ましい。
【0047】
またエアゾール製品に本発明のエアゾール組成物を充填する量としては、噴射材の種類にもよるが、30〜98重量%を充填することが可能であり、好ましくは液化石油ガス、ジメチルエーテル、フロン等を用いた場合には30〜90重量%を、特に好ましくは35〜75重量%を混合することができる。また圧縮ガスを用いた場合には、70〜99重量%を、特に好ましくは80〜99重量%を混合することができる。
即ち、エアゾール組成物が30重量%未満であると、噴射剤の量が多すぎると、エアゾール組成物と噴射剤との相溶性の問題が起る心配があったり、噴射したスプレー液が不必要にドライになり塗布効果が低下することになる。また99重量%より多いと噴射剤の量が少なく、耐圧容器に収容したエアゾール組成物を残らず噴射することが出来ないので、前記範囲にするのが望ましい。
【0048】
本発明の作用は以下に示すものである。
即ち、本発明のエアゾール組成物によれば、アクリル酸重合体とアルカリ剤によって形成される増粘作用により、薬剤を担持させた無機多孔質微粒子を均一に分散させて、さらに分散液が揮発すると、無機多孔質微粒子の表面にアクリル酸重合体の皮膜を形成させることができる。
分散液にアルコール類を用いた本発明のエアゾール組成物は、分散液を早急に揮発させることができる。
前記無機多孔質微粒子を界面反応法で得られたものであると、より均一に分散させることができ、さらに優れた徐放効果を得ることができる。
0.01〜60重量%の前記無機多孔質微粒子を含むエアゾール組成物であると、より均一に分散させることができる。
前記無機多孔質微粒子に、1〜500重量%の薬剤を担持させたものであると、効率よく薬剤を担持させることができる。
また、本発明の製造方法によれば、分散液に、アクリル酸重合体とアルカリ剤とを加えて増粘させることにより、薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と薬剤とを、均一に分散させることができる。
本発明のエアゾール組成物と噴射剤を耐圧容器に収容するとともに密閉すると、均一に散布することができる。
前記噴射剤が、窒素ガスまたは炭酸ガスであると、不燃性であり且つ無害である。
【0049】
【実施例】
本発明の詳細を図例を参照しながら説明する。
(実施例1)
実施例1としては、薬剤のうち蚊に対して忌避効果のあるN,N−ジエチル−m−トルアミドを忌避剤として用いて下記に示す表1の配合によりエアゾール組成物を作製した。即ち、エチルアルコールに、アクリル酸重合体を加えて混合し、さらに粘性を与えるためにポリオキシエチレンヤシアミン(商品名:エソミン−45、ライオン株式会社製)を添加した。さらに、アクリル酸重合体の液にグリセリンと、水と、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(非イオン界面活性剤)との混合液を作製した。そして、予めN,N−ジエチル−m−トルアミドを担持させたシリカの無機多孔質微粒子を、前記混合液に加えて、室温下でホモジナイザーにより、毎分6000rpmの回転数により5分間ホモジナイズしてエアゾール組成物を作製した。その配合を表1に示した。
【0050】
(実施例2)
実施例2としては、薬剤のうち天然香料の1つであるユーカリ油を用いて、表1に示す配合により実施例1と同様の操作を行いエアゾール組成物を作成した。
【0051】
(比較例1)
比較例1としては、実施例1に用いたN,N−ジエチル−m−トルアミドを表1に示す配合によりエアゾール組成物を作製した。即ち、エチルアルコールに、アクリル酸重合体を加えて混合し、さらに粘性を与えるためにポリオキシエチレンヤシアミンを添加して、アクリル酸重合体の液を作製した。さらに、アクリル酸重合体の液にグリセリンと、水と、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(非イオン界面活性剤)を添加混合して、前記混合液に加えて、室温下でホモジナイザーにより、毎分6000rpmの回転数により5分間ホモジナイズしてエアゾール組成物を作製した。この場合は、実施例とは異なり無機多孔質微粒子を用いずにN,N−ジエチル−m−トルアミドをそのまま混合液に混合して、比較例を作製した。
【0052】
(比較例2)
比較例2としては、実施例2と同様の香料を用いて、表1の配合により比較例1と同様の操作及び同様のエアゾール組成物を作製した。
【0053】
【表1】
Figure 0003683012
【0054】
(応用例1)
実施例1のエアゾール組成物を用いてエアゾール製品を作製した。即ち、耐圧容器として直径40mm、高さ140mmの最大充填量が154mlのものを用い、75gの実施例1と4gの炭酸ガスを充填するとともに、密閉するために、JS04436(ステムオリフィス 2×0.33mm)のバルブと、MBタイプ(0.33mm)のボタンからなるエアゾール用バルブを取り付けて、噴射圧が7.3(Kg/cm2 )であるエアゾール製品を作製し応用例1とした。
【0055】
(応用例2)
実施例2のエアゾール組成物を応用例1と同様の操作及び同様のエアゾール製品を作製した。
【0056】
(参考例1)
参考例1としては応用例1に用いた実施例1を比較例1に置き換えた以外は応用例1と同様の操作を行い、エアゾール製品を作製した。
【0057】
(参考例2)
参考例2としては、応用例1に用いた実施例1を比較例2に置き換えた以外は応用例1と同様の操作を行い、エアゾール製品を作製した。
【0058】
(応用例1と参考例1の比較試験)
直径110mmの定量濾紙(商品名:NO.3、アドバンテック東洋株式会社製)に、エアゾール用バルブの先端から100mmの距離から噴射して約5gを塗布して、吸着させて、さらにその濾紙を庫内温度が25℃の恒温槽内に設置して徐放試験を行った。そして、中を2分割して、分割した部屋を双方に通過できるように設計された30×30×30cmの飼育ケースの一方に、徐放試験中の濾紙を入れてアカイエカに対する忌避効力を確認した。その確認方法は、徐放試験中の濾紙を設置した飼育ケースの一方に20匹のアカイエカを入れて、濾紙を設置していない方に移動する数を日数ごとに観察し、その数を表2に示しアカイエカに対する忌避効果を確認した。
【0059】
【表2】
Figure 0003683012
【0060】
その結果、表2より明らかなように、応用例1は参考例1と比較して、蚊に対して長い持続忌避効果を有していた。
【0061】
(応用例2と参考例2の比較試験)
直径110mmの定量濾紙(商品名:NO.3、アドバンテック東洋株式会社製)に、エアゾール用バルブの先端から100mmの距離から噴射して約5gを塗布して、吸着させて、さらにその濾紙を庫内温度が25℃の恒温槽内に設置して徐放試験を行った。そして、人間の臭覚により芳香性の効果の確認を行った。その結果を表3に示した。
【0062】
【表3】
Figure 0003683012
【0063】
表3から明らかなように応用例2の方が優れた効果を有していた。
【0064】
【発明の効果】
本発明のエアゾール組成物によれば、アクリル酸重合体とアルカリ剤によって形成される増粘作用により、薬剤を担持させた無機多孔質微粒子を均一に分散させて、さらに分散液が揮発すると、無機多孔質微粒子の表面にアクリル酸重合体の皮膜を形成させることができるので、長期間に亙って蚊に対する忌避効果を保つことができる。
分散液にアルコール類を用いた本発明のエアゾール組成物は、分散液を早急に揮発させることができるので、塗布または散布した後には、効率良く薬剤を均一に揮発させることができる。
前記無機多孔質微粒子を界面反応法で得られたものであると、より均一に分散させることができ、さらに優れた徐放効果を得ることができるので、長期間に亙って徐放効果を有することができる。
0.01〜60重量%の前記無機多孔質微粒子を含むエアゾール組成物であると、より均一に分散させることができるので、優れた徐放効果を有することができる。
前記無機多孔質微粒子に、1〜500重量%の薬剤を担持させたものであると、効率よく薬剤を担持させることができるので、優れた徐放効果を有することができる。
上述のように本発明のエアゾール組成物は、薬剤を均一に分散させることが可能となり、また優れた徐放機能を有するので、蚊に対して忌避効果を長期間に亙って維持することができる。
【0065】
また、本発明の製造方法によれば、分散液に、アクリル酸重合体とアルカリ剤とを加えて増粘させることにより、薬剤を担持させた無機多孔質微粒子を、均一に分散させることができるので、従来無機多孔質微粒子では不可能であったものが、手間も掛からずに簡単に分散させてコストダウンを計ることができる。
【0066】
本発明のエアゾール組成物と噴射剤を耐圧容器に収容するとともに密閉すると、均一に散布することができるので、人体に簡単に塗布することができ、しかも持続力が長いものが得られる。
前記噴射剤が、窒素ガスまたは炭酸ガスであると、不燃性であり且つ無害であるので、より安全なエアゾール製品を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無機多孔質微粒子への薬剤を注入する方法の説明図
【図2】本発明に用いる中実の無機多孔質微粒子の説明図
【図3】本発明に用いる中空の無機多孔質微粒子の説明図
【符号の説明】
1.無機多孔質微粒子 9.中空部
2.空隙部
3.薬剤
4.排気バルブ
5.リークバルブ
6.真空チャンバー
7.タンク
8.導入バルブ

Claims (7)

  1. 薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と、アルコール類と水との混合物である分散液と、アクリル酸重合体と、水不溶性もしくは水難溶性のアルカリ剤と、界面活性剤と、からなるエアゾール組成物。
  2. 前記無機多孔質微粒子が界面反応法で得られたものである請求項1記載のエアゾール組成物。
  3. 1〜30重量%の前記無機多孔質微粒子を含むものである請求項1または2記載のエアゾール組成物。
  4. 前記無機多孔質微粒子に、1〜500重量%の薬剤を担持させたものである請求項1、2または3記載のエアゾール組成物。
  5. アルコール類と水との混合物である分散液に、アクリル酸重合体と水不溶性もしくは水難溶性のアルカリ剤とを加えて増粘させるとともに、さらに薬剤を担持させた無機多孔質微粒子と界面活性剤とを加えて分散させるエアゾール組成物の製造方法。
  6. 請求項1、2、3または4記載のエアゾール組成物と噴射剤を耐圧容器に収容するとともに密閉したエアゾール製品。
  7. 前記噴射剤が、窒素ガスまたは炭酸ガスである請求項記載のエアゾール製品。
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