JP3876369B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、別々に供給される湯と水とを所望する温度の温水に混合して洗浄ノズルから噴出させる衛生洗浄装置において、捨て水を無駄なく行うようにした技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホテル等に設置された人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置では、別々に供給された湯と水とを所望する温度の温水に混合して洗浄ノズルから噴出し、人体の局部を洗浄するようにしている。しかし、冬期等の気温の低い環境では、衛生洗浄装置を一定時間以上使用しなくなると、給湯管(給湯本管から各階の衛生洗浄装置へ分岐する給湯管をいう)及び湯水の混合装置並びに湯水の混合装置から洗浄ノズルまでの流路に残っている残留水が冷たくなり、新たな使用に際し、前記冷たい残留水(いわゆる初期冷水)が使用者の身体に直接噴出され、使用者がヒヤッーとした感じを受け、全身が飛び上がる程の緊張又は硬直をする等の不快感を伴うことがあった。
【0003】
そのため、湯と水とが別々に供給されるタイプの従来の衛生洗浄装置では、湯水の混合装置と洗浄ノズルとの間に捨て水バルブを設置し、使用開始直前に捨て水バルブを開動作させて、所定量の捨て水を行い、実際の使用に際してはいわゆる初期冷水が吐出されないように、つまりは最初から温水のみが吐出されるようにしていた。なお、捨て水バルブの開閉制御は、人体検知信号が出力されると強制的に捨て水バルブを開動作させ、流路の途中に設けた温水の温度センサーが所定温度になったことを検知すると捨て水バルブを閉動作させるタイプのものと、使用者が捨て水バルブの開閉制御スイッチをON,OFF操作するタイプのものとがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記のような従来の捨て水の方法であれば、衛生洗浄装置の使用頻度が高く、一定時間の範囲内に次の使用者があるような場合は、給湯管及び湯水混合装置並びに湯水混合装置と洗浄ノズルとの間の残留水が冷たくはなっていないが、それにも拘らず、必ず捨てられるという無駄があった。また室温が所定の温度以上である場合は、給湯管及び湯水混合装置並びに湯水混合装置と洗浄ノズルとの間の残留水が長時間放置されるような場合であっても、冷たくはならず、そのまま使用者の局部ヘ向けて吐出されても使用者が冷たいという感じを受けることはないが、その場合でも必ず捨てられるという無駄があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、無駄な捨て水を行うことのない衛生洗浄装置を提供せんとするものである。
【0006】
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、別々に供給される湯と水とを混合して所望する温度の温水にし、これを洗浄ノズルから噴出して人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置において、湯と水の混合室から洗浄ノズルまでの間に捨て水バルブを配設し、該捨て水バルブの開閉を制御回路で行うようにして成り、制御回路は前回の使用が終わり便座から立ち上がる人体を着座スイツチが検知したとき起動するタイマーの設定時間終了後に着座スイツチが便座へ着座した人体を検知したとき、捨て水バルブを所定時間だけ開動作させることを特徴とする衛生洗浄装置である。
この発明の衛生洗浄装置では、前回の使用が終わり便座から立ち上がってから所定時間の範囲内では、流路内の残留水が冷たくならないので、捨て水は行われない。前回の使用が終わり便座から立ち上がってから所定時間を越えた時以降に、便座への着座により衛生洗浄装置の使用があるときに限り、すなわち、流路内の残留水が冷たくなった後の使用では捨て水を行うようにしている。これにより、流路内の残留水が冷たくないときに行われていた従来の捨て水の分だけ、無駄を防止することが可能である。
【0007】
本発明が採用した請求項2の手段は、前記制御回路は、室温が設定温度以下になった状態で前記タイマーの設定時間終了後に前記着座スイツチが着座した人体を検知したとき、前記捨て水バルブを開動作させる請求項1記載の衛生洗浄装置である。
この発明では、室温が所定温度以上の場合は、流路内の残留水が冷たくなることはないので、タイマーの設定時間終了後に便座へ着座する人体を検知したとしても捨て水を行わないようにしている。従って、このような場合でも使用開始直前に行っていた従来の捨て水の分だけ、無駄を防止することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1は本発明の第1の実施の形態に係るものであり、図(A)は洋風大便器(以下は、単に便器という)1に組み込まれた衛生洗浄装置2を示す斜視図、図2は当該衛生洗浄装置2の制御タイムチャートを示す図面である。図(A)に示す如く、便器1の後部上面には便座3及び便蓋4を開閉自在に枢支してなる便座ボックス5が取付られており、便器1の一方側の側面には衛生洗浄装置2の本体2aが前記便座ボックス5と一体に形成されて取り付けられている。衛生洗浄装置本体2aには、給湯管6(給湯本管から分岐して各階の衛生洗浄装置へ連通接続される給湯管をいう)と給水管7とから供給される湯と水とを混合して所望する温度の温水にする湯水混合装置(図示せず)と、該湯水混合装置の設定温度及びシャワー洗浄及び肛門洗浄の切り換えやそのON,OFF制御を行う制御回路(図示せず)とが組み込まれている。なお、図(A)において、符号8は洗浄ノズルである。この洗浄ノズル8は、シャワー洗浄用のノズルと肛門洗浄用のノズルとが別々に設けられて専用的に使用される。また湯水混合装置と洗浄ノズル8との間の流路の途中には、図示しない捨て水バルブが設けられている。捨て水バルブは、排水の都合上、便鉢内へ臨む位置に設けられていることが便利である。
【0010】
図(B)のタイムチャートは、このように構成された衛生洗浄装置2における捨て水バルブの動作タイミングを示すものである。すなわち、先ず最初に使用者が便座3へ着座すると、その荷重により着座スイッチがONとなり、便器1の使用が確認される。着座スイッチのON信号出力により、捨て水バルブが開動作(ON)し、給湯管6及び湯水混合装置並びに湯水混合装置から洗浄ノズル8に至るまでの間の残留水が、例えば30秒の間だけ捨て水バルブから便鉢内へ排出される。この場合の排水は、前記残留水が冷たくなっているかいないかに拘らず排出される。従って、その後に衛生洗浄装置2の洗浄ノズル8から噴出される洗浄水は、所望する温度の温水となり、使用者は確実に快適な使用が可能である。
【0011】
次に、便器1の使用が終わり、使用者が便座3から立ち上がると、着座スイッチがOFF動作する。制御回路は、このOFF信号から所定時間の間、タイマーにより時間をカウントする。例えば、設定時間を6時間とすると、前回の使用から3時間経過したときに、次の使用があると、制御回路は給湯管6及び湯水混合装置並びに湯水混合装置から洗浄ノズル8までの間の残留水が未だ冷たくなっていないと判断し、この場合は着座スイッチのON信号が出力されても捨て水バルブを開動作させない。従って、従来はこのような場合でも強制的に捨て水を行っていたが、本案ではその分だけ無駄を防止することが可能である。
【0012】
ところが、着座スイッチのOFF信号が出力されてから設定時間(6時間)を経過した後の例えば7時間経過後に、次の便器使用があった場合は、制御回路は給湯管6及び湯水混合装置並びに湯水混合装置から洗浄ノズル8までの間の残留水が冷たくなっていると判断し、着座スイッチのON信号出力と同時に捨て水バルブをON(開)動作させる。そのため、前記流路途中の冷たくなった残留水が捨て水バルブが開動作している30秒の間に排出され、流路内を流れる洗浄水は所望する温度の温水となる。従って、その後に洗浄ノズル8から洗浄水を噴出させて衛生洗浄を行った場合は、使用者の局部は所望する温度の温水によって洗浄されることになり、快適な使用が可能である。
【0013】
図2は、本発明外の第2の実施の形態に係る捨て水バルブの動作タイミングを示すタイムチャート図である。この第2の実施の形態では、トイレ室内の室温を検知し、室温が設定温度以上である場合は、給湯管6及び湯水混合装置並びに湯水混合装置から洗浄ノズル8までの間の残留水が冷たくなることはないと判断し、着座スイッチのON信号が出力されても捨て水を行わないようにしている。つまり、この場合の捨て水は、トイレ室内の室温が設定温度以下の場合において、便器1の使用があり、着座スイッチからのON信号が出力されたときにのみ所定時間の間だけ行われるようにしている。従って、従来は、室温が所定の温度以上で、いわゆる初期冷水の吐出されるおそれがない場合であっても、着座信号等の人体検知信号によって強制的に捨て水が行われていたが、その分だけ無駄を防止することが可能である。
【0014】
また本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、図1の図(A)に示すタイマーによる時間的な制御と、図2に示すトイレ室内の室温による制御とを組み合わせて行うことが可能である。この場合は、トイレ室内の室温が設定温度以下で、しかも、前回の便器使用から設定時間を経過した後に便器の使用がある場合に限って捨て水が行われることになり、捨て水の無駄をより防止することが可能である。また前記タイマーによる時間的な制御の場合の設定時間と、室温制御による場合の設定温度等は衛生洗浄装置2が使用される環境等に応じて適宜設定すればよい。
【0015】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の衛生洗浄装置にあっては、湯と水の混合室から洗浄ノズルまでの間に捨て水バルブを配設し、該捨て水バルブの開閉を制御回路で行うようにした衛生洗浄装置であって、制御回路は前回の使用が終わり便座から立ち上がることによって起動するタイマーの設定時間終了後に便座へ着座する人体を検知したとき、捨て水バルブを所定時間だけ開動作させるようにしている。そのため、前回の使用から所定時間の範囲内では、流路内の残留水が冷たくならないので、捨て水は行われない。前回の使用から所定時間を越えた時以降は、流路内の残留水が冷たくなるので捨て水を行うようにしいてる。これにより、流路内の残留水が冷たくないときに行われていた従来の捨て水の分だけ、無駄を防止することが可能である。
【0016】
また本願の別発明では、タイマーによる捨て水バルブの開閉制御と、室温による捨て水バルブの開閉制御とを組み合わせることで、室温が設定温度以下になった状態でタイマーの設定時間終了後に便座へ着座する人体を検知したときに、前記捨て水バルブを開動作させるようにしている。室温が所定温度以上の場合は、流路内の残留水が冷たくなることはないので、捨て水は行われない。従って、室温が所定温度以上の場合でも使用開始直前に行っていた従来の捨て水の分だけ、無駄を防止することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るものであり、図(A)は衛生洗浄装置及び便器の斜視図、図(B)は捨て水バルブの制御タイムチャートを示す図面である。
【図2】 本発明外の第2の実施の形態に係る捨て水バルブの制御タイムチャートを示す図面である。
【符号の説明】
1…便器 2…衛生洗浄装置
2a…衛生洗浄装置の本体 3…便座
6…給湯管
Claims (2)
- 別々に供給される湯と水とを混合して所望する温度の温水にし、これを洗浄ノズルから噴出して人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置において、湯と水の混合室から洗浄ノズルまでの間に捨て水バルブを配設し、該捨て水バルブの開閉を制御回路で行うようにして成り、制御回路は前回の使用が終わり便座から立ち上がる人体を着座スイツチが検知したとき起動するタイマーの設定時間終了後に着座スイツチが便座へ着座した人体を検知したとき、捨て水バルブを所定時間だけ開動作させることを特徴とする衛生洗浄装置。
- 前記制御回路は、室温が設定温度以下になった状態で前記タイマーの設定時間終了後に前記着座スイツチが着座した人体を検知したとき、前記捨て水バルブを開動作させる請求項1記載の衛生洗浄装置。
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1998
- 1998-12-01 JP JP34132898A patent/JP3876369B2/ja not_active Expired - Fee Related
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